学科(旧称:筆記)の問題と公式解答を種別・年度・期・午前午後で区別しています。CBTの出題例は過去の筆記試験とは別種別です。技能の課題は学科と分けて収録しています。
平成30年度第一種電気工事士技能試験(12月8日) 課題10の概要
平成30年度第一種電気工事士技能試験 課題10の施工・結線
配線工事 · 計器用変圧器(VT) / VCB補助接点 / 開閉表示灯回路 / リングスリーブ圧着
配線図および施工条件に従い、計器用変圧器(VT×2)、VCB補助接点(4P端子台代用)、開閉表示灯(3P端子台代用)、不足電圧継電器(U<)、電圧計(V)を含む高圧受電設備回路を完成させるための、各端子台の結線、ジョイントボックス内での電線接続、電線色別、リングスリーブの刻印サイズを具体的に記述しなさい。
解答・解説を表示
解答
VT二次側のわたり線(白)接続と接地線(VT1のv端子、緑)の接続、不足電圧継電器(VT1のu端子とVT2のv端子)への接続、ジョイントボックス内でのR相(赤)・S相(白)・T相(黒)の分岐、VCB補助接点端子台(a1-b1渡り、a2/b2出力)および表示灯端子台(c:共通、a:赤、b:緑)への配線、接続箇所5箇所すべてリングスリーブ小・刻印「小」による圧着。
解説
計器用変圧器(VT)2台をV結線して三相交流電圧を110Vに降圧する回路では、接地側(S相)のわたり線処理と二次側端子の極性・相順の確認が極めて重要です。またVCB開閉表示灯回路は、投入時に閉じるa接点で赤ランプを点灯、開放時に閉じるb接点で緑ランプを点灯させるシーケンスの基本構成となっています。
解き方
- 施工条件および結線図(図3・図4)を読み取り、VT端子台における一次側・二次側の端子配列と相の対応(R:u1, S:v1・u2, T:v2)を整理する。
- VT端子台二次側のわたり線(白)とD種接地線(VT1のv端子・緑)およびU<・JBへ向かうケーブルを正確に端子台へ結線する。
- VCB補助接点端子台(4P)の電源入力(a1-b1渡り)および表示灯端子台(3P)のコモン(c)とランプ入力(a, b)を配線する。
- ジョイントボックス内で各ケーブルの心線を施工条件に従って色別・回路ごとにまとめ、電線太さ(2mm2)に応じたリングスリーブ刻印「小」で確実に圧着する。
答えの内訳
- VT端子台(2P×2)の結線:一次側(高圧)はKIP 8mm2を用いてT2のV端子、T2のU端子とT1のV端子のわたり接続部、T1のU端子に結線する。二次側はVT1(T1)のv端子とVT2(T2)のu端子間をIV 2mm2(白)でわたり配線し、VT1のv端子にIV 2mm2(緑)のD種接地線を接続する。不足電圧継電器(U<)へはCVV 2心を用い、VT2のv端子に黒、VT1のu端子に白を結線する。ジョイントボックスへはCVV 3心を用い、VT1のu端子に赤(R相)、わたり部のあるVT2のu端子(またはVT1のv端子)に白(S相)、VT2のv端子に黒(T相)を結線する。
- 施工条件3に基づき接地線はVT1のv端子へ、二次側わたり線は白(2mm2)を使用し、U<への配線はVT1のu端子およびVT2のv端子に接続します。また施工条件6より相色はR相:赤、S相:白、T相:黒とします。
- VCB補助接点端子台(4P)の結線:端子a1にCVV 2-3心の黒線(T相電源)を接続し、a1端子とb1端子の間を黒色の渡り線で渡り接続する。端子a2およびb2にCVV 2-3心の残り2線(赤線・白線等)をそれぞれ結線してジョイントボックスへ送る。
- 図4の展開接続図において、T相(黒)が接点a1およびb1の電源側共通端子となるため、端子台上でa1-b1間を渡り接続する必要があります。a2は赤ランプ用、b2は緑ランプ用の回路となります。
- 表示灯端子台(3P)の結線:端子c(内部コモン)にCVV 2-3心の白線(S相電源側)を接続する。端子a(赤ランプ側)にVCB補助接点a2からの信号線、端子b(緑ランプ側)にVCB補助接点b2からの信号線をそれぞれ結線する。
- 内部結線図より端子cが赤ランプ・緑ランプ共通の接地側(S相・白)端子であり、端子aが赤ランプ、端子bが緑ランプに対応しています。
- ジョイントボックス内の電線相互接続と圧着刻印:①T相電源接続:VTからの黒線、電圧計への黒線、VCB補助接点へ向かう黒線の計3本(2mm2×3本)をリングスリーブ小で圧着し、刻印は「小」。②S相電源接続:VTからの白線、表示灯端子台c端子へ向かう白線の計2本(2mm2×2本)をリングスリーブ小で圧着し、刻印は「小」。③R相電源接続:VTからの赤線、電圧計への赤線(または白線)の計2本(2mm2×2本)をリングスリーブ小で圧着し、刻印は「小」。④赤ランプ回路接続:VCB補助接点a2からの電線と表示灯端子台a端子へ向かう電線の計2本(2mm2×2本)をリングスリーブ小で圧着し、刻印は「小」。⑤緑ランプ回路接続:VCB補助接点b2からの電線と表示灯端子台b端子へ向かう電線の計2本(2mm2×2本)をリングスリーブ小で圧着し、刻印は「小」。
- 施工条件5より電圧計はT相とR相間に接続します。2mm2の電線2本接続の断面積合計は4mm2となり、リングスリーブ小を用いた場合の圧着マークは「小」(○ではない)になります。3本接続(計6mm2)も刻印「小」となり、ボックス内5箇所すべて刻印「小」です。
覚えるポイント
- 2mm2電線2本の接続はリングスリーブ小で刻印「小」(1.6mm2同士の「○」と混同しない)
- 接地線(緑)を取り付けるのはVT1(下側)のv端子(施工条件3①)
- VT二次側からJBへの配線色はR相:赤、S相:白、T相:黒(施工条件6③)
間違えやすいところ
- 2mm2電線2本の圧着マークをリングスリーブの「○(極小)」で誤って圧着してしまうミス
- VCB補助接点端子台のa1とb1の渡り線を忘れて電源が片方の接点にしか供給されない施工不良
- 不足電圧継電器(U<)への電線をVT端子台の別の端子(S相など)に誤結線してしまうこと
出題の前提:平成30年度第一種電気工事士技能試験(2018年12月8日実施)候補問題No.10の施工条件および公式正解図に基づく。
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士技能試験(12月8日) 課題10』
公式技能課題・施工条件 p.2 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式技能課題・施工条件 p.3 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式解答例・完成図 p.1 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式解答例・完成図 p.2 ↗(www.shiken.or.jp)
平成30年度第一種電気工事士技能試験(12月8日) 課題10
参照した公式資料
電気技術者試験センターが公開した平成30年度第一種電気工事士技能試験(12月8日) 課題10の問題・解答資料です。
- 公式技能課題・施工条件 ↗ — www.shiken.or.jp(PDF・3ページ)
- 公式解答例・完成図 ↗ — www.shiken.or.jp(PDF・3ページ)

