学科(旧称:筆記)の問題と公式解答を種別・年度・期・午前午後で区別しています。CBTの出題例は過去の筆記試験とは別種別です。技能の課題は学科と分けて収録しています。
令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】の概要
磁気回路のオームの法則と起磁力の計算
電気理論 · 磁気回路 / 起磁力 / 磁気抵抗 / 磁束
鉄心にコイルを巻き付けたエアギャップのある磁気回路において、磁束φを2×10⁻³ Wbにするために必要な起磁力Fm [A] として、最も近いものを1つ選べ。ただし、鉄心の磁気抵抗R₁=8×10⁵ H⁻¹、エアギャップの磁気抵抗R₂=6×10⁵ H⁻¹とする。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
磁気回路における起磁力Fm、磁束φ、磁気抵抗Rmの間には、電気回路のオームの法則(電圧=電流×抵抗)と同様に、Fm=φ×Rmという磁気回路のオームの法則(ホプキンソンの法則)が成り立ちます。直列磁気回路では各部の磁気抵抗の和が全体の合成磁気抵抗となります。
解き方
- 直列に接続された鉄心の磁気抵抗R₁とエアギャップの磁気抵抗R₂を足し算して全体の合成磁気抵抗Rm=14×10⁵ H⁻¹を求めます。
- 磁気回路のオームの法則Fm=φ×Rmに磁束φ=2×10⁻³ Wbと合成磁気抵抗Rmを代入して起磁力Fm=2800 Aを算出します。
- 選択肢 イ不正解
- 磁気抵抗の加算や掛け算の計算過程を誤った値であり、正しくありません。
- 選択肢 ロ不正解
- 磁束または磁気抵抗の数値を誤って計算した値であり、正しくありません。
- 選択肢 ハ正解
- 合成磁気抵抗Rm=14×10⁵ H⁻¹より、Fm=2×10⁻³×14×10⁵=2800 Aとなり正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 磁気抵抗の概算や計算ミスにより生じる値であり、正しくありません。
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覚えるポイント
- 磁気回路のオームの法則:起磁力 Fm = 磁束 φ × 磁気抵抗 Rm
間違えやすいところ
- 10のべき乗(指数)の計算ミスや、鉄心とエアギャップの抵抗を直列加算し忘れるミスに注意しましょう。
出題の前提:令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】問1
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
ホイートストンブリッジ回路の合成抵抗の計算
電気理論 · 直流回路 / ホイートストンブリッジ / 合成抵抗 / 平衡条件
図のような回路において、5個の抵抗はすべて2 Ωである。a-b間の合成抵抗の値 [Ω] として、正しいものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
ホイートストンブリッジ回路において、向かい合う対辺の抵抗の積が等しい場合(平衡条件)、中央の橋絡枝の両端の電位が等しくなり電流が流れません。したがって、中央の抵抗を取り除いた直並列回路として簡単に合成抵抗を計算することができます。
解き方
- ブリッジの各抵抗値を確認し、対辺の抵抗の積が2×2=4で等しく平衡状態にあることを確認します。
- 中央の2 Ω抵抗を取り外し、上側の直列枝(2+2=4 Ω)と下側の直列枝(2+2=4 Ω)の並列合成抵抗Rab=4/2=2 Ωを求めます。
- 選択肢 イ不正解
- すべての抵抗が並列接続されていると誤認した場合の値であり、誤りです。
- 選択肢 ロ正解
- ブリッジの平衡条件により中央の抵抗を無視でき、4 Ω二つの並列接続となって合成抵抗は2 Ωとなるため正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 直列回路と並列回路の合成計算を誤った値であり、正しくありません。
- 選択肢 ニ不正解
- 片方の直列枝の抵抗値(2+2=4 Ω)のままで並列合成を行っていない誤りです。
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覚えるポイント
- 平衡ブリッジ回路(対辺の積が等しい)では中央の抵抗を取り外して計算できる
間違えやすいところ
- 平衡条件に気づかず複雑なデルタ・スター変換を行おうとして計算間違いを起こすことがあります。
出題の前提:令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】問2
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
並列交流回路における力率の計算
電気理論 · 交流回路 / 並列回路 / 力率 / 電流のベクトル
図のような交流回路において、電源電圧は120 V、抵抗は8 Ω、リアクタンスは15 Ω、全回路電流は17 Aである。この回路の力率 [%] として、最も近いものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
並列交流回路では各素子に共通の電源電圧が加わります。電圧と同相で抵抗に流れる電流が有効電流IRとなり、全体の回路力率cosθは「有効電流IR / 全電流I」または「有効電力P / 皮相電力S」として求めることができます。
解き方
- 抵抗8 Ωに流れる有効電流IR=120 V / 8 Ω=15 Aを計算します。
- 全電流I=17 Aに対する有効電流IRの比率cosθ=IR/I=15/17≒0.882(88 %)を求めます。
- 選択肢 イ不正解
- 無効電流の比率などから誤って導出した値であり、正しくありません。
- 選択肢 ロ不正解
- 直列回路のインピーダンス比率等と混同した誤った計算結果です。
- 選択肢 ハ正解
- 有効電流IR=15 A、全電流I=17 Aより、力率cosθ=15/17×100≒88 %となり正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 力率の定義式や比率計算を誤った値であり、正しくありません。
覚えるポイント
- 並列交流回路の力率は(抵抗電流 IR)/(全電流 I)で即座に求まる
間違えやすいところ
- 直列回路の力率公式(R/Z)を並列回路にそのまま適用してしまうミスに注意しましょう。
出題の前提:令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】問3
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
RLC並列交流回路の全電流の計算
電気理論 · 交流回路 / RLC並列回路 / 全電流 / 無効電流
図のような交流回路において、電源電圧120 V、抵抗20 Ω、誘導性リアクタンス10 Ω、容量性リアクタンス30 Ωである。図に示す回路の電流I [A] として、正しいものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
並列交流回路では電圧を基準として各枝の電流を求めます。抵抗電流IRは電圧と同相、コイル電流ILは90°遅れ、コンデンサ電流ICは90°進みとなるため、合成無効電流はILとICの差となります。全体の合成電流は直交する有効分と無効分から三平方の定理I=√{IR²+(IL-IC)²}により求められます。
解き方
- 各並列枝の電流をそれぞれ求めます(IR=120/20=6 A、IL=120/10=12 A、IC=120/30=4 A)。
- 無効電流成分の大きさIX=|IL-IC|=|12-4|=8 Aを求めます。
- 全電流I=√{IR²+IX²}=√(6²+8²)=√(36+64)=10 Aを計算します。
- 選択肢 イ不正解
- 無効電流成分の大きさ(12-4=8 A)のみを答えており、全電流ではありません。
- 選択肢 ロ正解
- 有効電流6 Aと無効電流8 Aのベクトル合成より、I=√(6²+8²)=10 Aとなり正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 誘導性リアクタンスに流れる電流IL(12 A)のみを答えた誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 各電流のベクトル性を無視して単純に加減算した誤った値です。
覚えるポイント
- RLC並列回路の全電流:I = √{IR² + (IL - IC)²}
間違えやすいところ
- 並列回路でリアクタンスを直接足し引きしてインピーダンスを求めようとすると計算が非常に煩雑になります。各枝の電流を先に求めるのが鉄則です。
出題の前提:令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】問4
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
三相交流回路の線電流の計算(Δ-Y変換)
配電理論 · 三相交流回路 / Δ-Y変換 / 線電流 / インピーダンス
図のような三相交流回路において、線間電圧200 Vの三相電源に、線路リアクタンス各4 Ωのコイルと、各相9 Ωの抵抗によるΔ結線負荷が接続されている。電流I [A] の値として、正しいものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
平衡三相回路は、Δ結線部分を等価なY結線に変換(Δ-Y変換)することで、電源から負荷までを1相分の単相回路として解析できます。平衡Δ結線の抵抗RΔをY結線に変換するとRY=RΔ/3となります。相電圧E=V/√3を1相のインピーダンスZ=√(R²+X²)で割ることで線電流が求まります。
解き方
- Δ結線された負荷抵抗9 ΩをY結線に等価変換し、RY=9/3=3 Ωとします。
- 1相分の直列インピーダンスの大きさZ=√(3²+4²)=5 Ωを計算します。
- 相電圧E=200/√3 Vをインピーダンス5 Ωで割り、線電流I=(200/√3)/5=40/√3 Aを算出します。
- 選択肢 イ不正解
- インピーダンスの合成や変換計算を誤った結果であり、正しくありません。
- 選択肢 ロ正解
- Y換算抵抗3 Ωとリアクタンス4 ΩからZ=5 Ωとなり、I=(200/√3)/5=40/√3 Aで正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 線間電圧200 Vを相電圧に変換せずにそのまま5 Ωで割ってしまった誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 相電圧の変換で√3の乗除を逆にした誤った計算結果です。
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覚えるポイント
- 平衡Δ負荷をY結線に変換するとインピーダンスは 1/3 倍になる
間違えやすいところ
- 線間電圧200 Vをそのまま1相インピーダンスで割って40 Aとしてしまうミスが非常に多いです。必ず相電圧(200/√3 V)を用いましょう。
出題の前提:令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】問5
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.4 ↗(www.shiken.or.jp)
単相3線式と単相2線式の電線1線当たり供給電力の比較
配電理論 · 単相3線式 / 単相2線式 / 供給電力 / 1線当たり電力
図aのような単相3線式電路と、図bのような単相2線式電路がある。図aの電線1線当たりの供給電力は、図bの電線1線当たりの供給電力の何倍か。ただし、Rは定格電圧V [V] の同一の抵抗負荷であるとする。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
配電線路における電線1線当たりの供給電力は、「線路全体の総供給電力 / 使用電線本数」として定義されます。平衡負荷の単相3線式では中性線電流がゼロとなり、電線1本当たりで効率的に電力を送電できるため、単相2線式と比較して供給電力利用率が向上します。
解き方
- 図a(単相3線式)の総供給電力Pa=2×(V²/R)を電線本数3で割り、1線当たり電力pa=(2/3)×(V²/R)を求めます。
- 図b(単相2線式)の総供給電力Pb=V²/Rを電線本数2で割り、1線当たり電力pb=(1/2)×(V²/R)を求めます。
- 比率pa/pb=(2/3) / (1/2)=4/3倍を計算します。
- 選択肢 イ不正解
- 電線本数の比率などから誤って選ばれる値であり、正しくありません。
- 選択肢 ロ不正解
- 単相2線式の1線当たり比率などを誤認した値であり、誤りです。
- 選択肢 ハ正解
- 単相3線式の1線当たり(2/3)Pと単相2線式の(1/2)Pの比は(2/3)/(1/2)=4/3倍となり正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 配電方式の電力損失比など他の公式と混同した誤った比率です。
覚えるポイント
- 単相3線式の電線1線当たり供給電力は単相2線式の 4/3 倍(約1.33倍)
間違えやすいところ
- 負荷の個数を考慮せず電線本数のみの比率(2/3など)を選んでしまう誤りに注意しましょう。
出題の前提:令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】問6
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.4 ↗(www.shiken.or.jp)
力率改善による三相配電線路の損失低減計算
配電理論 · 配電線路 / 線路損失 / 力率改善 / 電力用コンデンサ
図のように、三相3線式構内配電線路の末端に、力率0.8(遅れ)の三相負荷がある。この負荷と並列に電力用コンデンサを設置して、線路の力率を1.0に改善した。コンデンサ設置前の線路損失が2.5 kWであるとすれば、設置後の線路損失の値 [kW] として、正しいものを1つ選べ。ただし、三相負荷の負荷電圧は一定とする。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
三相配電線路において、負荷の消費電力P=√3×V×I×cosθが一定のとき、線路電流Iは力率cosθに反比例します。線路の抵抗損失(ジュール熱損)Ploss=3×I²×rは線路電流Iの2乗に比例するため、力率改善前後の損失比は力率の比の2乗に反比例((cosθ_前 / cosθ_後)²)となります。
解き方
- 力率が0.8から1.0に改善されたときの線路電流の比率I'/I=0.8/1.0=0.8を求めます。
- 線路損失は電流の2乗に比例することから、改善後の線路損失Ploss'=2.5×(0.8)²=2.5×0.64=1.6 kWを計算します。
- 選択肢 イ不正解
- 力率が1.0になっても有効電流による線路損失は発生するため0にはなりません。
- 選択肢 ロ正解
- 線路損失は電流の2乗に比例するため、2.5×(0.8/1.0)²=2.5×0.64=1.6 kWとなり正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 2乗の計算を行わずに求めた概算値などの誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 力率改善により線路損失は減少するため、初期値2.5 kWより大きくなることはありません。
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覚えるポイント
- 線路損失は電流の2乗に比例するため、力率比の2乗倍((cosθ₁/cosθ₂)²)で変化する
間違えやすいところ
- 電流の2乗に比例することを忘れ、力率の比(0.8倍)をそのまま損失に掛けてしまうミスに注意しましょう。
出題の前提:令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】問7
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.4 ↗(www.shiken.or.jp)
百分率インピーダンスの容量換算と受電点合成%Zの計算
受電設備 · 配電用変電所 / %インピーダンス / 基準容量換算 / 短絡容量
図のように、配電用変電所の変圧器の百分率インピーダンスは21 %(定格容量30 MV・A基準)、変電所から電源側は2 %(系統基準容量10 MV・A基準)、高圧配電線は3 %(基準容量10 MV・A)である。高圧需要家の受電点(A点)から電源側の合成百分率インピーダンスは、基準容量10 MV・Aでいくらか。ただし、百分率インピーダンスの百分率抵抗と百分率リアクタンスの比はいずれも等しいとする。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
百分率インピーダンス(%Z)は基準容量Pnに比例します。基準容量が異なる複数の要素を合成する際は、あらかじめ基準容量を統一する必要があります(換算後%Z=換算前%Z×(新基準容量/旧基準容量))。また、各要素の%Rと%Xの比が等しい場合はインピーダンス角が同一であるため、単純な代数加算で合成できます。
解き方
- 変電所変圧器の%Z(30 MV・A基準で21 %)を統一基準容量10 MV・Aに換算します:21×(10/30)=7 %。
- 電源側(2 %)、変圧器(7 %)、配電線(3 %)をそのまま代数加算して、全体の合成%Z=2+7+3=12 %を求めます。
- 選択肢 イ不正解
- 容量換算の計算や加算を誤った値であり、正しくありません。
- 選択肢 ロ正解
- 変圧器を10 MV・A基準に換算すると7 %となり、合成%Z=2+7+3=12 %となり正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 容量換算の比率を逆にするなど計算過程を誤った値です。
- 選択肢 ニ不正解
- 変圧器の%Z(21 %)を容量換算せずにそのまま足し合わせた誤り(2+21+3=26 %近傍)です。
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覚えるポイント
- %Zは基準容量に比例する:換算後%Z = 元の%Z × (換算後容量 / 元の容量)
間違えやすいところ
- 変圧器の基準容量が30 MV・Aであることを見落とし、容量換算せずにそのまま21%を足してしまうミスに注意しましょう。
出題の前提:令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】問8
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
直列リアクトル付き高圧進相コンデンサ回路の無効電力計算
電気理論 · 三相交流回路 / 無効電力 / 進相コンデンサ / 直列リアクトル
線間電圧V[V]の三相3線式交流電源に、各相のリアクタンスXL[Ω]の直列リアクトルと各相のリアクタンスXC[Ω]の高圧進相コンデンサ(星形結線)が直列接続されている回路がある。この回路全体の無効電力(設備容量)[var]を示す計算式として、正しいものはどれか。ただし、XL < XC とする。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
星形(Y)結線された対称三相回路において、線間電圧がVのとき1相にかかる相電圧はV/√3となります。誘導性リアクタンスXLと容量性リアクタンスXCが直列接続されている場合、リアクタンスの差(XC - XL)が全体のインピーダンス(リアクタンス成分)となり、三相無効電力は1相分の無効電力を3倍することで求まります。
解き方
- 星形結線における1相分の相電圧Vp = V / √3 [V] を確認します。
- 1相あたりの直列合成リアクタンスX1 = XC - XL [Ω] を求めます。
- 1相あたりの無効電力 Q1 = Vp^2 / X1 = V^2 / {3(XC - XL)} [var] を計算します。
- 三相全体の無効電力 Q = 3 × Q1 = V^2 / (XC - XL) [var] を導出します。
- 選択肢 イ正解
- 三相全体の無効電力を表す正しい計算式であり、Q = V^2 / (XC - XL) と一致します。
- 選択肢 ロ不正解
- 誘導性リアクタンスと容量性リアクタンスは互いに打ち消し合う関係にあるため、分母が和(XC + XL)になるのは誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 分子にXCが掛けられており、電力の次元(V^2/X)に合致しない誤った式です。
- 選択肢 ニ不正解
- 分子が電圧Vの1乗になっており、これは電流の式であって電力[var]の式ではないため誤りです。

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覚えるポイント
- 直列リアクトル付きコンデンサ回路の合成リアクタンスは XC - XL で表されます。
- Y結線の相電圧は線間電圧の 1/√3 倍、三相電力は1相分の3倍です。
間違えやすいところ
- 直列リアクトルとコンデンサのリアクタンスを足し算(XC + XL)にしてしまう誤り。
- 無効電力の式で電圧を2乗し忘れて電流の式と混同してしまうミス。
出題の前提:電気設備の技術基準・電気理論(三相交流回路計算)
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
三相かご形誘導電動機の回転速度-トルク特性曲線
電気機器 · 誘導電動機 / トルク特性 / 回転速度 / 停動トルク
一般用低圧三相かご形誘導電動機の回転速度に対するトルク曲線として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
三相誘導電動機のトルクは滑りsに関係し、始動時(s=1)の始動トルクから加速するにつれてトルクは上昇して最大トルク(停動トルク)を迎え、同期速度(s=0、回転磁界と同じ速度)に達すると回転子導体を磁束が横切らなくなるため誘起起電力およびトルクが0になります。
解き方
- 回転速度0における始動トルクの値が存在することを確認します。
- 速度上昇に伴いトルクが山形に上昇し、最大トルクに達する点を見極めます。
- 同期速度の手前で急激にトルクが低下し、同期速度でトルクが0となる曲線Cを選択します。
- 選択肢 イ不正解
- 曲線Aは回転速度の増加に伴いトルクが単調増加しており、誘導電動機のトルク特性とは異なります。
- 選択肢 ロ不正解
- 曲線Bは速度の上昇に伴い単調減少しており、一般的なかご形誘導電動機の特性カーブではありません。
- 選択肢 ハ正解
- 曲線Cは始動トルクから最大トルクを経て同期速度で0に収束する山形の特性を描いており、適切です。
- 選択肢 ニ不正解
- 曲線Dは高速域でトルクが急上昇する特性を示しており、誘導電動機の運転特性に反します。

関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 誘導電動機のトルク曲線は山形を描き、同期速度で発生トルクは0になります。
- 最大のトルクを停動トルク(最大トルク)と呼びます。
間違えやすいところ
- 始動時が最大トルクであると誤認して単調減少曲線(B)を選んでしまう誤り。
出題の前提:電気機器(誘導機・三相交流電動機の動作特性)
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
変圧器の鉄損の性質
電気機器 · 変圧器 / 鉄損 / ヒステリシス損 / うず電流損
変圧器の鉄損に関する記述として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
変圧器の誘導起電力の式 V ≒ 4.44 f N Bm S より、一次電圧Vが上昇すると鉄心中の最大磁束密度Bmが増大します。鉄損はヒステリシス損(Bmの約1.6〜2乗に比例)とうず電流損(Bmの2乗に比例)からなるため、電圧が高くなると鉄損は顕著に増加します。
解き方
- 鉄損の内訳がヒステリシス損とうず電流損の和(鉄損 = ヒステリシス損 + うず電流損)であることを確認します。
- 電源電圧と鉄心中の最大磁束密度の比例関係を確認します。
- 一次電圧の上昇に伴って磁束密度が増加し、鉄損が増加するという記述「イ」を正答と判断します。
- 選択肢 イ正解
- 一次電圧の上昇により鉄心の磁束密度が高くなり、ヒステリシス損・うず電流損ともに増加するため正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- 鉄損はヒステリシス損とうず電流損の合計であるため、うず電流損単体よりも必ず大きくなります。
- 選択肢 ハ不正解
- 鉄損はヒステリシス損とうず電流損の合計値であるため、ヒステリシス損よりも小さくなることはありません。
- 選択肢 ニ不正解
- ヒステリシス損やうず電流損は周波数の変化による影響を受けるため、周波数が変化しても一定というのは誤りです。

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覚えるポイント
- 鉄損 = ヒステリシス損 + うず電流損(負荷の大小に関係しない無負荷損)。
- 一次電圧が上昇すると最大磁束密度が増加し、鉄損は増加します。
間違えやすいところ
- 鉄損とうず電流損・ヒステリシス損の大小関係を逆に取り違えてしまうミス。
出題の前提:電気機器(変圧器の損失・無負荷損の性質)
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
学校教室における維持照度の推奨値
施設・照明 · JIS Z 9110 / 照度基準 / 維持照度 / 学校照明
「日本産業規格(JIS)」の照明基準総則において、学校の教室(机上面)における維持照度の推奨値[lx]として、示されている値はどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
JIS Z 9110(照明基準総則)では、各用途・作業面に応じた維持照度の推奨値が定められています。学校の教室(普通教室、講義室等の机上面)における読み書き・学習作業に必要な標準的維持照度は 300 lx と規定されています。
解き方
- 問われている対象施設(学校の教室の机上面)を確認します。
- JIS Z 9110における学校の普通教室机上面の維持照度推奨値が300 lxであることを照合します。
- 選択肢 イ不正解
- 30 lx は倉庫や屋外通路など、極めて低い視認作業用の照度基準であり不適切です。
- 選択肢 ロ正解
- JIS Z 9110で定められた学校の教室(机上面)における維持照度の推奨値は300 lxであり、正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 900 lx は精密機械組み立てや精密製図作業などに求められる高照度であり、普通教室用ではありません。
- 選択肢 ニ不正解
- 1300 lx は極めて精密な作業に適用される照度水準であり、普通教室の基準として不適切です。
覚えるポイント
- JIS Z 9110における学校教室(机上面)の維持照度推奨値は 300 lx です。
間違えやすいところ
- 事務所の全般照明基準(500〜750 lx)や精密作業基準と混同してしまうミス。
出題の前提:JIS Z 9110 照明基準総則
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
りん酸形燃料電池の発電原理と物質収支
発電・新エネルギー · 燃料電池 / りん酸形燃料電池 / 水素 / 発電原理
りん酸形燃料電池(PAFC)の発電原理図として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
りん酸形燃料電池(PAFC)はりん酸水溶液を電解質とします。負極(燃料極)では H2 → 2H+ + 2e- の反応が起こり電子を回路へ送出します。生じた水素イオン(H+)は電解質中を正極(空気極)へ移動し、外部からの酸素(O2)および戻ってきた電子と反応して 1/2 O2 + 2H+ + 2e- → H2O となり水を生成します。
解き方
- 負極(マイナス極)に供給されるガスが燃料である水素(H2)であることを確認します。
- 正極(プラス極)に供給されるガスが酸化剤である酸素(O2)であることを確認します。
- 正極側で酸素とプロトン・電子が結合して生成された水(H2O)が排出されている図「ロ」を特定します。
- 選択肢 イ不正解
- 負極に酸素、正極に水素が供給されており、極性と供給ガスの関係が逆転しているため誤りです。
- 選択肢 ロ正解
- 負極側に水素H2が供給されて未反応ガスが排出され、正極側に酸素O2が供給されて水H2Oが排出されており正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 負極に酸素を供給し、正極から生成水ではなく水素を排出する構成となっており誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 正極側で水H2Oを供給して酸素O2を排出する表記となっており、物質の出入力関係が逆転しています。
覚えるポイント
- 燃料電池の負極(アノード)には水素(H2)、正極(カソード)には酸素(O2)を供給します。
- りん酸形燃料電池では正極側から生成水(H2O)が排出されます。
間違えやすいところ
- 負極に酸素、正極に水素を供給すると正負の極性を取り違えてしまうミス。
出題の前提:発電設備・分散型電源(燃料電池の発電原理)
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
配線資材の判別(バスダクト)
配線器具・材料・工具 · バスダクト / 幹線設備 / 配線材料 / 大容量導体
写真に示す、天井から吊り下げ支持され、ダクト側面からプラグイン器具等により分岐可能な配線資材の名称はどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
バスダクト(Bus Duct)は、工場やビル等の大容量幹線設備として用いられ、銅やアルミニウムの帯状導体を絶縁支持物で金属ダクト内に収めたユニット構造の配線材料です。プラグイン式の開口部を備え、プラグイン器具を装着して容易に電源分岐が可能です。
解き方
- 写真の外観(金属製ケーシング、吊りボルトによる支持、側面のプラグイン分岐器具)を確認します。
- 電線を収めるだけの金属ダクトや移動機器用のトロリーバスダクトとの違いを識別します。
- 大容量導体が収められ分岐接続器を備えた幹線資材である「バスダクト」と判定します。
- 選択肢 イ不正解
- 金属ダクトは絶縁電線を多数収容するための鋼板製ダクトであり、導体が内蔵された一体構造ではありません。
- 選択肢 ロ正解
- 大容量導体を収容し、プラグイン開口部から負荷回路を分岐できる「バスダクト」の写真であり正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- トロリーバスダクトはクレーン等の移動体に給電するための開口スリットと集電子をもつ構造であり、本写真とは異なります。
- 選択肢 ニ不正解
- 銅帯は配電盤内部等で用いられる裸の導体板そのものを指し、ダクト外装および支持構造を含む完成品名ではありません。
覚えるポイント
- バスダクトは導体(ブスバー)を内蔵した金属函体で、プラグイン分岐が容易な大容量幹線材料です。
間違えやすいところ
- 電線を通すための単なる「金属ダクト」と混同しないように注意が必要です。
出題の前提:配線器具・材料(低圧幹線配線材料の構造と用途)
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
雷サージ保護機器(サージ防護デバイス:SPD)の判別
配電設備・保安 · サージ防護デバイス / SPD / 雷保護 / 過電圧保護
写真および回路図に示す、雷保護用として主幹遮断器の二次側等に施設される機器の名称はどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
サージ防護デバイス(SPD)は、電路に侵入する雷過電圧(雷サージ)を抑制し、機器を破壊から守るための装置です。平常時は高インピーダンスで絶縁を保ち、雷サージ等の異常過電圧が加わった瞬間に低インピーダンスとなってサージ電流を接地極へバイパスします。
解き方
- 問題文に「雷保護用として施設される機器」と明記されている点を確認します。
- 回路図において主幹MCCB二次側から分離器を介して線路と接地端子(E)間に並列に接続されている配置を確認します。
- 雷サージから電子機器・設備を保護する「サージ防護デバイス(SPD)」を選択します。
- 選択肢 イ不正解
- 地絡継電器は零相変流器(ZCT)等からの零相電流を検出して地絡事故時に遮断器を作動させる継電器です。
- 選択肢 ロ不正解
- 漏電遮断器は電路に直列に挿入され、漏電検出時に回路を自ら開路して事故を遮断する器具です。
- 選択肢 ハ不正解
- 漏電監視装置は常時漏洩電流を測定・監視して警報を発する装置であり、雷保護を主目的とするものではありません。
- 選択肢 ニ正解
- 雷サージによる過電圧を大地へ放電して後段の電気設備を保護するサージ防護デバイス(SPD)であり正しいです。
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覚えるポイント
- 電路と大地間に接続され、雷サージ過電圧を逃がす機器はSPD(サージ防護デバイス)です。
間違えやすいところ
- 漏電遮断器や地絡継電器などの漏電・地絡保護機器と用途・接続方法を混同してしまうミス。
出題の前提:JIS C 5381 / 電気設備技術基準(雷過電圧保護とSPDの適用)
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
複合発電方式(コンバインドサイクル発電)の判別
発電・送配電 · コンバインドサイクル発電 / ガスタービン / 排熱回収ボイラ / 蒸気タービン
図に示す、空気圧縮機・燃焼器・ガスタービンによる発電と、その高温排気ガスを排熱回収ボイラに導いて蒸気タービンを駆動する発電方式の名称として、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
コンバインドサイクル発電(Combined Cycle Power Generation)は、作動温度の高いガスタービン(ブレイトンサイクル)と、低温側の蒸気タービン(ランキンサイクル)を組み合わせた発電方式です。ガスタービンの高温排ガスを利用して蒸気を発生させることで熱効率を大幅(50〜60%以上)に向上させています。
解き方
- 系統図の機器構成(空気圧縮機、燃焼器、ガスタービン、発電機)を確認します。
- ガスタービンの高温排気ガスが排熱回収ボイラに送られ、蒸気タービンおよび復水器・給水ポンプと連携している構成を確認します。
- ガスタービンと蒸気タービンの両方で発電を行う「コンバインドサイクル発電」であると識別します。
- 選択肢 イ不正解
- 熱併給発電(コージェネレーション)は電気とともに熱(蒸気や温水)を直接給湯・冷暖房等に利用する方式です。
- 選択肢 ロ不正解
- 燃料電池発電は水素と酸素の化学反応によって直接直流電力を得る方式であり、タービンサイクルを用いません。
- 選択肢 ハ不正解
- スターリングエンジン発電は密閉気体の加熱・冷却による容積変化を利用する外燃機関方式であり図と異なります。
- 選択肢 ニ正解
- ガスタービンと排熱回収ボイラ+蒸気タービンを組み合わせた二重サイクル発電方式であり、最も適切です。
覚えるポイント
- コンバインドサイクル発電 = ガスタービン + 排熱回収ボイラ + 蒸気タービン。
間違えやすいところ
- 排熱を利用して再度発電する方式(コンバインドサイクル)と、排熱を熱として利用する方式(コージェネレーション)の混同。
出題の前提:火力発電設備(高効率コンバインドサイクル発電システムの構成)
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
水力発電所の発電機出力の計算
電気理論・発電設備 · 水力発電 / 発電機出力 / 総合効率
有効落差が 100 m、使用水量が 20 m³/s の水力発電所において、水車と発電機の総合効率が 85 % であるとき、発電機の発電出力 [MW] として、最も近い値を選びなさい。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
水力発電所の発電電力 P [kW] は、重力加速度 9.8 m/s²、使用水量 Q [m³/s]、有効落差 H [m]、水車と発電機の総合効率 η を用いて P = 9.8 × Q × H × η [kW] で求められます。
解き方
- 与えられた条件を整理する(H = 100 m、Q = 20 m³/s、η = 0.85)。
- 公式 P = 9.8 × Q × H × η [kW] に数値を代入して出力を計算する(P = 9.8 × 20 × 100 × 0.85 = 16,660 kW)。
- 単位を kW から MW に変換し(16,660 kW = 16.66 MW ≒ 16.7 MW)、対応する選択肢を選ぶ。
- 選択肢 イ不正解
- 計算値の約 16.7 MW と大きく異なっており誤りです。10分の1程度の桁間違いなどが考えられます。
- 選択肢 ロ不正解
- 総合効率や重力加速度の係数計算が正しく反映されていない誤った値です。
- 選択肢 ハ正解
- 公式 P = 9.8 × 20 × 100 × 0.85 = 16,660 kW ≒ 16.7 MW と一致しており正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 総合効率 η = 0.85 を乗じずに除算した値(約19.6 MW)に近いなど、誤った計算による数値です。
覚えるポイント
- 水力発電の出力公式 P = 9.8 × Q × H × η [kW] を確実に暗記すること。
間違えやすいところ
- 出力の計算結果は kW 単位で得られるため、MW への単位換算(1000で割る)を忘れないように注意すること。
出題の前提:電気設備技術基準・発電工学の基本計算式に基づく出題。
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧ケーブルの電力損失
配電設備・材料 · 電力ケーブル / 電力損失 / 鉄損
高圧ケーブルにおいて発生する電力損失として、該当しないものを選びなさい。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
電力ケーブルに交流電圧を印加し電流を流すと、導体抵抗による「抵抗損」、絶縁体中で生じる誘電体損失である「誘電損」、金属シース(遮へい層)に誘導される電流等による「シース損」が発生します。変圧器や回転機と異なり磁気回路(鉄心)を持たないため、「鉄損」は生じません。
解き方
- 電力ケーブルの構造(導体、絶縁体、シース)および発生する損失の種類を確認する。
- 各選択肢を検討し、鉄心を構成要素に含まないケーブルでは鉄損が発生しないことを判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 導体(銅やアルミニウム)に電流が流れることで生じるジュール熱損失であり、ケーブルの主要な損失です。
- 選択肢 ロ不正解
- 交流高電圧が印加された絶縁体内部の誘電分極に伴って発生する損失であり、高圧ケーブルの損失に該当します。
- 選択肢 ハ不正解
- ケーブルの金属シース(遮へい層)に生じる渦電流損や循環電流損であり、ケーブルの損失に該当します。
- 選択肢 ニ正解
- 鉄心内部のヒステリシス損や渦電流損の総称であり、鉄心構造を持たないケーブルでは発生しないため、該当しないものとして正しいです。
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覚えるポイント
- ケーブルの電力損失は導体の「抵抗損」、絶縁体の「誘電損」、遮へい層の「シース損」の3つ。
間違えやすいところ
- 変圧器の損失(銅損・鉄損)とケーブルの損失(抵抗損・誘電損・シース損)を混同しないようにする。
出題の前提:高圧受電設備規程・電気設備技術基準に基づくケーブルの特性。
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
単相変圧器の並行運転条件
電気機器 · 変圧器 / 並行運転条件 / インピーダンス電圧
同一容量の単相変圧器を並行運転するための条件として、必要でないものを選びなさい。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
単相変圧器を並行運転するには、①極性が一致していること(不一致では短絡状態)、②変圧比(巻数比・二次電圧)が等しいこと(不一致では循環電流が流れる)、③パーセントインピーダンス(インピーダンス電圧)が等しいこと(不一致では負荷容量に応じた適正な負荷分担ができない)、④抵抗とリアクタンスの比が等しいこと、が必要です。
解き方
- 単相変圧器を並行運転するための4つの主要条件(極性一致、変圧比一致、インピーダンス電圧一致、抵抗とリアクタンスの比一致)を想起する。
- 選択肢の中から、運転継続や健全性に必須ではない条件(効率の一致)を特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 極性が一致していないと巻線間で短絡電流が流れて巻線が焼損するため、必須条件です。
- 選択肢 ロ不正解
- 変圧比が異なると二次誘起電圧に差が生じ、負荷がなくても内部循環電流が流れるため、必須条件です。
- 選択肢 ハ不正解
- インピーダンス電圧(%Z)が等しくないと、変圧器の容量比に応じて負荷を均等に分担できないため、必須条件です。
- 選択肢 ニ正解
- 各変圧器の効率が等しいことは並行運転を行うための必須条件ではないため、必要でないものとして正しいです。

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覚えるポイント
- 変圧器の並行運転条件:極性の一致、変圧比の一致、%インピーダンス降下の一致、内部抵抗と漏れリアクタンス比の一致。
間違えやすいところ
- インピーダンス電圧の一致と効率の一致を取り違えて覚えないように注意する。
出題の前提:電気学会・電気設備技術基準・内線規程における変圧器の並行運転条件。
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧開閉機器の選定と用途
受電設備・開閉器 · 高頻度開閉 / 電磁接触器 / 開閉器の用途
次の機器のうち、高頻度開閉を目的に使用されるものを選びなさい。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
電磁接触器(コンタクタ)は、定格負荷電流の頻繁な開閉(高頻度開閉)を主目的として設計された機器です。一方、遮断器は短絡電流遮断用であり頻繁な開閉には適さず、負荷開閉器(LBS)は通常の入切用、断路器(DS)は無負荷時の回路切り離し・点検用です。
解き方
- 各高圧機器(断路器、負荷開閉器、電磁接触器、遮断器)の主な用途と開閉頻度に対する耐久性を整理する。
- 電動機の頻繁な始動・停止などに用いられる「高圧交流真空電磁接触器(VMC)」を選定する。
- 選択肢 イ不正解
- 高圧断路器(DS)は無負荷状態での電路の隔離・区分を目的としており、負荷電流の開閉や高頻度開閉はできません。
- 選択肢 ロ不正解
- 高圧交流負荷開閉器(LBS)は通常負荷電流の開閉を行いますが、頻繁な開閉を目的とした構造ではありません。
- 選択肢 ハ正解
- 高圧交流真空電磁接触器(VMC)は機械的・電気的耐久性が高く、高頻度開閉を主目的として高圧電動機回路などに用いられます。
- 選択肢 ニ不正解
- 高圧交流遮断器(VCB等)は短絡電流などの事故電流を遮断することを主目的としており、高頻度な開閉には適していません。
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覚えるポイント
- 「高頻度開閉」というキーワードが出たら電磁接触器(VMC)を選ぶ。
間違えやすいところ
- 短絡電流を遮断できる遮断器(VCB)が高頻度開閉にも適していると誤認しやすいので注意する。
出題の前提:JIS C 4605(高圧交流電磁接触器)および高圧受電設備規程。
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
B種接地抵抗値の計算に必要な要素
電気設備技術基準・接地工事 · B種接地工事 / 1線地絡電流 / 接地抵抗値
変圧器に施設するB種接地工事の接地抵抗値を求めるのに必要とするものを選びなさい。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
B種接地工事は、高低圧混触時に低圧側電路の対地電圧が上昇するのを防ぐために変圧器の低圧側中性点等に施す接地です。その許容接地抵抗値 R_B [Ω] は、混触時に流れる高圧電路の 1 線地絡電流 I_g [A] を用いて、R_B ≦ 150 / I_g(地絡遮断装置の動作時間により 300/I_g や 600/I_g)として規定されています。
解き方
- B種接地工事の接地抵抗値の規定式(R_B = 150 / I_g など)を確認する。
- 分母となるパラメータが高圧側電路の「1線地絡電流 [A]」であることを確認し、該当する選択肢を選ぶ。
- 選択肢 イ正解
- B種接地抵抗値は電技解釈第17条により高圧側電路の1線地絡電流を基準に算出するため、必須であり正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- 変圧器の容量 [kV・A] は、B種接地抵抗値の計算基準値には直接使用されません。
- 選択肢 ハ不正解
- 高圧側ヒューズの定格電流は短絡保護・過負荷保護に関係しますが、B種接地抵抗値の計算には使用されません。
- 選択肢 ニ不正解
- 低圧側電路の長さは電圧降下や線路インピーダンスに関係しますが、B種接地抵抗値の計算式には含まれません。
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覚えるポイント
- B種接地抵抗値の基本式:150/(高圧電路の1線地絡電流 [A])。
間違えやすいところ
- 負荷電流やヒューズの定格電流ではなく、「高圧側の1線地絡電流」で計算する点に注意する。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第17条(接地工事の種類及び施設方法)。
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
計器用変圧器(VT)の用途
配電設備・材料 · 計器用変成器 / 計器用変圧器 / VT / 写真判別
写真に示す機器の用途として、適切なものを選びなさい。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
計器用変圧器(VT: Voltage Transformer または PT: Potential Transformer)は、高圧回路の電圧を測定用計器や保護継電器が扱える標準的な低電圧(二次側定格 110 V)に変圧(降圧)するための計器用変成器です。
解き方
- 写真の外観から、エポキシモールド構造の計器用変圧器(VT)であることを識別する。
- VTの基本機能である「高電圧を測定・制御用の低電圧に変圧する」という用途を選択肢から選ぶ。
- 選択肢 イ正解
- 計器用変圧器(VT)の基本機能であり、高電圧を計器用の低電圧(110 V)に変圧する用途として正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- 大電流を小電流(通常5A)に変流するのは変流器(CT)の用途です。
- 選択肢 ハ不正解
- 零相電圧を検出するのは接地形計器用変圧器(EVT)や零相変圧器(ZVT)の用途です。
- 選択肢 ニ不正解
- コンデンサ投入時の突入電流を抑制するのは直列リアクトル(SR)の用途です。

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覚えるポイント
- モールド形の四角い端子付き機器で「VT」は高電圧を低電圧に変換、「CT」は貫通形等の丸穴や導体付きで大電流を小電流に変換。
間違えやすいところ
- 変流器(CT)と計器用変圧器(VT)の写真外観や用途説明を混同しないようにする。
出題の前提:JIS C 1731-1(計器用変成器)および受変電設備機器構成。
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
GR付PAS(SOG)の機能と動作特性
受電設備・開閉器 · PAS / SOG / 過電流蓄勢トリップ / 波及事故防止
写真に示す過電流蓄勢トリップ付地絡トリップ形(SOG)の地絡継電装置付高圧交流負荷開閉器(GR付PAS)の記述として、誤っているものを選びなさい。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
気中負荷開閉器(PAS)は負荷電流の開閉は可能ですが短絡電流の遮断能力を持ちません。自家用構内で短絡事故が発生した場合、過電流蓄勢トリップ(SO)機能によりPAS自身をロックし、変電所の遮断器が一旦トリップして電路が無電圧になった直後にPASを開放し事故点を切り離します(その後、変電所が自動再閉路等で復旧)。一方、地絡電流は小さいためPAS自身で即座に遮断(地絡トリップ)できます。
解き方
- GR付PAS(SOG)の地絡事故時と短絡事故時の保護動作の違いを確認する。
- 地絡時はPAS自身が自動遮断して配電線を停止させないが、短絡時はPASの遮断能力を超えるため変電所遮断器がトリップして配電線が一時停止することを確認する。
- 「短絡事故が発生したとき、配電線を停止させることなく自動遮断する」と書かれたハが誤りであると判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 構内事故を引込口で切り離し配電線全体への波及事故を防ぐことが主目的であり、記述として正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- 地絡電流はPASの遮断可能電流内であるため、一般送配電事業者の配電線を停止させずにPASが自動遮断でき、正しいです。
- 選択肢 ハ正解
- PASには短絡電流の遮断能力がないため配電線を停止させずに遮断することは不可能であり、誤った記述として正解です。
- 選択肢 ニ不正解
- 短絡時は過電流蓄勢により変電所遮断器が配電線を一時停止させた無電圧期間にPASを開放し、再送電により他需要家への早期復旧を可能にするため正しいです。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- PASは「負荷開閉器」であり「遮断器」ではないため、短絡電流は直接遮断できない(無電圧時に開放する過電流蓄勢トリップ)。
間違えやすいところ
- 地絡トリップ(PAS自身で遮断可能)と短絡時の過電流蓄勢トリップ(変電所の遮断器動作待ち)を混同しないこと。
出題の前提:高圧受電設備規程および日本電気協会ガイドライン。
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
引込柱の支線工事に使用する材料
配電工事・材料 · 支線工事 / 引込柱 / 材料の組合せ
引込柱の支線工事に使用する材料の組合せとして、正しいものを選びなさい。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
電柱を倒壊から防ぐために設置する支線工事では、引張強度の高い「亜鉛めっき鋼より線」を用い、中間に絶縁のための「玉がいし」を挿入し、地中には「アンカ(支線アンカ)」を根かせ等とともに埋設して固定します。耐張クランプ等は架空電線路の電線引き留めに用いる材料です。
解き方
- 支線工事を構成する主要な要素(支線ワイヤ、絶縁がいし、地面への固定アンカ)を特定する。
- 選択肢の中から、架空線の引留め用具(耐張クランプ等)を含まず、支線の構成材料のみで構成されている組合せを選ぶ。
- 選択肢 イ正解
- 亜鉛めっき鋼より線(線体)、玉がいし(絶縁用)、アンカ(地面固定部)の組合せは支線工事の基本部材であり正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- 耐張クランプは架空電線を耐張引留めするための金具であり、支線工事の材料ではありません。
- 選択肢 ハ不正解
- 耐張クランプが含まれているため誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 玉がいしが含まれておらず、スリーブ(電線接続管)単独では支線の主要な基本組合せとして不適切です。
覚えるポイント
- 支線工事の3点セット:亜鉛めっき鋼より線、玉がいし(地絡・感電防止用)、支線アンカ(固定用)。
間違えやすいところ
- 電線の引留めに使う「耐張クランプ」を支線の引留め用具と誤認して選ばないようにする。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第61条(架空電線路の支持物の倒壊の防止)および内線規程。
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
配管・支持金物の識別(インサート)
配線器具・材料・工具 · インサート / 電線管支持金物
写真に示すコンクリート打設前等に型枠に取り付けてボルトを吊り下げるために用いられる材料の名称として、正しいものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
コンクリート構造物の天井や梁から吊りボルトを用いて配管や器具を支持するため、コンクリート打設前に型枠に打ち込んでおく雌ねじ付きの金具をインサートという。
解き方
- 写真の外観を確認すると、釘固定用のツバや雌ねじ穴を有するインサートの特徴を備えていることを認識する。
- アンカやコネクタ、エルボなど他の配管支持・接続材料との違いを区別して正解を決定する。
- 選択肢 イ不正解
- ボードアンカは石膏ボードなどの薄壁・中空壁に器具を取り付けるために用いる中空壁用ファスナーである。
- 選択肢 ロ正解
- 写真に示す材料は、コンクリート打設前に型枠へ固定して吊りボルトを取り付けるためのインサートである。
- 選択肢 ハ不正解
- ボルト形コネクタは、銅帯や電線相互をボルト締めによって電気的・機械的に接続する端子金具である。
- 選択肢 ニ不正解
- ユニバーサルエルボは、金属電線管工事において直角に曲がる箇所に通線用カバーを設けた配管材料である。
覚えるポイント
- インサートは型枠に固定してコンクリート打設後にボルトを吊り下げる金具
間違えやすいところ
- 施工後に穿孔して打ち込むアンカーボルトと打設前に設置するインサートを混同しないようにする
出題の前提:電気設備技術基準・内線規程における支持金物・配管工法
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp)
短絡接地器具の用途
電気安全・保安工具 · 短絡接地器具 / 停電電路での作業
写真の器具(短絡接地器具)の使用方法の記述として、正しいものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
停電作業を行う際は、検電器による無電圧の確認後に電路の全線心を短絡接地器具により一括して接地電極に接続する。これにより、誤送電や誘導電圧による作業者の感電を防止する。
解き方
- 写真に「接地中」の表示札、クランプ端子、および複数分岐された接地線があることから、短絡接地器具であることを識別する。
- 短絡接地器具の目的である「停電作業時の誤送電や誘導電圧からの保護」に合致する記述を選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 墜落制止用器具は安全帯やフルハーネスなどの人体落下防止用保護具であり、本器具とは全く異なる。
- 選択肢 ロ正解
- 高圧受電設備の工事や点検時に電路を短絡・接地し、誤送電や逆送電による作業者の感電事故を防ぐ器具である。
- 選択肢 ハ不正解
- 保護継電器(リレー)の動作特性試験に用いる試験用コードや測定リード線ではない。
- 選択肢 ニ不正解
- 重量物の吊り上げ・揚重にはワイヤロープやスリングベルトなどを用いるため誤りである。
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覚えるポイント
- 短絡接地器具は停電作業時の誤送電・誘導による感電防止のために設置する
間違えやすいところ
- 接地抵抗計の測定用コードや保護継電器の試験コードと見間違えないようにする
出題の前提:労働安全衛生規則(停電電路での作業手順)および内線規程
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp)
低圧幹線から分岐する回路の保護
電気設備技術基準・解釈 · 低圧分岐回路 / 過電流遮断器 / 幹線保護
自家用電気工作物において、低圧の幹線から分岐して、水気のない場所に施設する低圧用の電気機械器具に至る低圧分岐回路を設置する場合において、不適切なものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
低圧分岐回路においては、幹線との分岐点から原則3m以下の箇所に分岐回路保護用の過電流遮断器を施設しなければならない(電線の許容電流が幹線の過電流遮断器定格の35%以上なら8m以下、55%以上なら制限なし)。分岐回路電線の過負荷・短絡保護を幹線の遮断器だけに任せることは認められない。
解き方
- 電気設備の技術基準の解釈第149条(低圧分岐回路の施設)の規定を確認する。
- 低圧幹線から分岐する各回路には、その電線を保護するための過電流遮断器および開閉器を施設する必要があることを踏まえ、幹線の保護のみを理由に分岐回路の過電流遮断器を省略している選択肢ロを不適切と判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 電気機械器具の点検・保守や回路遮断のために、分岐回路の適切な箇所に開閉器を施設することは適切である。
- 選択肢 ロ正解
- 分岐回路の細い電線を過電流や短絡から保護するため、各分岐回路ごとに過電流遮断器を施設しなければならず不適切である。
- 選択肢 ハ不正解
- PSEマークがあり、定格感度電流15mA以下・動作時間0.1秒以下の高速型漏電遮断器の施設は感電保護として適切である。
- 選択肢 ニ不正解
- 配線同士の混触による短絡や火災を防止するように離隔・絶縁を確保して施設することは適切である。
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覚えるポイント
- 低圧分岐回路には分岐点近傍に分岐線保護用の過電流遮断器を原則施設する
間違えやすいところ
- 幹線の過電流遮断器が大容量である場合、細い分岐電線が過熱焼損する危険がある点を見落としやすい
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第149条(低圧分岐回路等の施設)
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp)
合成樹脂管工事に使用できない絶縁電線
配線工事材料・基準 · 合成樹脂管工事 / 絶縁電線 / 屋外用ビニル絶縁電線
合成樹脂管工事に使用できない絶縁電線の種類として、該当するものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
電線管工事(金属管工事、合成樹脂管工事、金属可とう電線管工事など)の管内配線には、絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線OWを除く)を使用することが電気設備の技術基準の解釈で規定されている。
解き方
- 管内配線に共通する基準「屋外用ビニル絶縁電線(OW線)を除く絶縁電線を使用すること」を想起する。
- 各選択肢を照合すると、ニの屋外用ビニル絶縁電線(OW)が除外対象に該当するため正解と特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 600Vビニル絶縁電線(IV)は合成樹脂管工事で最も一般的に使用できる絶縁電線である。
- 選択肢 ロ不正解
- 600V二種ビニル絶縁電線(HIV)は耐熱性に優れ、合成樹脂管工事に使用できる。
- 選択肢 ハ不正解
- 600V耐燃性ポリエチレン絶縁電線(EM-IE)はエコ電線として合成樹脂管工事に使用できる。
- 選択肢 ニ正解
- 屋外用ビニル絶縁電線(OW)は屋外の架空配線用であり、管工事(合成樹脂管・金属管等)には使用が認められていない。
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覚えるポイント
- 管内配線には屋外用ビニル絶縁電線(OW)を使用してはならない
間違えやすいところ
- IVやHIV、EM-IEは使用可能であり、OWのみ管内使用禁止であることの規定を間違えないようにする
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第158条(合成樹脂管工事)
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp)
低圧配線と弱電流電線の接近・交差・同一収容
配線工事基準 · 低圧配線と弱電流電線 / 金属管工事 / 隔壁の施設 / 同一管内収容
低圧配線と弱電流電線とが接近又は交差する場合、又は同一ボックスに収める場合の施工方法として、不適切な(誤っている)ものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
電技解釈第167条・第168条において、低圧屋内配線と弱電流電線等は原則離隔する必要があり、同一のボックスや管・ダクトに収める場合には堅ろうな隔壁を設け、弱電流電線に危険な電圧が侵入しないよう適切な接地工事等の防護措置が厳格に規定されている。
解き方
- 低圧電線と弱電流電線の混触防止規定(隔壁の設置、使用するケーブルの絶縁性能、接地工事)を点検する。
- 選択肢ロにおいて、同一ボックス内での隔壁設置時の金属部分への接地規定等に関する記述が技術基準に適合しないため誤りと判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 同一ボックス内に低圧ケーブルと弱電流電線を収める際、接触防止のための堅ろうな隔壁を設ける施工は適切である。
- 選択肢 ロ正解
- 同一の金属製ボックス等に低圧配線と弱電流配線を収める際の接地工事等の防護規定を満たしておらず不適切である。
- 選択肢 ハ不正解
- 金属ダクト内に堅ろうな隔壁を設け、金属部分に基準に応じた接地工事を施して弱電流電線と共存させる施工は適切である。
- 選択肢 ニ不正解
- 低圧配線と同等以上の絶縁性能を有し容易に識別できる制御線等の弱電流電線は、同一配管内に収めて施設できるため適切である。
覚えるポイント
- 低圧強電流電線と弱電流電線は原則離隔し、同一収容時は堅ろうな隔壁または同等絶縁が必要
間違えやすいところ
- 制御用リモコン配線など、同等の絶縁力があるケーブルの場合は同一管内収容が認められる例外規定を理解しておくこと
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第167条・第168条
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp)
CVTケーブル屋外終端接続部の識別
配線図・高圧受電設備 · CVTケーブル / 屋外終端接続部 / 耐塩害終端接続部
受電設備図中の①(柱上GR付PASから立ち下がるCVTケーブルの端末部)に示すCVTケーブルの終端接続部の名称として、正しいものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
屋外に設置される高圧架橋ポリエチレン絶縁ケーブル(CVTケーブル等)の端末処理部において、がいし表面の漏れ距離を長くして塩害等によるフラッシオーバを防ぐ笠状のがい管を用いたものを耐塩害形屋外終端接続部と呼ぶ。
解き方
- 問題図①の拡大図の外観を確認し、深いひだが連なるがい管形状(耐塩害設計)の特徴を捉える。
- 一般的なゴムストレスコーン形やテープ巻形と区別し、耐塩害屋外終端接続部を選択する。
- 選択肢 イ正解
- 拡大図に示す機器は、屋外のがい管に多くのひだを設けて漏れ距離を確保した耐塩害屋外終端接続部である。
- 選択肢 ロ不正解
- ゴムとう管形は表面がゴム製のとう管を用いたものであり、図の磁器がい管形状とは異なる。
- 選択肢 ハ不正解
- ゴムストレスコーン形は電界緩和用のゴム製コーンを被せるタイプで、外観の形状が異なる。
- 選択肢 ニ不正解
- テープ巻形は絶縁テープや自己融着テープを巻き重ねて仕上げる方式であり、図の形状とは異なる。
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覚えるポイント
- 耐塩害終端接続部は漏れ距離を大きく取るためひだが多いがい管構造を持つ
間違えやすいところ
- 屋内用端末処理材(ゴムストレスコーン形等)と屋外用の耐塩害がい管形を混同しないようにする
出題の前提:高圧ケーブル端末処理工法およびJIS C 3653
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
引込柱及び引込ケーブルの施工基準
配線図・高圧受電設備 · 引込柱 / 避雷器接地線 / 地中引込ケーブル / 防護管
受電設備図中の②に示す引込柱及び引込ケーブルの施工に関する記述として、不適切なものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
避雷器の接地線は急峻な大電流(雷サージ)が通過するため、鋼管などの強磁性体金属管内に通すと管のインダクタンスによりサージインピーダンスが著しく増大し、放電性能が低下する。したがって避雷器接地線の機械的防護には厚肉の合成樹脂管等を用いなければならない。
解き方
- 各選択肢の施工方法について技術基準および内線規程の適合性を吟味する。
- 選択肢ニにおいて、避雷器の接地線防護に薄鋼電線管(金属管)を用いている点に着目し、非磁性管でなければならない規則に反しているため不適切と判断する。
- 選択肢 イ不正解
- ケーブル立上り部を地表上2m・地表下0.2mまで防護管で保護し雨水浸入防止措置を行うのは適切な施工である。
- 選択肢 ロ不正解
- 構内の道路下等でJIS C 3653適合材料を用い、舗装下面から30cm以上の深さに埋設することは技術基準上認められており適切である。
- 選択肢 ハ不正解
- 防食措置を施した鋼管等で所定の条件を満たす場合、接地工事を省略することが認められているため適切である。
- 選択肢 ニ正解
- 避雷器の接地線を強磁性体の薄鋼電線管に収めると雷サージ放電時のインピーダンスが増大するため、合成樹脂管等を使用しなければならず不適切である。
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覚えるポイント
- 避雷器の接地線防護にはインダクタンス増大を防ぐため金属管ではなく合成樹脂管を用いる
間違えやすいところ
- 通常の接地線防護(金属管使用時の両端ボンディング等の例外)と避雷器接地線の取り扱いを混同しないようにする
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第37条(避雷器等の施設)および内線規程
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
ケーブルラックの施設基準と接地工事
配線図・高圧受電設備 · ケーブルラック / 接地工事の省略 / A種接地工事
受電設備図中の③に示すケーブルラックの施工に関する記述として、不適切な(誤っている)ものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
高圧配線設備において金属製の電線支持金物やケーブルラックには、接触防護措置や乾燥した場所であってもA種接地工事を省略する規定は存在しない。高圧ケーブルを敷設する金属製ケーブルラックには確実にA種接地工事を施さなければならない。
解き方
- 高圧受電設備のケーブルラックに要求される接地種別がA種接地工事であることを確認する。
- 低圧電路における接地省略条件(乾燥した場所での短い金属管など)が高圧のケーブルラックには適用できないことを踏まえ、選択肢イを誤りと判断する。
- 選択肢 イ正解
- 高圧ケーブルを布設する金属製ケーブルラックのA種接地工事は、乾燥した場所であっても省略することは認められておらず誤りである。
- 選択肢 ロ不正解
- 高圧ケーブルと弱電流電線との離隔距離は15cm以上(接触防止措置がない場合)確保して施工しており適切である。
- 選択肢 ハ不正解
- ケーブルラック上のケーブルが移動しないよう適切な支持点間距離で結束・支持することは適切である。
- 選択肢 ニ不正解
- 建築基準法および消防法に基づき、防火区画・防火壁を貫通する部分に延焼防止の防火措置を施すことは適切である。
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覚えるポイント
- 高圧用の金属製ケーブルラック・金物にはA種接地工事が必要で省略はできない
間違えやすいところ
- 低圧工事における乾燥場所での接地省略規定(金属管4m以下等)を高圧工事にも適用できると誤認しやすい
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第168条(高圧屋内配線等の施設)
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
PF・S形主遮断装置の構成機器と機能
受電設備・シーケンス · PF・S形 / 高圧交流負荷開閉器 / 限流ヒューズ
受電設備の単線結線図において、主遮断装置として用いられる高圧限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器(PF・S形)の構成や機能として、必要でないものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
PF・S形受電設備は、主遮断装置に高圧限流ヒューズ(PF)と高圧交流負荷開閉器(LBS: S)を組み合わせて短絡電流を高圧限流ヒューズで遮断し、ヒューズ溶断時のストライカ動作で開閉器の3相を一括開放します。過電流ロック機能は短絡電流を遮断できない開閉器(GR付PASなど)で短絡事故時に開放をロックするために設けられる機能であり、PF・S形には不要です。
解き方
- 受電設備の主遮断装置であるPF・S形を構成する器具と動作原理を確認する。
- 短絡電流遮断を高圧限流ヒューズが担い、ストライカ動作機構や相間バリアが必要であることを整理する。
- 過電流ロック機能は気中負荷開閉器(PAS等)に特有の機能でありPF・S形には不要であると判断する。
- 選択肢 イ正解
- 過電流ロック機能はPASなどに設けられる短絡電流保護協調用機能であり、PF・S形では不要です。
- 選択肢 ロ不正解
- ヒューズ溶断時にストライカが飛び出して負荷開閉器を3相同時にトリップ開放させるために必要です。
- 選択肢 ハ不正解
- 相間短絡や筐体との地絡事故を防止するため、相間および側面に絶縁バリアの設置が必要です。
- 選択肢 ニ不正解
- 短絡などの大事故電流を遮断するために、定格遮断容量を持つ高圧限流ヒューズが必要です。
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覚えるポイント
- PF・S形は限流ヒューズ(PF)+負荷開閉器(S)の組み合わせで、ヒューズが短絡電流を遮断する。
間違えやすいところ
- 過電流ロック(SO動作)機能はGR付PASに必要な機能であり、PF・S形と混同しないようにする。
出題の前提:電気設備技術基準および内線規程・高圧受電設備規程
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
変圧器端子の可とう導体の施工と特徴
配電設備・配線器具 · 可とう導体 / 変圧器 / ブッシング保護
変圧器の二次側端子接続部に施設された可とう導体に関する記述として、不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
可とう導体(フレキシブル導体)は、薄い銅板や編組銅線を重ねて柔軟性を持たせた導体です。変圧器の運転振動の伝達防止、熱伸縮や地震時の変位吸収を目的としてブッシング端子と固定母線間に接続され、端子がいしの機械的損傷を防ぎます。電気的なインピーダンスが極めて低いため、短絡電流を限流するような作用はありません。
解き方
- 可とう導体の構造的特徴と設置目的(振動・変位の吸収)を確認する。
- 電気的な特性として抵抗やインピーダンスが小さく、限流作用を持たないことを確認する。
- 短絡時の限流作用を変圧器や母線保護に用いるとするハの記述が誤りであると特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 母線銅帯からの熱膨張や地震などの外力がブッシングがいしに伝わるのを防ぐ主目的であり正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- 柔軟性があるため地震等の揺れで相間接触短絡を起こさないよう、絶縁セパレータ等が必要です。
- 選択肢 ハ正解
- 可とう導体自体には短絡電流を抑える限流作用はないため、この記述は明確に不適切です。
- 選択肢 ニ不正解
- 防振ゴム等と併せて変圧器の振動・騒音を伝えない効果があり、耐震ストッパの併用も適切です。

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覚えるポイント
- 可とう導体は機械的変位や振動を吸収するための導体であり、限流作用は持たない。
間違えやすいところ
- 限流ヒューズや限流リアクトルなどの限流機能を持つ器具の役割と混同しないようにする。
出題の前提:内線規程・高圧受電設備規程
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
電気設備の技術基準の解釈におけるD種接地工事
電気設備技術基準・解釈 · D種接地工事 / 接地抵抗値 / 電技解釈第29条
「電気設備の技術基準の解釈」において、D種接地工事に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
「電気設備の技術基準の解釈」第17条および第29条において、D種接地工事の接地抵抗値は原則として100Ω以下と定められています。また、低圧電路で地絡を生じた際に0.5秒以内に電路を自動遮断する漏電遮断器等を施設する場合は500Ω以下に緩和されます。さらに、金属体と大地との間の電気抵抗値が100Ω以下(緩和条件時は500Ω以下)であればD種接地工事を施したものとみなされます。
解き方
- D種接地工事の基本接地抵抗値(100Ω以下)と緩和規定(0.5秒以内の遮断装置施設時は500Ω以下)を確認する。
- 接地工事を施したものとみなす金属体と大地の電気抵抗値基準が100Ω以下(または500Ω以下)であることを確認する。
- イの「10Ω以下でなければみなされない」という記述が誤りであることを判定する。
- 選択肢 イ正解
- みなし規定の電気抵抗値は100Ω(条件により500Ω)以下であり、10Ω以下とする記述は誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- 0.5秒以内に自動遮断する装置を施設する場合、接地抵抗値は500Ω以下に緩和できるため正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- D種接地工事の接地抵抗値は原則として100Ω以下と規定されているため正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 接地線は故障電流を安全に通じることができる機械的強度および太さが必要であり正しいです。
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覚えるポイント
- D種接地工事の抵抗値は100Ω以下、0.5秒以内の遮断装置があれば500Ω以下。
間違えやすいところ
- 10Ω以下はA種接地工事の基準値であり、D種接地の基準と混同しやすい。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第17条、第29条
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧ケーブルの直流絶縁耐力試験電圧の計算式
電気設備技術基準・解釈 · 絶縁耐力試験 / 直流試験電圧 / 最大使用電圧
公称電圧6.6 kVの交流電路に使用するケーブルの絶縁耐力試験を直流電圧で行う場合の試験電圧[V]の計算式として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
電技解釈第15条において、7000V以下の高圧電路の絶縁耐力試験電圧は、最大使用電圧(公称電圧の1.15/1.1倍)の1.5倍の交流電圧を10分間加えることと定められています。ケーブル電路を直流で試験する場合は、交流試験電圧の2倍の直流電圧を加えることができると規定されているため、計算式は「公称電圧 × (1.15 / 1.1) × 1.5 × 2」となります。
解き方
- 公称電圧6.6kVに対する最大使用電圧の計算式が 6600 × (1.15 / 1.1) = 6900V であることを確認する。
- 7000V以下の交流耐力試験電圧は最大使用電圧の1.5倍であることを確認する。
- 直流試験電圧は交流試験電圧の2倍であるため、6600 × (1.15 / 1.1) × 1.5 × 2 と立式する。
- 選択肢 イ不正解
- 公称電圧を最大使用電圧に換算する係数 (1.15 / 1.1) が抜けているため誤りです。
- 選択肢 ロ正解
- 最大使用電圧への換算 (1.15/1.1)、交流耐圧倍率の1.5倍、直流倍率の2倍が全て正しく反映されています。
- 選択肢 ハ不正解
- 最大使用電圧への換算がなく、また試験倍率が1.5倍ではなく2倍となっているため誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 7000V以下の交流試験倍率は1.5倍であり、2倍としているため誤りです。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 高圧(7000V以下)の耐圧試験:最大使用電圧=公称電圧×(1.15/1.1)、交流は1.5倍、直流はさらに2倍。
間違えやすいところ
- 公称電圧をそのまま最大使用電圧として計算してしまうミスが多いので注意する。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第15条
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
変圧器絶縁油の劣化診断項目
保守点検・試験検査 · 変圧器 / 絶縁油 / 劣化診断
変圧器の絶縁油の劣化診断に直接関係のないものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
変圧器の絶縁油の劣化診断では、電気的性能を評価する「絶縁破壊電圧試験(絶縁耐力試験)」、化学的劣化(酸化進行度)を評価する「酸価度試験(全酸価試験)」、内部放電や局部過熱により油が分解して発生する微量ガスを調べる「油中ガス分析」などが実施されます。真空度測定は真空遮断器(VCB)の消弧室(真空バルブ)の気密性を確認する試験です。
解き方
- 絶縁油の代表的な試験項目(絶縁破壊電圧、全酸価、油中ガス、水分量等)を想起する。
- 選択肢に挙げられた各試験項目の対象機器を分析する。
- 真空度測定は真空遮断器(VCB)の真空バルブに適用される試験であるため、絶縁油とは無関係と判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 内部放電や過熱によって油中に溶け込んだ可燃性ガスを分析する重要な劣化診断項目です。
- 選択肢 ロ正解
- 真空遮断器(VCB)の真空度を確認するための試験であり、油の劣化診断には直接関係ありません。
- 選択肢 ハ不正解
- 絶縁油に球状または円盤電極を浸して絶縁破壊電圧を測定する基本的な劣化試験です。
- 選択肢 ニ不正解
- 絶縁油の酸化による劣化生成物(有機酸)の量を測定する必須の化学的診断試験です。

関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 絶縁油の劣化診断:絶縁耐力試験、全酸価試験、油中ガス分析、水分測定。
間違えやすいところ
- 真空度測定を脱気処理(真空脱気)と混同して絶縁油の試験と誤認しないように注意する。
出題の前提:高圧受電設備規程・電気保安指針
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
電気工事士法における資格不要な軽微な作業
電気関係法規 · 電気工事士法 / 自家用電気工作物 / 軽微な作業
「電気工事士法」において、電圧600 V以下で使用する自家用電気工作物に係る電気工事の作業のうち、第一種電気工事士又は認定電気工事従事者でなくても従事できる作業はどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
電気工事士法施行令第1条(軽微な作業等)において、簡易電気工事等の対象から除外され、資格を有しない者でも従事できる作業として「受電設備・蓄電池等以外の電気機械器具の端子に電線をねじ止めする作業」などが定められています。一方、電線管を曲げて接続する作業、ダクトに電線を収める作業、金属線ぴを建物に取り付ける作業などは、電線路の施工を伴うため電気工事士資格が必要です。
解き方
- 自家用電気工作物(600V以下)で第一種または認定電気工事従事者が必要な作業範囲を確認する。
- 電気工事士法施行令第1条(軽微な作業)に該当する例外規定を確認する。
- 「電気機器に電線を接続する作業(端子への接続)」が軽微な作業として資格不要に従事できると判定する。
- 選択肢 イ不正解
- 金属ダクト等に電線を収める作業は電気工事の主たる作業であり資格が必要です。
- 選択肢 ロ不正解
- 電線管の曲げ加工および接続作業は電気工事士等の資格が必要な作業です。
- 選択肢 ハ不正解
- 金属製線ぴを建造物の金属板張りに取り付ける作業は電気工事士等の資格が必要です。
- 選択肢 ニ正解
- 電気機器の端子に電線を接続する作業は、資格不要で従事できる軽微な作業等に該当します。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 電気機器の端子に電線をねじ止めする作業は、電気工事士資格が不要な軽微な作業。
間違えやすいところ
- 電線管の曲げやダクト収容など、配管・線路作業はすべて資格が必要である点を押さえる。
出題の前提:電気工事士法施行令 第1条、電気工事士法施行規則 第2条
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
電気用品安全法における特定電気用品の判定
電気関係法規 · 電気用品安全法 / 特定電気用品 / 配線用遮断器
「電気用品安全法」において、交流の電路に使用する定格電圧100 V以上300 V以下の機械器具であって、特定電気用品に該当するものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
電気用品安全法施行令別表第一において、構造や使用条件から特に危険が生じるおそれが高いものが「特定電気用品」(116品目)として指定されています。配線器具のうち、定格電圧が100V以上300V以下で定格電流が100A以下の過電流遮断器(配線用遮断器や漏電遮断器)は特定電気用品です。電動機やコンデンサは「特定電気用品以外の電気用品」(丸形PSE)であり、電力量計は計量法の規制対象で電気用品安全法の対象外です。
解き方
- 電気用品安全法における特定電気用品の分類基準(配線器具、遮断器等の定格範囲)を確認する。
- 配線用遮断器の定格電流100A以下が特定電気用品に該当することを確認する。
- 電動機・コンデンサは特定電気用品外、電力量計は対象外であることを照合し、イを選択する。
- 選択肢 イ正解
- 定格電圧100V〜300V以下、定格電流100A以下の配線用遮断器は特定電気用品に該当します。
- 選択肢 ロ不正解
- 単相電動機は「特定電気用品以外の電気用品(丸形PSE)」に該当します。
- 選択肢 ハ不正解
- 進相コンデンサは「特定電気用品以外の電気用品(丸形PSE)」に該当します。
- 選択肢 ニ不正解
- 電力量計は計量法に基づく検定対象器差管理品目であり、電気用品安全法の対象外です。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 配線用遮断器・漏電遮断器(100V〜300V、100A以下)は特定電気用品(菱形PSE)。
間違えやすいところ
- 電力量計を電気用品安全法の対象品目と勘違いしやすい(計量法管理)。
出題の前提:電気用品安全法施行令 別表第一、別表第二
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
電気工事業法における主任電気工事士の指示遵守義務等
電気関係法規 · 電気工事業法 / 主任電気工事士 / 標識の掲示 / 帳簿保存
「電気工事業の業務の適正化に関する法律(電気工事業法)」において、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
電気工事業法第22条において、一般用電気工事の作業に従事する者は、主任電気工事士がその職務を行うため必要があると認めてする指示に従わなければならないと定められています。一方、PSE表示のない電気用品の使用は禁止(法第24条)、施工場所ごとの標識掲示は工期にかかわらず義務(法第25条)、業務に関する帳簿の保存期間は5年間(法第26条、規則第21条)と規定されています。
解き方
- 電気工事業法における電気用品の使用制限、標識掲示義務、帳簿保存期間の各規定を確認する。
- 主任電気工事士の職務と作業従事者の指示遵守義務(法第22条)を確認する。
- イ(表示なし使用不可)、ロ(標識掲示必須)、ハ(保存期間5年)の誤りを排除し、ニが正しいと判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 電気工事業法第24条により、PSE表示等のない電気用品を工事に使用することは禁止されています。
- 選択肢 ロ不正解
- 工事期間の長短にかかわらず、電気工事の施工場所ごとに見やすい標識を掲示しなければなりません。
- 選択肢 ハ不正解
- 電気工事業法第26条および施行規則第21条により、帳簿の保存期間は5年間と定められています。
- 選択肢 ニ正解
- 電気工事業法第22条に定められた主任電気工事士の指示遵守義務に関する正しい記述です。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 電気工事業の帳簿保存期間は5年間、施工場所には必ず標識を掲示、主任の指示遵守義務あり。
間違えやすいところ
- 帳簿の保存期間(5年間)を他の法令の3年等と混同しないよう注意する。
出題の前提:電気工事業の業務の適正化に関する法律 第22条、第24条、第25条、第26条
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
電動機制御回路の主幹機器の図記号判別
配線図 · 配線図 / 漏電遮断器 / 電動機制御回路
配線図1において、①で示す主幹部分に設置されている機器として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
三相誘導電動機の主回路において、電源側に設置する保護装置には過負荷・短絡保護とともに地絡遮断機能を持つ漏電遮断器が広く用いられます。図記号では、四角形に斜線と引き外し素子を付加した配線用遮断器に、零相電流を検出する環状線(ZCT)を組み合わせた記号で表されます。
解き方
- 配線図1の①が示す主回路の図記号を確認する。
- 遮断器の主接点記号および点線枠内の零相検出・引き外し機構の図記号から、過負荷保護付の漏電遮断器であることを特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 配線用遮断器(MCCB)には零相変流器による漏電引き外し機構の記号が含まれません。
- 選択肢 ロ不正解
- 電磁接触器(MC)は主回路を開閉する電磁コイル駆動の接触器であり、手動操作機構付きの遮断器記号とは異なります。
- 選択肢 ハ不正解
- 電磁開閉器(MS)は電磁接触器とサーマルリレー(熱動継電器)を組み合わせた機器であり、主幹の遮断器記号とは異なります。
- 選択肢 ニ正解
- 図記号は零相変流器と過電流引き外し機構を備えた漏電遮断器(過負荷保護付)を示しており正しいです。

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覚えるポイント
- 漏電遮断器の図記号は、遮断器記号に零相電流を検出する環状の線(ZCT)と引き外し装置が組み合わされた形状である。
間違えやすいところ
- 配線用遮断器(MCCB)と漏電遮断器(ELCB)の図記号の違い(漏電検出用のZCT記号の有無)を見落としやすいです。
出題の前提:JIS C 0617(電気用図記号)および低圧三相誘導電動機始動制御回路の設計基準
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp)
制御回路の操作スイッチ接点機能の判別
配線図 · シーケンス制御 / 図記号 / 押ボタンスイッチ
配線図1において、②で示す図記号の接点の機能として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
押しボタンスイッチは、操作部を手動で押圧することで接点が開閉し、押圧力を除くとスプリングの復元力によって元の開閉状態に自動的に戻る構造となっています。この動作形態を「手動操作自動復帰」と呼びます。
解き方
- ②が停止用押しボタンスイッチ(b接点)の図記号であることを確認する。
- 押しボタンスイッチの基本動作である「手動操作・自動復帰」に合致する選択肢を選ぶ。
- 選択肢 イ不正解
- 手動操作手動復帰は、操作後に手動でリセット操作を行う機構(タンブラスイッチやキープリレーなど)を指します。
- 選択肢 ロ不正解
- 自動操作手動復帰は、過負荷等の異常で自動遮断した後に手動で復帰ボタンを押す機構(サーマルリレーなど)を指します。
- 選択肢 ハ正解
- 一般的な押しボタンスイッチは手動で操作し、手を離すと内蔵スプリングで自動復帰するため手動操作自動復帰です。
- 選択肢 ニ不正解
- 限時動作自動復帰は、タイマ等の限時接点が設定時間経過後に動作し、励磁解除で自動復帰する動作を指します。
覚えるポイント
- 通常の押しボタンスイッチ(押ボタン開閉器)の接点機能は「手動操作自動復帰」である。
間違えやすいところ
- サーマルリレー等の「自動動作・手動復帰」や保持形スイッチの「手動操作・手動復帰」と混同しないよう注意が必要です。
出題の前提:JIS C 0617(電気用図記号:スイッチ接点の操作・復帰機能)
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp)
押しボタン開閉器の外観写真判別
配線図 · 配線器具 / 押ボタン開閉器 / シーケンス制御
配線図1において、③で示す部分(押しボタン操作部)として使用される機器の写真として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
電動機の直接始動・停止制御回路では、始動用の押しボタン(a接点)と停止用の押しボタン(b接点)を1つのケースに収めた押しボタン開閉器(ON-OFFの2点押しボタン)が広く用いられます。
解き方
- 配線図1の制御対象を確認すると、1方向回転の三相誘導電動機の始動・停止回路である。
- 制御回路内の②が停止ボタン(OFF)、③が始動ボタン(ON)に対応していることを確認する。
- 各写真の器具構成を判別し、「ON」「OFF」の2点押ボタン開閉器である「ニ」を選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 写真は配電盤面などに取り付ける単体の押しボタンスイッチであり、始動・停止用の一体型開閉器ではありません。
- 選択肢 ロ不正解
- 写真は回転操作式のカムスイッチ(セレクトスイッチ)であり、押ボタン回路には適合しません。
- 選択肢 ハ不正解
- 写真は「FOR」「REV」「STOP」を備えた可逆運転(正逆転)用の3点押ボタン開閉器です。
- 選択肢 ニ正解
- 写真は電動機の始動(ON)と停止(OFF)を行う2点押ボタン開閉器であり、本回路の操作スイッチとして適しています。
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覚えるポイント
- 一方向回転の始動・停止制御には「ON」「OFF」の2点押しボタン開閉器を使用する。
間違えやすいところ
- 正逆運転用の3点押しボタン開閉器(ハ)と始動・停止用の2点押しボタン開閉器(ニ)の用途・銘板表記を見誤らないようにしましょう。
出題の前提:低圧電磁開閉器操作用押ボタン開閉器の規格および配線図表記
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
タイマ接点の図記号判別
配線図 · 図記号 / シーケンス制御 / 限時接点
配線図1において、④で示す部分(タイマTLRの接点)に使用される接点の図記号として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
タイマ(TLR)の設定時間後に電動機を自動停止させる回路では、電磁接触器の自己保持回路内にタイマの限時動作・瞬時復帰b接点を直列に挿入します。新JIS図記号において、限時接点は半円弧(傘形記号)で動作方向を表し、動作方向に凸となる円弧を付加して限時動作を示します。
解き方
- 配線図1における④の役割が「タイマの設定時間経過後に電動機回路を開いて停止させる」b接点であることを確認する。
- 常時閉路(b接点)であり、かつ限時動作(オンディレー動作)を表す図記号を特定する。
- ロの図記号が限時動作瞬時復帰b接点を示していることを確認する。
- 選択肢 イ不正解
- イは常時開路(a接点)の限時動作瞬時復帰接点の図記号です。
- 選択肢 ロ正解
- ロは常時閉路(b接点)の限時動作瞬時復帰接点であり、タイマ設定時間後に開いて自己保持を解除するため正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- ハは瞬時動作限時復帰(オフディレー)の接点記号です。
- 選択肢 ニ不正解
- ニは瞬時動作限時復帰のb接点記号です。
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覚えるポイント
- 限時動作(オンディレー)b接点は、円弧が接点の開く方向に対して抵抗となる向き(傘状)に描かれる。
間違えやすいところ
- 限時動作(オンディレー)と限時復帰(オフディレー)の円弧(半円)の向きの区別を混同しやすいです。
出題の前提:JIS C 0617(電気用図記号:限時継電器接点)
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
ブザーの図記号判別
配線図 · 図記号 / 音響信号装置 / ブザー
配線図1において、⑤で示す部分に使用されるブザーの図記号として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
音響警報装置のJIS図記号において、ベル(電鈴)は半円の丸い側に端子線(ベルのお椀を叩く形)、ブザーは平らな開口部側をベースにして背中側から端子線が出る形状、ホーンはメガホン(三角ホーン)形状、サイレンは円に羽が付いた形状などで区別されます。
解き方
- 問題文より⑤の部分に設置する器具が「ブザー」であることを確認する。
- JIS電気用図記号における音響信号装置の形状を比較する。
- イがブザー、ロがホーン、ハがベルの図記号であることを確認し、イを選択する。
- 選択肢 イ正解
- イの図記号はブザーを示しており正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- ロの図記号はホーン(警笛)を表す記号です。
- 選択肢 ハ不正解
- ハの図記号はベル(電鈴)を表す記号です。
- 選択肢 ニ不正解
- ニの図記号はサイレン(あるいはスピーカ等)を表す記号です。
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覚えるポイント
- ブザーは台形(お椀が右向きで背面に端子)、ベルは半円の球面側に端子線が接続される形状で区別する。
間違えやすいところ
- ベル(電鈴)とブザーの図記号の向きや端子の付き方を逆に取り違える誤りが多いです。
出題の前提:JIS C 0617(電気用図記号:音響報知装置)
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
零相電圧検出装置(ZPD)の設置目的
配線図 · 高圧受電設備 / ZPD / 地絡方向継電器
配線図2において、引込開閉器(GR付PAS)付近の①で示す機器を設置する目的として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
高圧架空引込部で地絡方向継電器(DGR)を動作させるには、地絡事故の方向を判別するために零相電流(I0)と零相電圧(V0)の両方が必要となります。零相電圧検出装置(ZPD:Zero-phase Potential Device)は、コンデンサ分圧回路などを利用して高圧電路の零相電圧を検出する装置です。
解き方
- 配線図2の①がPAS内に設置され、三相一括のコンデンサ分圧シンボルで描かれていることを確認します。
- この記号が零相電圧検出装置(ZPD)であることを特定します。
- ZPDの設置目的は「零相電圧を検出する」ことであるため、該当する選択肢を選びます。
- 選択肢 イ不正解
- 零相電流を検出する機器は零相変流器(ZCT)です。
- 選択肢 ロ正解
- ①は零相電圧検出装置(ZPD)であり、地絡事故時の零相電圧を検出する目的で設置されます。
- 選択肢 ハ不正解
- 計器用の電流を変流・検出する機器は変流器(CT)です。
- 選択肢 ニ不正解
- 計器用の線間電圧を変圧・検出する機器は計器用変圧器(VTまたはPT)です。
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覚えるポイント
- PAS内のZPD(零相電圧検出器)は零相電圧V0を検出し、ZCT(零相変流器)は零相電流I0を検出します。
間違えやすいところ
- ZCT(零相変流器=零相電流を検出)とZPD(零相電圧検出器=零相電圧を検出)の名称と機能を混同しないようにしましょう。
出題の前提:高圧受電設備規程および地絡保護協調指針
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.15 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.16 ↗(www.shiken.or.jp)
地絡方向継電器(DGR)の図記号判別
配線図 · 図記号 / 高圧受電設備 / 保護継電器 / DGR
配線図2において、②に設置する機器(引込開閉器に組み合わされる保護継電器)の図記号として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
構外の配電線事故によるもらい事故を防止するため、自家用受電設備引込口には地絡方向継電器(DGR)を設置します。新JIS規格の保護継電器図記号において、地絡過電流継電器(GR)は「I⏚ >」で表され、方向判別機能を持つ地絡方向継電器(DGR)はこれに電力の向き(矢印)が付加された記号で表されます。
解き方
- 配線図2で主幹開閉器にZPDおよびZCTが設置されていることから、継電器②が地絡方向継電器(DGR)であることを読み取る。
- 文字記号「I⏚ >」に方向要素を示す矢印が組み合わされた図記号「ニ」を選択する。
- 選択肢 イ不正解
- イは方向性のない単なる地絡過電流継電器(GR)の図記号です。
- 選択肢 ロ不正解
- ロは不足値側を検出する図記号(<)となっており不適当です。
- 選択肢 ハ不正解
- ハは不足電流継電器(UCR)の図記号です。
- 選択肢 ニ正解
- ニは地絡過電流(I⏚ >)に方向性を示す矢印が付いた地絡方向継電器(DGR)の図記号であり正しいです。
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覚えるポイント
- 地絡方向継電器(DGR)の新JIS図記号は「I⏚ >」に方向判別の矢印が付く。
間違えやすいところ
- 方向性のない地絡継電器GR(I⏚ >)と方向性付きのDGR(矢印付き)を見落として選ばないように注意が必要です。
出題の前提:JIS C 0617(電気用図記号:保護継電器)
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.15 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.16 ↗(www.shiken.or.jp)
計器用変成器(VCT)の写真および略号判別
配線図 · 高圧受電設備 / 計器用変成器 / VCT / 外観判別
配線図2において、電力量計(Wh)の前段である③に示す機器の外観写真と文字記号(略号)の組合せとして、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
電力会社が高圧需要家の電力量を計量するため、高圧受電設備の受電点近くに変圧器(VT)と変流器(CT)をひとつの油入またはモールド容器に収めた電力需給用計器用変成器(VCT)が設置されます。単線結線図では変圧器と変流器が交差した複合シンボルで表されます。
解き方
- 配線図2の③が電力量計(Wh)へ接続される電力需給用計器用変成器(VCT)であることを確認する。
- 各写真を確認し、イ・ロは柱上形のPAS、ハ・ニは受電盤等に設置されるVCTであることを判別する。
- ハの写真がVCTであり、記号表示も「VCT」となっている正しい組合せを選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 写真は柱上気中開閉器(PAS)であり、VCTではありません。
- 選択肢 ロ不正解
- 写真と略号はPASですが、配線図2の③が指している機器は電力量計用の変成器(VCT)です。
- 選択肢 ハ正解
- 写真は電力需給用計器用変成器(VCT)の外観であり、記号も「VCT」で正しく合致しています。
- 選択肢 ニ不正解
- 写真はVCTですが、文字記号が真空遮断器を表す「VCB」となっており誤りです。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 電力量計(Wh)に接続される計器用変成器はVCT(VTとCTを一体化した電力需給用計器用変成器)である。
間違えやすいところ
- VCTの外観写真とVCB(真空遮断器)の外観や文字記号を誤認しないように注意が必要です。
出題の前提:高圧受電設備規程(需給用計器用変成器の施設)
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.15 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.16 ↗(www.shiken.or.jp)
配線図2:保護継電器の図記号と名称(不足電圧継電器)
配線図 · 受電設備 / 保護継電器 / シーケンス・単線結線図記号
高圧受電設備の単線結線図(配線図2)において、④で示す図記号「U <」の機器名称として、正しいものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
JIS C 0617等による電気用図記号において、電圧を表す記号「U」に小なり記号「<」を組み合わせた「U <」は、規定値以下の電圧低下を検出する不足電圧継電器(UVR)を意味します。本結線図では商用電源の停電を検知して非常用予備発電装置への切替(MC-DT)を起動させるために配置されています。
解き方
- 配線図2の④に示された図記号「U <」を確認する。
- 「U」が電圧、「<」が不足(設定値未満)を意味することから、不足電圧継電器(UVR)と同定して選択肢「ロ」を選ぶ。
- 選択肢 イ不正解
- 不足電力継電器(UPR)の文字記号は「P <」などで表されるため誤りです。
- 選択肢 ロ正解
- 「U <」は不足電圧継電器(UVR: Under Voltage Relay)を表す正しい記号です。
- 選択肢 ハ不正解
- 過電流継電器(OCR)の文字記号は「I >」で表されるため誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 過電圧継電器(OVR)の文字記号は「U >」で表されるため誤りです。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- U<は不足電圧継電器(UVR)、U>は過電圧継電器(OVR)、I>は過電流継電器(OCR)を表す。
間違えやすいところ
- 大なり「>」(過・整定値超過)と小なり「<」(不足・整定値未満)を取り違えて過電圧継電器と誤認しないように注意する。
出題の前提:JIS C 0617 電気用図記号および高圧受電設備規程
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.15 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.16 ↗(www.shiken.or.jp)
配線図2:計器用変成器(変流器CT)の外観と所要台数
配線図 · 受電設備 / 変流器 / 機器外観鑑識
高圧受電設備の単線結線図(配線図2)において、⑤で示す部分に設置する変成器の外観写真および設置個数の組合せとして、正しいものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
三相3線式高圧受電設備の主回路において、過電流継電器(OCR)や電流計(A)、電力計(W)の入力信号を得るために計器用変流器(CT)を用います。三相不平衡でない限り2相(通常R相とT相)の電流を測定すれば残りの相も合成できるため、CTは2台設置(2台使用)されます。高圧CTの外観は一次側導体を接続する強固な端子ブッシングを備えた角形・巻線形構造をしています。
解き方
- 単線結線図の⑤が過電流継電器(I >)、電力計(W)、力率計、電流計(A)につながる主回路の変流器(CT)であることを確認する。
- 三相3線式高圧受電回路における過電流保護・計測用の変流器は通常2台(2相分)設置されることを確認する。
- 写真の中から、貫通形零相変流器(イ・ハ)ではなく高圧変流器(巻線形CT)で2個設置されている「ニ」を選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 写真は丸形の零相変流器(ZCT)であり、台数も1個であるため誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- 機器の外観は高圧変流器ですが、三相3線式の過電流保護および電流計測にはCTが2個必要なため誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 写真は零相変流器(ZCT)であり、過電流継電器や電流計用の高圧CTではないため誤りです。
- 選択肢 ニ正解
- 高圧変流器(CT)の外観写真であり、三相3線式受電回路に必要な個数である2個が正しく示されています。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 三相3線式高圧受電設備の過電流継電器・電流計回路には、高圧変流器(CT)を2個(2台)設置する。
間違えやすいところ
- 地絡検出に用いる丸形の零相変流器(ZCT)と、過電流保護・計測用の高圧変流器(CT)の外観を取り違えないように注意する。
出題の前提:内線規程、高圧受電設備規程、JIS C 0617
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】』
公式問題 p.15 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.16 ↗(www.shiken.or.jp)
令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】
参照した公式資料
電気技術者試験センターが公開した令和5年度第一種電気工事士学科試験【午後】の問題・解答資料です。

