学科(旧称:筆記)の問題と公式解答を種別・年度・期・午前午後で区別しています。CBTの出題例は過去の筆記試験とは別種別です。技能の課題は学科と分けて収録しています。
令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】の概要
直流回路におけるインダクタおよびコンデンサの蓄積エネルギー
電気の基礎理論 · 直流回路 / 静電エネルギー / 磁気エネルギー
図のような直流回路において、電源電圧が 20 V、抵抗 R = 2 Ω、インダクタンス L = 4 mH、静電容量 C = 2 mF である。R と L に直流電流 10 A が流れているとき、L に蓄えられているエネルギー W_L [J] の値と、C に蓄えられているエネルギー W_C [J] の値の組合せとして、正しいものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
インダクタ(コイル)に蓄えられる磁気エネルギーは電流を I [A] とすると W_L = (1/2)LI^2 [J]、コンデンサに蓄えられる静電エネルギーは端子間電圧を V [V] とすると W_C = (1/2)CV^2 [J] で表されます。直流定常状態において、並列に接続された各枝路の両端電圧は等しくなります。
解き方
- インダクタ L に流れる電流 I = 10 A から磁気エネルギーを計算する:W_L = 0.5 × (4 × 10^-3) × 10^2 = 0.2 J。
- コンデンサ C に加わる電圧は並列接続された電源電圧と同じ 20 V であることから、静電エネルギーを計算する:W_C = 0.5 × (2 × 10^-3) × 20^2 = 0.4 J。
- 選択肢 イ正解
- 計算結果 W_L = 0.2 J および W_C = 0.4 J と完全に一致しているため正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- W_L と W_C の計算結果の数値が逆になっているため誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- W_L および W_C の算出結果が計算式と一致しないため誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 係数 1/2 の乗算漏れなどの誤った計算結果であり不適切です。
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覚えるポイント
- コイルの蓄積エネルギーは W = (1/2)LI^2、コンデンサは W = (1/2)CV^2 です。
- ミリ(m)は 10^-3 の単位換算を忘れずに行います。
間違えやすいところ
- コンデンサに加わる電圧を抵抗の電圧降下と混同すること。
- エネルギーの公式にある 1/2 を掛け忘れる計算ミス。
出題の前提:電気設備技術基準・電気工学基礎理論(出題条件:直流定常状態)
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
直流並列・直列回路における特定抵抗の消費電力計算
電気の基礎理論 · 直流回路 / キルヒホッフの法則 / オームの法則 / 電力計算
図のような直流回路において、抵抗 3 Ω には 4 A の電流が流れている。抵抗 R における消費電力 [W] として、正しいものを1つ選べ。回路は 36 V 電源に対し、4 Ω の抵抗が直列に入り、その先に 3 Ω と抵抗 R が並列に接続されている。
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解答
ハ
解説
直並列回路では、並列部分の各抵抗には共通の電圧が印加されます。オームの法則 V = IR とキルヒホッフの電流則(合流・分流)および電圧則(閉回路の電圧降下の和は起電力に等しい)を用いて各部の電圧・電流を求め、消費電力 P = VI = I^2 R で電力を導出します。
解き方
- 並列部分の端子間電圧 V_p を 3 Ω の抵抗から求める:V_p = 3 Ω × 4 A = 12 V。
- 4 Ω 抵抗に加わる電圧 V_4 を求める:V_4 = 36 V - 12 V = 24 V。
- 回路の全電流 I_total を求める:I_total = 24 V / 4 Ω = 6 A。
- 抵抗 R に流れる電流 I_R を求める:I_R = 6 A - 4 A = 2 A。
- 抵抗 R における消費電力 P_R を計算する:P_R = V_p × I_R = 12 V × 2 A = 24 W。
- 選択肢 イ不正解
- 計算値 24 W と異なっており誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- 抵抗 R の電流 2 A に着目した電圧値 12 V などの誤認数値であり誤りです。
- 選択肢 ハ正解
- 抵抗 R に加わる電圧 12 V と流れる電流 2 A の積より 24 W となり正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 電源電圧の数値 36 と一致させただけの無関係な値であり誤りです。
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覚えるポイント
- 並列接続された枝路の両端電圧は等しくなります。
- 全電流から一方の分流を引くことで他方の分流を求められます。
間違えやすいところ
- 36 V を直接並列部分に適用して計算してしまうミス。
- 消費電力公式 P = VI において電圧を 36 V と誤用するミス。
出題の前提:電気工学基礎理論(直流回路の計算)
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
交流並列回路における皮相電力の計算
配電理論及び配線設計 · 交流回路 / インピーダンス / 皮相電力 / 並列回路
図のような交流回路において、抵抗 12 Ω とリアクタンス 16 Ω が並列に接続され、電源電圧は 96 V である。この回路の皮相電力 [V・A] として、正しいものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
交流並列回路では、各素子に同一の電源電圧が加わります。抵抗電流 I_R とリアクタンス電流 I_X は位相が 90° 異なるため、全電流 I は I = √(I_R^2 + I_X^2) で合成されます。皮相電力 S [V・A] は電源電圧の実効値 V と全電流の実効値 I の積 S = VI、または各電力から S = √(P^2 + Q^2) で算出されます。
解き方
- 抵抗に流れる電流を求める:I_R = 96 / 12 = 8 A。
- リアクタンスに流れる電流を求める:I_X = 96 / 16 = 6 A。
- 回路全体の電流をベクトル合成で求める:I = √(8^2 + 6^2) = √(64 + 36) = 10 A。
- 皮相電力 S を計算する:S = V × I = 96 V × 10 A = 960 V・A。
- 選択肢 イ不正解
- 有効電力 P = 96 V × 8 A = 768 W や無効電力 Q = 96 V × 6 A = 576 var のうち、無効電力の値に該当するため誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- 有効電力 P = 768 W の数値に該当するため誤りです。
- 選択肢 ハ正解
- 全電流 10 A と電源電圧 96 V の積により 960 V・A が正しく導出されます。
- 選択肢 ニ不正解
- 有効電力と無効電力を単純加算したスカラー和(768 + 576 = 1 344)であり誤りです。

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覚えるポイント
- 並列回路の全電流はスカラーの足し算ではなくベクトルの平方根和で計算します。
- 皮相電力 S = VI = √(P^2 + Q^2) の関係を用います。
間違えやすいところ
- 電流を単純に 8 + 6 = 14 A と足し合わせて 96 × 14 = 1 344 V・A とするミス。
- 皮相電力・有効電力・無効電力の定義を混同するミス。
出題の前提:電気工学基礎理論(交流回路の電力計算)
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
RLC直列交流回路における電源電圧の計算
電気の基礎理論 · 交流回路 / RLC直列回路 / リアクタンス / 電源電圧
図のような交流回路において、電流 I = 10 A、抵抗 R における消費電力は 800 W、誘導性リアクタンス X_L = 16 Ω、容量性リアクタンス X_C = 10 Ω である。この回路の電源電圧 V [V] として、正しいものを1つ選べ。
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解答
ロ
解説
RLC直列回路に流れる電流は共通です。抵抗の電圧降下 V_R とリアクタンスの電圧降下 V_X = V_L - V_C は互いに 90° の位相差をもつため、電源電圧の実効値 V はベクトル合成により V = √(V_R^2 + (V_L - V_C)^2) = I × √(R^2 + (X_L - X_C)^2) として求められます。
解き方
- 抵抗の端子間電圧 V_R を電力から求める:V_R = P / I = 800 W / 10 A = 80 V(または R = P / I^2 = 8 Ω より V_R = 8 Ω × 10 A = 80 V)。
- 合成リアクタンス X を求める:X = X_L - X_C = 16 - 10 = 6 Ω。
- リアクタンスによる電圧降下 V_X を求める:V_X = I × X = 10 A × 6 Ω = 60 V。
- 電源電圧 V をベクトル合成により計算する:V = √(V_R^2 + V_X^2) = √(80^2 + 60^2) = 100 V。
- 選択肢 イ不正解
- 抵抗の両端電圧降下 V_R = 80 V の値であり、回路全体の電源電圧ではないため誤りです。
- 選択肢 ロ正解
- V_R = 80 V と V_X = 60 V のベクトル合成により √(80^2 + 60^2) = 100 V となり正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 計算値 100 V と異なっており不適切です。
- 選択肢 ニ不正解
- 各リアクタンスを減算せず加算して単純スカラー加算した場合などの誤った計算値です。
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覚えるポイント
- X_L と X_C は互いに逆位相であるため引き算(相殺)します。
- 直列回路の電源電圧は V = √(V_R^2 + V_X^2) です。
間違えやすいところ
- X_L と X_C を足してしまい 16 + 10 = 26 Ω として計算するミス。
- 抵抗電圧とリアクタンス電圧をスカラーで単純加算(80 + 60 = 140 V)してしまうミス。
出題の前提:電気工学基礎理論(RLC直列回路の交流計算)
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
対称三相交流回路(Y結線負荷)の諸元に関する正誤判定
電気の基礎理論 · 三相交流回路 / Y結線 / 線電流 / 消費電力 / 無効電力
図のような三相交流回路において、電源電圧は 200 V、各相の負荷は抵抗 8 Ω と誘導性リアクタンス 6 Ω の直列回路が星形(Y)結線されている。この回路に関して誤っているものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
対称三相交流の星形(Y)結線負荷では、相電圧 V_p と線間電圧 V_l の間に V_p = V_l / √3 の関係があり、線電流 I は相電流 I_p と等しくなります。1相のインピーダンスは Z = √(R^2 + X^2) であり、全消費電力は P = 3 I_p^2 R、全無効電力は Q = 3 I_p^2 X で表されます。
解き方
- 1相当たりのインピーダンス Z を計算する:Z = √(8^2 + 6^2) = 10 Ω(イは正しい)。
- Y結線負荷の相電圧 V_p を求める:V_p = 200 / √3 V。
- 線電流 I(=相電流 I_p)を求める:I = V_p / Z = (200 / √3) / 10 = 20 / √3 A ≒ 11.55 A(ロは誤り)。
- 回路全体の消費電力 P を求める:P = 3 × I^2 × R = 3 × (20 / √3)^2 × 8 = 3 × (400 / 3) × 8 = 3 200 W(ハは正しい)。
- 回路全体の無効電力 Q を求める:Q = 3 × I^2 × X = 3 × (20 / √3)^2 × 6 = 3 × (400 / 3) × 6 = 2 400 var(ニは正しい)。
- 選択肢 イ不正解
- Z = √(8^2 + 6^2) = 10 Ω であり記述として正しいため、誤りを選ぶ問いの解答としては選べません。
- 選択肢 ロ正解
- 線電流は I = 20/√3 ≒ 11.55 A であり、記述の 10 A は誤りであるためこれが正解です。
- 選択肢 ハ不正解
- 全消費電力 P = 3 × (400/3) × 8 = 3 200 W であり記述として正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 全無効電力 Q = 3 × (400/3) × 6 = 2 400 var であり記述として正しいです。

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覚えるポイント
- Y結線では、相電圧=線間電圧 / √3、線電流=相電流です。
- Δ結線では、相電圧=線間電圧、線電流=√3 × 相電流です。
間違えやすいところ
- Y結線の相電圧に線間電圧 200 V をそのまま代入して線電流を 200/10 = 20 A と混同するミス。
- 3相電力の計算で 3倍するのを忘れるミス。
出題の前提:電気工学基礎理論(三相交流回路)
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.4 ↗(www.shiken.or.jp)
三相3線式配電線路における進み力率時の送電端電圧
配電理論及び配線設計 · 配電線路 / 電圧降下 / 進み力率 / 送電端電圧
図のような三相3線式配電線路で、受電端電圧が 6 700 V、負荷電流が 20 A、深夜で軽負荷のため力率が 0.9(進み力率)のとき、配電線路の送電端の線間電圧 [V] として、最も近いものを1つ選べ。ただし、配電線路の抵抗は電線1線当たり 0.8 Ω、リアクタンスは 1.0 Ω であるとする。なお、cosθ = 0.9 のとき sinθ = 0.436 であるとし、適切な近似式を用いるものとする。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
三相3線式配電線路の線間電圧降下の簡易計算式は、遅れ力率では ΔV = √3 I (r cosθ + x sinθ) ですが、進み力率では無効成分の符号が反転し ΔV = √3 I (r cosθ - x sinθ) となります。送電端電圧 V_s は受電端電圧 V_r と電圧降下 ΔV の和 V_s = V_r + ΔV で求められます。
解き方
- 1線当たりの有効インピーダンス降下成分(進み力率)を計算する:r cosθ - x sinθ = 0.8 × 0.9 - 1.0 × 0.436 = 0.72 - 0.436 = 0.284 Ω。
- 線間電圧降下 ΔV を近似式により計算する:ΔV = √3 × I × 0.284 = 1.732 × 20 × 0.284 ≒ 9.84 V。
- 送電端電圧 V_s を求める:V_s = V_r + ΔV = 6 700 + 9.84 = 6 709.84 V。最も近い値として 6 710 V を選定する。
- 選択肢 イ不正解
- 受電端電圧そのものの値であり、配電線路のインピーダンス降下分が加算されていないため不適切です。
- 選択肢 ロ正解
- 進み力率を考慮した電圧降下約 10 V を加算した 6 710 V であり正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 遅れ力率として加算計算した場合(約 1.156 Ω × 20 × √3 ≒ 40 V 程度)の想定値よりも大きく乖離しており誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 計算値から大きく離れた数値であり誤りです。
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覚えるポイント
- 進み力率の電圧降下式は符号がマイナス(r cosθ - x sinθ)になります。
- 三相3線式の線間電圧降下には √3 を乗じます。
間違えやすいところ
- 進み力率であるにもかかわらず、プラス記号のまま(遅れ力率の式)計算してしまうミス。
- 単相の式と混同して √3 を掛け忘れるミス。
出題の前提:電気工学基礎理論・配電設計(配電線路の電圧降下近似式)
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.4 ↗(www.shiken.or.jp)
単相3線式回路の中性線断線時における負荷電圧の計算
配電理論及び配線設計 · 単相3線式 / 中性線断線 / 異常電圧 / 分圧計算
図のような単相3線式電路(電源電圧 210 / 105 V)において、抵抗負荷 A 50 Ω、B 25 Ω、C 20 Ω(C は外側線間 210 V に接続)を使用中に、図中の ×印点 P で中性線が断線した。断線後の抵抗負荷 A に加わる電圧 [V] として、正しいものを1つ選べ。ただし、どの配線用遮断器も動作しなかったものとする。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
単相3線式電路の中性線が電源側で断線すると、105 V 回路に接続されていた各相の負荷同士が外側線間電圧(210 V)に対して直列に接続されます。中性線による電位固定が失われるため、各負荷には抵抗値の比に比例した不平衡な電圧が分圧されて加わります。なお、最初から外側線間(210 V)に接続されている負荷 C はこの直列回路には影響を与えません。
解き方
- 回路図から、中性線断線後にどの負荷が直列接続を形成するか整理する:負荷 A(50 Ω)と負荷 B(25 Ω)が直列回路となる。
- 直列回路全体に印加される線間電圧を確認する:外側線間電圧は 210 V である。
- 分圧の法則を適用して負荷 A に加わる電圧 V_A を計算する:V_A = 210 × (50 / (50 + 25)) = 210 × (50 / 75) = 210 × (2 / 3) = 140 V。
- 選択肢 イ不正解
- 負荷回路は開放されておらず外側線間で閉回路が成立しているため、0 V ではありません。
- 選択肢 ロ不正解
- 直列接続されたもう一方の負荷 B(25 Ω)に加わる電圧(210 × 25/75 = 70 V)の誤計算値などに近く不適切です。
- 選択肢 ハ正解
- 直列回路の分圧比 50 : 25 に応じて 210 V が分割され、負荷 A に加わる電圧は 140 V となり正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 負荷 A の抵抗値が無限大(開放)の場合の電圧であり、本問では直列抵抗が存在するため 210 V にはならず誤りです。
覚えるポイント
- 中性線断線時、105 V 負荷同士は 210 V の直列回路になります。
- 大きな抵抗(軽負荷)側に高い異常電圧が加わります。
間違えやすいところ
- 線間負荷 C(20 Ω)を並列または直列に合成しようとして計算を誤るミス。
- 分圧計算で抵抗比の分子と分母(相手の抵抗か自身の抵抗か)を取り違えるミス。
出題の前提:電気設備技術基準・内線規程(単相3線式電路の中性線欠相保護)
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.4 ↗(www.shiken.or.jp)
単相変圧器および計器用変流器(CT)を介した二次電流の算出
配電理論及び配線設計 · 変圧器 / 変流器(CT) / 変流比 / 変圧比
図のように、変圧比が 6 300 / 210 V の単相変圧器の二次側に抵抗負荷が接続され、その負荷電流は 300 A であった。このとき、変圧器の一次側に設置された変流器(CT)の二次側に流れる電流 I [A] として、正しいものを1つ選べ。ただし、変流器の変流比は 20 / 5 A とし、負荷抵抗以外のインピーダンスは無視する。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
変圧器の巻数比(変圧比)を a とすると、一次電流 I_1 と二次電流 I_2 の間には I_1 = I_2 / a の関係が成り立ちます。また、計器用変流器(CT)の二次電流は、CT 一次電流に公称変流比の逆数(二次定格/一次定格)を乗じることで求められます。
解き方
- 変圧器の変圧比(巻数比 a)を求める:a = 6 300 V / 210 V = 30。
- 変圧器一次側に流れる負荷電流 I_1 を計算する:I_1 = 300 A / 30 = 10 A。
- 変流器(CT)の変流比が 20 A / 5 A(定格比 4 : 1)であることを確認する。
- 変流器の二次電流 I を計算する:I = 10 A × (5 A / 20 A) = 2.5 A。
- 選択肢 イ正解
- 変圧器一次電流 10 A に変流比 5/20 を乗じることで 2.5 A が正しく得られます。
- 選択肢 ロ不正解
- 計算値 2.5 A と異なっており不適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- 変圧比の計算や変流比の換算を誤った場合の数値であり不適切です。
- 選択肢 ニ不正解
- 計算値 2.5 A と異なっており不適切です。

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覚えるポイント
- 変圧器の電流比は電圧比の逆数になります(電圧が高い側は電流が小さい)。
- 変流器(CT)の二次側定格電流は一般に 5 A です。
間違えやすいところ
- 変圧器の一次電流を求めるときに、変圧比 30 を掛けて 9 000 A にしてしまうミス。
- CT の変流比 20/5 をそのまま 10 に掛けて 40 A にしてしまうミス。
出題の前提:電気設備技術基準・高圧受電設備規程(計器用変成器の取扱い)
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
力率改善用コンデンサ容量の計算
電気理論・配電設計 · 力率改善 / 無効電力 / 交流回路
三相3線式高圧配電線路の末端に、負荷容量100 kV・A(遅れ力率0.8)の負荷Aと、負荷容量50 kV・A(遅れ力率0.6)の負荷Bを受電している需要家がある。受電端における合成力率を1にするために必要な力率改善用コンデンサ設備の容量 [kvar] として、正しいものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
交流回路の合成力率を1にするためには、回路全体の遅れ無効電力をすべて打ち消す大きさの進相無効電力を力率改善用コンデンサから供給する必要があります。
解き方
- 負荷Aの無効電力QAを計算する:QA = 100 × sinθA = 100 × √(1 - 0.8^2) = 100 × 0.6 = 60 kvar(遅れ)。
- 負荷Bの無効電力QBを計算する:QB = 50 × sinθB = 50 × √(1 - 0.6^2) = 50 × 0.8 = 40 kvar(遅れ)。
- 需要家全体の遅れ無効電力の合計Qを計算する:Q = QA + QB = 60 + 40 = 100 kvar。
- 合成力率を1にするために必要なコンデンサ容量QCは遅れ無効電力と同値であるため、QC = 100 kvarとなる。
- 選択肢 イ不正解
- 40 kvarは負荷Bのみの遅れ無効電力であり、需要家全体の力率を1にする値としては不足しています。
- 選択肢 ロ不正解
- 60 kvarは負荷Aのみの遅れ無効電力であり、負荷Bの無効電力を相殺できていません。
- 選択肢 ハ正解
- 負荷Aの無効電力60 kvarと負荷Bの無効電力40 kvarの和である100 kvarと等しいため正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 有効電力の合計(80 kW + 30 kW = 110 kW)を誤って計算した値です。

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覚えるポイント
- 力率改善では有効電力ではなく、相殺すべき「無効電力の総和」を計算してコンデンサ容量を決定します。
間違えやすいところ
- 皮相電力(100 kVA + 50 kVA = 150 kVA)を単純加算して力率を掛けたり、有効電力を答えてしまう誤りに注意しましょう。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈および一般的な交流電力計算法に基づく
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
巻上用電動機の所要出力計算式
電気機器・動力設備 · 電動機出力 / 巻上機 / 機械効率
巻上荷重 W [kN] の物体を毎秒 v [m] の速度で巻き上げているとき、この巻上用電動機の出力 [kW] を示す式として、正しいものを1つ選べ。ただし、巻上機の効率は η [%] とする。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
物体の持ち上げに必要な仕事率は「力 × 速度」で表され、力 [kN] と速度 [m/s] の積の単位はそのまま [kW] に一致します。電動機出力は機械損失を補うため、機械効率で割って算出します。
解き方
- 巻上作業に必要な仕事率(負荷動力)P0 [kW] を求める:P0 = 荷重 [kN] × 速度 [m/s] = W・v [kW]。
- 機械効率 η [%] を考慮して電動機の必要出力 P [kW] を立式する:P = P0 / (η / 100) = 100W・v / η [kW]。
- 選択肢 イ正解
- W・v を効率 η/100 で割った正しい出力算出式 100W・v / η を示しています。
- 選択肢 ロ不正解
- 速度 v が2乗になっており、仕事率の次元として誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 効率 η が分母ではなく分子に掛けられており、誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 効率が分子にあり、かつ速度等が2乗されているため誤りです。

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覚えるポイント
- 荷重が kN、速度が m/s のときの動力は W・v [kW] となり、9.8を掛ける必要はありません(kgではなくkN指定のため)。
間違えやすいところ
- 質量 [kg] 基準の公式(9.8 W v / 60η など)と混同して、与えられた単位が力 [kN] であることを見落とさないように注意しましょう。
出題の前提:一般的な電気機械設備設計の動力算定基準
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
V結線変圧器の利用率
電気機器・変圧器 · V結線 / 変圧器利用率 / 三相交流
同容量の単相変圧器2台をV結線し、三相負荷に電力を供給する場合の変圧器1台当たりの最大の利用率として、正しいものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
変圧器の利用率は「結線により実際に取り出せる三相出力 ÷ 設置された変圧器定格容量の総和」で定義されます。V結線では変圧器定格の合計2P1に対して出力は√3P1に制限されます。
解き方
- 単相変圧器1台の容量を P1 とすると、2台の合計設備容量は 2 × P1 となる。
- V結線により得られる三相出力 Pv は √3 × P1 となる。
- 利用率を計算する:Pv / (2 × P1) = (√3 × P1) / (2 × P1) = √3 / 2。
- 選択肢 イ不正解
- 1/2 は50%であり、V結線の利用率の値として誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- √2 / 2 は約70.7%であり、利用率ではなく誤った比率です。
- 選択肢 ハ正解
- V結線の最大出力 √3P1 を設備容量 2P1 で割った値 √3/2(約86.6%)と一致するため正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 2 / √3 は利用率の逆数であり、1を超えるため誤りです。

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覚えるポイント
- V結線の「利用率」は √3/2 ≒ 86.6%、「出力比(Δ結線時の出力に対する比率)」は 1/√3 ≒ 57.7% です。
間違えやすいところ
- 「利用率(√3/2)」と「出力比(1/√3)」を混同して覚えてしまう誤りが頻発します。
出題の前提:電気機器工学の変圧器結線理論に基づく
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
照度の定義と性質
照明・電気応用 · 照度 / 光束 / 逆2乗の法則
照度に関する記述として、正しいものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
照度とは、単位面積の受照面に入射する光束の量を表す物理量(単位:ルクス [lx] = ルーメン毎平方メートル [lm/m^2])であり、面の反射率や色には依存しません。
解き方
- 照度の定義式を確認する:E = Φ / A [lx](Φは入射光束 [lm]、Aは面積 [m^2])。
- 定義より、1 m^2 の面に 1 lm の光束が入射するとき照度は 1 lx となるため、選択肢ハが正しいと判定する。
- 他の選択肢の物理的関係(照度は被照面の色によらない、光束に比例する、距離の2乗に反比例する)を確認して誤りを除外する。
- 選択肢 イ不正解
- 照度は受照面に入射する光束の密度であり、被照面の色(反射率)によって変わることはありません(反射後の輝度は変わります)。
- 選択肢 ロ不正解
- 照度は光源から受照面に届く光束に比例するため、光束が2倍になれば照度も2倍になります。
- 選択肢 ハ正解
- 照度 1 lx は 1 m^2 の面積に 1 lm の光束が一様に照射されるときの照度として定義されているため正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 点光源による照度は距離の2乗に反比例(逆2乗の法則:E = I / r^2)するため、距離が2倍になると照度は 1/4 倍になります。
覚えるポイント
- 照度 [lx] = 光束 [lm] ÷ 面積 [m^2]、および点光源直下の照度 E = I / r^2(距離の2乗に反比例)。
間違えやすいところ
- 面の「照度(当たる光)」と「輝度(反射して目に入る光)」を混同し、黒い面だと照度自体が下がると勘違いしやすいです。
出題の前提:照明工学における測光量・単位系(JIS Z 8113等)に基づく
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
りん酸形燃料電池の発電原理図
発電・新エネルギー · 燃料電池 / りん酸形燃料電池 / 電気化学反応
りん酸形燃料電池の発電原理図として、正しいものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
りん酸形燃料電池(PAFC)では、電解液に濃りん酸水溶液を用い、負極(アノード)に供給された H2 から電子と H+(水素イオン)が生成し、電解液中を移動した H+ と正極(カソード)の O2 が結合して水(H2O)が生成します。
解き方
- 負極(アノード)側の反応物質を確認する:燃料である水素 H2 が供給され、未反応ガスが排出される。
- 正極(カソード)側の反応物質を確認する:酸化剤である酸素 O2 が供給され、反応生成物である水 H2O が排出される。
- 負極に H2 供給、正極に O2 供給かつ H2O 排出となっている図「ロ」を選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 負極側に酸素 O2、正極側に水素 H2 を供給しており、電極の供給ガスが逆です。
- 選択肢 ロ正解
- 負極に水素 H2 を供給して未反応ガスを排出し、正極に酸素 O2 を供給して水 H2O を排出する正しい構成を示しています。
- 選択肢 ハ不正解
- 負極と正極の供給ガスが逆転しており、燃料電池の動作原理として誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 正極側からの排出物質が O2 となっており、正極から水 H2O が排出される反応と整合しません。
覚えるポイント
- 燃料電池は「負極(燃料極)=水素 H2 供給」「正極(空気極)=酸素 O2 供給・水 H2O 排出」です。
間違えやすいところ
- 電池の極性と供給ガスの組み合わせ(水素が負極、酸素が正極)を取り違えてしまう間違いが多いです。
出題の前提:燃料電池発電の基本原理に基づく
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
配線器具(ハーネス用ジョイントボックス)の使用場所
配線工事・配線器具 · フリーアクセスフロア / ハーネス用ジョイントボックス / 床下配線
写真に示す品物(ハーネス用ジョイントボックス)が一般的に使用される場所として、適切なものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
オフィス等のフリーアクセスフロア(二重床)内配線では、レイアウト変更に柔軟に対応できるよう、ワンタッチで着脱可能なハーネス配線システムおよびハーネス用ジョイントボックスが広く施工されます。
解き方
- 写真の外観から、多数の差込スロットと固定部を持つハーネス用ジョイントボックスであることを識別する。
- ハーネス配線システムが主に二重床(フリーアクセスフロア)内の隠ぺい配線に使用される器具であることに基づき、「ハ」を選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 低温室露出場所には、耐低温・防湿性能を持った専用器具が用いられ、本器具は使用しません。
- 選択肢 ロ不正解
- 防爆室には規格適合した耐圧防爆構造等の専用器具が必要であり、本器具は適しません。
- 選択肢 ハ正解
- ハーネスジョイントボックスは、二重床の空間であるフリーアクセスフロア内隠ぺい場所での電源分岐・延長に一般的に用いられます。
- 選択肢 ニ不正解
- 天井内隠ぺい場所の接続には、VVF用ジョイントボックスやアウトレットボックスが一般に使用されます。
覚えるポイント
- ハーネス用ジョイントボックスやハーネス用OAタップは「フリーアクセスフロア(二重床)内」の定番器具です。
間違えやすいところ
- 形状から一般的な天井裏用ジョイントボックス(VVF用ボックス)と誤認しないようにしましょう。
出題の前提:内線規程・配線器具規格(JIS C 8303等)に基づく
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
低圧電路用保護機器の識別
配線器具・保安機器 · 漏電遮断器 / 地絡保護 / 開閉器の識別
写真に示す4つの機器のうち、低圧電路で地絡が生じたときに、自動的に電路を遮断するもの(漏電遮断器)として、正しいものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
地絡電流を検出して自動遮断する機器は「漏電遮断器(ELCB)」です。外観上、過電流のみを遮断する配線用遮断器(MCCB)と類似していますが、漏電遮断器には動作確認用の「テストボタン」や「漏電表示部」が必ず設けられています。
解き方
- 各選択肢の写真の機器を特定する:イ=漏電遮断器(テストボタンあり)、ロ=小形配線用遮断器、ハ=配線用遮断器(テストボタンなし)、ニ=電磁開閉器。
- 問題の要求である「低圧電路で地絡が生じたときに自動遮断するもの」は漏電遮断器であるため、イを選択する。
- 選択肢 イ正解
- 漏電遮断器(ELCB)の外観写真であり、電路の地絡(漏電)を検出して電路を自動遮断するため正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- 分電盤の分岐回路などに使われる小形配線用遮断器(MCB)であり、過負荷・短絡保護用です。
- 選択肢 ハ不正解
- 配線用遮断器(MCCB)であり、過負荷および短絡電流を遮断しますが地絡は遮断しません。
- 選択肢 ニ不正解
- 電動機の遠隔制御や過負荷保護を行う電磁開閉器(マグネットスイッチ)であり、地絡遮断用ではありません。
覚えるポイント
- 遮断器の銘板近くに「テストボタン(黄色や赤色の小さな押しボタン)」があれば漏電遮断器(ELCB)です。
間違えやすいところ
- 配線用遮断器(ハ)と漏電遮断器(イ)は外形が酷似しているため、テストボタンの有無をしっかり確認しましょう。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈第36条およびJIS C 8201-2-2に基づく
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
コージェネレーションシステムの定義
発電・省エネルギーシステム · コージェネレーション / 熱電併給 / 省エネルギー
コージェネレーションシステムに関する記述として、最も適切なものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
コージェネレーション(Cogeneration = 共同発生)は、1種類の一次エネルギー(燃料)から電気(または動力)と熱という複数の二次エネルギーを同時に発生・供給するシステム(熱電併給)を指します。
解き方
- 用語「コージェネレーション(熱電併給)」の定義「電力と排熱の両方を有効活用するシステム」を想起する。
- 選択肢の中から「電気と熱を併せ供給する発電システム」と明確に述べている「ロ」を選ぶ。
- 選択肢 イ不正解
- 系統連系システムの説明であり、熱の利用を含んでいないためコージェネレーションの定義ではありません。
- 選択肢 ロ正解
- コージェネレーションシステム(熱電併給)の正確な定義(電気と熱を同時に供給する)を述べています。
- 選択肢 ハ不正解
- 深夜電力を利用する蓄熱システムや揚水発電等の説明であり、コージェネレーションではありません。
- 選択肢 ニ不正解
- 電気集じん装置は排ガス中のばいじんを除去する環境保全装置であり、発電システムとは無関係です。
覚えるポイント
- コージェネレーション(Co-generation)=「電気」+「熱」の併用供給システム(総合熱効率が70〜80%以上に向上)。
間違えやすいところ
- 単なる自家発電装置や太陽光・風力などの分散型電源一般と混同しないよう、「熱利用」がキーワードである点を押さえましょう。
出題の前提:省エネルギー法およびコージェネレーション技術基準に基づく定義
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
風力発電の特徴と風車の分類
発電設備 · 風力発電 / 風車形式 / 水平軸風車
風力発電に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
風力発電は風の持つ運動エネルギーを風車ブレードで回転力に変え発電機を駆動する仕組みです。風車形式は回転軸が地面と水平な水平軸型(プロペラ形等)と、地面と垂直な垂直軸型(サボニウス形、ダリウス形等)に大別されます。
解き方
- 風力発電機の構造および回転軸の向きによる分類(水平軸と垂直軸)を確認します。
- 広く採用されているプロペラ形風車が水平軸風車であることを照合し誤りの選択肢を特定します。
- 選択肢 イ不正解
- 風力発電の出力は風速の3乗に比例するため、自然条件による風速変化によって出力変動が大きくなります。
- 選択肢 ロ正解
- 一般に普及しているプロペラ形風車は回転軸が水平な水平軸風車であり、垂直軸形風車ではありません。
- 選択肢 ハ不正解
- 風力発電装置は風の運動エネルギーで風車を回し、発電機を駆動して電気エネルギーに変換する設備です。
- 選択肢 ニ不正解
- 多くのプロペラ形風車はピッチ制御機構を備え、風速に応じて翼の角度を変えて出力調整や過回転防止を行います。
覚えるポイント
- プロペラ形風車は水平軸風車であり、ダリウス形やサボニウス形が垂直軸風車です。
間違えやすいところ
- タワーが垂直に立っていることから、プロペラ形を垂直軸と混同しないように注意が必要です。
出題の前提:令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】問17
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
架空送電線における多導体方式の特徴
送配電設備 · 架空送電線 / 多導体方式 / コロナ放電
単導体方式と比較して、多導体方式を採用した架空送電線の特徴として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
多導体方式は1相あたり複数本の電線を適度な間隔で配置する方式です。見かけの外径が拡大することで表面電界が緩和されコロナ放電を抑制できるほか、インダクタンスが減少し静電容量が増加するため送電容量が増大します。
解き方
- 多導体方式における等価半径の拡大に伴う電気定数の変化(Lの減少、Cの増加)を整理します。
- 電線表面の電位の傾きが緩和されることによるコロナ放電抑制効果と選択肢の記述を比較します。
- 選択肢 イ不正解
- 表面積の増大による放熱性の向上と全断面積の増加により、許容電流容量および送電容量が増大します。
- 選択肢 ロ正解
- 等価半径の拡大により電線表面の電位の傾きが低下するため、コロナ放電は発生しにくくなります。
- 選択肢 ハ不正解
- 電線の幾何学的平均半径が大きくなるため、電線のインダクタンス(自己インダクタンス)は減少します。
- 選択肢 ニ不正解
- 導体の等価半径が拡大するため、大地や他相との間の静電容量は増加します。
覚えるポイント
- 多導体方式はインダクタンス減少、静電容量増加、コロナ放電抑制、送電容量増加となります。
間違えやすいところ
- 電位の傾きが下がる(電界が弱まる)と放電が起きにくくなる因果関係を取り違えないようにします。
出題の前提:令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】問18
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
高調波の特徴と障害対策
電力品質・機器 · 高調波 / インバータ / 直列リアクトル
高調波に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
電力系統の高調波は基本波(50Hz/60Hz)の整数倍の周波数成分です。整流器やインバータなどの非線形負荷から発生し、コンデンサの過熱や電動機の損失増加・振動・過熱を引き起こします。防止対策として直列リアクトルの設置などが用いられます。
解き方
- 電力系統における代表的な高調波次数と主要な発生源(半導体変換装置等)を把握します。
- インバータが高調波発生源である事実を確認し、発生源にならないとする誤りを判定します。
- 選択肢 イ不正解
- 三相全波整流回路等から発生する高調波は、主に第5次や第7次といった奇数次の低周波成分が大半を占めます。
- 選択肢 ロ正解
- インバータは半導体スイッチング動作により歪み波電流を生じるため、代表的な高調波の発生源です。
- 選択肢 ハ不正解
- 進相コンデンサ回路に直列リアクトルを挿入することで、高調波電流の流入抑制と電圧波形改善が図れます。
- 選択肢 ニ不正解
- 高調波成分が電動機に流入すると、鉄損や銅損が増大して機器の過熱や振動・騒音の原因となります。
覚えるポイント
- インバータや整流器は主要な高調波発生源であり、対策には直列リアクトルが必須です。
間違えやすいところ
- 省エネ機器であるインバータを高調波が出ないクリーン電源と誤認しないようにします。
出題の前提:令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】問19
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧受電設備における開閉機器の操作手順
配電理論・受電設備 · 遮断器 / 断路器 / 開閉器の操作順序
高圧受電設備における遮断器と断路器の記述に関して、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
遮断器(CB)は負荷電流および短絡電流を遮断できますが、断路器(DS)は充電された無負荷線路の切り替え等を行うものでアーク消弧能力がありません。そのため「投入時は断路器→遮断器」「遮断時は遮断器→断路器」の順序を守るインターロック等が重要です。
解き方
- 遮断器と断路器の開閉能力の相違(断路器は負荷電流遮断不可)を理解します。
- 負荷電流が流れている状態で断路器を開操作している記述を見つけ誤りと特定します。
- 選択肢 イ不正解
- 断路器がすでに開いている状態で遮断器を開放する操作自体は、事故につながる危険な誤操作ではありません。
- 選択肢 ロ不正解
- 送電を開始する際は、まず断路器を閉じてから遮断器を投入する(閉にする)手順が正しい操作です。
- 選択肢 ハ正解
- 断路器には消弧能力がないため、負荷電流の通電中に断路器を開放するとアーク短絡事故を招き大変危険です。
- 選択肢 ニ不正解
- 電気設備の技術基準の解釈等により、断路器は自重や振動等で自然に閉路しない構造・向きで施設します。
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覚えるポイント
- 断路器は負荷電流を遮断できないため、必ず先に遮断器を開いてから断路器を開きます。
間違えやすいところ
- 投入手順(断路器が先)と遮断手順(遮断器が先)を混同しないように整理して覚えます。
出題の前提:令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】問20
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
調相設備の定義
電気法規 · 電気設備の技術基準 / 調相設備 / 無効電力
次の文章は、「電気設備の技術基準」で定義されている調相設備についての記述である。「調相設備とは、[ ]を調整する電気機械器具をいう。」上記の空欄にあてはまる語句として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
電気設備の技術基準等の用語の定義において、進相コンデンサや分路リアクトル、同調相機などの電力系統の無効電力を調整して力率や電圧を改善する器具を一括して「調相設備」と定義しています。
解き方
- 電気設備技術基準第1条に定められた各種用語の定義を確認します。
- 調相設備が進相・遅相の無効電力を調整する器具であることを照合し空欄を補います。
- 選択肢 イ不正解
- 受電電力は受電端で計測される電力値であり、調相設備が直接調整対象とする法的な定義語句ではありません。
- 選択肢 ロ不正解
- 最大電力は一定時間内の消費電力の最大値(デマンド)であり、調相設備の定義には該当しません。
- 選択肢 ハ正解
- 技術基準第1条の定義通り、調相設備とは「無効電力」を調整する電気機械器具のことです。
- 選択肢 ニ不正解
- 皮相電力は電圧と電流の実効値の積であり、調相設備が直接制御・調整する定義の対象語ではありません。
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覚えるポイント
- 調相設備=「無効電力を調整する電気機械器具」(省令第1条の頻出定義)。
間違えやすいところ
- 力率改善設備という印象から有効電力や皮相電力と取り違えないように注意します。
出題の前提:電気設備に関する技術基準を定める省令 第1条第2項第七号
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
写真判別:電力受給用計器用変成器(VCT)
配電理論・受電設備 · 機器写真判別 / VCT / 計器用変成器
問題用紙の写真に示す高圧機器の名称として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
電力受給用計器用変成器(VCT)は、電力会社が取引計量用電力計(Wh)で電気使用量を測定するために高電圧・大電流を計器用レベル(110V・5A)に変成する装置です。VT部とCT部が一体化された外観を持ちます。
解き方
- 写真の機器の外観(ブッシング形状、箱型タンク、端子ボックス)の特徴を把握します。
- VTとCTを収納した電力受給用計器用変成器(VCT)であると同定します。
- 選択肢 イ正解
- 写真の機器は電力会社と需要家の取引電力量計に接続される電力受給用計器用変成器(VCT)です。
- 選択肢 ロ不正解
- 高圧交流負荷開閉器(LBS)は開閉用可動接点やヒューズホルダーを備えた構造であり外観が異なります。
- 選択肢 ハ不正解
- 三相変圧器は動力供給用であり、写真のような計量用変成器特有の端子配置やサイズとは異なります。
- 選択肢 ニ不正解
- 直列リアクトルは空冷または油入のコイル状機器であり、高圧ブッシングや計器用端子構造が異なります。
覚えるポイント
- 写真の高圧一次側ブッシングと計量用端子箱を備えた一体型機器はVCTです。
間違えやすいところ
- 外観が小型の油入変圧器に似ているため三相変圧器と混同しないよう注意が必要です。
出題の前提:令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】問22
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
写真判別:真空遮断器の文字記号
配電理論・受電設備 · 機器写真判別 / 真空遮断器 / 文字記号 / VCB
問題用紙の写真に示す高圧機器の文字記号(略号)として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
真空遮断器(VCB)は高真空中で接点を開閉することにより高い絶縁耐力と急速なアーク消弧能力を発揮する遮断器です。負荷電流だけでなく短絡電流を安全に遮断することができます。
解き方
- 写真の3相分の真空バルブ、操作機構部、引き出し構造などの外観を確認します。
- 真空遮断器(Vacuum Circuit Breaker)に該当する英字略記号がVCBであることを選びます。
- 選択肢 イ不正解
- DSは断路器(Disconnecting Switch)の略号で、ナイフエッジ状接点を持つ開閉器です。
- 選択肢 ロ不正解
- PASは柱上気中負荷開閉器(Pole Air Switch)の略号で、屋外引込柱に設置されます。
- 選択肢 ハ不正解
- LBSは高圧交流負荷開閉器(Load Break Switch)の略号で、限流ヒューズ付き等が一般的です。
- 選択肢 ニ正解
- 写真は受電盤内に設置される真空遮断器(Vacuum Circuit Breaker)であり略号はVCBです。
覚えるポイント
- 受電盤の主遮断器として広く用いられる真空遮断器の略号はVCBです。
間違えやすいところ
- 開閉器類(DS、LBS、PAS)と遮断器(VCB)の役割および記号の混同に注意します。
出題の前提:令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】問23
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
絶縁電線の許容電流の定義
配電理論・工事基準 · 許容電流 / 600Vビニル絶縁電線 / 最高許容温度
600 V ビニル絶縁電線の許容電流(連続使用時)に関する記述として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
電線に電流が流れるとジュール熱(I^2*R)が発生します。電線の絶縁体には耐熱限界温度(最高許容温度、600Vビニル絶縁電線では60℃)が定められており、連続通電時にこの温度を超えて絶縁性能が早期低下しないよう定めた電流が許容電流です。
解き方
- 許容電流の概念(ジュール熱による温度上昇と絶縁材料の寿命・劣化防止)を確認します。
- 最高許容温度(60℃)を維持するための限界電流値である定義記述を選択します。
- 選択肢 イ正解
- 許容電流は、導体のジュール熱により絶縁体の最高許容温度を超えて著しい劣化が生じない限度の電流値です。
- 選択肢 ロ不正解
- 通常の600Vビニル絶縁電線(IV線等)の連続最高許容温度は60℃であり、80℃ではありません。
- 選択肢 ハ不正解
- 電線が溶断する電流値は溶断電流(短絡等の極限値)であり、許容電流ではありません。
- 選択肢 ニ不正解
- 電圧降下を考慮した電流値は配線設計基準による選定条件であり、許容電流そのものの定義ではありません。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 許容電流は絶縁物が熱劣化を起こさない限界値であり、600Vビニル絶縁電線は60℃基準です。
間違えやすいところ
- 最高許容温度を二種ビニル(75℃)や架橋ポリエチレン(90℃)等の値と混同しないよう注意します。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 / JIS C 3005・JIS C 3307
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
防爆工事におけるシーリングフィッチングの充填材料
配線工事材料・工具 · 特殊場所の施設 / 防爆工事 / シーリングフィッチング
写真に示すシーリングフィッチングの外観と、防爆工事におけるシーリングフィッチングの施工断面図において、図中の①の部分に充填して使用する材料の名称として、正しいものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
危険場所(可燃性ガスや引火性物質が存在する場所)の防爆配管工事では、電線管内部を通じたガスの流通や火炎の伝播を遮断するためにシーリングフィッチングを施設し、ダム材で堰き止めた空間に専用のシーリングコンパウンドを充填して硬化・密閉させる。
解き方
- 問題図の断面構成を確認し、厚鋼電線管と接続されたシーリングフィッチング本体内部の構造を把握する。
- 下部のシーリングダム(ガラス繊維等)で受け止められた注入口側の空間①に流し込んで硬化させる防爆用充填材がシーリングコンパウンドであることを特定する。
- 選択肢 イ不正解
- シリコンコーキングは一般的な防水や気密の充填に使われるシール材であり、防爆用シーリングフィッチングの充填材としては適合しない。
- 選択肢 ロ不正解
- 耐火パテは防火区画の電線貫通部等で延焼を防ぐために用いる材料であり、防爆フィッチングの内部充填材ではない。
- 選択肢 ハ正解
- シーリングフィッチング内に注入して電線相互間および電線と管内壁の間を密閉・遮断する正規の材料はシーリングコンパウンドである。
- 選択肢 ニ不正解
- ボンドコーキングは建築内装の目地埋め等に用いられる接着シール材であり、防爆配管工事の充填材料ではない。
覚えるポイント
- シーリングフィッチングの充填材はシーリングコンパウンド、堰き止め材はシーリングダム(ガラス繊維等)。
間違えやすいところ
- 建築用の耐火パテやコーキング材と混同しないよう、防爆工事専用の「シーリングコンパウンド」という用語を正確に把握する。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第176条(可燃性ガス等の存在する場所の施設)および防爆工事標準仕様
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
配電工事用工具と材料の組合せの正誤判定
配線工事材料・工具 · 電気工事用工具 / 架線材料 / 高圧配線材料
写真に示す電気工事用工具とそれに関連する材料の組合せとして、誤っている(不適切な)ものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
配電工事・電気設備工事に用いられる各種専門工具は、それぞれ対象となる材料(電線、がいし、金属管、高圧ケーブルなど)の加工・施工目的に応じて正しく適合させて使用する必要がある。
解き方
- 各選択肢の写真に示された工具と材料の名称・用途をそれぞれ確認する。
- ロの工具は端子やスリーブを圧着するための手動油圧式圧着工具であるが、材料はがいしであり、作業内容が全く整合しないことを判定する。
- 選択肢 イ不正解
- 張線器(シメラー)は架空電線やメッセンジャーワイヤを緊線・展張するための工具であり、架線材料との組合せとして適切である。
- 選択肢 ロ正解
- 手動油圧式圧着工具は太い電線の端子圧着接続に用いる工具であり、がいしの取付け・施工に用いる工具ではないため誤った組合せである。
- 選択肢 ハ不正解
- 高圧ケーブルストリッパは、高圧CVケーブルの被覆や半導電層を安全かつ均一に剥ぎ取るための工具であり、端末処理との組合せとして適切である。
- 選択肢 ニ不正解
- 金属管の面取り工具(リーマ等)は管端のバリを取り、電線を保護するブッシングを取り付ける管端加工に適合した正しい組合せである。
覚えるポイント
- 手動油圧式圧着工具は電線・端子の圧縮接続用であり、がいし等の支持物取付用ではない。
間違えやすいところ
- 工具の形状(圧着器とがいし)を見落とさず、施工対象の材料と直接作業が結びつくか確認する。
出題の前提:第一種電気工事士実技・筆記試験共通の工具及び配線材料仕様
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp)
架空電線の地上高に関する技術基準
配電設備・保安 · 低圧架空電線 / 高圧架空電線 / 架空電線の地上高
低圧又は高圧架空電線の地上高に関する記述として、「電気設備の技術基準の解釈」に基づき不適切なものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
架空電線の地上高は感電事故や通行車両等との接触を防止するため規定されており、道路横断時の地上高は低圧で原則5m以上、高圧では原則6m以上と定められている。横断歩道橋上の場合は低圧3m以上、高圧3.5m以上(ケーブル等の例外あり)となる。
解き方
- 架空電線の道路横断時の離隔距離基準(低圧:5m以上、高圧:6m以上)を確認する。
- 選択肢イの高圧架空電線における道路横断時の数値が「5m以上」となっているため、基準の6m未満であり誤り(不適切)と判断する。
- 選択肢 イ正解
- 高圧架空電線が道路を横断する場合の高さは路面上6m以上と定められており、5m以上とする記述は基準を満たしておらず不適切である。
- 選択肢 ロ不正解
- 低圧架空電線を横断歩道橋の上に施設する場合の高さは、路面上3m以上(絶縁電線使用時等)と定められており適切である。
- 選択肢 ハ不正解
- 高圧架空電線を横断歩道橋の上に施設する場合の高さは、路面上3.5m以上(ケーブルの場合は3m以上)と定められており適切である。
- 選択肢 ニ不正解
- 屋外照明用等で対地電圧150V以下かつケーブルを使用し交通に支障がない場合、地上高を4m以上まで緩和することが認められており適切である。
覚えるポイント
- 道路横断時の地上高原則:低圧は5m以上、高圧は6m以上。横断歩道橋上:低圧3m以上、高圧3.5m以上。
間違えやすいところ
- 低圧の道路横断高さ(5m)と高圧の道路横断高さ(6m)を混同しやすいので注意する。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第68条(低高圧架空電線の高さ)
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp)
合成樹脂管工事に使用できない絶縁電線
電気工事の施工方法 · 合成樹脂管工事 / 屋外用ビニル絶縁電線 / 絶縁電線の種類
合成樹脂管工事による低圧屋内配線において、使用することができない絶縁電線の種類として、該当するものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
低圧屋内配線工事(合成樹脂管工事、金属管工事、金属可とう電線管工事等)で使用できる電線は、原則として「屋外用ビニル絶縁電線(OW線)」を除く絶縁電線(IV、HIV、EM-IE等)またはケーブルである。OW線は架空配線用であり耐熱性・絶縁特性の観点から屋内配線には認められない。
解き方
- 低圧屋内配線工事(電技解釈第156条・第158条)における電線選定基準を確認する。
- 合成樹脂管工事を含む各種管路配線では「屋外用ビニル絶縁電線(OW)を除く」と規定されていることから、ニを選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 600Vビニル絶縁電線(IV)は、合成樹脂管工事の屋内配線として一般に最も多く使用される絶縁電線である。
- 選択肢 ロ不正解
- 600V二種ビニル絶縁電線(HIV)は耐熱性を向上させた絶縁電線であり、管内配線に使用できる。
- 選択肢 ハ不正解
- 600V耐燃性ポリエチレン絶縁電線(EM-IE)は環境配慮形(エコ電線)の絶縁電線であり、管内配線に使用できる。
- 選択肢 ニ正解
- 屋外用ビニル絶縁電線(OW)は架空配線専用であり、屋内配線である合成樹脂管工事には使用が禁止されている。
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覚えるポイント
- 屋内配線(金属管・合成樹脂管など)にはOW線(屋外用ビニル絶縁電線)を使用してはならない。
間違えやすいところ
- 引き戻しや耐候性が高いからと誤認してOW線を屋内で使用できると思い込まないようにする。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第156条(低圧屋内配線の施設場所及び工事の種類)、第158条(合成樹脂管工事)
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp)
可燃性ガス存在場所における低圧配線施工方法
配電設備・保安 · 特殊場所の施設 / 防爆工事 / 可燃性ガス場所
可燃性ガスが存在する場所に低圧屋内電気設備を施設する施工方法として、「電気設備の技術基準の解釈」に基づき不適切なものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
可燃性ガスが存在する場所では爆発・火災を防ぐため、金属管工事(厚鋼電線管を使用し5山以上ねじ接合)、ケーブル工事または防爆構造電気機器の適用が要求される。電動機との接続など振動吸収や可とう性を要する箇所には、爆発火炎が漏洩しない耐圧・安全増等の「防爆形フレキシブルフィッチング」を用いる必要がある。
解き方
- 可燃性ガスが存在する場所(電技解釈第176条)における金属管工事の施工基準を確認する。
- 可とう接続部には一般の「金属製可とう電線管」ではなく「防爆形フレキシブルフィッチング」を用いなければならない規定に照らし、ニを不適切と特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 開閉器やコンセントなどの電気機器は、火花やアークによる引火を防ぐため電気機械器具防爆構造規格に適合するものを用いる必要がある。
- 選択肢 ロ不正解
- 移動電線には接続点のない3種以上のクロロプレンキャブタイヤケーブル等を使用することが規定されており適切である。
- 選択肢 ハ不正解
- ガス防爆場所の金属管工事では、十分な強度と防爆性能を確保するため厚鋼電線管を使用し、5山以上ねじ結合することが規定されている。
- 選択肢 ニ正解
- 通常の金属製可とう電線管は防爆性能を持たないため使用できず、防爆構造規格に適合した防爆形フレキシブルフィッチングを用いなければならない。
覚えるポイント
- ガス防爆場所の配管は厚鋼電線管(5山以上ねじ接合)、可とう部には防爆形フレキシブルフィッチングを使用。
間違えやすいところ
- 一般場所では金属製可とう電線管が使えるが、防爆場所では防爆性能を有する金具(防爆形フレキシブルフィッチング)が必要であることを見落とさない。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第176条(可燃性ガス等の存在する場所の施設)
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧引込ケーブルの選定と屋外終端処理
配電設備・保安 · 高圧受電設備 / 高圧引込線 / 終端処理 / 塩害対策
自家用受電設備単線結線図の①に示す高圧引込ケーブルに関する施工方法等として、不適切なものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
高圧ケーブルの屋外端末処理には、一般地域向けのゴムとう管形(差込形・常温収縮形等)と、塩害地区等の汚損地域向けの磁器碍管を用いた耐塩形終端処理部がある。重汚損地域にゴムとう管形を用いると塩分付着と湿気により沿面放電・絶縁破壊事故を招く恐れがある。
解き方
- 引込高圧ケーブルの設計・施工基準(CVTケーブルの使用、受電電流や短絡耐電流の考慮、引込口防水)を確認する。
- ロの終端処理について「重汚損を受けるおそれのある塩害地区」に「ゴムとう管形」を採用している記述が、耐塩性能不足で不適切であることを判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 高圧引込線には許容電流が大きく端末処理の作業性に優れた6600Vトリプレックス形架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CVT)が標準的に用いられる。
- 選択肢 ロ正解
- 重汚損地区ではゴムとう管形ではなく、碍子表面の絶縁距離を長く確保できるプレハブ耐塩碍管形などの耐塩仕様終端処理部を使用する必要がある。
- 選択肢 ハ不正解
- 引込用高圧ケーブルのサイズは、契約容量に伴う負荷電流だけでなく系統短絡時の短時間耐電流を考慮し、一般送配電事業者と協議して決定する。
- 選択肢 ニ不正解
- 受電室やキュービクル内への雨水浸入や小動物侵入を防ぐため、貫通部・引込口には適合する防水シーリング等の処理を施す必要がある。
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覚えるポイント
- 重汚損(塩害)地域の高圧ケーブル屋外終端処理には、ゴムとう管形ではなく耐塩碍管形を用いる。
間違えやすいところ
- ゴムとう管形は一般的な屋外施工には広く使われるが、重汚損・塩害地区には適用できない例外条件を覚えておく。
出題の前提:高圧受電設備規程 および 内線規程
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧受電設備の避雷器(LA)の設置基準
配電設備・保安 · 避雷器 / サージ保護 / 限流ヒューズ / 接地工事
受電設備単線結線図の②に示す避雷器(LA)の設置に関する記述として、不適切なものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
避雷器(LA)は過電圧(雷サージ等)侵入時に大地へ放電し、設備機器の絶縁破壊を防止する装置である。自身で続流を遮断する能力を有するため過電流保護用ヒューズは不要であり、ヒューズを直列に入れると放電時に溶断して避雷機能が喪失するため、ヒューズの設置は禁止されている。
解き方
- 避雷器の役割、設置基準(500kW以上で架空配線接続時は義務、A種接地、極力短く配線)を確認する。
- 避雷器回路におけるヒューズ設置の適否を検討し、大電流サージ通過時の溶断防止のためヒューズを設けてはならない点からニを不適切と特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 避雷器の義務設置は受電電力500kW以上であるが、500kW未満であっても雷害多発地区等で任意に設置することは推奨され適切である。
- 選択肢 ロ不正解
- 避雷器の点検・交換時や絶縁抵抗測定時に電路から安全に切り離せるよう、断路器(DS)等を設けることは適切である。
- 選択肢 ハ不正解
- 避雷器の接地はA種接地工事とし、高周波雷サージに対するインダクタンス・サージインピーダンスを下げるため太く最短で施工する。
- 選択肢 ニ正解
- 避雷器の電源側に限流ヒューズを取り付けると、雷サージ放電時にヒューズが溶断して機器の保護ができなくなるため誤りである。

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覚えるポイント
- 避雷器(LA)の電源側にはヒューズを設けてはならない(サージ放電で切れてしまうため)。
間違えやすいところ
- 進相コンデンサや変圧器では一次側に限流ヒューズ(PF)を設けるが、避雷器には設けないという違いを整理する。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第37条(避雷器の施設)
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
計器用変流器(CT)の取扱いと二次側回路の施設
配電設備・保安 · 計器用変成器 / 変流器 / 二次側開路の禁止 / D種接地
受電設備単線結線図の③に示す変流器(CT)に関する記述として、不適切なものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
計器用変流器(CT)は一次電流を小電流(通常二次側定格5A)に変流する。CTの二次回路にヒューズを設けると、溶断時に二次側が開路状態となり、極めて高い過電圧が発生して機器損傷や火災・感電事故につながるため、「CT二次側は絶対に開路してはならない(ヒューズ取付禁止)」が鉄則である。
解き方
- 変流器(CT)の二次側特性(二次側開路厳禁、定格二次電流5A、定格負担の選定)を確認する。
- 選択肢ロにおいてCT二次側電路にヒューズを設ける記述があり、これが危険な二次側開路事故を誘発するため不適切であると判定する。
- 選択肢 イ不正解
- CTに接続する計器類の皮相電力や配線抵抗による電圧降下の合計(総負担)が、CTの定格負担以下になるように選定することは正しい。
- 選択肢 ロ正解
- CT二次側回路にヒューズを設けると溶断時に二次側が開路し、二次巻線に危険な異常高電圧が発生するため設けてはならない。
- 選択肢 ハ不正解
- CTの二次側回路には過電流継電器(OCR)や電流計(A)を直列に接続して負荷電流や事故電流を計測・検知する。
- 選択肢 ニ不正解
- 高圧計器用変成器の二次側電路には、一次・二次巻線間の混触による高電圧移行を防ぐためD種接地工事を施すことが義務付けられている。
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覚えるポイント
- CTの二次側は絶対に開路してはならない(ヒューズの挿入禁止・点検時は短絡する)。
間違えやすいところ
- VT(計器用変圧器)の二次側には短絡保護用ヒューズを入れるが、CT(変流器)の二次側にはヒューズを入れてはならない点を取り違えない。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第28条(計器用変成器の接地等)および内線規程
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧ケーブルの地絡保護と遮へい層接地方式
配線設計・電気機器 · 零相変流器 / ZCT / ケーブル遮へい層 / 地絡保護
高圧受電設備において、高圧ケーブル内で地絡事故が発生した際に零相変流器(ZCT)によって確実に事故を検出できるケーブルシールド(遮へい層)の接地方法として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
零相変流器(ZCT)は電路の往復電流の不平衡分(零相電流)を検出します。ケーブルシールド(遮へい層)に流れる地絡電流がZCTを往復して貫通すると磁束が相殺されて地絡を検出できなくなります。そのため、ZCTより電源側で接地する場合は接地線をZCTに通さず(非貫通)、ZCTより負荷側で接地する場合は接地線をZCT内に通して折り返す(貫通)必要があります。
解き方
- ZCTとケーブルヘッド(遮へい層の端部)の位置関係を確認する。
- 図ではZCTよりも電源側(上側)からシールド接地線が引き出されていることを把握する。
- 電源側接地の場合はシールド接地線をZCTに貫通させずそのまま接地極に接続するイが適切であると判断する。
- 選択肢 イ正解
- ZCTより電源側からシールド接地線を引き出す場合、接地線をZCTに貫通させずに直接接地することで正しく地絡電流を検出できます。
- 選択肢 ロ不正解
- ZCTより電源側で引き出した接地線をわざわざZCTに貫通させると、地絡電流を相殺または誤検出する原因となります。
- 選択肢 ハ不正解
- ZCTより負荷側から接地線を引き出して貫通させない場合、ケーブル内部地絡時の地絡電流がZCTを通ってシールドから帰還し相殺されて不検出となります。
- 選択肢 ニ不正解
- ZCTより負荷側で接地する場合に貫通の折り返し処理を行わない構成は、ケーブル内地絡を確実に検出できません。
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覚えるポイント
- シールド接地線は「電源側接地なら非貫通」「負荷側接地ならZCT貫通(折り返し)」と覚えます。
間違えやすいところ
- 接地線をZCTに常に貫通させる必要があると誤認し、電源側接地でも貫通させてしまうミスが多いです。
出題の前提:電気設備技術基準および内線規程・高圧受電設備規程に基づく地絡保護協調の施工要領
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧進相コンデンサ設備の構成と直列リアクトル
高圧受電設備 · 進相コンデンサ / 直列リアクトル / 自動力率調整装置
高圧受電設備において、自動力率調整装置によって自動的に力率調整を行う高圧進相コンデンサ設備に関する記述として、不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
進相コンデンサを設置すると電力系統の高調波(主に第5高調波)により電圧波形のひずみ拡大や過電流が生じます。これを防止して高調波発生時にも回路全体を誘導性とするため、コンデンサ容量の6%(または13%)の直列リアクトル(SR)を挿入します。
解き方
- 進相コンデンサに組み合わせる直列リアクトルの標準リアクタンス値(6%または13%)を想起する。
- 各選択肢の機器選定(真空電磁接触器VMC、限流ヒューズ、群構成)の妥当性を確認する。
- ニの「5%の直列リアクトル」が技術基準およびJIS規格の標準値(6%)に合致せず不適切であると判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 力率調整を細かく段階的に行うため、コンデンサ容量を異なる容量の2群構成とすることは適切です。
- 選択肢 ロ不正解
- 頻繁な自動開閉に耐えうる開閉装置として、高圧交流真空電磁接触器(VMC)を使用することは適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- コンデンサ回路の短絡保護用として限流ヒューズ(高圧カットアウト等)を設けることは適切です。
- 選択肢 ニ正解
- 第5高調波対策として回路を確実に誘導性とするための標準リアクタンスは6%であり、5%とするのは不適切です。

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覚えるポイント
- 直列リアクトル(SR)の容量は通常6%(第5高調波対策)、高調波が多い場合は13%を選定します。
間違えやすいところ
- コンデンサ容量に対する割合を5%と混同しやすいですが、標準規格値は6%です。
出題の前提:JIS C 4902(高圧及び特別高圧進相コンデンサ)および高圧受電設備規程
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
C種接地工事の接地抵抗値の緩和条件
電気工事の施工方法・法令 · 接地工事 / C種接地工事 / 接地抵抗値 / 漏電遮断器
「電気設備の技術基準の解釈」において、C種接地工事の接地抵抗値は10Ω以下と定められているが、低圧電路で地絡を生じた場合に0.5秒以内に自動遮断する装置を施設するときに許容される接地抵抗値の上限[Ω]として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
低圧電路の機器接地であるC種接地工事(300V超の低圧用)の接地抵抗値は原則10Ω以下、D種接地工事(300V以下の低圧用)は100Ω以下です。ただし、感電保護の観点から0.5秒以内に自動遮断する高感度高速形漏電遮断器を施設した場合は、C種・D種ともに500Ω以下まで緩和されます。
解き方
- C種接地工事の原則抵抗値(10Ω以下)を確認する。
- 問題文の条件である「0.5秒以内の自動遮断装置の施設」を確認する。
- 電技解釈第17条の規定に基づき、緩和後の抵抗値上限が500Ωであることを特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 50Ωは他の接地抵抗緩和規定等に存在せず、本問の規定値ではありません。
- 選択肢 ロ不正解
- 150ΩはB種接地工事の計算式における標準的な上限値等で用いられる値であり、C種の緩和値ではありません。
- 選択肢 ハ不正解
- 300ΩはC種接地工事の緩和規定には定められていません。
- 選択肢 ニ正解
- 電技解釈第17条に基づき、0.5秒以内に自動遮断する装置を施設する場合は500Ω以下に緩和されます。
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覚えるポイント
- C種・D種接地工事は、0.5秒以内に動作する漏電遮断器を施設するとともに500Ω以下に緩和されます。
間違えやすいところ
- D種の原則値100ΩやB種の算定基準値と混同しないように注意が必要です。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第17条(接地工事の種類及び施設方法)
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧電路の交流絶縁耐力試験
検査・測定・試験 · 絶縁耐力試験 / 試験電圧 / 試験時間 / 最大使用電圧
最大使用電圧6900Vの高圧受電設備の高圧電路を一括して、交流で絶縁耐力試験を行う場合の試験電圧と試験時間の組合せとして、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
電気設備の技術基準の解釈第15条において、高圧電路(最大使用電圧7000V以下)の絶縁耐力試験は、電路と大地との間に最大使用電圧の1.5倍の交流電圧を連続して10分間加えたとき、これに耐えることと規定されています。なお直流試験を行う場合はその2倍の電圧印加が必要です。
解き方
- 最大使用電圧6900Vを確認し、高圧電路(7000V以下)の交流試験倍率1.5倍を適用する。
- 試験電圧を計算する:6900 V × 1.5 = 10350 V。
- 交流絶縁耐力試験の印加継続時間が「連続10分間」であることを確認し、ニを選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 試験電圧8625Vは1.25倍の計算誤りであり、試験時間1分間も規定の10分間に足りません。
- 選択肢 ロ不正解
- 試験時間10分間は正しいですが、試験電圧8625V(1.25倍)は変圧器等一部機器の特別高圧側の規定と混同した誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 試験電圧10350Vは正しいですが、試験時間は連続10分間印加する必要があるため1分間は誤りです。
- 選択肢 ニ正解
- 最大使用電圧の1.5倍である10350Vを連続10分間印加して耐えることが正しく規定されています。
覚えるポイント
- 7000V以下の交流絶縁耐力試験:最大使用電圧×1.5倍、連続10分間。直流試験ならさらにその2倍。
間違えやすいところ
- 試験時間を一般的な耐電圧試験器のプリセットである1分間と勘違いする誤りが見られます。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第15条(高圧又は特別高圧の電路の絶縁耐力)
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
CVTケーブルの直流漏れ電流測定チャート
検査・測定・試験 · CVTケーブル / 直流漏れ電流試験 / 絶縁診断 / 漏れ電流特性
6600V CVTケーブルの直流漏れ電流測定を実施した結果として、ケーブルの絶縁状態が正常であることを示す測定チャート(漏れ電流と時間の関係)はどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
高圧電力ケーブルの直流漏れ電流測定では、直流高電圧印加時に幾何学的充電電流と絶縁体への吸収電流が流れるため、印加直後は一時的に大きな電流値を示します。健全な絶縁体ではこれらが数分で減衰し、極微小な真の漏れ電流(導電電流)のみとなって一定値に収束します。絶縁劣化があると電流が減衰しなかったり時間とともに増加したりします。
解き方
- 直流電圧印加時の電流成分(充電電流・吸収電流・漏れ電流)の性質を整理する。
- 健全なケーブルでは初期の大きな過渡電流が時間とともに単調減少して一定微小値に落ち着く特性を確認する。
- 該当する減衰カーブを示している図イを選択する。
- 選択肢 イ正解
- 印加直後に充電電流・吸収電流で一時的に高く、その後時間経過とともに速やかに減少して低値で安定しており正常な特性です。
- 選択肢 ロ不正解
- 初期の吸収電流減衰が見られず最初から高い値で一定となるのは絶縁劣化等の異常兆候です。
- 選択肢 ハ不正解
- 測定途中で漏れ電流が急増するのは、印加電圧により絶縁破壊が進行している危険な状態を示します。
- 選択肢 ニ不正解
- 時間とともに漏れ電流が増加していく特性は、水トリー劣化などの絶縁不良を示しています。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 正常な直流漏れ電流測定波形は「初期に大きく立ち上がり、時間とともに減衰して極小値で一定」となります。
間違えやすいところ
- 時間とともに電流が増加するグラフを充電が溜まっていく様子と混同しないよう注意が必要です。
出題の前提:日本電気技術規格委員会 高圧受電設備規程および電気保安管理指針
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
電気工事士法における第一種電気工事士の業務範囲
保安に関する法令 · 第一種電気工事士 / 電気工事士法 / 特殊電気工事 / 自家用電気工作物
「電気工事士法」における第一種電気工事士に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
第一種電気工事士は、一般用電気工作物および自家用電気工作物(最大電力500kW未満の需要設備)の作業に従事できます。ただし、自家用電気工作物の「ネオン工事」および「非常用予備発電装置工事」は特殊電気工事と定められており、それぞれの特殊電気工事資格者証の交付を受けた者でなければ作業に従事できません。また、免状の交付には実務経験が必要であり、交付後は5年以内ごとの定期講習受講と作業時の免状携帯義務があります。
解き方
- 各選択肢の規定(免状交付要件、携帯義務、定期講習周期、作業範囲)を精査する。
- イは実務経験がないと免状交付されないため正しい記述である。
- ロは作業時の免状携帯義務に合致しており正しい記述である。
- ハは免状交付から5年以内ごとに定期講習を受ける必要があるため、4年目の受講は適合しており正しい。
- ニの非常用予備発電装置工事は特殊電気工事資格者でなければ従事できないため誤りと判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 第一種電気工事士免状の交付を受けるには、試験合格に加えて所定の実務経験(原則3年または大卒等2年)が必要です。
- 選択肢 ロ不正解
- 電気工事士法第5条の3により、電気工事士は電気工事の作業に従事するときは免状を携帯していなければなりません。
- 選択肢 ハ不正解
- 第一種電気工事士は免状交付を受けた日または講習受講日から5年以内に定期講習を受ける義務があるため、4年目の受講は適法です。
- 選択肢 ニ正解
- 自家用電気工作物の非常用予備発電装置工事は特殊電気工事であり、第一種電気工事士免状だけでは作業に従事できません。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 第一種電気工事士でも「ネオン工事」「非常用予備発電装置工事」には別個の特殊電気工事資格者証が必要です。
間違えやすいところ
- 500kW未満の需要設備ならすべての工事ができると誤認し、特殊電気工事の除外規定を見落としがちです。
出題の前提:電気工事士法 第3条、第4条、第5条の2(特殊電気工事)、第5条の3(免状携帯)、第4条の3(定期講習)
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
電気用品安全法における特定電気用品の区分
保安に関する法令 · 電気用品安全法 / 特定電気用品 / 電気便座 / 電力量計
「電気用品安全法」の適用を受ける特定電気用品(ひし形PSEマーク対象)に該当するものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
電気用品安全法では、構造や使用条件から危険・障害の発生する恐れが高いものを「特定電気用品」(ひし形PSE)、それ以外を「特定電気用品以外の電気用品」(丸形PSE)に分類しています。電気便座は特定電気用品(電熱器具)に分類されます。なお、電力量計は計量法の特定計量器であり電気用品安全法の対象外です。フロアダクトや進相コンデンサは特定電気用品以外の電気用品または対象外となります。
解き方
- 提示された機器が電気用品安全法の対象か、計量法等の別法令対象かを確認する。
- イの電力量計は計量法対象であり電気用品安全法の適用を受けないことを確認する。
- ハのフロアダクトおよびニの進相コンデンサは特定電気用品ではないことを確認する。
- ロの電気便座が施行令別表第一に掲げる「特定電気用品」であることを特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 電力量計は計量法の検定対象(特定計量器)であり、電気用品安全法の対象外です。
- 選択肢 ロ正解
- 電気便座は電気用品安全法施行令別表第一に掲げられている特定電気用品(ひし形PSE対象)です。
- 選択肢 ハ不正解
- フロアダクトは金属線ぴ等と同様に特定電気用品以外の電気用品(丸形PSE)に該当します。
- 選択肢 ニ不正解
- 進相コンデンサは特定電気用品以外の電気用品に該当し、特定電気用品ではありません。
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覚えるポイント
- 電気便座、電気温水器、自動販売機、電気温風機などは「特定電気用品(ひし形PSE)」です。
間違えやすいところ
- 電力量計を電気用品安全法の特定電気用品と誤認するミスが多く見られます(電力量計は計量法)。
出題の前提:電気用品安全法 第2条、電気用品安全法施行令 別表第一・別表第二
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
電気工事業者登録における備付器具
保安に関する法令 · 電気工事業法 / 登録電気工事業者 / 備付器具 / 一般用電気工作物
「電気工事業の業務の適正化に関する法律」において、一般用電気工作物のみの業務を行う営業所に備え付けなくてもよい器具はどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
電気工事業法(電気工事業の業務の適正化に関する法律施行規則第11条)では、営業所ごとに備えるべき器具を定めています。一般用電気工作物のみを取り扱う営業所には①絶縁抵抗計、②接地抵抗計、③抵抗および交流電圧を測定できる回路計(テスター)の3つが必要です。自家用電気工作物を取り扱う営業所にはこれらに加え、低圧検電器、高圧検電器、継電器試験装置、絶縁耐力試験装置(試験装置等は借用可能)の備え付けが必要となります。
解き方
- 一般用電気工作物の営業所に要求される3種の必須器具(絶縁抵抗計・接地抵抗計・回路計)を思い出す。
- 自家用電気工作物を扱う営業所で追加される器具(検電器・継電器試験装置・絶縁耐力試験装置)と比較する。
- 低圧検電器は自家用電気工作物を扱う営業所には必要だが、一般用電気工作物のみの営業所には備え付け義務がないことを判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 絶縁抵抗計は、一般用電気工作物の営業所に備え付けなければならない必須測定器です。
- 選択肢 ロ不正解
- 接地抵抗計は、一般用電気工作物の営業所に備え付けなければならない必須測定器です。
- 選択肢 ハ不正解
- 抵抗及び交流電圧を測定できる回路計は、一般用電気工作物の営業所に備え付けなければならない必須測定器です。
- 選択肢 ニ正解
- 低圧検電器は自家用電気工作物の業務を行う営業所には必要ですが、一般用電気工作物のみの営業所には備付義務がありません。
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覚えるポイント
- 一般用のみの営業所の備付器具は3点:「絶縁抵抗計」「接地抵抗計」「回路計(抵抗+交流電圧)」。検電器は自家用用です。
間違えやすいところ
- 現場作業で検電器を多用するため一般用営業所でも備付義務器具であると誤認しやすいです。
出題の前提:電気工事業の業務の適正化に関する法律施行規則 第11条(器具)
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
SOG付PASの役割と過電流ロック機能
配線図 · 高圧気中負荷開閉器 / SOG機能 / 過電流ロック
高圧受電設備の単線結線図において、引込柱に施設されている①で示す機器(SOG機能付PAS)の役割に関する記述として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
柱上気中負荷開閉器(PAS)は負荷電流の開閉は行えますが、短絡電流のような大電流を自力で安全に遮断する能力はありません。そのため短絡電流が流れた際は過電流ロック機能(SO機能)により開路動作を阻止し、指令を蓄勢記憶します。配電系統側の遮断器がトリップして線路が無電圧・無充電になったことを検知した後に安全に自動開放して、需要家を配電系統から切り離します。
解き方
- PASの開閉性能と限界を整理し、地絡電流と短絡電流に対する動作の違いを確認する。
- 短絡電流検出時に即座に遮断せず、指令を記憶して配電線の無充電を確認後に自動開路する選択肢(ニ)を正答と判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 地絡電流検出時は配電系統の送電停止を待たずにPAS自身で瞬時に開路(遮断)するため誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- PASには短絡電流の遮断能力がないため、短絡時に瞬時開路しようとすると開閉器自体が破損・爆発するおそれがあり誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- PASが検出するのは受検構内(需要家側)の事故であり、送配電事業者側の事故で瞬時開路するわけではないため誤りです。
- 選択肢 ニ正解
- 需要家側の短絡電流を検出した際に遮断命令を記憶し、系統側の遮断による無充電検知後に自動開路するSO動作を正しく説明しています。
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覚えるポイント
- PASは短絡電流を遮断できないため、無充電検知後に開放する過電流ロック機能(SO機能)を持つ。
間違えやすいところ
- 地絡電流と短絡電流の扱いを取り違え、地絡時に記憶・無充電開放すると混同しないようにする。
出題の前提:高圧受電設備規程および電気設備技術基準の解釈
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧ケーブル端末処理に使用する工具
配線図 · 高圧ケーブル / 端末処理 / 電工工具
高圧受電設備の配線図中、②で示す高圧CVTケーブルの屋内端末処理作業において、不要な工具はどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
高圧CVTケーブルの端末処理では、防食シースの切断・ストリップ(シースカッター)、絶縁体や外部半導電層の剥ぎ取り(専用ストリッパ)、熱収縮型端末処理材の加熱収縮(ガストーチ)などを用います。端子の接続には高圧用の圧縮工具や油圧式圧着工具を用い、低圧用リングスリーブ圧着工具は適合外で使用しません。
解き方
- 各写真の工具(イ:皮むき器、ロ:シースカッター、ハ:リングスリーブ用圧着工具、ニ:トーチランプ)を特定する。
- 高圧ケーブル端末処理の作業工程(シース剥ぎ、絶縁体成形、端子圧着・圧縮、熱収縮チューブ加熱)に照らし、低圧屋内配線用であるハを除外する。
- 選択肢 イ不正解
- 高圧ケーブルの絶縁体や半導電層を規定の寸法に均一に剥ぎ取るための専用皮むき工具であり、作業に必要です。
- 選択肢 ロ不正解
- ケーブルの防食ビニルシースを縦横に切り裂いて除去するためのシースカッターであり、作業に必要です。
- 選択肢 ハ正解
- JIS C 9711に規定される低圧屋内配線用リングスリーブ圧着工具であり、太い高圧電線の端末処理には不要です。
- 選択肢 ニ不正解
- 熱収縮型の端末処理材料や保護チューブを加熱して密着・収縮させるために用いるトーチランプであり、作業に必要です。
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覚えるポイント
- 高圧ケーブルの端子圧着には油圧式圧着工具や圧縮工具を使用し、リングスリーブ圧着工具は使わない。
間違えやすいところ
- 写真ハの握り手形状だけで圧着工具一般と早合点せず、黄色グリップのJISリングスリーブ用マークを確認する。
出題の前提:高圧受電設備規程および内線規程
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
計器用変圧器(VT)一次側限流ヒューズの目的
配線図 · 計器用変圧器 / 限流ヒューズ / 事故波及防止
高圧受電設備の単線結線図において、③で示す装置(計器用変圧器VTの一次側に設けられた限流ヒューズ)を使用する主な目的はどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
計器用変圧器(VT)は受電電圧を高圧から計器・継電器用の低圧(110V)に変成する計器用変成器です。VT自体の内部短絡事故が発生した場合、そのままでは高圧母線の短絡事故となり高圧受電設備全体や一般送配電事業者の配電線への波及事故に至ります。そのため、一次側に限流ヒューズを設置して事故点を瞬時に切り離します。
解き方
- 単線結線図の③がVTの一次側に直列に挿入された高圧限流ヒューズであることを確認する。
- VT一次側ヒューズの主目的がVT内部短絡事故時の主回路への事故波及防止であることを想起し、ロを選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 雷サージからの保護は避雷器(LA)の役割であり、限流ヒューズの主目的ではないため誤りです。
- 選択肢 ロ正解
- VT内部で短絡が生じた際、速やかに回路から切り離して主回路母線の停止や事故波及を防止する目的と合致します。
- 選択肢 ハ不正解
- VTの二次側には計器や継電器などの微小負荷しか接続されないため、過負荷保護が主目的ではなく誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 限流ヒューズが溶断するとむしろその相が欠相となるため、欠相防止という記述は誤りです。

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覚えるポイント
- VT一次側ヒューズの目的は「VT内部短絡事故の主回路への波及防止」である。
間違えやすいところ
- 変圧器自体の過負荷保護や二次側短絡保護と混同しないようにする。
出題の前提:高圧受電設備規程
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧受電盤の配線図記号と機器写真(表示灯)
配線図 · 配線図記号 / 表示灯 / パイロットランプ
高圧受電設備の単線結線図において、④に設置する機器の外観写真として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
JIS C 0617および配線用図記号において、円内に斜め十字(×)を配した記号は「表示灯(ランプ)」を示します。結線図ではVT二次側の電源電圧の印加状態を視覚的に表示・監視するために母線電圧表示灯として接続されます。
解き方
- 単線結線図④の図記号(円内に×)から、該当する機器が表示灯(パイロットランプ)であることを読み取る。
- 選択肢の写真の中から、レンズ部と照光部を有する配電盤用表示灯であるイを選定する。
- 選択肢 イ正解
- 配電盤表面に取り付けて受電状態や通電状態を表示する表示灯(パイロットランプ)の写真であり正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- 電圧計や電流計などの丸形指示計器であり、単線結線図の「V」や「A」の記号に対応するため誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 電圧切替スイッチ(VS)や電流切替スイッチ(AS)に用いられるカムスイッチの外観写真であり誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 配電盤の操作用押しボタンスイッチの外観写真であり、表示灯の図記号とは異なるため誤りです。
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覚えるポイント
- 丸の中に×の配線図記号は表示灯(パイロットランプ)を表す。
間違えやすいところ
- 電圧切替スイッチ(VS)や電流計切替スイッチ(AS)と取り付け位置・記号を混同しないようにする。
出題の前提:JIS C 0617(電気用図記号)
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
変流器用テストターミナル(CTT)の役割
配線図 · 変流器 / テストターミナル / 過電流継電器試験
高圧受電設備の単線結線図において、⑤で示す機器(変流器用テストターミナル CTT)の役割として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
変流器(CT)の二次側回路には、保護継電器(過電流継電器 OCR: I >)や計器が接続されています。変流器二次側は通電中に開放すると高電圧を発生して危険であるため、継電器試験時には二次回路を短絡しつつ外部試験器から安全に模擬電流を流せるテストターミナル(CTT)を介して過電流継電器の動作特性試験を行います。
解き方
- ⑤がCT二次回路に挿入され、過電流継電器(I >)の手前に位置するテストターミナル(CTT)であることを確認する。
- CTTの主要用途が過電流継電器(OCR)の定期点検・リレー動作試験であることから、ニを選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 電圧計の校正や試験に用いるのはVT二次側に設けられる電圧用テストターミナル(VTT)であるため誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- 電流計切替スイッチの試験用として常設されている機器ではないため不適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- 地絡方向継電器(DGR)はZCTおよびZPD(またはEVT)の回路に接続されるため、CT回路の⑤とは関係なく誤りです。
- 選択肢 ニ正解
- 変流器用テストターミナル(CTT)を用いてリレー試験器から試験電流を供給し、過電流継電器の試験を行う役割と一致しています。

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覚えるポイント
- CT二次側のテストターミナル(CTT)は過電流継電器(OCR)の試験に用いる。
間違えやすいところ
- VT回路に設置される電圧用テストターミナル(VTT)の用途と混同しないようにする。
出題の前提:高圧受電設備規程
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
変流器(CT)のV結線複線図
配線図 · 変流器 / 複線図 / 減極性 / D種接地工事
単線結線図の⑥で示す変流器(CT)部分に施設する機器の複線図として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
計器用変流器(CT)は一般に減極性で作られており、一次側の電源側端子Kに対して二次側の対応端子はk、負荷側端子Lに対してはlとなります。三相3線式電路ではR相とT相の2相に変流器を設けてV結線とし、二次側は負荷側であるl端子同士を一括接続して中性線(コモン線)とし、高低圧混触防止等の安全のためにD種接地工事を施します。
解き方
- 単線結線図⑥より、CTがR相およびT相に2台設置されている構成であることを確認する。
- 減極性配線に基づき、一次電源側に対応するk端子から継電器・計器へ配線し、負荷側l端子同士を結んで接地しているイを選定する。
- 選択肢 イ正解
- R相・T相の2台のCTについて減極性の向きが揃っており、二次側l端子同士が共通接続され接地されているため正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- T相変流器の二次端子の向きが逆になっており、相電流の合成が正常に行われないため誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- CTがR相とS相に配置されており、三相3線式の一般的なR相・T相への2CT配置と異なるため誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 電源側のk端子側を共通接続して接地しており、標準的な減極性二次結線(l端子コモン接地)と整合しないため誤りです。
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覚えるポイント
- 三相3線式のCTはR相とT相に配置し、二次側のl端子同士をコモン接続して接地する。
間違えやすいところ
- CTの一次側極性(K, L)と二次側極性(k, l)の対応を取り違えないように注意する。
出題の前提:高圧受電設備規程およびJIS C 1731
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.15 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧カットアウト(PC)を使用できる変圧器の最大容量
配線図 · 高圧カットアウト / 変圧器容量限度 / 開閉器の選定
単線結線図の⑦で示す部分において、一次側の開閉保護装置として高圧カットアウト(PC)を使用できる変圧器の最大容量[kV・A]はどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
内線規程および高圧受電設備規程において、変圧器等の一次側開閉器として高圧カットアウト(プライマリーカットアウトスイッチ PC)を使用できる設備容量の上限は、単相変圧器にあっては1台あたり300 kV・A以下、三相変圧器にあっては200 kV・A以下(300 kV・Aを超える単相変圧器や200 kV・Aを超える三相変圧器には限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器 LBS 等が必要)と定められています。図の⑦は単相変圧器であるため300 kV・Aが上限です。
解き方
- 単線結線図⑦の変圧器結線を確認し、低圧電灯盤へ供給する単相変圧器であることを把握する。
- 高圧カットアウト(PC)の適用制限基準(単相変圧器:300 kV・A以下、三相変圧器:200 kV・A以下)を適用し、300(ハ)を導く。
- 選択肢 イ不正解
- 100 kV・Aは制限値より小さく、施設可能な最大容量ではないため誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- 200 kV・Aは三相変圧器にPCを施設する場合の限度容量であり、本問の単相変圧器の限度ではないため誤りです。
- 選択肢 ハ正解
- 規定通り、高圧カットアウト(PC)を施設できる単相変圧器の最大容量は300 kV・Aです。
- 選択肢 ニ不正解
- 500 kV・Aの変圧器にはPCを使用できず、高圧交流負荷開閉器(LBS)や遮断器(VCB)が必要となるため誤りです。

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覚えるポイント
- 高圧カットアウト(PC)の適用上限容量は「単相300 kV・A以下、三相200 kV・A以下」と覚える。
間違えやすいところ
- 単相変圧器(300 kV・A)と三相変圧器(200 kV・A)の上限数値を逆に覚えないようにする。
出題の前提:高圧受電設備規程(内線規程)
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.15 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧進相コンデンサ用直列リアクトル(SR)の役割
配線図 · 進相コンデンサ設備 / 直列リアクトル / 放電コイル
単線結線図の⑧で示す機器(高圧進相コンデンサ設備に直列に接続された直列リアクトル SR)の役割として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
高圧進相コンデンサ設備において、コンデンサに直列接続される直列リアクトル(SR)は、電源投入時の突入電流の抑制、第5調波等の高調波成分に対する回路リアクタンスの誘導性化による高調波障害の防止および電圧波形ひずみの改善を目的として設置されます。一方、回路開放後にコンデンサに蓄積された残留電荷を放電して安全を確保するのは並列に接続される放電コイル(DC)または放電抵抗の役割です。
解き方
- 単線結線図の⑧がSC(進相コンデンサ)に直列接続されたSR(直列リアクトル)であることを確認する。
- 直列リアクトル(SR)の主要機能(突入電流抑制・第5調波抑制・波形改善)と放電コイル(DC)の機能(残留電荷放電)を対比し、誤りであるニを特定する。
- 選択肢 イ不正解
- コンデンサ投入時の急激な突入電流をインダクタンスによって抑制する正しい役割です。
- 選択肢 ロ不正解
- 進相コンデンサと電源系統の間で生じる第5調波共振を抑え、高調波障害の拡大を防ぐ正しい役割です。
- 選択肢 ハ不正解
- 高調波の流入・拡大を抑制することにより、配電系統の電圧波形のひずみを改善する正しい役割です。
- 選択肢 ニ正解
- 残留電荷の放電は放電コイル(DC)の役割であり、直列リアクトルの役割として誤っているため正答となります。

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覚えるポイント
- 直列リアクトル(SR)は突入電流・第5調波抑制、放電コイル(DC)は残留電荷放電を担う。
間違えやすいところ
- コンデンサ設備に付随する直列リアクトル(SR)と放電コイル(DC)の機能を混同しないようにする。
出題の前提:高圧受電設備規程
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.15 ↗(www.shiken.or.jp)
低圧電路における地絡継電器(漏電警報器)の目的
配線図 · 地絡保護 / 零相変流器(ZCT) / 低圧電路の保安
配線図において、⑨で示す機器(低圧電路の接地線または回路に設けられた零相変流器および地絡継電器シンボル)の設置目的として、適切なものを選択肢から1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
低圧電路の絶縁不良によって大地へ電流が流れる地絡(漏電)事故は、火災や感電の原因となります。零相変流器(ZCT)は往復回路の電流のベクトル和の不平衡を検出することで地絡電流を捉え、地絡継電装置(警報器)へ信号を送って速やかに警報を発します。
解き方
- 配線図の⑨が接続されている位置を確認すると、低圧動力回路の変圧器二次側遮断器以降の電路に設けられた検出器シンボルであると分かります。
- 図記号「I0>」およびZCTの組み合わせから、これが零相電流(地絡電流)を検出する継電器であることを特定します。
- 検出対象が「低圧電路の地絡電流」であり、警報を発する装置であると判断して正解を導きます。
- 選択肢 イ不正解
- 変圧器の温度異常を検出する装置には温度計やダイヤル温度継電器が用いられ、電路のZCTおよびI0継電器の役割ではありません。
- 選択肢 ロ不正解
- 短絡電流の検出には過電流継電器(OCR)や配線用遮断器の過電流引き外し素子が用いられ、地絡継電器の目的ではありません。
- 選択肢 ハ不正解
- 欠相による異常電圧や逆相を検出する機器は不足電圧継電器や欠相・逆相継電器であり、地絡継電器とは異なります。
- 選択肢 ニ正解
- 配線図の記号は低圧電路の零相電流(地絡電流)を検出する機器を示しており、地絡時に警報を発する目的と完全に合致しています。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 低圧電路の漏電警報器はZCTと組み合わせて地絡電流(零相電流I0)を検出します。
間違えやすいところ
- 過電流継電器(I>)による短絡・過負荷保護と、地絡継電器(I0>)による地絡保護の記号を取り違えないように注意が必要です。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈第36条(低圧電路の地絡遮断装置等)および内線規程
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.15 ↗(www.shiken.or.jp)
低圧用トリプレックス形架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CVT)の構造
配線図 · CVTケーブル / ケーブル構造 / 低圧配線
配線図において、⑩で示す部分(動力変圧器二次側の低圧動力回路から動力制御盤内への引込み)に使用するCVTケーブルの断面構造として、適切なものを選択肢から1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CV)において、高圧用(6kV)は電界集中緩和や誘導防止のために内部・外部半導電層および銅テープ遮へい層(シールド)が必須ですが、低圧用(600V)ではこれらが不要で導体・絶縁体・シースのシンプルな構成となります。トリプレックス形(CVT)は単心ケーブル3本を撚り合わせた形状です。
解き方
- 配線図の⑩の位置を確認し、変圧器二次側の低圧動力回路から動力制御盤へ配線される低圧ケーブルであることを把握します。
- CVTケーブル(トリプレックス形)であるため、外装共通シースで一括被覆された丸形ケーブル(ロやハ)を除外します。
- 高圧用CVT(イ)には半導電層や銅シールドが存在しますが、本問は低圧電路であるため、シールド層を持たない低圧用CVT(ニ)を正解と判断します。
- 選択肢 イ不正解
- 内部・外部半導電層や銅シールドが施された構造は高圧用(6kV)CVTケーブルであり、低圧動力回路には使用しません。
- 選択肢 ロ不正解
- 3心を共通の外装シースで一括被覆した3心丸形高圧CVケーブルの断面構造であり、トリプレックス形(CVT)ではありません。
- 選択肢 ハ不正解
- ビニル絶縁ビニルシースの丸形ケーブル(VVRケーブル)の構造であり、架橋ポリエチレン絶縁のCVTケーブルではありません。
- 選択肢 ニ正解
- 低圧用(600V)CVTケーブルは、導体に架橋ポリエチレン絶縁を施しビニルシースで被覆した単心を3本撚り合わせた構造であり適切です。
関連する分野を学ぶ
覚えるポイント
- 低圧CVTケーブルには高圧用のような半導電層や銅シールド(遮へい層)は存在しません。
間違えやすいところ
- 配線図の受電側にある高圧引込部(6kV CVT)と混同して、高圧用の遮へい層付きケーブル構造(イ)を選ばないように注意が必要です。
出題の前提:JIS C 3605(600Vポリエチレンケーブル)および内線規程
出典:電気技術者試験センター『令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.15 ↗(www.shiken.or.jp)
令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】
参照した公式資料
電気技術者試験センターが公開した令和5年度第一種電気工事士学科試験【午前】の問題・解答資料です。

