学科(旧称:筆記)の問題と公式解答を種別・年度・期・午前午後で区別しています。CBTの出題例は過去の筆記試験とは別種別です。技能の課題は学科と分けて収録しています。
令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】の概要
平行平板コンデンサの静電エネルギー
電気理論 · 平行平板コンデンサ / 静電容量 / 静電エネルギー
電極面積 A の平板電極間に、厚さ d で誘電率 ε の絶縁物が入っている平行平板コンデンサがある。これに直流電圧 V を印加したときの静電エネルギーに関する記述として、正しいものはどれか。
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解答
イ
解説
平行平板コンデンサの静電容量 C は電極面積 A と誘電率 ε に比例し、極板間距離 d に反比例して C = ε(A/d) と表されます。蓄えられる静電エネルギー W は W = (1/2)CV^2 [J] で表されます。
解き方
- 平行平板コンデンサの静電容量の公式 C = ε(A/d) [F] を確認する。
- 静電エネルギーの公式 W = (1/2)CV^2 に C を代入し、W = (1/2)ε(A/d)V^2 を導く。
- 得られた式に基づき、各物理量(V, A, d, ε)とエネルギー W の比例・反比例の関係を各選択肢と照合する。
- 選択肢 イ正解
- 静電エネルギー W は直流電圧 V の2乗に比例するため、この記述は正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- 静電エネルギー W は電極面積 A に比例するため、反比例とする記述は誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 静電エネルギー W は極板間の距離 d に反比例するため、比例とする記述は誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 静電エネルギー W は誘電率 ε に比例するため、反比例とする記述は誤りです。
覚えるポイント
- 静電エネルギーの公式 W = (1/2)CV^2 = (1/2)QV = Q^2/(2C) を正確に覚えておく。
間違えやすいところ
- 静電容量 C と極板間距離 d の関係を反比例ではなく比例と取り違えてしまうミスに注意する。
出題の前提:電気設備に関する基礎理論(電磁気学)
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
直流回路の分圧とスイッチ投入時の電圧計算
電気理論 · 直流回路 / オームの法則 / 分圧の法則 / 合成抵抗
直流電源 60 V の回路において、電源に直列抵抗 2 Ω が接続され、その下流にスイッチ S を有する 6 Ω の枝路と抵抗 R が並列に接続されている。スイッチ S が開いているときの抵抗 R の両端電圧が 36 V であった。スイッチ S を閉じたときの抵抗 R の両端の電圧 [V] はどれか。
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解答
ニ
解説
直流回路の未知の抵抗値は、スイッチ開放時の分圧関係とオームの法則から求められます。その後、スイッチ投入によって形成される並列回路の合成抵抗を算出し、直列抵抗との分圧比から端子電圧を決定します。
解き方
- スイッチS開放時、回路は 2 Ω と R の直列回路であり、R に 36 V 加わるため 2 Ω の電圧は 60 - 36 = 24 V となる。
- 回路電流は 24 V / 2 Ω = 12 A となり、未知の抵抗 R は 36 V / 12 A = 3 Ω と求まる。
- スイッチSを閉じると 6 Ω と 3 Ω の並列接続となり、その合成抵抗は (6 × 3) / (6 + 3) = 18 / 9 = 2 Ω となる。
- 直列抵抗 2 Ω と並列合成抵抗 2 Ω で電源電圧 60 V を均等に分圧するため、R の両端電圧は 60 × (2 / (2 + 2)) = 30 V となる。
- 選択肢 イ不正解
- 3 は計算過程で求まる抵抗 R の抵抗値 [Ω] であり、端子電圧 [V] ではありません。
- 選択肢 ロ不正解
- 12 はスイッチ開放時の回路電流 12 A の数値であり、端子電圧ではありません。
- 選択肢 ハ不正解
- 24 はスイッチ開放時に電源側の 2 Ω 抵抗で発生していた電圧降下 [V] です。
- 選択肢 ニ正解
- 投入後の並列部合成抵抗が 2 Ω となり、分圧計算によって得られる電圧は 30 V であり正しいです。
覚えるポイント
- 回路の変化前(スイッチ開放)の情報から未知抵抗を特定し、変化後の回路網を再計算する。
間違えやすいところ
- スイッチ投入時に 6 Ω と R の並列合成抵抗を計算せず、6 Ω のみで分圧を考えてしまう誤りに注意する。
出題の前提:電気設備に関する基礎理論(直流回路)
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
並列交流回路の力率計算
電気理論 · 交流回路 / 並列回路 / 力率 / ベクトル計算
電源電圧 200 V の交流回路において、抵抗 20 Ω とリアクタンス X [Ω] が並列に接続されている。回路全体の電流が 20 A であるとき、この回路の力率 [%] はどれか。
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解答
イ
解説
並列交流回路では各素子に同一の電源電圧が加わります。回路の力率は、全電流に対する有効電流成分(電圧と同相で抵抗を流れる電流 I_R)の比率として cosθ = I_R / I で計算できます。
解き方
- 抵抗 20 Ω に電源電圧 200 V がそのまま加わるため、有効電流を I_R = 200 / 20 = 10 A と計算する。
- 回路の全電流が I = 20 A であることから、力率を cosθ = I_R / I = 10 / 20 = 0.5(50%)と求める。
- 選択肢 イ正解
- 全電流 20 A に対する有効電流 10 A の比率より力率は 50% となり正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- 60% は直列回路のインピーダンス比などと混同した場合に生じる誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 80% はリアクタンス側に流れる無効電流比率などを取り違えた誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- リアクタンス成分が存在して全電流が抵抗電流より大きいため、力率 100% にはなりません。
覚えるポイント
- 並列回路の力率は cosθ = 有効電流 / 全電流 = I_R / I で素早く算出できる。
間違えやすいところ
- 直列回路用の力率公式 cosθ = R / Z を並列回路にそのまま当てはめようとして計算が破綻する誤りに注意する。
出題の前提:電気設備に関する基礎理論(交流回路)
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
RLC直列回路の消費電力計算
電気理論 · 交流回路 / RLC直列回路 / 消費電力 / リアクタンス
電源電圧 102 V の交流回路において、抵抗 R = 15 Ω、誘導性リアクタンス X_L = 10 Ω、容量性リアクタンス X_C = 2 Ω が直列に接続されている。リアクタンス部分(X_L および X_C)の両端の電圧が 48 V であるとき、この回路の消費電力 [W] はどれか。
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解答
ニ
解説
直列交流回路において、誘導性リアクタンスと容量性リアクタンスは互いに打ち消し合うため、合成リアクタンスは X = X_L - X_C となります。回路内で電力を消費するのは抵抗のみであり、消費電力は P = I^2 R [W] で求められます。
解き方
- 直列リアクタンス部分の合成リアクタンスを X = X_L - X_C = 10 - 2 = 8 Ω と算出する。
- リアクタンス部分の両端電圧が 48 V であることから、回路電流を I = 48 V / 8 Ω = 6 A と導出する。
- 回路の消費電力を P = I^2 × R = 6^2 × 15 = 36 × 15 = 540 W と計算する。
- 選択肢 イ不正解
- 240 はリアクタンスや電圧の数値を誤って組み合わせた計算値です。
- 選択肢 ロ不正解
- 288 はリアクタンス部分の無効電力 Q = I^2 X = 6^2 × 8 = 288 var の値です。
- 選択肢 ハ不正解
- 505 は誤ったインピーダンス計算等により導かれた不正確な数値です。
- 選択肢 ニ正解
- 回路電流 6 A による抵抗 R の消費電力 P = 6^2 × 15 = 540 W であり正しいです。
覚えるポイント
- 直列回路の合成リアクタンスは差(X_L - X_C)で計算し、消費電力は抵抗成分だけで消費される。
間違えやすいところ
- リアクタンス部分の無効電力 [var] と抵抗部分の消費電力 [W] を混同しないように注意する。
出題の前提:電気設備に関する基礎理論(交流回路)
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
三相交流回路(スター結線)の諸量
電気理論 · 三相交流 / スター結線 / 線電流 / 三相電力
線間電圧 200 V の三相3線式電源に、各相の抵抗が 8 Ω、リアクタンスが 6 Ω の直列回路からなるスター結線の平衡負荷が接続されている。この回路に関して誤っているものはどれか。
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解答
ロ
解説
スター結線(Y結線)では、線間電圧 V に対して相電圧は V_p = V / √3 となり、線電流 I は相電流 I_p と等しくなります。各相インピーダンスは Z = √(R^2 + X^2) であり、三相電力は各相の値の3倍となります。
解き方
- 1相当たりのインピーダンスを Z = √(8^2 + 6^2) = 10 Ω と求める。
- 相電圧を V_p = 200 / √3 V とし、線電流 I = I_p = V_p / Z = 20 / √3 A(約11.55 A)と計算して選択肢ロの誤りを特定する。
- 回路の消費電力を P = 3 × I_p^2 × R = 3 × (20/√3)^2 × 8 = 400 × 8 = 3200 W と確認する。
- 回路の無効電力を Q = 3 × I_p^2 × X = 3 × (20/√3)^2 × 6 = 400 × 6 = 2400 var と確認する。
- 選択肢 イ不正解
- 1相インピーダンスは √(8^2 + 6^2) = 10 Ω であり、記述は正しいです。
- 選択肢 ロ正解
- 線電流は 20/√3 A(約11.55 A)であり、10 A とする記述は誤っているため正答となります。
- 選択肢 ハ不正解
- 回路全体の消費電力は 3 × (20/√3)^2 × 8 = 3200 W であり、記述は正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 回路全体の無効電力は 3 × (20/√3)^2 × 6 = 2400 var であり、記述は正しいです。
覚えるポイント
- スター結線では相電圧 V_p = V / √3、線電流 I = 相電流 I_p となる関係を徹底する。
間違えやすいところ
- スター結線の相電圧を線間電圧のまま 200 V として計算し、電流を 200 / 10 = 20 A や 10 A と誤解しないように注意する。
出題の前提:電気設備に関する基礎理論(三相交流回路)
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.4 ↗(www.shiken.or.jp)
単相2線式配電線路の電圧降下計算
配電理論 · 単相2線式 / 電圧降下 / 末端電圧
単相2線式の配電線路において、電線1線当たりの抵抗が 0.1 Ω(線路リアクタンス無視)、電源電圧が 210 V である。抵抗負荷 A、B、C にそれぞれ 10 A、5 A、5 A の負荷電流が流れているとき、末端の負荷 C の両端の電圧 V_C [V] はどれか。
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解答
ロ
解説
単相2線式配電線路の電圧降下は、往復2線分の電線抵抗(2r = 0.2 Ω)を考慮して区間ごとに算出します。各区間に流れる電流は、その地点より下流に接続された負荷電流の総和となります。
解き方
- 電源〜A間の電流は 10 + 5 + 5 = 20 A であり、電圧降下は 20 A × (2 × 0.1 Ω) = 4 V となる。
- A〜B間の電流は 5 + 5 = 10 A であり、電圧降下は 10 A × (2 × 0.1 Ω) = 2 V となる。
- B〜C間の電流は 5 A であり、電圧降下は 5 A × (2 × 0.1 Ω) = 1 V となる。
- 全体の電圧降下の合計は 4 + 2 + 1 = 7 V となり、負荷Cの両端電圧は 210 - 7 = 203 V と求まる。
- 選択肢 イ不正解
- 201 は各区間の抵抗や電流の計算を過大に見積もった誤りです。
- 選択肢 ロ正解
- 合計電圧降下 7 V を電源電圧から差し引いた 203 V であり正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 205 は往復2本分ではなく片道1線分の抵抗(0.1 Ω)で計算してしまった誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 208 は途中の区間の電圧降下を加算し忘れた誤りです。
覚えるポイント
- 単相2線式の電圧降下式は ΔV = 2 I r であり、必ず往復2線分の抵抗を用いる。
間違えやすいところ
- 片道1線分の抵抗 0.1 Ω だけで計算して電圧降下を半分の 3.5 V と誤認しないように注意する。
出題の前提:電気設備に関する配電理論(配電線路の電圧降下)
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.4 ↗(www.shiken.or.jp)
単相3線式電路の中性線断線事故
配電理論 · 単相3線式 / 中性線断線 / 分圧回路
電源電圧 210 / 105 V の単相3線式電路において、上相に抵抗負荷 A(50 Ω)、下相に抵抗負荷 B(25 Ω)が中性線との間に接続され、両外側線間に抵抗負荷 C(20 Ω)が接続されている。中性線が電源側で断線したとき、断線後に抵抗負荷 A に加わる電圧 [V] はどれか。ただし配線用遮断器は動作しなかったものとする。
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解答
ハ
解説
単相3線式電路で中性線が断線すると、中性線と外側線の間に接続されていた各相の105 V負荷同士が直列となり、外側線間電圧(210 V)をそれぞれの抵抗値に比例して分圧します。なお、両外側線間に直接つながる210 V負荷は分圧回路には影響を与えません。
解き方
- 負荷C(20 Ω)は両外側線間(210 V)に並列接続されているため、中性線断線後の105 V負荷の直列回路には干渉しないことを把握する。
- 中性線断線により、負荷A(50 Ω)と負荷B(25 Ω)が外側線間電圧 210 V のもとで直列に接続される。
- 直列回路の分圧の法則より、負荷Aの両端電圧を V_A = 210 × [50 / (50 + 25)] = 210 × (2/3) = 140 V と算出する。
- 選択肢 イ不正解
- 中性線が断線しても両外側線から閉回路が形成されるため、0 V にはなりません。
- 選択肢 ロ不正解
- 60 は負荷B(25 Ω)にかかる電圧(70 V)を誤って算出した値に近い誤りです。
- 選択肢 ハ正解
- 分圧比 50 : 25(2 : 1)により負荷Aには 140 V が加わるため正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 210 は外側線間電圧そのものであり、負荷AとBで分圧されるため誤りです。
覚えるポイント
- 単相3線式の中性線断線時は、外側線間の直列分圧回路として抵抗比で電圧を按分する。
間違えやすいところ
- 両外側線間に接続された 210 V 用負荷を中性線側の並列負荷と混同して計算に組み込まないように注意する。
出題の前提:電気設備に関する配電理論(単相3線式電路の異常現象)
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.4 ↗(www.shiken.or.jp)
需要率・負荷率と日電力量の計算
配電理論 · 需要率 / 負荷率 / 最大需要電力 / 需要電力量
設備容量が 400 kW の需要家において、ある1日(0〜24時)の需要率が 60 %、負荷率が 50 % であった。この需要家のこの日の最大需要電力 P_M [kW] と、この日一日の需要電力量 W [kW・h] の組合せとして、正しいものはどれか。
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解答
ニ
解説
需要率は設備容量に対する最大需要電力の割合を表し、P_M = 設備容量 × 需要率 で求まります。負荷率は最大需要電力に対する平均電力の割合を表し、P_avg = P_M × 負荷率 で求まります。1日の需要電力量は W = P_avg × 24 [kW・h] となります。
解き方
- 設備容量 400 kW に需要率 60 % を乗じて最大需要電力を P_M = 400 × 0.60 = 240 kW と算出する。
- 最大需要電力 240 kW に負荷率 50 % を乗じて平均電力を P_avg = 240 × 0.50 = 120 kW と算出する。
- 平均電力 120 kW に1日の時間数 24 h を乗じて電力量を W = 120 × 24 = 2880 kW・h と求める。
- 選択肢 イ不正解
- P_M = 120 は平均電力の数値であり、最大需要電力の値ではないため誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- P_M = 200 は需要率の計算を取り違えた誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- W = 4800 は最大需要電力に 20 時間を掛けるなど誤った計算による値です。
- 選択肢 ニ正解
- 最大需要電力 P_M = 240 kW、需要電力量 W = 2880 kW・h の組合せであり正しいです。
覚えるポイント
- 需要率 = 最大電力 / 設備容量、負荷率 = 平均電力 / 最大電力、電力量 = 平均電力 × 時間 の定義式を確実に使い分ける。
間違えやすいところ
- 負荷率の基準を最大需要電力ではなく設備容量と混同してしまうミスに注意する。
出題の前提:電気設備に関する配電理論(需要率・負荷率の計算)
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
完全地絡時における機器外箱の対地電圧の算出
配電理論 · 接地工事 / 地絡電流 / 対地電圧
変圧器(6 600 / 210 V、三相3線式)の二次側の1線にB種接地工事(接地抵抗値 10 Ω)が施されている。この電路に接続された負荷の金属製外箱にはD種接地工事(接地抵抗値 40 Ω)が施されている。金属製外箱の内部(非接地相のA点)で電線が外箱に完全地絡した場合、A点の対地電圧[V]として、正しいものはどれか。ただし、金属製外箱、電路の配線および変圧器のインピーダンスは無視するものとする。
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解答
ロ
解説
非接地相の電線が機器の金属製外箱に完全地絡すると、地絡相から外箱のD種接地極、大地、変圧器二次側のB種接地極を経て変圧器へと至る閉回路が形成されます。この閉回路に流れる地絡電流とD種接地抵抗の積が、金属製外箱(A点)の対地電圧となります。
解き方
- 地絡閉回路の全合成インピーダンス(ここでは合成抵抗)を求めます。配線や変圧器のインピーダンスは無視できるため、全抵抗はB種接地抵抗とD種接地抵抗の和となり、10+40=50 Ωです。
- 閉回路にかかる電圧は変圧器二次側の線間電圧210 Vであるため、流れる地絡電流 Ig は 210/50=4.2 A となります。
- 金属製外箱A点の対地電圧は、流れる地絡電流とD種接地抵抗の積で求まるため、4.2×40=168 Vと計算されます。
- 選択肢 イ不正解
- 32 Vは誤りです。接地抵抗の分圧比を誤って計算した値などであり、正しくは168 Vです。
- 選択肢 ロ正解
- 地絡電流4.2 AとD種接地抵抗40 Ωの積から求まる対地電圧168 Vであり、正しい記述です。
- 選択肢 ハ不正解
- 210 Vは電路の線間電圧そのものであり、B種接地抵抗による電圧降下が考慮されておらず不適です。
- 選択肢 ニ不正解
- 420 Vは誤りです。本回路の電源電圧を超える値であり、明らかな誤計算です。
覚えるポイント
- 完全地絡時の対地電圧は接地抵抗による分圧となり、V×(RD/(RB+RD))で求められます。
間違えやすいところ
- B種接地抵抗側の電圧降下(4.2 A×10 Ω=42 V)と取り違えないように注意が必要です。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈第17条および配電理論に基づく計算問題
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
かご形誘導電動機のインバータ制御
電気機器 · 誘導電動機 / インバータ / 速度制御
かご形誘導電動機のインバータによる速度制御に関する記述として、正しいものはどれか。
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解答
イ
解説
誘導電動機の同期速度 Ns [min⁻¹] は電源周波数 f [Hz] と磁極数 p によって Ns = 120f / p と決まります。インバータは可変電圧可変周波数(VVVF)を出力できる電力変換装置であり、電源周波数を連続的に変えることで効率的かつ広範囲に速度を制御します。
解き方
- インバータ(VVVF)の動作原理が交流電源の周波数および電圧を変換する装置であることを確認します。
- 誘導電動機の回転速度が電源周波数に比例することから、周波数を制御することで回転速度を変える選択肢を特定します。
- 選択肢 イ正解
- インバータ制御では、電源周波数を連続的に変更することで滑らかな速度制御を行うため正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- 周波数を変えずに電圧のみを変える方式は一次電圧制御であり、インバータ制御の説明ではありません。
- 選択肢 ハ不正解
- 二次抵抗制御(巻線形誘導電動機)などの滑りを変える方式であり、インバータ制御の基本原理ではありません。
- 選択肢 ニ不正解
- 極数切り換え制御は固定子巻線の結線を切り換える方式であり、インバータによる制御ではありません。
覚えるポイント
- インバータ制御は周波数を変えて同期速度を連続的に制御する方式です。
間違えやすいところ
- 巻線形誘導電動機の二次抵抗制御(滑りの制御)や極数変換制御と混同しないようにしましょう。
出題の前提:誘導電動機の速度制御方式およびインバータの動作特性
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
単相変圧器2台によるV結線の利用率
電気機器 · 変圧器 / V結線 / 利用率 / 三相交流
同容量の単相変圧器2台をV結線し、三相負荷に電力を供給する場合の変圧器1台当たりの最大の利用率はどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
単相変圧器1台の容量を P₁ とすると、2台をV結線して得られる三相出力 Pv は Pv = √3 × P₁ となります。変圧器の利用率は「供給可能な最大出力」を「設置している変圧器の合計定格容量」で割った値として定義されます。
解き方
- 単相変圧器1台の定格容量を P₁ と置き、変圧器2台の合計設備容量が 2 × P₁ であることを確認します。
- 2台をV結線したときの最大三相負荷容量(V結線出力)が √3 × P₁ であることを確認します。
- 利用率の定義式(利用率 = V結線出力 ÷ 設備容量)に代入し、(√3 × P₁) ÷ (2 × P₁) = √3 / 2(約86.6 %)を導きます。
- 選択肢 イ不正解
- 1/2(50%)は誤りであり、V結線の利用率を示す計算結果ではありません。
- 選択肢 ロ不正解
- √2/2(約70.7%)は誤りであり、変圧器のV結線における諸特性値とは一致しません。
- 選択肢 ハ正解
- V結線時の三相出力√3 P₁を設備容量2 P₁で割った値は√3/2であり、正しい記述です。
- 選択肢 ニ不正解
- 2/√3は利用率の逆数(1より大きい値)であり、変圧器の利用率として不適です。
覚えるポイント
- V結線の利用率は√3/2(約86.6%)、出力比は1/√3(約57.7%)です。
間違えやすいところ
- 利用率(√3/2)と出力比(√3/3 = 1/√3、Δ結線時との比)の定義を取り違えやすいので注意が必要です。
出題の前提:変圧器の結線方式(V結線)の特性
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
点光源直下における床面照度の計算式
電気応用 · 照明 / 照度 / 点光源 / 逆2乗の法則
床面上 r [m]の高さに、光度 I [cd]の点光源がある。この光源直下の床面照度 E [lx]を示す式として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
点光源から放射される光による受照面の照度は、点光源の光度 I [cd]に比例し、光源から受照面までの距離 r [m]の2乗に反比例します(照度の逆2乗の法則)。光線が面に垂直に入射する直下照度では入射角が0度(cos 0° = 1)となるため、照度は E = I / r² で表されます。
解き方
- 照度の逆2乗の法則の基本式 E = (I / r²) × cos θ を確認します。
- 光源直下では光線の入射角 θ が 0° となるため、cos 0° = 1 となり、式は E = I / r² と導かれます。
- 選択肢 イ不正解
- 光度Iが2乗され距離rが1乗となっており、逆2乗の法則の物理的次元と合いません。
- 選択肢 ロ不正解
- 光度Iが2乗されており、照度の計算式として誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 距離rが2乗されておらず、照度の逆2乗の法則に合致しません。
- 選択肢 ニ正解
- 光度Iに比例し距離rの2乗に反比例する正しい直下照度の公式です。
覚えるポイント
- 直下照度は逆2乗の法則によりE=I/r²で表されます。
間違えやすいところ
- 距離の2乗ではなく距離に反比例する式(I/r)と勘違いしないようにしましょう。
出題の前提:照明工学における照度の逆2乗の法則
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
鉛蓄電池およびアルカリ蓄電池の特徴
電気機器 · 蓄電池 / 鉛蓄電池 / アルカリ蓄電池 / 電解液
蓄電池に関する記述として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
二次電池である蓄電池には鉛蓄電池とアルカリ蓄電池(ニッケル・カドミウム蓄電池など)があります。鉛蓄電池は電解液に希硫酸を用い、放電に伴って硫酸分が消費されて比重が低下します。一方、アルカリ蓄電池は電解液に水酸化カリウム(KOH)水溶液を用い、充放電による比重変化がほとんどありません。公称電圧(起電力)は鉛蓄電池が約2.0 V/セル、アルカリ蓄電池が約1.2 V/セルです。
解き方
- 鉛蓄電池の電解液が希硫酸、アルカリ蓄電池の電解液が水酸化カリウム水溶液であることを確認します。
- 放電の進行による比重低下を利用して残量を測定できるのは鉛蓄電池であり、アルカリ蓄電池ではないことを確認します。
- 公称起電力を比較し、鉛蓄電池(約2.0 V)の方がアルカリ蓄電池(約1.2 V)より高いことを確認します。
- 選択肢 イ正解
- 鉛蓄電池の電解液には希硫酸が使用されるため正しい記述です。
- 選択肢 ロ不正解
- 電解液の比重測定により放電の程度を把握できるのは鉛蓄電池であり、アルカリ蓄電池では比重がほぼ一定のため不適です。
- 選択肢 ハ不正解
- アルカリ蓄電池は機械的強度が高く過放電や過充電にも耐える特性があり、充電不可能にはなりません。
- 選択肢 ニ不正解
- 1セル当たりの起電力は鉛蓄電池が約2.0 V、アルカリ蓄電池が約1.2 Vであるため、鉛蓄電池の方が高くなります。
覚えるポイント
- 鉛蓄電池:希硫酸・約2.0V・比重で残量測定。アルカリ蓄電池:水酸化カリウム・約1.2V・過放電に強い。
間違えやすいところ
- 鉛蓄電池とアルカリ蓄電池の公称電圧(2.0 Vと1.2 V)の高低関係を取り違えないように注意しましょう。
出題の前提:蓄電池の構造、特性および保守管理
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
耐圧防爆形照明器具の使用場所
配線設計・施工 · 照明器具 / 防爆構造 / 危険場所 / 特殊場所の施設
写真に示す耐圧防爆構造の照明器具の主要な使用場所として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
耐圧防爆構造の電気機器は、万一容器内部で可燃性ガスの爆発が起きても容器がその爆発圧力に耐え、かつ外部の可燃性ガスに引火させない構造となっています。化学プラントや給油所、塗装工場など、可燃性ガスや引火性液体の蒸気が滞留する危険場所において防爆電気設備として施工されます。
解き方
- 写真の照明器具の外観(頑丈な金属製ハウジング、厚いガラスグローブ、保護ガード付き)から、耐圧防爆形器具であることを識別します。
- 耐圧防爆形照明器具が適用される環境として「可燃性ガスが滞留するおそれのある場所」を選択します。
- 選択肢 イ不正解
- 極低温環境用(冷凍倉庫用など)の照明器具ではなく、耐圧防爆用途の器具です。
- 選択肢 ロ不正解
- 物理的保護を主目的とした保護網付き器具等とは異なり、ガス爆発を防止する防爆器具です。
- 選択肢 ハ不正解
- 塩害地域向けには耐塩形・ステンレス製器具等が用いられ、防爆構造とは目的が異なります。
- 選択肢 ニ正解
- 耐圧防爆形照明器具は、可燃性ガスや引火性の蒸気が滞留する危険箇所に施設するため正しいです。
覚えるポイント
- 厚い金属容器と強固なガラスグローブを持つ耐圧防爆器具は可燃性ガス滞留場所で使用します。
間違えやすいところ
- 単なる防水形・防湿形照明器具や耐衝撃形照明器具と混同しないようにしてください。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈第176条(可燃性ガス等の存在する場所の施設)
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
電磁開閉器における電磁接触器の識別
配線器具・制御機器 · 電磁開閉器 / 電磁接触器 / 熱動継電器
写真に示す機器(電磁開閉器)において、矢印で示された上部機器の名称として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
電動機の始動・停止制御と過負荷保護を行う電磁開閉器(マグネットスイッチ)は、電磁石の力で主接点を開閉する「電磁接触器(マグネットコンタクタ)」と、過電流による発熱でバイメタルを作動させて回路を遮断させる「熱動継電器(サーマルリレー)」を組み合わせた複合機器です。矢印で指されている上側ユニットが電磁接触器です。
解き方
- 写真全体の機器が、電動機制御に広く用いられる電磁開閉器であることを確認します。
- 電磁開閉器は上部の電磁接触器と下部の熱動継電器で構成されており、矢印は上部の電磁接触器を指しているため「電磁接触器」を正答と判定します。
- 選択肢 イ不正解
- 熱動継電器(サーマルリレー)は写真の下部に組み合わされている部分を指すため誤りです。
- 選択肢 ロ正解
- 矢印が指している上部部分は主接点を開閉する電磁接触器(MC)であり正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 配線用遮断器(MCCB)は手動操作ハンドルを備えた遮断器であり、写真の構造とは異なります。
- 選択肢 ニ不正解
- 限時継電器(タイマー)は設定時間後に接点を動作させる継電器であり、写真の機器ではありません。
覚えるポイント
- 電磁開閉器(MS)=上部の電磁接触器(MC)+下部の熱動継電器(サーマルリレー)。
間違えやすいところ
- 電磁開閉器全体、電磁接触器(上部)、熱動継電器(下部)の各名称を混同しないようにしましょう。
出題の前提:電動機制御回路機器の構造および外観鑑識
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
コージェネレーションシステムの定義
発電・送配電 · コージェネレーション / 分散型電源 / 熱電併給
コージェネレーションシステムに関する記述として、最も適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
コージェネレーション(Cogeneration:熱電併給)は、ガスエンジン、ディーゼルエンジン、ガスタービン、燃料電池などの駆動源を用いて発電機を回して電力を供給すると同時に、発電時に生じる排熱を温水や蒸気として回収し、給湯や冷暖房などの熱エネルギーとして有効利用するシステムです。総合エネルギー効率を75〜80%程度まで高めることができます。
解き方
- 用語「コージェネレーション(Co-generation)」が二重の発生(熱と電気の同時発生・併給)を意味することを確認します。
- 各選択肢を照合し、「電気と熱を併せ供給する発電システム」と説明されている選択肢ロを選定します。
- 選択肢 イ不正解
- 系統連系発電システムの説明であり、熱の回収・併給についての記述がないため不適です。
- 選択肢 ロ正解
- 発電に伴う排熱を回収して電気と熱の両方を同時に供給するシステムであり、最も適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- 蓄熱式空調設備や揚水発電等の説明であり、コージェネレーションシステムではありません。
- 選択肢 ニ不正解
- 電気集じん装置は排ガス中のばいじんを除去する環境設備であり、発電システムではありません。
覚えるポイント
- コージェネレーション = 発電と同時に排熱も回収して利用する「熱電併給システム」。
間違えやすいところ
- 単なる系統連系システムや非常用自家発電設備と混同しないようにしてください。
出題の前提:省エネルギー設備および分散型電源の基礎知識
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
水力発電所の発電機出力の計算
発電設備 · 水力発電 / 水車発電機出力 / 有効落差
有効落差100 m、使用水量20 m3/sの水力発電所がある。水車と発電機の総合効率が85 %であるとき、この発電所の発電機出力[MW]として最も近いものを選びなさい。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
水力発電所の出力P [kW]は、重力加速度に基づく係数9.8に使用水量Q [m3/s]、有効落差H [m]、総合効率ηを乗じた理論式 P = 9.8QHη で計算されます。MW単位に換算するには1000で除算します。
解き方
- 水力発電の出力計算式 P = 9.8 × Q × H × η [kW] に与えられた数値を代入します。
- P = 9.8 × 20 × 100 × 0.85 = 16,660 kW と計算し、MW単位(約16.7 MW)に換算します。
- 選択肢 イ不正解
- 1.9 MWは、係数9.8を誤って0.1倍などにした誤った計算結果です。
- 選択肢 ロ不正解
- 12.7 MWは、計算途中の数値の適用を誤った値です。
- 選択肢 ハ正解
- P = 9.8 × 20 × 100 × 0.85 = 16,660 kW = 16.66 MW となり、四捨五入して約16.7 MWで正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 18.7 MWは、総合効率0.85を除算してしまうなど、効率の適用を誤った計算値です。
覚えるポイント
- 水車発電機出力の基本公式 P = 9.8QHη [kW] を確実に暗記すること。
間違えやすいところ
- 単位がkWとMWで異なるため、計算後に1/1000倍するのを忘れる誤り。
出題の前提:電気設備の基礎理論および水力発電公式に基づく計算問題
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
架空送電線のスリートジャンプ対策
送配電設備 · スリートジャンプ / 送電線障害対策 / オフセット
架空送電線のスリートジャンプ現象に対する対策として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
スリートジャンプとは、電線に付着した氷雪が突然脱落した際に電線が跳ね上がる現象です。上下に配置された電線が接触して短絡事故を起こすのを防ぐため、鉄塔の腕金の長さを上下で異ならせて水平方向の離隔(オフセット)を設ける対策が取られます。
解き方
- スリートジャンプが「電線付着氷雪の脱落による電線の急激な跳ね上がり」であることを確認します。
- 跳ね上がりによる上下電線の接触短絡を防止する有効な手段は、上下電線間の水平オフセットの設置であることを確認します。
- 選択肢 イ不正解
- アーマロッドは電線の支持点付近を補強し、微風振動による電線の疲労破断を防止するためのものです。
- 選択肢 ロ正解
- 上下の電線にオフセット(水平方向のずらし)を設けることで、跳ね上がり時の上下電線の接触を防止できます。
- 選択肢 ハ不正解
- トーショナルダンパはギャロッピング(非対称氷雪付着時の自励振動)などの防止に用いられます。
- 選択肢 ニ不正解
- がいしの連結数を増やすのは絶縁強度の向上や塩害対策であり、跳ね上がり接触対策ではありません。
覚えるポイント
- スリートジャンプの主対策は「オフセットを設ける」ことである。
間違えやすいところ
- 微風振動対策のダンパやアーマロッド、ギャロッピング対策と混同しやすい。
出題の前提:電気設備技術基準・解釈および高圧・特別高圧架空電線路の保安基準
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
送電用変圧器の中性点接地方式の比較
送配電設備 · 中性点接地方式 / 地絡事故 / 電磁誘導障害
送電用変圧器の中性点接地方式に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
中性点接地方式には非接地、抵抗接地、直接接地、消弧リアクトル接地などがあります。直接接地方式は健全相の対地電圧上昇が最も小さい反面、地絡電流が極めて大きいため並行する通信線への電磁誘導障害が最大になります。抵抗接地方式は抵抗器を挿入して地絡電流を制限するため、電磁誘導障害は直接接地方式より小さくなります。
解き方
- 各接地方式の地絡電流の大きさを整理します(直接接地が最大、抵抗接地は地絡電流を抑制)。
- 通信線への電磁誘導障害は地絡電流の大きさに比例するため、抵抗接地方式の方が直接接地方式より小さくなることを判定します。
- 選択肢 イ不正解
- 非接地方式は地絡電流が小さいものの間欠地絡時などに高電圧の異常サージが発生しやすいため、記述は正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- 直接接地方式は中性点を導線で接地するため地絡電流が非常に大きくなり、記述は正しいです。
- 選択肢 ハ正解
- 抵抗接地方式は地絡電流を制限するため、直接接地方式よりも通信線への電磁誘導障害は小さくなります。したがって本記述は誤り(正解)です。
- 選択肢 ニ不正解
- 消弧リアクトル接地方式は対地静電容量と並列共振させて地絡アークを自然消弧する方式であり、記述は正しいです。
覚えるポイント
- 電磁誘導障害は地絡電流の大きさに比例し、直接接地方式が最大となる。
間違えやすいところ
- 異常電圧の大きさと電磁誘導障害の大小関係を逆に取り違えやすい。
出題の前提:送配電工学および電気設備技術基準・解釈に基づく中性点接地方式の特性
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧受電設備の受信用遮断器の遮断容量決定要素
受電設備 · 遮断容量 / 三相短絡電流 / 遮断器の選定
高圧受電設備の受電用遮断器の遮断容量を決定する場合に、必要なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
遮断器の「定格電流」は常時の最大負荷電流に基づいて選定しますが、「定格遮断容量(または定格遮断電流)」は電力系統側を含めた短絡事故時に流れる「受電点の三相短絡電流」を確実に遮断できるように決定する必要があります。
解き方
- 遮断容量(遮断器が遮断できる短絡事故の限界能力)が何に耐えうるべきかを確認します。
- 電力系統から流れ込む最大事故電流である「受電点の三相短絡電流」に基づいて決定されることを選びます。
- 選択肢 イ正解
- 遮断容量は受電点で発生する最大の短絡電流である三相短絡電流以上の遮断能力が必要となるため、必須の情報です。
- 選択肢 ロ不正解
- 変圧器容量は構内負荷に応じた定格電流などの選定に関係しますが、受電点遮断器の遮断容量の決定要因ではありません。
- 選択肢 ハ不正解
- 最大負荷電流は遮断器の「定格電流」を決定する際に必要ですが、短絡事故電流を遮断する「遮断容量」には関係しません。
- 選択肢 ニ不正解
- 契約電力は契約上の指標であり、電力系統の短絡インピーダンスに基づく短絡電流・遮断容量の決定要素ではありません。
覚えるポイント
- 遮断容量は受電点の三相短絡電流(短絡容量)によって選定する。
間違えやすいところ
- 遮断器の「定格電流」と「定格遮断容量」を取り違えて負荷電流を選んでしまう誤り。
出題の前提:高圧受電設備規程および電気設備の設計基準
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
通電中における変流器二次側回路の電流計取外し手順
計測・保護装置 · 変流器 / 二次側短絡 / 感電防止
高圧母線に取り付けられた、通電中の変流器(CT)の二次側回路に接続されている電流計を取り外す場合の手順として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
変流器(CT)は一次電流によって鉄心内に磁束が作られますが、通常は二次電流による逆起電力(減磁作用)で鉄心内の磁束が小さく保たれています。二次側を開放すると逆起電力がなくなり、一次電流のすべてが励磁電流となって鉄心内に極めて大きな磁束が発生し、二次側に数千ボルト以上の危険な高電圧が誘起されて絶縁破壊や感電事故を引き起こします。そのため二次側機器を外す際は必ず事前に二次側を短絡します。
解き方
- CTの二次側を開放してはならない理由(高電圧の発生防止)を確認します。
- 通電中に計器を取り外す際は、まず二次側を短絡片などで短絡状態にしてから計器を取り外す手順であることを確認します。
- 選択肢 イ不正解
- 端子の一方を接地しても二次側回路を開放することになるため、開放による高電圧発生を防げません。
- 選択肢 ロ不正解
- 電流計を取り外した時点で二次側が開放状態となり、高電圧が発生して極めて危険です。
- 選択肢 ハ正解
- CT二次側を短絡してから電流計を取り外せば、二次側が開放されず高電圧の発生を防止できます。
- 選択肢 ニ不正解
- 電流計を先に取り外すと二次側開放事故となり、その後に接地しても高電圧発生を阻止できません。
覚えるポイント
- 通電中の変流器(CT)の二次側は「絶対に開放禁止(必ず短絡する)」である。
間違えやすいところ
- 計器用変圧器(VT)の二次側短絡禁止と、変流器(CT)の二次側開放禁止を取り違えやすい。
出題の前提:高圧受電設備規程および電気安全作業基準
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
断路器(DS)の用途
受電設備機器 · 断路器 / DS / 開路
写真に示す品物の用途として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
掲載された写真の機器は断路器(ディスコネクティングスイッチ:DS)です。断路器はアークを消弧する能力を持たないため、原則として無負荷(無電流)状態で開閉し、点検・停電作業時に確実に電路を切り離して作業者の安全を確保(視覚的な開路状態の確認)する目的で使用されます。
解き方
- 写真の機器の外観(三相分の可動接触子、支持がいし、操作フック棒用の引掛け環)から高圧断路器(DS)であることを特定します。
- 断路器の主用途が無負荷時の電路の開閉・隔離であることを選択肢から見出します。
- 選択肢 イ不正解
- 容量300 kVA以下の変圧器の一次側保護には高圧カットアウト(PC)などが用いられます。
- 選択肢 ロ不正解
- 保護継電器と組み合わせて事故電流を遮断するのは真空遮断器(VCB)などの高圧遮断器です。
- 選択肢 ハ不正解
- 電力ヒューズと組み合わせて用いるのは限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器(LBS)です。
- 選択肢 ニ正解
- 写真は断路器(DS)であり、停電作業時などに無電圧の電路を開路・隔離しておくために用いられます。
覚えるポイント
- 断路器(DS)は負荷電流の開閉はできず、無負荷時の電路開離に用いる。
間違えやすいところ
- 負荷開閉器(LBS)や高圧カットアウト(PC)と写真の外観を混同する誤り。
出題の前提:JIS C 4602(高圧断路器)および高圧受電設備規程
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧負荷開閉器付限流ヒューズの役割
受電設備機器 · 限流ヒューズ / 短絡保護 / 高圧交流負荷開閉器
写真の機器の矢印で示す部分(円筒状の素子部分)の主な役割はどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
写真の機器は限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器(LBS)です。LBS本体は通常の負荷電流の開閉を行いますが、大電流の短絡電流を遮断することはできません。そのため矢印で示された高圧限流ヒューズ(PF)を直列に組み合わせることで、短絡電流が発生した際に高速度で限流遮断し、後続の受電機器を短絡事故から保護します。
解き方
- 写真全体の機器が高圧交流負荷開閉器(LBS)であり、矢印の部品が高圧限流ヒューズ(PF)であることを識別します。
- 限流ヒューズの主目的が「短絡電流の高速度遮断(短絡保護)」であることを判定します。
- 選択肢 イ不正解
- 地絡保護は地絡継電器(GR)や地絡方向継電器(DGR)および零相変流器(ZCT)が行います。
- 選択肢 ロ不正解
- 過電圧保護は避雷器(LA)などが担当します。
- 選択肢 ハ不正解
- 高調波電流の抑制には直列リアクトル(SR)などが用いられます。
- 選択肢 ニ正解
- 矢印が指す高圧限流ヒューズ(PF)の主な役割は、短絡事故発生時の短絡電流の遮断(短絡保護)です。
覚えるポイント
- LBSに組み合わされる限流ヒューズ(PF)は「短絡保護」を受け持つ。
間違えやすいところ
- 開閉器本体の過負荷保護や、避雷器の過電圧保護と役割を混同する誤り。
出題の前提:JIS C 4604(高圧交流負荷開閉器)および高圧限流ヒューズの保護協調規格
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
600 V絶縁電線・ケーブルの記号と名称・用途
電線・ケーブル · IV線 / DV線 / VVFケーブル / CVケーブル
600 V以下で使用される電線又はケーブルの記号に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
VVFは「Vinyl insulated Vinyl sheathed Flat-type cable」の略称で、600 Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形を指し、住宅などの屋内配線(固定配線)に広く用いられます。記述にある「移動用電気機器の電源回路などに使用するビニルキャブタイヤケーブル」の記号はVCT(またはVCTF)であり、VVFではありません。
解き方
- 各選択肢の記号と正式名称・用途を照合します(IV: 600Vビニル絶縁電線、DV: 引込用ビニル絶縁電線、CV: 架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル)。
- VVFは平形ビニルシースケーブル(固定配線用)であり、キャブタイヤケーブル(移動用)ではないことを確認します。
- 選択肢 イ不正解
- IVは600 Vビニル絶縁電線(屋内配線用単心)の記述として正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- DVは引込用ビニル絶縁電線(主に架空引込線用多心)の記述として正しいです。
- 選択肢 ハ正解
- VVFは固定配線用のビニル絶縁ビニルシースケーブル平形であり、キャブタイヤケーブル(VCT等)とする説明は誤り(正解)です。
- 選択肢 ニ不正解
- CVは架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルの記述として正しいです。
覚えるポイント
- VVFは固定配線用の平形ケーブル、移動用キャブタイヤケーブルはVCT・VCTF。
間違えやすいところ
- キャブタイヤケーブルと一般配線用シースケーブルの用途の違いを見落とす誤り。
出題の前提:JIS C 3342(600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル)および電気設備技術基準・解釈
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
配線器具の定格電圧と刃受形状の判別
配線器具・材料・工具 · コンセント / 定格電圧 / 極配置
写真に示された配線器具(コンセント)のうち、200 Vの配線回路に使用することができないものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
コンセントは誤挿入による機器破損や感電事故を防止するため、定格電圧や定格電流ごとに刃受の配置・形状が日本産業規格(JIS)で厳格に定められています。100 V用は平行形、200 V用はタンデム形やエル字形(片側の刃受が直角に曲がった形状)などが採用されます。
解き方
- 写真に示された各コンセントの刃受形状を確認する。
- 平行形の刃受をもつ器具は125 V用(100 V回路用)であるため、200 V回路には接続できないと判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 片方の刃受がT字形となっており、250 V 15 Aおよび20 Aのプラグを共用できる200 V用コンセントのため使用できます。
- 選択肢 ロ不正解
- 刃受が横向きに平行配置されたタンデム形(定格250 V 15 A接地極付)であり、200 V回路用コンセントのため使用できます。
- 選択肢 ハ正解
- 刃受が縦向きに平行配置された平行形(定格125 V 15 A接地極付)であり、100 V回路用であるため200 V回路には使用できません。
- 選択肢 ニ不正解
- 一方の刃受がL字形(逆L字形)、もう一方が横向き配置の定格250 V 20 A接地極付コンセントであり、200 V回路用として使用できます。
覚えるポイント
- 平行形刃受は125V用、タンデム形刃受は250V15A用、エル字形刃受は250V20A用。
間違えやすいところ
- 接地極の有無だけに目を奪われ、刃受が平行形かタンデム形かの違いを見落とすミスが多いです。
出題の前提:JIS C 8303 配線用差込接続器
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
電工用工具の名称と用途の識別
配線器具・材料・工具 · 工具 / 張線器 / 架空配線工事
写真に示された架空配線工事などで使用される工具の名称として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
張線器(シメラ)は、架空電線路や支線の架線作業において電線やワイヤを引っ張り、適切な張力(たるみ・弛度)を得るために使用する工具です。把持部(カムラー部)と巻取レバー機構から構成されます。
解き方
- 写真の工具の構成(電線を掴むチャック部分とワイヤを巻き締めるレバー機構)を確認する。
- 電線に張力を与える「張線器」であると同定する。
- 選択肢 イ不正解
- トルクレンチはボルトやナットを規定の締め付けトルクで締め付けるための工具であり、形状が異なります。
- 選択肢 ロ不正解
- 呼び線挿入器は電線管内にあらかじめ通線用ワイヤを通すための器具であり、形状が異なります。
- 選択肢 ハ不正解
- ケーブルジャッキはケーブルドラムを床面から持ち上げて回転・延線可能にする支持工具であり、該当しません。
- 選択肢 ニ正解
- 写真の器具は電線等を把持して締め上げる「張線器(シメラ)」です。
覚えるポイント
- 張線器は架空線のたるみ調整や引き留めに用いるレバー式巻取工具。
間違えやすいところ
- 電線を引っ張るグリップ工具としてケーブルグリップ(金車関連工具)などと混同しないように注意が必要です。
出題の前提:第一種電気工事士 筆記試験 鑑別写真基準
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
平形保護層工事の施設基準
電気工事の施工方法 · 平形保護層工事 / アンダーカーペット配線 / 電気設備技術基準の解釈
平形保護層工事に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
平形保護層配線(アンダーカーペット配線)は、電気設備の技術基準の解釈第164条において「点検できる乾燥した場所の床面に施設すること」「壁等の造営材を貫通して施設しないこと」「対地電圧150 V以下の電路で使用すること」「住宅、旅館、ホテルの宿泊室等には施設しないこと」などが規定されています。
解き方
- 平形保護層配線の施設制限(場所、対地電圧、過電流保護、造営材の貫通制限)を思い出す。
- 造営材の貫通は防火区画処理の有無にかかわらず全面的に禁止されているため、ロが誤りであると判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 住宅、学校、病院、旅館またはホテルの宿泊室等には施設できないと定められており、記述は適切です。
- 選択肢 ロ正解
- 平形保護層配線は壁等の造営材を貫通して施設することが禁止されており、「防火区画処理等の処理を施せば貫通できる」とする記述は誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 電路の対地電圧は150 V以下と規定されており、記述は適切です。
- 選択肢 ニ不正解
- 電路には定格電流20 A以下の配線用遮断器または過負荷保護付漏電遮断器を取り付けることとされており、記述は適切です。
覚えるポイント
- 平形保護層工事は壁貫通不可、床面専用、対地電圧150V以下、住宅・宿泊室は施工不可。
間違えやすいところ
- 配管工事のように「防火区画処理を施せば壁を貫通できる」と誤認しやすいので注意が必要です。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第164条
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
合成樹脂管工事における管材の適用場所
電気工事の施工方法 · CD管 / PF管 / 合成樹脂管工事 / 電気設備技術基準の解釈
合成樹脂管工事に使用する材料と管の施設に関する記述として、誤っているものはどれか。
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解答
ニ
解説
CD管(Combined Duct管)は自己消火性がないため、コンクリート埋設専用管として規定されています。一方、PF管(Plastic Flexible管)は自己消火性があり、露出場所・隠ぺい場所(天井裏など)・コンクリート埋設場所のいずれにも施工可能です。
解き方
- CD管とPF管の材料特性(PF管は自己消火性あり、CD管は自己消火性なし)を整理する。
- CD管はコンクリート埋設以外には原則使用できないため、「点検できる二重天井内」への施工は誤りであると判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 自己消火性のあるPF管は直接コンクリートに埋め込んで施設することが認められているため、適切です。
- 選択肢 ロ不正解
- CD管はコンクリート埋設を主目的とした管材であり、直接コンクリートに埋め込んで施設できるため、適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- PF管は点検できない隠ぺい場所(二重天井内など)にも施設できるため、適切です。
- 選択肢 ニ正解
- CD管は自己消火性がないため、直接コンクリートに埋設する場合などを除き、二重天井内などの隠ぺい場所や露出場所に施設することはできません。
覚えるポイント
- CD管はオレンジ色で自己消火性なし(コンクリート埋設専用)。PF管は自己消火性あり(どこでも可)。
間違えやすいところ
- 「点検できる場所」であればCD管も施設できると勘違いしやすいですが、自己消火性がないためコンクリート埋設以外の露出・隠ぺい場所には施設できません。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第158条
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
特殊場所における低圧屋内配線工事の種類
電気工事の施工方法 · 低圧屋内配線 / 湿気の多い場所 / 金属線ぴ工事 / 施工場所の制限
点検できる隠ぺい場所で、湿気の多い場所又は水気のある場所に施設する使用電圧300 V以下の低圧屋内配線工事として、施工することができない工事の種類はどれか。
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解答
ロ
解説
低圧屋内配線工事において、金属管工事・合成樹脂管工事(CD管除く)・ケーブル工事は最も適用範囲が広く、展開場所・隠ぺい場所を問わず乾燥・湿気のある場所すべてに施設可能です。一方、金属線ぴ工事は乾燥した場所に限定されています。
解き方
- 各配線工事の施工可能な環境条件を比較する。
- 金属線ぴ工事の施工場所は「乾燥した場所」に限定されているため、「湿気の多い場所又は水気のある場所」には施工できないと判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 金属管工事は点検できる隠ぺい場所の湿気の多い場所・水気のある場所にも施設できるため、施工可能です。
- 選択肢 ロ正解
- 金属線ぴ工事は乾燥した場所にのみ施設可能であり、湿気の多い場所や水気のある場所には施工できません。
- 選択肢 ハ不正解
- ケーブル工事は点検できる隠ぺい場所の湿気の多い場所・水気のある場所にも施設できるため、施工可能です。
- 選択肢 ニ不正解
- 合成樹脂管工事(CD管を除く)は湿気の多い場所や水気のある場所にも施設できるため、施工可能です。
覚えるポイント
- 金属管・合成樹脂管・ケーブル工事は万能。金属線ぴ・金属ダクト・バスダクト等は乾燥した場所限定。
間違えやすいところ
- 金属製であることから金属管工事と同様にどこでも使えると誤解しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第156条(配線工事の種類と施工場所)
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
地絡継電装置付き高圧交流負荷開閉器(UGS)の機能と特徴
高圧受電設備 · UGS / 短絡遮断能力 / 保護協調 / 地絡継電器
受電設備図中の①に示す地絡継電装置付き高圧交流負荷開閉器(UGS)に関する記述として、不適切なものはどれか。
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解答
ハ
解説
地絡継電装置付き高圧交流負荷開閉器(UGS)は、地中引込線の責任分界点などに設置され、構内地絡事故時に自動遮断して一般送配電事業者系統への波及事故を防止します。負荷電流や地絡電流は開閉できますが、短絡電流を遮断することはできず、短絡電流には耐える性能(定格短時間耐電流)のみが求められます。
解き方
- UGS(高圧交流負荷開閉器)の開閉能力の限界(負荷電流・地絡電流は遮断可能、短絡電流は遮断不可)を確認する。
- 短絡電流の遮断能力を有する必要があるとする記述(ハ)が誤りであると特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 零相変流器(ZCT)と制御装置を内蔵しており、地絡事故時に自動開放する機能を持つため適切です。
- 選択肢 ロ不正解
- 短絡時には保護装置が動作するまで短絡電流に耐える必要があるため、定格短時間耐電流を受電点の短絡電流以上で選定するのは適切です。
- 選択肢 ハ正解
- UGSは負荷開閉器であり、短絡電流を遮断する能力(遮断容量)は持たないため、この記述は不適切です。
- 選択肢 ニ不正解
- 配電系統側の地絡継電器よりも早く動作して波及事故を防ぐため、保護協調をとることは適切です。
覚えるポイント
- UGS/PASは負荷電流と地絡電流を遮断できるが、短絡電流の遮断はできない(短絡には耐えるのみ)。
間違えやすいところ
- 遮断器(CB)と負荷開閉器(LBS/UGS/PAS)の遮断可能電流(過負荷・短絡まで切れるか否か)を混同しないようにしましょう。
出題の前提:JIS C 4620 キュービクル式高圧受電設備、電気設備技術基準の解釈
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧地中電線路の埋設・防護施工基準
電気工事の施工方法 · 地中電線路 / 直接埋設式 / 管路式 / 表示基準
受電設備図中の②に示す構内の高圧地中引込線を施設する場合の施工方法として、不適切なものはどれか。
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解答
ニ
解説
地中電線路を直接埋設式により施設する場合、車両等の重量物の圧力を受ける場所では埋設深さ(土冠)を1.2 m以上(その他の場所は0.6 m以上)としなければなりません。また、埋設標示板等による電圧表示は原則必須ですが、長さが15 m以下の構内電線路等に限り表示を省略することが認められています。
解き方
- 地中電線路の直接埋設式における表示省略規定(長さ15 m以下)を確認する。
- 設問の長さ20 mでは省略条件を満たさないため、ニの記述が不適切であると判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 車両その他の重量物の圧力を受ける場所における埋設深さ1.2 m以上を満たしており適切です。
- 選択肢 ロ不正解
- 地中電線を収める金属管等の防護装置が直接地中に埋設されている場合、大地と十分に接触しているため接地を省略することが認められており適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- 波付硬質合成樹脂管(FEP管)は地中電線用の防護装置として一般に使用されており適切です。
- 選択肢 ニ正解
- 直接埋設式で電圧表示等の標示を省略できるのは長さが15 m以下の場合であるため、20 mで表示を省略することは不適切です。
覚えるポイント
- 直接埋設式の埋設表示省略は「15 m以下」。重量物の圧力を受ける場所の埋設深さは「1.2 m以上」。
間違えやすいところ
- 地中埋設管(鋼管)の接地省略規定と、屋内金属管の接地省略規定を混同しないように注意が必要です。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第120条(地中電線路の施設)
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧ケーブルの立ち上がり・防護管の接地施工
電気工事の施工方法 · 高圧ケーブル / 防護管 / A種接地工事 / 接地省略の可否
受電設備図中の③に示す電路及び接地工事の施工として、不適切なものはどれか。
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解答
ロ
解説
高圧配線に用いる金属管や防護管などの金属製部分には、感電防止および遮蔽のためにA種接地工事を施す必要があります。低圧電路の金属管工事に定められている小勢力回路や「乾燥した場所で4 m以下」などの接地省略規定は、高圧電路には適用されません。
解き方
- 高圧引込ケーブルの防護管(金属管)における接地規定を確認する。
- 高圧防護管の接地工事は管長が短くても省略できないため、ロの記述が不適切であると判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 地下壁面からの雨水浸入を防止するため、防水鋳鉄管(防水スリーブ)を使用することは適切な施工です。
- 選択肢 ロ正解
- 高圧ケーブルの防護管として使用する厚鋼電線管にはA種接地工事が必要であり、2 mであっても接地を省略することはできません。
- 選択肢 ハ不正解
- ピット内での高圧ケーブルの固定・支持に絶縁性・難燃性を有する樹脂製クリートを使用することは適切です。
- 選択肢 ニ不正解
- 接地線の機械的防護および他金属との接触防止のため、硬質ポリ塩化ビニル電線管(VE管)で覆うことは適切です。
覚えるポイント
- 高圧電路を収める金属管にはA種接地工事が必要で、低圧のような長さによる接地省略規定はない。
間違えやすいところ
- 低圧金属管工事の「乾燥した場所で管長4m以下の接地省略」と混同して、高圧でも2mなら省略できると誤判断する間違いが多いです。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第168条(高圧屋内配線等の施設)
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp)
ケーブルラックの施工方法
配線工事・設計 · ケーブルラック工事 / 接地工事 / 防火区画貫通
屋内キュービクル式高圧受電設備に付随する受電設備断面図・平面図の④に示すケーブルラックの施工に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
金属製ケーブルラックには原則としてD種接地工事を施す必要があります。金属管工事などにあるような「乾燥した場所で長さ4m(または8m)以下」といった接地省略の例外規定はケーブルラック工事には適用されません。
解き方
- ケーブルラックの接地基準を確認し、低圧・高圧ケーブルを支持する金属製ラックにはD種接地工事が必要であることを把握する。
- 金属製ケーブルラック工事において、乾燥した場所であることを理由とした接地の省略基準は定められていないため、イが誤りであると判断する。
- 選択肢 イ正解
- 金属製ケーブルラック工事では、乾燥した場所であってもD種接地工事を省略することは認められていないため誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- ケーブルラックは敷設するケーブルの自重に耐えられるよう、天井スラブから吊りボルト等で堅固に支持する必要があり適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- いずれも低圧の絶縁電線・ケーブル幹線(電灯および動力)同士であり、弱電流電線等との混触防止用とは異なりセパレータの設置は必須ではないため適切です。
- 選択肢 ニ不正解
- 防火区画や受電室の壁を貫通する部分は、建築基準法および電気設備基準に基づき延焼防止措置(不燃材料による充填など)を施す必要があり適切です。
覚えるポイント
- ケーブルラック工事には乾燥場所による接地省略規定はない
間違えやすいところ
- 金属管工事の乾燥場所4m以下(または8m以下)の接地省略規定と混同しやすい
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第166条(ケーブル工事・ケーブルラック)
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧受電設備の絶縁耐力試験
検査・測定・試験 · 絶縁耐力試験 / 高圧受電設備 / 直流試験電圧
屋内高圧受電設備(図中⑤)の絶縁耐力試験に関する記述として、不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
最大使用電圧が7000V以下の高圧電路の絶縁耐力試験では、最大使用電圧の1.5倍の交流電圧を連続して10分間加えます。なお、ケーブル等で直流により試験を行う場合は、交流試験電圧の2倍の直流電圧を10分間印加します。
解き方
- 高圧電路の絶縁耐力試験基準を確認する(交流試験電圧=最大使用電圧×1.5倍、印加時間10分間)。
- 直流電圧で試験を実施する場合の規定を確認し、交流試験電圧の「2倍」が必要であることを適用して選択肢ロの誤りを特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 高圧電路の交流絶縁耐力試験は、最大使用電圧の1.5倍の試験電圧を連続して10分間印加するため適切です。
- 選択肢 ロ正解
- 直流で試験を行う場合の試験電圧は、交流試験電圧の2倍(最大使用電圧の3.0倍)であるため不適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- 長距離ケーブルは大容量の対地静電容量を持つため、並列リアクトルを接続して充電電流を打ち消すことで電源容量を軽減でき適切です。
- 選択肢 ニ不正解
- 高電圧印加による絶縁破壊や危険を避けるため、試験の前後には1000V以上の絶縁抵抗計で測定および残留電荷の放電確認を行う必要があり適切です。
覚えるポイント
- 直流での絶縁耐力試験電圧は交流試験電圧の2倍(最大使用電圧の3倍)
間違えやすいところ
- 最大使用電圧の1.5倍と混同して直流倍率を1.5倍と誤認しやすい
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第15条(高圧電路の絶縁耐力)
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp)
D種接地工事の技術基準
接地工事・保安 · D種接地工事 / 接地抵抗値 / みなし接地
「電気設備の技術基準の解釈」において、D種接地工事に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
D種接地工事の接地抵抗値の原則は100Ω以下です(0.5秒以内に遮断する漏電遮断器を設ける場合は500Ω以下に緩和)。また、金属体と大地との間の電気抵抗値がその基準値(100Ω以下)であれば接地工事を施したものとみなす規定があります。10Ω以下はC種接地工事の原則値等です。
解き方
- D種接地工事の規定基準値(原則100Ω以下、漏電遮断器連動時500Ω以下)を確認する。
- 大地との間の電気抵抗値による「みなし接地」規定を調べ、D種接地の基準値は100Ω以下であり、10Ω以下ではないことからイが誤りであると特定する。
- 選択肢 イ正解
- D種接地工事を施したものとみなす基準は大地との間の電気抵抗値が100Ω以下(緩和時500Ω以下)であり、10Ω以下ではないため誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- 低圧電路で地絡を生じた際に0.5秒以内に自動遮断する装置を施設する場合、接地抵抗値は500Ω以下に緩和されるため適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- D種接地工事の接地抵抗値の原則規定は100Ω以下であるため適切です。
- 選択肢 ニ不正解
- 接地線は地絡事故等の故障時に発生する電流を安全に通じることができる十分な太さと強度を持つ必要があるため適切です。
覚えるポイント
- D種接地の接地抵抗値は原則100Ω以下(0.5秒以内遮断で500Ω以下)
間違えやすいところ
- A種・C種の接地抵抗値10Ω以下とD種の100Ω以下を混同しやすい
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第17条(接地工事の種類及び施設方法)、第29条
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
平均力率の算出に必要な計器
電気計測・制御 · 平均力率 / 電力量計 / 無効電力量計
需要家の月間などの1期間における平均力率を求めるのに必要な計器の組合せとして、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
ある一定期間の平均力率は、期間中の総有効電力量P [kW·h] と総無効電力量Q [kvar·h] から「平均力率=有効電力量/皮相電力量=P/√(P²+Q²)」として計算されます。瞬時値を測定する電力計ではなく積算値を測定する電力量計および無効電力量計が必要です。
解き方
- 1期間における平均力率の定義式 cosθ = P / √(P² + Q²) を確認する。
- 積算された有効電力量Pを得るための「電力量計」と、積算された無効電力量Qを得るための「無効電力量計」の2つが必要であると判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 電力計は瞬時電力の測定器であり、一定期間の平均力率を算出するための無効電力量を測定できません。
- 選択肢 ロ正解
- 平均力率は有効電力量と無効電力量から算出されるため、電力量計と無効電力量計の組み合わせが正解です。
- 選択肢 ハ不正解
- 最大需要電力計は指定需要時間内の最大電力を測定する計器であり、期間全体の有効電力量を把握できません。
- 選択肢 ニ不正解
- 最大需要電力計および電力計の組み合わせでは、期間全体の有効電力量も無効電力量も得られません。
覚えるポイント
- 平均力率の計算には電力量計(有効)と無効電力量計の2つが必要
間違えやすいところ
- 瞬時力率を求める電力計・電圧計・電流計と、期間平均力率を求める電力量計を混同しやすい
出題の前提:高圧受電設備規程・電力会社受電契約約款における平均力率算出基準
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
活線状態における漏えい電流の上限値
検査・測定・試験 · 漏えい電流 / 絶縁監視 / 電気設備技術基準の解釈
「電気設備の技術基準の解釈」において、停電が困難なため低圧屋内配線の絶縁性能を、使用電圧が加わった状態における漏えい電流を測定して判定する場合、使用電圧が200 Vの電路の漏えい電流の上限値[mA]として、適切なものはどれか。
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解答
ニ
解説
低圧電路の絶縁性能は原則として絶縁抵抗測定により確認しますが、停電が困難な場合には使用電圧が加わった状態(活線状態)での漏えい電流測定により判定することが認められており、その場合の基準値は電路の使用電圧に関わらず「1 mA以下」です。
解き方
- 停電困難時における低圧電路の絶縁性能判定基準(解釈第14条)を確認する。
- 電路の使用電圧(100V、200V等)に関わらず、漏えい電流による判定基準の上限値は一律1.0 mA以下であることからニを選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 対地電圧150V以下の絶縁抵抗値基準0.1 MΩを想起させる数値ですが、漏えい電流の上限値としては誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- 使用電圧300V以下(対地電圧150V超)の絶縁抵抗値基準0.2 MΩの数値を模した選択肢であり、漏えい電流基準ではありません。
- 選択肢 ハ不正解
- 使用電圧300V超の絶縁抵抗値基準0.4 MΩの数値を模した選択肢であり、漏えい電流基準ではありません。
- 選択肢 ニ正解
- 技術基準の解釈において、使用電圧が加わった状態での漏えい電流による判定基準は1 mA以下と規定されているため適切です。
覚えるポイント
- 活線測定での漏えい電流判定基準は電圧によらず1 mA以下
間違えやすいところ
- 絶縁抵抗値の基準(0.1MΩ、0.2MΩ、0.4MΩ)の数値と混同しやすい
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第14条(電路の絶縁性能)
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
第一種電気工事士の作業範囲
電気関係法規 · 電気工事士法 / 作業範囲 / 自家用電気工作物
「電気工事士法」において、第一種電気工事士免状の交付を受けている者でなければ従事できない作業はどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
電気工事士法における自家用電気工作物の工事規制は「最大電力500 kW未満の需要設備」に限定されます。500 kW以上の設備、発電所、変電所などの電気工作物は電気工事士法の対象外(電気事業法の主任技術者による自主保安体制)となります。また、電線管に電線を収める作業は資格が必要な電気工事作業に該当します。
解き方
- 電気工事士法が適用される自家用電気工作物の範囲(最大電力500 kW未満の需要設備)を確認する。
- 各選択肢の設備規模・種類を比較し、イ(800kW)、ロ(発電所)、ニ(変電所)は電気工事士法の適用対象外であることを確認する。
- ハは最大電力400 kWの需要設備(500 kW未満)であり、ケーブルを電線管に収める作業は工事作業に該当するため、第一種電気工事士免状が必要であると判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 最大電力500 kW以上の需要設備は電気工事士法の適用対象外となるため誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- 発電所内の電気工作物は電気工事士法の適用対象外となるため誤りです。
- 選択肢 ハ正解
- 最大電力500 kW未満の自家用需要設備における配管への電線収容作業は、第一種電気工事士でなければ従事できない作業であるため適切です。
- 選択肢 ニ不正解
- 変電所内の電気工作物は電気工事士法の適用対象外となるため誤りです。
覚えるポイント
- 第一種電気工事士の自家用範囲は「最大電力500 kW未満の需要設備」
間違えやすいところ
- 発電所や変電所、500kW以上の大容量設備も第一種電気工事士の対象と誤認しやすい
出題の前提:電気工事士法 第2条、第3条、電気工事士法施行令 第1条
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
一般用電気工作物の調査義務
電気関係法規 · 電気事業法 / 一般用電気工作物 / 調査義務
「電気事業法」において、電線路維持運用者が行う一般用電気工作物の調査に関する記述として、不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
電気事業法第57条に基づき、電線路維持運用者(一般送配電事業者等)は、その供給する一般用電気工作物が設置されたとき、変更工事があったとき、および定期(4年に1回以上)に、技術基準に適合しているかを調査する義務があります。この業務は登録調査機関への委託が可能です。
解き方
- 電気事業法に基づく一般用電気工作物の調査義務(設置時・変更時調査および定期調査)の要件を確認する。
- 設置の完了時には必ず調査を実施しなければならないため、「調査が行われなかった」とする選択肢ニが不適切であることを導く。
- 選択肢 イ不正解
- 定期調査は省令により4年に1回以上実施することが義務付けられているため適切です。
- 選択肢 ロ不正解
- 登録点検業務受託法人が点検を行っている工作物であっても、電線路維持運用者の法的な調査義務は免除されないため適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- 電線路維持運用者は、経済産業大臣等の登録を受けた登録調査機関に調査業務を委託できるため適切です。
- 選択肢 ニ正解
- 電気工作物が設置されたとき(または変更時)は遅滞なく調査を行わなければならないため、「調査が行われなかった」とする記述は不適切です。
覚えるポイント
- 一般用電気工作物の調査義務は「設置時・変更時」と「定期(4年に1回以上)」
間違えやすいところ
- 設置時の調査義務は不要で定期調査のみと勘違いしやすい
出題の前提:電気事業法 第57条(調査の義務)、電気事業法施行規則 第96条
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
電気工事業法における義務と規定
電気関係法規 · 電気工事業法 / 主任電気工事士 / 帳簿保存 / 標識の掲示
「電気工事業の業務の適正化に関する法律(電気工事業法)」において、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
電気工事業法では、主任電気工事士の指示遵守義務(第22条)、標識の掲示義務(第25条、営業所および施工場所ごとに掲示)、帳簿の作成および5年間の保存義務(第26条)、電気用品安全法の表示のない用品の使用制限(第24条)などが規定されています。
解き方
- 電気工事業法における標識掲示、帳簿保存期間、使用用品の制限、および主任電気工事士の指示権限に関する条文を確認する。
- イ(PSE未表示品の使用不可)、ロ(施工場所への標識掲示は工期に関わらず必須)、ハ(帳簿保存は5年間)の誤りを排除し、ニが法規定に適合していると判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 電気工事業者はPSEマーク等の表示が付されていない電気用品を電気工事に使用してはならないため誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- 電気工事業者は、営業所および電気工事の施工場所ごとに見やすい箇所に標識を掲げる義務があり、工期にかかわらず掲示が必要なため誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 電気工事業者は業務に関する帳簿を作成し、閉鎖後5年間保存しなければならないため、3年で廃棄することはできず誤りです。
- 選択肢 ニ正解
- 一般用電気工事の作業に従事する者は、主任電気工事士がその職務を行うために行う正当な指示に従う義務が法に定められており正しいです。
覚えるポイント
- 電気工事業法に基づく帳簿の保存期間は「5年間」
間違えやすいところ
- 帳簿の保存年数を3年間と誤認しやすい
出題の前提:電気工事業の業務の適正化に関する法律 第22条、第24条、第25条、第26条
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧受電設備のケーブル端末処理に使用しない工具
配線図 · ケーブル端末処理 / 工事用工具
高圧受電設備の単線結線図において、①に示す引込用高圧ケーブルの端末処理を行う作業に直接不要な工具はどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
高圧架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CVTケーブル等)の端末処理では、被覆を剥ぎ取るための電工ナイフやストリッパ、端末処理材の熱収縮チューブを収縮させるためのヒートガン、太径用圧縮器などを使用します。小勢力回路や一般屋内低圧配線で用いる小型リングスリーブ用圧着工具は不要です。
解き方
- 写真に示された各工具の用途(イ:ストリッパ、ロ:電工ナイフ、ハ:屋内配線用小型圧着工具、ニ:ヒートガン)を確認する。
- 高圧ケーブルの端末処理工程(シース剥ぎ、絶縁体剥ぎ、端末処理材の加熱収縮など)と照合し、工程に関与しない小型圧着工具を除外する。
- 選択肢 イ不正解
- ケーブルストリッパは、ケーブルの絶縁体や被覆を一定長均一に剥ぎ取るために使用されます。
- 選択肢 ロ不正解
- 電工ナイフは、シースやテープ類の切断、絶縁体の鉛筆削り加工等で端末処理の基本工具として使用されます。
- 選択肢 ハ正解
- 小型の圧着工具は低圧の屋内配線(VVF用リングスリーブ等)に用いられるものであり、高圧ケーブルの端子圧着にはサイズが合わず不要です。
- 選択肢 ニ不正解
- ヒートガン(熱風機)は、熱収縮チューブやストレスコーン保護材を密着固定させる加熱作業に使用されます。
覚えるポイント
- 高圧端末処理にはヒートガン(加熱用)や専用のストリッパ、太線用圧着機等を使用する
間違えやすいところ
- ヒートガンをはんだごてと見間違えたり、小型圧着工具を高圧端子用工具と混同しないこと
出題の前提:高圧受電設備規程および高圧ケーブル端末処理工法
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧ケーブル端末部ストレスコーンの主たる役割
配線図 · ストレスコーン / 電位傾度緩和 / 高圧ケーブル
高圧引込ケーブルの端末処理における、②で示すストレスコーン部分の主な役割として、適切なものはどれか。
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解答
ロ
解説
高圧電力ケーブルは導体と外部の金属遮へい層との間に等電位面が形成されています。端末処理で遮へい層を切り取るとその端部に電気力線が集中し、急激な電位傾度(電界集中)が生じて沿面放電や絶縁破壊に至るおそれがあります。これを防ぐために遮へい層端部の形状を滑らかに広げるストレスコーンを配置して電界を緩和します。
解き方
- 高圧ケーブル端末処理における遮へい層切断部の電界集中現象を想起する。
- ストレスコーンの機能が「遮へい層端部の電界集中(電位傾度)の緩和」であることを選択肢から見出す。
- 選択肢 イ不正解
- 端末部の保護効果は副次的にありますが、主目的は電気的な電界緩和であり機械的強度の補強ではありません。
- 選択肢 ロ正解
- 遮へい層が途切れる端部の電界集中を緩和(電位傾度を緩和)することがストレスコーン本来の目的です。
- 選択肢 ハ不正解
- ストレスコーンは静電界を整える部材であり、電流の不平衡を平衡化する機能はありません。
- 選択肢 ニ不正解
- 高調波電流の吸収を行うものではなく、高調波対策には交流リアクトルやフィルタ等が用いられます。
覚えるポイント
- ストレスコーン=遮へい層端部の電界集中(電位傾度)の緩和
間違えやすいところ
- 機械的な保護や防水が主目的であると誤解しやすい点に注意
出題の前提:電気設備技術基準の解釈、高圧ケーブル端末処理標準仕様
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧受電設備の停電点検時における開路手順
配線図 · 開閉器の操作手順 / 停電操作 / 断路器
単線結線図中の③で示す開閉器群(ⓐ:引込開閉器、ⓑ:主母線断路器、ⓒ:負荷側断路器)において、受電設備を停電点検させるための開路操作手順として、最も不適切なものはどれか。
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解答
ロ
解説
断路器(DS)は負荷電流の遮断能力を持たないため、停電操作時は負荷側の遮断器や開閉器を切って無負荷にした状態で順次上位の開閉器・断路器を開路します。基本順序は「負荷側から電源側へ(ⓒ→ⓑ→ⓐ)」です。電源側の引込開閉器ⓐを先に切る手順(イ)は無負荷化されているため最悪のアーク事故は回避できますが、ⓑを負荷遮断前に開路する「ⓑ→ⓐ→ⓒ」は断路器による負荷電流遮断となり極めて危険です。
解き方
- 停電操作の鉄則「負荷側から電源側へ順次開路する(正常順序:ⓒ→ⓑ→ⓐ)」を確認する。
- 断路器ⓑが負荷電流通電中に開路される手順を危険視し、ⓑを最初に開く「ロ(ⓑ→ⓐ→ⓒ)」が最も不適切と判定する。
- 選択肢 イ不正解
- 負荷遮断前に電源側の負荷開閉器ⓐで一括開放した後にⓑ、ⓒを開く手順は、断路器でアークを切る危険は避けられるため最悪ではありません。
- 選択肢 ロ正解
- 負荷に電流が流れている状態で断路器ⓑを最初に開路すると、激しいアークが発生して相間短絡事故を引き起こすため最も不適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- 負荷側ⓒを無負荷にした後に上位側を開路しているため、断路器で負荷電流を切る危険はありません。
- 選択肢 ニ不正解
- 負荷側から電源側へ順番に開路する「ⓒ → ⓑ → ⓐ」は停電操作の最も標準的かつ安全な基本手順です。
覚えるポイント
- 停電操作は「負荷側から電源側へ」、送電操作は「電源側から負荷側へ」
間違えやすいところ
- 断路器(DS)はアーク消弧能力がなく負荷電流を遮断できないことを忘れて手順を誤るミスが多い
出題の前提:高圧受電設備規程、電気安全作業指針
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
計器用変圧器(VT)一次側限流ヒューズの主目的
配線図 · 計器用変圧器 / 限流ヒューズ / 事故波及防止
単線結線図中の④で示す計器用変圧器(VT)の一次側に設ける高圧限流ヒューズを使用する主な目的はどれか。
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解答
ロ
解説
計器用変圧器(VT)の一次側に設置される高圧ヒューズは、負荷機器への保護ではなく、VT自身の絶縁破壊や内部短絡事故が発生した際に瞬時に事故回路を高圧母線から切り離し、受電点や主回路への短絡事故波及(波及事故)を防止することを目的としています。
解き方
- 単線結線図の④がVT一次側に直列に挿入された高圧限流ヒューズ(PF)であることを把握する。
- 計器用変圧器は容量が小さく過負荷保護ではなく、自身が短絡した際の母線保護・波及防止のためにヒューズを設ける技術基準・規程を確認する。
- 選択肢 イ不正解
- 雷サージからの保護は避雷器(LA)の役割であり、限流ヒューズの目的ではありません。
- 選択肢 ロ正解
- VT内部短絡時に大電流を高速遮断し、高圧受電母線や上位系統への事故波及を防ぐのが主目的です。
- 選択肢 ハ不正解
- VTの負荷は計器類のみで容量が極めて小さく、過負荷保護を主目的としてヒューズを選定することはありません。
- 選択肢 ニ不正解
- 欠相を防止・検出する機器ではなく、三相の短絡保護を目的としています。
覚えるポイント
- VT一次側ヒューズ=内部事故時の主回路(母線)への事故波及防止
間違えやすいところ
- VT二次側の過負荷保護や雷保護と取り違えないこと
出題の前提:高圧受電設備規程、JIS C 4620
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
電圧計切換スイッチ(VS)の器具外観
配線図 · 電圧計切換スイッチ / 配線器具写真鑑別
単線結線図中の⑤(VS:電圧計切換スイッチ)に設置する機器の外観写真として、適切なものはどれか。
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解答
イ
解説
三相回路の各相間電圧を1台の電圧計で測定するために、接点を切り換えるロータリー式のカムスイッチ(電圧計切換スイッチ、VS)が用いられます。写真イは配電盤面に取り付けて各線間電圧(R-S, S-T, T-R等)を切り換えて表示するための典型的な電圧計切換スイッチの外観です。
解き方
- 単線結線図の⑤が計器用変圧器(VT)二次側から電圧計(V)に接続される「VS(電圧計切換スイッチ)」であることを読み取る。
- 選択肢の写真から回転式操作ハンドルを持つカム開閉器(VS)の外観である写真イを選択する。
- 選択肢 イ正解
- ハンドルを回して各相の線間電圧を選択・測定するカムスイッチ(電圧計切換スイッチ)の外観です。
- 選択肢 ロ不正解
- 引出形・プラグイン形の保護継電器やプラグ類であり、切換スイッチではありません。
- 選択肢 ハ不正解
- 端子台または補助器具であり、VSのスイッチ本体ではありません。
- 選択肢 ニ不正解
- 押しボタン式の操作スイッチ(PB)であり、線間電圧を選択するVSではありません。
覚えるポイント
- VS(電圧計切換スイッチ)およびAS(電流計切換スイッチ)はカムスイッチ
間違えやすいところ
- 押しボタンスイッチ(ニ)や継電器(ロ)と形状を混同しないようにする
出題の前提:JIS C 0617 配線図記号、高圧受電設備盤構成機器
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
配線図記号(試験用端子)の名称
配線図 · 試験用端子 / VTT / 図記号
単線結線図中の⑥で示す図記号の器具名称として、正しいものはどれか。
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解答
ハ
解説
計器用変成器回路において、現場でのリレー試験や計器校正試験を容易に行うために試験用端子(テストターミナル)が設置されます。計器用変圧器(VT)二次側の電圧回路に挿入されるものを試験用端子(電圧端子:VTT)、変流器(CT)二次側の電流回路に挿入されるものを試験用端子(電流端子:CTT)と呼びます。
解き方
- 単線結線図の⑥が計器用変圧器(VT)から電圧計(V)へ向かう電圧回路に配置されていることを確認する。
- 端子台状の記号に斜線が引かれた形状が試験用端子であり、電圧回路であることから「試験用端子(電圧端子)」と特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 試験用端子(電流端子:CTT)は変流器(CT)二次側の回路(CTとAの間)に設置されます。
- 選択肢 ロ不正解
- 切換スイッチではなく、定期点検・試験時に測定器を接続するための端子です。
- 選択肢 ハ正解
- VT二次側の電圧回路に直列・並列に試験器を割り込ませるための試験用端子(電圧端子:VTT)です。
- 選択肢 ニ不正解
- 電圧切換スイッチは丸に「VS」と表記される器具であり、本記号は試験用端子です。
覚えるポイント
- VT回路にあるのが試験用端子(電圧端子:VTT)、CT回路にあるのが試験用端子(電流端子:CTT)
間違えやすいところ
- 電流回路用のCTTと電圧回路用のVTTの挿入箇所を取り違えやすい
出題の前提:JIS C 0617 電気用図記号
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.15 ↗(www.shiken.or.jp)
避雷器(LA)の図記号
配線図 · 避雷器 / LA / 図記号
単線結線図中の⑦に設置する機器(避雷器:LA)として、一般的に使用されるものの図記号はどれか。
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解答
ハ
解説
受電点の直下など主母線に接続され接地へ流す位置(⑦)には、雷サージ等の異常過電圧を大地に逃がして機器を保護する避雷器(LA)が設置されます。JIS C 0617等における避雷器(サージアレスタ)の図記号は、長方形などの非線形抵抗素子(バリスタ等)に矢印が付加された、または接地端子と組み合わされたシンボル(ハ)で表されます。
解き方
- 配線図の⑦が高圧受電母線と接地極の間に位置することから、避雷器(LA)であることを特定する。
- 選択肢の中で避雷器(サージアレスタ)を表す図記号(ハ)を選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 開閉機構や別形式の断路機能を表すシンボルであり、標準的な避雷器記号ではありません。
- 選択肢 ロ不正解
- 接地開閉器(ES)などに類似した記号であり、避雷器ではありません。
- 選択肢 ハ正解
- 避雷器(サージアレスタ:LA)を示すJIS標準の図記号です。
- 選択肢 ニ不正解
- 単純なギャップ放電管等の記号であり、受電設備に用いられる避雷器の記号ではありません。
覚えるポイント
- 高圧主母線から接地線に抜ける⑦の位置は避雷器(LA)
間違えやすいところ
- 接地開閉器(ES)やコンデンサ用開閉器の記号と見誤らないようにする
出題の前提:JIS C 0617(電気用図記号)、内線規程、高圧受電設備規程
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.15 ↗(www.shiken.or.jp)
限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器(LBS)の機器名称
配線図 · LBS / 高圧交流負荷開閉器 / 限流ヒューズ
単線結線図中の⑧で示す機器の名称として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
LBS(Load Break Switch)は通常時の負荷電流を開閉できる負荷開閉器です。LBS自体には大きな短絡電流を遮断する能力がないため、直列に限流ヒューズ(PF)を組み合わせて短絡事故保護を行わせる「限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器」が変圧器や進相コンデンサの一次側開閉・保護用として広く使用されます。
解き方
- 単線結線図の⑧にある文字表記が「LBS」であり、直列に限流ヒューズの記号が描かれていることを読み取る。
- LBSが「高圧交流負荷開閉器」であることから、「限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器」を正解と判定する。
- 選択肢 イ不正解
- 高圧交流遮断器(CB:真空遮断器VCBなど)は通常「CB」または「VCB」と表され、LBSとは異なります。
- 選択肢 ロ不正解
- 高圧カットアウトは一般に「PC」と表記され、図中の単相変圧器一次側などに使われるものです。
- 選択肢 ハ正解
- LBSはLoad Break Switchの略であり、限流ヒューズと組み合わせた「限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器」を表します。
- 選択肢 ニ不正解
- 断路器(DS)は無負荷時のみ開閉可能な機器であり、LBSとは別物です。
覚えるポイント
- LBS=Load Break Switch(高圧交流負荷開閉器)、PF=限流ヒューズ
間違えやすいところ
- PC(プライマリーカットアウトスイッチ)やCB(遮断器)と文字略号を取り違えるミスが多い
出題の前提:JIS C 4605(高圧交流負荷開閉器)、JIS C 0617
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.15 ↗(www.shiken.or.jp)
低圧CVTケーブルの構造と断面図の識別
配線図 · CVTケーブル / 低圧ケーブルの構造 / 高圧ケーブルとの違い
配線図の⑨で示す変圧器二次側から動力制御盤へ至る配線に使用されるCVTケーブルの断面構造として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
CVTケーブルはトリプレックス形架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルの略称で、単心CVケーブル3本を撚り合わせた形状を持ちます。600V以下の低圧回路用では電界強度が低いため半導電層や遮へい層(銅シールド)を設けず、導体・絶縁体・シースの基本構成となります。
解き方
- 配線図⑨の位置を確認し、受電用変圧器の二次側から動力制御盤へ至る低圧(三相200V級)回路であることを把握する。
- 低圧用CVTケーブルは単心3本撚り合わせ構造であり、高圧用と異なり銅シールドや半導電層を持たない構造図(ニ)を正答として特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 各心に内部・外部半導電層や銅シールドが施されているため、高圧用のトリプレックス形架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(高圧CVT)の断面図です。
- 選択肢 ロ不正解
- 共通のビニルシース内に遮へい層付きの3心が収められているため、高圧3心架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(高圧CV)の断面図です。
- 選択肢 ハ不正解
- ビニル絶縁体の上に共通のビニルシースを施した丸形ビニル絶縁ビニルシースケーブル(VVRケーブル)の断面図です。
- 選択肢 ニ正解
- 導体を架橋ポリエチレンで絶縁しビニルシースを施した単心ケーブル3本を撚り合わせた構造であり、低圧CVTケーブルとして適切です。
覚えるポイント
- 低圧CVTは「導体+架橋ポリエチレン+シース」の3本撚り合わせであり遮へい層を持たない。
間違えやすいところ
- 高圧CVTに必須の銅シールドや半導電層が低圧用にもあると勘違いしてイを選んでしまうミス。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈、JIS C 3605(600Vポリエチレンケーブル)
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.15 ↗(www.shiken.or.jp)
スターデルタ始動器と電動機間の必要電線本数
配線図 · スターデルタ始動器 / 三相誘導電動機 / 電線本数
配線図の⑩で示す動力制御盤内(スターデルタ始動器を内蔵)から三相誘導電動機に至る配線で、必要とする電線本数(心線数)はいくつか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
三相かご形誘導電動機のスターデルタ始動では、始動時に固定子巻線をスター結線にして始動電流を直入れ時の3分の1に抑え、回転数が上がった後にデルタ結線へ切り替えます。この切替え操作を制御盤側で行うため、電動機の3相各巻線の始端と終端(U-X, V-Y, W-Zの計6端子)からそれぞれ線を引き出す必要があります。
解き方
- 配線図⑩の動力制御盤内に描かれたY-Δの図記号から、スターデルタ始動方式の回路であることを読み取る。
- スターデルタ始動方式において電動機巻線の切替えを盤内で行うには、3相巻線の両端計6端子を盤と接続するため電線本数は6本必要であると算出する。
- 選択肢 イ不正解
- 3本は全電圧始動(じか入れ始動)の場合の電線本数であり、制御盤内でスターデルタ切替えを行う本回路には不足します。
- 選択肢 ロ不正解
- 4本は三相4線式回路などの本数であり、スターデルタ始動回路の巻線引出線数としては不適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- 5本はスターデルタ始動に必要な各相両端子の接続条件を満たさないため誤りです。
- 選択肢 ニ正解
- スターデルタ始動器から電動機の各巻線端子(6端子分)へ個別に接続するため、電線本数は6本が必要です。
覚えるポイント
- 盤内にスターデルタ始動器(Y-Δ)がある場合、電動機への配線本数は必ず6本になる。
間違えやすいところ
- 通常の三相3線式電動機配線(3本)と思い込んでイを選んでしまうミス。
出題の前提:内線規程、電気設備の技術基準の解釈
出典:電気技術者試験センター『令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.15 ↗(www.shiken.or.jp)
令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】
参照した公式資料
電気技術者試験センターが公開した令和4年度第一種電気工事士筆記試験【午前】の問題・解答資料です。

