学科(旧称:筆記)の問題と公式解答を種別・年度・期・午前午後で区別しています。CBTの出題例は過去の筆記試験とは別種別です。技能の課題は学科と分けて収録しています。
令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】の概要
クーロンの法則による静電気力の比例関係
電気理論 · クーロンの法則 / 静電気力 / 電磁気学
真空中または空気中において、距離 r [m] 離れた2つの点電荷 +Q [C] と -Q [C] の間に働く静電気力(クーロン力)F [N] の大きさが何に比例するかを問う問題である。
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解答
ハ
解説
クーロンの法則によれば、2つの点電荷間に働く静電気力の大きさは、両電荷の電気量の積に比例し、電荷間の距離の2乗に反比例します。符号が異なる電荷同士には吸引力(引き合う力)が働きます。
解き方
- クーロンの法則の基本公式 F = k × (|q1・q2| / r^2) を確認する。
- 与えられた点電荷の大きさ |q1| = Q、|q2| = Q を代入すると、力の大きさは F = k × (Q^2 / r^2) となる。
- したがって、力 F は Q^2 / r^2 に比例することが導かれる。
- 選択肢 イ不正解
- 分子の電荷の積が Q ではなく Q^2 となるため誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- 分子が Q^2 でなく、分母も距離の2乗 r^2 に反比例していないため誤りです。
- 選択肢 ハ正解
- クーロンの法則より、力 F は両電荷の積 Q^2 に比例し距離の2乗 r^2 に反比例(Q^2 / r^2 に比例)するため正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 分母の距離が2乗になっておらず、r の1乗になっているため誤りです。
覚えるポイント
- クーロン力は電荷の積に比例し、距離の2乗に反比例する(逆2乗の法則)。
間違えやすいところ
- 電界の強さ E = k・Q/r^2 や電位 V = k・Q/r の公式と混同して分子を Q と間違えるミスが多いです。
出題の前提:電気理論の基礎公式(クーロンの法則)に基づく出題です。
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
直流回路における並列・直列抵抗の計算
電気理論 · 直流回路 / オームの法則 / キルヒホッフの法則
直流電源電圧 90 V の回路において、4つの抵抗(すべて同じ抵抗値 R [Ω])が接続されている。図のように回路の1つの並列路に流れる電流 I3 が 12 A であるとき、抵抗 R の値 [Ω] を求める。
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解答
ロ
解説
直列回路では電流が共通で電圧は分圧され、並列回路では端子間電圧が等しく電流は各枝に分流します。オームの法則およびキルヒホッフの法則を用いて回路全体の各部電圧・電流の関係式を立てて解きます。
解き方
- 並列部分に着目すると、右側の枝(抵抗 R)に電流 I3 = 12 A が流れているため、並列回路の両端電圧は Vp = 12 × R [V] と表せる。
- 並列の中央の枝は抵抗 R が2個直列に接続されているため合成抵抗は 2R であり、流れる電流は I2 = Vp / (2R) = 12R / (2R) = 6 A となる。
- キルヒホッフの電流則より、電源から直列抵抗 R に流れる全電流は I1 = I2 + I3 = 6 + 12 = 18 A となる。
- 回路全体の電圧関係式は 90 = I1 × R + Vp = 18R + 12R = 30R となり、R = 90 / 30 = 3 Ω と求まる。
- 選択肢 イ不正解
- R = 2 Ω の場合、全電流は 18 A で全電圧降下が 18×2 + 12×2 = 60 V となり 90 V と一致しません。
- 選択肢 ロ正解
- 全電流 18 A、抵抗 R = 3 Ω とすると、直列部で 54 V、並列部で 36 V となり合計 90 V で回路条件を満たします。
- 選択肢 ハ不正解
- R = 4 Ω の場合、全電圧降下が 30 × 4 = 120 V となり 90 V と一致しません。
- 選択肢 ニ不正解
- R = 5 Ω の場合、全電圧降下が 30 × 5 = 150 V となり 90 V と一致しません。
覚えるポイント
- 同一抵抗値の並列枝では、枝の合成抵抗比の逆比で電流が分流する。
間違えやすいところ
- 直列2個の枝の抵抗値を R と誤認して電流を 12 A と同じにしてしまうミス。
出題の前提:電気理論における直流回路の合成抵抗と分流則に基づく計算問題です。
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
並列交流回路の力率の計算
配電理論 · 交流回路 / 力率 / ベクトル計算 / 並列回路
電源電圧 120 V の交流並列回路において、抵抗(8 Ω)の枝に 15 A、誘導リアクタンス(15 Ω)の枝に 8 A の電流が流れ、回路全体の電流が 17 A であるとき、この回路の力率 [%] として最も近い値を求める。
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解答
ハ
解説
並列交流回路において、端子電圧を基準ベクトルとすると、抵抗に流れる電流は電圧と同相(有効電流 IR)、リアクタンスに流れる電流は電圧と90°位相がずれた無効電流 IX となります。回路全体の力率は cosθ = IR / I(または有効電力 / 皮相電力)で定義されます。
解き方
- 回路各部の電流を確認する。抵抗枝の電流(有効成分)IR = 15 A、リアクタンス枝の電流(無効成分)IX = 8 A である。
- 全電流 I = √(IR^2 + IX^2) = √(15^2 + 8^2) = √(225 + 64) = √289 = 17 A であり、問題文の回路電流 17 A と整合することを確認する。
- 力率の定義式 cosθ = IR / I に数値を代入し、cosθ = 15 / 17 ≈ 0.882 を得る。
- 百分率表示に換算すると約 88 % となる。
- 選択肢 イ不正解
- 計算値の約 88 % と大きく乖離しているため誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- 直列回路のインピーダンス比等と混同した誤った計算結果です。
- 選択肢 ハ正解
- 有効電流 15 A を全電流 17 A で除した力率は 15/17 ≈ 0.882(88 %)となり正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 力率が過大に評価されており誤りです。
覚えるポイント
- 並列回路の力率は cosθ = 有効電流 IR / 全電流 I で直接求められる。
間違えやすいところ
- 抵抗値とリアクタンス値の比(R / Z)を使って直列回路の公式を適用してしまう誤り。
出題の前提:交流回路の並列接続における電流ベクトルおよび力率の定義に基づく出題です。
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
交流並列回路における回路電流最小の条件
配電理論 · RLC並列回路 / 共振回路 / 無効電流の相殺
交流電源に抵抗、誘導性リアクタンス、容量性リアクタンスが並列接続された回路において、回路電流 I の値が最も小さくなる各枝電流 IR、IL、IC の値の組合せを選ぶ。
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解答
ニ
解説
抵抗、コイル、コンデンサが並列に接続された交流回路では、コイルに流れる遅れ電流 IL とコンデンサに流れる進み電流 IC は互いに逆位相(180°の位相差)となります。全電流の大きさは I = √(IR^2 + (IL - IC)^2) となり、IL = IC(並列共振状態)のときに無効電流がゼロとなり全電流は最小(I = IR)になります。
解き方
- 交流並列回路における全電流の大きさの式 I = √(IR^2 + (IL - IC)^2) を確認する。
- 各選択肢の全電流を計算する。 イ:I = √(8^2 + (9 - 3)^2) = √(64 + 36) = 10 A。 ロ:I = √(8^2 + (2 - 8)^2) = √(64 + 36) = 10 A。 ハ:I = √(8^2 + (10 - 2)^2) = √(64 + 64) = √128 ≈ 11.3 A。 ニ:I = √(8^2 + (10 - 10)^2) = 8 A。
- 算出した電流値を比較すると、ニの 8 A が最も小さい。
- 選択肢 イ不正解
- 全電流は √(8^2 + 6^2) = 10 A となり、ニの 8 A より大きいため誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- 全電流は √(8^2 + (-6)^2) = 10 A となり、ニの 8 A より大きいため誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 全電流は √(8^2 + 8^2) ≈ 11.3 A となり、選択肢の中で最も大きいため誤りです。
- 選択肢 ニ正解
- IL = IC = 10 A のとき無効電流が相殺されて全電流は I = IR = 8 A となり最小となるため正しいです。
覚えるポイント
- 並列回路で電流が最小となるのは、コイルとコンデンサの電流が等しく相殺されるとき(並列共振)。
間違えやすいところ
- IL と IC を相殺ではなく足し算してしまう誤り(直列回路と並列回路の混同)。
出題の前提:RLC並列回路における合成電流ベクトルと共振条件に基づく出題です。
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.4 ↗(www.shiken.or.jp)
三相交流Δ結線回路の線電流の計算
配電理論 · 三相交流 / Δ結線 / 線電流 / インピーダンス
線間電圧 200 V の対称三相交流電源に、1相当たり抵抗 12 Ω と誘導性リアクタンス 16 Ω が直列に接続されたΔ形平衡負荷が接続されている。このときの線電流 I [A] の値として最も近いものを求める。
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解答
ハ
解説
Δ結線負荷において、各相にかかる相電圧 Vp は電源の線間電圧 V と等しくなります。1相のインピーダンスを Z とすると、相電流は Ip = Vp / Z となります。対称三相交流のΔ結線では、線電流 I は相電流 Ip の √3 倍(位相は 30° 遅れ)になります。
解き方
- 1相当たりの負荷インピーダンス Z を計算する。 Z = √(R^2 + X^2) = √(12^2 + 16^2) = √(144 + 256) = √400 = 20 Ω。
- Δ結線のため相電圧 Vp は線間電圧 200 V と等しい。相電流 Ip を求める。 Ip = Vp / Z = 200 / 20 = 10 A。
- Δ結線の線電流 I と相電流 Ip の関係式 I = √3 × Ip を用いて線電流を算出する。 I = √3 × 10 ≈ 1.732 × 10 = 17.32 A。
- 最も近い選択肢として 17.3 A を選定する。
- 選択肢 イ不正解
- 相電流 10 A を √3 で割った値(約 5.77 A)であり、Y結線と混同した誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- 相電流 Ip = 10 A そのものの値であり、線電流への変換(√3倍)をしていないため誤りです。
- 選択肢 ハ正解
- 相電流 10 A に √3 を乗じた線電流は 10√3 ≈ 17.3 A となり正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- インピーダンスの計算や線電流の換算が正しく行われておらず誤りです。
覚えるポイント
- Δ結線では線間電圧=相電圧、線電流=√3×相電流となる。
間違えやすいところ
- Δ結線なのに相電圧を 200/√3 と計算してしまう誤り。
出題の前提:対称三相交流回路におけるΔ負荷の電圧・電流関係に基づく出題です。
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.4 ↗(www.shiken.or.jp)
進み力率における三相3線式配電線の送電端電圧の計算
配電理論 · 配電線路 / 電圧降下 / 進み力率 / 送電端電圧
三相3線式高圧配電線路において、受電端電圧が 6700 V、負荷電流が 20 A、力率が 0.9(進み力率)である。配電線路の電線1線当たりの抵抗が 0.8 Ω、リアクタンスが 1.0 Ω であるとき、送電端の線間電圧 [V] として最も近い値を求める。ただし、cosθ = 0.9、sinθ = 0.436 とし、適切な近似式を用いるものとする。
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解答
ロ
解説
三相3線式配電線路における線間電圧降下の近似式は、遅れ力率では ΔV = √3・I・(r cosθ + x sinθ) ですが、進み力率では無効電流成分の位相が逆転するため ΔV = √3・I・(r cosθ - x sinθ) となります。送電端電圧 Vs は受電端電圧 Vr にこの電圧降下 ΔV を加えることで求められます。
解き方
- 進み力率における1線当たりの電圧降下成分を計算する。 r cosθ - x sinθ = 0.8 × 0.9 - 1.0 × 0.436 = 0.72 - 0.436 = 0.284 Ω。
- 三相3線式の線間電圧降下 ΔV を計算する。 ΔV = √3 × I × (r cosθ - x sinθ) = √3 × 20 × 0.284 = 5.68 × 1.732 ≈ 9.84 V。
- 送電端線間電圧 Vs を受電端線間電圧 Vr と電圧降下 ΔV の和として求める。 Vs = Vr + ΔV = 6700 + 9.84 ≈ 6709.8 V。
- 四捨五入して最も近い値である 6710 V を選定する。
- 選択肢 イ不正解
- 電圧降下をまったく考慮していない値(受電端電圧と同じ)であるため誤りです。
- 選択肢 ロ正解
- 進み力率の電圧降下近似式を適用して計算した送電端電圧 6709.8 V に最も近いため正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 計算結果と大きく異なっており誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 遅れ力率として過大に計算した場合の数値よりもさらに大きく誤りです。
覚えるポイント
- 進み力率の電圧降下式は、リアクタンス項の符号がマイナス(r cosθ - x sinθ)になる。
間違えやすいところ
- 遅れ力率の公式(r cosθ + x sinθ)を使ってしまい、符号をプラスにして計算するミス。
出題の前提:三相配電線路の電圧降下近似式(進み力率時)に基づく出題です。
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.4 ↗(www.shiken.or.jp)
配電線路の電力損失を最小にする進相コンデンサ容量の計算
配電理論 · 電力損失 / 力率改善 / 進相コンデンサ / 無効電力
三相電源から、三相負荷(定格電圧 200 V、定格消費電力 20 kW、遅れ力率 0.8)に電気を供給する配電線路がある。配電線路の電力損失を最小とするために必要な進相コンデンサの容量 [kvar] を求める。ただし、電源電圧および負荷インピーダンスは一定とし、配電線路の抵抗は1線当たり 0.1 Ω、リアクタンスは無視できるものとする。
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解答
ロ
解説
配電線路の電力損失は PL = 3・I^2・r で表され、線路電流 I の2乗に比例します。有効電力が一定の負荷に並列にコンデンサを接続して力率を改善すると、無効電流が打ち消されて線路電流 I が減少します。電流 I が最小となるのは総合力率が 1.0(無効電流がゼロ)のときであるため、負荷の遅れ無効電力を完全に相殺する容量のコンデンサを設置すれば線路損失は最小になります。
解き方
- 線路損失を最小化する条件は、線路電流 I が最小となる総合力率 cosθ' = 1.0 であることを確認する。
- 負荷の有効電力 P = 20 kW、力率 cosθ = 0.8 より、sinθ = √(1 - 0.8^2) = 0.6 を求める。
- 負荷の遅れ無効電力 Q を計算する。 Q = P × tanθ = P × (sinθ / cosθ) = 20 × (0.6 / 0.8) = 20 × 0.75 = 15 kvar。
- 力率を 1.0 に改善するために必要なコンデンサ容量 Qc は、負荷の遅れ無効電力 Q と等しいので Qc = 15 kvar と求まる。
- 選択肢 イ不正解
- 容量が不足しており、力率が 1.0 にならず線路損失が最小になりません。
- 選択肢 ロ正解
- 負荷の遅れ無効電力 15 kvar をすべて打ち消して総合力率を 1.0 にし、線路電流・電力損失を最小にするため正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 有効電力の値 20 kW と混同した数値であり誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 皮相電力 S = 20 / 0.8 = 25 kV・A の数値と混同した誤りです。
覚えるポイント
- 線路損失最小 = 線路電流最小 = 力率 1.0 に改善(無効電力をゼロにする)。
間違えやすいところ
- コンデンサ容量として皮相電力 25 kVA や有効電力 20 kW をそのまま選んでしまう誤り。
出題の前提:力率改善による配電線路損失低減の計算理論に基づく出題です。
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
百分率インピーダンスから求める三相短絡電流の計算式
配電理論 · 短絡電流 / 百分率インピーダンス / 基準容量 / 高圧受電設備
線間電圧 V [kV] の三相配電系統において、受電点からみた電源側の百分率インピーダンス(%インピーダンス)が Z [%](基準容量:10 MV・A)であったとき、受電点における三相短絡電流 [kA] を示す式を選ぶ。
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解答
ハ
解説
百分率インピーダンス(%Z)法において、基準容量を Pn [MV・A]、基準線間電圧を V [kV] とすると、基準定格電流は In = Pn / (√3・V) [kA] となります。三相短絡電流 Is [kA] は定格電流と%Zを用いて Is = (100 / %Z)・In で表されます。
解き方
- 基準容量 Pn = 10 MV・A = 10 × 10^3 kV・A、線間電圧 V [kV] における基準電流 In [kA] の式を立てる。 In = Pn / (√3 × V) = 10 / (√3 × V) [kA]。
- 三相短絡電流 Is [kA] と百分率インピーダンス Z [%] の関係式 Is = (100 / Z) × In を適用する。
- In を代入して整理する。 Is = (100 / Z) × (10 / (√3 × V)) = 1000 / (√3 × V × Z) [kA]。
- 導出された式と一致する選択肢ハを選定する。
- 選択肢 イ不正解
- Z が分子にあり、分母の √3 の配置も誤っているため不適切です。
- 選択肢 ロ不正解
- 分母に三相交流を表す √3 が抜けているため誤りです。
- 選択肢 ハ正解
- Is = (100 / Z) × (10 / (√3 V)) = 1000 / (√3 V Z) と正しく導出されているため正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- Z が分子にあり、√3 や 100 の倍率が正しく反映されていないため誤りです。
覚えるポイント
- 三相短絡電流 Is = (100 / %Z) × In。三相基準電流 In = Pn / (√3 V)。
間違えやすいところ
- 三相回路の定格電流計算で √3 を忘れて単相の式にしてしまうミス(ロを選びやすい)。
出題の前提:高圧受電設備等の短絡容量・短絡電流計算における%Z法公式に基づく出題です。
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
直列リアクトル付き高圧進相コンデンサ回路の無効電力
電気理論 · 進相コンデンサ / 直列リアクトル / 三相交流回路 / 無効電力
図のように、線間電圧 V [V] の三相3線式交流電源に、各相のリアクタンスが X_L [Ω] の直列リアクトルと、各相のリアクタンスが X_C [Ω] でΔ結線された高圧進相コンデンサが接続されている。この回路全体の無効電力(設備容量)[var] を示す式として、正しいものを1つ選びなさい。ただし、X_L < X_C とする。
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解答
イ
解説
三相交流回路において、Δ結線の容量リアクタンス X_C と直列に接続された直列リアクトル X_L の回路全体の無効電力を求める際、1相あたりの線間換算リアクタンスの差 (X_C - X_L) を用いて設備容量 Q = V^2 / (X_C - X_L) として表されます。
解き方
- Δ結線の各相コンデンサリアクタンス X_C と直列リアクトルリアクタンス X_L に対し、端子電圧 V における合成等価リアクタンスを整理します。
- 合成リアクタンス X = X_C - X_L より、回路全体の無効電力(設備容量)Q = V^2 / (X_C - X_L) を導き出します。
- 選択肢 イ正解
- リアクトルとコンデンサのリアクタンスの差から生じる合成リアクタンスに対する無効電力を表しており、正しい式です。
- 選択肢 ロ不正解
- 分母がリアクタンスの和 (X_C + X_L) となっており、誘導性と容量性が打ち消し合う関係に反するため誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 分子の次元が電圧の2乗ではなく無効電力の単位 [var] に一致しないため誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 分子が線間電圧 V の1乗となっており、電流の次元を表す式になっているため誤りです。
覚えるポイント
- 直列リアクトルを挿入したコンデンサ回路の無効電力容量の式は Q = V^2 / (X_C - X_L) です。
間違えやすいところ
- 直列リアクトルによってコンデンサ端子電圧が上昇し、無効電力の分母が (X_C - X_L) となる減算関係を足し算と混同しないように注意します。
出題の前提:電気設備の基礎理論に基づく標準的な三相交流計算問題です。
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
三相かご形誘導電動機の始動方法
電気機器 · 誘導電動機 / かご形誘導電動機 / 巻線形誘導電動機 / 始動法
三相かご形誘導電動機の始動方法として、用いられないものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
三相誘導電動機にはかご形と巻線形があります。かご形は回転子構造が単純で二次回路が閉塞しているため一次側から電圧を制御して始動しますが、巻線形はスリップリングを介して二次側に可変外部抵抗を接続し、比例推移を利用して始動トルクを増大させつつ始動電流を抑える二次抵抗法が適用されます。
解き方
- 各選択肢の始動法が一次側制御か二次側制御かを分類します。
- 全電圧、スターデルタ、リアクトル始動は一次側からの始動法でかご形に適用可能ですが、二次抵抗始動は巻線形専用であることを確認します。
- 選択肢 イ不正解
- 全電圧始動(じか入れ始動)は小容量のかご形誘導電動機で標準的に用いられる方法です。
- 選択肢 ロ不正解
- スターデルタ始動は、一次巻線をスター結線で始動後にデルタ結線へ切り替える、かご形誘導電動機の代表的な減電圧始動法です。
- 選択肢 ハ不正解
- リアクトル始動は、一次側に直列にリアクトルを挿入して電圧を下げて始動するかご形誘導電動機の始動法です。
- 選択肢 ニ正解
- 二次抵抗始動は巻線形誘導電動機に特有の始動法であり、かご形誘導電動機には用いられません。
覚えるポイント
- 二次抵抗始動法(比例推移を利用)は「巻線形」三相誘導電動機にのみ用いられます。
間違えやすいところ
- 一次側に抵抗やリアクトルを挿入する減電圧始動法と、二次側(回転子側)に抵抗を挿入する二次抵抗法を混同しないようにします。
出題の前提:電気機器に関する基礎知識(JIS C 4034 等)に基づく出題です。
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
単相変圧器の負荷接続時の二次電圧計算
電気機器 · 単相変圧器 / 変成比 / オームの法則 / 理想変圧器
図のように、単相変圧器の二次側に 20 Ω の抵抗を接続して、一次側に 2000 V の電圧を加えたところ、一次側に 1 A の電流が流れた。このときの単相変圧器の二次電圧 V_2 [V] の値として、正しいものを1つ選びなさい。ただし、巻線の抵抗や損失は無視できるものとする。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
理想変圧器では入出力電力(有効電力および皮相電力)が等しく保持されます(V_1 * I_1 = V_2 * I_2)。二次側の負荷抵抗 R に対し二次電力は V_2^2 / R と表されるため、一次入力電力と等置することで二次電圧を算出できます。
解き方
- 一次入力電力 P_1 を計算します: P_1 = V_1 * I_1 = 2000 V * 1 A = 2000 W。
- 変圧器の損失は無視できるため、二次側消費電力 P_2 = P_1 = 2000 W と置きます。
- 二次電圧 V_2 と抵抗 R = 20 Ω の関係式 P_2 = V_2^2 / 20 より、V_2^2 = 40000、V_2 = 200 V を導出します。
- 選択肢 イ不正解
- 50 V の場合、二次電力は 50^2 / 20 = 125 W となり一次入力 2000 W と一致しません。
- 選択肢 ロ不正解
- 100 V の場合、二次電力は 100^2 / 20 = 500 W となり一次入力 2000 W と一致しません。
- 選択肢 ハ不正解
- 150 V の場合、二次電力は 150^2 / 20 = 1125 W となり一次入力 2000 W と一致しません。
- 選択肢 ニ正解
- 200 V の場合、二次電力は 200^2 / 20 = 2000 W となり、一次入力電力 2000 V × 1 A = 2000 W と正確に一致します。
覚えるポイント
- 損失のない理想変圧器では、一次電力と二次電力が等しくなります(V_1 * I_1 = V_2 * I_2 = V_2^2 / R)。
間違えやすいところ
- 巻数比や電流の比を逆にして計算したり、インピーダンス比((V_1/V_2)^2)の計算ミスに注意が必要です。
出題の前提:理想変圧器の電力保存関係およびオームの法則に基づく計算です。
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
電磁調理器(IH調理器)の加熱方式
電気応用 · 電気加熱 / 誘導加熱 / IH調理器
電磁調理器(IH調理器)の加熱方式として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
交番磁界中に置かれた導体(鍋など)内部に電磁誘導により渦電流が発生し、導体の固有抵抗によってジュール熱(渦電流損)が発生する現象を利用した加熱法を誘導加熱(IH)と呼びます。
解き方
- IHが「Induction Heating(電磁誘導加熱)」の略称であることを確認します。
- 鍋そのものを渦電流損とヒステリシス損によって自己発熱させる方式であるため、誘導加熱に分類されます。
- 選択肢 イ不正解
- アーク加熱は電極間に発生するアーク放電の熱を利用する方式(アーク炉など)であり、電磁調理器の方式ではありません。
- 選択肢 ロ正解
- IH調理器は高周波磁界により鍋底に渦電流を生じさせて加熱する誘導加熱方式です。
- 選択肢 ハ不正解
- 抵抗加熱はニクロム線などの電気抵抗体に電流を流して発熱させる方式(電気コンロ、トースターなど)です。
- 選択肢 ニ不正解
- 赤外線加熱は赤外線ランプなどの放射エネルギーを利用する加熱方式です。
覚えるポイント
- IHは Induction Heating(誘導加熱)の頭文字で、高周波磁界による渦電流損を利用します。
間違えやすいところ
- 電気ヒーターを使う「抵抗加熱」やラジエントヒーターと電磁誘導加熱を混同しないようにします。
出題の前提:電気加熱工学の分類に基づく一般的な知識問題です。
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
LEDランプの特徴
電気応用 · 照明 / LEDランプ / 発光原理 / 順方向電圧
LEDランプに関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
発光ダイオード(LED)はpn接合半導体で構成され、順方向に直流電圧(数ボルト程度)を加えることで電子と正孔が再結合し、そのエネルギーが光として放出される注入型エレクトロルミネセンスを利用しています。白色LEDは青色LEDと黄色蛍光体の組み合わせなどが広く用いられます。
解き方
- LEDチップ素子単体に加える順方向電圧の一般的な動作電圧(数V程度)を確認します。
- ロの記述にある「直流100 V以上」は明らかに過大であり、家庭用電源100 Vは電源回路で数V〜数十Vの直流に降圧・整流されてLEDに供給されることを確認して誤りと判定します。
- 選択肢 イ不正解
- LEDはpn接合半導体に順方向電圧を印加して発光させる素子であり、正しい記述です。
- 選択肢 ロ正解
- LED素子の発光に必要な順方向電圧は数ボルト程度(約2〜4 V)であり、「直流100 V以上」という記述は誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 電界印加により発光する現象はエレクトロルミネセンス(EL)と呼ばれ、LEDの発光原理として正しい記述です。
- 選択肢 ニ不正解
- 青色LEDと黄色蛍光体を組み合わせて擬似白色光を得る方式は、代表的な白色LEDの実現手法であり正しい記述です。
覚えるポイント
- LEDチップ単体の順方向降下電圧(V_F)は数V程度(2〜4 V程度)です。
間違えやすいところ
- LED電球全体の定格電圧(商用AC100 V)と、LEDチップ単体に加わる順方向電圧を混同しないように注意します。
出題の前提:照明工学および半導体工学の基礎知識に基づく出題です。
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
三相誘導電動機の構造名称
電気機器 · 誘導電動機 / 回転子鉄心 / 構造部品
写真に示す三相誘導電動機のカットモデル構造において、矢印で指し示されている回転子部分の名称として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
かご形三相誘導電動機の主要構成部は、外側の固定子(固定子枠・固定子鉄心・固定子巻線)と、内側の回転子(回転子鉄心・かご形導体・回転軸)、および両端を支える軸受とブラケット(エンドプレート)から構成されます。
解き方
- 写真の断面構造から、固定子(外側)と回転子(内側で軸に固定された部分)の位置関係を確認します。
- 矢印は軸そのものではなく、軸に取り付けられた積層電磁鋼板で構成される回転子鉄心を指していることを判別します。
- 選択肢 イ不正解
- 固定子巻線は電動機外側の固定子スロット内に収められている銅線巻線です。
- 選択肢 ロ正解
- 矢印が指している円筒状の積層部分は回転子鉄心(ロータコア)です。
- 選択肢 ハ不正解
- 回転軸(シャフト)は回転子の中央を貫通している金属製の軸部です。
- 選択肢 ニ不正解
- ブラケットは電動機の両端面を覆い軸受を保持するフレーム側面板です。
覚えるポイント
- 回転軸に固定された円筒状の電磁鋼板積層体は「回転子鉄心」です。
間違えやすいところ
- 回転子鉄心とその中心を貫通する回転軸(シャフト)を混同しないように指示位置を正確に見極めます。
出題の前提:三相誘導電動機の基本構造(JIS C 4210 等)に基づく出題です。
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
電磁開閉器下部の保護機器名称
配電理論および配線設計 · 電磁開閉器 / 熱動継電器 / サーマルリレー / 過負荷保護
写真に示す機器(電磁開閉器)において、矢印で示す下部ユニットの機器の名称として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
電動機の運転制御と過負荷保護を行う電磁開閉器(MS)は、開閉動作を行う電磁接触器(MC)と、バイメタルによる過電流発熱を検知して作動する熱動継電器(サーマルリレー、THR)を組み合わせて構成されます。
解き方
- 写真全体が電磁接触器とサーマルリレーが結合された電磁開閉器であることを確認します。
- 矢印が指す調整ダイヤルやリセットボタンを備えた下部ユニットが熱動継電器であることを識別します。
- 選択肢 イ不正解
- 自動温度調節器(サーモスタット等)は対象の温度を検出して制御する機器であり該当しません。
- 選択肢 ロ不正解
- 漏電遮断器は零相変流器等を内蔵し地絡電流を検出して遮断する機器であり形状が異なります。
- 選択肢 ハ正解
- 電磁開閉器の下部に接続されて過負荷電流を検出する保護機器は熱動継電器(サーマルリレー)です。
- 選択肢 ニ不正解
- タイムスイッチは設定された時刻・時間に従って接点を開閉するタイマー機器であり異なります。
覚えるポイント
- 電磁開閉器 = 電磁接触器 + 熱動継電器(サーマルリレー)
間違えやすいところ
- 電磁開閉器全体と、矢印で指された熱動継電器単体を取り違えないように注意します。
出題の前提:制御機器および開閉器の識別に関する出題です。
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
水車の種類と適用落差
発電設備 · 水力発電 / 水車の種類 / 有効落差 / 衝動水車 / 反動水車
水力発電所の水車の種類を、適用落差の最大値の高いものから低いものの順に左から右に並べたものとして、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
水車は水流の運動エネルギーを利用する「衝動水車(ペルトン水車)」と圧力差・運動エネルギーを利用する「反動水車(フランシス水車、プロペラ水車)」に分類されます。高落差にはペルトン水車、中落差にはフランシス水車、低落差・大流量にはプロペラ水車が適用されます。
解き方
- 各水車の適用落差の範囲を整理します:ペルトン水車(高落差)> フランシス水車(中落差)> プロペラ水車(低落差)。
- 高落差から低落差の順に正しく並んでいる選択肢(ペルトン → フランシス → プロペラ)を選定します。
- 選択肢 イ正解
- 高落差用のペルトン水車、中落差用のフランシス水車、低落差用のプロペラ水車の順で正しく並んでいます。
- 選択肢 ロ不正解
- プロペラ水車は低落差用であるため、フランシス水車より高落差側に置く順序は誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 低落差から高落差の順になっており、高いものから低いものという問いの条件と逆です。
- 選択肢 ニ不正解
- 最も高落差に対応できるペルトン水車が最後に置かれており誤りです。
覚えるポイント
- 適用落差の高い順:ペルトン水車(高落差)> フランシス水車(中落差)> プロペラ水車(低落差)
間違えやすいところ
- 問題文が「高いものから低いもの」か「低いものから高いもの」かを読み落として順序を逆に選ばないように注意します。
出題の前提:水力発電設備の水車選定特性に基づく標準的な出題です。
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
同期発電機の並列運転条件
発電設備 · 同期発電機 / 並列運転条件
交流の同期発電機を並列運転するために満たすべき条件として、該当しない(必要でない)ものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
2台以上の同期発電機を並列に接続して運転する場合、両機の起電力の瞬時値が常に一致していなければ、両機間に不要な循環電流が流れて巻線の過熱や横流現象を引き起こします。そのため、電圧の大きさ・周波数・位相・波形が合致している必要があります。一方、発電容量(定格容量)は異なっていても、それぞれの容量に応じた負荷分担を行わせることが可能であるため、一致させる条件には含まれません。
解き方
- 同期発電機を並列運転する際に起電力同士の整合が必要となる要素(電圧・周波数・位相・波形・相回転)を整理する。
- 並列運転を行う機器の定格容量は異なっていても問題なく負荷を分担できることから、必要でない条件を特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 周波数が異なると位相差が連続的に変化して大きな有効横流(脈動電流)が流れるため、並列運転に必須の条件です。
- 選択肢 ロ不正解
- 起電力の大きさが異なると両発電機間に無効循環電流が流れて巻線が過熱するため、電圧の大きさが等しいことは必須条件です。
- 選択肢 ハ不正解
- 電圧の位相が一致していないと瞬間的に大きな電位差が生じ、過大な同期化電流が流れるため、位相の一致は必須条件です。
- 選択肢 ニ正解
- 各発電機の容量が異なっていてもそれぞれの定格容量に応じた負荷分担で並列運転できるため、発電容量が等しいことは必要ありません。
覚えるポイント
- 同期発電機の並列運転条件は「起電力の大きさ・周波数・位相・波形・相回転」が一致すること。
間違えやすいところ
- 容量が異なると並列接続できないと誤認しやすいですが、容量差があっても各容量比で負荷分担させることが可能です。
出題の前提:電気設備技術基準・発電機並列運転の標準的理論
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
多導体方式送電線の特徴
送配電設備 · 架空送電線 / 多導体方式 / コロナ放電
単導体方式と比較したときの、多導体方式を採用した架空送電線の特徴として、誤っているものはどれか。
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解答
ロ
解説
多導体方式は、1相あたり複数の電線を適当な間隔で配置して1導体として扱う方式です。電線の等価的な外径(等価半径)が実質的に増大するため、電線表面の電界集中が緩和されて電位の傾きが小さくなり、コロナ開始電圧が高くなってコロナ放電を抑制できます。また、インダクタンスの減少および静電容量の増加により送電容量や系統安定度が向上します。
解き方
- 多導体化による等価半径の拡大に伴う電気定数(インダクタンス減少、静電容量増加)の変化を確認する。
- 電線表面の電界強度低下に伴うコロナ放電抑制効果と選択肢の記述を照らし合わせ、誤りを判別する。
- 選択肢 イ不正解
- 総断面積の増加や放熱特性の向上により許容電流が増え、送電容量が増加するため正しい記述です。
- 選択肢 ロ正解
- 電線表面の電位の傾きが下がることでコロナ放電は「発生しにくく」なるため、発生しやすいとする本記述は誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 等価半径が大きくなることで自己インダクタンスが減少し、リアクタンス降下を抑えられるため正しい記述です。
- 選択肢 ニ不正解
- 等価半径が大きくなることにより、対地および線間の静電容量は増加するため正しい記述です。
覚えるポイント
- 多導体方式:等価半径増大→コロナ放電抑制、インダクタンス減少、静電容量増加、送電容量増大。
間違えやすいところ
- 「電位の傾きが下がる」ことと「コロナ放電が起きやすくなる」ことを誤って結びつけないよう注意する(電位の傾きが下がる=電界強度が弱まるためコロナは抑制される)。
出題の前提:送配電工学・架空送電線設計技術要件
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
ディーゼル発電装置の特徴と動作工程
自家用発電設備 · ディーゼル機関 / 動作工程 / 非常用予備発電装置
ディーゼル発電装置に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
4サイクルディーゼルエンジンは、シリンダ内に空気を吸い込み(吸気)、高温高圧になるまで圧縮した(圧縮)空気中に液体燃料を噴射して自然着火させ(燃焼・爆発)、その膨張力でピストンを押し下げた後、燃焼排ガスを排出(排気)する熱機関です。圧縮熱により自然発火するためガソリンエンジンのような点火プラグは不要です。
解き方
- 内燃機関の基本的な4つのサイクル順序(吸気・圧縮・燃焼・排気)を想起する。
- 選択肢ロに記載された工程順序(圧縮と燃焼の順序)の誤りを確認する。
- 選択肢 イ不正解
- ディーゼル機関は圧縮によって高温となった空気に燃料を自己着火させるため点火プラグは不要であり、正しい記述です。
- 選択肢 ロ正解
- 正しいサイクル順序は「吸気→圧縮→爆発(燃焼)→排気」であるため、圧縮の前に爆発としている本記述は誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 爆発行程以外の慣性を維持し、クランク軸の回転むらを低減するためにはずみ車(フライホイール)が使用されるため正しい記述です。
- 選択肢 ニ不正解
- 起動特性が良く燃料の貯蔵管理が容易であるため、ビル等の非常用予備発電設備として広く用いられており正しい記述です。
覚えるポイント
- 4サイクル機関の行程順序は「吸気 → 圧縮 → 燃焼(膨張・爆発) → 排気」。点火プラグは不要(自己着火)。
間違えやすいところ
- ガソリンエンジン(火花点火・予混合)とディーゼルエンジン(圧縮着火・自己着火)の燃焼機構の違いを混同しないようにする。
出題の前提:自家用電気工作物・内燃機関発電装置の標準仕様
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧受電設備における避雷器の施設基準
高圧受電設備 · 避雷器 / 酸化亜鉛形 / A種接地工事
高圧電路に施設する避雷器(LA)に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
避雷器(LA:ライトニングアレスタ)は、雷サージなどの過電圧が電路に印加された際に瞬時に放電して端子間電圧を制限値以下に抑制し、電路設備を絶縁破壊から保護するとともに、放電後の系統周波数続流を短時間で自動的に遮断して元の絶縁状態に復帰する装置です。ヒューズの溶断によって遮断するものではありません。
解き方
- 避雷器の動作原理(非直線抵抗素子によるサージ放電と続流自動遮断)を確認し、溶断形素子ではないことを把握する。
- 電気設備技術基準における受電電力500kW以上の高圧受電端引込口への設置義務およびA種接地工事の要求を確認する。
- 選択肢 イ正解
- 避雷器はヒューズの溶断ではなく非直線抵抗素子(ZnO等)により過電圧を放電・抑制する機器であるため、この記述は誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- 高圧架空電線路から受電する受電電力500kW以上の需要場所の引込口には避雷器の設置が義務付けられているため正しい記述です。
- 選択肢 ハ不正解
- 優れた非直線抵抗特性と続流遮断特性を持つ酸化亜鉛(ZnO)素子を用いたギャップレス避雷器が主流であるため正しい記述です。
- 選択肢 ニ不正解
- 電気設備技術基準解釈第37条により、避雷器の接地線にはA種接地工事を施すことが規定されており正しい記述です。
覚えるポイント
- 避雷器(LA)はサージ電圧を放電抑制する機器(ヒューズ遮断ではない)。受電電力500kW以上の引込口に施設、A種接地。
間違えやすいところ
- 限流ヒューズ付きの機器(PCやPF付負荷開閉器など)の保護動作と避雷器の過電圧保護原理を混同しないようにする。
出題の前提:電気設備技術基準解釈 第37条(避雷器等の施設)、第44条(避雷器の接地)
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
B種接地抵抗値の算出に必要な要素
接地工事 · B種接地工事 / 1線地絡電流 / 接地抵抗値計算
高圧受変電設備に施設する変圧器のB種接地工事の接地抵抗値を計算・決定するために、必要とされる値はどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
変圧器において高圧電路と低圧電路が混触した際、低圧側電路の対地電圧が上昇して感電や火災の危険が生じるのを防ぐため、低圧側の中性点等にB種接地工事を施します。混触時に流れる電流は高圧電路の1線地絡電流に依存するため、低圧側の対地電圧上昇を許容値以下に抑えるB種接地抵抗値は「150(または300、600)÷ 1線地絡電流」で算定されます。
解き方
- 電気設備技術基準解釈第17条におけるB種接地工事の抵抗値算出公式 R = 150 / I(または300/I、600/I)を確認する。
- 分母となるパラメータが高圧側電路の1線地絡電流(I)であることを特定する。
- 選択肢 イ正解
- B種接地抵抗値の算定式は「150 / 1線地絡電流 [A]」等で定められており、高圧側電路の1線地絡電流が直接必要となります。
- 選択肢 ロ不正解
- 変圧器の定格容量は負荷容量の設計に関係しますが、B種接地抵抗値の算出式には直接用いられません。
- 選択肢 ハ不正解
- 高圧側ヒューズの定格電流は過電流保護の協調に用いる値であり、B種接地抵抗値の基準算出には用いられません。
- 選択肢 ニ不正解
- 低圧側電路のこう長(長さ)は電圧降下等の検討に用いますが、B種接地抵抗値の計算パラメータではありません。
覚えるポイント
- B種接地抵抗値:R = 150 / I(1秒超2秒以内の自動遮断器付きは300/I、1秒以内は600/I)。I は高圧側1線地絡電流。
間違えやすいところ
- 変圧器容量(kVA)や定格電流から抵抗値を計算すると誤認しやすいので、地絡保護に関わる「1線地絡電流」であることを確実に覚える。
出題の前提:電気設備技術基準解釈 第17条(接地工事の種類等)
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧配電機器の外観判別(プライマリカットアウト)
配電機器 · 高圧カットアウト / PC / 文字記号
問題用紙の写真に示された、高圧受電設備等で使用される機器の文字記号(略号)として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
高圧カットアウト(PC:Primary Cutout switch)は、主に柱上変圧器の一次側や受電設備の変圧器・進相コンデンサなどの一次側に設置され、短絡電流の遮断(ヒューズ内蔵)や無負荷時の電路開閉を行う器具です。碍子製の箱体と開閉蓋(ヒューズ筒)で構成される特有の外観を持っています。
解き方
- 写真の外観から、陶器製(碍子)の外箱に取っ手付きのヒューズホルダー開閉部を持つ高圧カットアウトであることを確認する。
- 高圧カットアウトの英語略記号が PC(Primary Cutout)であることに合致する選択肢を選ぶ。
- 選択肢 イ不正解
- CBは遮断器(Circuit Breaker)の略号であり、高圧真空遮断器(VCB)などを指すため誤りです。
- 選択肢 ロ正解
- 写真は高圧カットアウトであり、その文字記号(略号)はPCであるため正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- DSは断路器(Disconnecting Switch)の略号であり、ブレード形等の開閉刃を持つ構造であるため誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- LBSは高圧交流負荷開閉器(Load Break Switch)の略号であり、三相一括操作機構等を持つため誤りです。
覚えるポイント
- 高圧カットアウトの略号は PC。箱型の陶器製器具にヒューズ筒を取り付けた外観が目印。
間違えやすいところ
- 断路器(DS)や高圧交流負荷開閉器(LBS)と略記号および外観を混同しないように整理しておく。
出題の前提:JIS C 0617 / JIS C 0303 構内電気設備の配線用図記号・機器略記号
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
進相コンデンサの外観と用途
受電設備機器 · 進相コンデンサ / 力率改善 / 外観識別
問題用紙の写真に示されている機器の外観から判断される、その機器の主たる用途はどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
上部に三相用の碍子ブッシングが3本並び、直方体の金属ケースに収められたこの機器は高圧進相コンデンサ(SC:Static Capacitor)です。誘導性負荷(モータや変圧器等)により遅れ位相となった負荷電流に進み無効電力を供給することで、電路全体の合成力率を100%に近づけ(力率改善)、線路損失の低減や電圧降下の改善を図ります。
解き方
- 上部にブッシング端子を3本備えた直方体形状の外観から高圧進相コンデンサであることを識別する。
- 進相コンデンサの基本的な機能・役割である「力率改善」を選択する。
- 選択肢 イ正解
- 写真は高圧進相コンデンサであり、遅れ無効電力を補償して力率を改善する目的で使用されるため正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- 電圧を変圧する機器は変圧器(トランス)であり、本写真の機器とは異なります。
- 選択肢 ハ不正解
- コンデンサ投入時の突入電流や高調波を抑制するのは直列リアクトル(SR)の用途です。
- 選択肢 ニ不正解
- 高調波による電圧波形の歪み拡大を防止・抑制するのは直列リアクトル等の役割です。
覚えるポイント
- 高圧進相コンデンサ(SC):碍子端子が並ぶ金属箱型。用途は「力率改善」。
間違えやすいところ
- 直列リアクトル(突入電流抑制・第5高調波対策)と進相コンデンサ(力率改善)の役割分担を取り違えないようにする。
出題の前提:自家用高圧受電設備規格・JIS C 4902(高圧及び特別高圧進相コンデンサ)
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
医用コンセントの構造と施設要件
配線器具 · 医用コンセント / JIS T 1021 / 端子構造
問題用紙の写真に示されている医用コンセントに関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
JIS T 1021(医用差込接続器)に準拠する医用コンセントは、医療機器の安全な電源確保を目的として耐衝撃性、プラグ保持力、接地信頼性が一般用より格段に高められています。接続信頼性を極めて高く維持するため、電線・接地線の接続は差し込み式(速結端子)ではなく、ねじ止め(座金付ねじ締め方式など)によって機械的・電気的に堅牢に固定する方式が求められます。
解き方
- 医用コンセント(JIS T 1021)の信頼性要求および結線方式(ねじ端子結線)の基準を確認する。
- 一般用器具に見られる速結端子(差込形)接続を肯定している選択肢ロの誤りを特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 医療電気機器を多数用いる手術室やICUなどの安全確保のために施設されるため、正しい記述です。
- 選択肢 ロ正解
- 医用コンセントでは高い信頼性を確保するため差込式速結端子は認められず、ねじ締め端子構造が義務付けられているため誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 厳しい使用環境に耐え過酷な衝撃や熱による破損を防ぐため、耐衝撃性・耐熱性に優れた材料が用いられており正しい記述です。
- 選択肢 ニ不正解
- 一般非常電源用は赤、瞬時特別非常電源用は緑、商用電源用は白など色分けによる識別基準が定められており正しい記述です。
覚えるポイント
- 医用コンセントは「ねじ締め端子」構造(差込形速結端子は不可)。色は白(商用)、赤(一般非常)、緑(無瞬断・瞬時非常)。
間違えやすいところ
- 一般住宅用のコンセントが差込形(速結端子)主流であるため、医用も同様に差し込むだけと勘違いしやすい点に注意する。
出題の前提:JIS T 1021(医用差込接続器)、病院電気設備の安全基準(JIS T 1022)
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
地中に埋設する接地極の選定
配線設計・電気設備基準 · 接地極 / 接地工事 / 耐腐食性
地中に埋設または打ち込みを行う接地工事用の接地極として、適切でないものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
地中に埋設する接地極は長期間にわたり安定した低接地抵抗を保つ必要があり、土壌成分や水分による腐食に強い銅板、銅被覆鋼棒、厚鋼電線管、亜鉛めっき鋼板などが用いられます。アルミニウムはイオン化傾向が大きく土壌中で急速に腐食するため不適です。
解き方
- 内線規程等の基準において接地極として規定されている材質・形状(銅板、銅被覆鋼棒、厚鋼電線管など)を確認する。
- アルミニウム板は土壌中での耐食性が極めて低く、接地極として使用できないことを特定する。
- 選択肢 イ正解
- アルミニウムは土壌中で激しい電食や腐食を起こすため、接地極として埋設することは不適切です。よってこれが正解です。
- 選択肢 ロ不正解
- 厚さ1.4mm以上、面積900cm²(片面)以上の銅板は接地極として適切であり、厚さ1.6mmで900mm角の銅板は基準を満たしています。
- 選択肢 ハ不正解
- 直径8mm以上、長さ0.9m以上の銅被覆鋼棒は接地極として認められており、直径14mm・長さ1.5mは適切です。
- 選択肢 ニ不正解
- 厚鋼電線管は内径25mm以上、長さ0.9m以上であれば接地棒・管として使用可能であり、内径36mm・長さ1.5mは適切です。
覚えるポイント
- 接地極には銅板、銅被覆鋼棒、亜鉛めっき鋼棒、厚鋼電線管等を用い、アルミニウムは使用不可です。
間違えやすいところ
- 金属板であれば何でも良いと誤解し、腐食しやすいアルミニウム板を見落とすミスに注意しましょう。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第17条・内線規程
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
電工用工具と材料の適合性
工具・器具・測定器 · 電工工具 / 張線器 / パイプベンダー / 圧着工具
写真に示す電気工事用工具と使用する材料の組合せとして、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
電工工具はそれぞれの加工対象材料に合わせて専用に設計されています。パイプベンダーは金属電線管の曲げ加工用、張線器は電線やメッセンジャーワイヤの張線用、圧着工具は電線相互や端子の圧着用、皮むき器はケーブル絶縁体等の剥ぎ取り用です。
解き方
- 提示された各写真の工具と材料の名称・用途をそれぞれ照合する。
- ロの工具がパイプベンダーであり、対象物ががいしであるため、この組合せが不一致であることを判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 張線器(シメラー)と架空配線のメッセンジャーワイヤ等の組合せであり、正しく適合しています。
- 選択肢 ロ正解
- 工具は油圧式パイプベンダー(電線管曲げ機)であり、碍子と組み合わせて使用するものではないため誤り(正解)です。
- 選択肢 ハ不正解
- 手動油圧式圧着器と端子(圧縮・圧着端子)の組合せであり、太い電線の接続作業として適合しています。
- 選択肢 ニ不正解
- 高圧ケーブルの皮むき工具とCVケーブルの組合せであり、端末処理の被覆剥ぎ取りとして適合しています。
覚えるポイント
- 油圧式パイプベンダーは厚鋼電線管などの金属管曲げ用工具です。
間違えやすいところ
- がいし引き工事とパイプベンダーの形状の違いを見間違えないように注意しましょう。
出題の前提:第一種電気工事士 筆記試験標準問題(工具および工法)
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp)
金属管工事の施工方法
配線工事の施工方法 · 金属管工事 / 屋外用ビニル絶縁電線 / 接触防護措置 / 接地工事
金属管工事の施工方法に関する記述として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
低圧金属管工事では、電線は絶縁電線(屋外用OWを除く)を使用し、管内には接続点を設けてはなりません。また接地工事は、使用電圧300V以下がD種、300V超がC種ですが、300V超であっても接触防護措置を施せばD種接地工事に緩和される規定があります。
解き方
- 電線規定(OW線の屋内配線使用禁止)、管内接続の禁止、高圧配線基準を確認する。
- 使用電圧400V(300V超)の接地工事緩和規定(接触防護措置でC種からD種へ緩和)に合致している選択肢ニを正解と判定する。
- 選択肢 イ不正解
- 屋外用ビニル絶縁電線(OW線)は被覆の絶縁性能上、屋内の金属管工事に使用することはできません。
- 選択肢 ロ不正解
- 高圧屋内配線はケーブル工事、がいし引き工事、または電路用ダクト工事等により施工し、高圧絶縁電線を金属管に収める工事は認められません。
- 選択肢 ハ不正解
- 電線相互の接続はアウトレットボックス等の内部で行う必要があり、金属管内に接続点を設けてはなりません。
- 選択肢 ニ正解
- 300Vを超える低圧金属管には原則C種接地工事ですが、接触防護措置を施すことによりD種接地工事とすることができます。
覚えるポイント
- 300V超の金属管接地は原則C種ですが、接触防護措置でD種に緩和可能です。管内接続やOW線の使用は禁止です。
間違えやすいところ
- 金属管内での電線接続が可能と勘違いしたり、OW線が屋内配線に使用できると誤認しやすいです。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第159条
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp)
絶縁電線相互の接続要件
配線工事の施工方法 · 電線接続 / 引張強さ / 電気抵抗 / 絶縁被覆
絶縁電線相互の接続に関する記述として、不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
電線相互を接続する場合の基本要件は、①電線の電気抵抗を増加させないこと、②電線の引張強さを20%以上減少させないこと(引張強さを80%以上に保持すること)、③接続部分を同等以上の絶縁効力のあるもので十分に被覆すること、です。
解き方
- 電線接続の3大原則(電気抵抗を増加させない、引張強さ低下を20%未満に抑える、十分な絶縁被覆)を想起する。
- 選択肢ニの「電気抵抗が20%増加した」という記述が「電気抵抗を増加させない」という規定に明確に違反していることを判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 電線相互の接続にスリーブやコネクタなどの接続管を使用することは適切です。
- 選択肢 ロ不正解
- 接続部は、絶縁電線の絶縁物と同等以上の絶縁効力があるテープ等で十分に被覆する必要があり適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- 引張強さの減少は20%以下に抑える必要があります。10%の減少であれば基準を満たしており適切です。
- 選択肢 ニ正解
- 電線接続部は「電気抵抗を増加させないこと」が定められており、20%増加させる施工は不適切(正解)です。
覚えるポイント
- 電線の接続部は電気抵抗を増加させず、引張強さの低下は20%以下に抑えます。
間違えやすいところ
- 引張強さの「20%以上減少させない」と電気抵抗の「増加させない」を混同して、20%まで抵抗が増加してもよいと誤解するミスが多いです。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第12条
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp)
ケーブル工事の支持点間距離
配線工事の施工方法 · ケーブル工事 / 支持点間距離 / 接触防護措置
使用電圧が300V以下の低圧屋内配線のケーブル工事の施工方法に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
ケーブル工事における支持点間距離は、造営材の下面や側面に沿って取り付ける場合は原則2m以下です。ただし、接触防護措置を施した場所で垂直に取り付ける場合は最大6m以下まで緩和されます。また、防護装置の金属部分には接地工事(300V以下はD種)が必要です。
解き方
- 造営材に沿って水平に取り付けるケーブル工事の標準支持点間距離(2m以下)を確認する。
- 選択肢イの「3mにして施設した」が基準(2m以下)を超過しているため、誤りであることを特定する。
- 選択肢 イ正解
- 造営材に沿って水平施設する場合の支持点間距離は2m以下でなければならないため、3mとした記述は誤り(正解)です。
- 選択肢 ロ不正解
- 使用電圧300V以下の防護装置の金属製部分には、D種接地工事を施す必要があり適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- 機械的損傷を受けるおそれがある場所では、防護装置(金属管や防護カバー)を設ける必要があり適切です。
- 選択肢 ニ不正解
- 人が触れるおそれのないよう接触防護措置を施した場所で垂直に取り付ける場合は、支持点間距離を6m以下(本肢は5m)にできるため適切です。
覚えるポイント
- ケーブルの支持点間距離は原則2m以下。垂直で接触防護措置があれば6m以下です。
間違えやすいところ
- 垂直配管・配線の支持点間距離緩和(6m)と通常の水平配線(2m)の基準を混同しないようにしましょう。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第164条
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧ケーブル終端接続部の構造と種別
配線工事の施工方法 · CVTケーブル / 屋外終端接続部 / 耐塩害
自家用受電設備の単線結線図および柱上引込部において、①に示すCVTケーブルの終端接続部(多数の傘状ひだを持つ構造)の名称として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
高圧架橋ポリエチレンケーブル(CV・CVT)の屋外端末処理材料には、標準形屋外終端接続部や塩害地域向けの耐塩害形終端接続部があります。耐塩害形は沿面放電を防止するために絶縁笠(スカート部)の段数が標準形(通常2〜3段程度)よりも多く設計されており、十分な漏洩距離を有します。
解き方
- 拡大図①に示された屋外終端接続部の形状を確認し、多数の笠(スカート)が連なる特徴的な外観を読み取る。
- 雨水や塩分付着によるフラッシオーバを防ぐために漏洩距離を大きく取った「耐塩害屋外終端接続部」であると同定する。
- 選択肢 イ不正解
- 一般的なゴムとう管形屋外終端接続部は笠の数が少なく、本図のような多数の深いひだ形状ではありません。
- 選択肢 ロ正解
- 拡大図のように笠部(ひだ)が多数連続して漏洩距離を大きく確保しているものは耐塩害屋外終端接続部です。
- 選択肢 ハ不正解
- ゴムストレスコーン形屋外終端接続部は通常数段の笠構造であり、耐塩害用ほどの笠数はありません。
- 選択肢 ニ不正解
- テープ巻形は自己融着性絶縁テープ等を巻き重ねて仕上げるもので、成形された一体型笠構造の図とは異なります。
覚えるポイント
- 笠(ひだ)が密に多数配置されている屋外ケーブル端末は「耐塩害形」です。
間違えやすいところ
- 屋内用終端接続部(笠がない)や通常の屋外用(笠が2〜3段)と耐塩害用(笠が多数)を混同しやすいです。
出題の前提:高圧受電設備規程・電気設備技術基準
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧引込ケーブルサイズの選定検討要素
配線設計・電気設備基準 · 引込ケーブル / 短絡電流 / 許容電流 / 短時間耐電流
高圧受電設備において、②に示す高圧引込ケーブル(CVT)の太さを選定・検討する際に、必要のない事項はどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
高圧ケーブルの導体サイズの決定においては、①常時流れる負荷電流に対する電線の「許容電流」、②主遮断器や電力会社の保護装置が動作するまでの短絡電流に耐える「短時間耐電流(短絡容量・短絡電流)」、③電圧降下などが検討事項となります。非接地系高圧配電線での1線地絡電流は数アンペア〜数十アンペア程度と非常に小さく、ケーブル導体サイズの選定には直接関係しません。
解き方
- ケーブル太さを決定する条件(常時許容電流、短絡時の短時間許容電流、許容電圧降下)を整理する。
- 短絡電流および短時間耐電流はケーブルが溶断・焼損しないかの照査に不可欠であることを確認する。
- 完全地絡時の1線地絡電流は遮断器や継電器の設定等には関わるが、主回路導体のサイズ検討には不要であると判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 受電点の短絡電流は、短絡事故時にケーブルが熱的破壊を起こさない導体断面積を求めるために必須の検討事項です。
- 選択肢 ロ正解
- 高圧電路の1線地絡電流は数A〜数十A程度と小さく、導体の太さ(許容電流や熱容量)の選定計算には必要ありません(正解)。
- 選択肢 ハ不正解
- 短絡時に発生するジュール熱に耐えうる短時間耐電流性能の確認は導体サイズの検討に必要です。
- 選択肢 ニ不正解
- 常時流れる契約電力・設備容量に基づく負荷電流を安全に通電できる許容電流の確認は最も基本的な必須事項です。
覚えるポイント
- ケーブル太さの選定要素は「許容電流」「短時間耐電流(短絡電流)」「電圧降下」。地絡電流は関係しません。
間違えやすいところ
- 地絡継電器の設定と混同して、ケーブル自体の太さ選定にも地絡電流が必要と勘違いしやすいです。
出題の前提:高圧受電設備規程・内線規程
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器の適用受電設備容量
受電設備・配電盤 · PF-S形受電設備 / 限流ヒューズ / 主遮断装置 / 設備容量限度
高圧受電設備において、③に示す高圧受電盤内の主遮断装置に限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器(PF-S形)を使用できる受電設備容量の最大値はどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
高圧受電設備の形式には、主遮断装置に遮断器(CB)を用いる「CB形」と、限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器を用いる「PF-S形」があります。PF-S形は設備を簡素化・低コスト化できる反面、遮断責務や保護協調の観点から受電契約電力や変圧器等を含めた設備容量の限度が300 kV・A以下と厳格に定められています。
解き方
- 主遮断装置に限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器を用いる受電方式が「PF-S形」であることを確認する。
- 高圧受電設備規程等に定められたPF-S形の適用限度容量が「300 kV・A以下」であることを特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 200 kWは単位が異なり、PF-S形の制限基準はkV・A表示で300 kV・Aです。
- 選択肢 ロ不正解
- 設備容量の規定は皮相電力[kV・A]で定められており、単位が[kW]となっているため誤りです。
- 選択肢 ハ正解
- 限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器を主遮断装置とするPF-S形受電設備の適用最大容量は300 kV・Aです。
- 選択肢 ニ不正解
- 500 kV・Aは自家用電気工作物において第一種電気工事士が作業できる最大電力の区分等であり、PF-S形の限度容量ではありません。
覚えるポイント
- PF-S形(限流ヒューズ付負荷開閉器主遮断)の適用限度は「300 kV・A以下」です。
間違えやすいところ
- 単位がkWではなく「kV・A」である点、また自家用範囲の500 kW(500 kV・A)と混同しないように注意しましょう。
出題の前提:高圧受電設備規程・電気設備技術基準
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
自家用受電設備の年次点検項目
受電設備・保安 · 受電設備 / 保守点検 / 年次点検 / 絶縁耐力試験
受電設備の維持管理に必要な定期点検のうち、一般的な「年次点検」において通常行われない点検・試験項目として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
自家用受電設備の定期点検(年次点検)では機器の劣化や動作信頼性を確認しますが、機器へ過大な高電圧ストレスを印加して絶縁の健全性を破壊的に確認する絶縁耐力試験は、新設時や重要な改修工事後の竣工検査で行うものであり通常の年次点検では行いません。
解き方
- 年次点検で定期的に実施される標準項目(保護継電器試験、接地抵抗測定、絶縁抵抗測定など)を確認する。
- 絶縁耐力試験は機器に高圧を印加する竣工時などの特殊な試験であり、年次点検では行われないことを判断する。
- 選択肢 イ正解
- 絶縁耐力試験は新設時や機器の更新・改造時などの竣工検査で行う試験であり、通常の年次点検では実施されません。
- 選択肢 ロ不正解
- 保護継電器試験(過電流継電器や地絡継電器の動作確認)は、年次点検における代表的な定期試験項目です。
- 選択肢 ハ不正解
- 接地抵抗の測定は、規定の接地抵抗値が維持されているかを確認するため年次点検で必ず行われます。
- 選択肢 ニ不正解
- 電路および高圧機器の絶縁抵抗測定は、年次点検における基本的な点検項目として毎回実施されます。
覚えるポイント
- 絶縁耐力試験は新設・竣工検査で行い、定期の年次点検では行わない。
間違えやすいところ
- 絶縁抵抗測定と絶縁耐力試験を混同し、どちらも年次で行うと誤解しないよう注意する。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈、電気保安管理業務指針(経済産業省告示)
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
可とう導体を用いた母線施工
配線・受電設備 · 可とう導体 / 母線 / 変圧器接続 / 耐震措置
高圧受電盤内の変圧器周り等で使用される可とう導体を用いた施設に関する記述として、不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
可とう導体(フレキシブル導体)は薄い銅板や編組銅線を重ねて柔軟性を持たせたもので、変圧器の振動や地震による変位がブッシング等の機器端末に過大な応力として伝わらないようにするために用いられます。電気的な限流機能はありません。
解き方
- 可とう導体の構造と本来の目的(機械的振動や熱膨張・地震による変位吸収、ブッシング保護)を確認する。
- 限流作用は限流ヒューズや限流リアクトル等の機能であり、可とう導体自体には限流作用がないことを見抜く。
- 選択肢 イ正解
- 可とう導体には短絡電流を抑制する限流作用はないため、この記述は誤り(不適切)です。
- 選択肢 ロ不正解
- 地震動による接触・短絡を防ぐため、十分な絶縁離隔や絶縁セパレータの設置等の対策を行うことは適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- 銅帯固定による外力が端子ブッシングや碍子に伝わり破損するのを防ぐことが主目的であり、正しい記述です。
- 選択肢 ニ不正解
- 防振ゴム等と併用して変圧器の振動伝達・騒音を軽減し、地震時の変位対策として耐震ストッパを設けるのは適切です。
覚えるポイント
- 可とう導体は機械的応力・振動の絶縁・吸収が主目的であり、限流作用はない。
間違えやすいところ
- 「限流」と「振動絶縁」などの言葉の響きで混同しないようにする。
出題の前提:高圧受電設備規程、電気設備技術基準
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
漏えい電流による低圧電路の絶縁判定
電気技術基準・法令 · 電気設備技術基準の解釈 / 第14条 / 漏えい電流 / 絶縁判定
「電気設備の技術基準の解釈」において、停電が困難なため低圧屋内配線の絶縁性能を漏えい電流を測定して判定する場合、使用電圧200Vの電路における漏えい電流の上限値として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
低圧電路の絶縁判定は原則として絶縁抵抗計(メガー)による測定値で行いますが、常時通電が必要で停電できない場合、電路の漏えい電流が1mA以下であれば、その電路の絶縁性能は保たれていると判定できます(電気設備の技術基準の解釈第14条)。
解き方
- 電技解釈第14条における漏えい電流による絶縁性能判定基準を思い出す。
- 電圧の種別(100V、200V等)にかかわらず、判定基準となる漏えい電流の上限値は「1mA以下」であるため、1.0mAを選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 0.1mAは対地電圧150V以下の絶縁抵抗値(0.1MΩ以上)の数字と紛らわしいですが、漏えい電流の基準値ではありません。
- 選択肢 ロ不正解
- 0.2mAは対地電圧150V超300V以下の絶縁抵抗値(0.2MΩ以上)の数字と紛らわしいですが、漏えい電流の基準値ではありません。
- 選択肢 ハ正解
- 電技解釈第14条の規定により、漏えい電流による絶縁判定の上限値は1mA(1.0mA)以下と定められています。
- 選択肢 ニ不正解
- 2.0mAは判定基準として不適切であり、1.0mAを超えているため不良と判定されます。
覚えるポイント
- 停電困難時の低圧電路の漏えい電流による絶縁判定基準は「1mA以下」。
間違えやすいところ
- 電路の電圧(200Vなど)によって絶縁抵抗値(0.2MΩなど)が変わるのと混同し、漏えい電流の基準値まで変わると誤解しやすい。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第14条
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
過電流継電器の試験機器
検査・試験 · 過電流継電器 / OCR試験 / 限時特性試験 / 試験器
過電流継電器(OCR)の最小動作電流の測定および限時特性試験を行う場合、使用する必要のない計器・器具はどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
過電流継電器の試験は、電流値とそれに応じた動作時間を測定・調整する試験です。電流源から流す電流の大きさを可変抵抗器や電圧調整器で制御し、電流計で電流値を読み取り、電流投入から接点動作までの時間をサイクルカウンタで測定します。力率や電力を判定要素としないため電力計は使いません。
解き方
- 過電流継電器の動作パラメータ(動作電流値、動作時間)を整理する。
- 試験に必要な機器(電流調整用の可変抵抗器、電流測定用の電流計、時間計測用のサイクルカウンタ)を確認する。
- 電力計は電力や力率に関係する継電器(逆潮流継電器等)で使用されるものであり、OCR試験には不要であると判断する。
- 選択肢 イ正解
- 過電流継電器は電流値のみに応動する継電器であるため、試験において電力計は必要ありません。
- 選択肢 ロ不正解
- 継電器に通電している電流の大きさを正確に把握するため、電流計は必須です。
- 選択肢 ハ不正解
- 限時特性試験において、規定の過電流を流してから継電器が動作するまでの動作時間を測定するため、サイクルカウンタ(時間計)は必須です。
- 選択肢 ニ不正解
- 継電器に流す試験電流の大きさを微調整するために可変抵抗器が用いられます。
覚えるポイント
- 過電流継電器試験の3点セットは電流計・可変抵抗器(調整器)・サイクルカウンタ(タイマー)。電力計は不要。
間違えやすいところ
- 電力方向継電器(DGR等)の試験とOCRの試験を混同しないようにする。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈、高圧受電設備規程
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
変圧器絶縁油の劣化診断試験
検査・試験 · 変圧器 / 絶縁油 / 絶縁破壊電圧試験 / 全酸価試験 / 劣化診断
変圧器の絶縁油の劣化診断に直接関係のない試験・測定はどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
油入変圧器の絶縁油は経年劣化により酸化が進み、スラッジや酸性物質、水分が生じます。これらを評価するために「絶縁破壊電圧試験」「水分試験」「全酸価試験」が実施されます。一方、「真空度測定」は真空遮断器の真空バルブ内の気密性を確認する試験です。
解き方
- 絶縁油の代表的な性状・劣化評価試験(絶縁破壊電圧、全酸価、水分量測定等)を確認する。
- 真空度測定は真空バルブ(VCB)に対して行う試験であり、絶縁油の測定ではないと特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 絶縁破壊電圧試験は、絶縁油の絶縁耐力を評価する最も代表的な劣化診断試験です。
- 選択肢 ロ不正解
- 水分試験は、絶縁油中に混入・溶解した水分量を測定して絶縁性能低下を診断する重要な試験です。
- 選択肢 ハ正解
- 真空度測定は真空遮断器(VCB)等の消弧室の性能を確認する試験であり、絶縁油の劣化診断には関係ありません。
- 選択肢 ニ不正解
- 全酸価試験は、油の酸化によって生じる酸性生成物の量を中和価によって測定し、油の酸化劣化度を診断する試験です。
覚えるポイント
- 絶縁油劣化診断:絶縁破壊電圧試験、全酸価試験、水分試験。真空度測定はVCBの点検。
間違えやすいところ
- 変圧器の注油作業で真空引き(真空注油)を行うことから、絶縁油の試験と真空度を結びつけて誤認しないよう注意する。
出題の前提:JIS C 2101(電気絶縁油試験方法)、高圧受電設備規程
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
電気工事士法における第一種電気工事士の規定
電気関係法規 · 電気工事士法 / 第一種電気工事士 / 業務範囲 / 実務経験 / 定期講習
「電気工事士法」において、第一種電気工事士に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
第一種電気工事士は、一般用電気工作物および最大電力500kW未満の自家用電気工作物の作業に従事できます。ただし、ネオン工事および非常用予備発電装置工事は「特種電気工事」と定められており、第一種電気工事士であっても特種電気工事資格者認定証が必要です。
解き方
- 第一種電気工事士の免状交付要件(試験合格+所定の実務経験)を確認する(イは正しい)。
- 作業時の免状携帯義務を確認する(ロは正しい)。
- 定期講習の受講期限(免状交付後5年以内、前回受講から5年以内)を確認する(4年目の受講は問題なくハは正しい)。
- 特種電気工事(ネオン工事、非常用予備発電装置工事)の適用除外ルールを確認し、第一種電気工事士の免状だけでは非常用予備発電装置工事に従事できない点(ニ)を誤りと判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 第一種電気工事士免状の交付には、試験合格に加えて所定の実務経験が必要であるため正しい記述です。
- 選択肢 ロ不正解
- 電気工事士は電気工事の作業に従事するときは免状を携帯しなければならないため、正しい記述です。
- 選択肢 ハ不正解
- 第一種電気工事士は免状交付から5年以内(または講習受講から5年以内)に定期講習を受けなければならないため、4年目の受講は適正です。
- 選択肢 ニ正解
- 非常用予備発電装置工事は特種電気工事に該当するため、第一種電気工事士であっても特種電気工事資格者認定証がなければ作業に従事できず、誤りです。
覚えるポイント
- ネオン工事と非常用予備発電装置工事は「特種電気工事」であり、第一種電気工事士免状だけでは作業できない。
間違えやすいところ
- 「500kW未満の自家用電気工作物ならすべての工事ができる」と思い込んで特種電気工事の例外を忘れてしまうミスが多い。
出題の前提:電気工事士法 第3条、第4条、第4条の2、第5条の2
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
登録電気工事業者の営業所備付器具
電気関係法規 · 電気工事業の業務の適正化に関する法律 / 登録電気工事業者 / 備付器具 / 一般用電気工作物
「電気工事業の業務の適正化に関する法律」において、電気工事業者が、一般用電気工作物のみの業務を行う営業所に備え付けなくてもよい器具はどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
電気工事業の業務の適正化に関する法律施行規則により、営業所に備え付けなければならない器具が定められています。一般用電気工作物の施工を行う営業所では「絶縁抵抗計」「接地抵抗計」「回路計(テスター)」の3種類が必須であり、検電器は自家用電気工作物を取り扱う営業所のみで義務付けられています(高圧検電器等)。低圧検電器は備付必須器具には含まれません。
解き方
- 一般用電気工作物の営業所に備え付ける器具(絶縁抵抗計、接地抵抗計、抵抗・交流電圧測定用回路計)を思い出す。
- 選択肢のうち、備付義務器具として規定されていない「低圧検電器」を選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 絶縁抵抗計は、一般用電気工作物に係る営業所に備え付ける義務がある器具です。
- 選択肢 ロ不正解
- 接地抵抗計は、一般用電気工作物に係る営業所に備え付ける義務がある器具です。
- 選択肢 ハ不正解
- 抵抗及び交流電圧を測定することができる回路計(テスター)は、一般用電気工作物に係る営業所に備え付ける義務がある器具です。
- 選択肢 ニ正解
- 低圧検電器は、電気工事業の業務の適正化に関する法律において営業所の備付器具として規定されていません。
覚えるポイント
- 一般用電気工作物のみの営業所備付器具:絶縁抵抗計・接地抵抗計・回路計(テスタ)。検電器は不要。
間違えやすいところ
- 実務上検電器をよく使用するため、法律上の必須備付器具にも含まれていると勘違いしやすい。
出題の前提:電気工事業の業務の適正化に関する法律施行規則 第11条
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
電気用品安全法における特定電気用品の判別
電気関係法規 · 電気用品安全法 / 特定電気用品 / 配線用遮断器 / 配線器具
「電気用品安全法」において、交流の電路に使用する定格電圧100V以上300V以下の機械器具であって、「特定電気用品」に該当するものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
電気用品安全法施行令別表第一において、危険性・障害の発生するおそれが多い品目が「特定電気用品」(菱形PSEマーク)として指定されています。配線用遮断器(過電流遮断器)は定格電流100A以下のものが特定電気用品に分類されます。電動機やコンデンサは別表第二(特定電気用品以外の電気用品)に分類されます。
解き方
- 特定電気用品(菱形PSE)に該当する品目(ヒューズ、配線器具、小型変圧器、電熱器具など)を整理する。
- 配線用遮断器(100A以下)が特定電気用品に該当することを確認する。
- 単相電動機や進相コンデンサは「特定電気用品以外の電気用品」であり、電力量計は対象外(計量法対象)であることを確認する。
- 選択肢 イ正解
- 定格電流100A以下の配線用遮断器(ここでは60A)は配線器具に属し、「特定電気用品」に該当します。
- 選択肢 ロ不正解
- 電動機(単相誘導電動機など)は「特定電気用品以外の電気用品」(丸形PSE)に該当します。
- 選択肢 ハ不正解
- 進相コンデンサは「特定電気用品以外の電気用品」(丸形PSE)に該当します。
- 選択肢 ニ不正解
- 電力量計は計量法に基づく検定対象機器であり、電気用品安全法の特定電気用品ではありません。
覚えるポイント
- 100A以下の配線用遮断器・漏電遮断器は「特定電気用品」(菱形PSEマーク)。
間違えやすいところ
- 小型の電動機や進相コンデンサも特定電気用品(菱形PSE)であると誤認しやすいが、これらは特定電気用品以外の電気用品(丸形PSE)である。
出題の前提:電気用品安全法施行令 別表第一、別表第二
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧気中負荷開閉器(PAS)の外観識別
配線図 · 引込開閉器 / 高圧気中負荷開閉器 / 機器外観
単線結線図の①で示された、架空電線路からの引込口に設置される機器の外観写真として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
自家用高圧受電設備において、架空引込線の受電点(保安上の責任分界点)付近には、区分開閉器として高圧気中負荷開閉器(PAS)が設置されます。零相変流器(ZCT)や計器用変圧器(VT)、避雷器(LA)を内蔵するタイプが広く用いられます。
解き方
- 単線結線図の受電点付近にある①の記号を確認すると、開閉器にVTおよび避雷器(LA)が併設された柱上設置の開閉器であることが読み取れる。
- 選択肢の写真を比較し、VT・LAを内蔵した高圧気中負荷開閉器(PAS)の外観を示しているイを選択する。
- 選択肢 イ正解
- 本体側面に「VT LA」の表示があり、柱上に取付けるための支持金具や気中開閉部を備えた高圧気中負荷開閉器(PAS)の外観であるため適切である。
- 選択肢 ロ不正解
- 円筒形の容器にブッシングを取り付けた柱上変圧器の外観写真であり、開閉器ではないため不適切である。
- 選択肢 ハ不正解
- 主に屋内キュービクル内に設置される限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器(LBS)の外観写真であるため不適切である。
- 選択肢 ニ不正解
- 高圧受電盤や受電設備内に設置される油入変圧器(トランス)の外観写真であるため不適切である。
覚えるポイント
- 責任分界点に設けられる柱上開閉器はPAS(気中負荷開閉器)またはUGSである。
間違えやすいところ
- 受電盤内の開閉器であるLBS(高圧交流負荷開閉器)や変圧器と外観を取り違えないように注意する。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈、高圧受電設備規程
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
地絡方向継電器の図記号と文字記号
配線図 · 保護継電器 / 地絡方向継電器 / 図記号
単線結線図の②で示す部分に設置する機器の図記号と文字記号(略号)の組合せとして、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
地絡方向継電器(DGR:Directional Ground Relay)は、零相電流と零相電圧の位相差から構内事故か構外事故かを判別する継電器です。図記号では地絡過電流要素「I0>」に判定方向を表す「矢印」を組み合わせて表現します。
解き方
- 単線結線図より、PAS内のZCTおよびVTからの信号を受けてPASをトリップさせるリレーが②であることを確認する。
- このリレーは地絡方向継電器(DGR)であるため、文字記号は「DGR」、図記号は地絡(I0>)に「矢印」が付いたニを選ぶ。
- 選択肢 イ不正解
- OCGRは過電流継電器(過電流地絡用継電器等の誤記号含む)であり、地絡方向継電器ではないため誤りである。
- 選択肢 ロ不正解
- 地絡過電流要素を示す記号が「I0<」(不足電流)となっており、地絡過電流動作「I0>」ではないため誤りである。
- 選択肢 ハ不正解
- 図記号は地絡方向を示しているが、文字記号がOCGR(過電流継電器等)となっているため誤りである。
- 選択肢 ニ正解
- 矢印付きの地絡過電流要素「I0>」の図記号と、文字記号「DGR」(Directional Ground Relay)の組合せが完全に一致しているため適切である。
覚えるポイント
- 地絡方向継電器(DGR)の図記号には方向を示す矢印と地絡電流「I0>」が記載される。
間違えやすいところ
- 地絡過電圧継電器(OVGR:V0>)や過電流継電器(OCR:I>)と記号を混同しないようにする。
出題の前提:JIS C 0617 電気用図記号
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
VCTと電力量計(Wh)間の配線心線数
配線図 · 計器用変成器 / 電力需給用計器用変成器 / 電力量計配線
単線結線図の③で示す、電力需給用計器用変成器(VCT:⑩)と電力量計(Wh)の間を結ぶ部分の電線本数(心線数)として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
三相3線式電力量計(Wh)への接続では、VT回路(電圧要素:P1、P2、P3)で3本、CT回路(電流要素:1S、1L、3S、3L)で4本(あるいは接地線や共通コモン線を共用して3本)が必要となり、合計で6本または7本の心線が用いられます。
解き方
- 単線結線図上の③が指す位置を確認すると、屋内の電力需給用計器用変成器(VCT:⑩)から電力量計(Wh)への計器用二次配線である。
- 三相3線式におけるVCT二次側とWh間の結線心線数は、電圧回路と電流回路の標準配線本数として6本又は7本となることを導く。
- 選択肢 イ不正解
- 2又は3本は単相2線式の接続や単一要素の回路で用いられる本数であり、三相3線式の電力量計測定には不足するため誤りである。
- 選択肢 ロ不正解
- 4又は5本では三相3線式の電圧3相および電流2相の信号を伝送できないため誤りである。
- 選択肢 ハ正解
- 三相3線式のVCTとWh間の接続本数は、電圧線3本と電流線3~4本(コモンの共用状況による)の合計6本又は7本であるため適切である。
- 選択肢 ニ不正解
- 8又は9本は過剰であり、標準的なVCT-Wh間の接続本数ではないため誤りである。
覚えるポイント
- 三相3線式のVCT-Wh間配線心線数は6本または7本(電圧3本+電流3~4本)。
間違えやすいところ
- PASとDGR間の制御線(こちらも6〜7芯が使われることがある)と混同しやすいが、図面上の③はVCTからWhへの配線である。
出題の前提:電力会社託送供給約款・受電設備標準仕様
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
計器用変圧器(VT)一次側ヒューズの種類と本数
配線図 · 計器用変圧器 / 高圧限流ヒューズ / 機器選定
単線結線図の④の部分に施設する機器の外観写真および使用する本数として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
高圧計器用変圧器(VT)の一次側短絡保護には、定格電流が小さく高遮断容量を持つ筒形高圧限流ヒューズが使用されます。V-V結線で単相変圧器2台を用いる場合、単線結線図の表記(二重スラッシュ2箇所など)のとおり各台の両極に計4本設置されます。
解き方
- 単線結線図④を確認すると、V2V結線されたVTの一次側に設けられたヒューズであり、シンボル上に2本ずつの斜線(計4本)が示されている。
- VT一次側のヒューズには筒形高圧限流ヒューズが用いられ、使用本数は4本であることからイを選択する。
- 選択肢 イ正解
- VT一次側に使用される筒形高圧限流ヒューズの外観であり、V-V結線のVT2台の一次側回路に計4本使用されるため適切である。
- 選択肢 ロ不正解
- ヒューズの外観は正しいが、VT2台の一次側に設ける本数は4本であるため、2本とする記述は誤りである。
- 選択肢 ハ不正解
- プライマリーカットアウトスイッチ等に用いる板状のヒューズリンクであり、VT一次側の筒形限流ヒューズではないため誤りである。
- 選択肢 ニ不正解
- 本数は4本となっているが、写真がカットアウト用ヒューズリンクであり、VT一次側の筒形限流ヒューズではないため誤りである。
覚えるポイント
- VT一次側には筒形高圧限流ヒューズを使用し、単相2台のV結線では4本用いる。
間違えやすいところ
- カットアウトスイッチ用の板状・つめ付きヒューズリンクと筒形限流ヒューズを取り違えないこと。
出題の前提:高圧受電設備規程、JIS C 4604
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
電流計切換開閉器(AS)の役割
配線図 · 開閉器 / 電流計切換開閉器 / AS
単線結線図の⑤に設置する機器(文字記号「AS」)の役割として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
AS(Ammeter Change-over Switch:電流計切換開閉器)は、変流器(CT)の二次側回路において、1台の電流計でR相・S相・T相などの各相電流を順次切り換えて指示させるためのスイッチです。切換時にもCT二次側が開放されない構造となっています。
解き方
- 単線結線図の⑤の記号を確認すると、CT二次側から電流計(A)の手前に直列に挿入された「AS」である。
- ASの名称「Ammeter Change-over Switch(電流計切換開閉器)」およびその目的「1台の電流計で各相の電流を切り換えて測定する」に合致する記述を選ぶ。
- 選択肢 イ不正解
- 電流値を安全かつ測定に適した大きさに変流するのは変流器(CT)の役割であるため誤りである。
- 選択肢 ロ不正解
- 負荷電流と地絡電流を切り換える機器ではなく、三相交流回路の各相間を切り換える機器であるため誤りである。
- 選択肢 ハ正解
- 1個の電流計を用いて各相(R相、S相、T相)の電流を測定するために回路を切り換える機器であるため適切である。
- 選択肢 ニ不正解
- 大電流から保護する機器(ヒューズや遮断器など)ではないため誤りである。
覚えるポイント
- AS=電流計切換開閉器(各相の電流測定を切り換える)、VS=電圧計切換開閉器。
間違えやすいところ
- VS(電圧計切換スイッチ)の役割や、CT(変流器)自体の役割と混同しないようにする。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈、JIS C 0617
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧機器内配線用EPゴム絶縁電線(KIP)の構造断面
配線図 · 電線構造 / 高圧絶縁電線 / KIP
単線結線図の⑥で示す、母線等に用いられる高圧絶縁電線(KIP)の構造断面図として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
KIP電線(高圧機器内配線用EPゴム絶縁電線)は、キュービクル式受電設備などの盤内配線に多用される絶縁電線です。導体の上にセパレータテープを巻き、その外側に耐熱性・可とう性に優れたEPゴム(エチレンプロピレンゴム)を一層被覆した構造を持ちます。
解き方
- 単線結線図⑥が示す「KIP」は高圧機器内配線用EPゴム絶縁電線の略称であることを確認する。
- KIPの構造は導体+セパレータ+EPゴム絶縁体であるため、ニの断面図を選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 遮へい銅テープや半導電層、外部シースを備えた架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CVケーブル等)の構造であるため誤りである。
- 選択肢 ロ不正解
- 架橋ポリエチレン絶縁の上にビニルシースを施した低圧または高圧ケーブルの構造であり、KIPではないため誤りである。
- 選択肢 ハ不正解
- 導体に塩化ビニル樹脂を施した600Vビニル絶縁電線(IV線)等の構造であるため誤りである。
- 選択肢 ニ正解
- 銅導体にセパレータを介してEPゴム(エチレンプロピレンゴム)絶縁体を施したKIP電線の正しい断面構造である。
覚えるポイント
- KIP=高圧機器内配線用エチレンプロピレン(EP)ゴム絶縁電線。外被シースはなく単層のゴム絶縁。
間違えやすいところ
- CVケーブルのような遮へい層や外部シースを持つ多層構造と混同しないようにする。
出題の前提:JIS C 3612 高圧機器内配線用EPゴム絶縁電線
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.15 ↗(www.shiken.or.jp)
進相コンデンサ用直列リアクトルのリアクタンス値
配線図 · 進相コンデンサ / 直列リアクトル / 第5高調波
単線結線図の⑦で示す直列リアクトル(SR)のリアクタンスとして、一般的な高圧進相コンデンサ設備において適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
三相回路で最も影響の大きい第5高調波に対して回路全体を誘導性とする(共振を防ぎ波形歪みを低減する)ためには、理論上4%超のリアクタンスが必要です。余裕および電源周波数変動・突入電流抑制を考慮して、JIS等で標準の直列リアクトル容量はコンデンサ容量の6%(または高調波が多い環境での13%)と規定されています。
解き方
- 単線結線図の⑦は進相コンデンサ(SC)の直列リアクトル(SR)であることを確認する。
- 一般的な標準仕様における直列リアクトルのリアクタンス値である「コンデンサリアクタンスの6%」を選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 3%では第5高調波(理論上4%以上が必要)に対する拡大防止効果が不足するため誤りである。
- 選択肢 ロ正解
- 第5高調波による電圧歪みの防止および突入電流抑制のため、標準仕様としてコンデンサリアクタンスの6%が広く採用されており適切である。
- 選択肢 ハ不正解
- 18%は標準的な選定値ではなく過大であるため誤りである。
- 選択肢 ニ不正解
- 30%は直列リアクトルの選定値として過大であり誤りである。
覚えるポイント
- 直列リアクトル(SR)の標準リアクタンスはコンデンサ(SC)の6%(第5高調波対策)。
間違えやすいところ
- 第3高調波対策用の13%と混同しやすいが、選択肢中にある標準値は6%である。
出題の前提:JIS C 4902 高圧及び特別高圧進相コンデンサ用直列リアクトル、高圧受電設備規程
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.15 ↗(www.shiken.or.jp)
変流器(CT)の二次側複線結線図
配線図 · 変流器 / 計器用変成器 / 複線図 / CT結線
単線結線図の⑧で示す部分に施設する変流器(CT)の複線図として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
三相3線式高圧電路の電流測定・保護には、2台の変流器(CT)をR相およびT相に設けます。二次側端子はk側から電流を取り出し、l側同士を共通(コモン)接続して接地します。高圧計器用変成器の二次側電路には、混触による危険防止のためD種接地工事を施すことが定められています。
解き方
- 三相3線式においてCTはR相とT相(一般にS相を除く2相)に設置されることを確認する。
- CT二次側の極性と結線規則より、l端子側をコモンとして共通接続し、そこに接地(D種接地)が施されている複線図ニを特定する。
- 選択肢 イ不正解
- k端子側がコモン接続されており、標準的な接続(l端子コモン接続・接地)と極性の扱いが逆であるため誤りである。
- 選択肢 ロ不正解
- CTがR相とS相に設置されており、標準的な三相3線式のR相・T相設置ではないため誤りである。
- 選択肢 ハ不正解
- 計器用変成器の二次側電路に必須とされる接地工事が描かれていないため誤りである。
- 選択肢 ニ正解
- R相およびT相に変流器が挿入され、二次側のl端子同士が共通接続されて適切に接地されているため正しい。
覚えるポイント
- 三相3線式のCTはR相とT相に設置し、二次側のl端子同士を接続して接地する。
間違えやすいところ
- k端子とl端子の結線、接地工事の有無、設置相(R相とT相)を1つずつ正確にチェックすること。
出題の前提:電気設備技術基準解釈第28条、JIS C 1731-1
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.15 ↗(www.shiken.or.jp)
受電設備における電源切換インタロック
配線図 · 受電設備 / 非常用予備発電装置 / インタロック
高圧受電設備の単線結線図において、非常用予備発電装置側の遮断器⑨とインターロックを施すべき機器として、適切なものはどれか。ただし、非常用予備電源と常用電源を電気的に接続しないものとする。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
常用電源と非常用予備電源が同時に接続されると、非同期投入による大事故や電力会社系統への逆充電(感電災害や機器損壊の恐れ)を招くため、両電源が同時に投入されないよう電気的・機械的なインタロック機構を設ける必要があります。
解き方
- 単線結線図の母線構成を確認し、常用系母線と防災用負荷がつながる非常用母線が母線連絡開閉器cによって区分されていることを把握する。
- 常用電源と非常用発電装置⑨が同時に防災用母線へ給電・並列接続されないよう、遮断器⑨と母線連絡開閉器cとの間にインタロックを施す必要があると判定する。
- 選択肢 イ不正解
- 機器aは母線連絡開閉器cの右側にある常用系回路側断路器であり、非常用電源母線との境界区分を行う開閉器ではないため不適です。
- 選択肢 ロ不正解
- 機器bは非常用発電機回路と防災用負荷回路をつなぐ断路器であり、常用電源との並列投入を直接阻止する境界開閉器ではありません。
- 選択肢 ハ正解
- 母線連絡用開閉器cを開放しなければ非常用発電機の遮断器⑨を投入できない(またその逆も同様)インタロックを施すことで、両電源の混触を確実に防止できます。
- 選択肢 ニ不正解
- 機器dは受電点引込口のGR付PAS(高圧交流負荷開閉器)であり、構内受電点全体の主開閉器のため、非常用発電機と直接インタロックをとる機器ではありません。
覚えるポイント
- 非常用発電装置と常用電源の切換部には、並列運転防止のための確実なインタロックが必要。
間違えやすいところ
- 受電用主遮断器や個別の負荷側開閉器と混同せず、両系統母線の境界となる母線連絡開閉器(タイ開閉器)に着目する。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第46条(特別高圧又は高圧の受電電線路の引込口等の開閉器等)および内線規程の高圧受電設備基準
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.15 ↗(www.shiken.or.jp)
電力需給用計器用変成器の図記号と名称
配線図 · 受電設備 / 電力需給用計器用変成器 / VCT
高圧受電設備の単線結線図において、⑩で示す機器の名称として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
高圧受電電力を正確に計量するため、高電圧を110Vに降圧する計器用変圧器(VT)と大電流を5Aに変換する変流器(CT)を1台にまとめた複合機器を「電力需給用計器用変成器(VCT)」と呼びます。
解き方
- 単線結線図記号⑩を確認すると、点線枠内に変圧器記号と変流器記号が一体として描かれ、二次側が電力量計(Wh)へ配線されていることを読み取る。
- VTとCTを一体化して電力計量に用いる機器は電力需給用計器用変成器(VCT)であるため、該当する選択肢「ニ」を正答と判定する。
- 選択肢 イ不正解
- 計器用変圧器(VT)は電圧変換のみを行う機器であり、変流器(CT)も含めて一体化された⑩の名称としては不完全です。
- 選択肢 ロ不正解
- 零相変圧器(ZVT)は零相電圧を検出する機器であり、電力量計に接続されて電力測定を行う⑩とは異なります。
- 選択肢 ハ不正解
- コンデンサ形計器用変圧器はコンデンサ分圧を利用した変圧器であり、単線結線図⑩の変成器記号とは異なります。
- 選択肢 ニ正解
- VTとCTを同一容器内に収め、電力取引用の電力量計(Wh)に信号を供給する機器の名称として電力需給用計器用変成器(VCT)が正解です。
覚えるポイント
- VCT(電力需給用計器用変成器)はVTとCTが一体化されており電力量計Whに接続される。
間違えやすいところ
- 単体の計器用変圧器(VT)や変流器(CT)と取り違えやすいため、図記号内でVTとCTが併記されている点とWhへの接続を確認する。
出題の前提:JIS C 0617 シリーズ(電気用図記号)および内線規程
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.15 ↗(www.shiken.or.jp)
令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】
参照した公式資料
電気技術者試験センターが公開した令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午後】の問題・解答資料です。

