学科(旧称:筆記)の問題と公式解答を種別・年度・期・午前午後で区別しています。CBTの出題例は過去の筆記試験とは別種別です。技能の課題は学科と分けて収録しています。
令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】の概要
直流回路におけるインダクタとコンデンサの蓄積エネルギー
電気理論 · 直流回路 / 静電エネルギー / 磁気エネルギー
直流電源電圧20Vの回路において、抵抗R=2Ω、インダクタンスL=4mH、静電容量C=2mFが接続されている。RとLの直列回路に10Aの電流が流れているとき、Lに蓄えられているエネルギーWL[J]の値と、Cに蓄えられているエネルギーWC[J]の値の組合せとして、正しいものを1つ選べ。
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解答
イ
解説
インダクタンスL[H]に電流I[A]が流れているときの蓄積エネルギーはWL=(1/2)LI^2[J]で表され、静電容量C[F]のコンデンサに電圧V[V]が加わっているときの蓄積エネルギーはWC=(1/2)CV^2[J]で表されます。
解き方
- インダクタLに流れる電流I=10Aから、公式 WL = (1/2)×L×I^2 を用いて磁気エネルギーを計算する。
- 並列接続されたコンデンサCの端子電圧V=20Vから、公式 WC = (1/2)×C×V^2 を用いて静電エネルギーを計算する。
- 選択肢 イ正解
- 計算結果のとおり、WL = 0.2 J かつ WC = 0.4 J であり正しい組合せです。
- 選択肢 ロ不正解
- WLとWCの計算結果が入れ替わっているため誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- WLとWCのいずれの値も計算結果と一致しないため誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 公式の係数(1/2)を掛け忘れた数値などに基づいているため誤りです。
答えの内訳
- WL:0.2 J
- インダクタLに蓄えられる磁気エネルギーは WL = (1/2)LI^2 = (1/2)×(4×10^-3)×10^2 = 0.2 J と求まります。
- WC:0.4 J
- コンデンサCは電源電圧20Vと並列に接続されているため、蓄えられる静電エネルギーは WC = (1/2)CV^2 = (1/2)×(2×10^-3)×20^2 = 0.4 J と求まります。
覚えるポイント
- インダクタの蓄積エネルギーは(1/2)LI^2、コンデンサは(1/2)CV^2です。
間違えやすいところ
- mHやmFの補助単位(10^-3)の換算忘れや、1/2を掛け忘れるミスに注意が必要です。
出題の前提:電気理論の基礎公式に基づく計算問題
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
ホイートストンブリッジ回路における電流計の指示値
電気理論 · 直流回路 / ホイートストンブリッジ / 平衡条件
直流電源電圧10Vの回路において、7Ωの抵抗2個、3Ωの抵抗3個、および電流計が図のようにブリッジ回路を形成して接続されている。このとき、電流計に流れる電流[A]として、正しいものを1つ選べ。
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解答
ハ
解説
ホイートストンブリッジ回路において、対向する枝の抵抗の積が等しい場合(平衡条件が成立する場合)、中央の検出枝(検流計等)の両端電位差はゼロとなり電流は流れません。このとき中央枝を取り除いて独立した並列回路として解析できます。
解き方
- 回路のブリッジの4辺の抵抗を確認し、対辺の積(7Ω×3Ωと7Ω×3Ω)が等しく平衡していることを判定する。
- 平衡により中央の3Ω抵抗には電流が流れないため開放とみなし、上側の枝の全抵抗(7Ω+3Ω=10Ω)を電源電圧10Vで除して流れる電流1.0Aを求める。
- 選択肢 イ不正解
- 計算結果は1.0Aとなるため、0.1Aは誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- 全電流の半分と誤認するなどによる誤りです。
- 選択肢 ハ正解
- ブリッジの平衡により中央の抵抗を無視でき、上アームを流れる電流は 10V / (7+3)Ω = 1.0A となり正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 2.0Aは回路全体の全電流に相当し、電流計が配置された上アーム単独の電流ではないため誤りです。
覚えるポイント
- ブリッジの平衡条件が成立すると中央の枝の電流は0になり、回路を単純化できます。
間違えやすいところ
- 回路全体の全電流(2.0A)と、電流計の枝に流れる電流(1.0A)を取り違えないように注意が必要です。
出題の前提:直流回路理論・ホイートストンブリッジの平衡条件
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
電熱線の断線除去に伴う発生熱量の計算
電気理論 · 電力と熱量 / ジュールの法則 / 抵抗の長さ比例
定格電圧100V、定格消費電力1kWの電熱器の電熱線が全長の10%のところで断線したため、その部分を除き、残りの90%の部分を電圧100Vで1時間使用した場合、発生する熱量[kJ]として、最も近いものを1つ選べ。ただし、電熱線の温度による抵抗の変化は無視するものとする。
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解答
ハ
解説
電熱線の抵抗値はその長さに比例します。一定電圧Vのもとで消費される電力はP=V^2/Rで表されるため、電熱線が短くなると抵抗Rが減少し、消費電力Pは増加します。発生熱量はQ=P×t[J]によって求まります。
解き方
- 定格電圧100Vと消費電力1000Wから、電熱線全体の元の抵抗値R0 = 10Ωを計算する。
- 電熱線の長さが90%になった後の抵抗値 R = 0.9×R0 = 9Ω を求める。
- 電圧100Vを印加したときの消費電力 P = V^2/R = 10000/9 W を計算する。
- 時間 t = 3600秒 を掛けて発熱量 Q = P×t を求め、単位をkJに換算して4000kJを得る。
- 選択肢 イ不正解
- 元の電力に0.9を掛けてさらに誤った係数を用いたような値であり誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- 3600kJは断線前(1kWのまま)で1時間使用した場合の熱量(1000W×3600s=3600kJ)であるため誤りです。
- 選択肢 ハ正解
- 短縮後の電力(10000/9 W)に3600秒を乗じると4,000,000J = 4000kJとなり正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 計算結果と一致しないため誤りです。
覚えるポイント
- 電熱線の長さが短くなると抵抗が減り、電圧一定では消費電力と発熱量が増加します。
間違えやすいところ
- 抵抗が0.9倍になったときに発熱量も0.9倍になると勘違いする誤りに注意してください。
出題の前提:オームの法則およびジュールの法則に基づく熱量計算
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
RLC直列回路の力率計算
電気理論 · 交流回路 / インピーダンス / 力率
図のような交流回路において、抵抗R=4Ω、誘導性リアクタンスXL=6Ω、容量性リアクタンスXC=3Ωが直列に接続されている。この交流回路の力率[%]として、正しいものを1つ選べ。
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解答
ニ
解説
交流のRLC直列回路において、合成インピーダンスはZ=√[R^2+(XL-XC)^2]で表されます。回路の力率は抵抗Rの合成インピーダンスZに対する比率、すなわちcosθ=R/Zで定義されます。
解き方
- リアクタンスの差 X = XL - XC = 6 - 3 = 3 Ω を計算する。
- 合成インピーダンス Z = √(R^2 + X^2) = √(4^2 + 3^2) = 5 Ω を求める。
- 力率 cosθ = R / Z = 4 / 5 = 0.8 を計算し、百分率で 80 % を得る。
- 選択肢 イ不正解
- 計算結果の80%と異なるため誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- リアクタンス比 X/Z = 3/5 = 60%(無効率)と混同した数値であり誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 計算結果と一致しないため誤りです。
- 選択肢 ニ正解
- インピーダンスZ=5Ωに対して、力率は cosθ = 4/5 = 80% となり正しいです。
覚えるポイント
- 直列回路の力率は cosθ = R / Z であり、Z = √[R^2 + (XL - XC)^2] です。
間違えやすいところ
- XLとXCを足し算してリアクタンスを9Ωとしてしまわないよう、打ち消し合う差を取る点に注意が必要です。
出題の前提:交流回路のインピーダンスおよび力率の定義
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
三相交流回路における線電流の計算
電気理論 · 三相交流回路 / Δ-Y変換 / 線電流
線間電圧200Vの対称三相3線式交流電源に、各相2Ωの線路抵抗を介して、各相9Ωの抵抗からなるデルタ結線負荷が接続されている。この回路において、電源から流出する線電流I[A]の値として、正しいものを1つ選べ。
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解答
ロ
解説
平衡三相回路のデルタ負荷は、各相のインピーダンスを1/3にすることで等価なY結線負荷に変換できます。1相あたりの等価回路に帰着させることで、相電圧E=V/√3と1相全インピーダンスZから線電流I=E/Zを簡潔に算出できます。
解き方
- デルタ結線された負荷抵抗9ΩをΔ-Y変換し、等価なY負荷抵抗 RY = 9 / 3 = 3 Ω を求める。
- 線路抵抗2Ωと等価Y負荷抵抗3Ωを直列に加算し、1相あたりの合成抵抗 R = 2 + 3 = 5 Ω を求める。
- 電源の相電圧 E = 200 / √3 V を1相合成抵抗5Ωで除して、線電流 I = (200 / √3) / 5 = 40 / √3 A を計算する。
- 選択肢 イ不正解
- 線路抵抗と負荷の合成計算が誤っており、正しい線電流値ではありません。
- 選択肢 ロ正解
- 1相あたりの合成抵抗が5Ω、相電圧が200/√3 Vとなるため、線電流は 40/√3 A となり正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 線間電圧200Vを直接5Ωで割ってしまい、相電圧への変換(1/√3)を忘れた場合の数値です。
- 選択肢 ニ不正解
- 相電圧の換算係数を誤って乗じた値であり誤りです。
覚えるポイント
- デルタ結線負荷をY結線に変換するとインピーダンスは1/3になります。
間違えやすいところ
- 線間電圧200Vをそのまま用いて計算せず、1相等価回路では相電圧 200/√3 V を使う点に注意が必要です。
出題の前提:三相交流回路理論・Δ-Y変換
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.4 ↗(www.shiken.or.jp)
単相3線式と単相2線式の電線1線当たり供給電力比
配電理論 · 単相3線式 / 単相2線式 / 電線1線当たり供給電力
図aのような単相3線式電路と、図bのような単相2線式電路がある。図aの電線1線当たりの供給電力は、図bの電線1線当たりの供給電力の何倍か。ただし、Rは定格電圧V[V]の抵抗負荷であり、線路の電圧降下や損失は考慮しないものとする。
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解答
ハ
解説
電線1線当たりの供給電力は、電路全体が供給できる有効電力を電路を構成する電線の本数で除して求めます。同一の電線許容電流Iおよび相電圧Vにおいて、単相3線式は単相2線式に比べて設備利用効率が高くなります。
解き方
- 単相3線式(電線3本)において、平衡負荷時の全供給電力 Pa = 2VI から、1線当たりの供給電力 Pa1 = (2/3)VI を求める。
- 単相2線式(電線2本)において、全供給電力 Pb = VI から、1線当たりの供給電力 Pb1 = (1/2)VI を求める。
- Pa1 を Pb1 で除算して比率 (2/3) / (1/2) = 4/3 倍を算出する。
- 選択肢 イ不正解
- 計算手順および比率の導出が誤っています。
- 選択肢 ロ不正解
- 電線本数の比率などを誤って適用した値であり誤りです。
- 選択肢 ハ正解
- 単相3線式は(2/3)VI、単相2線式は(1/2)VIとなるため、比率は (2/3)/(1/2) = 4/3 倍となり正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 三相3線式との比較など異なる条件の数値であり誤りです。
覚えるポイント
- 電線1線当たりの供給電力比は、単相3線式/単相2線式 = 4/3 倍、三相3線式/単相2線式 = 1.15倍(2/√3)です。
間違えやすいところ
- 全電力の比率(2VI / VI = 2倍)と、電線1線当たりの比率(4/3倍)を混同しないように注意が必要です。
出題の前提:配電方式別の供給能力・経済性評価基準
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.4 ↗(www.shiken.or.jp)
三相短絡容量と百分率インピーダンスの関係式
配電理論 · 三相短絡容量 / 百分率インピーダンス / 系統計算
三相短絡容量[V・A]を百分率インピーダンス%Z[%]を用いて表した式として、正しいものを1つ選べ。ただし、Vは基準線間電圧[V]、Iは基準電流[A]とする。
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解答
ロ
解説
三相交流回路における基準容量(定格容量)はPn=√3VI[V・A]で定義されます。短絡電流Isは定格電流Iに対してIs=I×(100/%Z)となるため、三相短絡容量Ps=√3VIsは基準容量に(100/%Z)を乗じた式で表されます。
解き方
- 基準線間電圧Vと基準電流Iから、三相の基準容量 Pn = √3VI を確認する。
- 短絡容量 Ps = Pn × (100 / %Z) の関係式に Pn = √3VI を代入し、Ps = (√3VI / %Z) × 100 を導く。
- 選択肢 イ不正解
- 単相容量 VI を用いているため、三相交流の短絡容量の式としては誤りです。
- 選択肢 ロ正解
- 三相基準容量 √3VI を用いた正しい短絡容量の算出式です。
- 選択肢 ハ不正解
- 係数が 2 となっており、三相交流の表現として誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 相電圧を用いた場合の表現と混同しており、線間電圧Vを用いる場合は √3 となるため誤りです。
覚えるポイント
- 短絡容量 Ps = (100 / %Z) × 基準容量 Pn、三相基準容量 Pn = √3VI です。
間違えやすいところ
- 単相の式(VI)や3相の係数(3)と、線間電圧を用いた場合の√3を混同しないようにしてください。
出題の前提:電気設備技術基準・受変電設備の短絡電流・遮断容量計算
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
電柱の支線張力と電線の許容水平張力の計算
送配電設備 · 支線 / 許容張力 / 安全率 / 水平張力
図のように電柱への取り付け角度が30°となるように支線を施設する場合、支線の許容張力をTS=24.8kN、支線の安全率を2とするとき、電線の水平張力Tの最大値[kN]として、最も近いものを1つ選べ。
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解答
ロ
解説
電柱に施設する支線は、電線の水平張力による転倒モーメントを支えるために設置されます。支線の許容引張強さを安全率で除して使用許容張力を求め、その水平分力(支線が電柱となす角θに対して sinθ を乗じたもの)が電線の許容水平張力とつり合います。
解き方
- 支線の許容張力TS=24.8kNを安全率2で除し、実使用時の許容張力 24.8 / 2 = 12.4 kN を求める。
- 電柱に対する支線の取付角30°から、水平分力を求めるために sin 30° = 0.5 を乗じる。
- T = 12.4 × 0.5 = 6.2 kN を算出し、選択肢から一致するものを選ぶ。
- 選択肢 イ不正解
- 安全率を二重に適用した計算値などであり誤りです。
- 選択肢 ロ正解
- (24.8 / 2) × sin 30° = 12.4 × 0.5 = 6.2 kN となり正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- cos 30° を誤って乗じた場合の値 (12.4 × 0.866 ≒ 10.7 kN) であり誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 安全率や角度を一切考慮していない支線の引張強さそのものの数値であり誤りです。
覚えるポイント
- 支線の水平分力 Th = 支線張力 × sinθ(θは電柱と支線のなす角度)です。
間違えやすいところ
- 電柱となす角が30°のとき、水平分力はcosではなくsin(30°)=0.5を用いる点に注意が必要です。
出題の前提:電気設備技術基準の解釈 第61条(支線の施設)
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
力率改善に必要な電力用コンデンサの容量計算
配電理論・電気応用 · 力率改善 / 進相コンデンサ / 無効電力
定格容量 200 kV・A、消費電力 120 kW、遅れ力率 cosθ1 = 0.6 の負荷に電力を供給する高圧受電設備に高圧進相コンデンサを設置して、力率を cosθ2 = 0.8 に改善したい。このとき必要な進相コンデンサの容量 [kvar] として、最も近いものはどれか。 ただし、tanθ1 = 1.33、tanθ2 = 0.75 とする。
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解答
ロ
解説
力率改善に必要な進相コンデンサの容量 Qc [kvar] は、有効電力を P [kW]、改善前の力率角を θ1、改善後の力率角を θ2 とすると、Qc = P(tanθ1 - tanθ2) で計算されます。進相無効電力を供給して負荷の遅れ無効電力を相殺します。
解き方
- 改善前後の力率に対応する正接 tanθ1 = 1.33、tanθ2 = 0.75 の差を求めます(1.33 - 0.75 = 0.58)。
- 有効電力 P = 120 kW に正接の差を乗じて、Qc = 120 × 0.58 = 69.6 kvar を算出し、最も近い「70」を選択します。
- 選択肢 イ不正解
- 35 kvar は計算値の約半分であり、誤った計算結果です。
- 選択肢 ロ正解
- Qc = 120 × (1.33 - 0.75) = 69.6 ≒ 70 kvar となり正解です。
- 選択肢 ハ不正解
- 90 kvar は改善後の遅れ無効電力 Q2 = 120 × 0.75 の値です。
- 選択肢 ニ不正解
- 160 kvar は改善前の遅れ無効電力 Q1 = 120 × 1.33 ≒ 159.6 kvar に相当する値です。
覚えるポイント
- 進相コンデンサ容量 Qc = P(tanθ1 - tanθ2) の公式を確実に暗記しましょう。
間違えやすいところ
- 皮相電力 S (200 kVA) を掛けてしまう誤りや、改善後の無効電力をそのまま答えてしまうミスに注意が必要です。
出題の前提:令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】問9
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
三相誘導電動機の出力計算
電気機器 · 誘導電動機 / 三相交流電力 / 電動機出力 / 効率
三相かご形誘導電動機が、線間電圧 200 V、負荷電流 10 A、力率 80 %、効率 90 % で運転されているとき、この電動機の出力 [kW] として最も近いものはどれか。
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解答
ハ
解説
三相交流回路の入力電力は Pin = √3 × V × I × cosθ [W] で表されます。電動機の機械的出力 Pout [kW] は、電気的入力 Pin に効率 η を掛けたもの(Pout = Pin × η)となります。
解き方
- 三相入力電力を Pin = √3 × 200 × 10 × 0.80 / 1000 ≒ 2.771 kW と計算します。
- 入力電力に出力効率 η = 0.90 を乗じ、Pout = 2.771 × 0.90 ≒ 2.494 kW(約 2.5 kW)を導きます。
- 選択肢 イ不正解
- 1.4 kW は単相交流として計算した場合などに近い誤った値です。
- 選択肢 ロ不正解
- 2.0 kW は √3 を掛け忘れるなど計算式を誤った際の値です。
- 選択肢 ハ正解
- Pout = √3 × 200 × 10 × 0.8 × 0.9 / 1000 ≒ 2.494 kW ≒ 2.5 kW で正解です。
- 選択肢 ニ不正解
- 4.3 kW は効率で割ってしまうなど不適切な計算を行った値です。
覚えるポイント
- 三相電力の基本式 Pin = √3 × V × I × cosθ と出力 Pout = Pin × η の関係を整理しましょう。
間違えやすいところ
- 三相電力計算で √3 を掛け忘れることや、出力と入力で効率 η を割ってしまうミスに注意します。
出題の前提:令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】問10
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
点光源直下の床面照度の計算
電気応用 · 照明 / 照度の逆二乗の法則 / 光度
床面上 2 m の高さに、光度 1000 cd の点光源がある。点光源直下の床面照度 [lx] として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
点光源による直下照度 E [lx] は「照度の逆二乗の法則」に従い、光源の光度 I [cd] に比例し、光源からの距離 r [m] の2乗に反比例します(E = I / r^2)。
解き方
- 逆二乗の法則の公式 E = I / r^2 を確認します。
- 光度 I = 1000 cd、距離 r = 2 m を代入して E = 1000 / (2^2) = 1000 / 4 = 250 lx を求めます。
- 選択肢 イ正解
- E = 1000 / 2^2 = 250 lx であり正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- 500 lx は距離の2乗ではなく距離 2 m でそのまま割った誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 750 lx は誤った計算結果です。
- 選択肢 ニ不正解
- 1000 lx は距離による減衰を考慮していない誤りです。
覚えるポイント
- 直下照度の公式は E = I / r^2 であり、距離の2乗に反比例することを徹底して覚えましょう。
間違えやすいところ
- 距離 r の2乗ではなく、単に r で除算してしまう計算ミスが典型例です。
出題の前提:令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】問11
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
変圧器の損失に関する特徴
電気機器 · 変圧器 / 鉄損 / 銅損 / 最大効率条件
変圧器の損失に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
変圧器の損失は、負荷の大きさに関係なく一定である「無負荷損(固定損・主に鉄損)」と、負荷電流の2乗に比例して変化する「負荷損(可変損・主に銅損)」に大別されます。鉄損と銅損が等しくなる負荷率のときに効率が最大となります。
解き方
- 各選択肢の変圧器の損失に関する基礎理論(無負荷損・鉄損の内訳・最大効率条件)を確認します。
- 銅損 Pc = I^2 × R の関係より、負荷電流 I が2倍になれば銅損は4倍になることを確認し、ニを誤りと判断します。
- 選択肢 イ不正解
- 固定損(鉄損)と可変損(銅損)が等しいときに効率が最大となるため、記述は正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- 無負荷時に発生する損失の大部分は鉄心中で生じる鉄損であるため、記述は正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 鉄損はヒステリシス損と渦電流損で構成されるため、記述は正しいです。
- 選択肢 ニ正解
- 銅損は巻線電流の2乗に比例するため、電流が2倍になると銅損は4倍になります。したがってこの記述が誤りです。
覚えるポイント
- 銅損は負荷電流の2乗に比例し、鉄損は負荷電流によらずほぼ一定であることを覚えましょう。
間違えやすいところ
- 銅損が電流に比例(1乗)すると勘違いし、2倍になると誤認しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】問12
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
平滑回路付き単相半波整流回路の出力電圧波形
配電理論・電気応用 · 整流回路 / 半波整流 / 平滑コンデンサ / リップル
図のような整流回路において、端子間電圧 vo の波形として、適切なものはどれか。 ただし、電源電圧 v は実効値 100 V、周波数 50 Hz の正弦波とする。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
単相半波整流回路では、交流電源の1周期(50Hzなら20ms)に1回だけ正の半サイクルでダイオードが導通します。コンデンサの充電電圧は電源の最大値 Vm = √2 × V まで達し、非導通期には放電により徐々に電圧が降下します。
解き方
- 実効値 100 V の最大値(ピーク値)を Vm = 100 × √2 ≒ 141 V と求めます(100 V の波形 ハ・ニ を除外)。
- 周波数 50 Hz の周期 T = 1/50 = 20 ms を求め、ダイオード1個の半波整流であることからピーク周期が 20 ms である波形「イ」を選択します。
- 選択肢 イ正解
- ピーク値が約141Vであり、半波整流により20ms周期で充放電を繰り返す波形を示しているため正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- ピーク周期が10msとなっており、全波整流回路の波形であるため誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- ピーク値が実効値と同じ100Vになっており、最大値(141V)に充電されないため誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- ピーク値が100Vで周期も10ms(全波整流)となっているため誤りです。
覚えるポイント
- 正弦波交流のピーク値は実効値の√2倍(約1.41倍)であり、50Hzの1周期は20ms(半波整流の繰り返し周期)です。
間違えやすいところ
- 最大値に実効値の100Vをそのまま選んでしまうことや、単相半波整流を全波整流(周期10ms)と取り違えるミスに注意します。
出題の前提:令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】問13
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
IH調理器の加熱原理
電気応用 · 電磁調理器 / IH調理器 / 電磁誘導 / 誘導加熱 / 渦電流
写真で示す電磁調理器(IH 調理器)の加熱原理はどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
電磁誘導現象によって導体(金属鍋など)に渦電流を生じさせ、その渦電流損と抵抗によるジュール熱を利用して直接被加熱物を加熱する方式を「誘導加熱(IH)」と呼びます。
解き方
- IHが「Induction Heating(電磁誘導加熱)」の略であることを想起します。
- 金属鍋の底に交番磁束による渦電流を発生させて発熱させる原理である「誘導加熱」を選択します。
- 選択肢 イ正解
- IH調理器は電磁誘導によって鍋自体を渦電流損で発熱させる誘導加熱を利用しているため正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- 誘電加熱は電子レンジのように誘電体の高周波電界中での誘電損失を利用する方式です。
- 選択肢 ハ不正解
- 抵抗加熱はニクロム線などのヒータに通電して発熱させる方式です。
- 選択肢 ニ不正解
- 赤外線加熱は赤外線電球などの放射熱を利用する方式です。
覚えるポイント
- IH調理器=誘導加熱(導体の渦電流による発熱)、電子レンジ=誘電加熱(絶縁物・水分子の摩擦による発熱)の対比を覚えましょう。
間違えやすいところ
- 誘導加熱(導体対象)と誘電加熱(誘電体・絶縁物対象)の名称や原理を混同しないように注意します。
出題の前提:令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】問14
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
雷保護用機器(サージ防護デバイス)の識別
配線器具・材料・工具 · サージ防護デバイス / SPD / 雷保護 / 過電圧保護
写真に示す雷保護用として施設される機器の名称はどれか。 なお、系統図では主幹MCCBの負荷側または電源側から分離器を介して接続され、接地されている。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
サージ防護デバイス(SPD)は、配電線から侵入する雷サージ等の過電圧から電気設備や電子機器を保護するため、電路と大地間に並列接続して瞬時に過大なサージ電流を接地に逃がす機器です。
解き方
- 問題文に「雷保護用として施設される機器」とある点を確認します。
- 系統図の配線(電路と接地間に分離器を介して並列接続される構成)および外観から、サージ防護デバイス(SPD)であると特定します。
- 選択肢 イ不正解
- 地絡継電器は地絡事故の電流や電圧を検出して遮断器をトリップさせる装置です。
- 選択肢 ロ不正解
- 漏電遮断器は電路の漏電を検出して自動的に電路を遮断する開閉器です。
- 選択肢 ハ不正解
- 漏電監視装置は常時電路の漏洩電流を測定・監視・警報する装置です。
- 選択肢 ニ正解
- 写真および単線結線図の雷保護用機器はサージ防護デバイス(SPD)であり正しいです。
覚えるポイント
- 雷サージ保護用として低圧電路等に設置される機器はサージ防護デバイス(SPD)です。
間違えやすいところ
- 地絡や漏電を検知・遮断する保護機器(漏電遮断器や地絡継電器)と雷保護機器を取り違えないようにします。
出題の前提:令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】問15
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
火力発電所の大気汚染防止対策
発電・送配電・変電 · 火力発電 / 大気汚染防止 / 電気集じん器 / 排煙脱硝装置 / 排煙脱硫装置
火力発電所で採用されている大気汚染を防止する環境対策として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
火力発電所における大気汚染物質の対策として、硫黄酸化物(SOx)には排煙脱硫装置や低硫黄燃料(LNG等)の使用、窒素酸化物(NOx)には排煙脱硝装置や低NOxバーナー、ばいじんには電気集じん器が用いられます。
解き方
- 各選択肢の環境対策機器と対象物質の組み合わせ(排煙脱硝=NOx、排煙脱硫=SOx、LNG=SOxなし)を照合します。
- 電気集じん器が捕集するのは「ばいじん(微粒子)」であり「二酸化炭素(気体)」ではないことを特定し、イを誤りと判断します。
- 選択肢 イ正解
- 電気集じん器はばいじん(すす・灰)を除去する装置であり、二酸化炭素の排出を抑制するものではないため誤り(正解)です。
- 選択肢 ロ不正解
- 排煙脱硝装置はアンモニア接触還元法などにより窒素酸化物(NOx)を除去するため正しい記述です。
- 選択肢 ハ不正解
- 排煙脱硫装置は石灰石膏法などを用いて硫黄酸化物(SOx)を除去するため正しい記述です。
- 選択肢 ニ不正解
- LNG(液化天然ガス)は硫黄分をほとんど含まないため、SOx対策として極めて有効であり正しい記述です。
覚えるポイント
- 電気集じん器=ばいじん捕集、排煙脱硫装置=SOx除去、排煙脱硝装置=NOx除去の対応関係を正確に記憶しましょう。
間違えやすいところ
- 電気集じん器が気体成分(CO2やSOx等)を除去できると誤認しないよう注意します。
出題の前提:令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】問16
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
架空送電線の雷害対策
配電・送電理論 · 送電線路の雷害対策 / 相間スペーサ / 架空地線 / アークホーン
架空送電線の雷害対策に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
架空送電線における雷害対策としては、直撃雷を遮蔽する架空地線、がいしの雷過電圧によるフラッシオーバ時にがいしを保護するアークホーン、侵入した過電圧を制限する避雷器などがあります。電線同士の間隔を保つ相間スペーサは風害・短絡防止対策です。
解き方
- 選択肢に挙げられた各部材・機器がどのような目的で架空送電線に設置されるかを確認する。
- 相間スペーサは風による電線の揺れや短絡を防止する風害対策であり、雷害対策ではないと判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 架空地線は電線路の上部に張り、送電線への直撃雷を遮へいするための有効な雷害対策です。
- 選択肢 ロ不正解
- 避雷器は送電線に生じた雷サージなどの過電圧を大地へ逃がして機器を保護する雷害対策です。
- 選択肢 ハ正解
- 相間スペーサは風による電線の動揺や接触(短絡)を防止する設備であり、雷害対策ではありません。
- 選択肢 ニ不正解
- アークホーン(放電角)は雷過電圧によるフラッシオーバのアークからがいしを保護する雷害対策です。
覚えるポイント
- 相間スペーサは風による電線相互の接触やギャロッピング防止対策である。
間違えやすいところ
- アークホーンを鳥害対策などと混同せず、がいしを雷アークから保護する雷害対策器具として覚える。
出題の前提:電気設備技術基準の解釈、架空電線路の保安対策
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
架空送電線のたるみ計算
配電・送電理論 · 架空電線路 / 電線のたるみ / 径間
水平径間 120 m の架空送電線がある。電線 1 m 当たりの重量が 20 N/m、電線の水平引張強さ(水平張力)が 12 000 N のとき、電線のたるみ D [m] の値として正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
架空電線のたるみ D [m] は、径間を S [m]、電線 1 m 当たりの合成荷重(自重等)を W [N/m]、水平張力を T [N] とすると、D = (W × S^2) / (8 × T) で計算されます。
解き方
- 与えられた数値(S = 120 m、W = 20 N/m、T = 12000 N)をたるみの公式 D = (W × S^2) / (8 × T) に代入する。
- 計算を実行して D = (20 × 14400) / (8 × 12000) = 288000 / 96000 = 3 m を導く。
- 選択肢 イ不正解
- 分母や分子の計算ミスなどにより得られる誤った値です。
- 選択肢 ロ正解
- 公式 D = (W × S^2) / (8 × T) に数値を代入して計算すると 3 m となり正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 計算手順の誤りによる不適切な値です。
- 選択肢 ニ不正解
- 分母の定数 8 を誤って計算した場合などに生じる誤りです。
覚えるポイント
- 架空電線のたるみ公式 D = (W × S^2) / (8 × T) を確実に暗記しておく。
間違えやすいところ
- 分母の「8」を忘れたり、径間 S を2乗し忘れて計算ミスをする点に注意する。
出題の前提:電気設備技術基準の解釈、架空電線路の機械的計算
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
高調波に関する記述
配電・受電理論 · 高調波 / インバータ / 直列リアクトル / 機器の過熱
電力系統における高調波に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
電力用半導体素子を用いて交流と直流を変換するインバータや整流器は、非線形負荷であり高調波電流の大きな発生源となります。高調波は進相コンデンサや電動機の過熱・異音・振動などの障害を引き起こします。これらを防ぐために直列リアクトルやアクティブフィルタが設置されます。
解き方
- 高調波の発生源となる機器の特徴(スイッチング動作を行うパワーエレクトロニクス機器)を確認する。
- インバータは半導体スイッチングを行うため主要な高調波発生源であり、「発生源にならない」とする記述は誤りであると判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 三相回路で発生する高調波は主に対称性から第5次や第7次などの低次高調波が大部分を占めるため正しいです。
- 選択肢 ロ正解
- インバータは代表的な高調波の発生源であるため、「発生源にならない」とする本記述は誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 直列リアクトルは高調波によるコンデンサの過負荷防止や電圧波形ひずみの改善に有効であり正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 高調波電流によって電動機に鉄損・銅損の増加が生じ、過熱や振動の原因となるため正しいです。
覚えるポイント
- インバータや整流器などの電力変換装置は高調波の主要な発生源である。
間違えやすいところ
- インバータは省エネ機器だから高調波を出さないと誤解しないように注意する。
出題の前提:高圧又は特別高圧で受電する需要家の高調波抑制対策ガイドライン
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧交流遮断器の遮断容量計算
配電・受電理論 · 高圧交流遮断器 / 遮断容量 / 三相交流計算
公称電圧 6.6 kV の高圧受電設備に使用する高圧交流遮断器(定格電圧 7.2 kV、定格遮断電流 12.5 kA、定格電流 600 A)の遮断容量 [MV・A] の値として、最も近いものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
三相交流遮断器の定格遮断容量 P_s [MV・A] は、定格電圧 V_n [kV] と定格遮断電流 I_s [kA] を用いて P_s = √3 × V_n × I_s で計算されます。公称電圧(6.6 kV)ではなく定格電圧(7.2 kV)を用います。
解き方
- 遮断容量の算出に必要な公式 P_s = √3 × 定格電圧 × 定格遮断電流 を確認する。
- 定格電圧 7.2 kV と定格遮断電流 12.5 kA を代入して計算する(√3 × 7.2 × 12.5 = 1.732 × 90 ≒ 155.88 MV・A)。
- 計算結果に最も近い選択肢ニ(160 MV・A)を選択する。
- 選択肢 イ不正解
- √3 を掛け忘れた場合(7.2 × 12.5 = 90 MV・A)よりもさらに小さく、不適切な値です。
- 選択肢 ロ不正解
- 単相計算や定格電流の混同による誤った値です。
- 選択肢 ハ不正解
- 公称電圧で計算しても約 143 MV・A であり、130 は誤りです。
- 選択肢 ニ正解
- √3 × 7.2 kV × 12.5 kA ≒ 156 MV・A であり、選択肢の中で最も近い 160 MV・A が正しいです。
覚えるポイント
- 遮断容量の計算には公称電圧ではなく「定格電圧」を使用する。
間違えやすいところ
- 定格電流(600 A)と定格遮断電流(12.5 kA)を取り違えないように注意する。
出題の前提:JIS C 4603(高圧交流遮断器)等の規格基準
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧受電設備における避雷器の機能
配電・受電理論 · 避雷器 / 過電圧制限 / 続流遮断
高圧受電設備に雷その他による異常な過電圧が加わった場合の避雷器(LA)の機能として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
避雷器(ライトニングアレスタ)は非直線抵抗体(酸化亜鉛素子等)を用い、通常電圧では絶縁を保ち、雷サージなどの異常過電圧が印加された際には極めて低い抵抗となって放電電流を大地へ流して電圧を制限します。過電圧がなくなると直ちに絶縁状態に戻り、商用周波数の続流を自ら遮断して電路を健全な状態に復帰させます。
解き方
- 避雷器の基本的動作(放電による電圧抑制と、過電圧後の自動的な続流遮断・復旧)を確認する。
- 各選択肢を照らし合わせ、ヒューズ溶断や機器の物理的切り離しではなく、大地への分流と健全状態への回復を述べているイを選択する。
- 選択肢 イ正解
- 過電圧に伴うサージ電流を大地へ逃がして電圧を制限し、通過後は続流を遮断して電路を健全状態に回復させるため正しい記述です。
- 選択肢 ロ不正解
- 避雷器は電路自体を切り離すスイッチや遮断器のような開閉動作は行いません。
- 選択肢 ハ不正解
- ヒューズが溶断して機器を切り離すのは限流ヒューズ付き開閉器などの機能であり、避雷器の機能ではありません。
- 選択肢 ニ不正解
- 機器を電源から物理的に切り離したり再投入したりする機能はありません。
覚えるポイント
- 避雷器は「過電圧の制限(放電)」と「続流の遮断(健全状態への自動復旧)」を行う。
間違えやすいところ
- 遮断器やヒューズのように電路を開放して遮断する動作と混同しない。
出題の前提:電気設備技術基準の解釈 第37条(避雷器等の施設)
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧機器の写真判別
配電・受電理論 · 高圧交流遮断器 / VCB / 機器外観
写真に示す高圧受電設備に用いられる機器の文字記号(略号)として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
高圧交流遮断器として広く普及している真空遮断器(VCB: Vacuum Circuit Breaker)は、高真空中の高い絶縁耐力と消弧能力を利用して負荷電流および短絡電流を遮断します。外観上は頑丈なフレーム内に3つの真空バルブ(消弧室)と開閉操作機構部を有しています。
解き方
- 写真の機器外観を確認し、3極の消弧部(真空バルブ)と操作・引き出し機構を備えた遮断器であることを確認する。
- 断路器(DS)、柱上気中負荷開閉器(PAS)、高圧交流負荷開閉器(LBS)との外観の違いを識別し、VCB(真空遮断器)と判断する。
- 選択肢 イ不正解
- DSは断路器(Disconnecting Switch)であり、消弧能力を持たないナイフスイッチ状の開閉器です。
- 選択肢 ロ不正解
- PASは柱上高圧気中負荷開閉器であり、気密ケースに収納され電柱上に取り付けられる機器です。
- 選択肢 ハ不正解
- LBSは高圧交流負荷開閉器であり、消弧室や限流ヒューズを取り付ける枠構造を持つ開閉器です。
- 選択肢 ニ正解
- 写真の機器は真空バルブと操作機構を備えた高圧真空遮断器(VCB)であり正しいです。
覚えるポイント
- VCB(真空遮断器)は短絡電流などの事故電流を遮断できる主遮断装置である。
間違えやすいところ
- LBS(負荷開閉器)とVCB(遮断器)の外観および遮断能力の違いを明確に区別する。
出題の前提:高圧受電設備規程、JIS C 4603
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧がいしの種類と写真判別
配電・受電理論 · がいし / 高圧耐塩がいし / 汚損対策
写真に示す高圧配電線等に使用される品物の名称として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
塩害の恐れがある海岸地域等で使用されるがいしは、海塩粒子の付着による絶縁低下を防ぐため、表面の漏れ距離が長くなるようにヒダ(笠)の形状を大きく深く設計した「耐塩がいし」が用いられます。
解き方
- 写真のがいしの形状を確認すると、ピン支持構造で笠(ヒダ)が深く覆いかぶさるような形状をしている。
- 普通のがいし(ピンがいし)よりも塩分付着時のフラッシオーバを防ぐ設計となっている「高圧耐塩がいし」であると特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 普通型の高圧ピンがいしは、ヒダの重なりがここまで深く大きくありません。
- 選択肢 ロ不正解
- 長幹がいしは棒状の磁器本体の周囲に多くのヒダが連続して形成された引留め等に用いるがいしです。
- 選択肢 ハ正解
- 写真は漏れ距離を長く確保するために深いヒダ構造をもつ高圧耐塩がいしであり正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 高圧中実がいし(中実ピンがいし等)とは形状や笠の深さが異なります。
覚えるポイント
- 笠(ヒダ)が深く二重・三重に覆う形状のがいしは「耐塩がいし」である。
間違えやすいところ
- 普通型の高圧ピンがいしと耐塩がいしの笠の形状の違いを見落とさないようにする。
出題の前提:高圧配電線路資材基準、電気設備技術基準の解釈
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
配線器具の機能と特徴
配線設計・施工法 · 遅延スイッチ / 熱線式自動スイッチ / 引掛形コンセント / 抜止形コンセント
配線器具に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
抜止形(抜け止め形)コンセントは一般の平形刃プラグを挿入後に回して抜けにくくする器具で、一般プラグがそのまま使えます。これに対し引掛形コンセントは円弧状の専用プラグを挿入して回す構造となっています。遅延スイッチや熱線式自動スイッチなどの各種特殊スイッチの用途も正確に把握しておく必要があります。
解き方
- 各配線器具の特徴を検討する(イ:遅延スイッチ、ロ:熱線式自動スイッチ、ハ:引掛形コンセント)。
- ニの抜止形コンセントについて確認する。一般の平刃プラグを差し込んでひねることで固定でき、専用プラグを必要としないため、ニが誤りであると判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 遅延スイッチは消灯後に一定時間遅れて換気扇等が切れるスイッチであり正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- 熱線式自動スイッチは赤外線で人体の体温変化を検知して自動点滅するスイッチであり正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 引掛形コンセントは円弧状の刃受を持ち、専用の引掛形プラグを回転させてロックするため正しいです。
- 選択肢 ニ正解
- 抜止形コンセントは通常の平行刃プラグをそのまま使用できるため、「専用のプラグを使用する」とする記述は誤りです。
覚えるポイント
- 抜止形コンセントは通常の平刃プラグが使用可能、引掛形コンセントは専用プラグが必要である。
間違えやすいところ
- 「引掛形」と「抜止形」で、専用プラグが必要か通常のプラグが使えるかの違いを混同しないようにする。
出題の前提:JIS C 8303(配線用差込接続器)
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp)
600Vビニル絶縁電線の許容電流の定義
配線設計・材料 · 許容電流 / ビニル絶縁電線 / 許容最高温度
600Vビニル絶縁電線の連続使用時における許容電流に関する説明として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
電線に電流が流れるとジュール熱(I²R)により温度が上昇します。許容電流とは、電線の絶縁物が安全に使用可能な最高許容温度(600Vビニル絶縁電線の連続使用時は60℃)を超えず、著しい熱劣化を引き起こさないための限界連続通電電流のことです。
解き方
- 電線の通電発熱と絶縁物の耐熱性能(最高許容温度)の関係性を確認する。
- 提示された各選択肢のうち、許容電流の公的定義に合致する説明(絶縁体の劣化防止限界電流)を特定する。
- 選択肢 イ正解
- 通電によるジュール発熱に対して絶縁物の劣化を防ぐための連続通電限界電流を表しており、定義として正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- 600Vビニル絶縁電線(IV線等)の連続使用時における許容最高温度は60℃であり、80℃ではありません。
- 選択肢 ハ不正解
- 溶断する電流値は溶断電流と呼ばれ、絶縁物の熱劣化を防ぐ許容電流とは全く異なります。
- 選択肢 ニ不正解
- 電圧降下の制約から定まる電流値と、電線発熱による絶縁物の耐熱限界から定まる許容電流は区別されます。
覚えるポイント
- IV電線の連続使用時の許容最高温度は60℃
- 許容電流は絶縁物の劣化を防ぐための限界電流
間違えやすいところ
- 許容最高温度を二種ビニル(75℃)や架橋ポリエチレン(90℃)の値と混同すること
- 溶断電流や短絡時許容電流と連続使用時の許容電流を取り違えること
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第146条(低圧配線等の電線の種類及び太さ)およびJIS C 3307
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp)
ケーブルラック延線作業で使用される器具・工具の選定
電気工事施工方法 · 延線工具 / ケーブルラック工法 / 張線器
写真に示すもののうち、CVT 150mm²のケーブルを、ケーブルラック上に延線する敷設作業において、一般的に使用されないものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
ケーブルラック上に太径ケーブルを延線する際は、摩擦抵抗低減と被覆保護のために直線部には中間コロ、屈曲部にはラック専用金車(コーナーコロ)を配置し、先端にはケーブルグリップを装着してウインチ等で牽引します。張線器(シメラー)は架空線の緊線作業専用であり延線には使用しません。
解き方
- 写真の各器具を判別する(イ:中間コロ、ロ:ラック用金車、ハ:張線器、ニ:ケーブルグリップ)。
- ケーブルラック上の延線作業工程における各工具の用途を比較し、使用されない工具(架空配線用の張線器)を特定する。
- 選択肢 イ不正解
- ケーブルラック直線上においてケーブルの摩擦を軽減し被覆を保護するために多用されます。
- 選択肢 ロ不正解
- ラックのコーナー部・曲がり部に取り付けて許容曲げ半径を確保しながら通線するために使用されます。
- 選択肢 ハ正解
- 張線器(シメラー)は架空電線やメッセンジャーワイヤのたるみを調整・緊線するための器具であり、ケーブルラック延線には使用されません。
- 選択肢 ニ不正解
- ケーブルの先端に取り付けて引張ワイヤーと連結し、牽引力を均等に伝えるために不可欠です。
覚えるポイント
- 張線器(シメラー)は架空電線の緊線・たるみ取りに使用する
- ケーブルラック延線には金車(コロ)とケーブルグリップを用いる
間違えやすいところ
- ケーブルグリップをワイヤグリップ(シメラーの掴み部)と外観上で混同すること
- 配管通線工具とケーブルラック延線工具を用途別に整理できていないこと
出題の前提:内線規程 第3165節(ケーブルラック配線)および施工標準仕様
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp)
低圧ケーブル工事の施工基準
電気設備技術基準・解釈 · ケーブル工事 / 支持点間距離 / 防護管接地
使用電圧300V以下のケーブル工事による低圧屋内配線において、電気設備技術基準に照らし不適切な施工方法はどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
低圧屋内配線のケーブル工事において、電線を造営材の下面または側面に沿って取り付ける場合、支持点間距離は原則として2m以下(接触防護措置を施さない場合は1m以下)としなければなりません。また、防護管の接地は乾燥場所かつ長さ4m以下(または300V以下で2.5m以下・乾燥)で省略可能です。
解き方
- 各選択肢の施工条件(接触離隔、支持間隔、防護管接地省略、キャブタイヤ適用場所)を確認する。
- 造営材側面に沿うケーブル工事の支持点間距離の規定(2m以下)と選択肢ロの数値(3m)を比較して誤りを判定する。
- 選択肢 イ不正解
- ケーブルと弱電流電線やガス管等の他の工作物は、接触しないように施設すれば適切です。
- 選択肢 ロ正解
- 造営材の側面に沿って施設する場合の支持点間距離は2m以下とする必要があり、3mとする施工は不適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- 乾燥した場所で管の長さが4m以下の金属管に収める場合は、金属管のD種接地工事を省略できます(2mは適法)。
- 選択肢 ニ不正解
- キャブタイヤケーブルは、点検できる隠ぺい場所(乾燥した場所等)において適切に施設することができます。
覚えるポイント
- ケーブル工事の造営材沿い支持点間距離は2m以下
- キャブタイヤケーブルの支持点間距離は1m以下
- 金属製防護管等の接地省略条件(乾燥場所・4m以下など)
間違えやすいところ
- 金属管工事やがいし引き工事の支持点間距離(2m)や合成樹脂管(1.5m)と混同すること
- 防護管の接地工事省略長(乾燥した場所4m以下)の要件を見落とすこと
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第164条(ケーブル工事)
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp)
可燃性ガス存在場所における防爆低圧工事
電気設備技術基準・解釈 · 防爆工事 / 危険場所 / 厚鋼電線管 / フレキシブルフィッチング
可燃性ガスが存在する場所に低圧屋内電気設備を施設する施工方法として、電気設備技術基準に照らし不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
可燃性ガスが存在する危険場所(第1種場所・第2種場所)の低圧配線工事は、原則として厚鋼電線管による金属管工事または防爆ケーブル工事によります。管相互およびボックス等はねじ込み(5山以上)で確実に接合し、電動機端子箱などの可とう性が必要な接続箇所には耐圧防爆形等の「防爆形フレキシブルフィッチング」を用いなければならず、一般の金属製可とう電線管は使用できません。
解き方
- 可燃性ガス存在場所における配線工事基準(厚鋼電線管・防爆構造)の規定を整理する。
- 可とう性を必要とする部分に要求される規格(防爆形フレキシブル金具)と選択肢ニ(通常の金属製可とう電線管)の不一致を指摘する。
- 選択肢 イ不正解
- 点火源となるおそれのある開閉器類は、防爆構造規格に適合するものを使用することが求められており適切です。
- 選択肢 ロ不正解
- 移動電線には、接続点のない3種・4種クロロプレンキャブタイヤケーブル等を使用するため適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- 金属管工事では薄鋼電線管は不可であり、厚鋼電線管を使用することが定められているため適切です。
- 選択肢 ニ正解
- 可とう性が必要な接続部には防爆性能を有する防爆形フレキシブルフィッチングが必要であり、一般の金属製可とう電線管の使用は不適切です。
覚えるポイント
- 可燃性ガス場所の金属管工事は厚鋼電線管を使用し5山以上ねじ込み
- 可とう接続には防爆形フレキシブルフィッチングを使用する
間違えやすいところ
- 通常の金属製可とう電線管(2種金属可とう管等)を防爆場所でも可とう性確保のため使用可能と誤認すること
- 粉じん場所と可燃性ガス場所の管路材料要件(薄鋼と厚鋼の違い)を混同すること
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第176条(可燃性ガス等の存在する場所における施設)
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp)
展開した場所におけるバスダクト工事の施工基準
電気設備技術基準・解釈 · バスダクト工事 / 接地工事の省略可否 / 支持点間距離
展開した場所のバスダクト工事に関する記述として、電気設備技術基準に照らし誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
バスダクト工事では、使用電圧が300V以下の場合はD種接地工事、300Vを超える場合はC種接地工事を施す必要があります。400V級で接触防護措置を施した場合はC種からD種接地工事への緩和が認められていますが、バスダクト本体の金属製外箱に対する接地工事自体を完全に省略することは認められていません。
解き方
- バスダクト工事における各条文要件(接地工事規定、湿気の多い場所の対策、支持点間距離)を確認する。
- 接地工事の規定を照合し、300V以下において接触防護措置による接地省略規定が存在しないことを確認して誤りを判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 使用電圧が300Vを超える場合でも、接触防護措置を施すことによりC種接地工事をD種接地工事に緩和できます。
- 選択肢 ロ不正解
- 湿気の多い場所に施設する場合は、屋外用バスダクトを使用し内部に浸水滞留しない構造とするため適切です。
- 選択肢 ハ正解
- バスダクト工事では、使用電圧が200Vで接触防護措置を施しても金属製ダクトのD種接地工事を省略することはできません。
- 選択肢 ニ不正解
- バスダクトの支持点間距離は原則として3m以下(垂直施設は6m以下)であり、2mとする施工は適法です。
覚えるポイント
- バスダクト工事では接地工事自体の省略はできない
- 400Vバスダクトは接触防護措置でC種からD種接地へ緩和可能
- バスダクトの支持点間距離は原則3m以下
間違えやすいところ
- 金属管や金属ダクト工事の接地省略条件(乾燥場所・4m以下や8m以下)がバスダクトにも適用できると誤解すること
- 支持点間距離を金属管工事の2mと混同して3m以下を誤りとしてしまうこと
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第165条(バスダクト工事)
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp)
GR付PASの機能と不要動作対策
受配電設備 · GR付PAS / 地絡方向継電器 / もらい事故防止 / 対地静電容量
受電設備結線図の①に示す地絡継電装置付き高圧交流負荷開閉器(GR付PAS)に関する記述として、不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
構内の高圧ケーブル亘長が長い受電設備では対地静電容量が大きくなり、外部(同一配電系統の他需要家)で地絡事故が発生した際に自設備に流出入する地絡充電電流によって単なる地絡継電器(GR)が誤動作(もらい事故)を起こします。これを防ぐためには、零相電圧(V₀)と零相電流(I₀)の位相差を検知して構内事故のみを判別遮断する「地絡方向継電装置(DGR)」を使用しなければなりません。
解き方
- GR付PAS(柱上気中開閉器)の主用途・保護協調・過電流ロック機能の正当性を順次確認する。
- 長亘長ケーブル施設における対地静電容量による不要動作対策として、地絡過電圧継電器ではなく地絡方向継電器(DGR付PAS)が必要である点を判定する。
- 選択肢 イ不正解
- GR付PASは架空引込設備の責任分界点柱(第1号柱)に設ける区分開閉器として広く標準的に使用されます。
- 選択肢 ロ不正解
- 構内事故で配電線上位遮断器をトリップさせない(波及事故防止)よう、配電事業者保護リレーとの協調が極めて重要です。
- 選択肢 ハ不正解
- PASは負荷電流開閉器であり短絡電流遮断能力がないため、過電流検知時に開放動作を阻止する過電流ロック機能(SO)が必要です。
- 選択肢 ニ正解
- 対地静電容量が大きい場合に他需要家の事故で不要動作するのを防ぐには、位相を識別できる「地絡方向継電器(DGR)」を設置すべきであり、記述は不適切です。
覚えるポイント
- PASの短絡保護には過電流ロック(SO)が必要(遮断容量不足のため)
- ケーブルが長く対地静電容量が大きい設備のもらい事故対策にはDGR(地絡方向継電器)を使用する
間違えやすいところ
- 地絡方向継電器(DGR)と地絡過電圧継電器(OVGR)の役割(方向判別と過電圧検出)を混同すること
- PASが短絡電流を遮断できると誤認すること
出題の前提:高圧受電設備規程 第1310節(波及事故防止対策)およびJIS C 4607
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧引込線・引込柱の施工基準
電気設備技術基準・解釈 · 高圧引込柱 / 離隔距離 / 接地線防護
受電設備図の②に示す引込柱及び高圧引込ケーブルの施工に関する記述として、電気設備技術基準に照らし不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
電気設備の技術基準の解釈において、高圧屋内配線(または造営材に施設する高圧配線)が低圧配線、弱電流電線、水管・ガス管等と接近または交差する場合、ケーブル工事による場合であっても相互の離隔距離は原則0.15m以上離す必要があります。また、接地線の防護範囲(地下0.75m〜地上2m)、垂直ケーブルの支持間隔(6m以下)、堅ろうなトラフ防護の施工はそれぞれ法令基準に適合しています。
解き方
- 高圧引込ケーブルと低圧外灯配線の離隔距離規定(原則0.15m以上)を確認する。
- 選択肢ロの離隔距離0.1mが規定違反であることを確認し、他の選択肢(接地線地下0.75m・地上2m防護、垂直支持間隔6m、防護トラフ)が適法であることを照合する。
- 選択肢 イ不正解
- 接地極から地上2mまでおよび地下0.75m以上の範囲を厚さ2mm以上の合成樹脂管(CD管除く)等で防護する規定に合致しており適法です。
- 選択肢 ロ正解
- 高圧ケーブル配線と低圧電線(外灯配線)との離隔距離は0.15m以上必要であり、0.1mとする施設は不適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- ケーブルを造営材の側面に沿って垂直に施設する場合、支持点間距離は6m以下とすることができるため適法です。
- 選択肢 ニ不正解
- 人が容易に触れる恐れのある場所では、鉄製等の堅ろうなトラフに収め容易に開かない構造とすることで安全に敷設できます。
覚えるポイント
- 高圧ケーブルと低圧電線・弱電流電線の離隔距離は原則0.15m以上
- 接地線の防護は地下0.75mから地上2mまで厚さ2mm以上の合成樹脂管等で覆う
- 垂直配管・ケーブルの支持間隔は最大6mまで緩和可能
間違えやすいところ
- 垂直配管・配線の支持点間距離の上限(6m)を水平時の2mと混同すること
- 低圧と高圧の離隔距離(0.15m以上)を低圧相互の離隔距離と混同すること
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第168条(高圧配線等の施設)および第17条(接地線の防護)
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
車道下地中電線路の埋設深さと防護材
電気設備技術基準・解釈 · 地中電線路 / 埋設深さ / 車両重量圧力を受ける場所 / コンクリートトラフ
受電設備図の③に示す地中にケーブルを施設する場合(車道・舗装部分)、使用する材料と埋設深さの組合せとして、電気設備技術基準に照らし不適切なものはどれか。ただし、材料はJIS規格に適合するものとする。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
地中電線路において車両その他の重量物の圧力を受ける場所に施設する場合、埋設深さは原則1.2m以上必要です。ただし、強固な管路式(鋼管や硬質ポリ塩化ビニル管等で埋設基準を満たす場合)等では舗装下面から0.3m以上や0.6m以上までの浅埋設緩和規定がありますが、コンクリートトラフによる直接埋設式は車道下において0.6mで施設することは認められず、1.2m以上埋設しなければなりません。
解き方
- 車道(舗装部・車両重量圧力を受ける場所)における地中電線路の埋設深さ基準(原則1.2m以上)を整理する。
- 管路式に認められる浅埋設基準の緩和条件と、直接埋設式(コンクリートトラフ)の要件を比較し、選択肢ニ(トラフで0.6m)が不適法であることを判定する。
- 選択肢 イ不正解
- 堅牢な鋼管による管路式施工では、舗装道路の路盤下0.3m以上等の基準を満たすことで浅埋設が認められます。
- 選択肢 ロ不正解
- JIS規格に適合する硬質ポリ塩化ビニル電線管は堅固な防護管として、規定の保護施工のもとで舗装下面0.3m以上の浅層埋設が可能です。
- 選択肢 ハ不正解
- 波付硬質合成樹脂管(FEP管)は管路式として舗装下面0.6m以上での施設が認められています。
- 選択肢 ニ正解
- コンクリートトラフを用いる直接埋設式は、車両重量圧力を受ける場所では1.2m以上埋設する必要があり、0.6mとする組合せは不適切です。
覚えるポイント
- 重量物の圧力を受ける場所の直接埋設式深さは1.2m以上
- その他の場所(歩道等)の直接埋設式深さは0.6m以上
- 管路式による浅層埋設基準の特例(舗装厚等に応じた緩和)
間違えやすいところ
- その他の場所(歩道など)の埋設深さ(0.6m以上)と車道下の直接埋設深さ(1.2m以上)を混同すること
- 管路式の緩和基準がトラフ式(直接埋設式)にも適用できると誤認すること
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第120条(地中電線路の施設)
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
PF・S形主遮断装置の構成要素
高圧受電設備 · PF・S形主遮断装置 / 限流ヒューズ / 高圧交流負荷開閉器
単線結線図および機器配置図に示されたPF・S形主遮断装置を構成する部材・機能として、必要とされないものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
PF・S形(限流ヒューズ・高圧交流負荷開閉器方式)主遮断装置は、短絡電流の遮断を高圧限流ヒューズ(PF)で行い、ヒューズ溶断時に連動するストライカ引外し機構によって高圧交流負荷開閉器(LBS)を3相開放させて欠相を防止する方式です。CB形のように過電流継電器(OCR)と計器用変流器(CT)を用いて遮断器を引き外す構造ではありません。
解き方
- PF・S形の機器構成(PF: パワーヒューズ、S: 負荷開閉器)と保護協調の仕組みを確認する。
- 短絡保護は限流ヒューズが直接行い、過電流継電器は不要であることから不要な装置を特定する。
- 選択肢 イ正解
- PF・S形では限流ヒューズの溶断により直接事故電流を遮断するため、過電流継電器(OCR)は施設されず不要です。
- 選択肢 ロ不正解
- ヒューズ溶断時にストライカが飛び出して負荷開閉器(LBS)を機械的に引き外す装置が必要となります。
- 選択肢 ハ不正解
- キュービクル内など狭小スペースでの相間短絡や対地絡を防止するため、相間・側面の絶縁バリアが必要です。
- 選択肢 ニ不正解
- PF・S形の主保護要素として、短絡電流を高速度で限流遮断する高圧限流ヒューズが必須です。
覚えるポイント
- PF・S形は限流ヒューズと負荷開閉器の組み合わせで、過電流継電器(OCR)は不要。
間違えやすいところ
- CB形受電設備(真空遮断器と過電流継電器を組み合わせる方式)とPF・S形の構成を混同しやすいので注意する。
出題の前提:内線規程および高圧受電設備規程
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧キュービクル内の接地線の太さ
電気設備技術基準・解釈 · A種接地工事 / B種接地工事 / 接地線の太さ
高圧キュービクル内に設置する機器の接地工事に用いる軟銅線の太さに関する記述として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
電気設備の技術基準の解釈第17条により、高圧機器の金属製外箱等に施すA種接地工事の接地線には引張強さ1.04kN以上の金属線又は直径2.6mm以上の軟銅線(断面積5.5mm2以上)が必要です。また、B種接地工事の接地線は通常直径4.0mm以上の軟銅線(変圧器施設時は断面積5.5mm2以上、高圧計器用変成器の2次側は4mm2以上)ですが、定格負担100V・A以下の計器用変成器の2次側電路には3.5mm2以上を使用できます。
解き方
- 各機器に適用される接地工事の種類と規定される接地線の太さを整理する(高圧機器外箱はA種、計器用変成器2次側はB種)。
- A種接地工事の軟銅線は直径2.6mm(5.5mm2)以上であるため、直径2.0mmや3.5mm2は不適合であることを確認する。
- 高圧計器用変成器の2次側電路におけるB種接地工事の特例基準(定格負担100V・A以下の場合は3.5mm2以上)に適合しているか確認する。
- 選択肢 イ不正解
- 変圧器の金属製外箱にはA種接地工事を施すため、直径2.6mm以上の軟銅線(断面積5.5mm2以上)が必要であり不適切です。
- 選択肢 ロ不正解
- 高圧機器であるLBSの金属製部分にはA種接地工事を施すため、直径2.6mm以上の軟銅線が必要であり不適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- 高圧進相コンデンサの外箱にはA種接地工事を施すため、直径2.6mm以上(断面積5.5mm2以上)が必要であり、3.5mm2では不足しています。
- 選択肢 ニ正解
- 定格負担100V・A以下の高圧計器用変成器の2次側電路に施すB種接地工事の接地線は、3.5mm2以上の軟銅線を使用できます。
覚えるポイント
- A種接地工事の接地線は直径2.6mm(断面積5.5mm2)以上の軟銅線。
- 計器用変成器2次側電路のB種接地線は定格負担100V・A以下なら3.5mm2以上でよい。
間違えやすいところ
- 高圧計器用変成器の2次側電路は高圧機器本体ではなくB種接地工事が適用される点と、定格負担による太さの緩和規定を忘れないようにする。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第17条, 第28条
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
接地の種類の判別
電気設備技術基準・解釈 · D種接地工事 / A種接地工事 / B種接地工事 / C種接地工事
自家用電気工作物として施設する電路又は機器のうち、D種接地工事を施さなければならない箇所はどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
電技解釈第28条において、高圧計器用変成器(VT・CT)の二次側電路にはD種接地工事を施すことと定められています(特別高圧計器用変成器の場合はB種接地工事)。一方、高圧機器の鉄心や外箱はA種接地工事、300Vを超える低圧用機器の鉄台等はC種接地工事、高低圧混触防止のための変圧器低圧側中性点等はB種接地工事を施します。
解き方
- 各選択肢に該当する電気設備技術基準上の接地種別を判定する。
- イは高圧機器鉄心(A種)、ロは300V超低圧機器鉄台(C種)、ハは高圧計器用変成器二次側(D種)、ニは変圧器低圧側中性点(B種)と照合する。
- D種接地工事が適用される「高圧計器用変成器の二次側電路」を選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 高圧電路に施設する変圧器の鉄心には、A種接地工事を施します。
- 選択肢 ロ不正解
- 使用電圧が300Vを超える低圧用電動機の鉄台には、C種接地工事を施します。
- 選択肢 ハ正解
- 高圧計器用変成器の二次側電路には、D種接地工事を施さなければなりません(電技解釈第28条)。
- 選択肢 ニ不正解
- 高圧と低圧を結合する変圧器の低圧側中性点等には、混触防止のためB種接地工事を施します。
覚えるポイント
- 高圧計器用変成器の二次側電路はD種接地工事(特別高圧用ならB種)。
- 使用電圧300V超の低圧機器外箱・鉄台はC種接地工事。
間違えやすいところ
- 計器用変成器二次側の接地を高圧機器本体と同様にA種や混触防止のB種と勘違いしやすいので明確に区別する。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第24条, 第28条, 第29条
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp)
絶縁抵抗計のガード端子の役割
検査・測定 · 絶縁抵抗測定 / ガード端子 / 高圧ケーブル
高圧ケーブルの絶縁抵抗測定を行う際、絶縁抵抗計の保護端子(ガード端子:G端子)を使用する目的として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
高圧ケーブルの絶縁抵抗測定では、湿気や汚れによってケーブル端末の絶縁体表面に表面漏れ電流が流れることがあります。この表面漏れ電流が測定電流(内部絶縁体を通る電流)と合流すると、測定値が見かけ上極めて低くなります。ガード端子(G端子)を端末部の表面に巻いた導体等に接続することで、表面漏れ電流を指示計の検出部を経由させずに電源側へバイパスさせ、真の絶縁抵抗を測定できます。
解き方
- 高圧ケーブル測定時に発生する表面漏れ電流の影響(測定誤差の発生)を理解する。
- ガード端子の回路的な接続(漏れ電流を電流計の外側に逃がすバイパス回路)の役割を確認する。
- 表面漏れ電流による測定誤差を防止するという選択肢を特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 表面漏れ電流を測定に含めると真の絶縁性能が評価できなくなるため、含めないようにバイパスさせるのが目的です。
- 選択肢 ロ不正解
- 残留電荷の放電は接地棒などを用いて行い、ガード端子の役割ではありません。
- 選択肢 ハ正解
- 絶縁物表面を流れる表面漏れ電流を測定器の指示計回路から除外(バイパス)し、測定誤差を防ぐために使用します。
- 選択肢 ニ不正解
- ガード端子は指針の焼損保護を目的とするものではありません。
覚えるポイント
- ガード端子(G端子)は「表面漏れ電流による誤差を防ぐ(測定回路からバイパスする)」ために用いる。
間違えやすいところ
- 残留電荷を放電するための放電端子や接地端子と混同しないようにする。
出題の前提:高圧受電設備規程および電気計測器の取扱基準
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧ケーブルの直流絶縁耐力試験電圧
電気設備技術基準・解釈 · 絶縁耐力試験 / 最大使用電圧 / 直流試験電圧
公称電圧6.6kVの交流電路に使用するケーブルの絶縁耐力試験を直流電圧で行う場合、試験電圧[V]を求める計算式として正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
電技解釈第15条によると、高圧電路の絶縁耐力試験において、最大使用電圧は公称電圧に 1.15/1.1 を乗じて算出します(6.6kVの場合は6900V)。最大使用電圧が7000V以下の電路では、交流の試験電圧は「最大使用電圧の1.5倍」となります。さらにケーブルの電路を直流で試験する場合は、「交流試験電圧の2倍の直流電圧」を10分間印加することと規定されています。
解き方
- 公称電圧から最大使用電圧を求める計算式:公称電圧 × (1.15 / 1.1) を確認する。
- 7000V以下の交流電路に対する試験電圧係数が「1.5倍」であることを確認する。
- 直流で絶縁耐力試験を行う場合の直流試験電圧係数が「交流試験電圧の2倍」であることを確認する。
- これらを掛け合わせて「6600 × (1.15 / 1.1) × 1.5 × 2」を導く。
- 選択肢 イ不正解
- 公称電圧に最大使用電圧係数(1.15/1.1)を乗じていないため誤りです。
- 選択肢 ロ正解
- 最大使用電圧 6600×(1.15/1.1) に、交流試験電圧の倍率1.5倍、および直流換算の2倍を乗じた正しい計算式です。
- 選択肢 ハ不正解
- 最大使用電圧の計算が抜けており、かつ耐圧倍率が1.5倍ではなく2倍になっているため誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 7000V以下の耐圧倍率は1.5倍であるべきところ、2倍になっているため誤りです。
覚えるポイント
- 最大使用電圧=公称電圧×(1.15/1.1)。
- 高圧(7000V以下)の交流試験電圧は最大使用電圧の1.5倍、直流ならさらにその2倍(合計3倍)。
間違えやすいところ
- 公称電圧そのものに倍率を掛けてしまうミスや、直流試験時の「2倍」を掛け忘れるミスに注意する。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第15条
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp)
電気工事士等でなくても従事できる軽微な作業
電気工事士法 · 自家用電気工作物 / 軽微な作業 / 電気工事士の資格不要作業
電気工事士法に基づき、電圧600V以下で使用する自家用電気工作物に係る電気工事の作業のうち、第一種電気工事士又は認定電気工事従事者でなくても従事できるものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
電気工事士法施工規則第2条の2(簡易電気工事)および令第1条(軽微な作業等)において、資格がなくてもできる作業が規定されています。自家用電気工作物の600V以下において、露出型点滅器等のねじ端子に電線を接続する作業や、電気機械器具の端子に電線をねじ止めする作業は無資格で従事可能です。一方、電線管の曲げ・接続、金属製線ぴの取付、ダクトに電線を収める作業は資格が必要です。
解き方
- 自家用電気工作物(低圧)における電気工事の作業規制を確認する。
- 造営材へのダクト・電線管・金属線ぴの施工や管相互の接続、電線の引き入れは資格が必要な工事であることを確認する。
- 電気機器の端子に電線を接続する作業が資格不要(軽微な作業等)に該当することを確認する。
- 選択肢 イ不正解
- ダクトに電線を収める作業は電気工事の作業であり、第一種電気工事士又は認定電気工事従事者でなければ従事できません。
- 選択肢 ロ不正解
- 電線管を曲げ、電線管相互を接続する作業は配管工事の要部であり、資格が必要です。
- 選択肢 ハ不正解
- 金属製線ぴを建造物に取り付ける作業は資格が必要です。
- 選択肢 ニ正解
- 受電設備等を除く電気機器の端子に電線をねじ止め接続する作業は、資格不要で従事できる軽微な作業に該当します。
覚えるポイント
- 電気機器の端子への電線接続(ねじ止め)や差し込み器への接続は軽微な作業として無資格でも可能。
間違えやすいところ
- 「電線相互を接続する作業」は資格が必要であるが、「機器の端子に接続する作業」は軽微な作業に含まれる違いを混同しないようにする。
出題の前提:電気工事士法施行令 第1条、電気工事士法施行規則 第2条の2
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp)
電気工事業法における電気工事業者の義務
電気工事業法 · 通知電気工事業者 / 主任電気工事士 / 器具の備え付け / 標識の掲示
「電気工事業の業務の適正化に関する法律」(電気工事業法)における電気工事業者の業務に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
電気工事業法において、一般用電気工作物の工事を行う「登録電気工事業者」は、営業所ごとに第一種電気工事士などの主任電気工事士を設置する義務があります(法第19条)。しかし、自家用電気工作物のみを取り扱う「通知電気工事業者」には主任電気工事士の設置義務はありません(第一種電気工事士本人が作業するため)。営業所ごとの検査器具備付け、帳簿の備付け・保存、および営業所と施工場所ごとの標識掲示は双方に課される義務です。
解き方
- 登録電気工事業者と通知電気工事業者の違いを整理する。
- 主任電気工事士の設置義務が適用される対象(登録電気工事業者のみ)を確認する。
- 通知電気工事業者に主任電気工事士の設置義務があるとする記述(ニ)を誤りと判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 営業所ごとに絶縁抵抗計、接地抵抗計等の経済産業省令で定める器具を備えなければならないため正しい記述です。
- 選択肢 ロ不正解
- 営業所ごとに電気工事に関する帳簿を備え、所定の事項を記載して保存しなければならないため正しい記述です。
- 選択肢 ハ不正解
- 営業所および電気工事の施工場所ごとに見やすい箇所に所定の標識を掲示しなければならないため正しい記述です。
- 選択肢 ニ正解
- 主任電気工事士を営業所ごとに置かなければならないのは「登録電気工事業者」であり、通知電気工事業者にはその義務がないため誤り(正解)です。
覚えるポイント
- 主任電気工事士の設置義務があるのは「登録電気工事業者」のみ。
- 通知電気工事業者(自家用のみ)には主任電気工事士の設置義務はない。
間違えやすいところ
- 器具の備付け、帳簿の備付け、標識の掲示は登録・通知の両方に義務づけられているが、主任電気工事士の選任だけは登録電気工事業者のみであることを混同しやすい。
出題の前提:電気工事業の業務の適正化に関する法律 第19条, 第24条, 第25条, 第26条
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp)
電気設備技術基準における高圧の電圧範囲
電気設備技術基準・解釈 · 電圧の区分 / 高圧 / 低圧 / 特別高圧
「電気設備に関する技術基準を定める省令」における、交流電圧の高圧の範囲として正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
電気設備に関する技術基準を定める省令第2条により、電圧の区分は次のように定められています。 ・低圧:直流にあっては750V以下、交流にあっては600V以下 ・高圧:直流にあっては750Vを超え7000V以下、交流にあっては600Vを超え7000V以下 ・特別高圧:7000Vを超えるもの
解き方
- 電圧の区分(低圧、高圧、特別高圧)に関する規定を確認する。
- 交流における低圧の上限が「600V」であり、特別高圧の下限が「7000V超」であることを確認する。
- 交流の高圧の範囲は「600Vを超え7000V以下」であることを導く。
- 選択肢 イ不正解
- 750Vを超え7000V以下は「直流」の高圧の区分であるため誤りです。
- 選択肢 ロ正解
- 交流の高圧は「600Vを超え7000V以下」と定められているため正しい記述です。
- 選択肢 ハ不正解
- 下限が直流の750Vとなっており、上限も配電公称電圧の6600Vと混同しているため誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 上限が公称電圧の6600Vではなく、法規上の区分である7000V以下であるため誤りです。
覚えるポイント
- 低圧:交流は600V以下、直流は750V以下。
- 高圧:交流は600V超7000V以下、直流は750V超7000V以下。
間違えやすいところ
- 直流(750V)と交流(600V)の境界値を取り違えるミスや、上限を6600V(公称電圧)と誤認するミスに注意する。
出題の前提:電気設備に関する技術基準を定める省令 第2条
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp)
PAS内蔵の零相電圧検出器(ZPD)の機能
配線図 · 高圧受電設備 / 高圧気中負荷開閉器 / ZPD
高圧受電設備の単線結線図において、①で示す高圧交流負荷開閉器(PAS)内部の図記号の機器に関する記述として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
柱上気中負荷開閉器(PAS)には、構内での地絡事故を検知して責任分界点で開放するために零相変流器(ZCT)と零相分圧器(ZPD)が内蔵されます。ZPDは地絡時に生じる零相電圧を静電容量分圧により検出し、地絡方向継電器(DGR)へ送ります。
解き方
- 単線結線図①の図記号がPAS内部の接地側へ接続されたコンデンサ分圧素子(ZPD)であることを特定します。
- ZPDの役割が地絡事故時の零相電圧を検出することであると確認し、選択肢ロを選びます。
- 選択肢 イ不正解
- 零相電流を検出する機器は零相変流器(ZCT)であり、本図記号の分圧器ではありません。
- 選択肢 ロ正解
- ①で示す記号は零相分圧器(ZPD)であり、地絡事故時に発生する零相電圧を検出します。
- 選択肢 ハ不正解
- 避雷器(LA)などが放電・サージ吸収を行いますが、本機器の主目的は零相電圧の検出です。
- 選択肢 ニ不正解
- 短絡電流を検出する機器は過電流継電器(OCR)や限流ヒューズなどであり、本機器ではありません。
覚えるポイント
- ZPD(零相分圧器)は零相電圧を検出し、ZCT(零相変流器)は零相電流を検出する。
間違えやすいところ
- ZPDとZCTを混同し、コンデンサ分圧の記号を電流検出器と誤認しないように注意する。
出題の前提:電気設備技術基準およびJIS C 0617電気用図記号に基づく高圧受電設備仕様
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.15 ↗(www.shiken.or.jp)
地絡方向継電器の文字記号(略号)
配線図 · 保護継電器 / DGR / 文字記号
高圧受電設備の単線結線図において、②で示す機器の文字記号(略号)として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
地絡事故時に構内事故か構外事故かを判別するため、零相電流と零相電圧の位相差を比較して動作する継電器を地絡方向継電器(DGR: Directional Ground Relay)と呼びます。単線結線図記号では「I≷」と表記されます。
解き方
- 図記号②がPAS内部のZCTおよびZPDの信号線に接続されている「I≷」記号であることを確認します。
- 方向性地絡検出を行う継電器であることから、文字記号がDGRであることを導きます。
- 選択肢 イ不正解
- OVGRは地絡過電圧継電器であり、零相電圧のみで動作する継電器の略号です。
- 選択肢 ロ正解
- DGRは地絡方向継電器(Directional Ground Relay)の略号であり、図記号「I≷」に該当します。
- 選択肢 ハ不正解
- OCRは過電流継電器(Overcurrent Relay)の略号であり、短絡や過負荷を検出します。
- 選択肢 ニ不正解
- OCGRは過電流地絡継電器(地絡過電流継電器)の略号であり、方向性を持たない電流検出形です。
覚えるポイント
- DGR(地絡方向継電器)の図記号は「I≷」であり、ZCTとZPDの双方から信号を受ける。
間違えやすいところ
- 方向判別のない地絡過電流継電器(GR/OCGR)や地絡過電圧継電器(OVGR)と記号を混同しないようにする。
出題の前提:JIS C 0617電気用図記号および受変電設備保護方式
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.15 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧CVTケーブルの断面構造
配線図 · 高圧ケーブル / CVTケーブル / 断面図
高圧受電設備の単線結線図において、③で示す高圧引込部分に使用するCVTケーブルの構造として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
高圧架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CVケーブル)は電界均一化と部分放電防止のため内部・外部半導電層および遮蔽銅テープが必要です。CVT(トリプレックス形)は各心に個別のシースが施された単心3本を撚り合わせた構造を持ちます。
解き方
- ③が高圧受電の引込線であるため、高圧用ケーブル(遮蔽層・半導電層を備える構造)を抽出します。
- CVT(トリプレックス形)は単心ケーブルを3本撚り合わせた構造であるため、各心ごとにシースが独立しているイを選択します。
- 選択肢 イ正解
- 高圧用の絶縁・半導電層・銅シールドを備えた単心ケーブルを3本撚り合わせたCVTケーブルの正しい断面です。
- 選択肢 ロ不正解
- 3心を一括して共通のシースに収めた構造は高圧3心CVケーブルであり、CVTケーブルではありません。
- 選択肢 ハ不正解
- 半導電層や金属遮蔽層のない構造は低圧用のVVRケーブル等に該当し、高圧には使用できません。
- 選択肢 ニ不正解
- 遮蔽層のない3心一括構造は低圧用CVケーブルであり、高圧電路には使用できません。
覚えるポイント
- 高圧CVTは各心ごとに半導電層・銅テープ遮蔽・シースがあり、3本を撚り合わせた構造である。
間違えやすいところ
- 3心一括形高圧CVケーブルと3心撚り合わせ形高圧CVTケーブルの構造の違いを見落とさないようにする。
出題の前提:JIS C 3606 高圧架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.15 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧ケーブル端末処理部で使用されない機器・部材
配線図 · ケーブル端末処理 / 高圧端末処理材料 / 機器判別
高圧受電設備の単線結線図において、④で示す高圧ケーブル端末処理部分に使用されないものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
高圧引込ケーブルの両端には電界緩和や耐候性確保のための終端接続部(端末処理材料)やケーブル固定金具が使用されます。避雷器(LA)は単線結線図上で個別の機器記号として表示される雷保護装置であり、ケーブル端末処理部材そのものではありません。
解き方
- 単線結線図④が屋外および屋内の高圧ケーブルヘッド(端末処理部)であることを確認します。
- 選択肢の写真を照合し、イは屋内端末、ロは屋外笠付き端末、ニはケーブルクランプ、ハは避雷器であることを判別します。
- 端末部材に該当しない避雷器(ハ)を選択します。
- 選択肢 イ不正解
- 屋内側のケーブル端末処理に用いられるプレハブ形等の屋内用終端接続材料であり、使用されます。
- 選択肢 ロ不正解
- 屋外の雨線外に設置する雨だれ・耐塩用の笠(スカート)を備えた屋外用終端接続部であり、使用されます。
- 選択肢 ハ正解
- 写真は高圧避雷器(LA)であり、単線結線図では⑦の記号で示される別置きの電気機器であるため、端末処理部材ではありません。
- 選択肢 ニ不正解
- 立ち上がり部等でケーブルを支持・固定するためのクランプ(固定ブラケット)であり、端末部に使用されます。
覚えるポイント
- 屋外端末には雨水を切るための笠(スカート)が付いているが、避雷器は放電ギャップや素子を収めた機器である。
間違えやすいところ
- 屋外用終端接続部のヒダ形状と避雷器の碍管形状を混同しないよう、端子配置やブラケット形状に注目する。
出題の前提:高圧受電設備規程および内線規程における高圧ケーブル終端接続材料
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.15 ↗(www.shiken.or.jp)
不足電圧継電器の名称と制御器具番号
配線図 · 制御器具番号 / 継電器 / UVR
高圧受電設備の単線結線図において、⑤で示す機器の名称と制御器具番号の組合せとして、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
受電電路の停電や電圧低下を検出して非常用発電装置の始動指令や電源切替回路(MC-DT)に連動する継電器は不足電圧継電器(UVR)です。JEM規格による器具番号(シーケンス制御番号)は27が割り当てられています。
解き方
- 単線結線図⑤の「U <」記号から、受電電圧が設定値未満に低下したときに動作する不足電圧継電器(UVR)であることを読み取ります。
- 不足電圧継電器に対応する制御器具番号が「27」であることを確認し、選択肢イを選びます。
- 選択肢 イ正解
- 「U <」は不足電圧継電器(UVR)を示し、器具番号は27で正しい組合せです。
- 選択肢 ロ不正解
- 不足電流継電器(UCR)は記号「I <」で表され、器具番号は37です。
- 選択肢 ハ不正解
- 過電流継電器(OCR)は記号「I >」で表され、交流過電流継電器の器具番号は51です。
- 選択肢 ニ不正解
- 過電圧継電器(OVR)は記号「U >」で表され、器具番号は59です。
覚えるポイント
- 不足電圧継電器(UVR)は「U <」で器具番号は27である。
間違えやすいところ
- 過電圧継電器(59)や過電流継電器(51)と制御器具番号を混同しないようにする。
出題の前提:JEM 1090 制御器具番号およびJIS C 0617電気用図記号
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.16 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧受電盤主回路の断路器の外観
配線図 · 断路器 / 高圧受電設備 / 機器外観
高圧受電設備の単線結線図において、⑥に設置する機器の写真として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
断路器(DS: Disconnecting Switch)は、遮断器の手前に設けられて無電圧・無負荷状態で電路を確実に隔離し、点検作業時の安全を確保するための開閉器です。フック棒で手動操作するブレード構造の刃形開閉器が用いられます。
解き方
- 単線結線図⑥の記号がVCTとVCBの間に位置する断路器(DS)であることを確認します。
- 選択肢の写真を照合し、開閉刃が露出した手動操作形の断路器であるロを選択します。
- 選択肢 イ不正解
- 写真は高圧電磁接触器(VMC)等の機器であり、断路器ではありません。
- 選択肢 ロ正解
- 写真は刃形構造を持つ高圧断路器(DS)であり、⑥の図記号と合致するため適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- 写真は高圧真空遮断器(VCB)であり、⑥の下流側に設置される主遮断器です。
- 選択肢 ニ不正解
- 写真は限流ヒューズ付き高圧交流負荷開閉器(LBS)であり、断路器ではありません。
覚えるポイント
- 断路器(DS)は負荷電流の遮断能力がなく、無負荷時に電路を区分・隔離するために用いられる。
間違えやすいところ
- VCB(真空遮断器)やLBS(高圧交流負荷開閉器)と外観上の機構(消弧室やヒューズの有無)を取り違えないように注意する。
出題の前提:内線規程・高圧受電設備規程および開閉機器の構造基準
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.16 ↗(www.shiken.or.jp)
避雷器の接地線の太さ
配線図 · 接地工事 / 避雷器 / 接地線の太さ
高圧受電設備の単線結線図において、⑦で示す避雷器(LA)に施す接地線(軟銅線)の最小太さとして、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
電気設備技術基準の解釈第37条において、高圧および特別高圧の電路に施設する避雷器の接地線には、公称断面積14 mm^2以上の軟銅線(またはこれと同等以上の強さ・太さのもの)を使用することが義務付けられています。通常のA種接地工事(5.5 mm^2以上)より太い電線が規定されます。
解き方
- ⑦が避雷器(LA)の接地線であることを結線図から確認します。
- 避雷器の接地線は雷サージ通過時の機械的・熱的耐量のため14 mm^2以上の軟銅線が必要であることを適用し、ハを選択します。
- 選択肢 イ不正解
- 一般的な高圧受電機器外箱のA種接地工事では5.5 mm^2以上ですが、避雷器の接地線には適用できません。
- 選択肢 ロ不正解
- 8 mm^2はB種接地工事の一部等で用いられる規定値であり、避雷器用接地線としては不足しています。
- 選択肢 ハ正解
- 電気設備技術基準の解釈第37条に基づき、避雷器の接地線は14 mm^2以上が必要です。
- 選択肢 ニ不正解
- 22 mm^2は特高設備等の太さであり、本規定の最小値としては14 mm^2が正解です。
覚えるポイント
- 避雷器(LA)のA種接地工事の接地線は14 mm^2以上(通常機器の5.5 mm^2より太い)。
間違えやすいところ
- 通常のA種接地工事の最小太さである5.5 mm^2と混同して誤答しやすいので注意する。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第37条(避雷器の施設)
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.16 ↗(www.shiken.or.jp)
計器用変成器に接続される計器の組合せ
配線図 · 指示電気計器 / VT・CT回路 / 電力計 / 力率計
高圧受電設備の単線結線図において、⑧に設置する機器(指示電気計器)の組合せとして、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
指示電気計器において、電圧のみを入力とするものは電圧計(V)や周波数計(Hz)、電流のみを入力とするものは電流計(A)です。一方、電力計(W/kW)や力率計(cosφ)は電力や位相を測定するため、VTからの電圧とCTからの電流の双力を同時に受ける必要があります。
解き方
- 単線結線図の⑧において、VT二次側の電圧回路とCT二次側の電流回路の双方が引き込まれていることを確認します。
- 電圧と電流の双方を必要とする計器が電力計および力率計であることを導きます。
- 写真の目盛盤記号を確認し、上側が「kW(電力計)」、下側が「cosφ(力率計)」となっているハを選択します。
- 選択肢 イ不正解
- 電流計(A)は電流入力のみで動作するため、結線図上の右側(AS経由)に単独で接続されています。
- 選択肢 ロ不正解
- 周波数計(Hz)は電圧入力のみで動作するため、電圧・電流双方の回路を必要とする⑧には該当しません。
- 選択肢 ハ正解
- 写真ハの上段は電力計(kW)、下段は力率計(cosφ)であり、VT・CT双方の信号を必要とする⑧の配置と合致します。
- 選択肢 ニ不正解
- 電流計(電流のみ)と周波数計(電圧のみ)の組合せであり、双方の入力を同時に受ける計器ではありません。
覚えるポイント
- 電力計(kW)と力率計(cosφ)は、VT(電圧)とCT(電流)の両方から入力を受ける。
間違えやすいところ
- 単独の電圧計(V)や電流計(A)と、VT・CTの両回路を必要とする電力計・力率計を混同しないようにする。
出題の前提:JIS C 1102 指示電気計器および高圧受電盤の計測回路設計
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.16 ↗(www.shiken.or.jp)
変圧器外箱の接地工事の図記号
配線図 · 受電設備 / 接地工事 / 配線図記号
高圧受電設備の単線結線図において、⑨で示す高圧変圧器の金属製外箱に施す接地工事の図記号として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
高圧または特別高圧の電気機械器具の金属製外箱や鉄台には、感電事故防止および地絡事故時の保護のため、A種接地工事(図記号はEA)を施すことが電気設備技術基準の解釈第29条に規定されています。
解き方
- 単線結線図の⑨が指している対象が、高圧受電設備に設置された高圧変圧器の金属製外箱接地であることを確認します。
- 高圧機器の外箱にはA種接地工事を施す法令規定を適用し、図記号「EA」である選択肢イを導き出します。
- 選択肢 イ正解
- 高圧機器の金属製外箱にはA種接地工事を施すため、EAの図記号が正解です。
- 選択肢 ロ不正解
- EBはB種接地工事の図記号であり、主に変圧器の二次側低圧回路の中性点や混触防止板に適用されます。
- 選択肢 ハ不正解
- ECはC種接地工事の図記号であり、主に300Vを超える低圧用機器の外箱等に適用されます。
- 選択肢 ニ不正解
- EDはD種接地工事の図記号であり、主に300V以下の低圧用機器の外箱等に適用されます。
覚えるポイント
- 高圧・特別高圧機器の金属製外箱接地にはA種接地工事(EA)を施す。
間違えやすいところ
- 変圧器の二次側低圧中性点に施すB種接地工事(EB)と外箱のA種接地工事を混同しないように注意する。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第29条(機械器具の金属製外箱等の接地)
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.16 ↗(www.shiken.or.jp)
直列リアクトルの役割
配線図 · 高圧進相コンデンサ / 直列リアクトル / 機器の役割
高圧受電設備の単線結線図において、⑩で示す機器(高圧進相コンデンサに直列接続された直列リアクトル)の役割として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
高圧進相コンデンサ回路に直列に挿入される直列リアクトル(SR)は、コンデンサ投入時の突入電流の抑制、第5調波等の高調波電流の拡大防止、電源電圧波形のひずみ改善を目的に設置されます。
解き方
- 単線結線図の⑩が進相コンデンサの電源側に直列配置された直列リアクトル(SR)であることを読み取ります。
- 直列リアクトルの役割(突入電流抑制、高調波障害抑制、波形改善)と各選択肢を比較し、放電コイル(DC)の機能が混入している選択肢ニを誤りとして選択します。
- 選択肢 イ不正解
- コンデンサ投入時に流れる過大な突入電流を抑制することは、直列リアクトルの主要な役割の1つです。
- 選択肢 ロ不正解
- 高調波の流入・拡大を抑えることによって回路の電圧波形のひずみを改善する役割を果たします。
- 選択肢 ハ不正解
- 回路インダクタンスを調整することで第5調波などの高調波障害の拡大を防止する役割があります。
- 選択肢 ニ正解
- コンデンサの残留電荷を放電させるのは放電コイル(DC)の役割であり、直列リアクトルの機能ではありません。
覚えるポイント
- 直列リアクトル(SR)は突入電流抑制と高調波対策、放電コイル(DC)は残留電荷放電。
間違えやすいところ
- 高圧コンデンサ設備に付設される直列リアクトル(SR)と放電コイル(DC)の役割を混同しやすい。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈および内線規程における進相用コンデンサ設備の施設要件
出典:電気技術者試験センター『令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】』
公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.16 ↗(www.shiken.or.jp)
令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】
参照した公式資料
電気技術者試験センターが公開した令和3年度第一種電気工事士筆記試験【午前】の問題・解答資料です。

