学科(旧称:筆記)の問題と公式解答を種別・年度・期・午前午後で区別しています。CBTの出題例は過去の筆記試験とは別種別です。技能の課題は学科と分けて収録しています。
試験の概要
コンデンサ直並列回路の端子電圧
電気理論 · 静電容量 / コンデンサの直並列接続 / 分圧の計算
静電容量 6 μF のコンデンサ3個を図のように接続し、直流電圧 120 V を加えたとき、図中の電圧 V1 [V] の値として、最も近いものはどれか。
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解答
ニ
解説
コンデンサの並列合成容量は各容量の和となり、直列接続されたコンデンサ群に直流電圧を加えた場合、蓄えられる電荷Qが等しいため各コンデンサの端子電圧は静電容量に反比例して配分されます。
解き方
- 下段の並列に接続された2個のコンデンサ(各6 μF)の合成静電容量を計算し、C_p = 6 + 6 = 12 μF を求めます。
- 上段のコンデンサ(6 μF)と下段の合成容量(12 μF)が直列接続されているため、分圧の法則より V1 = 120 × (12 / (6 + 12)) = 80 V を算出します。
- 選択肢 イ不正解
- 10 V は誤りです。直列接続における静電容量と電圧配分の逆比例関係が正しく反映されていません。
- 選択肢 ロ不正解
- 30 V は誤りです。合成静電容量の計算または直列分圧の比率計算が誤っています。
- 選択肢 ハ不正解
- 50 V は誤りです。下段の並列容量12 μFに対して上段6 μFには電圧の3分の2がかかるため不適です。
- 選択肢 ニ正解
- 下段の合成静電容量12 μFと上段6 μFの逆比より、V1 = 120 × 12 / (6 + 12) = 80 V となり正しいです。
覚えるポイント
- 直列接続されたコンデンサの端子電圧は静電容量の大きさに反比例して分圧される。
間違えやすいところ
- 抵抗の直列分圧(抵抗値に比例)と混同して、容量に比例して分圧計算をしてしまう誤り。
出題の前提:電気設備技術基準および電気理論の基本公式に基づく出題
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
ブリッジを含む直流回路の電位差
電気理論 · オームの法則 / 直流回路 / 電位差の計算
図のような直流回路において、a-b 間の電圧 [V] の値として、最も近いものはどれか。
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解答
ロ
解説
直流回路の任意2点間の電圧は、基準点からの各点の電位をオームの法則および分圧の法則に基づいて算出し、その差(電位差)を求めることで得られます。
解き方
- 回路の並列部分(10 Ω と 10 Ω の並列で 5 Ω)と直列抵抗 5 Ω から全合成抵抗 10 Ω を求め、電源からの全電流 20 V / 10 Ω = 2 A を算出します。
- 並列回路にかかる電圧 10 V から上下各枝に流れる電流(それぞれ 1 A)を求め、共通の基準電位に対する点aと点bの電位差 |8 V - 5 V| = 3 V を求めます。
- 選択肢 イ不正解
- 2 V は誤りです。a点とb点の分圧計算結果の差と一致しません。
- 選択肢 ロ正解
- 並列部の端子電圧10 Vに対し、a点の電位は8 V、b点の電位は5 Vであるため、a-b間の電圧は 3 V となり正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 4 V は誤りです。回路全体の合成抵抗または各抵抗での電圧降下の計算が不正確です。
- 選択肢 ニ不正解
- 5 V は誤りです。これは並列部の下側枝の抵抗1個にかかる電圧であり、a-b間の電位差ではありません。
覚えるポイント
- 端子間の電位差を求める際は、共通の基準点(負極側または正極側)を定めて各点の電位を計算する。
間違えやすいところ
- 電源電圧20 Vがそのまま並列部にかかると勘違いし、手前の直列抵抗5 Ωでの電圧降下を忘れてしまう誤り。
出題の前提:電気設備技術基準および電気理論の基本公式に基づく出題
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
交流RL直列回路の電流計算
電気理論 · 交流回路 / 誘導リアクタンス / インピーダンス
図のように、角周波数が ω = 500 rad/s、電圧 100 V の交流電源に、抵抗 R = 3 Ω とインダクタンス L = 8 mH が接続されている。回路に流れる電流 I の値 [A] として、最も近いものはどれか。
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解答
ハ
解説
RL直列回路のインピーダンスの大きさは抵抗と誘導リアクタンスの二乗和の平方根として求まり、回路電流は電源電圧をこの合成インピーダンスで除することで算出されます。
解き方
- 誘導リアクタンス X_L = ωL = 500 × (8 × 10^-3) = 4 Ω を計算します。
- 合成インピーダンス Z = √(3^2 + 4^2) = 5 Ω を算出し、オームの法則より電流 I = 100 / 5 = 20 A を求めます。
- 選択肢 イ不正解
- 9 A は誤りです。インピーダンス計算で単純な代数和を用いて 100 / (3 + 8) などの誤った処理をした値に近いです。
- 選択肢 ロ不正解
- 14 A は誤りです。インピーダンスのベクトル合成計算が正しく行われていません。
- 選択肢 ハ正解
- X_L = 4 Ω より回路インピーダンス Z = 5 Ω となり、電流 I = 100 / 5 = 20 A となり正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 33 A は抵抗のみに電源電圧がかかった場合の電流 (100 / 3 A) であり、インダクタンスが考慮されておらず誤りです。
覚えるポイント
- 交流RL回路のインピーダンスはスカラーの足し算ではなく、直角三角形のベクトル合成 √(R^2 + X_L^2) で計算する。
間違えやすいところ
- インダクタンスの単位 mH(ミリヘンリー、10^-3)の換算を忘れて桁を誤るミス。
出題の前提:電気設備技術基準および電気理論の基本公式に基づく出題
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
並列交流回路の皮相電力
電気理論 · 交流並列回路 / 皮相電力 / 有効電力と無効電力
図のような交流回路において、抵抗 12 Ω、リアクタンス 16 Ω、電源電圧は 96 V である。この回路の皮相電力 [V・A] として、最も近いものはどれか。
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解答
ハ
解説
並列交流回路では各並列素子に共通の電源電圧が加わるため、各枝路電流を求めて二乗和の平方根により全電流を合成し、電源電圧と全電流の積から皮相電力を算出します。
解き方
- 各並列素子に流れる電流を求めます。I_R = 96 / 12 = 8 A、I_X = 96 / 16 = 6 A です。
- 全電流 I = √(8^2 + 6^2) = 10 A を算出し、皮相電力 S = V × I = 96 × 10 = 960 V・A を求めます。
- 選択肢 イ不正解
- 576 V・A は無効電力 Q = 96 × 6 = 576 var の値であり、皮相電力ではないため不適です。
- 選択肢 ロ不正解
- 768 V・A は有効電力 P = 96 × 8 = 768 W の値であり、皮相電力ではないため不適です。
- 選択肢 ハ正解
- 全電流が 10 A となり、皮相電力は S = 96 V × 10 A = 960 V・A となるため正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 1344 は有効電力と無効電力を単純加算した値 (768 + 576 = 1344) であり、直交ベクトル合成が正しく行われておらず誤りです。
覚えるポイント
- 皮相電力 S [V・A] は、有効電力 P [W] と無効電力 Q [var] のベクトル合成 S = √(P^2 + Q^2) で求められる。
間違えやすいところ
- 並列回路のインピーダンス計算を直列合成 √(R^2 + X^2) と混同してしまう誤り。
出題の前提:電気設備技術基準および電気理論の基本公式に基づく出題
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
三相交流回路の全消費電力
電気理論 · 三相交流回路 / スターデルタ混在回路 / 消費電力
図のような三相交流回路において、電源電圧は 200 V、抵抗は 20 Ω、リアクタンスは 40 Ω である。この回路の全消費電力 [kW] の値として、最も近いものはどれか。
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解答
ハ
解説
交流回路の全消費電力(有効電力)は抵抗成分のみで消費され、スター結線された抵抗負荷に加わる相電圧は線間電圧の 1/√3 倍となります。
解き方
- 回路結線を確認し、電力を消費するのはスター結線された3つの抵抗 20 Ω のみであることを把握します。
- スター結線の相電圧 V_p = 200 / √3 V を用いて全消費電力 P = 3 × (V_p^2 / R) = 3 × (200^2 / (3 × 20)) = 2000 W = 2.0 kW を求めます。
- 選択肢 イ不正解
- 1.0 kW は誤りです。電圧降下や抵抗の接続形式の計算が合致しません。
- 選択肢 ロ不正解
- 1.5 kW は誤りです。各相の電力計算が正しく行われていません。
- 選択肢 ハ正解
- スター結線の抵抗にかかる相電圧から、P = 3 × ((200/√3)^2 / 20) = 2000 W = 2.0 kW と求まり正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 12 kW はデルタ結線に直接抵抗が接続されたと誤認した場合などの不適切な計算値です。
覚えるポイント
- インダクタンスなどのリアクタンスは無効電力のみを生じ、消費電力(有効電力)は 0 である。
間違えやすいところ
- 抵抗がスター結線されていることを見落とし、線間電圧200 Vが直接抵抗にかかると誤認してしまうこと。
出題の前提:電気設備技術基準および電気理論の基本公式に基づく出題
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.4 ↗(www.shiken.or.jp)
単相3線式配電線路の電圧降下と電源電圧
配電理論 · 単相3線式 / 電圧降下 / 中性線電流
図のような単相3線式配電線路において、負荷A、負荷Bともに負荷電圧 100 V、負荷電流 10 A、力率 0.8 (遅れ) である。このとき、電源電圧 V の値 [V] として、最も近いものはどれか。ただし、配電線路の電線1線当たりの抵抗は 0.5 Ω とし、計算においては適切な近似式を用いること。
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解答
ロ
解説
単相3線式配電線路において両外線側の負荷電流および力率が平衡している場合、中性線に流れる電流はゼロとなり、負荷端電圧と電源電圧の差は電圧線1線分の電圧降下(I・r・cosθ)に等しくなります。
解き方
- 負荷Aと負荷Bが平衡負荷であることから、中性線電流 I_N = 0 A であり中性線の電圧降下が 0 V であることを確認します。
- 電圧線1線の電圧降下を近似式 ΔV = I × r × cosθ = 10 × 0.5 × 0.8 = 4 V により求め、電源電圧 V = 100 + 4 = 104 V を算出します。
- 選択肢 イ不正解
- 102 V は誤りです。電圧降下の計算値が 2 V となるような誤った条件適用です。
- 選択肢 ロ正解
- 中性線電流が 0 A であるため、電圧線1線分の電圧降下 4 V を加算した 104 V が正しく求まります。
- 選択肢 ハ不正解
- 112 V は誤りです。単相2線式のように電線2本分の電圧降下を加算するなどの誤計算です。
- 選択肢 ニ不正解
- 120 V は誤りです。電圧降下の値が過大に計算されています。
覚えるポイント
- 単相3線式の平衡負荷時、中性線には電流が流れず電圧降下も生じないため、1線分の降下のみを考慮する。
間違えやすいところ
- 単相2線式と混同して、2線分の電圧降下(2・I・r・cosθ)を足してしまうミス。
出題の前提:内線規程および電気理論の配電線路電圧降下計算式に基づく出題
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.4 ↗(www.shiken.or.jp)
力率改善による三相配電線路の線路損失低減
配電理論 · 力率改善 / 線路損失 / 電力用コンデンサ
図のように、三相3線式構内配電線路の末端に、力率 0.8 (遅れ) の三相負荷がある。この負荷と並列に電力用コンデンサを設置して、線路の力率を 1.0 に改善した。コンデンサ設置前の線路損失が 2.5 kW であるとすれば、設置後の線路損失の値 [kW] として、最も近いものはどれか。ただし、三相負荷の負荷電圧は一定とする。
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解答
ロ
解説
三相配電線路の線路損失は電流の2乗に比例(P_L = 3・I^2・r)し、送電有効電力が一定の条件では電流は力率に反比例するため、線路損失は力率の2乗に反比例します。
解き方
- 有効電力と電圧が一定の条件下で、線路電流が力率に反比例することから、力率改善後の電流比 I2 / I1 = cosθ1 / cosθ2 = 0.8 / 1.0 = 0.8 を求めます。
- 線路損失は電流の2乗に比例するため、設置後の損失 P_L2 = 2.5 × (0.8)^2 = 2.5 × 0.64 = 1.6 kW を算出します。
- 選択肢 イ不正解
- 0 kW は誤りです。力率が1.0になっても負荷の有効電流が線路を流れるため、線路損失はゼロにはなりません。
- 選択肢 ロ正解
- 線路損失は力率の2乗に反比例(電流の2乗に比例)するため、2.5 × (0.8)^2 = 1.6 kW となり正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 2.4 kW は誤りです。線路損失の比率計算が正しく適用されていません。
- 選択肢 ニ不正解
- 2.8 kW は誤りです。力率改善によって線路電流が減少し損失は減少するため、元の2.5 kWより大きくなることはありません。
覚えるポイント
- 有効電力が一定のとき、線路損失は力率の2乗に反比例して減少する(P_loss ∝ (1/cosθ)^2)。
間違えやすいところ
- 損失が電流の1乗に比例すると勘違いし、2.5 × 0.8 = 2.0 kW などと計算してしまう誤り。
出題の前提:電気設備技術基準および送配電理論に基づく出題
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
変圧器一次側に設置された変流器の二次電流
配電理論 · 単相変圧器 / 変流器(CT) / 変圧比と変流比
図のように、変圧比が 6300 / 210 V の単相変圧器の二次側に抵抗負荷が接続され、その負荷電流は 300 A であった。このとき、変圧器の一次側に設置された変流器の二次側に流れる電流 I [A] として、最も近いものはどれか。ただし変流器の変流比は 20 / 5 A とし、負荷抵抗以外のインピーダンスは無視する。
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解答
イ
解説
理想変圧器において電流比は変圧比の逆比となり、変流器(CT)の二次側電流は一次電流に変流比の逆数(公称変流比 20/5 であれば 5/20 倍)を乗じることで求められます。
解き方
- 単相変圧器の一次電流を求めます。I1 = 300 × (210 / 6300) = 10 A です。
- 変流器の変流比 20 / 5 A より、変流器二次側電流 I = 10 × (5 / 20) = 2.5 A を算出します。
- 選択肢 イ正解
- 一次電流10 Aに変流比の比率 5/20 を掛けると 2.5 A となり正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- 2.8 A は誤りです。変圧比または変流比の計算が合致しません。
- 選択肢 ハ不正解
- 3.0 A は誤りです。比率の取り方に誤りがあります。
- 選択肢 ニ不正解
- 3.2 A は誤りです。変圧比やCT比の適用計算が正しくありません。
覚えるポイント
- 変圧器・変流器ともに、電圧比と電流比は互いに逆比の関係になる。
間違えやすいところ
- 変圧器の一次電流計算で変圧比を逆に掛けて電流を30倍にしてしまう誤りや、CTの変流比を 20/5 倍と掛けてしまう誤り。
出題の前提:電気設備技術基準および計器用変成器の仕様・計算基準に基づく出題
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
工場の平均需要電力の計算
配電・負荷設備 · 需要率 / 負荷率 / 最大需要電力 / 平均需要電力
負荷設備の合計容量が 500 kW の工場において、ある月の需要率が 40 %、負荷率が 50 %であった。この工場のその月における平均需要電力 [kW] の値として、最も近いものを一つ選べ。
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解答
イ
解説
需要率は設備容量に対する最大需要電力の割合(最大需要電力/設備容量)を表し、負荷率は最大需要電力に対する平均需要電力の割合(平均需要電力/最大需要電力)を表します。これらを順に乗算することで平均需要電力が求まります。
解き方
- 最大需要電力を計算する:最大需要電力 = 負荷設備容量 × 需要率 = 500 kW × 0.40 = 200 kW。
- 平均需要電力を計算する:平均需要電力 = 最大需要電力 × 負荷率 = 200 kW × 0.50 = 100 kW。
- 選択肢 イ正解
- 計算手順のとおり、500 kW × 0.40 × 0.50 = 100 kW となり正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- 200 kW は最大需要電力の値であり、負荷率を乗じる前の数値であるため誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 300 kW は計算結果と一致せず誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 400 kW は計算結果と一致せず誤りです。
覚えるポイント
- 需要率=(最大需要電力/設備容量)×100[%]
- 負荷率=(平均需要電力/最大需要電力)×100[%]
間違えやすいところ
- 負荷率を設備容量に対して直接掛けてしまう誤り
- 最大需要電力(200 kW)をそのまま最終解答として選んでしまう間違い
出題の前提:令和2年度第一種電気工事士筆記試験 一般問題 問9
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
三相誘導電動機の全負荷電流の計算
電気機器 · 三相誘導電動機 / 全負荷電流 / 電動機の効率と力率
定格電圧 200 V、定格出力 11 kW の三相誘導電動機がある。全負荷時における力率が 80 %、効率が 90 %であるとき、全負荷電流 [A] の値として、最も近いものを一つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
電動機の定格出力は軸から取り出せる機械的出力(有効電力出力)です。電源から取り込む電気的入力電力は「定格出力/効率」となり、三相交流回路では「√3 × 線間電圧 × 線電流 × 力率」に等しくなります。
解き方
- 入力電力 Pin [W] を求める:Pin = 定格出力 P / 効率 η = 11000 / 0.90 W。
- 三相電力の公式 Pin = √3 × V × I × cosθ より線電流 I を導出する:I = 11000 / (0.90 × √3 × 200 × 0.80) = 11000 / (249.4) ≈ 44.1 A。
- 選択肢 イ不正解
- 23 A は √3 ではなく 3 で割るなどの誤った計算による値です。
- 選択肢 ロ不正解
- 36 A は力率や効率の処理を誤った計算結果です。
- 選択肢 ハ正解
- 計算値約 44.1 A に最も近い値であり正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 81 A は単相電力として計算した場合等に生じる誤りです。
覚えるポイント
- 三相電動機の入力電力 Pin = 出力 / 効率
- 三相電力 P = √3 × V × I × cosθ
間違えやすいところ
- 定格出力をそのまま電気入力として計算し効率で割るのを忘れるミス
- 三相交流の公式で係数 √3 を忘れて単相の式で計算してしまうミス
出題の前提:令和2年度第一種電気工事士筆記試験 一般問題 問10
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
学校教室における推奨維持照度
電気応用 · JIS照明設計基準 / 維持照度 / 学校の教室
「日本産業規格(JIS)」で示す照明設計基準における維持照度の推奨値について、学校の教室(机上面)における推奨維持照度 [lx] として、正しいものを一つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
JIS Z 9110(照明基準総則)では、視作業の種類や空間の用途に応じた維持照度の推奨基準が定められています。学校の教室(普通教室、講義室など)の机上面における一般的な作業面照度の推奨値は 300 lx です。
解き方
- JIS照明設計基準(JIS Z 9110)における学校施設の照度基準を確認する。
- 教室の机上面における読書・筆記等の視作業に対する推奨維持照度が 300 lx であることを判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 30 lx は廊下や非常階段など通行を主目的とする場所の照度基準に近いため誤りです。
- 選択肢 ロ正解
- 学校の普通教室(机上面)の推奨維持照度として規定されている 300 lx に合致し正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 900 lx は精密な設計や製図作業などに求められる高照度レベルであり誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 1 300 lx は極めて精密な視作業に適用される区分であり誤りです。
覚えるポイント
- 学校の教室(机上面)の維持照度基準:300 lx
- 事務室・オフィスの執務面照度基準:750 lx
間違えやすいところ
- オフィスの一般的な執務照度(750 lx)や精密作業照度と学校普通教室(300 lx)を混同するミス
出題の前提:令和2年度第一種電気工事士筆記試験 一般問題 問11(JIS Z 9110 照明基準総則)
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
変圧器の鉄損および銅損の特性曲線
電気機器 · 変圧器の損失 / 鉄損(無負荷損) / 銅損(負荷損)
変圧器の出力に対する損失の特性曲線において、a が鉄損、b が銅損を表す特性曲線の組み合わせとして、正しいものを一つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
変圧器の損失は、励磁電流によって鉄心内に生じる鉄損(無負荷損)と、巻線の抵抗損である銅損(負荷損)に大別されます。鉄損は電源電圧が一定であれば負荷(出力)によらず一定値です。銅損は負荷電流の2乗(近似的に出力の2乗)に比例して増加します。
解き方
- 鉄損 a の特性を検討する:出力に関係なく常に一定であるため、横軸を出力、縦軸を損失とすると水平直線となる。
- 銅損 b の特性を検討する:負荷電流の2乗に比例するため、出力の増加に対して下に凸の二次曲線(放物線)となる。
- 両方の条件を満たすグラフ(ニ)を選定する。
- 選択肢 イ不正解
- 銅損 b が上に凸の飽和曲線のように描かれており、2乗比例の特性と異なるため誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- 鉄損 a が出力に比例する直線、銅損 b が水平線となっており、特性が逆かつ比例関係が誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- a と b の曲線形状および割り当てが実際の特性と一致しないため誤りです。
- 選択肢 ニ正解
- a が出力に依存しない水平線、b が出力の2乗に比例して急峻に立ち上がる下に凸の二次曲線を示しており正しいです。
覚えるポイント
- 鉄損(無負荷損):電圧が一定なら負荷(出力)に関係なく常に一定(水平線)
- 銅損(負荷損):負荷電流の2乗に比例(出力の2乗に比例する下に凸の曲線)
- 最高効率条件:鉄損=銅損となる負荷率
間違えやすいところ
- 鉄損と銅損の名称・特性を取り違える誤り
- 銅損が電流の1乗に比例する直線であると勘違いするミス
出題の前提:令和2年度第一種電気工事士筆記試験 一般問題 問12
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
インバータの機能と定義
電気機器 · 電力変換装置 / インバータ(逆変換装置) / コンバータ(順変換装置)
インバータ(逆変換装置)の記述として、正しいものを一つ選べ。
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解答
ロ
解説
電力変換装置において、交流を直流に変換する回路を整流器またはコンバータ(順変換装置)、直流を交流に変換する回路をインバータ(逆変換装置)と呼びます。直流同士の電圧変換はDC-DCコンバータ(チョッパ等)、交流同士の周波数・電圧直接変換はサイクロコンバータやマトリックスコンバータなどが該当します。
解き方
- インバータの定義を確認する:直流電力から交流電力への変換(逆変換)。
- 各選択肢の変換形態を照合し、「直流電力を交流電力に変換する装置」である記述を選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 交流を直流に変換する装置はコンバータ(順変換装置、整流器)であるため誤りです。
- 選択肢 ロ正解
- 直流電力を交流電力に変換する装置がインバータ(逆変換装置)であり正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 交流から異なる交流への直接変換は交流電力調整器やサイクロコンバータ等であり誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 直流から異なる直流への変換はDC-DCコンバータ(チョッパ装置等)であり誤りです。
覚えるポイント
- コンバータ(順変換):交流 → 直流
- インバータ(逆変換):直流 → 交流
間違えやすいところ
- コンバータ(順変換)とインバータ(逆変換)の変換方向を混同するミス
出題の前提:令和2年度第一種電気工事士筆記試験 一般問題 問13
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
低圧電路の地絡保護遮断器の鑑別
配線器具・材料・工具 · 漏電遮断器 / 地絡保護 / 開閉器・遮断器の判別
写真に示す低圧機器のうち、低圧電路で地絡(漏電)が生じたときに、自動的に電路を遮断するものとして、適切なものを一つ選べ。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
低圧電路において地絡(漏電)事故を検出し電路を自動遮断する機器は「漏電遮断器(ELB)」です。外観上の特徴として、遮断器表面に動作確認用のテストボタン(黄色または灰色など)や漏電表示ボタンが設けられています。配線用遮断器(MCCB)は過電流・短絡電流のみを遮断し、地絡電流では動作しません。
解き方
- 設問の機能(地絡が生じたときに自動的に電路を遮断する機器)が漏電遮断器であることを確認する。
- 各写真の外観を確認する:イは漏電遮断器、ロは小型配線用遮断器、ハは配線用遮断器、ニは電磁開閉器である。
- 漏電遮断器を示す写真イを選択する。
- 選択肢 イ正解
- 表面にテストボタンや漏電表示機構を備えた漏電遮断器であり、地絡時に電路を遮断するため正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- 住宅用分電盤などに用いられる小型配線用遮断器(安全ブレーカ)であり、過電流保護用であるため誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 配線用遮断器(MCCB)であり、過負荷および短絡電流を遮断しますが地絡は検出・遮断しないため誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 電磁接触器にサーマルリレーを組み合わせた電磁開閉器であり、電動機の遠隔開閉および過負荷保護を行う機器のため誤りです。
覚えるポイント
- 漏電遮断器(ELB)の外観特徴:テストボタンおよび定格感度電流表示がある
- 配線用遮断器(MCCB)は過負荷・短絡保護のみで漏電保護機能はない
間違えやすいところ
- 配線用遮断器(ハ)と漏電遮断器(イ)の外観を混同し、テストボタンの有無を見落とすミス
出題の前提:令和2年度第一種電気工事士筆記試験 一般問題 問14
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
自家用電気設備における直流電源装置の用途
自家用受変電設備 · 直流電源装置 / 蓄電池設備 / 受変電設備の操作電源 / 非常用照明
写真に示す自家用電気設備(盤内に多数の蓄電池セルを収納し、計測表示部に直流出力電圧・電流を表示する装置)の説明として、最も適当なものを一つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
自家用受変電設備に設置される蓄電池盤(直流電源装置)は、真空遮断器(VCB)等の投入・引外し制御用電源、保護継電器の動作用電源、および停電時における保安用・非常用照明器具への安定した直流電力供給を目的として設置されます。表示パネルには「直流出力電圧(約110V近辺)」「電流」などが表示されます。
解き方
- 写真を確認する:盤内下段に多数の蓄電池(二次電池セル)が並び、盤面の計測表示部に「直流出力 電圧 118 V」が表示されていることから、蓄電池設備(直流電源装置)であると特定する。
- 蓄電池設備の主な用途を確認する:受変電機器の遮断器トリップ・投入等の制御電源、停電時の非常用照明電源等である。
- 用途に合致する記述(ロ)を選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 低圧電動機の運転制御や保護を行う設備は「動力制御盤(コントロールセンタ)」であるため誤りです。
- 選択肢 ロ正解
- 写真の直流電源装置(蓄電池設備)は、受変電機器の操作制御や停電時の非常用照明へ電力を供給するものであり正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 低圧電源を分岐して単相負荷へ供給する設備は「電灯分電盤」であるため誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 電力会社から高圧を受電する設備は「高圧受電盤」であり誤りです。
覚えるポイント
- 蓄電池設備(直流電源装置)の用途:受変電設備の操作制御電源、停電時の非常用照明電源
- 盤内の多数の直列セルと直流電圧表示(約100V〜120V)が識別のポイント
間違えやすいところ
- 外観の扉形状だけで判断し、動力制御盤や受電盤と混同してしまうミス
出題の前提:令和2年度第一種電気工事士筆記試験 一般問題 問15
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
揚水式発電所における揚水ポンプ用電動機の入力計算
発電・送配電設備 · 揚水発電所 / 揚水ポンプ入力 / 電動機とポンプの総合効率
全揚程 200 m、揚水流量が 150 m³/s である揚水式発電所の揚水ポンプ用電動機の入力 [MW] の値として、最も近いものを一つ選べ。ただし、電動機の効率を 0.9、ポンプの効率を 0.85 とする。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
揚水ポンプを駆動するために必要な電動機の入力電力 P [kW] は、水に与える理論位置エネルギー(9.8 × Q × H)を、ポンプ効率 η_p および電動機効率 η_m で除算することによって求められます(P = 9.8QH / (η_p × η_m))。水力発電機の出力計算(9.8QH × 効率)とは効率の掛け算・割り算の関係が逆になります。
解き方
- 揚水ポンプの電動機入力の計算式を立てる:P [kW] = (9.8 × Q × H) / (η_p × η_m)。
- 数値を代入して計算する:Q = 150 m³/s、H = 200 m、η_p = 0.85、η_m = 0.9 より、P = (9.8 × 150 × 200) / (0.85 × 0.90) = 294,000 / 0.765 ≈ 384,314 kW。
- 単位を MW に換算する:384,314 kW ≈ 384 MW。
- 選択肢 イ不正解
- 23 MW は計算桁数や適用式を大きく誤った数値です。
- 選択肢 ロ不正解
- 39 MW は計算の桁を1桁誤った値です。
- 選択肢 ハ不正解
- 225 MW は水力発電のように効率を分子に乗算した場合(294,000 × 0.85 × 0.9 ≈ 224,910 kW = 225 MW)の値であり誤りです。
- 選択肢 ニ正解
- 正しく効率で除算して求めた約 384 MW と合致しており正しいです。
覚えるポイント
- 揚水動力(ポンプ入力):P = (9.8 × Q × H) / (η_p × η_m) [kW]
- 発電出力:P = 9.8 × Q × H × η_t × η_g [kW]
間違えやすいところ
- 揚水動力の計算において、発電出力計算と混同して効率を分子に掛けてしまうミス(ハを選んでしまう典型誤答)
- 単位の換算ミス(kW から MW への換算で 10^3 を忘れる)
出題の前提:令和2年度第一種電気工事士筆記試験 一般問題 問16
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
タービン発電機の特徴
発電設備 · タービン発電機 / 同期発電機 / 回転子構造
タービン発電機の記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
火力発電や原子力発電で用いられるタービン発電機は、高速回転(3000 min⁻¹または3600 min⁻¹)に適した2極または4極の円筒形(非突極形)回転子が用いられ、横軸形(水平軸)構造が一般的です。一方、水車発電機は低速多極で突極形回転子、大容量機では縦軸形が多く用いられます。
解き方
- タービン発電機の駆動源と回転速度(高速・蒸気駆動)を確認する。
- 高速回転に伴う遠心力対策として円筒形(非突極形)の横軸形が標準であることを確認し、誤りの選択肢を特定する。
- 選択肢 イ不正解
- ボイラーで発生させた高圧蒸気の圧力を利用してタービンを駆動するため正しい記述です。
- 選択肢 ロ不正解
- タービン発電機は高速回転(3000~3600 rpm程度)であり、水車発電機(数百rpm程度)より回転速度が大きいため正しい記述です。
- 選択肢 ハ不正解
- 高速回転による遠心力に耐えられるよう、外周が滑らかな円筒形(非突極形)回転界磁形が採用されるため正しい記述です。
- 選択肢 ニ正解
- タービン発電機は一般に横軸形が採用されます。縦軸形が多く用いられるのは大型水車発電機などであるため、本記述は誤りです。
覚えるポイント
- タービン発電機は高速・円筒形(非突極形)・横軸形。水車発電機は低速・突極形・縦軸形。
間違えやすいところ
- 水車発電機とタービン発電機の回転子形状(突極形と円筒形)および軸の向き(縦軸と横軸)を逆に覚えてしまうミス。
出題の前提:電気設備技術基準および発電用機器の一般的仕様
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
がいしの塩害対策
送配電設備 · がいし / 塩害対策 / アークホーン
送電・配電及び変電設備に使用するがいしの塩害対策に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
塩害対策は、がいし表面に付着した海塩粒子等による漏れ電流の増大やフラッシオーバを防止することが目的です。対策として、沿面距離の長いがいしの採用(耐塩がいし)、がいし個数の増加、定期的な水洗い洗浄、はっ水性物質(シリコーンコンパウンド)の塗布などがあります。アークホーンは雷過電圧によるフラッシオーバ時のアーク熱からがいし破損を防ぐ保護装置です。
解き方
- がいしの塩害発生機構(表面の塩分付着による導電化と閃絡)と防止策を想起する。
- 各選択肢の目的を確認し、雷保護対策であるアークホーンを誤りとして選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 耐塩がいしなど沿面距離の長いがいしを用いることで漏れ電流を抑制できるため、塩害対策として適切です。
- 選択肢 ロ正解
- アークホーンは雷サージによるアーク放電を誘導してがいしの熱破壊を防ぐ装置であり、塩害対策ではないため誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- がいしに付着した塩分を水で洗い流す(活線洗浄・停止洗浄)ことは直接的な塩害対策として適切です。
- 選択肢 ニ不正解
- シリコーンコンパウンドを塗布して表面にはっ水性を持たせ、連続した水膜形成を防ぐことは塩害対策として適切です。
覚えるポイント
- アークホーンは雷サージ保護用。塩害対策は「沿面距離拡大」「洗浄」「はっ水性物質塗布」。
間違えやすいところ
- アークホーンがいし周辺に取り付けられる部品であるため、塩害防止装置と混同してしまうミス。
出題の前提:電気設備技術基準・送配電機器運用基準
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
配電用変電所の構成と接地方式
送配電設備 · 配電用変電所 / 高圧配電線路 / 中性点接地方式
配電用変電所に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
配電用変電所は送電系統(66 kV〜22 kV等)から高圧配電系統(一般に6.6 kV)へと電圧を降圧する施設です。電圧調整のための負荷時タップ切換装置(LRT)や配電線路ごとの遮断器・保護継電器を備えます。日本の6.6 kV高圧配電系統は、地絡事故時の安全確保と通信線への誘導障害軽減等のため、一般に「非接地方式」が採用されています。
解き方
- 配電用変電所の役割(降圧、電圧調整、保護)を確認する。
- 日本の一般的な高圧配電線路(6.6 kV)の中性点接地方式(非接地方式)の知識を適用して誤りを特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 負荷の変動による送出電圧の変動を調整するため、負荷時タップ切換変圧器(LRT)等が設置されるため正しい記述です。
- 選択肢 ロ不正解
- 送電電圧(高電圧)を需要地用の配電電圧(6.6 kV等)に降圧して配電線路に送り出す施設であるため正しい記述です。
- 選択肢 ハ不正解
- 各配電線路の引出口には短絡や地絡事故を検出・遮断するための遮断器および保護継電器が設置されるため正しい記述です。
- 選択肢 ニ正解
- 日本の高圧配電系統は感電防止や誘導障害低減のため一般に「非接地方式」を採用しており、直接接地はされないため誤りです。
覚えるポイント
- 日本の高圧配電線路(6.6 kV系統)は「非接地方式」。直接接地は超高圧送電系統などに用いられる。
間違えやすいところ
- 超高圧送電線路の直接接地方式と高圧配電線路の非接地方式を混同してしまうミス。
出題の前提:電気設備技術基準・電気工学基礎(電力系統)
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
高頻度開閉用機器の選定
配電・変電設備 · 真空電磁接触器 / 開閉器 / 遮断器
次の機器のうち、高頻度開閉を主たる目的として使用されるものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
高圧電路の開閉機器にはそれぞれ役割があります。高圧交流真空電磁接触器(VMC)は数十万回レベルの高い機械的・電気的寿命を持ち、高頻度な負荷電流の開閉に適しています。ただし短絡電流遮断能力はないため限流ヒューズ等と組み合わせて使用されます。高圧交流遮断器(VCB等)は事故電流遮断が主目的で開閉頻度は低く、断路器(DS)は無負荷回路の切離し用です。
解き方
- 各開閉機器(断路器、負荷開閉器、電磁接触器、遮断器)の開閉責務と特徴を整理する。
- 高頻度開閉(モータの始動・停止やコンデンサ投入など)に特化した真空電磁接触器(VMC)を選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 高圧断路器(DS)は無負荷状態の回路を開閉・隔離するための機器であり、負荷電流の開閉や高頻度開閉はできません。
- 選択肢 ロ不正解
- 高圧交流負荷開閉器(LBS)は通常負荷の開閉を行うものですが、高頻度の開閉には適していません。
- 選択肢 ハ正解
- 高圧交流真空電磁接触器(VMC)は高圧電動機回路など開閉頻度が高い回路の制御を目的として設計された機器であり、正解です。
- 選択肢 ニ不正解
- 高圧交流遮断器(VCBなど)は通常負荷電流および短絡などの事故電流を遮断するためのもので、高頻度開閉を主目的とするものではありません。
覚えるポイント
- 高頻度開閉=真空電磁接触器(VMC)。短絡電流遮断は不可(ヒューズと併用)。
間違えやすいところ
- 真空遮断器(VCB)と真空電磁接触器(VMC)の用途(事故遮断用と高頻度負荷開閉用)の混同。
出題の前提:高圧受電設備規程・JIS C 4625(高圧交流電磁接触器)
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
キュービクル式高圧受電設備の特徴
配電・変電設備 · キュービクル式高圧受電設備 / 開放形受電設備 / 防水・防塵性
キュービクル式高圧受電設備の特徴として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
キュービクル式高圧受電設備は、工場で変圧器や遮断器などを金属製外箱(筐体)内に組み込んだパッケージ構造です。接地された金属箱で覆われるため感電防止の安全性が高く、設置面積が小さく(省スペース)、現地配線工事が簡素化され工期短縮が可能です。屋外設置形では、内部機器の絶縁低下や短絡を防ぐため雨水・粉塵の吹き込み防止構造および換気構造が不可欠です。
解き方
- キュービクル式のメリット(安全性、省スペース性、現地工期の短縮)を確認する。
- 屋外設置における環境対策(雨水浸入・結露防止対策が必要であること)に照らして誤りの選択肢を特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 充電部が接地された金属箱内に収納されているため、人体接触事故を防止でき安全性が高いため正しい記述です。
- 選択肢 ロ不正解
- 機器がコンパクトに配置されているため、フレーム架台に並べる開放形受電設備よりも設置面積が小さくできるため正しい記述です。
- 選択肢 ハ不正解
- 工場で機器が組み立て・配線された状態で搬入されるため、現地据付・配線工事が簡単になり工期短縮が図れるため正しい記述です。
- 選択肢 ニ正解
- 屋外に設置する場合は、通気口等から雨水の浸入や吹き込みが生じないよう防雨構造や水切り等を十分に考慮して設計・設置する必要があるため誤りです。
覚えるポイント
- 屋外用キュービクルでも換気開口部からの雨水浸入・吹き込み対策が必須。
間違えやすいところ
- 「金属箱に入っているから完全に密閉されていて雨は関係ない」と誤認してしまうミス(換気口が必要)。
出題の前提:JIS C 4620(キュービクル式高圧受電設備)
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
GR付PAS(高圧気中負荷開閉器)の機能と設置目的
受電設備 · GR付PAS / 高圧気中負荷開閉器 / 波及事故防止 / 地絡保護
写真に示すGR付PAS(地絡継電器付高圧気中負荷開閉器)を設置する場合の記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
GR付PAS(柱上設置の高圧交流気中負荷開閉器)は、構内高圧線路で地絡事故が発生した際に零相変流器(ZCT)と地絡継電器(GR)の連動により地絡電流を検知して自動開放し、配電系統への波及事故を防止します。ただし開閉器(スイッチ)であるため短絡事故電流の遮断能力はなく、短絡時に開放すると爆発・破損の危険があるため、過電流ロック(SO機能)により短絡時は遮断器や配電線側での遮断を待つ仕組みになっています。
解き方
- 機器の写真がGR付PAS(VT・LA内蔵形等)であることを確認する。
- 開閉器(PAS)と遮断器(CB)の違い(PASは短絡電流遮断不可)を想起する。
- 短絡事故時に自動遮断するとする選択肢イが誤りであると判断する。
- 選択肢 イ正解
- PASは負荷電流の開閉および地絡電流の遮断はできますが、短絡電流を遮断する能力はなく、短絡時は過電流ロック等で開放しないようになっているため誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- 構内地絡事故時に自設備を迅速に切り離し、配電系統の停電(波及事故)を防止する主目的があるため正しい記述です。
- 選択肢 ハ不正解
- 内蔵または組み合わせられたZCTとGRによって地絡を検出し、自動遮断(開放)するため正しい記述です。
- 選択肢 ニ不正解
- 高圧引込柱など、電気事業者との保安上の責任分界点またはこれに最も近い箇所に設置されるため正しい記述です。
覚えるポイント
- PASは「負荷開閉器」であり「短絡遮断器」ではない。短絡事故は大電流のため遮断できない。
間違えやすいところ
- 遮断器(VCB等)と負荷開閉器(PAS等)の事故電流遮断能力(地絡電流と短絡電流)を混同するミス。
出題の前提:高圧受電設備規程・JIS C 4607
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
計器用変流器(CT)の用途
受電設備・計測器 · 計器用変流器 / CT / 電流測定 / 大電流変流
写真に示す機器の用途として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
写真は貫通形/巻線形の高圧計器用変流器(CT:Current Transformer)です。高圧回路に流れる大きな電流を、測定や継電器動作に適した安全な小電流(二次側定格一般に5 A)に変成する用途で使用されます。零相電流検出はZCT、電圧の変成はVT(計器用変圧器)、突入電流抑制は直列リアクトル(SR)の用途です。
解き方
- 写真の機器の外観(高圧計器用変流器:CT、端子K-L、一次導体接続端子等)を判別する。
- CTの定義・機能である「大電流を小電流に変成する」に合致する選択肢を選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 零相電流を検出するのは零相変流器(ZCT)の用途であるため誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- 高電圧を低電圧に変成するのは計器用変圧器(VT/PT)の用途であるため誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 進相コンデンサの投入突入電流を抑制するのは直列リアクトル(SR)の用途であるため誤りです。
- 選択肢 ニ正解
- 写真は計器用変流器(CT)であり、主回路の大電流を小電流に変成して電流計や過電流継電器に送る用途であるため正しい記述です。
覚えるポイント
- CT(変流器):大電流→小電流(5 A)。VT(変圧器):高電圧→低電圧(110 V)。
間違えやすいところ
- CT(変流器)とVT(変圧器)の外観および記号・用途を混同するミス。
出題の前提:JIS C 1731(計器用変成器)
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
低圧分岐回路の過電流遮断器・電線太さ・コンセントの施設基準
配線設計・工事基準 · 分岐回路 / 過電流遮断器 / 軟銅線太さ / コンセント定格
低圧分岐回路の施設において、分岐回路を保護する過電流遮断器の種類、軟銅線の太さ及びコンセントの組合せで、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
電気設備の技術基準の解釈第149条等に基づく低圧分岐回路の規格では、過電流遮断器の定格電流に応じて最小電線太さと接続可能なコンセント定格が定められています。 ・15 A遮断器(20 A配線用遮断器含む):電線太さ1.6 mm以上、コンセント15 A以下(20 A配線用遮断器は20 A以下も可) ・20 A遮断器(配線用遮断器以外):電線太さ2.0 mm以上、コンセント20 A以下 ・30 A遮断器:電線太さ2.6 mm以上(断面積5.5 mm²以上)、コンセント20 A以上30 A以下 したがって、30 A分岐回路に直径2.0 mmの電線を用いることは許されません。
解き方
- 分岐回路の遮断器定格ごとの最小電線太さの基準を確認する(15 A/20 A配線用:1.6 mm以上、20 Aヒューズ:2.0 mm以上、30 A:2.6 mm以上)。
- ハの「定格電流30 A」に対して「直径2.0 mm」が規定(2.6 mm以上)を満たしていないことを確認し、誤りと判定する。
- 選択肢 イ不正解
- 定格電流15 Aの遮断器に対して直径1.6 mm以上の電線、定格15 Aのコンセントの組合せは規程に適合しています。
- 選択肢 ロ不正解
- 定格電流20 Aの配線用遮断器では直径1.6 mm以上の電線が使用可能(2.0 mmは適合)で、15 Aコンセントの接続も認められているため適合しています。
- 選択肢 ハ正解
- 定格電流30 Aの過電流遮断器を設ける分岐回路では、電線の太さは直径2.6 mm以上でなければならないため、2.0 mmとする本組合せは誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 30 A分岐回路において直径2.6 mmの電線を使用し、コンセント定格が20 A以上30 A以下(20 A専用形状等)であるため規程に適合しています。
覚えるポイント
- 30 A分岐回路の電線は「直径2.6 mm(断面積5.5 mm²)以上」、コンセントは「20 A以上30 A以下」。
間違えやすいところ
- 20 A分岐回路(2.0 mm)と30 A分岐回路(2.6 mm)の許容電線太さを混同してしまうミス。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第149条(低圧分岐回路等の施設)
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp)
引込柱の支線工事に使用する材料の組合せ
配線設計・施工方法 · 引込柱 / 支線工事 / 支持物
架空引込線を支持する引込柱の支線工事に使用する材料の組合せとして、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
電柱や引込柱を支える支線には、十分な引張強さを持つ亜鉛めっき鋼より線を用い、感電防止のため地上2.5 m以上の位置に玉がいしを挿入して絶縁します。また、地中への定着には支線ロッドおよびアンカを使用します。
解き方
- 支線の主要構成材料として、支線ワイヤ(亜鉛めっき鋼より線)、絶縁用の玉がいし、地中定着用の支線アンカが必要であることを確認します。
- 耐張クランプは電線の引留めに使用する金物であり、支線工事の基本構成材料ではないため除外します。
- 選択肢 イ正解
- 亜鉛めっき鋼より線、玉がいし、アンカはいずれも支線工事を構成する代表的な材料であり正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- 耐張クランプは架空電線を支持物に留め具として固定する部材であり、支線の構成材料ではありません。
- 選択肢 ハ不正解
- 耐張クランプが含まれており、架空電線の引留金物であるため支線材料の組合せとしては不適切です。
- 選択肢 ニ不正解
- 巻付グリップやアンカは使用されますが、玉がいしや鋼より線といった主要構成要素が欠けています。
覚えるポイント
- 支線には亜鉛めっき鋼より線、玉がいし(地上2.5m以上)、支線ロッド・アンカを用いる。
間違えやすいところ
- 耐張クランプは電線そのものを電柱に留める部材であり、支線ワイヤの部材と混同しないように注意する。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第61条(架空電線路の支持物の倒壊防止)
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp)
分電盤等のコンクリート面設置に一般的に使用されない工具の判別
工具・計測器 · 電工工具 / 盤設置 / 油圧式パイプベンダー
鋼板製の分電盤や動力制御盤を、コンクリートの床や壁に設置・固定する作業において、一般的に使用されない工具はどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
コンクリート面へ分電盤や動力制御盤を取り付ける据付工事では、アンカー用の穴をあけるハンマードリル、アンカーを打ち込む打込棒、盤の垂直・水平を確認する水準器を使用します。金属管の曲げ加工を行うパイプベンダーは盤の据付作業そのものには使用されません。
解き方
- 各写真の工具を特定する:イは油圧式パイプベンダー、ロはアンカー打込棒、ハはハンマードリル、ニは水準器です。
- コンクリートへの盤固定作業に必要な「穿孔」「アンカー施工」「水平垂直の確認」と各工具の用途を照合し、配管加工用であるパイプベンダーを除外します。
- 選択肢 イ正解
- 油圧式パイプベンダーは金属電線管を曲げるための工具であり、盤をコンクリートに据え付ける作業には直接使用されません。
- 選択肢 ロ不正解
- アンカー打込棒はコンクリートに打ち込みアンカーを固定する際に必須の工具です。
- 選択肢 ハ不正解
- ハンマードリルはコンクリート壁や床にアンカー用の下穴をあけるために使用されます。
- 選択肢 ニ不正解
- 水準器(レベル)は盤が傾かずに水平・垂直に取り付けられているかを確認するために使用されます。
覚えるポイント
- コンクリートへの機器固定にはハンマードリル、アンカー打込棒、水準器が必須となる。
間違えやすいところ
- 配管工事と盤据付工事の工程を混同し、盤の取付け作業自体にパイプベンダーが必要と誤認しないようにする。
出題の前提:内線規程および電気工事標準施工要領
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp)
金属線ぴ工事の施工基準
配線設計・施工方法 · 金属線ぴ工事 / 低圧屋内配線 / 接地工事
乾燥した場所であって展開した場所に施設する使用電圧100 Vの金属線ぴ工事の記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
金属線ぴ工事では、絶縁電線(OW線を除く)を収めて配線します。金属線ぴには原則としてD種接地工事が必要ですが、乾燥した場所で線ぴの長さが4 m以下の場合は接地工事を省略できます(12 mの場合は省略できず必要)。また、線ぴ相互やボックスとの接続は電気的・機械的に完全に接続します。
解き方
- 金属線ぴ工事で使用できる電線が絶縁電線(OWを除く)であることを想起し、ケーブル限定とする規定はないためイが誤りであると判断します。
- 他の選択肢(ボックスの電安法適用、4m超でのD種接地工事の要否、相互接続の完全性)がいずれも基準に適合していることを確認します。
- 選択肢 イ正解
- 金属線ぴ内には絶縁電線(OW線を除く)を使用できるため、「ケーブルを使用しなければならない」とする記述は誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- 金属線ぴ工事に使用する金属製のボックスその他の附属品は、電気用品安全法の適用を受けるものを使用するため記述は適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- 接地工事を省略できるのは線ぴの長さが4 m以下の場合であるため、12 mではD種接地工事が必要であり適切です。
- 選択肢 ニ不正解
- 金属線ぴ相互及び金属線ぴとボックスとは、堅ろうに、かつ、電気的に完全に接続する必要があり適切です。
覚えるポイント
- 金属線ぴ工事では絶縁電線(OWを除く)が基本であり、ケーブルに限定されない。
- 乾燥した場所の金属線ぴで接地を省略できる長さは4m以下である。
間違えやすいところ
- 金属管や金属ダクト工事と同様に、絶縁電線が使用可能である点を忘れてケーブル専用と誤解しやすい。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第161条(金属線ぴ工事)
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp)
乾燥・展開場所における高圧屋内配線の施設方法
配線設計・施工方法 · 高圧屋内配線 / ケーブル工事 / がいし引き工事
高圧屋内配線を、乾燥した場所であって展開した場所に施設する場合の記述として、不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
高圧屋内配線は、原則としてケーブル工事によらなければなりません。例外として、乾燥した展開場所であって接触防護措置を施す場合にはがいし引き工事(高圧絶縁電線等を使用)が認められます。高圧絶縁電線を金属管等の管路に収めて施設する工事種別は高圧屋内配線には存在しません。
解き方
- 高圧屋内配線の施設方法として認められているのは「ケーブル工事」および特定の条件下の「がいし引き工事」であることを確認します。
- ニの高圧絶縁電線を金属管に収める工法は高圧屋内配線として認められていないため、不適切と判断します。
- 選択肢 イ不正解
- 高圧ケーブルを金属管に収めて防護するケーブル工事は適切に認められています。
- 選択肢 ロ不正解
- 高圧ケーブルを金属ダクトに収めて防護するケーブル工事は適切に認められています。
- 選択肢 ハ不正解
- 乾燥した展開場所で接触防護措置を施すがいし引き工事であれば高圧絶縁電線の使用が認められています。
- 選択肢 ニ正解
- 高圧屋内配線では高圧絶縁電線を金属管に収めて施設することは認められておらず不適切です。
覚えるポイント
- 高圧屋内配線は原則ケーブル工事。がいし引き工事は乾燥した展開場所+接触防護措置のみ可能。
間違えやすいところ
- 低圧配線では金属管工事が標準的であるため、高圧配線でも高圧絶縁電線を金属管に収めてよいと誤認しやすい。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第168条(高圧屋内配線等の施設)
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp)
地中電線路の施設基準
配線設計・施工方法 · 地中電線路 / ケーブル / 埋設表示シート
地中電線路の施設に関する記述として、誤っているものはどれか。
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解答
ロ
解説
地中電線路は湿気や外傷、浸水の影響を直接受けるため、電線には必ずケーブルを使用しなければなりません(絶縁電線は不可)。また、管路式・暗きょ式・直接埋設式のいずれかで敷設し、埋設深さの確保や防護措置、埋設表示シートの設置、金属製接続箱への接地(低圧接続箱等のD種接地など)を行います。
解き方
- 地中電線路に使用できる電線はケーブルのみである規定を確認し、ロの「絶縁電線を使用した」が誤りであることを特定します。
- 他の選択肢(埋設表示シートの設置、金属製接続箱の接地、暗きょ式での難燃管収容等)が基準を満たしていることを確認します。
- 選択肢 イ不正解
- 長さ15 mを超える高圧地中電線路を管路式で施設する場合、埋設表示シートを管と地表面のほぼ中間に設ける措置は適切です。
- 選択肢 ロ正解
- 地中電線路にはケーブルを使用しなければならないため、絶縁電線を使用する記述は誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 地中電線に使用する金属製の接続箱には規定の接地工事(低圧側等ではD種接地工事)を施すため適切です。
- 選択肢 ニ不正解
- 暗きょ式において延焼防止措置として不燃性または自消性のある難燃性の管に収める施設方法は適切です。
覚えるポイント
- 地中電線路には必ずケーブルを使用する(絶縁電線は使用禁止)。
間違えやすいところ
- 管路式であれば管内で保護されるため絶縁電線でも通線できると誤認しないように注意する。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第120条(地中電線路の施設)
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp)
受電設備内の断路器(DS)の役割と特徴
配電理論・受配電設備 · 断路器 / DS / 区分開閉器
自家用受電設備配線図中の①に示す断路器(DS)に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
断路器(DS: Disconnecting Switch)は、負荷電流の遮断能力を持たず、無負荷状態で回路を開閉して点検時の安全な隔離(断路)を行う機器です。負荷側からの逆送感電を防ぐため、電源側を刃受(クリップ)、負荷側をブレード(刃)にして取り付けます。構内受電点の「区分開閉器」としては、事故電流を遮断・開放できるPAS(気中負荷開閉器)などが用いられます。
解き方
- 図中の①で示される機器記号「DS」が断路器であることを確認します。
- 断路器の特徴(無負荷開閉、刃受が電源側で刃が負荷側)に合致するイ・ロ・ハが正しい記述であることを判定します。
- 責任分界点等に設ける区分開閉器はPAS等であり、受電盤内の断路器は区分開閉器ではないためニを誤りと特定します。
- 選択肢 イ不正解
- 断路器はアーク消弧能力がないため、負荷電流の通電中に開路してはならず適切な記述です。
- 選択肢 ロ不正解
- 開放時にブレードが無電圧となるよう、接触子(刃受)を電源側、ブレードを負荷側にするため適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- DSは断路器(Disconnecting Switch)の図記号であり適切な記述です。
- 選択肢 ニ正解
- 受電設備内のDSは保守点検用回路隔離のための断路器であり、責任分界点に設ける区分開閉器ではないため誤りです。
覚えるポイント
- 断路器(DS)は消弧能力がなく無負荷で開閉する。刃受が電源側、刃が負荷側。
間違えやすいところ
- 単線結線図の主受電部にあるスイッチを一括して「区分開閉器」と混同しないようにする。
出題の前提:高圧受電設備規程および電気設備技術基準
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
避雷器(LA)の設置方法と施設条件
配電理論・受配電設備 · 避雷器 / LA / 限流ヒューズ / 接地
自家用受電設備配線図中の②に示す避雷器(LA)の設置に関する記述として、不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
避雷器(LA: Lightning Arrester)は、雷サージ等の過電圧を大地に放電して電気機器を保護する器具です。サージ放電時に大電流が流れるため、電源側にヒューズを取り付けると溶断して機能しなくなります。また、避雷器の接地はA種接地工事とし、急峻なサージ波頭に対してサージインピーダンスを下げるため、接地線は太く・短く配線します。
解き方
- 避雷器の特性として、大電流の雷サージを通過させる必要があるため、ヒューズによる過電流遮断を行わないことを確認します。
- ロの記述にある「電源側に限流ヒューズを施設した」が不適切であることを特定します。
- イ(点検用断路器の設置)、ハ(A種接地を太く短く施工)、ニ(500kW未満での任意施設)が技術基準および高圧受電設備規程に適合していることを確認します。
- 選択肢 イ不正解
- 避雷器の保守点検や交換時に電路から切り離せるよう、断路器を設ける施設は適切です。
- 選択肢 ロ正解
- 避雷器の電源側に限流ヒューズを入れると放電時にヒューズが溶断して機器を保護できなくなるため不適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- 避雷器の接地はA種接地工事とし、サージインピーダンスを低減するために太く短く施設することは適切です。
- 選択肢 ニ不正解
- 受電電力500 kW未満では法的な設置義務はありませんが、雷害対策として引込口近傍に任意設置することは適切です。
覚えるポイント
- 避雷器の電源側にヒューズを設けてはならない。接地はA種で太く短く施工する。
間違えやすいところ
- 回路保護のためにあらゆる機器の電源側にヒューズが必要であると早合点しないようにする。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第37条(避雷器等の施設)および高圧受電設備規程
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
受電設備内機器の接地工事の種類と規定
配電理論・受配電設備 · 計器用変成器 / 変圧器 / 接地工事 / B種接地 / D種接地
自家用受電設備配線図中の③に示す受電設備内に使用される機器類などに施す接地に関する記述で、不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
高圧電路に接続される計器用変成器(計器用変圧器VT、変流器CT)の二次側電路には、一次側高圧との混触時に二次側の低圧計器回路が高電圧となるのを防ぐため、D種接地工事を施します(特別高圧用の計器用変成器の場合はA種接地)。一方、受電用変圧器の高低圧混触防止用の接地がB種接地工事であり、高圧機器の外箱にはA種接地工事(抵抗値10 Ω以下)を施します。
解き方
- 高圧計器用変圧器(VT)および変流器(CT)の二次側電路の接地工事はD種接地工事である規定を確認します。
- ロの「計器用変圧器の二次側電路の接地はB種接地工事」が誤りであることを特定します。
- イ(CT二次側はD種)、ハ(高圧外箱のA種接地は10Ω以下で感電防止)、ニ(変圧器中性点のB種接地の目的)が正しいことを確認します。
- 選択肢 イ不正解
- 高圧電路に施設する変流器の二次側電路にはD種接地工事を施すため適切な記述です。
- 選択肢 ロ正解
- 計器用変圧器の二次側電路に施す接地工事はD種接地工事(特高用はA種)であり、B種接地工事ではないため不適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- 高圧変圧器の外箱には感電防止のためA種接地工事(接地抵抗値10 Ω以下)を施すため適切な記述です。
- 選択肢 ニ不正解
- 変圧器の低圧側中性点等に施すB種接地工事は、高低圧混触時の低圧側対地電圧上昇を制限するためのものであり適切な記述です。
覚えるポイント
- 高圧用VT・CTの二次側電路の接地は「D種接地工事」(特高はA種)。
- 変圧器の二次側混触防止接地が「B種接地工事」、機器外箱は「A種接地工事」。
間違えやすいところ
- 変圧器二次側のB種接地工事と、計器用変成器二次側のD種接地工事を混同しないようにする。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第26条(計器用変成器の接地)および第24条
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧ケーブルの地絡保護におけるZCTと遮へい層接地線の施工方法
配線図・検査 · 零相変流器 / 接地工事 / 地絡保護協調
受電設備結線図の④に示す高圧ケーブルにおいて地絡事故が発生した際、零相変流器(ZCT)によって確実に事故を検出するためのケーブル遮へい層(シールド)接地線の施工方法として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
零相変流器(ZCT)は、ケーブル心線を流れる地絡電流を検出します。遮へい層を流れる地絡電流がZCT内を往復して磁束を打ち消さないよう、電源側引き出しの場合はZCTを貫通させず、負荷側引き出しの場合は接地線をZCTに逆方向で貫通させる必要があります。
解き方
- ケーブル遮へい層接地線の引き出し位置がZCTの電源側か負荷側かを確認する。
- 電源側で引き出す場合、接地線をZCTに貫通させると事故電流検出を妨げるか不要検出の原因となるため、ZCTを貫通させずにアースへ接続する構成を選ぶ。
- 選択肢 イ正解
- ZCTより電源側でシールド接地線を取る場合は、接地線をZCTに通さず直接接地することで、地絡電流を正しく検出できます。
- 選択肢 ロ不正解
- 電源側で引き出した接地線をZCTに貫通させると、地絡電流がZCTを通る際に検出特性に悪影響を及ぼし不適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- 負荷側で接地線を引き出してZCTを貫通させない場合、心線を流れる地絡電流とシールドを流れる帰還電流が相殺されて地絡を検出できなくなります。
- 選択肢 ニ不正解
- 負荷側から引き出してZCTを貫通させる場合はシールド側から電源側へ戻すように貫通させる必要がありますが、図ニの結線は接地線の向き・取り出し方が適切ではありません。
覚えるポイント
- シールド接地線は「電源側引き出しならZCT貫通なし、負荷側引き出しならZCT貫通あり」と覚えます。
間違えやすいところ
- 電源側と負荷側での接地線の貫通有無のルールを逆に覚えてしまい誤答するケースがあります。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈及び構内受電設備設計基準に基づく地絡検出装置の施工方法
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
ケーブルラックに施設する各種配線の相互離隔距離
電気工事の施工方法 · ケーブルラック工事 / 電線の離隔距離 / 高圧屋内配線
受電設備の⑤に示すケーブルラックにおいて、高圧ケーブル配線、低圧ケーブル配線、弱電流電線配線が接近または交差する場合の施工方法として、不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
高圧配線と他の弱電流電線や低圧電線との接近・交差では、誘導障害や混触事故を防止するため、法令で定められた所定の離隔距離(原則15 cm以上)を確保するか、堅ろうな隔壁を設ける必要があります。
解き方
- 電気設備の技術基準の解釈における高圧屋内配線と弱電流電線等の離隔距離の規定(原則15 cm以上)を確認する。
- 選択肢ハの離隔距離「10 cm」が基準を満たしておらず不適切であると判定する。
- 選択肢 イ不正解
- 高圧ケーブルと低圧ケーブルの離隔距離は原則15 cm以上と規定されており、15 cm離隔して施設することは適切です。
- 選択肢 ロ不正解
- ケーブル相互の接触に関して高圧ケーブル同士を同一ラック内に結束・近接配置して敷設することは認められており適切です。
- 選択肢 ハ正解
- 高圧ケーブルと弱電流電線の離隔距離は原則として15 cm以上離す必要があり、10 cmの離隔は不適切です。
- 選択肢 ニ不正解
- 低圧ケーブルと弱電流電線は、互いに接触しないように施設すれば適合するため適切です。
覚えるポイント
- 高圧ケーブルと低圧配線・弱電流電線との離隔距離は原則「15 cm以上」です。
間違えやすいところ
- 低圧と弱電流電線の関係(接触防止)と高圧と弱電流電線の関係(15 cm以上)の数値を混同しないよう注意が必要です。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第168条(高圧屋内配線等の施設)
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
自家用電気工作物における接地工事の種類の選定
電気工事の施工方法 · C種接地工事 / 接地工事の種類 / 機器の金属製外箱
自家用電気工作物として施設する電路または機器について、C種接地工事を施さなければならないものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
低圧機器の金属製外箱等の接地は、使用電圧300 V以下がD種接地工事、300 Vを超えるものがC種接地工事です。高圧機器の外箱や避雷器はA種、変圧器の低圧側中性点等はB種接地工事が適用されます。
解き方
- 各選択肢の機器・電路に求められる接地工事の区分を整理する。
- 使用電圧400 Vは「300 Vを超える低圧」であるため、電動機鉄台にはC種接地工事が必要であると判断する。
- 選択肢 イ正解
- 使用電圧300 Vを超える低圧電気機械器具の鉄台・金属製外箱には、C種接地工事(接地抵抗値10 Ω以下)を施す必要があります。
- 選択肢 ロ不正解
- 高低圧を結合する変圧器の低圧側中性点(中性点がない場合は1端子)に施す接地工事はB種接地工事です。
- 選択肢 ハ不正解
- 高圧電路に施設する避雷器(LA)の接地工事は、A種接地工事(接地抵抗値10 Ω以下)を施す必要があります。
- 選択肢 ニ不正解
- 高圧計器用変成器(VT・CT)の二次側電路に施す接地工事は、B種接地工事(計器用変成器の二次側電路)です。
覚えるポイント
- 低圧用機器の外箱接地は「300 V以下=D種」「300 V超=C種」です。
間違えやすいところ
- 400 V回路の機器外箱をD種接地工事と誤認したり、計器用変成器の接地種別と混同しやすい点に注意します。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第28条(計器用変成器の接地)、第29条(機械器具等の接地)
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧受電設備完成時の自主検査項目
配線図・検査 · 竣工検査 / 自主検査 / 受電設備
受電電圧6600 Vの受電設備が完成した際に行う自主検査(竣工検査)において、一般に行わない検査項目はどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
受電設備の完成時自主検査(竣工検査)では、外観検査、接地抵抗測定、絶縁抵抗測定、絶縁耐力試験、保護継電器の動作特性試験、シーケンス試験など現地で施工状態と安全性を確認する試験を行います。温度上昇試験等の工場受入試験項目は現地検査に含まれません。
解き方
- 受電設備の完成時に現地で実施する自主検査項目を想起する。
- 変圧器の温度上昇試験は工場製作時に実施される試験であり、完成時の現地検査では行わないと判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 高圧電路の絶縁耐力試験は、電路の絶縁性能を確認するために完成時の自主検査として必須です。
- 選択肢 ロ不正解
- 機器の接地抵抗測定は、所定の接地抵抗値(A種、B種、C種、D種)を満足しているか確認する重要な自主検査項目です。
- 選択肢 ハ正解
- 変圧器の温度上昇試験は工場における製品試験項目であり、現地の完成時自主検査では一般に行いません。
- 選択肢 ニ不正解
- 地絡継電器の動作試験(動作電流・動作時間試験)は、保護協調と遮断機能を確認するために現地で必ず行われます。
覚えるポイント
- 温度上昇試験は工場試験であり、現地の竣工自主検査では実施しません。
間違えやすいところ
- 絶縁耐力試験や継電器試験のような特殊試験器を用いる試験と、工場専用の試験項目を混同しないようにします。
出題の前提:電気事業法に基づく自家用電気工作物の保安規程および使用前自主検査基準
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
CB形高圧受電設備と配電用変電所の過電流保護協調曲線
配線図・検査 · 保護協調 / 過電流継電器 / 動作特性曲線
CB形高圧受電設備と配電用変電所の過電流継電器との間で保護協調がとれている特性曲線として、適切なものはどれか。ただし、曲線①は配電用変電所の過電流継電器動作特性、曲線②は需要家側受電設備の過電流継電器とCBの連動遮断特性を示す。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
保護協調とは、事故が発生した区間に最も近い遮断器が上位(電源側)の遮断器よりも早く動作して事故を切り離すことです。したがって、下位(需要家側②)の全動作時間曲線は、上位(変電所側①)の動作時間曲線よりも常に下側(短時間側)に位置し、交差してはなりません。
解き方
- 上位の変電所側特性①と下位の需要家側特性②の時間関係を把握する。
- 需要家側②が変電所側①より常に早く遮断する必要があるため、グラフ上で曲線②が曲線①の下側にあり交差しない図ニを選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 大電流域で曲線②が上側に交差しているため、短絡事故時に変電所側が先に遮断して波及事故となり保護協調が成立していません。
- 選択肢 ロ不正解
- 変電所側①が需要家側②より下側にあるため、事故時に常に変電所側が先に遮断してしまい不適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- 小電流域(過負荷域)で曲線②が上側にあるため、過負荷時に変電所側が先にトリップしてしまい不適切です。
- 選択肢 ニ正解
- 全電流領域で需要家側の遮断特性②が変電所の動作特性①より短時間(下側)にあり交差していないため、適切な保護協調がとれています。
覚えるポイント
- 保護協調曲線は「需要家側(下位)の曲線が電源側(上位)の曲線より常に下側」です。
間違えやすいところ
- 曲線が一部でも交差していると、その電流域で上位が先に遮断して波及事故になる点を見落としやすいです。
出題の前提:構内受電設備設計基準及び電気設備の過電流保護協調指針
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
電気工事士法及び電気用品安全法に関する法令規定
法令 · 電気用品安全法 / 特定電気用品 / 電気工事士法
「電気工事士法」及び「電気用品安全法」の規定に関する記述として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
電気用品安全法では、構造・使用条件から特に危険が生じるおそれの高いものを「特定電気用品」(菱形PSEマーク)、それ以外の電気用品を「特定電気用品以外の電気用品」(丸形PSEマーク)と定めています。電気工事士法により、工事士は安全基準を満たすPSE表示のない電気用品を使用して工事を行ってはなりません。
解き方
- 各選択肢の法令上の整合性を検証する。
- 電気工事士法第8条第2項の義務規定に適合している選択肢ハを正答と判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 電熱装置を有する電気便座(温水洗浄便座等)は、政令で定める「特定電気用品」に該当するため誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- 特定電気用品に表示されるのは「菱形PSEマーク(<PS>E)」であり、丸形((PS)E)は特定電気用品以外の電気用品の表示です。
- 選択肢 ハ正解
- 電気工事士法第8条第2項に基づき、電気工事士は電気用品安全法に適合する適法な表示のある電気用品でなければ工事に使用できません。
- 選択肢 ニ不正解
- 危険及び障害の発生するおそれが「特に高い」ものが特定電気用品であり、「少ないもの」は特定電気用品以外の電気用品です。
覚えるポイント
- 特定電気用品は「菱形PSE」、特定電気用品以外は「丸形PSE」です。
間違えやすいところ
- 菱形PSEと丸形PSEの対象器具の危険度基準を取り違えて覚えないように注意します。
出題の前提:電気工事士法 第8条第2項、電気用品安全法 第2条・第9条・第10条
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
電気工事業法における主任電気工事士の要件と職務
法令 · 電気工事業法 / 主任電気工事士 / 実務経験
「電気工事業の業務の適正化に関する法律(電気工事業法)」において、主任電気工事士に関する記述として誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
登録電気工事業者は営業所ごとに主任電気工事士を置かなければなりません。主任電気工事士の資格要件は、①第一種電気工事士である者(実務経験年数の規定なし)、または②第二種電気工事士免状取得後に3年以上の実務経験を有する者、と定められています。
解き方
- 電気工事業法における主任電気工事士の資格要件を確認する。
- 第二種電気工事士に必要な実務経験は「3年以上」であるため、2年とする選択肢ロが誤りであると判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 第一種電気工事士は免状取得後の追加の実務経験が無くても主任電気工事士の要件を満たすため、記述として正しいです。
- 選択肢 ロ正解
- 第二種電気工事士が主任電気工事士になるには免状交付後「3年以上」の実務経験が必要であり、2年とする記述は誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 電気工事業法第21条に基づき、作業者は主任電気工事士の職務上の必要な指示に従う義務があり、記述として正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 電気工事業法第20条に基づき、主任電気工事士は誠実に作業を管理する職務義務を負うため、記述として正しいです。
覚えるポイント
- 主任電気工事士になれるのは「第一種電気工事士」または「第二種電気工事士+実務経験3年以上」です。
間違えやすいところ
- 第一種電気工事士免状の取得に必要な実務経験年数と、第二種電気工事士が主任電気工事士になるための実務経験年数(3年)を混同しやすいです。
出題の前提:電気工事業の業務の適正化に関する法律 第19条、第20条、第21条
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
第一種電気工事士の独占業務範囲
法令 · 電気工事士法 / 作業範囲 / 自家用電気工作物
「電気工事士法」において、第一種電気工事士免状の交付を受けている者のみが従事できる電気工事の作業はどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
電気工事士法における自家用電気工作物は「最大電力500 kW未満の需要設備」と定義され、発電所や変電所、500 kW以上の受電設備は同法の電気工事の対象外(電気主任技術者の保安管理のもとで行われる工事)です。また、500 kW未満の設備であっても、低圧部分の一部作業は認定電気工事従事者も施工可能ですが、高圧部分の作業は第一種電気工事士のみに従事資格があります。
解き方
- 電気工事士法の適用対象(最大電力500 kW未満の自家用電気工作物の需要設備)に該当するかを判定する。
- 発電所(ロ)、500 kW以上(ハ)、変電所(ニ)は電気工事士法の対象外であり、最大電力400 kWの需要設備の高圧機器作業であるイが第一種電気工事士の独占作業と判断する。
- 選択肢 イ正解
- 最大電力500 kW未満の需要設備(400 kW)における6.6 kV高圧変圧器への電線接続作業は、第一種電気工事士のみが施工できます。
- 選択肢 ロ不正解
- 発電所構内の電気工作物は電気工事士法で規定する電気工事の対象外(除外)となります。
- 選択肢 ハ不正解
- 最大電力500 kW以上の需要設備(600 kW)は電気工事士法が適用される自家用電気工作物の範囲外です。
- 選択肢 ニ不正解
- 電力会社の配電用変電所構内の電気工作物は、電気工事士法が適用される電気工事から除外されています。
覚えるポイント
- 電気工事士法が適用される自家用電気工作物は「最大電力500 kW未満の需要設備」です。発電所・変電所は対象外です。
間違えやすいところ
- 500 kW以上の大規模設備や発電所・変電所工事も電気工事士法が適用されると誤解しやすい点に注意します。
出題の前提:電気工事士法 第2条(定義)、第3条(電気工事士等)
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
電動機制御回路におけるサーマルリレー接点の動作条件
配線図 · シーケンス制御 / 熱動継電器 / 電動機保護
三相誘導電動機を押しボタン操作により正逆運転させる制御回路図において、①で示す接点が開路する条件として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
熱動継電器(THR)は電動機の過負荷保護を目的とし、電動機に定格を超える過大電流が一定時間以上流れると、バイメタルの熱膨張によって接点を反転させます。制御回路電源ラインにあるb接点(常閉接点)が開路することで、運転中の電磁接触器コイルへの給電を絶ち、電動機を焼損から守ります。
解き方
- 制御回路図の①の図記号を確認し、熱動継電器THRの常閉接点(b接点)であることを把握する。
- THRの検出対象が電動機の過電流(過負荷)であることを踏まえ、接点が開路する条件を判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 正逆運転の切り替えによってTHRの常閉接点が開路することはありません。
- 選択肢 ロ不正解
- 電動機の停止操作は押しボタンPB-1(b接点)を押すことで行われ、THRの接点は開路しません。
- 選択肢 ハ正解
- 電動機に設定値を超える過電流が継続して流れた際、THRが過負荷を感知してb接点を開路させます。
- 選択肢 ニ不正解
- 電動機の始動時にTHRの常閉接点が開路することはありません(誤動作防止特性を持っています)。
覚えるポイント
- THR(サーマルリレー)のb接点は過負荷時に開路して電磁接触器を遮断する。
間違えやすいところ
- 停止押しボタンPB-1の接点動作と混同しないように注意する。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈、JIS C 0617 電気用図記号
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp)
電磁開閉器制御回路における自己保持接点の役割
配線図 · シーケンス制御 / 自己保持回路 / 押しボタンスイッチ
三相誘導電動機を押しボタン操作により正逆運転させる制御回路図において、②で示す接点の役目として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
押しボタンスイッチは手を離すと元の状態に戻る自動復帰型(モーメンタリ)接点であるため、電磁接触器を継続して動作させるには、その接触器自身の常開接点(a接点)を始動押しボタンと並列に接続する自己保持回路を構成します。
解き方
- 回路図中の②の接点記号を確認し、逆転用電磁接触器MC-2の常開接点(a接点)であることを特定する。
- ②の接点が並列に接続されている相手のスイッチが逆転押しボタンPB-3であることを確認し、その役割が自己保持であることを判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 短絡防止の電気的インタロック接点は相手方コイルの直列回路に挿入される常閉接点(b接点)です。
- 選択肢 ロ不正解
- PB-1は全回路の停止押しボタンであり、②の接点はその停止を妨げる機能ではありません。
- 選択肢 ハ不正解
- PB-2は正転起動用スイッチであり、②の接点(MC-2)は逆転用回路の自己保持接点です。
- 選択肢 ニ正解
- 逆転押しボタンスイッチPB-3を押して始動後、指を離しても逆転運転を継続させるための自己保持接点です。
覚えるポイント
- 始動押しボタンと並列に入る同一機器のa接点は自己保持回路の接点である。
間違えやすいところ
- インタロック接点(相手方コイル回路に直列に入るb接点)と自己保持接点(自回路押しボタンと並列に入るa接点)を混同しないこと。
出題の前提:JIS C 0617 電気用図記号、シーケンス制御技術基準
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp)
制御盤用警報機器(電子ブザー)の外観識別
配線図 · 制御盤機器 / 電子ブザー / 電気用図記号
三相誘導電動機の制御回路図において、③で示す図記号の機器として、写真から該当するものを選びなさい。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
JIS図記号におけるブザー(音響警報器)は、円の片側にラッパ状の突起を設けた記号で表されます。制御盤の盤面に埋め込んで取り付ける盤用電子ブザーは、表面に放音スリットを備えた丸形の形状を持ちます。
解き方
- 回路図の③の記号が、サーマルリレー動作時に点灯・吹鳴する警報回路に接続されたブザーであることを確認する。
- 提示された各写真の外観を比較し、盤用電子ブザー(イ)、表示灯(ロ)、押しボタンスイッチ(ハ)、露出形ベル(ニ)から盤用電子ブザーである「イ」を選択する。
- 選択肢 イ正解
- 表面に放音孔を備えた盤面取付形の電子ブザーであり、図記号③に適合します。
- 選択肢 ロ不正解
- 丸形のレンズ部を持つ表示灯(パイロットランプ)であり、ブザーではありません。
- 選択肢 ハ不正解
- 非常停止などに用いられるキノコ形の押しボタンスイッチです。
- 選択肢 ニ不正解
- 露出ボックス等に取り付ける露出形ベル(ブザー)であり、制御盤埋込用ではありません。
覚えるポイント
- ブザーの図記号は丸にホーン(ラッパ)が付いた形状で表される。
間違えやすいところ
- 表示灯や平形押しボタンスイッチと前面パネル取付機器の外観を取り違えないように注意する。
出題の前提:JIS C 0617 電気用図記号
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
正逆運転インタロック回路におけるスイッチ操作時の動作
配線図 · シーケンス制御 / 電気的インタロック / 電動機正逆運転回路
三相誘導電動機の正逆運転制御回路において、④で示す押しボタンスイッチPB-3を正転運転中に押したときの電動機の動作として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
三相電動機の正転用電磁接触器と逆転用電磁接触器が同時に投入されると線間短絡を起こすため、相手の電磁接触器の常閉接点(b接点)を自回路のコイル直列部に挿入して同時投入を防ぐ「電気的インタロック回路」が必須となります。
解き方
- 正転運転中の回路状態を確認し、電磁接触器MC-1が励磁され、主接点および自己保持接点が閉、逆転回路側のMC-1常閉接点(インタロック接点)が開となっていることを確認する。
- 逆転押しボタンスイッチPB-3を押しても、MC-1の常閉接点が開路しているためMC-2コイルに電流は流れず、回路状態に変化がないため正転運転を継続すると判定する。
- 選択肢 イ不正解
- 停止スイッチPB-1は操作されていないため、MC-1の自己保持は解かれず停止しません。
- 選択肢 ロ不正解
- MC-1のインタロック用b接点が開いているため、PB-3を押してもMC-2は投入されず逆転しません。
- 選択肢 ハ正解
- MC-1が開路させているインタロック接点により逆転回路が通電しないため、正転運転をそのまま継続します。
- 選択肢 ニ不正解
- インタロックにより短絡電流は発生しないため、熱動継電器が動作することはありません。
覚えるポイント
- インタロックがかかっている回路では、相手方の始動ボタンを押しても現状の運転が継続される。
間違えやすいところ
- 機械的インタロック付き押しボタンスイッチと通常の単独押しボタンスイッチの動作の違いに注意する。
出題の前提:内線規程、電気設備の技術基準の解釈
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
三相電動機正逆運転主回路の相入れ替え結線図
配線図 · 三相誘導電動機 / 正逆転主回路 / 相順変更
三相誘導電動機の正逆運転回路において、⑤で示す主回路部分(逆転用電磁接触器MC-2の結線)の結線図として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
三相誘導電動機の回転方向は固定子巻線に生じる回転磁界の回転方向で決まります。電源の3相のうち2相を入れ替えて接続すると回転磁界が逆回転となり、電動機が逆転します。正転側がR-U, S-V, T-Wの場合、逆転側は2相を交差させます。
解き方
- 三相誘導電動機を正転から逆転させるための原理(3線のうち2線を入れ替える)を確認する。
- 提示された各結線図の配線経路を追い、R相とT相の2本が入れ替わりS相がストレートになっている結線「ハ」を正解と判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 3相とも順序が変わっておらず同相の接続であるため、逆転運転になりません。
- 選択肢 ロ不正解
- SとTの交差結線ですが、図の端子接続表示と線の取り合いが整合していません。
- 選択肢 ハ正解
- R相とT相の2相を交差し、S相をそのまま接続して相順を反転させる正しい結線です。
- 選択肢 ニ不正解
- 線の接続交差方法が標準的な主回路結線と一致していません。
覚えるポイント
- 三相誘導電動機を逆転させるには、3線のうち任意の2線を入れ替える。
間違えやすいところ
- 3線全てを入れ替えてしまうと回転方向が変わらない(同一方向になる)ため、必ず「2線のみ」を入れ替える。
出題の前提:内線規程、電気設備の技術基準の解釈
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧受電設備引込口におけるGR付PASの役割
配線図 · GR付PAS / 高圧受電設備 / 波及事故防止
高圧受電設備の単線結線図において、引込口の①で示す機器(GR付PAS)の役割として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
自家用受電設備内の地絡事故が発生した際、保護装置が働かないと配電用変電所の遮断器が動作し、近隣一帯が停電する「波及事故」に至ります。これを防ぐため、受電点(責任分界点付近)に地絡継電器(GR)付きの気中負荷開閉器(PAS)を設置し、需要家側の事故電路を迅速に切り離します。
解き方
- 単線結線図の①が架空引込線の受電点直下に設けられたGR付PASであることを確認する。
- 検出する事故の発生場所が「需要家側」であり、開閉する機器が「高圧交流負荷開閉器(PAS)」であることを正しく選択する。
- 選択肢 イ不正解
- PASは需要家側の事故を検出する機器であり、断路器(DS)を開放するものではありません。
- 選択肢 ロ正解
- 需要家側の地絡事故を速やかに検出し、高圧交流負荷開閉器を開放して事故点を隔離します。
- 選択肢 ハ不正解
- 送配電事業者側の事故を検出するものではなく、操作対象も高圧交流遮断器(VCB等)ではありません。
- 選択肢 ニ不正解
- 開放するのは高圧断路器(DS)ではなく高圧交流負荷開閉器(PAS)です。
覚えるポイント
- GR付PASは需要家構内の地絡事故を検知してPASを開放し、波及事故を防ぐ。
間違えやすいところ
- 断路器(DS)と負荷開閉器(PAS)を取り違えないように注意する。
出題の前提:内線規程 高圧受電設備指針
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.15 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.16 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧受電設備用計器用変圧器(VT)の定格電圧
配線図 · 計器用変圧器 / VT / 定格電圧
高圧受電設備の単線結線図において、②で示す計器用変圧器(VT)の定格一次電圧[kV]と定格二次電圧[V]の組合せとして、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
計器用変圧器(VT/PT)は、高圧回路の電圧を計器や継電器が直接扱える低い電圧に変成する機器です。受電電圧6.6 kV回路に用いられる標準的なVTの変圧比は、定格一次電圧6600 V(6.6 kV)に対して定格二次電圧110 VとJIS規格で定められています。
解き方
- 単線結線図の系統電圧が三相3線式 6600 V(6.6 kV)であることを確認する。
- JIS規格で規定されている高圧計器用変圧器の標準定格一次電圧(6.6 kV)および二次電圧(110 V)を選択する。
- 選択肢 イ不正解
- VTの定格二次電圧の標準値は110 Vであり、105 Vではありません。
- 選択肢 ロ正解
- 定格一次電圧6.6 kV、定格二次電圧110 Vは規格通りの正しい定格値です。
- 選択肢 ハ不正解
- 一次電圧の定格は6.6 kVであり、二次電圧も105 Vではありません。
- 選択肢 ニ不正解
- 配電線公称電圧6.6 kV回路用のVT定格一次電圧は6.6 kV(6600 V)です。
覚えるポイント
- 高圧計器用変圧器(VT)の標準定格は一次6.6 kV/二次110 Vである。
間違えやすいところ
- 低圧受電の単相3線式105 Vなどの値と混同しないようにする。
出題の前提:JIS C 1731-1 計器用変成器(計器用変圧器)
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.15 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.16 ↗(www.shiken.or.jp)
三相高圧受電設備における計器用変流器(CT)の機種と所要台数
配線図 · 計器用変流器 / CT / 不完全星形結線
高圧受電設備の単線結線図において、③で示す部分(過電流継電器や電流計等の受電回路)に設置する機器と個数の組合せとして、写真から該当するものを選びなさい。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
三相3線式電路の線電流は3相の総和がゼロ(Ir+Is+It=0)となるため、2相分の電流を検出すれば残りの1相分も合成して検出可能です(不完全星形結線)。そのため、過電流保護および計測用の計器用変流器(CT)は一般に2相分として2台設置されます。また、一般的な高圧キュービクルでは端子付きのモールド形CTが用いられます。
解き方
- 単線結線図の③が過電流継電器(OCR)や電流計・電力計に接続される計器用変流器(CT)であることを確認する。
- 三相3線式の計測・保護にはCTが2相分(2台)必要であることから台数を2個と判断する。
- 写真ハ・ニの高圧モールド形CTから、2台セットとなっている「ニ」を選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 写真イはリング状の零相変流器(ZCT)であり、CTではなく台数も不足しています。
- 選択肢 ロ不正解
- 写真ロは貫通形機器(ZCT等)であり、主回路の線電流計測用高圧CTではありません。
- 選択肢 ハ不正解
- 機器自体はモールド形CTですが、三相回路の計測・過電流保護には2台必要であり1台では不足です。
- 選択肢 ニ正解
- 一次端子を備えた高圧モールド形変流器(CT)であり、三相3線式の不完全星形結線用に2個設置します。
覚えるポイント
- 三相3線式高圧回路の過電流保護・計測用CTは2台(不完全星形結線)設置する。
間違えやすいところ
- 零相変流器(ZCT、1台で3本一括貫通)と計器用変流器(CT、2台使用)を混同しないようにする。
出題の前提:内線規程 高圧受電設備指針、JIS C 1731-2 計器用変成器(変流器)
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.15 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.16 ↗(www.shiken.or.jp)
変圧器の結線方式と機器外観・所要台数
配線図 · 変圧器 / 単相変圧器 / 三相変圧器 / Δ-Δ結線
配線図2の単線結線図において、④に設置する変圧器の機器外観写真および台数の組合せとして、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
三相配電においてΔ-Δ結線を構成する場合、単相変圧器3台を組み合わせて変圧器バンクを構築する方式と、三相変圧器1台を用いる方式があります。単線結線図上で変圧器記号の横に結線方式「Δ-Δ」が明記されている場合、単相変圧器3台による結線群を示します。外観上、単相変圧器は高圧側ブッシングが2本、三相変圧器は高圧側ブッシングが3本配置されています。
解き方
- 配線図2の④の変圧器記号を確認すると、結線方式として「Δ-Δ」と表記されている。
- 「Δ-Δ」の結線表示は単相変圧器を3台組み合わせて三相変圧を行う構成を示す。
- 選択肢の写真より、高圧側ブッシングが2本ある単相変圧器が3台並んでいるイを選択する。
- 選択肢 イ正解
- 高圧ブッシングが2本ある単相変圧器を3台組み合わせることで、Δ-Δ結線の三相変圧器バンクを構成するため正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- 単相変圧器1台では単相負荷にしか供給できず、Δ-Δ結線の三相回路を構成できません。
- 選択肢 ハ不正解
- 写真は三相変圧器(ブッシング3本)であり、三相変圧器を3台並べて1つのΔ-Δ回路とする構成は不適切です。
- 選択肢 ニ不正解
- 三相変圧器1台の構成であり、単線結線図で単相変圧器3台によるΔ-Δ結線を表している本問の指定と一致しません。
覚えるポイント
- 単相変圧器は高圧ブッシングが2本、三相変圧器は高圧ブッシングが3本である点を見分ける。
- 単相変圧器3台でΔ-Δ結線、2台でV-V結線を構成できる。
間違えやすいところ
- 三相回路用だからといって安易に三相変圧器1台(ニ)を選んでしまう誤りに注意する。
出題の前提:高圧受電設備規程および配線図記号の標準的表記に基づく出題。
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.15 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.16 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧カットアウト(PC)を設ける変圧器の最大容量
配線図 · 高圧カットアウト / PC / 変圧器容量 / 高圧受電設備規程
配線図2の単線結線図において、⑤で示す部分に使用できる変圧器の最大容量[kV・A]はどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
高圧受電設備において変圧器の一次側開閉器および過電流保護装置として高圧カットアウト(PC)を用いる場合、適用できる変圧器容量には安全上の上限が定められています。単相変圧器の場合は最大容量が300 kV・A以下、三相変圧器の場合は最大容量が50 kV・A以下と規定されています。
解き方
- 配線図2の⑤の回路を確認すると、変圧器の一次側に「PC」(プライマリーカットアウトスイッチ/高圧カットアウト)が設置されている。
- 変圧器の二次側は中性点が接地(B種接地)された単相変圧器(単相3線式供給等)である。
- 高圧受電設備規程等の規定に基づき、PCを使用できる単相変圧器の最大容量は300 kV・Aであると判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 50 kV・Aは、一次側に高圧カットアウト(PC)を使用できる「三相変圧器」の最大容量です。
- 選択肢 ロ不正解
- 100 kV・Aは高圧カットアウト(PC)を設けた単相変圧器の最大容量基準としては誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 200 kV・Aは高圧カットアウト(PC)を設けた単相変圧器の最大容量基準としては誤りです。
- 選択肢 ニ正解
- 高圧受電設備規程において、高圧カットアウト(PC)を変圧器一次側に設ける単相変圧器の容量限度は300 kV・Aと定められています。
覚えるポイント
- 高圧カットアウト(PC)が適用できる変圧器容量の上限は、単相変圧器が300 kV・A、三相変圧器が50 kV・Aである。
間違えやすいところ
- 三相変圧器の限度である50 kV・A(イ)と単相変圧器の限度である300 kV・A(ニ)を混同しやすいので注意する。
出題の前提:高圧受電設備規程に基づく機器の選定基準。
出典:電気技術者試験センター『令和2年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.15 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.17 ↗(www.shiken.or.jp)
令和2年度第一種電気工事士筆記試験
参照した公式資料
電気技術者試験センターが公開した令和2年度第一種電気工事士筆記試験の問題・解答資料です。

