学科(旧称:筆記)の問題と公式解答を種別・年度・期・午前午後で区別しています。CBTの出題例は過去の筆記試験とは別種別です。技能の課題は学科と分けて収録しています。
平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)の概要
磁界中の電流が受ける電磁力の向き
電気理論 · 電磁気学 / フレミングの法則 / 電磁力
磁束密度Bの平等磁界中に、磁界の方向と直角に置かれた長さLの直線状導体に電流Iを流したとき、導体に大きさF=LIBの電磁力が発生する。この電磁力の方向を決定するために用いられる法則はどれか。
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解答
ハ
解説
磁界中にある導体に電流を流したときに発生する電磁力の向きはフレミングの左手の法則で表されます。左手の中指を電流の向き、人さし指を磁界の向きに合わせると、親指の指す方向が電磁力の向きとなります。
解き方
- 問題の現象が「磁界中の電流が受ける電磁力」であることを確認する。
- 左手を用いた「電磁力の向き(中指:電流、示指:磁界、親指:力)」を定めるフレミングの左手の法則を選択する。
- 選択肢 イ不正解
- フレミングの右手の法則は、磁界中で導体を動かした際に生じる誘導起電力の向きを決定する法則です。
- 選択肢 ロ不正解
- クーロンの法則は、2つの点電荷間または磁極間に働く静電気力や磁気力の大きさを表す法則です。
- 選択肢 ハ正解
- フレミングの左手の法則は、磁界中の電流に働く電磁力(ローレンツ力に起因)の方向を求める法則です。
- 選択肢 ニ不正解
- キルヒホッフの法則は、電気回路の接続点における電流の総和(第1法則)や閉回路の電圧の総和(第2法則)に関する法則です。
覚えるポイント
- 左手は電動機(電磁力)、右手は発電機(誘導起電力)と覚える。
間違えやすいところ
- 電磁力(左手)と誘導起電力(右手)を取り違えないように注意する。
出題の前提:電気設備の基礎理論(電磁気学)
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
直流並列・直列回路の抵抗計算
電気理論 · 直流回路 / オームの法則 / キルヒホッフの法則
図に示す直流回路において、電源電圧が104V、8Ωの抵抗の両端電圧が64V、抵抗R2に流れる電流が6Aである。抵抗R1の抵抗値[Ω]はいくらか。
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解答
ニ
解説
直並列回路では、回路全体を流れる全電流が直列抵抗を通過した後に並列接続部分へと分流します。各部にかかる電圧降下の和が電源電圧に等しくなるキルヒホッフの第2法則と、接続点に流入する電流の和が流出する電流の和に等しい第1法則を用いて解きます。
解き方
- 8Ωの抵抗の両端電圧が64Vであることから、回路全体の全電流を I = 64 / 8 = 8 A と計算する。
- 電源電圧104Vから8Ωの電圧降下64Vを引いて、並列部分の端子電圧を Vp = 104 - 64 = 40 V と求める。
- 並列部分全体の電流8AからR2を流れる電流6Aを引いて、R1を流れる電流を I1 = 8 - 6 = 2 A と求める。
- オームの法則により R1 = Vp / I1 = 40 / 2 = 20 Ω を算出する。
- 選択肢 イ不正解
- 5Ωは計算過程で並列部分の合成抵抗40V/8A=5ΩをR1の値と取り違えた誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- 6.8ΩはR2の抵抗値(40V/6A≒6.67Ω)に近い誤った数値です。
- 選択肢 ハ不正解
- 13Ωは全電圧104Vを全電流8Aで割った回路全体の合成抵抗13Ωと混同した値です。
- 選択肢 ニ正解
- R1の両端電圧40Vを通過電流2Aで割ると正しく20Ωが得られます。
覚えるポイント
- 並列回路部分の電圧は共通であり、全電流から他の分岐電流を引けば求めたい分岐の電流が分かる。
間違えやすいところ
- 並列合成抵抗の5Ωと、求める単体抵抗R1の値を混同しないようにする。
出題の前提:電気設備の基礎理論(直流回路理論)
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
交流RL直列回路のリアクタンス算出
電気理論 · 交流回路 / RL直列回路 / ベクトル図
図に示す交流回路において、電源電圧が100V、回路を流れる電流が20A、抵抗Rの両端の電圧が80Vであった。リアクタンスXの値[Ω]はいくらか。
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解答
ロ
解説
交流のRL直列回路において、抵抗による電圧降下とリアクタンスによる電圧降下は位相が90度異なります。したがって全体の電源電圧Vは、抵抗電圧VRとリアクタンス電圧VXのベクトル和となり、V²=VR²+VX²の関係が成立します。
解き方
- 直角三角形の三平方の定理より、リアクタンス両端の電圧 VX = √(V² - VR²) = √(100² - 80²) = 60 V を計算する。
- 直列回路なのでリアクタンスを流れる電流も20Aとなるため、オームの法則より X = VX / I = 60 / 20 = 3 Ω を算出する。
- 選択肢 イ不正解
- 2Ωは電源電圧から抵抗電圧を単純に算術減算(100-80=20V)して20V/20A=1Ωとしたような誤りに関連する数値です。
- 選択肢 ロ正解
- リアクタンス両端の電圧60Vを回路電流20Aで割ることで、正しい値3Ωが得られます。
- 選択肢 ハ不正解
- 4Ωは抵抗Rの値(VR/I=80/20=4Ω)であり、リアクタンスXの値ではありません。
- 選択肢 ニ不正解
- 5Ωは回路全体のインピーダンスZ(V/I=100/20=5Ω)の値です。
覚えるポイント
- 交流回路の直列電圧はベクトル加算であり、3:4:5の直角三角形の関係(60V:80V:100V)を利用すると素早く計算できる。
間違えやすいところ
- 交流の電圧を直流のように単純に引き算して100-80=20Vと計算してしまうミスに注意する。
出題の前提:電気設備の基礎理論(単相交流回路)
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
交流並列回路の全電流計算
電気理論 · 交流回路 / 並列共振 / RLC並列回路
図に示す交流回路において、電源電圧100Vに抵抗5Ω、誘導性リアクタンス10Ω、容量性リアクタンス10Ωがそれぞれ並列に接続されている。電源に流れる電流Iの値[A]はいくらか。
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解答
ハ
解説
抵抗、コイル、コンデンサが並列に接続された回路では、電源電圧に対してコイルの電流は位相が90度遅れ、コンデンサの電流は位相が90度進みます。リアクタンス値が等しい場合、両者の電流の大きさが等しく位相が180度反対となるため完全に相殺され、回路全体には抵抗の電流のみが流れます。
解き方
- 各枝路に流れる電流の大きさを計算する:抵抗電流 IR = 100 / 5 = 20 A、誘導性リアクタンス電流 IL = 100 / 10 = 10 A、容量性リアクタンス電流 IC = 100 / 10 = 10 A。
- 全電流の式 I = √(IR² + (IL - IC)²) に各値を代入する。
- IL - IC = 10 - 10 = 0 A となり、I = IR = 20 A が求められる。
- 選択肢 イ不正解
- 5Ωの数値をそのまま電流値と誤認した数値であり不適切です。
- 選択肢 ロ不正解
- 10Aはリアクタンス枝路の単独電流値であり、電源電流全体の値ではありません。
- 選択肢 ハ正解
- 無効電流成分が並列共振により完全に相殺されるため、抵抗に流れる有効電流成分20Aがそのまま全電流となります。
- 選択肢 ニ不正解
- 30Aは位相差を考慮せず、各枝路の電流(20A+10A-10Aではなく、20Aと10Aの加算等)を誤って計算した値です。
覚えるポイント
- 並列回路でXL=XCのときは並列共振状態となり、無効電流は外部電源から見るとゼロになる。
間違えやすいところ
- 並列枝路の各電流を位相を無視してスカラー加算(20+10+10=40A等)しないように注意する。
出題の前提:電気設備の基礎理論(交流並列回路)
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
三相交流回路の線電流計算(Δ-Y変換)
電気理論 · 三相交流 / Δ-Y変換 / 線電流
図に示す三相交流回路において、線間電圧V[V]の対称三相交流電源に、1線当たり4Ωの直列抵抗と、各相3Ωの抵抗からなるデルタ結線負荷が接続されている。線電流Iの値[A]を表す式として正しいものはどれか。
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解答
ロ
解説
対称三相交流回路の計算では、負荷のデルタ結線を等価なスター結線に変換して1相分の等価回路で解くのが基本です。平衡デルタ結線の抵抗RΔをスター結線に変換すると、各相の等価抵抗RYはRY=RΔ/3となります。また、電源の相電圧は線間電圧Vの1/√3倍(V/√3)となります。
解き方
- 各相3Ωの平衡デルタ結線抵抗を等価スター(Y)結線に変換し、RY = 3 / 3 = 1 Ω を求める。
- 1線当たりの線路抵抗4ΩとY変換後の1Ωを直列加算し、1相当たりの全インピーダンスを Z = 4 + 1 = 5 Ω とする。
- 電源の線間電圧Vに対する相電圧 Vp = V / √3 をインピーダンス5Ωで割ることで、線電流 I = (V / √3) / 5 = V / (5√3) [A]を導出する。
- 選択肢 イ不正解
- 計算手順や等価回路の変換式が誤っている不正解の選択肢です。
- 選択肢 ロ正解
- デルタ負荷のY変換(1Ω)により1相の全抵抗が5Ωとなり、相電圧V/√3を割ることで正しくV/(5√3)が導かれます。
- 選択肢 ハ不正解
- 相電圧の1/√3を考慮せず、線間電圧Vを直接1相のインピーダンス5Ωで割った誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 相電圧を求める際に√3で割るべきところを誤って掛けてしまった計算結果です。
覚えるポイント
- 平衡三相のデルタ負荷をスター負荷に変換するときはインピーダンスが1/3倍になる。
間違えやすいところ
- 三相交流の1相分計算において、相電圧が線間電圧の1/√3であることを忘れて線間電圧Vをそのまま使わないようにする。
出題の前提:電気設備の基礎理論(三相交流回路)
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.4 ↗(www.shiken.or.jp)
単相2線式配電線路の送電端電圧計算
配電理論 · 配電線路 / 電圧降下 / 単相2線式
図のような単相2線式配電線路において、負荷の端子電圧が200V、電流が10A、力率が80%(遅れ)である。電線1線当たりの線路抵抗が0.4Ω、線路リアクタンスが0.3Ωであるとき、電源電圧Vsの値[V]はいくらか。
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解答
ロ
解説
単相2線式配電線路では往復の2線に電流が流れるため、線路全体の電圧降下の略算式は ΔV = 2I(r cosθ + x sinθ) と表されます。力率 cosθ = 0.8 のとき、無効率 sinθ は √(1 - 0.8²) = 0.6 となります。電源電圧Vsは受電端電圧Vrに線路の電圧降下ΔVを加えることで求められます。
解き方
- 力率 cosθ = 0.8 より無効率 sinθ = √(1 - 0.8²) = 0.6 を求める。
- 単相2線式の電圧降下略算式 ΔV = 2 × I × (r cosθ + x sinθ) に値を代入し、ΔV = 2 × 10 × (0.4 × 0.8 + 0.3 × 0.6) = 20 × (0.32 + 0.18) = 10 V を計算する。
- 電源電圧 Vs = Vr + ΔV = 200 + 10 = 210 V を算出する。
- 選択肢 イ不正解
- 205Vは往復2線分であることを忘れ、片道1線分のみの電圧降下(5V)を加算してしまった場合の誤りです。
- 選択肢 ロ正解
- 往復2線分の電圧降下10Vを負荷端子電圧200Vに加えることで正しく210Vが得られます。
- 選択肢 ハ不正解
- 215Vは電圧降下の計算でリアクタンスや力率の乗算係数を誤った不適切な値です。
- 選択肢 ニ不正解
- 220Vは三相3線式の係数や二重計上などの誤った計算に基づく不適切な値です。
覚えるポイント
- 単相2線式配電線路の電圧降下は往復2本分で「2I(r cosθ + x sinθ)」、三相3線式は「√3 I(r cosθ + x sinθ)」となる。
間違えやすいところ
- 単相2線式なのに片道1線分しか計算せず、係数の2を掛け忘れるミスに注意する。
出題の前提:電気設備の基礎理論(配電線路の電気特性)
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.4 ↗(www.shiken.or.jp)
三相3線式配電線路の電力損失計算
配電理論 · 三相3線式 / 線路損失 / 電力損失
定格電圧200V、消費電力8kW、力率0.8(遅れ)の三相負荷に電気を供給する三相3線式配電線路がある。電線1線当たりの抵抗が0.1Ωであるとき、この配電線路の電力損失[W]はいくらか。
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解答
ハ
解説
三相3線式配電線路における線路全体の電力損失PLは、電線3本分で発生するため PL = 3·I²·r となります。ここでIは線電流、rは1線当たりの電線抵抗です。線電流Iは三相負荷電力の公式 P = √3·V·I·cosθ から逆算して求めます。
解き方
- 三相負荷電力 P = √3·V·I·cosθ より、線電流 I = P / (√3·V·cosθ) を立式する。
- 数値を代入して I = 8000 / (√3 × 200 × 0.8) = 8000 / (160√3) = 50 / √3 A を求める(I² = 2500 / 3 A²)。
- 3線分の電力損失 PL = 3 × I² × r = 3 × (2500 / 3) × 0.1 = 2500 × 0.1 = 250 W を計算する。
- 選択肢 イ不正解
- 100Wは力率による電流増加などを考慮しない誤った計算結果です。
- 選択肢 ロ不正解
- 150Wは途中の計算係数を誤った不適切な値です。
- 選択肢 ハ正解
- 線電流50/√3 Aを2乗して3本の抵抗(3×0.1Ω)に乗じると正しく250Wが得られます。
- 選択肢 ニ不正解
- 400Wは三相分の係数3や√3の扱いを誤った不適切な数値です。
覚えるポイント
- 三相3線式の全線路電力損失は電線3本分なので「3 I² r」となる(単相2線式は「2 I² r」)。
間違えやすいところ
- 電線1線分の損失(I² r ≒ 83.3W)だけを計算して3倍し忘れたり、√3の計算で分母・分子を取り違えたりしないように注意する。
出題の前提:電気設備の基礎理論(三相交流の送配電損失)
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.4 ↗(www.shiken.or.jp)
単相3線式変圧器の一次電流計算
電気理論 · 変圧器 / 単相3線式 / 変成比 / 容量計算
図に示す単相3線式回路において、抵抗負荷R1には40A、抵抗負荷R2には20Aの電流が流れている。変圧器の一次側電圧が6000V、二次側各相が100Vであるとき、一次側に流れる電流Iの値[A]はいくらか。ただし、変圧器の励磁電流と損失は無視するものとする。
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解答
イ
解説
損失および励磁電流が無視できる変圧器では、一次側の入力皮相電力(または有効電力)と二次側の出力皮相電力(有効電力)の総和が等しくなります。また、各二次巻線と一次巻線のアンペアターン(起磁力)の総和が平衡するという関係 N1·I1 = N2·I2_1 + N2·I2_2 からも解くことができます。
解き方
- 二次側の各負荷の有効電力を計算する:P1 = 100 × 40 = 4000 W、P2 = 100 × 20 = 2000 W。
- 二次側の合計電力 P2_total = 4000 + 2000 = 6000 W を求める。
- 損失無視のため一次入力電力 P1_total = P2_total = 6000 W となる。
- 一次電流 I1 = P1_total / V1 = 6000 / 6000 = 1 A を算出する。
- 選択肢 イ正解
- 二次側の総消費電力6000Wが一次側入力電力と等しいため、6000W/6000V=1Aが正解です。
- 選択肢 ロ不正解
- 2Aは中性線電流(40-20=20A)の変流比だけを取り違えて計算したような誤った数値です。
- 選択肢 ハ不正解
- 3Aは電流の平均値や誤った皮相電力の加算に基づく不適切な数値です。
- 選択肢 ニ不正解
- 4Aは負荷R1の電流40Aのみを変流比(100/6000ではなく6000/100)などで誤って計算した値です。
覚えるポイント
- 理想変圧器の一次電流は、二次側の各負荷電力の合計を一次電圧で割ることで求められる。
間違えやすいところ
- 単相3線式の二次電流を単純に引き算してしまったり、変成比の掛け算・割り算を取り違えたりしないように注意する。
出題の前提:電気設備の基礎理論(変圧器の特性と単相3線式回路)
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
力率改善に必要な進相コンデンサ容量の計算
配電理論 · 力率改善 / 進相コンデンサ / 無効電力
容量 100 kV・A、消費電力 80 kW、力率 80 %(遅れ)の負荷を有する高圧受電設備に高圧進相コンデンサを設置し、力率を 93 %(遅れ)程度に改善したい。必要なコンデンサの定格容量 QC[kvar]として、適切なものはどれか。 ただし、cosθ2 が 0.93 のときの tanθ2 は 0.38 とする。
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解答
ロ
解説
力率改善に必要な進相コンデンサ容量 QC は、有効電力を P、改善前後の力率角を θ1、θ2 とすると、QC = P × (tanθ1 - tanθ2) で計算されます。進相無効電力を供給することで回路全体の遅れ無効電力を減少させます。
解き方
- 改善前の力率 cosθ1 = 0.8 より、sinθ1 = √(1 - 0.8^2) = 0.6 を求め、tanθ1 = 0.6 / 0.8 = 0.75 を算出します。
- 改善前の遅れ無効電力 Q1 = P × tanθ1 = 80 × 0.75 = 60 kvar を計算します。
- 改善後の遅れ無効電力 Q2 = P × tanθ2 = 80 × 0.38 = 30.4 kvar を計算します。
- 必要なコンデンサ容量 QC = Q1 - Q2 = 60 - 30.4 = 29.6 kvar より、最も近い 30 kvar を選択します。
- 選択肢 イ不正解
- 20 kvar では無効電力の補償量が不足しており、力率 93 %まで改善できません。
- 選択肢 ロ正解
- 計算値約 29.6 kvar に最も近く、適切なコンデンサ容量です。
- 選択肢 ハ不正解
- 50 kvar は過大であり、力率が 100 %を超えて進み力率になってしまいます。
- 選択肢 ニ不正解
- 75 kvar は過大であり、系統電圧の上昇や機器の過熱など悪影響を及ぼします。
覚えるポイント
- 力率改善用コンデンサ容量の基本式 QC = P × (tanθ1 - tanθ2) を確実に定着させましょう。
間違えやすいところ
- 皮相電力 S(100 kV・A)に直接 tanθ を乗じてしまうミスに注意してください。必ず有効電力 P(80 kW)を用います。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈及び電気工学の基礎理論に基づく出題です。
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
三相誘導電動機の結線変更による回転方向の変化
電気機器 · 三相誘導電動機 / 相回転 / 回転方向の逆転
三相誘導電動機の結線①を②、③のように変更した時、①の回転方向に対して、②、③の回転に関する記述として、正しいものはどれか。
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解答
ハ
解説
三相誘導電動機の回転磁界の向きは、固定子巻線に印加される三相交流の相回転方向(相順)によって決まります。三相電源の任意の2線を入れ替えると回転磁界の向きが反転し電動機は逆回転します。一方、3線すべてを同一方向に順送り(巡回)した場合は相順が変わらないため回転方向は変化しません。
解き方
- 結線①(基準):U端子にR相、V端子にS相、W端子にT相が接続されています。
- 結線②を確認:U端子にS相、V端子にR相、W端子にT相が接続されており、R相とS相の2線のみが入れ替わっているため、逆回転になります。
- 結線③を確認:U端子にT相、V端子にR相、W端子にS相が接続されており、相順はR→S→Tに対して端子がV→W→Uと巡回的に接続されているだけで相回転は同じであるため、同方向の回転になります。
- 以上より、「②は①と逆方向に回転し、③は①と同じ方向に回転する」が正解です。
- 選択肢 イ不正解
- ②は2相が入れ替わった正常な三相交流が印加されているため、回転しないのではなく逆回転します。
- 選択肢 ロ不正解
- ②が逆回転、③が同方向回転であるため、回転方向の記述が逆になっています。
- 選択肢 ハ正解
- ②は2線の入替えにより逆回転、③は相順を維持した巡回接続のため同方向回転となり、記述が正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- ③は相順が変わっていないため逆回転にはならず、同方向に回転します。
覚えるポイント
- 三相誘導電動機の回転方向を逆にするには、電源3本のうち任意の「2本」を入れ替えます。
間違えやすいところ
- 結線③のように3本すべての接続が変わっている場合に、逆回転すると誤認しないよう相順(巡回順序)を確認しましょう。
出題の前提:三相誘導電動機の回転磁界発生原理及び電気設備技術基準の基礎理論に基づく出題です。
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
点光源直下の床面照度の計算式
電気応用 · 照明計算 / 照度の逆二乗の法則 / 法線照度
床面上 r[m]の高さに、光度 I[cd]の点光源がある。光源直下の床面照度 E[lx]を示す式はどれか。
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解答
イ
解説
点光源から放射される光による受照面の照度は、「逆二乗の法則」に従い、光源からの距離の2乗に反比例し、光度に比例します。法線照度 En = I / r^2 であり、光源直下の水平面照度は法線照度と一致するため E = I / r^2 となります。
解き方
- 点光源の光度を I[cd]、受照点までの距離を r[m]とします。
- 光源直下の場合、入射角 θ は 0 度であり、cosθ = cos0° = 1 となります。
- 水平面照度の式 E = (I / r^2) × cosθ に代入すると、E = I / r^2 が導かれます。
- 選択肢 イ正解
- 照度の逆二乗の法則より、距離 r の2乗に反比例し光度 I に比例する E = I / r^2 が正しい式です。
- 選択肢 ロ不正解
- 光度の2乗に比例する式となっており、照度の定義および逆二乗の法則と矛盾します。
- 選択肢 ハ不正解
- 光度 I が2乗されているため誤りです。照度は光度の1乗に比例します。
- 選択肢 ニ不正解
- 距離の1乗に反比例する式(線光源の照度特性に類似)となっており、点光源には適用できません。
覚えるポイント
- 点光源の直下照度は E = I / r^2(照度の逆二乗の法則)です。
間違えやすいところ
- 距離 r に反比例するのか、2乗に反比例するのかを混同しないようにしましょう。
出題の前提:電気工学・照明理論における基本式(照度の逆二乗の法則)に基づく出題です。
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
変圧器の出力に対する損失特性曲線
電気機器 · 変圧器 / 鉄損 / 銅損 / 特性曲線
変圧器の出力に対する損失の特性曲線において、a が鉄損、b が銅損を表す特性曲線として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
変圧器の全損失は主に鉄損と銅損で構成されます。鉄損(無負荷損)は鉄心中のヒステリシス損や渦電流損であり、電圧・周波数が一定であれば出力によらず一定(水平線)です。銅損(負荷損)は巻線に流れる電流の2乗に比例するため、出力の2乗に比例して増加する放物線(2次曲線)を描きます。
解き方
- 鉄損 a の性質を整理します:負荷(出力)の大きさに依存しない固定損であるため、横軸を出力、縦軸を損失としたとき、水平な直線となります。
- 銅損 b の性質を整理します:負荷電流 I の2乗に比例する(I^2 × R)ため、出力の2乗に比例して急激に増加する下に凸の放物線となります。
- 両者の特性を正しく表しているグラフ「ニ」を選択します。
- 選択肢 イ不正解
- 鉄損と銅損の曲線が逆になっており、かつ銅損が直線(1乗比例)として描かれているため不適切です。
- 選択肢 ロ不正解
- 鉄損 a が特定の出力で垂直に立ち上がる特性となっており誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 銅損 b が上に凸の飽和曲線として描かれており、2乗に比例して増加する特性に反します。
- 選択肢 ニ正解
- 鉄損 a が出力に関わらず一定の水平線、銅損 b が出力の2乗に比例して増加する二次曲線として適切に表現されています。
覚えるポイント
- 鉄損は出力によらず一定(水平線)、銅損は出力の2乗に比例(下に凸の曲線)です。
間違えやすいところ
- 銅損が出力に「比例(直線)」すると勘違いしやすいので、電流の「2乗」に比例することを意識しましょう。
出題の前提:変圧器の特性曲線及び損失理論に基づく出題です。
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
アルカリ蓄電池の特性と記述の正誤
電気応用 · 蓄電池 / アルカリ蓄電池 / 公称電圧 / 電解液
アルカリ蓄電池に関する記述として、正しいものはどれか。
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解答
ハ
解説
蓄電池の公称電圧は、鉛蓄電池が約 2.0 V/セルであるのに対し、アルカリ蓄電池は約 1.2 V/セルです。また、アルカリ蓄電池の電解液(水酸化カリウム水溶液)はイオンの移動媒体として働くのみで充放電反応で消費・生成されないため、充放電による電解液の比重変化はほとんどありません。さらに過充放電などの機械的・電気的乱用に対しても強靭な特性を持ちます。
解き方
- 各蓄電池の公称電圧を比較します:鉛蓄電池は 2.0 V/セル、アルカリ蓄電池は 1.2 V/セルであり、アルカリ蓄電池の方が低いです。
- 電解液の比重変化を検討します:鉛蓄電池は硫酸が消費・生成されて比重が大きく変化しますが、アルカリ蓄電池は比重がほとんど変化しません。
- 過放電特性を検討します:アルカリ蓄電池は過放電に強く、過放電しても再充電が可能です。
- 電解液の液性を検討します:水酸化カリウムが触媒的に働くため、強アルカリ性のままであり中性には変化しません。
- 選択肢 イ不正解
- 電解液(水酸化カリウム水溶液)は化学反応の触媒的役割を果たすため、過充電してもアルカリ性のままです。
- 選択肢 ロ不正解
- 充放電によって電解液の比重が著しく変化するのは鉛蓄電池の特徴であり、アルカリ蓄電池はほとんど変化しません。
- 選択肢 ハ正解
- アルカリ蓄電池の公称電圧(約1.2 V)は鉛蓄電池(約2.0 V)より低いため、正しい記述です。
- 選択肢 ニ不正解
- アルカリ蓄電池は過放電に強く、過放電状態になっても充電を行うことで性能を回復できます。
覚えるポイント
- 公称電圧:鉛蓄電池は 2.0 V/セル、アルカリ蓄電池は 1.2 V/セル。
間違えやすいところ
- 鉛蓄電池の特性(充放電で比重が変化する、過放電でサルフェーションを起こし劣化する)とアルカリ蓄電池の特性を混同しないようにしましょう。
出題の前提:JIS C 8705(密閉形ニッケル・カドミウム蓄電池等)及び蓄電池工学に基づく出題です。
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
電磁開閉器を構成する熱動継電器の識別
配線器具・材料・工具 · 電磁開閉器 / 熱動継電器 / サーマルリレー / 電動機保護
写真に示す矢印の機器の名称はどれか。
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解答
ロ
解説
電磁開閉器(マグネットスイッチ)は、電磁接触器(マグネットコンタクタ)と熱動継電器(サーマルリレー)を一体に組み合わせた機器です。熱動継電器は、電動機等に過電流(過負荷電流・拘束電流)が継続して流れた際に、バイメタルの湾曲動作によって接点を開き、電磁接触器の操作回路を遮断して電動機の焼損を保護します。
解き方
- 写真の上部が電磁接触器(接点部と電磁コイル部)であることを確認します。
- 矢印が指している下部ユニットは、電流設定ダイヤルやリセットボタンを備えた過負荷保護機器であることを確認します。
- この下部ユニットは「熱動継電器(サーマルリレー)」であると判別します。
- 選択肢 イ不正解
- タイムスイッチは設定時刻に応じて回路を開閉する時計仕掛けの機器であり、写真の機器とは異なります。
- 選択肢 ロ正解
- 写真は電磁接触器の下部に接続された熱動継電器(サーマルリレー)です。
- 選択肢 ハ不正解
- 自動温度調節器(サーモスタット等)は室温や水温を直接検知して制御する器具であり、写真の外観とは異なります。
- 選択肢 ニ不正解
- 漏電遮断器は零相変流器等を内蔵した遮断器であり、電磁接触器の下部に取り付ける本構造とは異なります。
覚えるポイント
- 電磁接触器 + 熱動継電器(サーマルリレー) = 電磁開閉器です。
間違えやすいところ
- 機器全体を電磁開閉器と呼びますが、矢印が指す部分(下部ユニットのみ)の単体名称は「熱動継電器」です。
出題の前提:配線器具及び受配電・制御機器の規格・外観判別に基づく出題です。
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
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断熱材施工天井用照明器具の表示マーク
配線器具・材料・工具 · ダウンライト / 断熱材施工天井 / SB形 / SGI形 / SG形
写真の照明器具には矢印で示すような表示マークが付されている。この器具の用途として、適切なものはどれか。 表示マーク:「日本照明工業会 SB・SGI・SG形適合品」
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解答
ハ
解説
天井埋込形のダウンライトを断熱材が敷き詰められた天井に施工すると、器具周囲に熱がこもり火災の危険があります。そのため、断熱材で覆われても所定の温度上昇限度を超えないよう放熱設計された器具には、日本照明工業会規格で「SB形(ブローイング・マット敷工法適合)」「SGI形」「SG形(マット敷工法適合)」の適合表示マークが付与されます。
解き方
- 写真の器具本体が天井埋込形のダウンライトであることを確認します。
- 器具に貼られたマークが「日本照明工業会 SB・SGI・SG形適合品」であることを確認します。
- SB・SGI・SG形は断熱材施工天井に対応した安全基準適合記号であるため、「断熱材施工天井に埋め込んで使用できる」を選択します。
- 選択肢 イ不正解
- クリーンルーム用器具には気密構造や防塵規格(清浄度対応)の指定があり、SB形等の断熱表示とは無関係です。
- 選択肢 ロ不正解
- フライダクトやダクトレール用の表示ではなく、天井埋込用ダウンライトの断熱仕様マークです。
- 選択肢 ハ正解
- SB・SGI・SG形マークは、器具の上部や周囲が断熱材で覆われる断熱材施工天井に安全に埋込設置できることを示します。
- 選択肢 ニ不正解
- 非常用照明器具には建築基準法等に基づく緑色の認定マーク等が付され、本マークの用途とは異なります。
覚えるポイント
- ダウンライトの「SB・SGI・SG形」表示は、断熱材施工天井に埋込設置可能な器具のマークです。
間違えやすいところ
- 防湿形や防雨形、非常灯マークなど他の用途識別ラベルと混同しないように注意しましょう。
出題の前提:日本照明工業会規格(JIL 5002)等に基づく照明器具の断熱施工適合表示に関する出題です。
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
太陽電池および太陽光発電システムの基礎知識
発電・受変電設備 · 太陽光発電 / 光起電力効果 / 系統連系 / 設置面積
太陽電池を使用した太陽光発電に関する記述として、誤っているものはどれか。
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解答
ニ
解説
太陽電池は半導体の光電効果(光起電力効果)によって光エネルギーを直流電力に直接変換します。商用電力系統や交流負荷で使用するためにはパワーコンディショナ(インバータ)で直流から交流へ変換します。また、系統へ逆潮流させる場合は異常時に系統から切り離す系統連系保護装置が必要です。設置面積に関しては、基準日射強度 1 kW/m2 に対するモジュール変換効率(約15〜20%)を考慮すると、1 kW の発電には約 5〜7 m2 を要します。
解き方
- 選択肢イの確認:半導体 pn 接合による光起電力効果を利用して発電するため正しい記述です。
- 選択肢ロの確認:太陽電池セルからの出力は直流であるため、交流機器で使用するにはインバータが必要です。正しい記述です。
- 選択肢ハの確認:一般送配電事業者の電力系統と安全に連系するため、過不足電圧や単独運転防止等の系統連系保護装置が不可欠です。正しい記述です。
- 選択肢ニの確認:変換効率が 100 %であれば 1 m2 で 1 kW 得られますが、実用モジュールの変換効率は 15〜20 %程度なので、1 kW を得るには 5〜7 m2 程度が必要です。したがってニが誤り(正解)です。
- 選択肢 イ不正解
- 半導体の pn 接合における光起電力効果によって発電を行うという記述は正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- 太陽電池の直流出力を交流に変換して供給するため、インバータを必須とする記述は正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 系統の保安確保および逆充電防止のため、系統連系保護装置を設ける必要があります。
- 選択肢 ニ正解
- 実用太陽電池の変換効率は15〜20%程度であり、1 kW を得るには約5〜7 m2 が必要なため「1 m2 程度」とする本記述は誤りです。
覚えるポイント
- 日射強度は約 1 kW/m2、太陽電池効率約 15〜20 %のため、1 kW 出力には約 5〜7 m2 の面積が必要です。
間違えやすいところ
- 「日射強度が 1 kW/m2」であることと「1 m2 で 1 kW 発電できる」ことを混同しないようにしましょう(変換効率が考慮されていません)。
出題の前提:電気設備に関する技術基準を定める省令、系統連系技術要件ガイドライン、及び太陽光発電技術に基づく出題です。
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
送電線の特性と送電損失
送配電設備 · 送電損失 / フェランチ効果 / 直流送電 / 表皮効果
送電線に関する記述として、誤っているものはどれか。
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解答
イ
解説
送電電力P、線間電圧V、力率cosθとすると電流はI = P / (√3・V・cosθ)となります。線路の抵抗損失は3・I^2・R = P^2・R / (V^2・cos^2θ)となり、送電損失は電圧の2乗に反比例します。したがって送電電圧が高いほど電流が小さくなり、損失は減少します。
解き方
- 送電電力と送電電流、線路損失の関係式(損失が電圧の2乗に反比例すること)を確認します。
- 送電電圧を高くするほど損失が小さくなるため、「低いほど損失が小さくなる」とした選択肢イが誤りであると判定します。
- 選択肢 イ正解
- 送電損失は送電電圧の2乗に反比例して小さくなるため、電圧が低いほど小さくなるとする本記述は誤り(正解の選択肢)です。
- 選択肢 ロ不正解
- 長距離送電線路で静電容量の影響により、軽負荷時や無負荷時に受電端電圧が送電端電圧より高くなるフェランチ効果の説明として正しい記述です。
- 選択肢 ハ不正解
- 直流送電は無効電力や充電電流がなく安定度が高いため長距離・大電力に適しますが、交直変換装置(インバータ・コンバータ)が必要となるため正しい記述です。
- 選択肢 ニ不正解
- 交流電流が流れると内部の鎖交磁束によって中心部の電流が流れにくくなり、表面付近に電流が集中する表皮効果の説明として正しい記述です。
覚えるポイント
- 送電損失は送電電圧の2乗に反比例するため、高電圧化により損失を大幅に低減できます。
間違えやすいところ
- 電圧を上げると電流が減り損失が減少する関係を、オームの法則V=IRと混同して電圧が高いほど損失が増えると逆にとらえないよう注意が必要です。
出題の前提:平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分) 問17
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
三相変圧器の結線方式(Δ-Δ結線)
受電設備・変圧器 · 変圧器結線 / デルタデルタ結線 / 結線図の判別
変圧器の結線方法のうち、Δ-Δ結線を示すものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
三相結線において、3つの巻線の端部を1点にまとめて中性点を作る方式をY(スター)結線と呼び、各相の巻線を順次環状に直列接続して閉回路を形成し各接続点から端子を引き出す方式をΔ(デルタ)結線と呼びます。一次側・二次側ともに環状に結ばれているものがΔ-Δ結線です。
解き方
- 一次側(上側)巻線の接続を確認し、3巻線がループ状に渡り配線されて各端子に接続されているか、または1点に共通接続(中性点)されているかを判別します。
- 二次側(下側)巻線の接続も同様に確認し、一次側・二次側ともに三角形状の閉ループ結線となっているイを選びます。
- 選択肢 イ正解
- 一次側・二次側の両方とも各相巻線が環状に順次接続されたデルタ結線となっているため正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- 一次側・二次側ともに3つの巻線の一端が1点(中性点)に共通接続されたY-Y結線であるため誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 一次側がデルタ結線、二次側が中性点をもつスター結線であるΔ-Y結線であるため誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 一次側がスター結線、二次側がデルタ結線であるY-Δ結線であるため誤りです。
覚えるポイント
- Δ結線は巻線同士が環状(ループ)に渡り配線され、Y結線は3巻線の片端が1本の中性線にまとめられます。
間違えやすいところ
- 図記号の端子引き出し線と渡り線のつながりを見誤り、中性点接続(Y)と相間接続(Δ)を取り違えないように確認しましょう。
出題の前提:平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分) 問18
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
電力系統における高調波の影響と対策
電気機器・電力品質 · 高調波障害 / 直列リアクトル / 高調波発生源 / 次数成分
高調波に関する記述として、誤っているものはどれか。
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解答
ニ
解説
電力変換装置(インバータや整流器)の半導体スイッチング動作やアーク炉などから発生する高調波電流は、次数が低い第5次(250Hz/300Hz)や第7次(350Hz/420Hz)成分が支配的です。これらの高調波は進相コンデンサや機器の過熱・焼損を引き起こすため、コンデンサ回路には直列リアクトル(第5次に対して誘導性にするための6%リアクトルなど)を挿入して拡大を抑制します。
解き方
- 電力系統で発生する代表的な高調波次数(三相ブリッジ整流回路では6n±1次の第5次・第7次など)を確認します。
- 低次の第5次・第7次成分は電力系統において最も顕著に現れる成分であるため、これらが「ほとんど無い」と述べる選択肢ニが誤りであると判断します。
- 選択肢 イ不正解
- 半導体電力変換器(整流器)やアーク炉などの非線形負荷は主要な高調波発生源であるため正しい記述です。
- 選択肢 ロ不正解
- 高調波が流入するとコンデンサのインピーダンス低下による過電流や、発電機の渦電流損増加による過熱が発生するため正しい記述です。
- 選択肢 ハ不正解
- 高調波の拡大防止および回路を誘導性にして共振を防止するため、進相コンデンサには直列リアクトルを挿入することが望ましいため正しい記述です。
- 選択肢 ニ正解
- 実際の電力系統では第5次および第7次高調波成分が最も多く含まれて問題となるため、「ほとんど無い」とする記述は誤り(正解の選択肢)です。
覚えるポイント
- 電力系統で最も多く現れる高調波は第5次と第7次であり、対策として直列リアクトルが用いられます。
間違えやすいところ
- 直列リアクトルの容量が通常6%(第5高調波対策)である理由と、系統で最も顕著な高調波次数(第5次・第7次)が直結していることを意識しましょう。
出題の前提:平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分) 問19
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧開閉機器の用途(高頻度開閉)
高圧受電設備機器 · 高圧交流電磁接触器 / 高圧遮断器 / 高圧負荷開閉器 / 断路器
次の機器のうち、高頻度開閉を目的に使用されるものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
高圧受電設備の開閉装置にはそれぞれ役割があります。高圧交流電磁接触器(VMC)は負荷電流の頻繁な入り切り(数十万回程度の開閉寿命)を目的としており、高圧電動機の始動・停止制御等に用いられます。なお、短絡電流の遮断能力はないため、限流ヒューズ(PF)や上位の遮断器と協調して使用します。
解き方
- 各選択肢の機器の主たる使用目的と開閉耐久性の特徴を思い出します。
- 電動機の運転・停止のように頻繁に開閉を行う用途(高頻度開閉)には「高圧交流電磁接触器(VMC)」が用いられることを特定します。
- 選択肢 イ不正解
- 高圧交流負荷開閉器(LBS)は通常負荷の開閉を行う機器ですが、高頻度の開閉には適していません。
- 選択肢 ロ不正解
- 高圧交流遮断器(VCB等)は事故電流(短絡電流)の遮断を行う主遮断装置であり、頻繁な開閉動作を目的とするものではありません。
- 選択肢 ハ正解
- 高圧交流電磁接触器(VMC)は機械的・電気的寿命が長く、高圧電動機等の高頻度開閉制御に用いられるため正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 高圧断路器(DS)は無負荷状態での電路の隔離・区分を目的とし、負荷電流すら開閉できません。
覚えるポイント
- 高頻度開閉=電磁接触器(MC/VMC)。短絡電流遮断能力はないためPFと組み合わせて使用されることが多いです。
間違えやすいところ
- 遮断器(VCB)は事故電流の遮断器であり、高頻度の日常開閉用ではない点に注意してください。
出題の前提:平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分) 問20
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
CVケーブルの水トリー現象
電線・ケーブル · 水トリー / 架橋ポリエチレン / 絶縁劣化 / CVケーブル
高圧架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CVケーブル)において、水トリーと呼ばれる樹枝状の劣化が生じる箇所はどこか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
CVケーブルの「架橋ポリエチレン(XLPE)」絶縁体中に微小な異物や空隙(ボイド)が存在し、そこに水分が浸入した状態で交流高電界が加わると、電気化学的・機械的作用によって樹枝(ツリー)状の微細クラックが進展します。これを水トリー現象と呼び、絶縁破壊の主原因となります。
解き方
- 水トリー現象の発生メカニズム(水分+電界集中による絶縁体の劣化)を確認します。
- 劣化が発生する対象となる部位は主絶縁材料である「架橋ポリエチレン絶縁体」であるため、選択肢ロを選びます。
- 選択肢 イ不正解
- 銅導体内部は導電部であり、絶縁劣化現象である水トリーは発生しません。
- 選択肢 ロ正解
- 水トリーは高電界がかかる架橋ポリエチレン絶縁体内部に生じる樹枝状の絶縁劣化現象であるため正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- ビニルシースは最外層の機械的保護シースであり、高電界による水トリーの発生箇所ではありません。
- 選択肢 ニ不正解
- 遮へい銅テープは等電位面を形成し接地するための金属層であり、水トリーが発生する場所ではありません。
覚えるポイント
- 水トリー劣化は「架橋ポリエチレン絶縁体」に水分と電界集中が共存することで生じます。
間違えやすいところ
- 外部のビニルシースの亀裂などと混同せず、電気的劣化が生じる主絶縁体(架橋ポリエチレン)の現象であることを押さえましょう。
出題の前提:平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分) 問21
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧受電機器の外観識別(VCT)
機器・器具の見分け · 電力需給用計器用変成器 / VCT / 計器用変成器
写真に示す機器の名称として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
電力需給用計器用変成器(VCTまたはMOF)は、電力会社が受電電力量を計量するため、高電圧を110Vに降圧するVT(計器用変圧器)と大電流を5Aに変流するCT(変流器)を油入等の同一容器内に収納した複合機器です。一次側の高圧ブッシングと電力量計へつなぐ二次端子箱、吊り金具を備えた角形・丸形の堅牢なタンク外観が特徴です。
解き方
- 写真の機器の外観(高圧用碍管ブッシング、油入密閉容器、側面端子箱、吊り金具)を確認します。
- VTとCTを一体化して電力計量に使用する「電力需給用計器用変成器(VCT)」であると特定します。
- 選択肢 イ不正解
- 直列リアクトルは空冷または油入のコイル状機器で、進相コンデンサに直列接続されるものであり写真とは異なります。
- 選択肢 ロ不正解
- 高圧交流負荷開閉器(LBS)は開閉接点や消弧部、ヒューズ等を備えた構造であり写真とは異なります。
- 選択肢 ハ不正解
- 三相変圧器は一般に放熱フィンやより多数の低圧ブッシング等を備えており、写真のVCTとは外形が異なります。
- 選択肢 ニ正解
- 写真の機器はVTとCTを油入りタンクに一体化した電力需給用計器用変成器(VCT)であるため正しいです。
覚えるポイント
- VCT(電力需給用計器用変成器)は電力測定用のVTとCTが同一タンク内に収まった機器です。
間違えやすいところ
- 単体の変圧器(トランス)と外観が似ていますが、電力会社の取引用計器用変成器であるVCT特有の構造(端子配置や封印部)に注目しましょう。
出題の前提:平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分) 問22
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
計器用変流器(CT)の用途
高圧受電設備機器 · 計器用変流器 / CT / 電流計 / 大電流変成
写真に示す機器の用途として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
写真は高圧電路に設置される巻線形計器用変流器(CT: Current Transformer)です。主回路に直列に接続して、主回路の大電流に比例した小電流(二次側定格通常5A)に変成し、電流計や過電流継電器(OCR)に入力するために用いられます。
解き方
- 写真の機器が一次側端子と磁気回路、二次側端子を持つ計器用変流器(CT)であることを確認します。
- CTの基本機能である「大電流を小電流に変成する」という用途を選択肢ニから選びます。
- 選択肢 イ不正解
- 投入時の突入電流を抑制するのは直列リアクトル(SR)の用途であるため誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- 高電圧を低電圧に変成するのは計器用変圧器(VT)の用途であるため誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 零相電流を検出するのは零相変流器(ZCT)の用途であり、写真の単相用CTとは異なります。
- 選択肢 ニ正解
- 計器用変流器(CT)は大電流を安全に計測可能な小電流(通常二次定格5A)に変成する機器であるため正しいです。
覚えるポイント
- CTは大電流を小電流(二次側5A)へ、VTは高電圧を低電圧(二次側110V)へ変成します。
間違えやすいところ
- 零相電流を検出するZCT(貫通形のドーナツ状リング)と、単相負荷電流を計測する巻線形CTを見間違えないようにしましょう。
出題の前提:平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分) 問23
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
コンセントの刃受形状(単相250V 20A接地極付)
配線器具・材料 · コンセント形状 / 極配置 / 単相250V / 接地極付
定格電圧 250 V、定格電流 20 A の単相接地極付きコンセントの標準的な極配置はどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
JIS C 8303に規定される接地極付単相コンセントの極配置は、電圧と電流の誤挿入を防止するために形状が異なっています。125V系は縦平行刃受(15Aは縦平行、20Aは片側が横向きのT字または縦並び)、250V系は水平刃受(15Aは水平一直線のタンデム形、20Aは片側が水平で他方がエルボ形/L字形)となっています。
解き方
- 電圧が250Vであることから、電源刃受が横(水平)方向を基準とする形状であることを把握します。
- 電流が20Aであることから、片側がL字形(エルボ形)に曲がった刃受を持つロが該当すると判断します。
- 選択肢 イ不正解
- 2本の平行刃受と接地極の組み合わせは、最も一般的な125V 15A 接地極付コンセントであるため誤りです。
- 選択肢 ロ正解
- 片側がL字形刃受で他方が水平刃受、下部に接地極をもつ配置は単相250V 20A 接地極付の標準仕様であるため正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 縦平行刃受(長手方向が平行)と接地極の配置は125V 20A仕様等であるため誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 両方の刃受が水平一直線(タンデム形)になっているものは250V 15A 接地極付コンセントであるため誤りです。
覚えるポイント
- 250V 15A接地極付は横一文字(タンデム)、250V 20A接地極付は片側がL字形(エルボ)です。
間違えやすいところ
- 125V用(平行・縦向き基準)と250V用(横向き基準)を取り違えたり、15A用と20A用の形状変化を混同しないように注意しましょう。
出題の前提:平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分) 問24
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧ケーブルの半導電層の機能
配線材料・工具 · 高圧CVTケーブル / 半導電層 / 電界緩和
高圧架橋ポリエチレン絶縁ビニルシース電力ケーブル(高圧CVTケーブル)における「半導電層」の機能として,適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
高圧ケーブルでは高電圧が印加されるため、導体素線の凹凸や絶縁体外側の接地遮へい層との境界面に局所的な電界集中が生じると絶縁破壊の原因になります。導体と絶縁体の間(内部半導電層)および絶縁体と遮へい層の間(外部半導電層)に導電性のある半導電層を密着配置し、電位の傾きを均一に緩和します。
解き方
- 高圧CVTケーブルの構造(導体、内部半導電層、架橋ポリエチレン絶縁体、外部半導電層、遮へい銅テープ、シース)を確認する。
- 半導電層の主目的が導体表面および絶縁体表面の電界集中を緩和し電位傾度を均一にすることである点と各選択肢を照合する。
- 選択肢 イ正解
- 半導電層は絶縁体表面や導体表面の電界集中を緩和し、電位の傾きを均一にする役割を持ちます。
- 選択肢 ロ不正解
- 紫外線や機械的外傷から絶縁体を保護する役割は、最外層のビニルシース(外被)などが担います。
- 選択肢 ハ不正解
- 許容電流は主に導体断面積や周囲温度、許容最高温度によって定まるものであり、半導電層が直接増加させるものではありません。
- 選択肢 ニ不正解
- 高調波の抑制は交流回路の波形補正装置やフィルタなどで行うものであり、半導電層の機能ではありません。
覚えるポイント
- 半導電層は電界集中を緩和し、電位の傾きを均一にするための層である。
間違えやすいところ
- 外被(ビニルシース)の保護機能や遮へい銅テープの接地機能と役割を混同しないようにする。
出題の前提:電気設備技術基準の解釈、JIS C 3606(高圧架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル)に基づく出題。
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
配線材料の鑑別(ライティングダクト)
配線器具・材料 · ライティングダクト / ダクト工事 / 配線材料鑑別
写真に示す材料の名称として,適切なものはどれか。 (写真には、内部に銅等の導体帯が沿わされており、スポットライト等を任意の位置に接続して給電できる細長い開口構造のダクトが示されている。)
解答・解説を表示
解答
イ
解説
ライティングダクトは、開口溝の内側に絶縁支持された導体(銅等)が配置されており、専用のプラグや照明器具を任意の場所に差し込んで給電する配線材料です。店舗やギャラリー、オフィスなどで照明器具の位置変更を容易にするために広く用いられます。
解き方
- 写真の外観から、細長い形状で下部に長手方向の開口部があり、内部両側に導体(銅等)が露出して支持されている構造を確認する。
- 照明器具を直接取り付けて給電する「ライティングダクト」であることを特定し、他のバスダクトや線ぴと区別する。
- 選択肢 イ正解
- 写真の材料は照明器具を取り付けて電源供給を行うためのライティングダクトです。
- 選択肢 ロ不正解
- トロリーバスダクトは移動機器(ホイストやクレーン等)への給電に用いられる移動集電子用のバスダクトであり、形状が異なります。
- 選択肢 ハ不正解
- 二種金属製線ぴ(レースウェイ)は電線を収容して支持するための金属製トラフ状部材であり、直接導体が露出している構造ではありません。
- 選択肢 ニ不正解
- プラグインバスダクトは大電流幹線用の導体を金属ケースに収め、プラグインホールから分岐負荷を取り出すものであり、外観・規模が異なります。
覚えるポイント
- 長手方向に導体が配置され照明器具を脱着できるレール状の部材はライティングダクトである。
間違えやすいところ
- 移動集電用のトロリーダクトや幹線用のバスダクトと形状・用途を混同しないようにする。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第170条(ライティングダクト工事)およびJIS C 8366。
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
バスダクト工事の施工基準
電気工事施工方法 · バスダクト工事 / 展開した場所 / 接地工事の省略条件 / 支持点間距離
展開した場所におけるバスダクト工事に関する記述として,誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
バスダクト工事におけるダクトの接地工事は、使用電圧300V以下の場合はD種接地工事、300Vを超える場合はC種接地工事(接触防護措置を施す場合はD種接地工事に緩和可能)が必要です。300V以下であっても接地工事が省略できるのは乾燥した場所に施設する長さ8m以下のダクトなどの限定条件であり、接触防護措置だけでは省略できません。また、支持点間距離は原則3m以下(垂直は6m以下)です。
解き方
- バスダクト工事の接地規定(300V以下:D種、300V超:C種、接触防護措置でD種に緩和)を確認する。
- 接地省略規定の条件(乾燥した場所で長さ8m以下など)を確認し、接触防護措置のみで接地省略とされている選択肢ハが誤りであると判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 使用電圧300V超のダクトは原則C種接地工事ですが、接触防護措置を施した場合はD種接地工事に緩和できます。
- 選択肢 ロ不正解
- 湿気の多い場所に施設する場合は、屋外用バスダクトを使用し、内部に水が浸入して溜まらない構造とする必要があります。
- 選択肢 ハ正解
- 接触防護措置を施したことのみを理由としてバスダクトの接地工事を省略することは認められておらず誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- バスダクトの支持点間距離は原則として3m以下(堅ろうに取り付ける場合)であるため、2mとする施工は適合しています。
覚えるポイント
- バスダクトの接地工事は300V超ならC種(接触防護措置でD種)、300V以下ならD種。省略は乾燥場所かつ8m以下。
間違えやすいところ
- 金属管工事の接地省略条件(乾燥場所・管長4m以下、または直流300V以下・交流対地電圧150V以下で管長8m以下)や防護措置による省略と混同しやすい。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第165条(バスダクト工事)第1項および第2項。
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
400V点検できない隠ぺい場所の配線工事
電気工事施工方法 · 配線工事の種類と施工場所 / 点検できない隠ぺい場所 / 低圧400V配線
点検できない隠ぺい場所において,使用電圧 400 V の低圧屋内配線工事を行う場合,不適切な工事方法はどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
電気設備の技術基準の解釈において、点検できない隠ぺい場所(壁内、天井裏で点検口がない場所など)で施工できる工事方法は、合成樹脂管工事、金属管工事、2種金属製可とう電線管工事、ケーブル工事などに限られます。金属ダクト工事やバスダクト工事、ライティングダクト工事は点検できない隠ぺい場所には施設できません。
解き方
- 低圧屋内配線工事の場所ごとの施設可否表(電気設備の技術基準の解釈 第156条等)を確認する。
- 「点検できない隠ぺい場所」において金属ダクト工事が施工不可であることを判定する。
- 選択肢 イ不正解
- 合成樹脂管工事は、点検できない隠ぺい場所(乾燥・湿気問わず)で使用電圧に関係なく施設可能です。
- 選択肢 ロ正解
- 金属ダクト工事は点検できない隠ぺい場所には施設することが認められていないため不適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- 金属管工事は、点検できない隠ぺい場所であっても使用電圧400Vを含めて安全に施工可能です。
- 選択肢 ニ不正解
- ケーブル工事は、点検できない隠ぺい場所(コンクリート直埋設等を除く通常の隠ぺい場所)に施設可能です。
覚えるポイント
- 金属ダクト工事・バスダクト工事・ライティングダクト工事は「点検できない隠ぺい場所」に施工不可。
間違えやすいところ
- 金属管工事と金属ダクト工事を混同しない。金属管は点検不可隠ぺいOKだが、ダクトは不可。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第156条(低圧屋内配線の施設場所等の制限)、第162条(金属ダクト工事)。
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp)
アクセスフロア内の低圧屋内配線
電気工事施工方法 · アクセスフロア / OAフロア / ケーブル工事 / 内線規程
アクセスフロア(二重床)内の低圧屋内配線等に関する記述として,不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
アクセスフロア(二重床)内の配線は、点検できる隠ぺい場所に準じた取扱いがなされます。ケーブル配線ではビニル外装ケーブルのほか耐燃性ポリエチレンシースケーブル等も使用可能であり、金属管・合成樹脂管に収める配線も認められます。また、弱電流電線との接触防止(セパレータ等の設置)、貫通部の電線防護、分電盤の床上壁面設置(保守点検の確保)が要求されます。
解き方
- アクセスフロア内配線の電線選定・施工基準(ケーブルの種類、防護措置、離隔等)を確認する。
- 選択肢イの「ビニル外装ケーブル以外の電線を使用できない」という極端な限定が技術基準・内線規程に反していることを見抜く。
- 選択肢 イ正解
- アクセスフロア内ではポリエチレン外装ケーブルや電線管に収めた電線等も使用可能であり、ビニル外装に限定されません。
- 選択肢 ロ不正解
- フロアパネルを貫通して移動電線を取り出す部分は、電線が損傷しないようブッシング等の保護処置を講じる必要があります。
- 選択肢 ハ不正解
- フロア内において強電流電線と弱電流電線が同一空間を通る場合、混触防止のためセパレータや離隔による防護措置が必要です。
- 選択肢 ニ不正解
- 分電盤は操作や保守点検を容易かつ安全に行うため、原則としてアクセスフロア内(床下)には施設しません。
覚えるポイント
- アクセスフロア内配線にはビニル外装ケーブル以外(ポリエチレン外装等)も使用可能である。
間違えやすいところ
- 「ビニル外装ケーブル以外使用できない」といった一種類の被覆に限定する文言を正しいと思い込まないように注意する。
出題の前提:内線規程 第3165節(アクセスフロア内の施設)および電気設備の技術基準の解釈 第168条。
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp)
引込柱のケーブル終端接続部の名称
配線設計・機器選定 · ケーブル終端接続部 / 耐塩害形 / キュービクル見取図
自家用電気工作物(500 kW 未満)の施設見取図において,引込柱の①で示すケーブル終端接続部(拡大図に笠状のヒダが複数設けられた屋外用終端部)の名称として,正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
架空配電線路から自家用構内柱へ高圧ケーブルを立ち上げる屋外終端接続部には、屋外の気象条件に耐える端末処理部材が用いられます。特に拡大図に示されているように、多数の深い笠が配置され漏洩沿面距離を大幅に延長した構造のものは「耐塩害屋外終端接続部」と呼ばれ、海岸地域等での塩害事故を防止します。
解き方
- 見取図の①拡大図に描かれた高圧ケーブル屋外端末処理部の外観・構造(深い複数の笠状ヒダ)を確認する。
- 屋外用かつ沿面距離を長く取った「耐塩害屋外終端接続部」に合致することを選択肢から選定する。
- 選択肢 イ不正解
- テープ巻形は絶縁テープを巻き重ねて施工する形式で、図のようなプレハブ型の深い笠を持つ外観ではありません。
- 選択肢 ロ不正解
- 一般的なゴムストレスコーン形屋外終端接続部は笠の数が少なく、図のような多重の深い笠を持つ耐塩害形とは区別されます。
- 選択肢 ハ不正解
- ゴムとう管形はゴム製の套管を被せるタイプですが、図の拡大図に示された形状は耐塩害屋外終端接続部の典型例です。
- 選択肢 ニ正解
- 沿面漏洩距離を確保するための多数の深いヒダ(笠)を備えており、「耐塩害屋外終端接続部」が正しい名称です。
覚えるポイント
- 引込柱の屋外端末で深い多数の笠状ヒダを持つ端末処理部は耐塩害屋外終端接続部である。
間違えやすいところ
- 屋内用終端接続部(笠がない形状)や一般屋外用終端部(笠が少ない形状)と混同しないようにする。
出題の前提:高圧受電設備規程、JIS C 2808(電力ケーブル用接続部通則)。
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧ケーブルの太さ検討時に不要な事項
配線設計・機器選定 · 高圧ケーブル / 電線の太さ選定 / 短絡電流 / 地絡電流
自家用電気工作物の施設見取図において,②に示す高圧ケーブル(6 kV CVTケーブル)の太さを検討する場合に必要のない事項はどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
高圧ケーブルの導体サイズの決定要因は、①常時負荷電流に対する連続許容電流、②短絡事故時に遮断器が保護動作するまでに流れる大電流による温度上昇に耐える短時間耐電流(短絡容量・短絡電流に基づく計算)、③電圧降下などです。一般の高圧電路(非接地方式等)の地絡電流は数十アンペア以下と小さく、主導体の太さを決定する要因にはなりません(遮へい銅テープの検討や地絡継電器の設定には関係します)。
解き方
- ケーブルの導体断面積を決定する条件(連続許容電流、短絡時の短時間耐電流、短絡電流値、電圧降下)を列挙する。
- 短絡電流に対して地絡電流は微小であり導体の太さ算定に影響しないことを確認して「ハ」を選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 通常時に流れる負荷電流に対してケーブルが過熱しないよう許容電流の検討は必須です。
- 選択肢 ロ不正解
- 短絡事故時の瞬時的な温度上昇に耐えられるか短時間耐電流の確認が必要です。
- 選択肢 ハ正解
- 高圧受電系統の地絡電流は小さいため、ケーブル主導体の太さ(断面積)選定の必要条件ではありません。
- 選択肢 ニ不正解
- 短絡時に発生する電路の短絡電流から短時間耐電流を満たす最小断面積を算出するため必須です。
覚えるポイント
- 高圧ケーブル導体の太さ選定に必要なのは「許容電流」「短絡電流」「短時間耐電流」であり、地絡電流は不要。
間違えやすいところ
- 短絡保護と地絡保護を混同し、地絡電流も主導体の太さ選定に必要と誤認しやすい点に注意する。
出題の前提:高圧受電設備規程、内線規程第1300節(電線の選定)。
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp)
キュービクル引込口の防護理由
受電設備・保安管理 · 屋外キュービクル / ケーブル引込口 / 小動物進入防止
見取図の屋外キュービクル式高圧受電設備において,③に示すケーブル引込口などに必要以上の開口部を設けない主な理由として,適切なものはどれか。
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解答
ロ
解説
キュービクル式高圧受電設備において、外部からの小動物(ネズミ、イタチ、ヘビ等)の侵入は、母線や高圧機器の充電部への接触による短絡・地絡事故の主要原因となります。JIS C 4620(キュービクル式高圧受電設備)等では、ケーブル引込口等の開口部に隙間を作らない構造や、パテ・ブッシング等による閉塞措置を義務付けています。
解き方
- キュービクルの底面や配線貫通口(③)における開口部管理の保安上の目的を思い出す。
- 短絡・地絡事故防止のために「鳥獣類などの小動物の進入防止」が第一の理由であることを選択肢から特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 防水対策も重要ですが、底部の開口制限の主たる目的は水よりも小動物の侵入防止です。
- 選択肢 ロ正解
- ネズミやヘビ等の小動物が侵入して充電部に接触し、短絡や地絡事故を起こすのを防ぐことが主目的です。
- 選択肢 ハ不正解
- ケーブルの外傷防止にはブッシングや保護管を用いますが、開口部を最小限にする主目的ではありません。
- 選択肢 ニ不正解
- 開口部の制限は電気的事故防止のための侵入防止が主眼であり、底板の強度確保が主理由ではありません。
覚えるポイント
- キュービクルの貫通部・引込口を塞ぐ主目的は「小動物の侵入による短絡・地絡事故防止」である。
間違えやすいところ
- 雨水浸入防止や機械的強度と混同しやすいが、電気保安上最も警戒されるのは小動物接触による短絡事故である。
出題の前提:JIS C 4620(キュービクル式高圧受電設備)、高圧受電設備規程。
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp)
主遮断装置としての限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器の適用容量
配線図・高圧受電設備 · 受電設備容量 / 限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器(PF・S形) / 主遮断装置
自家用電気工作物(500 kW未満)の引込図において、④に示す高圧受電盤内の主遮断装置に限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器(PF付LBS)を使用できる受電設備容量の限度(最大値)として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
キュービクル式受電設備等の主遮断装置には遮断器(CB形)または限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器(PF・S形)が用いられます。PF・S形は受電設備容量が300 kV・A以下の場合に主遮断装置として適用が認められています。
解き方
- 受電設備の主遮断装置として限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器(PF付LBS)を採用できる設備容量の適用基準を確認します。
- 電気設備技術基準の解釈や内線規程・高圧受電設備規程に基づき、PF・S形主遮断方式の上限値が300 kV・Aであることを特定します。
- 選択肢 イ不正解
- 受電設備容量の基準値は300 kV・Aであり、200 kWではありません。
- 選択肢 ロ不正解
- 受電設備容量の単位は皮革電力であるkV・Aで表され、300 kWではありません。
- 選択肢 ハ正解
- 高圧受電設備の主遮断装置に限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器(PF・S形)を使用できる受電設備容量の上限値は300 kV・Aです。
- 選択肢 ニ不正解
- 500 kV・Aの受電設備容量ではPF・S形主遮断装置は適用できず、高圧遮断器(CB)を設置する必要があります。
覚えるポイント
- PF・S形の適用上限容量は300 kV・A以下(CB形は300 kV・A超でも使用可能)
間違えやすいところ
- 単位をkW(有効電力)と混同して誤って選んでしまうこと
出題の前提:高圧受電設備規程および電気設備の技術基準の解釈
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp)
自家用受電設備の定期点検における実施項目
検査・点検 · 定期点検 / 受電設備保守 / 試験項目
⑤に示す屋外キュービクル式受電設備の維持管理に必要な定期点検において、通常実施しない点検項目はどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
受電設備の定期点検(保安規程に基づく年次点検等)では、目視点検に加えて絶縁抵抗測定、接地抵抗測定、保護継電器の連動・動作特性試験などを実施します。一方、規定高電圧を連続印加する絶縁耐力試験は竣工時試験であり、通常点検では機器劣化を招く恐れがあるため行いません。
解き方
- 自家用電気工作物の定期点検(年次点検)で通常実施される試験項目(絶縁抵抗測定、接地抵抗測定、継電器試験)を整理します。
- 竣工検査でのみ必須とされ、定期点検では通常適用されない破壊的試験である絶縁耐力試験を不実施項目として判断します。
- 選択肢 イ不正解
- 接地抵抗の測定は、A種からD種接地極の性能維持を確認するため定期点検で毎回実施されます。
- 選択肢 ロ不正解
- 電路および機器の絶縁状態を把握するために、定期点検における絶縁抵抗測定は必須項目です。
- 選択肢 ハ不正解
- 過電流継電器や地絡継電器が事故時に確実に動作するか確認する保護継電器試験は定期点検で行われます。
- 選択肢 ニ正解
- 絶縁耐力試験は新設・改造時の耐電圧性能を確認する試験であり、通常の定期点検では実施しません。
覚えるポイント
- 絶縁耐力試験は竣工検査(工事完成時)の項目で、定期点検では通常実施しない
間違えやすいところ
- 絶縁抵抗測定と絶縁耐力試験の名称が似ているため混同すること
出題の前提:電気関係報告規則、電気事業法に基づく保安規程点検項目
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧電路の絶縁耐力試験の実施方法
検査・点検 · 絶縁耐力試験 / 試験電圧 / 直流耐圧試験 / 変圧器試験
高圧電路の絶縁耐力試験の実施方法に関する記述として、不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
最大使用電圧が7 kV以下の高圧電路の絶縁耐力試験では、交流試験電圧として最大使用電圧の1.5倍の電圧を10分間印加します。ケーブル等で直流試験電圧を用いる場合は、交流試験電圧の2倍(最大使用電圧の3倍)の電圧を10分間印加する必要があります。
解き方
- 最大使用電圧6.9 kVに対する交流絶縁耐力試験電圧を計算します:6.9 kV × 1.5 = 10.35 kV。
- 直流で実施する場合の試験電圧要件(交流試験電圧の2倍=20.7 kV)を確認し、記述の10.35 kVが不適切であると判定します。
- 選択肢 イ正解
- 直流試験電圧は交流試験電圧(10.35 kV)の2倍である20.7 kVとする必要があるため、この記述は誤り(不適切)です。
- 選択肢 ロ不正解
- 耐力試験中に停電等で中断した場合は、リセットして最初から連続10分間印加し直すため適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- 一方の巻線に試験電圧を印加する際、他方の巻線は一括して接地して誘導電圧による絶縁破壊を防ぐため適切です。
- 選択肢 ニ不正解
- 耐力試験の前後に高圧用の1000 V絶縁抵抗計で絶縁抵抗を測定し、絶縁不良がないことを確認するため適切です。
覚えるポイント
- 7 kV以下の高圧電路耐圧試験:交流は最大使用電圧の1.5倍、直流は交流試験電圧の2倍(最大使用電圧の3倍)
間違えやすいところ
- 直流耐力試験の電圧が交流耐力試験電圧の2倍であることを忘れ、交流の式(1.5倍)をそのまま適用してしまうこと
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第15条(機械器具等の電路の絶縁性能)
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp)
低圧電路の絶縁抵抗の最小限度値
配線設計・電気設備基準 · 低圧電路 / 絶縁抵抗値 / 対地電圧 / 技術基準
電気使用場所における対地電圧が200 Vの三相3線式電路において、開閉器又は過電流遮断器で区切ることのできる電路ごとに要求される、電線相互間及び電路と大地との間の絶縁抵抗の最小限度値[MΩ]はどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
電気設備の技術基準の解釈第58条において、低圧電路の絶縁抵抗値は以下のように定められています。 1. 対地電圧150 V以下:0.1 MΩ以上 2. 対地電圧150 V超 300 V以下:0.2 MΩ以上 3. 使用電圧300 V超:0.4 MΩ以上 本問の電路は対地電圧200 V(150 V超300 V以下)であるため、0.2 MΩ以上となります。
解き方
- 問題文に示された電路の対地電圧が「200 V」であることを確認します。
- 対地電圧の区分(150 V以下:0.1 MΩ、150 V超300 V以下:0.2 MΩ、その他:0.4 MΩ)に当てはめ、0.2 MΩを特定します。
- 選択肢 イ不正解
- 0.1 MΩは対地電圧が150 V以下の電路に適用される基準です。
- 選択肢 ロ正解
- 対地電圧が150 Vを超え300 V以下の場合の絶縁抵抗の最小限度値は0.2 MΩです。
- 選択肢 ハ不正解
- 0.4 MΩは使用電圧が300 Vを超える低圧電路(400 V級回路など)に適用される基準です。
- 選択肢 ニ不正解
- 1.0 MΩは新設時の目安値などで使われることがありますが、技術基準に定める最小限度値ではありません。
覚えるポイント
- 低圧の絶縁抵抗基準:対地電圧150V以下は0.1MΩ、150V超300V以下は0.2MΩ、300V超は0.4MΩ
間違えやすいところ
- 対地電圧150 V以下の0.1 MΩや、400 V系の0.4 MΩと数値を混同すること
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第58条(低圧電路の絶縁性能)
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp)
電路・機器の接地工事の種類
接地工事 · D種接地工事 / 計器用変成器 / 変圧器中性点 / 高圧機器接地
自家用電気工作物として施設する電路又は機器について、D種接地工事を施さなければならないものはどれか。
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解答
ニ
解説
機器および電路の接地区分: ・高圧機器の外箱や鉄心:A種接地工事 ・300 Vを超える低圧機器の鉄台・金属製外箱:C種接地工事 ・変圧器の低圧側中性点(または1端子):B種接地工事 ・高圧計器用変成器の二次側電路:D種接地工事(特別高圧計器用変成器の二次側はA種接地工事)
解き方
- 各選択肢に示された設備・電路の接地工事の種類を整理します。
- 高圧計器用変成器の二次側電路がD種接地工事の対象であることを特定します。
- 選択肢 イ不正解
- 高圧電路に施設する変圧器の鉄心や外箱には、A種接地工事を施す必要があります。
- 選択肢 ロ不正解
- 300 Vを超える低圧(400 V)の電動機の鉄台や外箱には、C種接地工事を施す必要があります。
- 選択肢 ハ不正解
- 変圧器の高低圧混触防止のための低圧側中性点(端子)には、B種接地工事を施す必要があります。
- 選択肢 ニ正解
- 高圧の計器用変成器(VT、CT)の二次側電路には、D種接地工事を施さなければなりません。
覚えるポイント
- 計器用変成器の二次側接地:高圧用はD種接地工事、特別高圧用はA種接地工事
間違えやすいところ
- 400 V機器のC種接地や、高圧機器のA種接地と混同すること
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第28条(計器用変成器の二次側電路の接地)等
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
登録電気工事業者の営業所に置く主任電気工事士の要件
関係法令 · 電気工事業法 / 主任電気工事士 / 営業所要件
電気工事業の業務の適正化に関する法律において、登録電気工事業者が一般用電気工作物に係る電気工事の業務を行う営業所ごとに置かなければならない「主任電気工事士」の要件として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
電気工事業法第19条により、登録電気工事業者の営業所に置く主任電気工事士は、第一種電気工事士であるか、第二種電気工事士免状の交付を受けた後3年以上の実務経験を有する者でなければなりません。第一種電気工事士免状保持者は実務経験年数の追加要件なしで主任電気工事士になれます。
解き方
- 電気工事業法に定められた主任電気工事士の資格要件(第一種電気工事士、または第二種電気工事士+実務経験3年以上)を確認します。
- 各選択肢を照合し、第一種電気工事士免状の交付を受けている者が正解であることを特定します。
- 選択肢 イ不正解
- 認定電気工事従事者は主任電気工事士の要件には該当しません。
- 選択肢 ロ不正解
- 第二種電気工事士が主任電気工事士となるには、免状取得後「3年以上」の実務経験が必要です(2年では不足)。
- 選択肢 ハ正解
- 第一種電気工事士免状の交付を受けている者は、実務経験年数を問わず直ちに主任電気工事士の要件を満たします。
- 選択肢 ニ不正解
- 電気主任技術者免状のみでは主任電気工事士になることはできません。
覚えるポイント
- 主任電気工事士の要件:第一種電気工事士、または第二種電気工事士免状取得後3年以上の実務経験
間違えやすいところ
- 第二種電気工事士の実務経験年数を「3年」ではなく「2年」や「5年」と誤認すること
出題の前提:電気工事業の業務の適正化に関する法律 第19条
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
第一種電気工事士の資格と作業範囲・義務
関係法令 · 電気工事士法 / 第一種電気工事士 / 特種電気工事資格者 / 定期講習
電気工事士法における、第一種電気工事士に関する記述として、誤っているものはどれか。
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解答
ニ
解説
第一種電気工事士は、一般用電気工作物および最大電力500 kW未満の自家用電気工作物の作業に従事できます。ただし、特種電気工事(「ネオン工事」および「非常用予備発電装置工事」)は特種電気工事資格者でなければ従事できません。また、免状携帯義務や5年ごとの定期講習受講義務が課されています。
解き方
- 第一種電気工事士の作業範囲の例外(ネオン工事・非常用予備発電装置工事などの特種電気工事)を想起します。
- 非常用予備発電装置工事には特種電気工事資格者が必要であるため、第一種電気工事士資格のみでは従事できないと判断します。
- 選択肢 イ不正解
- 第一種電気工事士は試験合格に加え、所定の実務経験年数を満たさなければ免状が交付されないため記述は正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- 電気工事士法により、電気工事の作業に従事する際は免状を携帯する義務があるため記述は正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 免状交付日(または前回講習受講日)から5年以内に定期講習を受ける義務があるため記述は正しいです。
- 選択肢 ニ正解
- 非常用予備発電装置工事は特種電気工事であり、特種電気工事資格者証が必要となるため、第一種電気工事士のみでは従事できず誤り(不適切)です。
覚えるポイント
- 特種電気工事(非常用予備発電装置工事・ネオン工事)は特種電気工事資格者が必要
間違えやすいところ
- 第一種電気工事士であれば500 kW未満の自家用受電設備の全ての工事ができると思い込んでしまうこと
出題の前提:電気工事士法 第3条、第4条、第5条の2
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
電気設備技術基準における電圧の区分(高圧)
配線設計・電気設備基準 · 電圧区分 / 高圧の範囲 / 交流電圧
電気設備に関する技術基準を定める省令において、交流電圧の「高圧」の範囲として、正しいものはどれか。
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解答
イ
解説
電圧の区分(電気設備に関する技術基準を定める省令第2条): ・低圧:直流は750 V以下、交流は600 V以下 ・高圧:直流は750 Vを超え7000 V以下、交流は600 Vを超え7000 V以下 ・特別高圧:直流・交流ともに7000 Vを超えるもの
解き方
- 低圧・高圧・特別高圧の区分基準を確認します。
- 交流電圧における低圧上限(600 V)と特別高圧下限(7 000 V)から、高圧の範囲を「600 Vを超え7 000 V以下」と決定します。
- 選択肢 イ正解
- 交流の高圧は「600 Vを超え7 000 V以下」と規定されているため正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- 750 Vを超える区分は「直流」の高圧範囲です。
- 選択肢 ハ不正解
- 高圧の上限は10 000 Vではなく7 000 Vです。
- 選択肢 ニ不正解
- 下限750 Vは直流の基準であり、上限10 000 Vも誤りです。
覚えるポイント
- 交流:低圧は600V以下、高圧は600V超7000V以下、特高は7000V超
- 直流:低圧は750V以下、高圧は750V超7000V以下、特高は7000V超
間違えやすいところ
- 直流(750 V)と交流(600 V)の低圧と高圧の境界値を混同すること
出題の前提:電気設備に関する技術基準を定める省令 第2条(電圧の種別等)
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧受電設備における零相変流器の機能
配線図 · 高圧受電設備 / 受電機器 / ZCT
高圧受電設備の単線結線図において、①で示す引き込み開閉器(PAS)内部の丸印で表された機器の機能に関する記述として、正しいものはどれか。
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解答
ニ
解説
零相変流器(ZCT)は三相電線を一括して環状の鉄心に通すことで、正常時の平衡状態では磁束を打ち消し合ってゼロとし、電路で地絡事故が発生した際に生じる不平衡な零相電流を検出する機器です。
解き方
- 単線結線図の引き込み開閉器(PAS)周辺にある①の丸印記号が零相変流器(ZCT)であることを確認する。
- ZCTの機能が地絡事故時の零相電流の検出であることを導き、該当する選択肢を選ぶ。
- 選択肢 イ不正解
- 零相電圧を検出する機器は零相変圧器(ZVT)や接地形計器用変圧器(EVT)であり、①のZCTの機能ではありません。
- 選択肢 ロ不正解
- 異常電圧を検出・抑制する機器としては避雷器(LA)や過電圧継電器(OVR)などがありますが、①の機器には該当しません。
- 選択肢 ハ不正解
- 短絡電流の検出には一般に変流器(CT)と過電流継電器(OCR)の組み合わせが用いられます。
- 選択肢 ニ正解
- ①は零相変流器(ZCT)を示しており、電路に生じる零相電流を検出して地絡継電器へ信号を送ります。
覚えるポイント
- ZCT(零相変流器)は地絡事故時の零相電流を検出する機器です。
間違えやすいところ
- 零相電圧を検出するZVTやEVTと、零相電流を検出するZCTを混同しないように注意が必要です。
出題の前提:高圧受電設備規程および配線図記号(JIS C 0617規格)
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp)
保護継電器の図記号
配線図 · 配線図記号 / 保護継電器 / DGR
高圧受電設備の単線結線図において、引き込み開閉器のZCTからの信号を受けて動作する②の位置に設置する機器の図記号として、正しいものはどれか。
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解答
ロ
解説
高圧受電設備の引き込み口に設置されるGR付PASには、もらい事故を防止するために事故の方向を判別できる地絡方向継電器(DGR)が多く用いられます。図記号では地絡を表す記号に方向性を示す矢印が付加されます。
解き方
- 単線結線図の②が引き込み用PASと連動する地絡方向継電器(DGR)であることを把握する。
- 地絡を表す電流不等号記号に方向性を示す矢印が加わったDGRの図記号である「ロ」を選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 方向判別機能のない地絡過電流継電器(GR)の図記号であり、DGRを示す記号としては不適切です。
- 選択肢 ロ正解
- 地絡電流の不等号記号に方向を示す矢印が付加された地絡方向継電器(DGR)の正しい図記号です。
- 選択肢 ハ不正解
- 不等号が逆向きの不足電流継電器(UCR)を示す図記号であり、不適切です。
- 選択肢 ニ不正解
- 過電流継電器(OCR)を示す図記号であり、地絡保護を行う②には該当しません。
覚えるポイント
- DGRの図記号は地絡電流記号に方向性を表す矢印が付加されたものです。
間違えやすいところ
- 方向性を持たないGRの図記号と方向性を持つDGRの図記号を見落として混同しないようにします。
出題の前提:JIS C 0617電気用図記号
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp)
電力需給用計器用変成器の略号
配線図 · 高圧受電設備 / 機器略号 / VCT
高圧受電設備の単線結線図において、電力量計(Wh)に接続されている③で示す機器の略号として、正しいものはどれか。
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解答
イ
解説
高圧電路の電力量を計測するために、計器用変圧器(VT)と変流器(CT)を1つの油入またはモールド外箱に収めた装置を電力需給用計器用変成器(VCT)と呼びます。
解き方
- 単線結線図の③が受電点直後で電力量計(Wh)に接続されている計器用変成器であることを読み取る。
- 電力需給用計器用変成器の英語略号がVCT(Voltage and Current Transformer)であることを特定する。
- 選択肢 イ正解
- ③は電力需給用計器用変成器であり、その英語略号はVCTです。
- 選択肢 ロ不正解
- LBSは高圧交流負荷開閉器(Load Break Switch)の略号であり、計器用変成器ではありません。
- 選択肢 ハ不正解
- VCBは真空遮断器(Vacuum Circuit Breaker)の略号であり、主遮断装置等に使用されます。
- 選択肢 ニ不正解
- UVRは不足電圧継電器(Under Voltage Relay)の略号であり、保護継電器の一種です。
覚えるポイント
- 電力量計(Wh)に接続される計器用変成器はVCT(電力需給用計器用変成器)です。
間違えやすいところ
- 主遮断器であるVCBや開閉器のLBSなどの類似略号と取り違えないように注意が必要です。
出題の前提:高圧受電設備規程および配線図用機器略号
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧断路器(DS)の特徴と機能
配線図 · 断路器 / DS / 機器特性
高圧受電設備の単線結線図において、④で示す機器(DS)に関する記述として、正しいものはどれか。
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解答
イ
解説
断路器(DS)は機器の点検・修理時に電路を系統から確実に切り離して安全を確保する目的で設置されます。アークを消弧する構造を持たないため、負荷電流の遮断は禁止されています。
解き方
- 単線結線図の④が主遮断器の電源側に設けられた高圧断路器(DS)であることを確認する。
- 断路器には消弧能力がなく、無負荷状態でのみ開閉が可能(負荷電流を遮断してはならない)という基本原則を適用する。
- 選択肢 イ正解
- 断路器はアーク消弧能力を持たないため、負荷電流が流れている状態で開閉してはなりません。
- 選択肢 ロ不正解
- 過負荷電流や短絡電流を自動遮断できるのは遮断器(VCB等)の役割です。
- 選択肢 ハ不正解
- 過負荷電流を遮断できるのは負荷開閉器(LBS)等であり、断路器は過負荷電流も遮断できません。
- 選択肢 ニ不正解
- 地絡事故を自動遮断する機能は持っていません。
覚えるポイント
- 断路器(DS)は消弧能力がないため無負荷状態で開閉し、負荷電流の遮断は禁止です。
間違えやすいところ
- 負荷電流を開閉できる負荷開閉器(LBS)や事故電流を遮断できる遮断器(CB)と役割を混同しないようにします。
出題の前提:電気設備技術基準の解釈および高圧受電設備規程
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp)
主遮断器(真空遮断器 VCB)の外観識別
配線図 · 機器外観 / 高圧遮断器 / VCB
高圧受電設備の単線結線図において、過電流継電器(OCR)と連動する主遮断装置である⑤の位置に設置する機器の外観写真として、適切なものはどれか。
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解答
ニ
解説
高圧受電設備の主受電回路で事故電流を遮断する装置には高圧真空遮断器(VCB)が広く用いられます。真空バルブを内蔵したボックス状の頑丈な外観構造を持ちます。
解き方
- 単線結線図の⑤が過電流継電器(OCR)からのトリップ信号線と連動した主遮断器(VCB)であることを読み取る。
- 選択肢の写真から、真空バルブおよび操作機構部を備えた真空遮断器(VCB)である「ニ」を識別する。
- 選択肢 イ不正解
- 写真は限流ヒューズ付き高圧交流負荷開閉器(LBS)であり、⑤の真空遮断器ではありません。
- 選択肢 ロ不正解
- 写真は柱上などに設置される気中負荷開閉器(PAS)の外観です。
- 選択肢 ハ不正解
- 写真は高圧断路器(DS)の外観であり、⑤の主遮断器ではありません。
- 選択肢 ニ正解
- 写真は高圧受電盤内に設置される真空遮断器(VCB)の外観です。
覚えるポイント
- 真空遮断器(VCB)は角型の頑丈な筐体と上部に真空バルブ端子を備えた形状が特徴です。
間違えやすいところ
- ヒューズが並んでいるLBSや刃状の導体が見えるDSと写真の外観を取り違えないようにします。
出題の前提:高圧受電設備機器の構造と外観基準
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp)
計器用変圧器(VT)の接地工事種別
配線図 · 接地工事 / 計器用変成器 / 図記号
高圧受電設備の単線結線図において、計器用変圧器(VT)の外箱接地を示す6a、およびVTの二次側電路接地を示す6bに入る図記号の組合せとして、正しいものはどれか。
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解答
ロ
解説
電気設備の技術基準の解釈において、高圧電路に施設する機械器具の金属製外箱にはA種接地工事が義務付けられています。一方、高圧用計器用変成器(VTやCT)の二次側電路には混触による危険防止のためD種接地工事を施す必要があります。
解き方
- 6aは計器用変圧器(高圧機器)の金属製外箱の接地であるため、A種接地工事(EA)であることを特定する。
- 6bは計器用変圧器の二次側電路の接地であるため、D種接地工事(ED)であることを特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 6bの二次側電路接地はD種接地工事(ED)であり、一般の変圧器低圧側に施すB種接地(EB)ではありません。
- 選択肢 ロ正解
- 高圧機器外箱のA種接地工事(EA)と計器用変成器二次側のD種接地工事(ED)の正しい組み合わせです。
- 選択肢 ハ不正解
- 高圧機器の外箱である6aにはA種接地(EA)が必要であり、D種接地では不十分です。
- 選択肢 ニ不正解
- 外箱接地(6a)がA種、二次側電路接地(6b)がD種であり、記号が逆になっています。
覚えるポイント
- 高圧機器の外箱はA種接地工事(EA)、高圧計器用変成器の二次側電路はD種接地工事(ED)です。
間違えやすいところ
- 動力用変圧器二次側のB種接地工事(EB)と、計器用変成器二次側のD種接地工事(ED)を混同しないようにします。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第28条および第29条
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp)
計器用変成器に接続される測定計器の図記号
配線図 · 配線図記号 / 計器 / VT・CT接続
高圧受電設備の単線結線図において、VT(計器用変圧器)二次側およびCT(変流器)二次側の双方から信号が引き込まれている⑦の部分に設置する計器の図記号の組合せとして、正しいものはどれか。
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解答
ハ
解説
受電盤内の各種計器において、電圧計(V)や周波数計(Hz)は電圧(VT)のみで測定できます。一方、電力計(W)、無効電力計(var)、力率計(cosφ)は電圧と電流の両方を入力して演算を行うため、VTとCTの双方に接続されます。
解き方
- 単線結線図の⑦への配線を確認すると、VTの二次回路(電圧)とCTの二次回路(電流)の双方が接続されていることを読み取る。
- 電圧と電流の両方の入力を必要とする計器の組み合わせが電力計(W)と力率計(cosφ)であると判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 周波数計(Hz)はVTからの電圧入力のみで動作するため、CTからの入力を必要とする⑦には該当しません。
- 選択肢 ロ不正解
- 電圧計(V)はVTのみに接続され、また受電電力量計(Wh)はVCT二次側に別途設置されています。
- 選択肢 ハ正解
- 電力計(W)および力率計(cosφ)はいずれも電圧と電流の双方の入力を必要とするため適切です。
- 選択肢 ニ不正解
- 周波数計(Hz)は電圧入力のみで動作するため不適切です。
覚えるポイント
- 電力計(W)、無効電力計(var)、力率計(cosφ)はVTとCTの両方に接続されます。
間違えやすいところ
- 電圧計や周波数計のようにVTのみに接続される計器を選ばないように接続ラインを確認します。
出題の前提:高圧受電設備規程および電気計測器の接続基準
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧カットアウト(PC)用ヒューズの識別
配線図 · プライマリカットアウト / ヒューズリンク / 器具識別
高圧受電設備の単線結線図において、変圧器一次側に設けられた高圧カットアウト(PC)である⑧の機器で使用するヒューズの外観写真として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
高圧カットアウト(PC)は小容量の変圧器や進相コンデンサの一次側保護に用いられる開閉器であり、その開閉器内部のヒューズ筒には交換可能な専用の「ヒューズリンク」を挿入して使用します。
解き方
- 単線結線図の⑧が記号PC(プライマリカットアウトスイッチ/高圧カットアウト)であることを確認する。
- 選択肢の写真から高圧カットアウトに装填する専用のヒューズリンクである「イ」を特定する。
- 選択肢 イ正解
- 高圧カットアウト(PC)のヒューズ筒内に装着して使用する専用のヒューズリンクです。
- 選択肢 ロ不正解
- ねじ込み式のプラグヒューズであり、高圧カットアウトには使用しません。
- 選択肢 ハ不正解
- 高圧交流負荷開閉器(LBS)等に用いられる大型の筒形限流ヒューズ(PF)です。
- 選択肢 ニ不正解
- 低圧のカットアウトスイッチ等に用いられる板状のつめ付ヒューズです。
覚えるポイント
- 高圧カットアウト(PC)に装填するヒューズはヒューズリンク(可融体リード線付き)です。
間違えやすいところ
- LBSに用いられる大形の限流ヒューズ(ハ)や低圧用のつめ付ヒューズ(ニ)と混同しないようにします。
出題の前提:高圧受電設備規程および配線器具規格
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧受電設備における変圧器一次側高圧カットアウトの適用容量
配線図 · 高圧カットアウト / 変圧器容量 / 受電設備容量制限
高圧受電設備の単線結線図において、⑧の高圧カットアウト(PC)の二次側に接続される⑨の部分に使用できる変圧器の最大容量[kV・A]として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
高圧受電設備規程において、変圧器の一次側に設ける高圧カットアウト(PC)は、遮断容量や開閉能力の制約から、適用できる変圧器容量の上限が単相・三相ともに300 kV・A以下と定められています。
解き方
- 単線結線図から変圧器⑨の一次側に設置されている保護開閉機器が⑧の「PC(高圧カットアウト)」であることを読み取る。
- 高圧カットアウトを一次側に設置できる変圧器の最大容量が300 kV・A以下であるという規程を適用して選択肢を特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 50 kV・Aは高圧カットアウトの適用上限値ではなく、規定上はより大きな容量まで設置可能です。
- 選択肢 ロ不正解
- 100 kV・Aは一部の制限事項等と混同しやすい数値ですが、PC適用上限の容量ではありません。
- 選択肢 ハ不正解
- 200 kV・Aは高圧カットアウトが適用可能な変圧器の最大容量ではありません。
- 選択肢 ニ正解
- 高圧カットアウト(PC)を変圧器一次側に施設できる変圧器容量の最大値は300 kV・Aであるため正しいです。
覚えるポイント
- 高圧カットアウト(PC)を変圧器一次側に施設できる変圧器容量の上限は単相・三相ともに300 kV・Aです。
間違えやすいところ
- PF・S形主遮断装置としての限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器(LBS)の適用受電容量上限(300 kV・A)と混同しないように整理して覚える必要があります。
出題の前提:高圧受電設備規程・内線規程
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧受電設備の結線図に基づく変圧器の外観と台数の選定
配線図 · 変圧器 / Δ-Δ結線 / 高圧受電設備機器写真
高圧受電設備の単線結線図において、⑩に設置する機器の外観写真および台数の組合せとして、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
変圧器の外観において、高圧側ブッシング(端子)が2本のものは単相変圧器、3本のものは三相変圧器です。単線結線図で単相変圧器シンボルに三相結線(Δ-Δ)が指定されている場合、単相変圧器3台を組み合わせて三相バンクを構成します。
解き方
- 単線結線図⑩の変圧器記号が単相変圧器をベースに「Δ-Δ」結線表記を持つことから、単相変圧器3台による三相バンク構成であることを読み取る。
- 掲載された機器写真の高圧側ブッシングの本数を確認し、ブッシングが2本ある単相変圧器で台数が「(3台)」となっている選択肢イを選ぶ。
- 選択肢 イ正解
- 高圧側ブッシングが2本の単相変圧器であり、3台で三相Δ-Δ結線を構成するため適切です。
- 選択肢 ロ不正解
- 写真は高圧側ブッシングが3本ある三相変圧器であり、これを3台使用する結線構成ではありません。
- 選択肢 ハ不正解
- 写真は単相変圧器ですが、1台のみでは三相Δ-Δ結線を構成することができません。
- 選択肢 ニ不正解
- 写真は三相変圧器1台ですが、配線図は単相変圧器3台で三相結線を構成する表記となっているため誤りです。
覚えるポイント
- 外観写真において、高圧側ブッシングが2本なら単相変圧器、3本なら三相変圧器です。
間違えやすいところ
- Δ-Δ結線の表示だけを見て三相変圧器1台(選択肢ニ)と早合点せず、変圧器記号の形式や一次側の単極カットアウト3連配置から単相3台構成であることを見分ける必要があります。
出題の前提:JIS C 0617 電気用図記号および高圧受電設備規程
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)
参照した公式資料
電気技術者試験センターが公開した平成30年度第一種電気工事士筆記試験(追加試験分)の問題・解答資料です。

