学科(旧称:筆記)の問題と公式解答を種別・年度・期・午前午後で区別しています。CBTの出題例は過去の筆記試験とは別種別です。技能の課題は学科と分けて収録しています。
試験の概要
直流回路におけるコンデンサとコイルの蓄積エネルギーの計算
電気理論 · 直流回路 / 静電エネルギー / 電磁エネルギー
図のような直流回路において、電源電圧100 V、R=10 Ω、C=20 μF及びL=2 mHで、Lには電流10 Aが流れている。Cに蓄えられているエネルギーW_C [J]の値と、Lに蓄えられているエネルギーW_L [J]の値の組合せとして、正しいものを一つ選びなさい。
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解答
ハ
解説
直流定常状態において、理想的なコンデンサは開放状態(電流が流れない)となり端子間には印加電圧が現れます。一方、理想的なインダクタは短絡状態(直流抵抗ゼロ)となります。コンデンサの静電エネルギーはW_C = (1/2)CV^2 [J]、インダクタの電磁エネルギーはW_L = (1/2)LI^2 [J]で計算されます。
解き方
- 回路構成を確認し、コンデンサCは電源100 Vに直接並列接続されているため端子電圧V_C = 100 Vであることを把握する。
- 静電エネルギーの公式 W_C = (1/2) C V^2 に数値を代入し、W_C = (1/2) × 20×10^-6 × 100^2 = 0.1 J を算出する。
- 電磁エネルギーの公式 W_L = (1/2) L I^2 に数値を代入し、W_L = (1/2) × 2×10^-3 × 10^2 = 0.1 J を算出する。
- 選択肢 イ不正解
- 静電エネルギーまたは電磁エネルギーの単位換算(μやm)の桁数を誤った計算結果です。
- 選択肢 ロ不正解
- 公式の係数 1/2 を掛け忘れて計算したり、単位計算を誤ったりした数値です。
- 選択肢 ハ正解
- W_C = (1/2)CV^2 = 0.1 J、W_L = (1/2)LI^2 = 0.1 J であり、正しい組み合わせです。
- 選択肢 ニ不正解
- 両エネルギーの計算において公式の 1/2 を掛け忘れた場合の数値(0.2 J)です。
覚えるポイント
- 静電エネルギーは W = (1/2)CV^2 [J]
- 電磁エネルギーは W = (1/2)LI^2 [J]
- マイクロ(μ)は 10^-6、ミリ(m)は 10^-3
間違えやすいところ
- エネルギーの公式で 1/2 を掛け忘れてしまう間違い
- 単位の接頭辞(μFやmH)の指数計算を間違えて桁をずらしてしまうミス
出題の前提:平成30年度第一種電気工事士筆記試験 問1
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
直流並列回路における分流と抵抗電流の計算
電気理論 · 直流回路 / オームの法則 / キルヒホッフの法則
図のような直流回路において、電源から流れる電流は20 Aである。図中の抵抗Rに流れる電流I_R [A]の値として、正しいものを一つ選びなさい。
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解答
イ
解説
回路全体の電源電圧から、直列部の電圧降下(V = I × R)を差し引くことで並列部分の両端電圧を求めます。キルヒホッフの電流則(流入電流の総和=流出電流の総和)により、並列各枝路の電流の合計は全電流に等しくなります。
解き方
- 電源から直列に接続された2 Ωの抵抗での電圧降下 V_drop = 20 A × 2 Ω = 40 V を計算する。
- 並列接続部分の両端電圧 V_p = 72 V - 40 V = 32 V を求める。
- 並列の各既知抵抗を流れる電流を求める(2 Ω枝路:32/2 = 16 A、10 Ω枝路:32/10 = 3.2 A)。
- キルヒホッフの電流則より、抵抗Rに流れる電流 I_R = 20 - (16 + 3.2) = 0.8 A を算出する。
- 選択肢 イ正解
- 並列部分の電圧32 Vから各枝路の電流を引いた残りの電流値 0.8 A であり正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- 計算途中の数値や電圧降下の引き算を誤った場合の数値です。
- 選択肢 ハ不正解
- 10 Ωの抵抗に流れる電流値(32 V / 10 Ω = 3.2 A)です。
- 選択肢 ニ不正解
- 並列部分の2 Ωの抵抗に流れる電流値(32 V / 2 Ω = 16 A)です。
覚えるポイント
- 直列抵抗の電圧降下を電源電圧から引いて並列部の電圧を求める
- 並列回路の全電流は各枝路の電流の総和に等しい(キルヒホッフの第1法則)
間違えやすいところ
- 直列の2 Ωでの電圧降下40 Vを引かずに、電源電圧72 Vをそのまま並列回路に適用してしまうミス
- 他の並列抵抗を流れる電流(16 Aや3.2 A)を答として選択してしまうミス
出題の前提:平成30年度第一種電気工事士筆記試験 問2
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
誘導性リアクタンス回路における交流電流の瞬時値式
電気理論 · 単相交流回路 / 誘導性リアクタンス / 瞬時値 / 位相差
図のように、誘導性リアクタンス X_L = 10 Ω に、次式で示す交流電圧 v [V] が加えられている。 v [V] = 100√2 sin(2πft) [V] この回路に流れる電流の瞬時値 i [A] を表す式として、正しいものを一つ選びなさい。ただし、式において t [s] は時間、f [Hz] は周波数である。
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解答
イ
解説
インダクタ(誘導性リアクタンス X_L)のみの交流回路では、逆起電力の働きにより、回路に流れる電流は電圧に対して位相が90度(π/2ラジアン)遅れます。電流の瞬時値式は、振幅(最大値)を I_m = V_m / X_L とし、位相角を電圧の位相から π/2 引いた式で表されます。
解き方
- 電圧の式 v = 100√2 sin(2πft) より、電圧の最大値 V_m = 100√2 V を読み取る。
- 電流の最大値 I_m = V_m / X_L = 100√2 / 10 = 10√2 A を計算する。
- 誘導性リアクタンスでは電流が電圧より位相が π/2 遅れるため、位相項を (2πft - π/2) とする。
- 電流の瞬時値式 i = 10√2 sin(2πft - π/2) を導出する。
- 選択肢 イ正解
- 最大値が 10√2 A で、電圧に対して位相が π/2 遅れているため正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- 振幅が実効値表記になっており、周波数成分や位相も誤っています。
- 選択肢 ハ不正解
- 振幅および位相角の表現が正しくありません。
- 選択肢 ニ不正解
- 角周波数の表記および位相角(進み)が誤っています。
覚えるポイント
- インダクタ(L)の電流は電圧より位相が90°(π/2 rad)遅れる
- コンデンサ(C)の電流は電圧より位相が90°(π/2 rad)進む
- 瞬時値の振幅は実効値ではなく最大値(√2倍)を用いる
間違えやすいところ
- 誘導性負荷で電流の位相が進む(+π/2)と勘違いしてしまうミス
- 振幅に最大値(10√2)ではなく実効値(10)をそのまま使ってしまうミス
出題の前提:平成30年度第一種電気工事士筆記試験 問3
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
RLC直列回路における電源電圧の計算
電気理論 · 単相交流回路 / 直列インピーダンス / 消費電力 / 交流回路の電圧降下
図のような交流回路において、電流 I=10 A、抵抗 R における消費電力は 800 W、誘導性リアクタンス X_L=16 Ω、容量性リアクタンス X_C=10 Ω である。この回路の電源電圧 V [V] の値として、正しいものを一つ選びなさい。
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解答
ロ
解説
RLC直列回路では、合成インピーダンスの大きさは Z = √(R^2 + (X_L - X_C)^2) で表されます。電源電圧Vは、抵抗にかかる電圧V_Rとリアクタンスにかかる電圧V_X(X_LとX_Cの差)のベクトル和となり、V = √(V_R^2 + V_X^2) = I × Z で算出できます。
解き方
- 消費電力 P = I^2 R より、抵抗値 R = P / I^2 = 800 / 100 = 8 Ω を求める。
- 合成リアクタンス X = X_L - X_C = 16 - 10 = 6 Ω を求める。
- 回路の合成インピーダンス Z = √(R^2 + X^2) = √(8^2 + 6^2) = 10 Ω を計算する。
- 電源電圧 V = I × Z = 10 A × 10 Ω = 100 V を算出する。
- 選択肢 イ不正解
- 抵抗Rの両端電圧 V_R = 80 V のみの値です。
- 選択肢 ロ正解
- 回路全体の電圧 V = √(80^2 + 60^2) = 100 V であり正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 各電圧をベクトル合成せず単純代数和などで計算した場合の誤った数値です。
- 選択肢 ニ不正解
- X_LとX_Cを相殺せず加算するなど、インピーダンス計算を誤った数値です。
覚えるポイント
- 直列回路のリアクタンスは X = X_L - X_C で相殺される
- 交流回路の電圧合成はスカラー和ではなく二乗和の平方根(ベクトル和)
間違えやすいところ
- X_L と X_C を引かずに足して X = 26 Ω としてしまうミス
- 抵抗両端の電圧80 Vとリアクタンス両端の電圧60 Vをそのまま足して140 Vとしてしまうミス
出題の前提:平成30年度第一種電気工事士筆記試験 問4
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.4 ↗(www.shiken.or.jp)
三相交流回路におけるY結線・Δ結線並列負荷の線電流の計算
配電理論 · 三相交流回路 / Y結線 / Δ結線 / 線電流
図のように、線間電圧 V [V] の三相交流電源から、Y結線の抵抗負荷とΔ結線の抵抗負荷に電力を供給している回路がある。図中の抵抗RがすべてR [Ω]であるとき、図中の電路の線電流 I [A] を示す式として、正しいものを一つ選びなさい。
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解答
ハ
解説
三相交流において、対称Y結線負荷の線電流は I_Y = (V/√3) / R_Y です。一方、対称Δ結線負荷の線電流は相電流の√3倍となるため I_Δ = √3 × (V / R_Δ) となります。同相の負荷が並列接続されている場合、全体の線電流は各負荷に流れる線電流の大きさの単純な和となります。
解き方
- Y結線抵抗負荷(相抵抗R)に流れる線電流 I_Y = (V / √3) / R = V / (√3 R) を求める。
- Δ結線抵抗負荷(相抵抗R)の相電流 I_p = V / R を求め、線電流 I_Δ = √3 × I_p = √3 V / R を導出する。
- 両負荷とも純抵抗で力率1(同位相)であるため、電路の全線電流 I = I_Y + I_Δ を計算する。
- I = V/(√3 R) + √3 V/R = (V/R)(1/√3 + √3) として式をまとめる。
- 選択肢 イ不正解
- Δ結線の線電流計算で √3 倍すべきところを 1 倍とした誤った式です。
- 選択肢 ロ不正解
- Y結線の相電圧換算を誤った式です。
- 選択肢 ハ正解
- Y結線の線電流 V/(√3 R) とΔ結線の線電流 √3 V/R の和として正しく導出されています。
- 選択肢 ニ不正解
- 並列合成計算の係数が正しくない式です。
覚えるポイント
- Y結線の相電圧は線間電圧の 1/√3 倍、線電流=相電流
- Δ結線の相電圧=線間電圧、線電流は相電流の √3 倍
間違えやすいところ
- Δ結線の線電流を求めるときに √3 を掛け忘れてしまうミス
- Δ-Y変換の際に抵抗が 1/3 倍になる関係を正しく処理できないミス
出題の前提:平成30年度第一種電気工事士筆記試験 問5
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.4 ↗(www.shiken.or.jp)
単相2線式配電線路の電圧降下と末端負荷電圧の計算
配電理論 · 単相2線式 / 電圧降下 / 末端電圧
図のように、単相2線式の配電線路で、抵抗負荷A、B、Cにそれぞれ負荷電流10 A、5 A、5 Aが流れている。電源電圧が210 Vであるとき、抵抗負荷Cの両端の電圧V_C [V]の値として、正しいものを一つ選びなさい。ただし、電線1線当たりの抵抗は0.1 Ωとし、線路リアクタンスは無視する。
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解答
ロ
解説
複数の負荷が接続された配電線路の電圧降下は、各区間を流れる電流(その区間より下流の全負荷電流の和)に区間の抵抗を掛けたものを積算して求めます。単相2線式配電線路では往路と復路の2本の電線で電圧降下が生じるため、1線分の電圧降下の合計を2倍(ΔV = 2 × Σ(I × r))します。
解き方
- 各区間に流れる電流を整理する(電源〜A間:20 A、A〜B間:10 A、B〜C間:5 A)。
- 各区間の電線1線当たりの電圧降下を計算する(電源〜A:2.0 V、A〜B:1.0 V、B〜C:0.5 V)。
- 片道1線の電圧降下の合計 2.0 + 1.0 + 0.5 = 3.5 V を求める。
- 往復2線分の電圧降下 ΔV = 3.5 × 2 = 7 V を算出する。
- 負荷Cの両端の電圧 V_C = 210 - 7 = 203 V を計算する。
- 選択肢 イ不正解
- 全電流20 Aが全区間を流れると仮定して過大に電圧降下を見積もった誤った数値です。
- 選択肢 ロ正解
- 往復2線分の合計電圧降下7 Vを電源電圧210 Vから引いた 203 V であり正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 片道1本分の電圧降下(3.5 V≒5 V換算)のみを差し引いてしまった誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 最初の区間(電源〜A間)の電圧降下のみを考慮した誤った数値です。
覚えるポイント
- 単相2線式の電圧降下は往復2線分(2 × I × r)を計算する
- 各区間の電流は、その地点より負荷側に流れる電流の合計値となる
間違えやすいところ
- 片道1線分の電圧降下(3.5 V)だけを引いてしまい、2倍するのを忘れるミス
- 途中で分岐する負荷電流を引かずに、全区間に20 Aが流れるとして計算してしまうミス
出題の前提:平成30年度第一種電気工事士筆記試験 問6
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.4 ↗(www.shiken.or.jp)
単相3線式配電線路の中性線電流の計算
配電理論 · 単相3線式 / 中性線電流 / 力率 / ベクトル計算
図のような単相3線式配電線路において、負荷Aは負荷電流10 Aで遅れ力率50%、負荷Bは負荷電流10 Aで力率100%である。中性線に流れる電流I_N [A]の値として、正しいものを一つ選びなさい。ただし、線路インピーダンスは無視する。
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解答
ロ
解説
単相3線式の中性線電流は、両外側線の負荷電流のベクトル差(I_N = I_B - I_A または I_A - I_B)として求められます。力率が異なる負荷の場合は単純なスカラ減算ではなく、有効成分(実軸)と無効成分(虚軸)に分解してベクトル合成を行います。大きさが等しく位相差が60度の2つのベクトルの差は、正三角形の関係から同じ大きさになります。
解き方
- 基準電圧方向を実軸とし、力率100%の電流 I_B = 10 [A](位相角0°)を成分表示する。
- 遅れ力率50%(cosθ=0.5よりθ=60°)の電流 I_A = 10×cos60° - j10×sin60° = 5 - j5√3 [A] を求める。
- 中性線電流のベクトル I_N = I_B - I_A = (10 - 5) + j5√3 = 5 + j5√3 [A] を計算する。
- 大きさ |I_N| = √(5^2 + (5√3)^2) = √(25 + 75) = 10 A を算出する。
- 選択肢 イ不正解
- 有効成分の差(10 - 5 = 5 A)のみを計算した誤った数値です。
- 選択肢 ロ正解
- ベクトル差の大きさとして正しく計算された 10 A です。
- 選択肢 ハ不正解
- 両電流の大きさを位相を無視して単純に加算(10 + 10 = 20 A)した数値です。
- 選択肢 ニ不正解
- 計算手順の誤りによる不適切な数値です。
覚えるポイント
- 単相3線式の中性線電流は2つの負荷電流のベクトル差となる
- 同じ大きさで位相差60°の2ベクトルの差の大きさは元の大きさと同じになる
間違えやすいところ
- 力率の違いを考慮せず、単純に 10 A - 10 A = 0 A や 10 A + 10 A = 20 A と計算してしまうミス
- 無効成分の二乗を加える際に、根号内の計算を誤るミス
出題の前提:平成30年度第一種電気工事士筆記試験 問7
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
三相3線式配電線路の各種計算式の正誤判断
配電理論 · 三相3線式 / 線路損失 / 力率 / 電圧降下 / 線電流
図のように、電源は線間電圧が V_S の三相電源で、三相負荷は端子電圧 V、電流 I、消費電力 P、力率 cosθ で、1相当たりのインピーダンスが Z のY結線の負荷である。また、配電線路は電線1線当たりの抵抗が r で、配電線路の電力損失が P_L である。この回路で成立する式として、誤っているものを一つ選びなさい。ただし、配電線路の抵抗 r は負荷インピーダンス Z に比べて十分に小さいものとし、配電線路のリアクタンスは無視する。
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解答
イ
解説
三相3線式配電線路の諸公式において、電線3本全体の抵抗損失は P_L = 3 I^2 r です(√3 ではなく 3 を掛けます)。一方、三相電力は P = √3 V I cosθ であり、電圧降下の略算式は線間電圧差として ΔV = V_S - V ≒ √3 I (r cosθ + x sinθ) と表されます。
解き方
- 各選択肢の物理量と関係式を照合する。
- 配電線路の電力損失は3線分であるため P_L = 3 I^2 r となるべきであり、√3 r I^2 は誤りであることを確認する。
- 他の選択肢(力率の定義式、オームの法則による相電流・線電流の式、線路リアクタンス無視時の線間電圧降下の略算式)がいずれも正しいことを確認する。
- 選択肢 イ正解
- 三相配電線路の電力損失は P_L = 3 r I^2 であり、√3 r I^2 ではないため、誤っているものとして正解です。
- 選択肢 ロ不正解
- 三相電力 P = √3 V I cosθ を変形した正しい式です。
- 選択肢 ハ不正解
- Y結線負荷の相電圧は V/√3 であり、相インピーダンスZで割った線電流 I = (V/√3)/Z = V/(√3 Z) は正しい式です。
- 選択肢 ニ不正解
- リアクタンスを無視した場合の線間電圧降下の略算式 V_S - V = √3 r I cosθ として正しい式です。
覚えるポイント
- 配電線路の全電力損失は 3 × I^2 × r(電線3本分なので3倍)
- 三相電力・電圧降下の線間値計算には √3 が現れるが、電線の熱損失には √3 ではなく 3 を掛ける
間違えやすいところ
- 三相交流の計算で何でも √3 を掛けてしまい、線路損失の 3 I^2 r を √3 I^2 r と混同してしまうミス
出題の前提:平成30年度第一種電気工事士筆記試験 問8
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
低圧屋内幹線の分岐回路における配線用遮断器の設置位置
配線設計 · 低圧幹線 / 分岐回路 / 許容電流
定格電流100Aの配線用遮断器B1で保護された低圧屋内幹線から分岐する4つの回路A〜Dのうち、配線用遮断器Bの取り付け位置が電気設備の技術基準の解釈に照らして不適切なものはどれか。なお、図中の各電流値は電線の許容電流、距離は分岐点からの電線の長さを表す。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
低圧屋内幹線の分岐回路には、原則として分岐点から3m以下の場所に過電流遮断器を施設します。例外として、分岐点から遮断器までの電線の許容電流が幹線過電流遮断器の定格電流の35%以上あれば8m以下まで、55%以上あれば長さの制限なく施設することができます。
解き方
- 幹線の定格電流100Aに対する基準値を計算します。35%は35A、55%は55Aとなります。
- 各分岐回路の電線長と許容電流を比較し、基準を満たしているか判定します。回路Aは4m(3m超8m以下)で許容電流が34Aであり、必要な35Aを満たしていないため不適切です。
- 選択肢 イ正解
- 分岐長が4m(3m超8m以下)の場合、電線の許容電流は幹線の35%(35A)以上必要ですが、34Aしかないため不適切です。
- 選択肢 ロ不正解
- 分岐長が5m(3m超8m以下)で、電線の許容電流42Aは35A以上を満たしているため適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- 分岐長が9m(8m超)で、電線の許容電流61Aは55%(55A)以上を満たしているため適切です。
- 選択肢 ニ不正解
- 分岐点から6m地点までは42A(35A以上)あり、電線太さが細径化する接続点から1m(3m以下)で遮断器を設けているため適切です。
覚えるポイント
- 分岐点からの距離と必要許容電流:3m以下は制限なし、3m超8m以下は幹線の35%以上、8m超は幹線の55%以上。
間違えやすいところ
- 35%と55%の数値を混同したり、分岐点からの電線の太さが途中で変わる場合の扱いを見誤ったりしやすいので注意しましょう。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第149条(低圧幹線から分岐する過電流遮断器等の施設)
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
インバータ駆動誘導電動機の一次周波数の計算
電気機器 · 誘導電動機 / 同期速度 / すべり / インバータ
6極の三相かご形誘導電動機があり、インバータにより一次周波数が調整できるようになっている。この電動機がすべり5%、回転速度1140 min⁻¹で運転されているときの一次周波数[Hz]として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
誘導電動機の回転速度N [min⁻¹] は、極数をp、一次周波数をf [Hz]、すべりをsとすると、同期速度 Ns = 120f / p を用いて N = Ns × (1 - s) で表されます。この関係式を変形することで一次周波数fを逆算できます。
解き方
- 回転速度と周波数・極数・すべりの関係式 N = (120f / p) × (1 - s) に与えられた数値を代入します。
- 1140 = (120 × f / 6) × (1 - 0.05) を計算し、1140 = 19f より f = 60 Hz を導きます。
- 選択肢 イ不正解
- f=30Hzのときの回転速度は570 min⁻¹となり、問題の条件に合いません。
- 選択肢 ロ不正解
- f=40Hzのときの回転速度は760 min⁻¹となり、問題の条件に合いません。
- 選択肢 ハ不正解
- f=50Hzのときの回転速度は950 min⁻¹となり、問題の条件に合いません。
- 選択肢 ニ正解
- 計算結果よりf=60Hzとなり、電動機の一次周波数として正しいです。
覚えるポイント
- 誘導機の回転速度式 N = (120f / p)(1 - s) は極数・周波数・すべり・速度の相互換算の基礎です。
間違えやすいところ
- 同期速度の式 Ns = 120f / p と実回転速度 N = Ns(1 - s) を混同し、すべり(1 - s)を掛け忘れるミスに注意しましょう。
出題の前提:電気工学理論・誘導機特性式
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
巻上用電動機の所要出力の計算式
電気応用 · 揚重機 / 電動機出力 / 動力計算
巻上荷重W [kN]の物体を毎秒v [m]の速度で巻き上げているとき、この巻上用電動機の出力[kW]を示す式として、正しいものはどれか。ただし、巻上機の効率はη [%]とする。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
物体の巻き上げに必要な動力(仕事率)は「力 × 速度」で求められます。荷重がkN単位、速度がm/s単位の場合、有効仕事率はkW単位となります。電動機の入力動力は機械効率ηで除算することで求められます。
解き方
- 物体の引き上げに必要な有効動力を求めます。荷重W [kN] × 速度v [m/s] = W・v [kW] です。
- 機械効率がη [%] で表されているため、電動機出力P [kW] との関係は P × (η / 100) = W・v となり、P = 100W・v / η と変形します。
- 選択肢 イ正解
- W・v / (η / 100) = 100W・v / η となり、正しい出力計算式です。
- 選択肢 ロ不正解
- 速度vが2乗になっており、仕事率の次元と一致しないため誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 効率ηが分子に掛け合わされており、損失分が考慮されていないため誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 荷重や速度が2乗されており、効率の掛け方も含めて全く異なる式です。
覚えるポイント
- 動力計算では、出力=有効仕事率/効率の関係が常に成立します。
間違えやすいところ
- 荷重の単位(kNとNやkg)と効率の単位(%表記か小数表記か)によって係数が変わる点に注意してください。
出題の前提:電気応用動力計算の基本公式
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
変圧器の鉄損の特性
電気機器 · 変圧器 / 鉄損 / ヒステリシス損 / 渦電流損
変圧器の鉄損に関する記述として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
変圧器の鉄損は無負荷損とも呼ばれ、磁化に伴うヒステリシス損と交番磁束によるうず電流損から構成されます。鉄損は電圧(磁束密度)の増加とともに増加し、電源周波数によっても変化します。また、鉄損はこれら2つの損失の総和であるため、個別の成分より必ず大きくなります。
解き方
- 鉄損の内訳(鉄損 = ヒステリシス損 + うず電流損)を確認し、鉄損が各要素より小さくなることはないためハとニを除外します。
- 電圧と鉄損の関係を考えます。誘導起電力式より電圧上昇は最大磁束密度の増加をもたらし、ヒステリシス損・うず電流損ともに増大するため、ロが正しいと判断します。
- 選択肢 イ不正解
- ヒステリシス損は周波数に比例し、うず電流損は周波数の2乗に比例して磁束密度が反比例するため、周波数が変化すると鉄損も変化します。
- 選択肢 ロ正解
- 電圧が上昇すると鉄心内の磁束密度が高くなり、ヒステリシス損もうず電流損も増えるため鉄損は増加します。
- 選択肢 ハ不正解
- 鉄損はヒステリシス損とうず電流損の和であるため、うず電流損単体よりも必ず大きくなります。
- 選択肢 ニ不正解
- 鉄損はヒステリシス損とうず電流損の和であるため、ヒステリシス損単体よりも必ず大きくなります。
覚えるポイント
- 変圧器の鉄損=ヒステリシス損+うず電流損。無負荷時にも生じる電圧依存の損失です。
間違えやすいところ
- 負荷電流に比例して生じる銅損(可変損)と、電圧によってほぼ一定に生じる鉄損(固定損)の特徴を混同しないようにしましょう。
出題の前提:変圧器の損失に関する基礎理論
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
蓄電池の特性と構造
電気機器 · 蓄電池 / 鉛蓄電池 / アルカリ蓄電池 / 電解液
蓄電池に関する記述として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
鉛蓄電池は公称起電力約2.0V/セルで希硫酸を電解液とし、充放電に伴い電解液の比重が変化するため比重測定で充電状態を把握できます。一方、アルカリ蓄電池(ニッケル・カドミウム等)は公称起電力約1.2V/セルで水酸化カリウム水溶液を用い、充放電で比重がほとんど変化せず、過放電にも耐性があります。
解き方
- 各選択肢の蓄電池の特性記述を比較します。
- 鉛蓄電池の電解液は希硫酸であり、イの記述が正解です。ロは鉛蓄電池の特徴、ハは過放電に強いアルカリ蓄電池の特徴と矛盾、ニは公称電圧(鉛約2.0V、アルカリ約1.2V)に矛盾します。
- 選択肢 イ正解
- 鉛蓄電池の電解液には希硫酸が使用されており、正しい記述です。
- 選択肢 ロ不正解
- 電解液の比重変化から放電の程度を知ることができるのは、充放電で比重が変わる鉛蓄電池です。
- 選択肢 ハ不正解
- アルカリ蓄電池は機械的・電気的に堅牢であり、過放電や過充電に対して強い特性を持ちます。
- 選択肢 ニ不正解
- 単一セルの公称電圧は鉛蓄電池が約2.0V、アルカリ蓄電池が約1.2Vであり、鉛蓄電池の方が高くなります。
覚えるポイント
- 鉛蓄電池:希硫酸・約2.0V・比重で放電状態確認。アルカリ蓄電池:水酸化カリウム・約1.2V・過充放電に強い。
間違えやすいところ
- 鉛蓄電池とアルカリ蓄電池のセル電圧(2.0Vと1.2V)の高低を取り違えやすいため注意が必要です。
出題の前提:蓄電池設備・二次電池の特性
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
配管・配線材料の鑑別(バスダクト)
配線器具・材料 · バスダクト / 幹線配線 / 鑑別写真
写真に示す電気材料・機材の名称として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
バスダクトは、大電流を通じる板状の導体(銅またはアルミニウム)を絶縁支持して金属ダクト内に収めた構造の幹線材料です。プラグインホールから分岐用のプラグイン器具を取り出して負荷に給電することができます。
解き方
- 写真の外観を確認します。金属製の角形ダクト内に導体が組み込まれ、分岐用の接続口(プラグイン開口部・金具)が設けられたユニット構造です。
- 金属ダクト(電線を収容する空のダクト)やトロリーダクト(移動機器給電用)、単体の銅帯と区別し、バスダクトと同定します。
- 選択肢 イ不正解
- 金属ダクトは内部に電線を収容するための単なる金属製樋(ダクト)であり、導体を内蔵していません。
- 選択肢 ロ正解
- 板状導体を内蔵し、プラグイン開口等を備えたバスダクトの写真です。
- 選択肢 ハ不正解
- トロリーバスダクトは移動するクレーン等へ集電器を介して連続給電する構造のものであり異なります。
- 選択肢 ニ不正解
- 銅帯は盤内配線などに使われる帯状の露出銅板そのものを指すため異なります。
覚えるポイント
- 導体をあらかじめ絶縁支持して納めたダクトが「バスダクト」。大容量幹線の施工に用いられます。
間違えやすいところ
- 電線を現場で引き込む「金属ダクト」と、導体バーがあらかじめ組み込まれている「バスダクト」の違いを把握しましょう。
出題の前提:自家用電気工作物等の配線器具・材料の鑑別
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
モールド変圧器の端子部鑑別
電気機器 · モールド変圧器 / 端子鑑別 / 低圧端子
写真に示すモールド変圧器において、上部の矢印で指示された部分の名称として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
三相モールド変圧器では、高圧側(一次側)は高電圧で小電流のため絶縁距離を保った端子構造やコイル前面のタップ切換部周辺に配置されることが多く、低圧側(二次側)は大電流となるため、断面積の大きい銅バー端子が変圧器上部に導出されます。
解き方
- 写真の矢印が指している端子の外観と配置を確認します。上部手前に配置された幅の広い平坦な銅バー端子列です。
- 低圧側は大電流が流れるため太い導体・端子板が用いられる特徴から、二次(低電圧側)端子であると特定します。
- 選択肢 イ不正解
- タップ切換端子はコイル前面の中央部などに配置される電圧調整用端子であり、異なります。
- 選択肢 ロ不正解
- 耐震固定端部は変圧器を基礎チャンネルベースにボルト留めする最下部の構造です。
- 選択肢 ハ不正解
- 一次(高電圧側)端子は絶縁距離を確保して配置される高圧用の端子であり、大電流用の幅広バー端子とは形状が異なります。
- 選択肢 ニ正解
- 上部に引き出された大電流容量を持つ幅広の導体端子であり、二次(低電圧側)端子です。
覚えるポイント
- 変圧器の端子は、大電流が流れる低圧側(二次側)の方が太く幅の広い導体端子になっています。
間違えやすいところ
- 一次側(高圧側)と二次側(低圧側)の端子位置や形状の差異(絶縁離隔と導体断面積)を取り違えないようにしましょう。
出題の前提:高圧受電設備機器の構造と鑑別
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
水力発電所の発電機出力計算
発電・送配電 · 水力発電 / 発電機出力 / 水車効率 / 水力公式
有効落差100m、使用水量20m³/sの水力発電所がある。水車と発電機の総合効率を85%とするとき、発電機出力[MW]の値として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
水力発電所の出力P [kW] は、重力加速度g=9.8 m/s²、使用水量Q [m³/s]、有効落差H [m]、水車と発電機の総合効率ηを用いて、P = 9.8 × Q × H × η [kW] で計算されます。1MW = 1000kWの関係を用いてMW単位に換算します。
解き方
- 公式 P = 9.8 × Q × H × η [kW] を用いて出力を求めます。
- 数値を代入して P = 9.8 × 20 × 100 × 0.85 = 16660 kW を算出します。
- 16660 kW を 1000 で除して 16.66 MW とし、最も近い 16.7 MW を選びます。
- 選択肢 イ不正解
- 計算値約16.7 MWと大きく桁が異なっており誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- 計算値約16.7 MWに対して小さく、誤りです。
- 選択肢 ハ正解
- 9.8 × 20 × 100 × 0.85 = 16660 kW = 16.66 MW より、約16.7 MWとなります。
- 選択肢 ニ不正解
- 効率ηで割ってしまうなどの誤計算をした値であり、誤りです。
覚えるポイント
- 水力発電の出力公式:P = 9.8QHη [kW]。出力単位がkWからMWへの換算(1/1000)を忘れないようにします。
間違えやすいところ
- 総合効率を掛けるのではなく誤って割ってしまう計算ミスに注意してください。発電出力は効率によって減少します。
出題の前提:水力発電の出力計算公式
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
汽力発電所の再熱サイクル系統図
発電設備 · 汽力発電 / 再熱サイクル / 過熱器 / 再熱器 / 復水器
図に示す汽力発電所の再熱サイクル系統において、A、B、C、Dの各機器の名称の組合せとして、正しいものを1つ選びなさい。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
汽力発電の再熱サイクルは、高圧タービンで膨張した蒸気をボイラ内の再熱器で再び過熱し、低圧タービンに送ることで熱効率の向上とタービン最終段での湿り気低減を図る熱サイクルです。
解き方
- 給水ポンプから給水が送り込まれて蒸気を生成する主熱源部分がA(ボイラ)であることを確認します。
- ボイラで発生した蒸気を高圧タービンへ送る前に加熱する機器がB(過熱器)であることを特定します。
- 高圧タービンを出た蒸気を再び取り込んで加熱し、低圧タービンへ導く機器がC(再熱器)であることを特定します。
- 低圧タービンを出た排気蒸気を冷却して液体(水)に戻し給水ポンプへ送る機器がD(復水器)であることを特定し、合致する組合せを選びます。
- 選択肢 イ不正解
- Aが再熱器、Bが復水器となっており、蒸気の流れおよび給水系統の構成と一致していません。
- 選択肢 ロ不正解
- Aが過熱器、Bが復水器となっており、系統図の機器配置と役割が誤っています。
- 選択肢 ハ正解
- Aがボイラ、Bが過熱器、Cが再熱器、Dが復水器の組合せであり、再熱サイクルの構成として正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- Aが復水器、Bがボイラとなっており、系統図における蒸気と水の循環順序に反しています。
覚えるポイント
- 再熱器(高圧タービン出口蒸気の再加熱)と過熱器(ボイラ出口飽和蒸気の加熱)の位置関係
間違えやすいところ
- 過熱器と再熱器の位置を取り違えてしまう誤り
出題の前提:電気設備技術基準・発電工学(汽力発電所の基本構成サイクル)
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
ディーゼル機関のはずみ車の役割
自家発電設備 · 内燃力発電 / ディーゼル機関 / はずみ車 / フライホイール
ディーゼル機関において、はずみ車(フライホイール)を設ける目的として、適切な記述を1つ選びなさい。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
内燃機関のシリンダ内で発生するトルクは燃焼行程で最大となり、他の行程では負または小さくなるため周期的なトルクむらが生じます。回転軸に大きな慣性モーメントを持つはずみ車を設けることで、余剰エネルギーを蓄積・放出して回転速度の変動を低減させます。
解き方
- ディーゼル機関のはずみ車(フライホイール)が持つ力学的機能(慣性モーメントの利用)を想起します。
- 回転トルクの脈動に伴う回転速度変動(回転のむら)を抑え、滑らかな回転を維持する目的を選定します。
- 選択肢 イ不正解
- はずみ車は大きな慣性力を持つため回転停止にはむしろ時間を要するようになり、停止を容易にする目的ではありません。
- 選択肢 ロ不正解
- はずみ車の主目的は回転の平滑化であり、冷却効果を高める目的の機器ではありません。
- 選択肢 ハ不正解
- 大きな慣性を持つため静止状態からの始動にはより大きな力を要し、始動を容易にする目的ではありません。
- 選択肢 ニ正解
- 各シリンダの燃焼・圧縮に伴うトルク変動を慣性力により抑え、回転のむらを滑らかにする目的に合致します。
覚えるポイント
- フライホイール(はずみ車)の主目的は慣性モーメントによる「回転のむらを滑らかにする」こと
間違えやすいところ
- はずみ車の慣性力と始動性・停止のしやすさを混同しないこと
出題の前提:内燃力発電設備・機械力学の基本原理
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
送電用変圧器の中性点接地方式
送配電設備 · 中性点接地方式 / 抵抗接地 / 直接接地 / 誘導障害 / 消弧リアクトル接地
送電用変圧器の中性点接地方式に関する記述として、誤っているものを1つ選びなさい。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
中性点接地方式は地絡時の健全相電圧上昇の抑制と地絡電流の抑制のトレードオフです。直接接地方式は電位上昇を最も低く抑えられますが地絡電流が極めて大きく電磁誘導障害が甚大となります。抵抗接地方式は中性点に抵抗を挿入して地絡電流を制限し、誘導障害を直接接地方式より軽減します。
解き方
- 各中性点接地方式(非接地、直接接地、抵抗接地、消弧リアクトル接地)の特徴を比較します。
- 通信線への電磁誘導障害は地絡電流の大きさに比例するため、直接接地方式が最も大きく、抵抗接地方式は小さくなる関係を確認します。
- ハの「直接接地方式と比較して大きい」という記述が誤りであることを特定します。
- 選択肢 イ不正解
- 非接地方式は中性点を接地しないため地絡電流は最小ですが、一線地絡時の健全相対地電圧上昇が大きく異常電圧が発生しやすい記述は正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- 直接接地方式は中性点を低インピーダンスの導線で直接接地するため、地絡時の故障電流が極めて大きくなる記述は正しいです。
- 選択肢 ハ正解
- 抵抗接地方式は地絡電流を抵抗で抑制するため、直接接地方式に比べて電磁誘導障害は小さく、記述は誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 消弧リアクトル接地方式は送電線の対地静電容量と並列共振させて地絡アークを速やかに消滅させる方式であり、記述は正しいです。
覚えるポイント
- 地絡電流と通信線誘導障害の大きさ:直接接地 > 抵抗接地 > 消弧リアクトル接地 ≧ 非接地
間違えやすいところ
- 健全相の異常電圧上昇と地絡電流・電磁誘導障害の大小関係を取り違える誤り
出題の前提:電気設備技術基準の解釈・送配電工学
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
零相変流器と組み合わせる継電器
保護協調 · 零相変流器 / ZCT / 地絡継電器 / GR
零相変流器(ZCT)と組み合わせて使用する継電器の種類として、適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
三相交流電路の正常時には各相電流のベクトル和がゼロになりますが、一線地絡等の事故が発生すると零相電流が流れます。零相変流器(ZCT)はこの零相電流を検出し、地絡保護を行う地絡継電器(GR)を動作させます。
解き方
- 零相変流器(ZCT)が検出する電気量(零相電流・地絡電流)を確認します。
- 零相電流の入力を受けて動作する保護継電器が地絡継電器(GR)であることを選定します。
- 選択肢 イ不正解
- 過電圧継電器(OVR)は計器用変圧器(VT)等から電圧信号を受けて動作する継電器です。
- 選択肢 ロ不正解
- 過電流継電器(OCR)は通常の変流器(CT)からの相電流信号を受けて動作する継電器です。
- 選択肢 ハ正解
- 地絡継電器(GR)は零相変流器(ZCT)からの零相電流出力を受けて電路の地絡事故を検出します。
- 選択肢 ニ不正解
- 比率差動継電器は機器の一次側と二次側の変流器(CT)の電流差を比較して内部短絡事故を検出する継電器です。
覚えるポイント
- 零相変流器(ZCT)=地絡電流検出用、組み合わせは地絡継電器(GR)または地絡方向継電器(DGR)
間違えやすいところ
- 通常のCT(過電流検出用)とZCT(地絡電流検出用)を混同すること
出題の前提:電気設備技術基準・受配電設備設計指針
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
高調波の発生源とならない機器
受配電設備 · 高調波障害 / 進相コンデンサ / インバータ / 整流器 / アーク炉
次の電気機器のうち、高調波の発生源とならない機器を1つ選びなさい。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
高調波は、半導体素子によるスイッチング動作や非線形な電圧・電流特性を持つ機器(整流回路、インバータ、放電現象を利用するアーク炉など)で歪み波電流が生じることにより発生します。コンデンサや抵抗・線形リアクトルなどの受動素子は高調波の発生源になりません。
解き方
- 高調波の発生メカニズム(波形歪み、スイッチング動作、非線形負荷)を確認します。
- 選択肢の各機器を検討し、半導体整流器、インバータ、アーク炉が発生源であることを認識します。
- 進相コンデンサは高調波発生源ではなく、影響を受ける側の機器であることを特定します。
- 選択肢 イ不正解
- 交流アーク炉は非線形なアーク放電を伴うため、多量の高調波電流を発生させる代表的な発生機器です。
- 選択肢 ロ不正解
- 半波整流器はダイオード等の非線形スイッチング動作によって著しい波形歪みを生じ、高調波を発生させます。
- 選択肢 ハ正解
- 進相コンデンサは線形負荷であり高調波の発生源にはならず、高調波により障害を受ける機器です。
- 選択肢 ニ不正解
- 動力制御用インバータはパワー半導体の高周波スイッチングを行うため、代表的な高調波発生源です。
覚えるポイント
- 高調波の主な発生源:半導体電力変換装置(インバータ・整流器)、アーク炉、飽和機器
間違えやすいところ
- 進相コンデンサが高調波の影響でトラブルを起こしやすいことから、発生源と取り違えてしまう誤り
出題の前提:高圧又は特別高圧で受電する需要家の高調波抑制対策ガイドライン
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
限流ヒューズ(PF)の構造と特徴
配線器具・機器 · 限流ヒューズ / パワーヒューズ / LBS / 消弧砂
写真の高圧交流負荷開閉器(LBS)において矢印で示す機器(限流ヒューズ)に関する記述として、誤っているものを1つ選びなさい。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
限流ヒューズは、管内にエレメントと消弧剤(高純度珪砂など)を密閉充填した構造を持ち、短絡電流の立ち上がり初期に溶断して急激なアーク抵抗を生じさせ、波高値に達する前に電流を抑制・遮断します。完全密閉構造のため遮断時にも外部へガスや炎を放出しません。
解き方
- 写真の機器が高圧交流負荷開閉器(LBS)に組み合わされた限流ヒューズ(パワーヒューズ)であることを確認します。
- 限流ヒューズの特徴(大遮断容量、限流遮断、密閉構造、適用分類T/M/C/G)を想起します。
- 放出口からガスを放出するのは放出形(非限流形)ヒューズの特徴であり、限流ヒューズは密閉形であることを理由に誤りの記述を特定します。
- 選択肢 イ不正解
- 限流ヒューズはコンパクトでありながら高い遮断性能(20 kA、40 kA等)を持ち、記述は正しいです。
- 選択肢 ロ正解
- 限流ヒューズは密閉された筒内で消弧砂によって消弧するため外部にガスを放出せず、記述は誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 短絡電流が最大値に達する前に電流を抑制して遮断(限流遮断)するため、記述は正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 保護対象・用途によりT(変圧器用)、M(電動機用)、C(コンデンサ用)、G(一般用)などの種別があり、記述は正しいです。
覚えるポイント
- 限流ヒューズ:密閉形(ガス放出なし)、消弧砂で限流遮断、用途記号T・M・C・G
間違えやすいところ
- 限流ヒューズ(密閉形)と高圧カットアウト等の放出形ヒューズ(ガス・アーク放出あり)の構造の混同
出題の前提:JIS C 4604(高圧限流ヒューズ)、高圧受電設備規程
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧避雷器の用途
配線器具・機器 · 避雷器 / LA / 雷過電圧保護 / サージ防護
写真に示す機器(避雷器 LA)の用途として、適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
避雷器(LA)は酸化亜鉛(ZnO)素子などの非線形抵抗特性を利用し、通常の商用周波電圧では高い絶縁を保ち、雷サージ等の過電圧侵入時には極めて低い抵抗となってサージ電流を速やかに接地電極へ逃がし、電圧を制限して電路および設備を保護します。
解き方
- 写真の外観(碍管ひだ構造と端子形状を持つ避雷器)から機器が避雷器(LA)であることを判別します。
- 避雷器の機能である雷サージに対する過電圧抑制(雷電圧保護)を用途として選定します。
- 選択肢 イ不正解
- 短絡保護は高圧遮断器(VCB等)や限流ヒューズなどの役割です。
- 選択肢 ロ不正解
- 地絡保護は地絡継電器(GR)やGR付高圧交流負荷開閉器(PAS)などの役割です。
- 選択肢 ハ正解
- 避雷器(LA)の主要な役割は、外部雷サージ等による異常電圧から電路および機器を保護することです。
- 選択肢 ニ不正解
- 過負荷保護は過電流継電器(OCR)と遮断器の組合せなどの役割です。
覚えるポイント
- 避雷器(LA:ライトニングアレスタ)=高圧電路の雷サージ・異常過電圧の保護
間違えやすいところ
- 写真の碍管形状から支持がいしや高圧カットアウト等の他機器と取り違える誤り
出題の前提:電気設備技術基準第49条、電気設備技術基準の解釈第37条
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
接地極の材質と寸法の基準
接地工事 · 接地極 / 接地工事 / 厚鋼電線管 / 銅被覆鋼棒 / 金属板
地中に埋設又は打ち込みをする接地極として、不適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
接地極は長期間にわたり土中で安定した低接地抵抗を保ち、電気的・機械的・化学的に耐腐食性を有していなければなりません。銅板、銅被覆鋼棒、厚鋼電線管、溶融亜鉛めっき鋼板などが規格化されていますが、アルミニウムは電食・腐食に弱いため接地極としては使用できません。
解き方
- 埋設接地極として認められている規格(銅板:厚さ1.4mm以上・面積900cm²以上、鋼管:外径25mm以上・長さ0.9m以上、銅被覆棒:径8mm以上・長さ0.9m以上など)を確認します。
- アルミニウムは土中埋設時の腐食性が著しいため、接地極の材質として認められていないことを確認します。
- 「アルミ板」を接地極とするニが不適切であることを選定します。
- 選択肢 イ不正解
- 厚鋼電線管は内径25 mm以上、長さ0.9 m以上のものが接地極として認められており、内径36 mm・長さ1.5 mは適切です。
- 選択肢 ロ不正解
- 銅被覆鋼棒は直径8 mm以上、長さ0.9 m以上のものが認められており、直径14 mm・長さ1.5 mは適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- 銅板は厚さ1.4 mm以上、面積900 cm²(300 mm×300 mm)以上が規定されており、厚さ1.6 mm・900 mm×900 mmは適切です。
- 選択肢 ニ正解
- アルミニウムは土壌中で著しく腐食しやすいため、地中に埋設する接地極として使用できず不適切です。
覚えるポイント
- 接地極に使用できる材質:銅板、銅被覆鋼棒、亜鉛めっき鋼板、厚鋼電線管など。アルミは腐食のため不可
間違えやすいところ
- 導電率が高いという理由からアルミニウムも接地極に使用できると誤認してしまうこと
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈・内線規程1350-3節(接地極の埋設)
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp)
電気工事用工具の特徴と使用方法
配線器具・材料・工具 · 高速切断機 / 油圧式圧着工具 / ノックアウトパンチャ / 水準器
電気工事等で使用される工具類に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
研削といしを取り扱う際は安全規則により、切断用といしの側面を使用することが固く禁じられています。側面荷重に対する強度がなく、といしの破壊・飛散事故につながるためです。
解き方
- 各工具(高速切断機、油圧式圧着工具、ノックアウトパンチャ、水準器)の用途と安全上の注意点を確認する。
- 切断といしの側面使用が労働安全衛生規則等で禁止されている危険行為であることを判断する。
- 選択肢 イ正解
- 切断用といしの側面を使用して研削を行うとといしが割れて飛散する危険があり禁止されているため、記述は誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- 油圧式圧着工具は太い電線の圧着等に用いられ、適切な圧着が完了するまでダイスが開かない成形確認機構が必要です。
- 選択肢 ハ不正解
- ノックアウトパンチャは、金属製のキャビネットや分電盤の鋼板に油圧等で丸穴をあける工具です。
- 選択肢 ニ不正解
- 水準器は気泡管を用いて、配電盤や制御盤等の機器を水平・垂直に据え付けるために使用されます。
覚えるポイント
- 切断といしの側面使用は破損の危険があるため禁止されている
間違えやすいところ
- 切断機を研削盤と混同して側面使用可能と誤解しないよう注意する
出題の前提:労働安全衛生規則等の研削盤等に関する安全基準
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp)
配線器具(コンセント)の仕様と施工方法
配線設計・施工方法 · 引掛形コンセント / 定格電圧 / 極配置 / 接地
写真に示す配線器具(単相接地極付引掛形埋込コンセント、定格15A 250V)を取り付ける施工方法の記述として、不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
分岐回路の過電流遮断器の定格電流と、その電路に接続できるコンセントの定格電流には電気設備の技術基準の解釈等で規定された適合範囲があります。また、定格電圧(250V)を超える三相400V回路への接続はできず、低圧用接地極にはD種接地工事を施します。
解き方
- 写真の器具の外観・刃受けの形状から「定格15 A 250 V 接地極付コンセント」であることを確認する。
- 定格電圧250 Vであるため、単相200 Vには使用可能で三相400 Vには使用できないことを確認する。
- 分岐回路の遮断器容量とコンセント定格の組み合わせ基準を照合し、不適切な記述を特定する。
- 選択肢 イ正解
- 当該器具は15 A専用の配線器具であり、20 A配線用遮断器分岐回路への施設条件に照らして不適切と判断されます。
- 選択肢 ロ不正解
- 定格電圧が250 Vであるため、単相200 V電源用の配線器具として適合しています。
- 選択肢 ハ不正解
- 定格電圧が250 Vであるため、それ以上の電圧である三相400 V回路には使用できません。
- 選択肢 ニ不正解
- 低圧電路に接続されるコンセントの接地極には、技術基準に基づきD種接地工事を施工します。
覚えるポイント
- 器具表面の刻印や形状から定格電流・電圧・接地極の有無を読み取る
間違えやすいところ
- 単相200V用器具を3相回路や400V回路に使えると誤認しないようにする
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第149条(低圧幹線及び分岐回路の施設)
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp)
ライティングダクト工事の施工基準
配線設計・施工方法 · ライティングダクト工事 / 支持点間距離 / 終端部処理 / 開口部の向き
ライティングダクト工事の記述として、不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
ライティングダクト工事では、ダクト開口部は下向きに施設することが原則義務付けられています。支持点間距離は2m以下(本問の1.5mは適合)、ダクト終端部はエンドキャップで閉塞し、金属体にはD種接地工事(300V以下の場合)を施す必要があります。
解き方
- ライティングダクトの支持点間距離(2m以下)の規定を確認する。
- ダクト終端部の閉塞義務および金属ダクトへの接地工事規定を確認する。
- 開口部の向きに関する規定を確認し、例外なく下向き(または水平)とし上向き施設が禁止されていることを判断する。
- 選択肢 イ不正解
- ライティングダクトの支持点間距離は2 m以下と定められているため、1.5 m間隔での取り付けは適切です。
- 選択肢 ロ不正解
- ダクトの終端部は導電部の露出を防ぐためエンドキャップ等で閉塞しなければならないため、適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- 使用電圧が300 V以下の低圧ライティングダクトにはD種接地工事を施す必要があるため、適切です。
- 選択肢 ニ正解
- ライティングダクトの開口部は原則として下向きに施設しなければならず、上向きの施設は認められていません。
覚えるポイント
- ライティングダクトの開口部は必ず下向きに取り付ける(上向き禁止)
- 支持点間距離は2m以下
間違えやすいところ
- 防護措置を施せば上向きでも施工できると誤認しやすい
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第165条(ライティングダクト工事)
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp)
合成樹脂管工事に使用できる絶縁電線
配線設計・施工方法 · 合成樹脂管工事 / 屋外用ビニル絶縁電線 / OW線 / 絶縁電線
合成樹脂管工事に使用できない絶縁電線の種類はどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
電線管工事(合成樹脂管工事、金属管工事等)に収める絶縁電線には、IV線(600Vビニル絶縁電線)、HIV線(二種ビニル)、EM-IE線(耐燃性ポリエチレン)などが使用できますが、屋外用ビニル絶縁電線(OW)は屋外の架空配線等を想定した電線であり、管内配線には使用できません。
解き方
- 合成樹脂管工事における電線の選定規定を確認する。
- 絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線を除く)を使用するという規定に基づき、使用できない電線を特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 600 Vビニル絶縁電線(IV)は、合成樹脂管工事に一般的に使用できる絶縁電線です。
- 選択肢 ロ不正解
- 600 V二種ビニル絶縁電線(HIV)は耐熱性に優れ、合成樹脂管工事に使用可能です。
- 選択肢 ハ不正解
- 600 V耐燃性ポリエチレン絶縁電線(EM-IE)は、環境配慮型電線として合成樹脂管工事に使用可能です。
- 選択肢 ニ正解
- 屋外用ビニル絶縁電線(OW)は管内配線への使用が法令で禁止されています。
覚えるポイント
- 金属管や合成樹脂管内にはOW(屋外用ビニル絶縁電線)を使用してはならない
間違えやすいところ
- 屋外工事だからといってOW線を管内に入れてもよいと勘違いしやすい
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第158条(合成樹脂管工事)
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp)
施設場所に応じた低圧屋内配線工事の種類
配線設計・施工方法 · 点検できる隠ぺい場所 / 湿気の多い場所 / 金属線ぴ工事 / 施工場所の制限
点検できる隠ぺい場所で、湿気の多い場所又は水気のある場所に施す使用電圧300 V以下の低圧屋内配線工事で、施設することができない工事の種類はどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
低圧屋内配線の施設場所において、金属管工事、合成樹脂管工事、ケーブル工事は展開場所・隠ぺい場所、乾燥・湿気・水気の有無を問わずほとんどの場所に施工可能です。一方、金属線ぴ工事は「展開した乾燥した場所」にのみ施設が許可されています。
解き方
- 施工場所の条件「点検できる隠ぺい場所」「湿気の多い場所又は水気のある場所」を確認する。
- 各工事種類(金属管、金属線ぴ、ケーブル、合成樹脂管)の適用可能場所を技術基準の表と照合する。
- 金属線ぴ工事が「展開した乾燥した場所」に限定されていることから、施設不可であることを導く。
- 選択肢 イ不正解
- 金属管工事は、湿気の多い場所や点検できる隠ぺい場所にも問題なく施設できます。
- 選択肢 ロ正解
- 金属線ぴ工事は「展開した場所であって乾燥した場所」に限り施設可能であり、本問の場所には施設できません。
- 選択肢 ハ不正解
- ケーブル工事は、環境条件によらず隠ぺい場所や湿気の多い場所にも施設できます。
- 選択肢 ニ不正解
- 合成樹脂管工事は、湿気の多い場所や点検できる隠ぺい場所にも施設可能です。
覚えるポイント
- 金属線ぴ工事は展開した乾燥した場所に限られる
間違えやすいところ
- 金属管と金属線ぴ(モール等)の施工可能場所の違いを混同しやすい
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第156条(低圧屋内配線等の施設場所による工事の種類)
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp)
GR付PAS(高圧交流負荷開閉器)の特徴と役割
高圧受変電設備 · PAS / 地絡継電器 / 過電流ロック機能 / 責任分界点区分開閉器
高圧受変電設備の単線結線図において、①に示す地絡継電器付き高圧交流負荷開閉器(GR付PAS)に関する記述として、不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
GR付PASは架空引込の高圧受電設備において、責任分界点の区分開閉器として第一柱に設置されます。構内地絡事故時に自動開放して波及事故を防止する一方、負荷開閉器(負荷電流のみ遮断可)であるため短絡電流は遮断できず、過電流ロック機能(SO)で短絡事故時は開放をロックします。
解き方
- GR付PASの設置目的が「保安上の責任分界点に設ける区分開閉器」であることを確認する。
- ロの選択肢が「区分開閉器ではない」と否定している点に着目し、誤りであると判定する。
- イ(対地静電容量と不要動作対策としてのDGR)、ハ(配電線との保護協調)、ニ(短絡電流の非遮断と過電流ロック)の各記述が正しいことを確認する。
- 選択肢 イ不正解
- ケーブル長が長いと構内の静電容量が大きくなり、外部事故時の移行電圧で誤動作しやすいため、地絡方向継電装置(DGR付PAS)の適用が推奨されます。
- 選択肢 ロ正解
- GR付PASは保安上の責任分界点に設ける区分開閉器として設置されるため、「区分開閉器ではない」とする記述は誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 構内地絡時に配電用変電所の遮断器よりも先に開放させ、波及事故を防ぐための保護協調が不可欠です。
- 選択肢 ニ不正解
- 負荷開閉器は短絡大電流を遮断できないため、過電流検出時には開閉器トリップを阻止する過電流ロック機能が必要です。
覚えるポイント
- GR付PASは責任分界点に設置される区分開閉器である
- 短絡電流は遮断できないため過電流ロック機能が必要
間違えやすいところ
- PASを遮断器(CB)と混同し、短絡電流も遮断できると思い込まないようにする
出題の前提:高圧受電設備規程・電気設備技術基準
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧架空引込ケーブルの施工方法
高圧受変電設備 · ちょう架用線 / 高圧架空引込線 / 支持点間隔 / ハンガー留め
見取図において、②に示す高圧架空引込ケーブルによる引込線の施工に関する記述として、不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
架空ケーブル工事において、ケーブルをちょう架用線(メッセンジャーワイヤ)に支持する場合、ハンガー留めの支持点間隔は0.5m以下、らせん状に巻き付ける(バインド留め)場合は0.2m以下と規定されています。また、ちょう架用線にはD種接地工事が必要です。
解き方
- 高圧架空電線路におけるケーブルちょう架の技術基準(ハンガー間隔)を想起する。
- ハンガーの支持点間隔は0.5 m以下であるため、1 m間隔としているニが不適切であると判定する。
- ちょう架用線のD種接地工事(イ)、荷重設計(ロ)、端末のゆとり(ハ)がそれぞれ適切であることを確認する。
- 選択肢 イ不正解
- 高圧架空ケーブルをちょう架する金属線(メッセンジャーワイヤ)には、D種接地工事が必要です。
- 選択肢 ロ不正解
- 架空線のちょう架用線は、風圧荷重や積雪などの特殊環境荷重を考慮した引張強さを満たす必要があります。
- 選択肢 ハ不正解
- ケーブル接続部や引き留め箇所では、温度変化による伸縮や振動疲労を防ぐため、適度な弛み(余長)を持たせます。
- 選択肢 ニ正解
- ハンガーによりちょう架用線に支持する場合の支持間隔は0.5 m以下と定められているため、1 mとする施工は不適切です。
覚えるポイント
- 架空ケーブルのハンガー留めの支持点間隔は0.5m以下(バインド巻きは0.2m以下)
間違えやすいところ
- 金属管等の支持点間隔(2m等)と混同して1mでもよいと誤認しやすい
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第67条(架空ケーブルによる低高圧架空電線路の施設)
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
計器用変圧器(VT)の特徴と取り扱い
高圧受変電設備 · 計器用変圧器 / VT / 定格負担 / 定格二次電圧 / 電源利用
受電盤内の機器配置図において、③に示す計器用変圧器(VT)に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
計器用変圧器(VT)は高電圧を標準的な二次電圧110Vに降圧して計器や継電器に入力する測定器用機器です。定格負担(V・A)を超える負荷を接続すると誤差が著しく増大し、過熱・焼損を招くため、容量の大きい動力や照明電源として使うことは禁止されています。
解き方
- 計器用変圧器(VT)の目的が「計測および継電器用電圧の供給」であることを確認する。
- VTの容量が極めて小さいことを考慮し、所内照明等の電力用電源として使用可能とする記述ニを誤りと判断する。
- 定格負担管理(イ)、定格二次電圧110V(ロ)、一次側限流ヒューズ(ハ)の正しさを確認する。
- 選択肢 イ不正解
- VTには誤差を保証するための許容限界容量(定格負担[V・A])が定められており、その範囲内で使用します。
- 選択肢 ロ不正解
- 計器用変圧器の標準的な定格二次電圧は110 V(または110/√3 V)です。
- 選択肢 ハ不正解
- VTの一次側(電源側)には短絡保護として十分な遮断容量を持つ限流ヒューズを取り付けます。
- 選択肢 ニ正解
- VTは容量が小さく計測用であるため、所内の照明負荷のような電力機器の電源として使用することはできません。
覚えるポイント
- 計器用変圧器(VT)の二次定格電圧は110V
- VTは小容量のため照明電源等には使えない
間違えやすいところ
- 二次電圧が110Vであることから、一般の100V電灯電源として流用できると誤解しやすい
出題の前提:JIS C 1731(計器用変成器基準)および電気設備技術基準
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
低圧配電盤に施設する過電流遮断器の選定基準
配電設備・配線設計 · 過電流遮断器 / 幹線保護 / 電動機幹線
図中の④に示す低圧配電盤に設置する過電流遮断器に関する記述として、電気設備の技術基準の解釈に照らして不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
低圧幹線の過電流遮断器は、電線が過熱・損傷しないよう適切な定格電流のものを選定する必要があります。特に電動機負荷を含む幹線では、始動電流での不要遮断を防ぐために定格を大きくできますが、電線の保護を確実にするため、電線の許容電流の2.5倍以下に抑える上限規定が定められています。
解き方
- 低圧幹線を保護する過電流遮断器の施設基準(電気設備の技術基準の解釈 第149条)を確認する。
- 電動機等を含む幹線における過電流遮断器の定格電流の上限値(電線の許容電流の2.5倍以下)と各選択肢の記述を比較して不適切な記述を特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 単相3線式電路の中性線には過電流素子を設けないため、3極2素子(3P2E)の配線用遮断器を使用することは適切です。
- 選択肢 ロ不正解
- 幹線の許容電流が100 Aを超える場合で計算値が標準定格に合致しないときは、直近上位の定格を選択することが認められています。
- 選択肢 ハ正解
- 電動機用幹線の過電流遮断器の定格電流は、電線の許容電流の2.5倍以下でなければならず、3.5倍とするのは規定違反です。
- 選択肢 ニ不正解
- 電灯など電動機以外の幹線に施設する過電流遮断器の定格電流は、電線の許容電流以下とする必要があります。
覚えるポイント
- 電動機用幹線の過電流遮断器の上限は電線の許容電流の2.5倍以下。
間違えやすいところ
- 電動機の定格電流の合計に対する3倍基準と、電線の許容電流に対する2.5倍基準を混同しないように注意する。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第149条(低圧幹線等の施設)
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧屋内受電設備の施設基準
高圧受電設備・保安基準 · 高圧受電室 / 電気設備の技術基準の解釈 / 立ち入り防止措置
図中の⑤の高圧屋内受電設備の施設又は表示について、電気設備の技術基準の解釈で示されていないものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
屋内に設ける高圧の機械器具等は、感電等の危険を防ぐため、取扱者以外の者が容易に立ち入らないように施錠可能な構造とし、立入禁止の旨を表示することが電気設備の技術基準の解釈で義務付けられています。「火気厳禁」は消防法等の規定によるものであり、電技解釈による規定ではありません。
解き方
- 電気設備の技術基準の解釈における高圧屋内機械器具の施設要件(壁・さくの施設、施錠、立入禁止表示)を確認する。
- 選択肢の中から電技解釈で求められている防護措置・表示事項に該当しないものを判断する。
- 選択肢 イ正解
- 「火気厳禁」の表示は消防法関連で要求される場合があるものの、電気設備の技術基準の解釈には規定がありません。
- 選択肢 ロ不正解
- 取扱者以外の立ち入りを防ぐため、出入口に立ち入りを禁止する旨を表示することが定められています。
- 選択肢 ハ不正解
- 構内への部外者の侵入を防ぐため、出入口に鍵をかけられる施錠装置等を設けて施錠することが規定されています。
- 選択肢 ニ不正解
- 機械器具の周囲には、容易に人が触れたり侵入したりできないよう堅ろうな壁やさくを設けることが規定されています。
覚えるポイント
- 電技解釈で求める高圧受電室の表示は「立入禁止」であり「火気厳禁」ではない。
間違えやすいところ
- 高圧受電室の扉に危険防止標識が多く貼られているため、火気厳禁も電技解釈の規定だと誤認しやすい。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第168条、第169条等(屋内に施設する高圧の機械器具等の施設)
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
C種接地工事の接地抵抗値の緩和条件
接地工事・保安基準 · C種接地工事 / 地絡遮断装置 / 接地抵抗値
電気設備の技術基準の解釈において、C種接地工事の接地抵抗値は10 Ω以下であるが、低圧電路において地絡を生じた場合に0.5秒以内に当該電路を自動的に遮断する装置を施設するときに許容される接地抵抗値の上限[Ω]として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
C種接地工事の接地抵抗値は原則として10 Ω以下ですが、低圧電路に地絡を生じた際に0.5秒以内に自動遮断する漏電遮断器等の保護装置が施設されている場合は、感電時の継続時間が極めて短くなるため、接地抵抗値が500 Ω以下に緩和されます(D種接地工事の緩和規定と同様)。
解き方
- C種接地工事の原則的な接地抵抗値(10 Ω以下)を確認する。
- 0.5秒以内に自動遮断する装置を設けた場合の緩和規定(500 Ω以下)を適用する。
- 選択肢 イ不正解
- 50 ΩはC種接地の緩和値として定められた規定値ではありません。
- 選択肢 ロ不正解
- 150 Ωは1秒を超えて自動遮断する電路におけるB種接地抵抗値の計算基準などで現れる数値であり、C種接地の緩和値ではありません。
- 選択肢 ハ不正解
- 300 Ωは1秒以内0.5秒超の自動遮断装置がある場合のB種接地抵抗値の上限等であり、本問の値ではありません。
- 選択肢 ニ正解
- 0.5秒以内に動作する自動遮断装置がある場合、C種およびD種接地工事の接地抵抗値の上限は500 Ω以下に緩和されます。
覚えるポイント
- C種・D種接地工事ともに0.5秒以内の地絡遮断装置があれば500 Ω以下に緩和される。
間違えやすいところ
- C種の原則値10 ΩとD種の原則値100 Ωで差があるため、緩和時の数値も異なると誤認しないようにする。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第17条(接地工事の種類及び接地抵抗値)
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
低圧屋内配線の絶縁性能基準
電気計測・検査基準 · 絶縁抵抗 / 漏えい電流 / 対地電圧
低圧屋内配線の開閉器又は過電流遮断器で区切ることができる電路ごとの絶縁性能として、電気設備の技術基準(解釈を含む)に適合しないものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
低圧電路の絶縁性能は、対地電圧に応じて規定されています。対地電圧150 V以下では絶縁抵抗値0.1 MΩ以上、対地電圧150 V超300 V以下では0.2 MΩ以上が必要です。また、停電が困難な場合等において漏えい電流を測定するときは、電路の対地電圧に関係なく漏えい電流を1 mA以下に保つ必要があります。
解き方
- 各電路の対地電圧を確認し、要求される絶縁抵抗値の基準(150 V以下は0.1 MΩ以上、150 V超300 V以下は0.2 MΩ以上)を確認する。
- 漏えい電流による判定基準(1 mA以下)を確認する。
- 各選択肢の実測値を照合し、基準を満たしていないものを特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 漏えい電流が1 mA以下(0.8 mA)に保たれているため、電気設備の技術基準に適合します。
- 選択肢 ロ不正解
- 対地電圧150 V以下の電路に必要な絶縁抵抗値は0.1 MΩ以上であり、0.15 MΩは適合します。
- 選択肢 ハ正解
- 対地電圧200 V(150 V超300 V以下)では0.2 MΩ以上が必要なため、0.18 MΩは適合しません。
- 選択肢 ニ不正解
- 漏えい電流が1 mA以下(0.4 mA)に保たれているため、電気設備の技術基準に適合します。
覚えるポイント
- 絶縁抵抗基準:150V以下は0.1MΩ以上、300V以下は0.2MΩ以上、300V超は0.4MΩ以上。漏えい電流は一律1mA以下。
間違えやすいところ
- 漏えい電流の基準値1 mAと絶縁抵抗の区分(0.1、0.2、0.4 MΩ)を混同しないようにする。
出題の前提:電気設備に関する技術基準を定める省令 第58条、解釈 第14条
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
変圧器絶縁油の劣化診断項目
自家用受電設備・保守管理 · 変圧器 / 絶縁油 / 劣化診断 / 保守点検
変圧器の絶縁油の劣化診断に直接関係のないものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
油入変圧器の絶縁油の保守では、油の絶縁性能や劣化状態を把握するために、絶縁破壊電圧試験、全酸価試験、水分試験、界面張力試験、油中ガス分析などが実施されます。真空度測定は真空バルブを用いた真空遮断器(VCB)の健全性を確認するための試験です。
解き方
- 変圧器の絶縁油の劣化評価に用いられる代表的項目(酸価、水分、絶縁破壊電圧等)を想起する。
- 真空度測定が真空遮断器(VCB)を対象とする試験であることを確認し、直接関係のない項目として選定する。
- 選択肢 イ不正解
- 絶縁破壊電圧試験は絶縁油の絶縁耐力を評価する重要な試験項目です。
- 選択肢 ロ不正解
- 水分試験は油中の水分混入による絶縁低下の度合いを診断する試験項目です。
- 選択肢 ハ正解
- 真空度測定は真空遮断器(VCB)を対象とする試験であり、変圧器の絶縁油診断には直接関係ありません。
- 選択肢 ニ不正解
- 全酸価試験は油の酸化による劣化度合(有機酸の生成量)を把握するための試験項目です。
覚えるポイント
- 絶縁油の診断項目は全酸価、水分、絶縁破壊電圧。真空度測定はVCBの試験。
間違えやすいところ
- 変圧器の脱気や注油時に真空引きを行うことがあるため、真空度測定を絶縁油の劣化試験と勘違いしやすい。
出題の前提:高圧受電設備規程・自家用電気工作物点検基準
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
第一種電気工事士の独占作業範囲
関係法令 · 電気工事士法 / 自家用電気工作物 / 作業範囲
第一種電気工事士の免状の交付を受けている者でなければ従事できない作業はどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
電気工事士法において、第一種電気工事士の資格が必要な範囲は「最大電力500 kW未満の自家用電気工作物」の電気工事です(簡易電気工事の範囲を除く)。出力500 kW以上の発電所や変電所は電気工事士法の適用対象外です。また、電線管に電線を収めるだけの通線作業や盤の固定等の軽微な作業は、電気工事士でなくても従事できます。
解き方
- 電気工事士法の対象となる「最大電力500 kW未満の自家用電気工作物」に該当する選択肢を絞り込む。
- 軽微な作業(配電盤等の造営材への取り付け、電線相互を接続しない通線作業など)を除外する。
- 最大電力400 kWの需要設備における6.6 kV変圧器への電線接続作業が第一種電気工事士の必須作業であることを導く。
- 選択肢 イ正解
- 最大電力500 kW未満(400 kW)の自家用電気工作物において、高圧機器に電線を接続する作業は第一種電気工事士の独占作業です。
- 選択肢 ロ不正解
- 配電盤を造営材に取り付ける作業は軽微な作業であり、電気工事士でなくても行うことができます。また500 kW以上の設備は電気工事士法の対象外です。
- 選択肢 ハ不正解
- 最大電力500 kW以上の設備は電気工事士法の対象外であるほか、電線を管路に収めるのみの作業は軽微な作業に該当します。
- 選択肢 ニ不正解
- 電力会社等の変電所内の電気工作物は電気工事士法の適用除外です。
覚えるポイント
- 第一種電気工事士の対象は最大電力500 kW未満の自家用電気工作物および一般用電気工作物。
間違えやすいところ
- 電線を管路に収めるだけの作業や機器の据付等の軽微な作業を電気工事士必須の作業と誤解しないように注意する。
出題の前提:電気工事士法 第2条、第3条、施行規則第2条(軽微な作業)
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
電気工事業者の義務と営業所の要件
関係法令 · 電気工事業法 / 主任電気工事士 / 器具・帳簿の備付け / 標識の掲示
電気工事業の業務の適正化に関する法律において、電気工事業者の業務に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
電気工事業の業務の適正化に関する法律(電気工事業法)では、登録電気工事業者は営業所ごとに「主任電気工事士」を選任すること(一般用電気工事を行う場合)、測定器具(絶縁抵抗計、接地抵抗計等)を備えること、営業所および施工場所に標識を掲示すること、帳簿を備えて保存することなどが義務付けられています。電気主任技術者の選任は事業用電気工作物の設置者に課される電気事業法の規定です。
解き方
- 電気工事業法における電気工事業者の各種義務(主任電気工事士の選任、測定器具の備付け、標識の掲示、帳簿の備付け・保存)を整理する。
- 営業所に選任すべき技術者が「主任電気工事士」であることを確認し、「電気主任技術者」としている選択肢ロの誤りを特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 営業所ごとに絶縁抵抗計、接地抵抗計、回路計等の所定の器具を備えなければなりません。
- 選択肢 ロ正解
- 選任が求められているのは「主任電気工事士」であり、「電気主任技術者」の選任義務はありません。
- 選択肢 ハ不正解
- 営業所及び電気工事の施工場所ごとに、氏名・登録番号等を記載した標識を掲示する義務があります。
- 選択肢 ニ不正解
- 営業所ごとに、注文者や施工場所、作業内容などを記載した帳簿を備え、一定期間保存する義務があります。
覚えるポイント
- 電気工事業法で営業所に選任するのは主任電気工事士(電気主任技術者ではない)。
間違えやすいところ
- 「主任電気工事士」と「電気主任技術者」の名称が似ているため、混同しやすい点に注意する。
出題の前提:電気工事業の業務の適正化に関する法律 第19条、第24条、第25条、第26条
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
一般用電気工作物の調査業務
関係法令 · 電気事業法 / 一般用電気工作物 / しゅん工調査 / 定期調査
電気事業法において、電線路維持運用者が行う一般用電気工作物の調査に関する記述として、不適切なものはどれか。
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解答
ニ
解説
電気事業法第57条に基づき、一般用電気工作物と電線路が接続される電線路維持運用者(一般送配電事業者等)は、その工作物が技術基準に適合しているか調査する義務を負います。これには「設置時・変更時のしゅん工調査」と「設置後の定期調査(原則4年に1回以上)」があります。調査業務は登録調査機関に委託することが可能です。
解き方
- 電線路維持運用者に義務付けられている調査の種類(設置時・変更時調査、および4年に1回以上の定期調査)を確認する。
- 調査業務の外部委託(登録調査機関への委託)が可能であることを確認する。
- 「設置された時に調査が行われなかった」という記述が法令義務(しゅん工調査義務)に反することを見抜く。
- 選択肢 イ不正解
- 定期調査は原則として4年に1回以上の頻度で行うことが定められています。
- 選択肢 ロ不正解
- 外部の受託法人が点検している場合であっても、電線路維持運用者としての調査義務が免除されるわけではありません。
- 選択肢 ハ不正解
- 電線路維持運用者は、経済産業大臣の登録を受けた登録調査機関に調査業務を委託することができます。
- 選択肢 ニ正解
- 一般用電気工作物が設置された時またはその変更の工事が完成した時には、必ずしゅん工調査を行わなければなりません。
覚えるポイント
- 一般用電気工作物の調査は「設置時(変更時)」および「設置後4年に1回以上」実施される。
間違えやすいところ
- 定期調査の頻度(4年に1回以上)のみに気を取られ、設置時(しゅん工時)の調査義務を失念しないようにする。
出題の前提:電気事業法 第57条(調査の義務)、施行規則第96条
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公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
零相電圧検出器(ZPD)の役割
高圧受電設備 · ZPD / 零相電圧検出器 / 地絡方向継電器
高圧受電設備の単線結線図において、引込開閉器部に接続された①で示す図記号の機器に関する記述として、正しいものはどれか。
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解答
ニ
解説
零相電圧検出器(ZPD: Zero-phase Potential Device)は、コンデンサの分圧を利用して高圧電路の零相電圧(地絡発生時の対地電圧の不平衡分)を検出し、地絡方向継電器(DGR)へ送る機器です。
解き方
- 単線結線図中の①の図記号を確認すると、3相の線路に接続されたコンデンサのY結線中性点から地絡保護リレーへ信号を送る構成となっています。
- この記号は零相電圧検出器(ZPD)を表しており、地絡事故時の零相電圧を検出する機器であると判断します。
- 選択肢 イ不正解
- 零相電流を検出する機器は零相変流器(ZCT)であり、コンデンサ分圧を用いるZPDの役割ではありません。
- 選択肢 ロ不正解
- 短絡電流を検出する機器は通常の変流器(CT)と過電流継電器(OCR)の組合せであり、誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 欠相電圧を検出する機器は欠相継電器などであり、ZPDが検出対象とするのは零相電圧です。
- 選択肢 ニ正解
- 図記号①は零相電圧検出器(ZPD)を示しており、地絡事故時に生じる零相電圧を検出します。
覚えるポイント
- ZPD(零相電圧検出器)は零相電圧V0を検出し、ZCT(零相変流器)は零相電流I0を検出する。
間違えやすいところ
- ZPDとZCTの役割を混同し、ZPDを零相電流の検出器と誤答しやすいので注意が必要です。
出題の前提:電気設備技術基準の解釈、JIS C 0617規格に基づく配線図記号
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公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
引込ケーブル端末部に使用されない機器・部材
高圧受電設備 · 引込ケーブル / 高圧端末処理 / クリート
高圧受電設備の単線結線図において、②で示す屋外から屋内に至る高圧引込ケーブル端末部分に使用されないものはどれか。
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解答
ハ
解説
高圧架空引込線から受電室への引込ケーブル敷設では、屋外側端末処理材(耐候性の笠付き終端部)、屋内側端末処理材、ケーブルを固定支持するクリートなどが使用されますが、限流ヒューズはケーブル敷設・端末処理部材ではありません。
解き方
- 配線図の②の位置を確認すると、屋外の架空引込開閉器側と屋内の受電設備引込口を結ぶ高圧引込ケーブル部を指しています。
- 写真の各部材を識別し、イ(屋内端末材)、ロ(屋外端末材)、ニ(クリート)はケーブル工事に使用されるのに対し、ハ(高圧限流ヒューズ)は引込部分の敷設器材ではないと判断します。
- 選択肢 イ不正解
- 屋内の受電設備側ケーブルヘッド部を施工するための屋内用端末処理材料であり、使用されます。
- 選択肢 ロ不正解
- 屋外の電柱側ケーブルヘッドを施工するための耐候性笠付き屋外用端末処理材料であり、使用されます。
- 選択肢 ハ正解
- 写真は高圧限流ヒューズであり、変圧器やコンデンサ等の保護機器内に設置するものでケーブル引込部には使用されません。
- 選択肢 ニ不正解
- ケーブルを壁面や架台等に強固に把持・支持するためのケーブルクリートであり、引込配線施工に使用されます。
覚えるポイント
- 高圧ケーブルの屋外端末には雨水浸入と沿面放電を防ぐひだ(笠)付きの屋外用端末材を使用する。
間違えやすいところ
- 限流ヒューズの写真を見て避雷器や端末処理部材と混同しないように外観形状を整理しておく必要があります。
出題の前提:高圧受電設備規程・電気設備技術基準の解釈
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計器用変成器(VCT)の接地工事種別
電気設備技術基準・接地工事 · VCT / A種接地工事 / D種接地工事 / 電技解釈第28条
高圧受電設備の単線結線図において、計器用変成器(VCT)の設置箇所である③aおよび③bに入る図記号の組合せとして、正しいものはどれか。
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解答
イ
解説
電気設備の技術基準の解釈において、高圧の電気機械器具の金属製外箱には原則としてA種接地工事を施します(電技解釈第29条)。また、高圧計器用変成器の二次側電路には、混触による二次側の電位上昇を防ぐためD種接地工事を施すことが義務付けられています(電技解釈第28条)。
解き方
- 単線結線図で③aがVCTの外箱(筐体)から引き出された接地線であり、③bが二次側変成回路から引き出された電路接地線であることを確認します。
- 高圧機器の外箱にはA種接地工事(E_A)、高圧計器用変成器の二次側電路にはD種接地工事(E_D)を適用するため、組合せはイとなります。
- 選択肢 イ正解
- 高圧機器外箱(③a)はA種接地工事、高圧計器用変成器の2次側電路(③b)はD種接地工事で正しい組合せです。
- 選択肢 ロ不正解
- 外箱接地と二次側電路接地が逆になっており誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 高圧機器の金属製外箱にはD種ではなくA種接地工事が必要であるため誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 高圧計器用変成器の2次側電路接地はD種接地工事であり、B種接地工事とするのは特別高圧の場合です。
覚えるポイント
- 計器用変成器二次側の接地は高圧ならD種、特別高圧ならB種接地工事となる。
間違えやすいところ
- 低圧変圧器の二次側接地(B種)と計器用変成器の二次側接地(高圧はD種)を混同しやすいので注意が必要です。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第28条(計器用変成器の二次側電路の接地)、第29条(機械器具等の金属製外箱等の接地)
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計器用変圧器(VT)の必要最少数量
高圧受電設備 · VT / 計器用変圧器 / V結線 / 三相電圧測定
高圧受電設備の単線結線図において、電圧計(V)に接続するために④に設置する単相計器用変圧器(VT)の必要最少数量はどれか。
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解答
ロ
解説
三相3線式回路において線間電圧を変圧して測定する場合、2台の単相変圧器をV-V結線(オープンデルタ)することで、3相すべての線間電圧を二次側に対称に出力できます。そのため、必要最少機器台数は2台となります。
解き方
- 単線結線図の④は主母線から電圧計切替スイッチ(VS)および電圧計(V)へ接続される計器用変圧器(VT)であることを確認します。
- 三相3線式の電圧測定では単相VTを2台用いてV結線とすることで3線間の電圧測定が可能となるため、最少台数は2台(ロ)と求められます。
- 選択肢 イ不正解
- 単相VTが1台のみでは1つの線間電圧しか測定できず、三相すべての線間電圧を測定できません。
- 選択肢 ロ正解
- 単相VTを2台用いてV結線とすることで、三相交流の全線間電圧を測定できるため最少台数は2台です。
- 選択肢 ハ不正解
- 3台用いてY結線やΔ結線とすることも可能ですが、必要「最少」数量を問われているため2台が正解です。
- 選択肢 ニ不正解
- 三相3線式の電圧測定に4台のVTを必要とする構成はなく誤りです。
覚えるポイント
- 三相3線式の電圧測定用VTおよび電流測定用CTの最少所要台数はどちらも2台(V結線)。
間違えやすいところ
- 三相だからといって安易に3台を選んでしまうミスが多いため、「最少数量」の条件とV結線の原理を意識してください。
出題の前提:高圧受電設備規程・内線規程
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
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変流器(CT)の役割
高圧受電設備 · CT / 変流器 / 過電流継電器 / 計器用変成器
高圧受電設備の単線結線図において、⑤で示す機器(CT)の役割として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
変流器(CT: Current Transformer)は、高圧電路の大電流に比例した安全な小電流(定格2次電流5Aなど)に変換し、電流計や過電流継電器等の機器に供給する計器用変成器です。
解き方
- 単線結線図の主遮断器上部に描かれた丸記号⑤は変流器(CT)を示していることを読み取ります。
- CTの基本的役割は主回路の電流を計器・継電器用に取り扱いやすい電流に変流することであるため、選択肢イを選択します。
- 選択肢 イ正解
- 変流器(CT)は高圧電路に流れる大電流を計器や保護リレー用の小電流に変流する機器です。
- 選択肢 ロ不正解
- 侵入した雷サージなどの過電圧を抑制する機器は避雷器(LA)であり、CTの役割ではありません。
- 選択肢 ハ不正解
- 高電圧を低電圧に変圧する機器は計器用変圧器(VT)や変圧器(TR)であり、CTではありません。
- 選択肢 ニ不正解
- 地絡電流を検出する機器は零相変流器(ZCT)であり、相電流を変流するCTとは異なります。
覚えるポイント
- CT(変流器)は電流を変流し二次定格は通常5A、VT(変圧器)は電圧を変圧し二次定格は通常110V。
間違えやすいところ
- VT(変圧)とCT(変流)、ZCT(地絡電流検出)の機能を取り違えないように注意が必要です。
出題の前提:JIS C 1731、電気設備技術基準
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
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受電盤に設置する指示計器の組合せ
高圧受電設備 · 電力計 / 力率計 / 指示電気計器 / 計器用変成器接続
高圧受電設備の単線結線図において、計器用変圧器(VT)回路と変流器(CT)回路の両方から配線が接続されている⑥に設置する機器の組合せとして、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
電力(P=√3VIcosθ)および力率(cosθ)を計測するには、電路の電圧情報(VT二次側)と電流情報(CT二次側)の双方が必要です。一方、電流計はCTのみ、周波数計や電圧計はVTのみで動作します。
解き方
- 単線結線図の⑥の部分を見ると、VT二次側からの電圧回路とCT二次側からの電流回路の両方が導入されている点線の計器枠であることが分かります。
- 電圧と電流の両方を入力する必要がある計器は電力計および力率計であり、写真イの表示板(左がkW、右がcosφ)と合致するためイを正答とします。
- 選択肢 イ正解
- 電力計(kW)と力率計(cosφ)は電圧と電流の両方の入力が必要であり、写真もこれらを示しています。
- 選択肢 ロ不正解
- 周波数計は電圧のみ、電流計は電流のみで動作し、両方の入力を同時に必要とする計器ではありません。
- 選択肢 ハ不正解
- 電流計はCT回路のみに接続されるため、VT回路とCT回路の双方を必要とする計器枠⑥の組合せとして不適切です。
- 選択肢 ニ不正解
- 電流計と周波数計のいずれも電圧・電流の両方を同時に受け取る計器ではないため不適切です。
覚えるポイント
- VTとCTの両方から入力を受ける計器は電力計(W/kW)、無効電力計(var)、力率計(cosφ)。
間違えやすいところ
- 写真の目盛板の単位(kW、cosφ、Hz、A)をしっかり見落とさずに識別することが重要です。
出題の前提:高圧受電設備規程・配線器具配置基準
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
電路の相回転(相順)確認に用いる測定器
電気計測 · 検相器 / 相順測定 / 受電設備試験
高圧受電設備の単線結線図において、⑦で示す電路部分の相確認(相回転・相順の確認)に用いる測定器として、適切なものはどれか。
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解答
ロ
解説
三相誘導電動機などを正常に正転運転させるには、電源の相回転方向(正相か逆相か)が一致している必要があります。受電電路の相順を確認するための専用測定器が検相器(フェーズテスタ)です。
解き方
- 問題文で求められているのは電路の「相確認(相順確認)」に用いる測定器である点を確認します。
- 写真の測定器具を照合すると、イは接地抵抗計、ロは3本のリード線と回転表示板を持つ検相器、ハは検電器であり、検相器であるロが正答となります。
- 選択肢 イ不正解
- 写真は接地抵抗計(アーステスタ)であり、接地極の接地抵抗値を測定する機器です。
- 選択肢 ロ正解
- 写真は検相器(フェーズテスタ)であり、三相電路の相回転(相順)が正しいかを確認するために用います。
- 選択肢 ハ不正解
- 写真は高圧検電器であり、電路の停電確認・充電の有無を検知するための器具です。
- 選択肢 ニ不正解
- 写真は活線作業器具(または架線金物)であり、相順を測定・確認する計測器ではありません。
覚えるポイント
- 相順(相回転)の確認には検相器を用い、停電・充電状態の確認には検電器を用いる。
間違えやすいところ
- 充電の有無を確認する「検電器」と、相の順序を確認する「検相器」を用途の違いとして正しく区別してください。
出題の前提:高圧受電設備規程、電気安全作業指針
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.15 ↗(www.shiken.or.jp)
直列リアクトル(SR)の役割
高圧受電設備 · 直列リアクトル / 進相コンデンサ / 放電コイル / 高調波対策
高圧受電設備の単線結線図において、高圧進相コンデンサに直列接続された⑧で示す機器(直列リアクトル)の役割として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
直列リアクトル(SR)は進相コンデンサと直列に挿入され、①投入時の突入電流抑制、②第5調波などによる電圧波形ひずみの改善・拡大防止を目的とします。一方、回路開放時にコンデンサ端子の残留電荷を安全な電圧まで放電するのは放電コイル(DC)の役割です。
解き方
- 単線結線図の⑧は高圧進相コンデンサ(SC)の直列側に配置された直列リアクトル(SR)であることを確認します。
- 直列リアクトルの役割(突入電流抑制、第5調波抑制、波形ひずみ改善)と放電コイルの役割(残留電荷の放電)を対比し、ロが放電コイルの機能であるため誤りと判断します。
- 選択肢 イ不正解
- 直列リアクトルはインダクタンスによりコンデンサ投入時の大きな突入電流を抑制するため、記述として正しいです。
- 選択肢 ロ正解
- コンデンサの残留電荷を放電するのは放電コイル(DC)の機能であり、直列リアクトルの役割ではないため誤りとして正解です。
- 選択肢 ハ不正解
- 高調波電流の流入を阻止することで電路の電圧波形ひずみを改善するため、記述として正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 主に第5調波に対して誘導性となるリアクタンス値を選定し高調波障害の拡大を防ぐため、記述として正しいです。
覚えるポイント
- 直列リアクトル(SR)=突入電流抑制&第5調波障害防止、放電コイル(DC)=残留電荷の放電。
間違えやすいところ
- 進相コンデンサ設備に付属する「直列リアクトル(直列接続)」と「放電コイル(並列接続)」の役割を混同しやすいので注意してください。
出題の前提:高圧受電設備規程・JIS C 4901
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.15 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧受電設備における変圧器二次側接地線の最小太さ
高圧受電設備・配線設計 · B種接地工事 / 接地線の太さ / 単線結線図
図の高圧受電設備単線結線図において、⑨で示す変圧器低圧側に施設する接地線(B種接地工事)に使用する軟銅線の太さ(直径の最小値[mm])として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
電気設備の技術基準の解釈第17条において、高圧または特別高圧の電路と低圧電路とを結合する変圧器の低圧側に施すB種接地工事の接地線は、引張強さ2.46kN以上の容易に腐食し難い金属線、または直径2.6mm以上の軟銅線を使用することと規定されています。
解き方
- 単線結線図において⑨が指す箇所が変圧器低圧側に施設されるB種接地工事の接地線であることを確認する。
- 電気設備の技術基準の解釈に基づき、B種接地工事の接地線に用いる軟銅線の最小太さ(直径2.6mm以上)を選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 直径1.6mmは、D種接地工事などで用いられる最小太さであり、変圧器のB種接地工事には不適合です。
- 選択肢 ロ不正解
- 直径2.0mmは、移動して使用する電気機械器具の接地線などに用いられますが、変圧器のB種接地工事には細すぎます。
- 選択肢 ハ正解
- 電気設備の技術基準の解釈第17条により、B種接地工事の接地線には直径2.6mm以上の軟銅線を使用することと規定されています。
- 選択肢 ニ不正解
- 直径3.2mmは受電電圧などの特定の特殊条件下で用いられる太さであり、本問で求められている直径の最小値としては2.6mmが適切です。
覚えるポイント
- B種接地工事の接地線には直径2.6mm以上の軟銅線を使用する。
間違えやすいところ
- D種・C種接地工事の最小太さである直径1.6mmと混同しないように注意する。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第17条(接地工事の種類等)
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.15 ↗(www.shiken.or.jp)
スターデルタ始動を行う電動機の配線心線数
配線設計・動力回路 · スターデルタ始動 / 誘導電動機 / 配線心線数
図の高圧受電設備単線結線図において、⑩で示す動力制御盤(スターデルタ始動器内蔵)内から電動機に至る配線で、必要とする電線本数(心線数)として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
スターデルタ(Y-Δ)始動法では、始動時に電動機の固定子巻線をスター結線にして相電圧を下げて始動電流を抑制し、加速後にデルタ結線へ切り換えます。この結線切換えを制御盤内の電磁接触器で行うため、電動機の3組の巻線の両端子(合計6端子)すべてを制御盤まで引き出す必要があり、電線本数は6本となります。
解き方
- 単線結線図の動力制御盤内の図記号(Y-Δ)から、始動方式がスターデルタ始動方式であることを読み取る。
- 電動機の巻線各相の両端(始端と終端の計6端子)を盤内の電磁接触器へ引き出して接続するため、必要な心線数を6本と判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 3本は全電圧始動(じか入れ始動)の場合に電動機へ接続する電線本数であり、スターデルタ始動には不足します。
- 選択肢 ロ不正解
- 4本は三相電源と中性線、あるいは接地線を含めた配線などで見られる本数であり、スターデルタ始動用結線としては不適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- 5本はスターデルタ始動の結線には該当せず、巻線6端子を引き出す配線本数として不適切です。
- 選択肢 ニ正解
- スターデルタ始動器で巻線のスター・デルタ切換えを行うため、電動機の各巻線の両端から計6本の電線を引き出す必要があります。
覚えるポイント
- スターデルタ始動器と電動機間の配線本数(心線数)は6本必要である。
間違えやすいところ
- 直入れ始動の3本と混同しないように、制御盤内の「Y-Δ」記号を必ず確認すること。
出題の前提:内線規程・三相誘導電動機のスターデルタ始動配線設計基準
出典:電気技術者試験センター『平成30年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.15 ↗(www.shiken.or.jp)
平成30年度第一種電気工事士筆記試験
参照した公式資料
電気技術者試験センターが公開した平成30年度第一種電気工事士筆記試験の問題・解答資料です。

