学科(旧称:筆記)の問題と公式解答を種別・年度・期・午前午後で区別しています。CBTの出題例は過去の筆記試験とは別種別です。技能の課題は学科と分けて収録しています。
試験の概要
電線の電気抵抗の諸特性
電気理論 · 導体の電気抵抗 / 温度係数 / 導電率
電線の導体抵抗に関する記述として、誤っているものを1つ選べ。
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解答
イ
解説
金属導体の電気抵抗Rは抵抗率ρ、電線の長さL、断面積Aを用いてR=ρL/Aで表されます。また金属は正の温度係数をもつため、温度上昇に伴い電気抵抗は増加します。
解き方
- 電線の電気抵抗Rが長さLに比例し、断面積Aに反比例するという基本則(R=ρL/A)を確認します。
- 金属導体の温度特性として、温度が上昇すると抵抗値が増加する正の温度係数をもつことを適用し、誤りの選択肢を特定します。
- 選択肢 イ正解
- 金属導体は正の温度係数を持ち温度上昇に伴って抵抗値が増加するため、「小さくなる」という本記述は誤り(正解)です。
- 選択肢 ロ不正解
- 抵抗の公式R=ρL/Aのとおり、抵抗値は電線の長さに比例し断面積に反比例するため正しい記述です。
- 選択肢 ハ不正解
- アルミニウムの抵抗率は約2.8×10^-8Ω·mであり軟銅(約1.7×10^-8Ω·m)より大きいため、同寸法での抵抗値はアルミニウムの方が大きくなり正しい記述です。
- 選択肢 ニ不正解
- 同一材料、同一長、同一断面積であれば、単線でもより線でも抵抗値はほぼ等しくなるため正しい記述です。
覚えるポイント
- 金属導体の抵抗値は温度が上昇すると大きくなる(正の温度特性)。
間違えやすいところ
- 電解液や半導体・絶縁体は温度上昇で抵抗が下がりますが、金属導体は逆に抵抗が増加します。
出題の前提:電気設備の基礎理論(導体の電気抵抗および温度特性)
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
直並列接続回路の合成抵抗計算
配電理論 · 合成抵抗 / 並列接続 / 直列接続
すべての抵抗が2Ωで構成された回路において、2個の並列接続ブロックが2組直列に接続されている。端子a-b間の合成抵抗値[Ω]として、正しいものを1つ選べ。
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解答
ロ
解説
同じ抵抗値Rの抵抗がn個並列接続されている部分の合成抵抗はR/nとなります。直列接続された各区間の合成抵抗は各区間の抵抗の単純な和となります。
解き方
- 1組あたりの並列接続部分(2Ωが2個並列)の合成抵抗を計算し、2/2 = 1Ω を求めます。
- その並列接続部分が2組直列に繋がれているため、1Ω + 1Ω = 2Ω を算出します。
- 選択肢 イ不正解
- 1Ωは2Ωが2個並列になった1ブロック分の合成抵抗値であり、2組直列全体の合成抵抗ではありません。
- 選択肢 ロ正解
- 2Ω並列(1Ω)が2組直列に接続されているため、合成抵抗は1Ω+1Ω=2Ωとなり正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 全体の回路構成の計算結果(2Ω)と一致しないため誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 4Ωは2Ωの抵抗が2個直列に並んだ場合などの値であり、本回路の合成抵抗値ではありません。
覚えるポイント
- 同値抵抗Rの2個並列は半分(R/2)になり、それが直列接続されれば足し算します。
間違えやすいところ
- 並列部分を直列と見誤ったり、並列合成後の直列加算を忘れて1ブロック分だけで解答しないように注意します。
出題の前提:電気工学の基礎(オームの法則および直流回路の合成抵抗計算)
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
直流並列電源回路の電流計算
配電理論 · キルヒホッフの法則 / 直流並列回路 / 端子電圧
起電力104V・内部抵抗0.2Ωの直流電源と、起電力104V・内部抵抗0.1Ωの直流電源が並列に接続され、抵抗R=3.4Ωの負荷に電力を供給している。負荷に流れる電流が30Aであるとき、起電力104V・内部抵抗0.2Ωの電源枝路を流れる電流I1[A]を求めよ。
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解答
ロ
解説
並列接続された回路では各並列枝路の両端電圧(端子間電圧)が共通となります。電源枝路の電流は(起電力 - 端子電圧)/ 内部抵抗 によって求めることができます。
解き方
- 負荷抵抗R=3.4Ωと流れる電流30Aから、オームの法則により並列部の端子電圧 V = 30 × 3.4 = 102V を算出します。
- 着目する電源枝路について、起電力104Vと端子電圧102Vの差電圧(内部抵抗による電圧降下)2Vを内部抵抗0.2Ωで除算し、I1 = 2 / 0.2 = 10A を求めます。
- 選択肢 イ不正解
- 端子電圧102Vに対して内部抵抗0.2Ωの電圧降下2Vから計算すると10Aとなり、5Aは誤りです。
- 選択肢 ロ正解
- 端子電圧102Vとの電位差2Vを内部抵抗0.2Ωで割ると2/0.2=10Aとなり正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- もう一方の内部抵抗0.1Ωの枝路を流れる電流((104-102)/0.1=20A)であり、I1の値ではありません。
- 選択肢 ニ不正解
- 30Aは負荷に流れる全電流であり、電源枝路I1に流れる電流値ではありません。
覚えるポイント
- 並列回路ではまず共通の端子電圧を負荷側から逆算するのが最も平易な解法です。
間違えやすいところ
- 2つの内部抵抗の比(0.2Ωと0.1Ωで1:2)から電流比が逆比(1:2)となり全体30Aを分担して10Aと20Aになる関係を見落とさないようにします。
出題の前提:直流回路理論(キルヒホッフの法則とオームの法則)
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
交流並列回路の力率計算
電気理論 · 交流並列回路 / 力率 / ベクトル合成
電源電圧200Vの交流電源に、抵抗20ΩとリアクタンスX[Ω]が並列に接続されている。回路全体の電流が20Aであるとき、この回路の力率[%]として正しいものを1つ選べ。
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解答
イ
解説
交流並列回路では各素子に共通の電圧が加わります。回路の力率cosθは、全電流Iに対する電圧と同相の有効電流(抵抗電流IR)の比、すなわち cosθ = IR / I として求められます。
解き方
- 電源電圧200Vと抵抗20Ωから、抵抗に流れる電流 IR = 200 / 20 = 10A を計算します。
- 全線路電流 I = 20A に対する有効電流 IR = 10A の比を求め、力率 cosθ = 10 / 20 = 0.50(50%)を導出します。
- 選択肢 イ正解
- 抵抗電流IR=200/20=10A、全電流I=20Aより、力率はcosθ=10/20=0.50(50%)となり正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- 直列回路と混同してインピーダンス比等から誤って算出した値であり不適です。
- 選択肢 ハ不正解
- 80%はリアクタンス電流と抵抗電流の比率を直列回路的に誤認した場合などに現れる誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 全電流20Aのうち抵抗電流は10Aでありリアクタンス成分が存在するため、100%にはなりません。
覚えるポイント
- 並列回路の力率は(抵抗電流 IR)÷(全電流 I)で即座に計算できます。直列回路の R/Z と混同しないこと。
間違えやすいところ
- 並列回路なのに直列回路の公式力率 cosθ = R / Z をそのまま適用しようとして計算が破綻するミスが多発します。
出題の前提:交流回路理論(交流並列回路の力率)
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
三相交流Y結線回路の全消費電力
電気理論 · 三相交流 / Y結線 / 消費電力 / インピーダンス
線間電圧200Vの対称三相交流電源に、1相あたり抵抗4Ωとリアクタンス3Ωが直列に接続された対称Y結線負荷が接続されている。この回路の全消費電力[kW]として、正しいものを1つ選べ。
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解答
ハ
解説
対称三相交流回路において、消費電力は負荷の抵抗成分Rのみで生じます。Y結線では相電圧が線間電圧の1/√3倍となり、全消費電力は各相の電力の3倍(P = 3 × Ip^2 × R)、または P = √3 × V_l × I_l × cosθ で計算されます。
解き方
- 1相あたりのインピーダンス Z = √(4^2 + 3^2) = 5Ω を求めます。
- Y結線の相電圧 Vp = 200 / √3 V を求め、相電流 Ip = Vp / Z = 40 / √3 A を算出します。
- 全消費電力 P = 3 × Ip^2 × R = 3 × (1600 / 3) × 4 = 6400W = 6.4kW を計算します。
- 選択肢 イ不正解
- 計算手順や相電圧の変換に誤りがある数値であり不適です。
- 選択肢 ロ不正解
- 無効電力や力率の掛け違いなどによる誤った計算値です。
- 選択肢 ハ正解
- 相電流Ip=40/√3 Aより、全消費電力はP=3×Ip^2×R=3×(1600/3)×4=6400W=6.4kWとなり正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 8.0kWは皮相電力S=3×Ip^2×Z=8000VA=8.0kVAを求めてしまっており、有効電力(消費電力)ではありません。
覚えるポイント
- 三相電力の消費電力は抵抗Rのみで消費され、P = 3 × I^2 × R で確実に求まります。
間違えやすいところ
- 全消費電力を求める際に皮相電力(Zを用いた計算)と混同したり、線間電圧200Vをそのまま相電圧として扱ってしまうミスに注意します。
出題の前提:三相交流回路理論(対称三相Y結線負荷の電力計算)
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
単相2線式配電線路の電圧降下と電線太さの選定
配電理論 · 電圧降下 / 単相2線式 / 電線太さ選定
線路長100mの単相2線式配電線路において、負荷電流50A、力率0.8(遅れ)の負荷が接続されている。線路の電圧降下を4V以内にするための電線の最小太さ(断面積)[mm^2]を求めよ。ただし、電線の1km当たり抵抗値は14mm^2で1.30Ω/km、22mm^2で0.82Ω/km、38mm^2で0.49Ω/km、60mm^2で0.30Ω/kmとし、線路リアクタンスは無視する。
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解答
ハ
解説
単相2線式配電線路では往復2本の電線による抵抗損によって電圧降下が生じるため、線路リアクタンスを無視する場合の電圧降下式は ΔV = 2·I·R·cosθ となります。
解き方
- 1km当たりの電線抵抗をr [Ω/km] として、100m(0.1km)における1本当たりの電線抵抗 R = 0.1r [Ω] を式に設定します。
- 単相2線式の電圧降下式 ΔV = 2·I·R·cosθ に I=50A、cosθ=0.8 を代入し、ΔV = 2 × 50 × 0.1r × 0.8 = 8r [V] を導きます。
- 電圧降下条件 8r ≦ 4V より、許容される1km当たりの最大抵抗値 r ≦ 0.50 Ω/km を求めます。
- 与えられた表を参照し、0.50 Ω/km 以下となる最小の電線断面積 38 mm^2(0.49 Ω/km)を選定します。
- 選択肢 イ不正解
- 14mm^2の抵抗率は1.30Ω/kmであり、電圧降下は8×1.30=10.4Vとなって4Vを超えるため不適です。
- 選択肢 ロ不正解
- 22mm^2の抵抗率は0.82Ω/kmであり、電圧降下は8×0.82=6.56Vとなって4Vを超えるため不適です。
- 選択肢 ハ正解
- 38mm^2の抵抗率は0.49Ω/kmであり、電圧降下は8×0.49=3.92Vとなり4V以内に収まる最小の太さであるため正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 60mm^2も4V以内を満たしますが、条件を満たす「最小太さ」ではないため不適です。
覚えるポイント
- 単相2線式の電圧降下式は往復2本分を考慮して ΔV = 2IRcosθ(係数2)を用います。
間違えやすいところ
- 片道分のみの電圧降下式(係数1)と混同して計算すると許容抵抗値を誤り、一段細い電線を選定してしまう誤りがあります。
出題の前提:電気設備技術基準・解釈および配電線路の電圧降下計算基準
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.4 ↗(www.shiken.or.jp)
低圧屋内幹線からの分岐回路の電線太さと長さの制限
配線設計・電気設備 · 分岐回路 / 過電流遮断器 / 許容電流 / 内線規程
定格電流100Aの配線用遮断器で保護された低圧屋内幹線から分岐回路を施設する。分岐点から開閉器までの距離aと、分岐回路に用いるVVRケーブルの太さbの組合せとして、電気設備技術基準の解釈に適合せず誤っているものを1つ選べ。ただし、電線の許容電流は直径2.0mmで24A、断面積5.5mm^2で34A、断面積8mm^2で42A、断面積14mm^2で61Aとする。
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解答
ロ
解説
電気設備の技術基準の解釈第149条により、幹線から分岐する電線の過電流遮断器までの長さaに応じた電線許容電流Iwの基準は以下の通りです。① a ≦ 3m:制限なし、② 3m < a ≦ 8m:幹線の遮断器定格IBの35%以上(Iw ≧ 0.35 IB)、③ a > 8m:幹線の遮断器定格IBの55%以上(Iw ≧ 0.55 IB)。
解き方
- 幹線の配線用遮断器定格電流が100Aであることを確認します。
- 長さaが3m超8m以下(5m、7m)の場合に必要な電線の許容電流基準を計算します(100A × 0.35 = 35A以上)。
- 選択肢ロ(a=5m)の電線太さ5.5mm^2の許容電流は34Aであり、35Aに満たないため不適合と判定します。
- 他の選択肢(イは3m以下で制限なし、ハは7mで42A≧35A適合、ニは10mで61A≧55A適合)が適合することを確認します。
- 選択肢 イ不正解
- a=2mは3m以下であるため電線の許容電流に下限制限はなく、直径2.0mm(24A)でも適合します。
- 選択肢 ロ正解
- a=5m(3m超8m以下)では幹線の35%である35A以上が必要ですが、5.5mm^2の許容電流は34Aで不足するため誤り(正解)です。
- 選択肢 ハ不正解
- a=7m(3m超8m以下)では35A以上が必要であり、8mm^2の許容電流は42Aで満たしているため適合します。
- 選択肢 ニ不正解
- a=10m(8m超)では幹線の55%である55A以上が必要であり、14mm^2の許容電流は61Aで満たしているため適合します。
覚えるポイント
- 分岐回路の過電流遮断器省略距離:3m以下は制限なし、3m超8m以下は幹線の35%以上、8m超は幹線の55%以上。
間違えやすいところ
- 3m超8m以下の35%(100Aなら35A)の基準を失念し、太さ5.5mm^2(34A)のわずか1A不足を見逃すミスに注意します。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第149条(低圧幹線からの分岐回路等の施設)
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.4 ↗(www.shiken.or.jp)
単相3線式回路の中性線断線事故時の電圧計算
配電理論 · 単相3線式 / 中性線断線 / 分圧の法則
単相3線式電路(電源電圧210/105V)において、上相に抵抗負荷A(50Ω)、下相に抵抗負荷B(25Ω)、両外側線間に抵抗負荷C(20Ω)を接続して使用中、中性線の点Pで断線が生じた。断線後に抵抗負荷Aに加わる電圧[V]として、正しいものを1つ選べ。ただし、どの配線用遮断器も動作しなかったものとする。
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解答
ハ
解説
単相3線式の中性線が断線すると、中性線に接続されていた各相の負荷同士が両外側線間電圧(210V)に対して直列接続されます。このとき各負荷にかかる電圧は各相の抵抗値の比に比例して分圧され、軽負荷(抵抗値が大きい側)に過電圧が加わります。
解き方
- 中性線断線後の回路接続状態を把握します。外側線間に接続されている負荷C(20Ω)は独立して210Vが加わり、負荷Aと負荷Bの回路には影響を与えません。
- 負荷A(50Ω)と負荷B(25Ω)が両外側線間電圧210Vに対して直列に接続される回路を考えます。
- 分圧の法則を適用し、負荷Aにかかる電圧 VA = 210 × [50 / (50 + 25)] = 210 × (2/3) = 140V を算出します。
- 選択肢 イ不正解
- 中性線が断線しても両外側線間に電圧が存在するため0Vにはなりません。
- 選択肢 ロ不正解
- 70V(または誤って負荷B側の分圧210×25/75=70V)や計算違いの数値であり不適です。
- 選択肢 ハ正解
- 両外側線間電圧210Vが50Ωと25Ωの直列回路に印加されるため、VA=210×(50/75)=140Vとなり正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 210Vは両外側線間の全電圧であり、負荷Aと負荷Bで分圧されるため210Vそのままは加わりません。
覚えるポイント
- 中性線断線時は抵抗値の大きい負荷側に高い電圧(過電圧)が印加されます。
間違えやすいところ
- 両外側線間に接続されている負荷C(20Ω)を中性線断線回路の直並列計算に誤って巻き込んでしまうミスに注意が必要です。
出題の前提:配電理論(単相3線式電路の中性線欠相・断線時の現象)
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
日負荷率および需要率の計算
配電・受電設備 · 日負荷率 / 需要率 / 設備容量 / 日負荷曲線
設備容量が 375 kW である需要家の日負荷曲線が与えられている(0時〜6時は 25 kW、6時〜12時は 100 kW、12時〜18時は 150 kW、18時〜24時は 25 kW)。この需要家におけるこの日の「日負荷率 a [%]」と「需要率 b [%]」の組合せとして、正しいものを1つ選べ。
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解答
ニ
解説
日負荷率は「1日における平均電力を最大電力で除した比率」であり、需要率は「最大需要電力を全設備容量で除した比率」として定義されます。
解き方
- 日負荷曲線の各時間帯の電力と時間から1日の総電力量(kWh)を求め、24時間で除して平均電力(kW)を算出する。
- グラフ上のピークである最大電力(kW)を読み取り、(平均電力 / 最大電力) × 100 により日負荷率 a を求める。
- (最大電力 / 設備容量) × 100 により需要率 b を求める。
- 選択肢 イ不正解
- 日負荷率 20 % は誤りです。平均電力 75 kW を最大電力 150 kW で除すと 50 % となります。
- 選択肢 ロ不正解
- 日負荷率 30 %、需要率 30 % ともに計算結果と一致しません。
- 選択肢 ハ不正解
- 日負荷率 40 %、需要率 30 % は誤りです。需要率は 150 / 375 = 40 % です。
- 選択肢 ニ正解
- 日負荷率 a = 50 %、需要率 b = 40 % となり、計算結果と一致して正解です。
答えの内訳
- 日負荷率 a:50 %
- 1日の総電力量は 25×6 + 100×6 + 150×6 + 25×6 = 150 + 600 + 900 + 150 = 1800 kW・h です。平均電力は 1800 / 24 = 75 kW となり、最大電力はグラフより 150 kW であるため、日負荷率は (平均電力 / 最大電力) × 100 = (75 / 150) × 100 = 50 % となります。
- 需要率 b:40 %
- 需要率は (最大電力 / 設備容量) × 100 = (150 / 375) × 100 = 40 % と計算されます。
覚えるポイント
- 日負荷率[%] = (平均電力 / 最大需要電力) × 100
- 需要率[%] = (最大需要電力 / 設備容量) × 100
間違えやすいところ
- 平均電力を求める際に24時間ではなく負荷のある時間帯のみで割ってしまう間違いに注意する。
出題の前提:平成27年度第一種電気工事士筆記試験 問9
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
LEDランプの特徴
照明・電気応用 · LEDランプ / 発光ダイオード / エレクトロルミネセンス / 発光効率
LEDランプの記述として、誤っているものを1つ選べ。
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解答
ニ
解説
LEDはエレクトロルミネセンス(電流・電界による発光)を利用した固体発光素子であり、白熱電球などに比べて発光効率が高く長寿命という特性を持ちます。
解き方
- 各選択肢のLEDに関する記述を確認する。
- LEDの基本発光原理がエレクトロルミネセンス(EL)であることを想起し、ホトルミネセンスとする記述の誤りを特定する。
- 選択肢 イ不正解
- LEDランプは発光ダイオード(Light Emitting Diode)を光源とした照明器具であり正しい記述です。
- 選択肢 ロ不正解
- 白色LEDの代表的な構成として、青色LEDの光とそれが励起する黄色蛍光体の発光を混色させて白色を得る方式が広く用いられており正しい記述です。
- 選択肢 ハ不正解
- LEDランプの発光効率は白熱灯よりもはるかに高く、省エネルギー性に優れているため正しい記述です。
- 選択肢 ニ正解
- LEDの発光原理はエレクトロルミネセンス(EL)であり、ホトルミネセンスではないため誤り(本問の正解)です。
覚えるポイント
- LEDの発光原理はエレクトロルミネセンス(EL)である。
間違えやすいところ
- 白色LED内で蛍光体が光る現象(ホトルミネセンス)と、LED素子自体の発光原理(エレクトロルミネセンス)を混同しないこと。
出題の前提:平成27年度第一種電気工事士筆記試験 問10
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
三相誘導電動機の回転方向の変更
電気機器 · 三相誘導電動機 / 相回転 / 正転・逆転
三相誘導電動機の結線①(R-U, S-V, T-W)を②(R-V, S-U, T-W)、③(R-V, S-W, T-U)のように変更した時、①の回転方向に対して、②、③の回転方向の記述として、正しいものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
三相交流による回転磁界の向きは端子に加わる電圧の相回転順序で決まります。3相のうち任意の2相を入れ替えると逆回転になり、相順を保ったままサイクリック(巡回的)に入れ替えた場合は回転方向は変わりません。
解き方
- 結線①の電源相順に対する端子接続を確認する(R→U, S→V, T→W)。
- 結線②を分析する:R→V, S→U, T→W となっており、U端子とV端子の2線のみが入れ替わっているため、回転方向は逆転する。
- 結線③を分析する:R→V, S→W, T→U となっており、相順(U-V-W)の巡回関係が保たれているため、回転方向は①と同じである。
- 「②は①と逆に回転をし、③は①と同じ回転をする」を選択する。
- 選択肢 イ不正解
- ②が逆回転、③が同回転であるため、記述が逆となっており誤りです。
- 選択肢 ロ正解
- ②は2相が入れ替わっているため逆回転、③は相順が同じ循環関係(V-W-U)であるため同回転となり正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- ③は相順が変わっていないため同回転であり、両方逆回転とする記述は誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- ②は2相が入れ替わっているため逆回転となり、両方同回転とする記述は誤りです。
覚えるポイント
- 三相誘導電動機は電源の3本中任意の2本を入れ替えると逆回転する。3本を同一方向に巡回置換した場合は回転方向は変わらない。
間違えやすいところ
- 3本とも入れ替わっているように見える③を逆回転と早合点してしまう間違い。
出題の前提:平成27年度第一種電気工事士筆記試験 問11
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
電熱器の発生熱量の計算
電気理論・電気計測 · 電熱器 / 消費電力 / ジュール熱 / 熱量計算
定格電圧 100 V、定格消費電力 1 kW の電熱器を、電源電圧 90 V で 10 分間使用したときの発生熱量 [kJ] として、正しいものを1つ選べ。ただし、電熱器の抵抗の温度による変化は無視するものとする。
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解答
ハ
解説
抵抗値が一定の負荷に印加する電圧が変化するとき、消費電力は電圧の2乗に比例します(P = V^2 / R)。発生熱量 Q [J] は電力 P [W] と時間 t [s] の積で求められます(Q = P × t)。
解き方
- 定格値より電熱器の抵抗 R を求める:R = 100^2 / 1000 = 10 Ω。
- 電圧 90 V 印加時の消費電力 P' を求める:P' = 90^2 / 10 = 810 W。
- 時間 t を秒に換算する:10 分 = 600 秒。
- 熱量 Q [J] を計算して kJ に変換する:Q = 810 × 600 = 486,000 J = 486 kJ。
- 選択肢 イ不正解
- 292 kJ は計算結果と一致しません。
- 選択肢 ロ不正解
- 324 kJ は計算結果と一致しません。
- 選択肢 ハ正解
- 消費電力が 810 W となり、10分間(600秒)で 810 × 600 = 486,000 J = 486 kJ となり正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 540 kJ は定格の 90%(900 W)で計算した誤った値(900 W × 600 s = 540 kJ)です。電力は電圧の2乗に比例します。
覚えるポイント
- 抵抗一定の電熱器の消費電力は印加電圧の2乗に比例する(P ∝ V^2)。
- 熱量[kJ] = 電力[kW] × 時間[s] = 電力[W] × 時間[s] × 10^-3。
間違えやすいところ
- 電圧が 0.9 倍になったから電力も 0.9 倍(900 W)になると単純比例させてしまう誤り(二を選んでしまう典型パターン)。
出題の前提:平成27年度第一種電気工事士筆記試験 問12
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
りん酸形燃料電池の発電原理図
発電・受変電設備 · 燃料電池 / りん酸形燃料電池 / 発電原理 / 電極反応
りん酸形燃料電池の発電原理図として、負極・正極の極性と供給ガス(H2, O2)および生成物(H2O)の関係が正しいものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
酸性電解質を用いる燃料電池(りん酸形など)の電極反応は、負極:H2 → 2H+ + 2e-、正極:(1/2)O2 + 2H+ + 2e- → H2O となり、負極が水素、正極が酸素、正極側から水が排出されます。
解き方
- 負極(燃料極)には燃料である水素(H2)が供給されることを確認する。
- 正極(空気極・酸化剤極)には酸素(O2)が供給されることを確認する。
- りん酸形では水素イオンが正極に移動して反応するため、水(H2O)は正極側から排出されることを確認し、合致する図(ロ)を選ぶ。
- 選択肢 イ不正解
- 負極に酸素、正極に水素を供給しており、極性と供給ガスが逆であるため誤りです。
- 選択肢 ロ正解
- 負極にH2を供給し、正極にO2を供給して正極からH2Oが排出される正しい原理図です。
- 選択肢 ハ不正解
- 負極にO2、正極にH2が供給されており誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 水(H2O)が負極側から排出される図となっており誤りです。酸性電解液型では正極側で水が生成します。
覚えるポイント
- 燃料電池は負極に水素(燃料)、正極に酸素(空気)を供給する。
- りん酸形燃料電池の水(H2O)生成・排出は正極側で行われる。
間違えやすいところ
- 負極と正極に供給する気体を混同したり、生成水がどちらの電極から排出されるかを誤認しやすい。
出題の前提:平成27年度第一種電気工事士筆記試験 問13
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
照明器具の断熱施工天井適合マーク
配線設計・施工・器具 · ダウンライト / 断熱施工天井 / 器具記号 / S形適合品
写真に示すダウンライト照明器具には「日本照明工業会 Sマーク(S, SG, SG形適合品)」という表示マークが付されている。この器具の用途として、適切なものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
ダウンライトを断熱施工された天井に埋め込むと熱がこもりやすくなり火災や故障の原因となるため、断熱施工天井対応品(S形表示:SB形、SGI形、SG形)を使用する必要があります。
解き方
- 写真の表示マーク「日本照明工業会 SB・SG I・SG形適合品」を確認する。
- S形表示は断熱材施工天井用埋込器具の適合マークであることを識別する。
- 「断熱材施工天井に埋め込んで使用できる」を選択する。
- 選択肢 イ正解
- SB・SGI・SG形表示は断熱材施工天井用の埋込器具適合を示すため適切です。
- 選択肢 ロ不正解
- 非常用照明器具の適合を示すマークではありません。
- 選択肢 ハ不正解
- 屋外用(防雨・防水形)を示すマークではありません。
- 選択肢 ニ不正解
- ダクトプラグを備えたライティングダクト取付専用器具を示すものではありません。
覚えるポイント
- ダウンライトのS形マーク(SB・SGI・SG)は断熱施工天井対応器具の表示である。
間違えやすいところ
- 防雨・防水マークや非常灯などの認定マークと混同しないこと。
出題の前提:平成27年度第一種電気工事士筆記試験 問14
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
電磁調理器の発熱原理
電気応用 · 電磁調理器 / IH / 誘導加熱 / 渦電流
写真で示す電磁調理器(IHクッキングヒーター)の発熱原理として、正しいものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
電磁誘導の法則により交番磁束が導体内に渦電流を誘導し、導体の抵抗によりジュール熱が発生する加熱方式を電磁誘導加熱(IH)と呼びます。
解き方
- 写真が電磁調理器(卓上IH調理器)であることを確認する。
- IH調理器の発熱原理が誘導加熱(Induction Heating)であることを特定する。
- 選択肢 イ正解
- 電磁調理器は高周波磁界による渦電流損等を利用した「誘導加熱」であるため正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- 電熱線に電流を流して発熱させるニクロム線コンロなどが抵抗加熱であり、電磁調理器の主原理ではありません。
- 選択肢 ハ不正解
- 高周波電界による誘電損失で誘電体(水分子など)を発熱させる電子レンジなどが誘電加熱であり、電磁調理器とは異なります。
- 選択肢 ニ不正解
- 赤外線ランプヒーター等の熱放射を利用する方式であり、電磁調理器とは異なります。
覚えるポイント
- 電磁調理器(IH)= 誘導加熱(渦電流による発熱)
- 電子レンジ = 誘電加熱(マイクロ波による発熱)
間違えやすいところ
- 「誘導加熱」と「誘電加熱」の名称が似ているため混同しやすい。電磁誘導=誘導加熱、誘電体損=誘電加熱と整理する。
出題の前提:平成27年度第一種電気工事士筆記試験 問15
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
架空電線のたるみと張力の関係
配電理論・架空電線路 · 架空電線 / たるみ / 水平張力 / 支持点等高
電線支持点AとBが同じ高さの架空電線において、たるみ D [m] を2倍としたとき、電線に加わる張力 T [N] は何倍となるか。正しいものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
支持点が等高である架空電線のたるみ D [m]、径間 S [m]、電線の単位長あたりの重量 W [N/m]、電線の水平張力 T [N] の間には、D = (W・S^2) / (8・T) の関係が成り立ちます。張力とたるみは反比例の関係にあります。
解き方
- 架空電線のたるみの公式 D = (W・S^2) / (8・T) を想起する。
- 張力について整理すると T = (W・S^2) / (8・D) となり、T は D に反比例(T ∝ 1/D)することを確認する。
- D が 2 倍になるとき、T は 1/2 倍となることを導く。
- 選択肢 イ不正解
- たるみの2乗に反比例するわけではないため、1/4 倍は誤りです。
- 選択肢 ロ正解
- 張力 T はたるみ D に反比例するため、たるみを2倍にすると張力は 1/2 倍となり正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- たるみを大きくすると電線の張りは緩くなるため、張力は小さくなります。2倍とするのは誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- たるみと張力が比例関係ではないため誤りです。
覚えるポイント
- たるみ公式:D = (W・S^2) / (8・T)
- 張力 T とたるみ D は反比例(T ∝ 1/D)、径間 S の2乗に比例(T ∝ S^2)する。
間違えやすいところ
- 公式の 2乗がどの変数(径間 S)にかかっているかを混同し、たるみに対しても2乗反比例(1/4倍)と誤認してしまうこと。
出題の前提:平成27年度第一種電気工事士筆記試験 問16
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
風力発電の特徴と構造
発電設備 · 風力発電 / 風車形式
風力発電に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
風車は回転軸の向きにより水平軸風車(プロペラ形など)と垂直軸風車(ダリウス形、サボニウス形など)に大別されます。現在の大規模風力発電で最も一般的に用いられているプロペラ形風車は水平軸形です。
解き方
- 風車の回転軸の向きによる分類(水平軸形と垂直軸形)を確認します。
- プロペラ形風車が水平軸形風車に分類されることを照らし合わせ、誤りの選択肢を特定します。
- 選択肢 イ正解
- プロペラ形風車は回転軸が風向きに対して平行(水平)となる「水平軸形風車」であるため誤り(正解)です。
- 選択肢 ロ不正解
- 風力は自然の風速変動に依存するため、発電出力が常に変動するという記述は正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 風の持つ運動エネルギーでブレードを回転させ、発電機で電気エネルギーに変換する装置であるため正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- プロペラ形風車には翼の角度を変えるピッチ制御機構などが備わり、風速に応じて出力を制御できるため正しいです。
覚えるポイント
- プロペラ形風車は水平軸形風車であり、垂直軸形にはダリウス形やサボニウス形がある。
間違えやすいところ
- 風車のタワーが垂直に立っていることから、垂直軸形風車と混同しないよう注意が必要です。
出題の前提:電気設備技術基準および発電用設備工学の標準的分類に基づきます。
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
自然循環ボイラの構成要素
発電設備 · 火力発電 / ボイラ / 蒸発管 / 過熱器 / 節炭器
図に示すボイラの水の循環方式のうち、自然循環ボイラの構成図において、図中の①、②及び③の組合せとして、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
自然循環ボイラでは、給水ポンプからの水が煙道中の節炭器(③)で予熱されてドラムに入り、下降管を経て水冷壁である蒸発管(①)で加熱されて気液混合物となりドラムへ循環します。ドラムで分離された飽和蒸気は過熱器(②)でさらに加熱されてタービンへ送られます。
解き方
- 給水ポンプからドラムに入る手前の煙道にある③が排熱を利用して給水を予熱する節炭器(エコノマイザ)であることを確認します。
- ドラム下部から火炉の燃焼熱を受けて蒸気を発生させる熱交換部①が蒸発管であることを特定します。
- ドラム上部から出た飽和蒸気を燃焼ガスでさらに加熱してタービンへ送る②が過熱器であることを特定します。
- 選択肢 イ不正解
- ②が節炭器、③が過熱器となっており系統の位置関係が逆であるため不適です。
- 選択肢 ロ不正解
- ①が過熱器、②が蒸発管となっており配置が誤っているため不適です。
- 選択肢 ハ不正解
- ①が過熱器、③が蒸発管となっており全体の構成が誤っているため不適です。
- 選択肢 ニ正解
- ①が蒸発管、②が過熱器、③が節炭器の正しい組合せを示しているため正解です。
覚えるポイント
- 節炭器(給水予熱)→ドラム・蒸発管(蒸気発生)→過熱器(過熱蒸気化)の順で流れる。
間違えやすいところ
- 煙道側に配置される過熱器と節炭器の配置関係を取り違えやすいので、給水側が節炭器である点に着目します。
出題の前提:火力発電設備におけるボイラ系統構成の基本知識に基づきます。
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
配電系統の不等率の計算
配電理論 · 不等率 / 日負荷曲線 / 最大需要電力 / 合成最大需要電力
図のような日負荷曲線をもつA、Bの需要家がある。この系統の不等率はいくらか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
不等率は「各需要家の最大需要電力の和 ÷ 合成最大需要電力」で定義されます。常に1以上の値となり、各需要家の電力使用ピークの時間帯のズレの大きさを示します。
解き方
- A需要家の各時間帯の電力(0〜6時: 2kW、6〜12時: 6kW、12〜18時: 4kW、18〜24時: 0kW)から、Aの最大需要電力は6kWと求まります。
- B需要家の各時間帯の電力(0〜12時: 4kW、12〜18時: 8kW、18〜24時: 4kW)から、Bの最大需要電力は8kWと求まります。各最大需要電力の和は 6 + 8 = 14 kW です。
- 合成電力を時間帯ごとに計算します(0〜6時: 6kW、6〜12時: 10kW、12〜18時: 12kW、18〜24時: 4kW)。したがって合成最大需要電力は12kWです。
- 不等率を計算します。不等率 = 14 / 12 ≒ 1.167 となり、四捨五入して1.17が得られます。
- 選択肢 イ正解
- 各最大需要電力の和14kWを合成最大需要電力12kWで割ると約1.17となり正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- 合成最大電力などの計算が誤っており1.33にはならないため不適です。
- 選択肢 ハ不正解
- 最大電力や時間帯の合成値の適用を誤った計算結果であるため不適です。
- 選択肢 ニ不正解
- 分子と分母の取り違えや過大な数値設定による誤りであるため不適です。
覚えるポイント
- 不等率 = 各需要家の最大需要電力の総和 ÷ 合成最大需要電力(≧ 1.0)
間違えやすいところ
- 合成最大需要電力の算出時に、各負荷の最大値を単純加算した値を合成最大と誤認しないようにします。
出題の前提:電気設備設計・配電理論における負荷特性指標(不等率)の計算定義に基づきます。
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
CVケーブルの水トリー劣化箇所
高圧受電設備 · CVケーブル / 水トリー現象 / 架橋ポリエチレン絶縁体
高圧架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CVケーブル)において、水トリーと呼ばれる樹枝状の劣化が生じる箇所はどこか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
水トリー(water tree)現象は、CVケーブルの主絶縁材料である架橋ポリエチレン(XLPE)絶縁体中に水分が存在し、そこに高電界が作用することで絶縁体内部に樹枝状(木の枝状)の微細な導電性経路が伸展・成長する劣化現象です。進行すると絶縁破壊の原因となります。
解き方
- 問題文が問うている「水トリー」の発生メカニズムと発生対象の材料を想起します。
- 水トリーは電気的・化学的作用により有機高分子絶縁材料の内部に発生するため、主絶縁体である架橋ポリエチレン絶縁体内部が該当すると判断します。
- 選択肢 イ不正解
- 銅導体内部は導電路の金属部分であり、水トリーと呼ばれる絶縁劣化は発生しません。
- 選択肢 ロ不正解
- 遮へい銅テープ表面は接地・静電遮へいを行う金属部であり、水トリーの発生箇所ではありません。
- 選択肢 ハ不正解
- ビニルシースは外傷保護を主目的とする外被であり、高電界による水トリーが生じる主たる箇所ではありません。
- 選択肢 ニ正解
- 電界と水分の共存によって架橋ポリエチレン絶縁体内部に樹枝状欠陥が生じるため正しいです。
覚えるポイント
- 水トリー劣化はCVケーブルの「架橋ポリエチレン絶縁体」に生じる。
間違えやすいところ
- 最外層のビニルシースやシールド金属部の腐食・劣化と混同しないように注意が必要です。
出題の前提:高圧CVケーブルの保守点検基準および劣化診断基準に基づきます。
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧交流遮断器の定格遮断容量の計算
高圧受電設備 · 遮断容量 / 高圧交流遮断器 / 定格電圧 / 定格遮断電流
公称電圧6.6kV、周波数50Hzの高圧受電設備に使用する高圧交流遮断器(定格電圧7.2kV、定格遮断電流12.5kA、定格電流600A)の遮断容量[MV・A]はいくらか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
三相高圧交流遮断器の定格遮断容量 Ps[MV・A]は、三相電力の公式に従い「Ps = √3 × 定格電圧 V [kV] × 定格遮断電流 Is [kA]」で算出されます。計算には公称電圧(6.6kV)や定格電流(600A)ではなく、遮断器の「定格電圧」と「定格遮断電流」を用います。
解き方
- 三相遮断容量の計算式 Ps = √3 × 定格電圧[kV] × 定格遮断電流[kA] を確認します。
- 定格電圧 7.2 kV と定格遮断電流 12.5 kA を代入します:Ps = √3 × 7.2 × 12.5 = √3 × 90 ≒ 1.732 × 90 = 155.88 MV・A。
- 計算結果に最も近い標準値である160 MV・Aを選択します。
- 選択肢 イ不正解
- 80 MV・Aは計算値(約156 MV・A)の約半分の値であり誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- 定格電圧や定格遮断電流の適用を誤った過小な数値であるため不適です。
- 選択肢 ハ不正解
- 公称電圧(6.6kV)を用いたとしても約143 MV・Aであり、130 MV・Aとは一致せず不適です。
- 選択肢 ニ正解
- √3 × 7.2 kV × 12.5 kA ≒ 155.88 MV・A より、該当する定格遮断容量は160 MV・Aとなり正しいです。
覚えるポイント
- 遮断器の定格遮断容量 Ps = √3 × 定格電圧 × 定格遮断電流
間違えやすいところ
- 公称電圧(6.6kV)や定格通電電流(600A)を誤って遮断容量計算の式に代入してしまう間違いが多いです。
出題の前提:JIS C 4603(高圧交流遮断器)等の規格計算式に基づきます。
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧受電機器の外観鑑別(VCT)
配線図・機器鑑別 · 計器用変成器 / 電力需給用計器用変成器 / VCT
写真に示す品物の名称として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
電力需給用計器用変成器(VCT / MOF)は、電力量計(Wh)で高圧需要家の電力量を計量するため、高電圧を低電圧(110V)に落とす計器用変圧器(VT)と大電流を小電流(5A)に落とす変流器(CT)を同一油槽(またはモールド)内に一体収納した機器です。上面に電源側3本および負荷側3本の計6本の高圧ブッシングを備える特徴的な外観をしています。
解き方
- 写真の機器上面にある高圧ブッシングの配置(電源側と負荷側に各3相、計6本)を確認します。
- 箱型油入構造であり、高圧受電の電力量計量器(Wh)と組み合わせて使用される電力需給用計器用変成器(VCT)であることを鑑別します。
- 選択肢 イ不正解
- 直列リアクトルは高圧進相コンデンサ回路に直列接続される機器で、ブッシングは3本(または6本でも形状が異なる)であり不適です。
- 選択肢 ロ不正解
- 高圧交流負荷開閉器(LBS)は開閉機構や消弧室・ヒューズ部を持つスイッチ機器であり写真とは異なります。
- 選択肢 ハ不正解
- 三相変圧器は一次側高圧ブッシング3本、二次側低圧端子4本等を備える構造であり写真の外観と一致しません。
- 選択肢 ニ正解
- 高圧端子を電源側3本・負荷側3本備えた油入の電力需給用計器用変成器(VCT)の外観であるため正解です。
覚えるポイント
- VCT(電力需給用計器用変成器)は高圧側ブッシングが6本ある箱型機器。
間違えやすいところ
- 三相変圧器やリアクトルとブッシングの本数・配置を混同しないように確認します。
出題の前提:自家用電気工作物の受電盤構造およびJIS C 1731等に基づく機器鑑別です。
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
GR付PASの機能と設置目的
高圧受電設備 · GR付PAS / 気中負荷開閉器 / 地絡保護 / 短絡遮断能力
写真に示すGR付PASを設置する場合の記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
GR付PAS(地絡継電器付高圧交流気中負荷開閉器)は、構内の地絡事故時に地絡方向継電器(DGR)が作動して自動遮断し、配電系統への地絡波及事故を防止します。しかしPASは「開閉器」であって「遮断器(CB)」ではないため、定格短絡電流のような巨大な電流を遮断することはできず、短絡時には過電流ロック(SO)装置によって接点開放をロック(阻止)します。
解き方
- PAS(高圧気中負荷開閉器)が持つ遮断能力(負荷電流や地絡電流は開閉可能、短絡電流の遮断は不可)を確認します。
- 短絡事故が発生した際にPASが自動遮断するという記述(選択肢ロ)が、開閉器の性能限界および過電流ロック機構の原則に反することから誤りであると判定します。
- 選択肢 イ不正解
- 構内地絡時に迅速に開放して配電線側の地絡遮断器動作(波及事故)を防ぐため記述は正しいです。
- 選択肢 ロ正解
- PASには短絡電流の遮断能力はなく、短絡時は過電流ロック機能により開放がロックされるため誤り(正解)です。
- 選択肢 ハ不正解
- 零相変流器(ZCT)とGRの動作により構内の地絡事故電流を検知して自動遮断するため記述は正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 配電線との保安上の責任分界点である第1号柱などの引込開閉器として設置されるため記述は正しいです。
覚えるポイント
- PASは地絡事故は自動遮断できるが、短絡事故は自動遮断できない(過電流ロックされる)。
間違えやすいところ
- 遮断器(CB)と開閉器(PAS/LBS)の遮断能力の相違を見落とし、PASも短絡遮断できると誤認しやすいです。
出題の前提:高圧受電設備規程および内線規程における引込開閉器(PAS)の選定・動作仕様に基づきます。
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
ケーブルラック上への延線工具の鑑別
施工方法・工具鑑別 · ケーブル延線作業 / ケーブルラック / 金車 / パイプベンダー
写真に示す品物のうち、CVT 150 mm² のケーブルをケーブルラック上に延線する作業で、一般的に使用しないものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
ケーブルラックへの太い電力ケーブル(CVTケーブル等)の延線作業では、ケーブル被覆の損傷防止や牽引張力の軽減のため、ラック上に直線用金車(イ)、親桁等に固定する吊り金車(ロ)、曲がり角に設置するコーナー用金車(ハ)などの各種金車(ケーブルローラー)を使用します。一方、油圧式パイプベンダー(ニ)は金属電線管を所定の角度に曲げ加工するための工具であり、延線作業には用いられません。
解き方
- 写真イ、ロ、ハがそれぞれケーブルラック上での直線延線、支持吊り下げ、コーナー部通過のための各種金車であることを識別します。
- 写真ニがベンディングシューや油圧ピストン、手動ポンプ等を備えた金属管曲げ加工用のパイプベンダーであることを識別します。
- 延線作業で使用しない工具として写真ニを選択します。
- 選択肢 イ不正解
- ケーブルラックの子桁上に設置してケーブルを転がす直線用ラック金車であり、延線作業で使用します。
- 選択肢 ロ不正解
- ラック親桁や吊りボルト等に取り付けてケーブルを保持・案内する吊り金車であり、延線作業で使用します。
- 選択肢 ハ不正解
- ラックの水平ベンド部(曲がり角)で許容曲げ半径を確保しながら案内するコーナー金車であり、延線作業で使用します。
- 選択肢 ニ正解
- 金属電線管を曲げるための油圧式パイプベンダーであり、ケーブルラックへのケーブル延線作業では使用しないため正解です。
覚えるポイント
- 延線作業には直線用・吊り型・コーナー用などの各種「金車」を用い、パイプベンダーは管曲げ用工具である。
間違えやすいところ
- 写真ニのシリンダーやポンプの外観からウインチ等の引込牽引機と見誤らないよう、ベンダシューの形状を確認します。
出題の前提:電気工事施工管理および工具器具の用途鑑別基準に基づきます。
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
配線器具の定格と分岐回路の施設基準
配線設計・配電設備 · 低圧分岐回路 / コンセント定格 / 配線用遮断器
写真に示す配線器具(接地極付単相250V 30Aコンセント)を取り付ける施工方法の記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
低圧屋内配線の分岐回路では、過電流遮断器の定格電流と接続できるコンセントの定格電流の組み合わせが電気設備技術基準の解釈で定められています。定格20Aの配線用遮断器で保護される分岐回路に施設できるコンセントの定格電流は20A以下であり、定格30Aのコンセントを取り付けることは認められていません。
解き方
- 写真のコンセント形状と刻印から、接地極付・単相250V・定格電流30Aのコンセントであることを判別する。
- 分岐回路の遮断器定格とコンセント定格の組み合わせ基準を照合し、20A遮断器回路には30Aコンセントを施設できないことを確認する。
- 選択肢 イ不正解
- 300V以下の低圧用機器の接地極であるため、D種接地工事を施すのは適切です。
- 選択肢 ロ不正解
- 単相250V定格のコンセントは、単相200V機器用の電源供給コンセントとして使用可能です。
- 選択肢 ハ不正解
- 本器具は定格電圧が250Vであるため、定格電圧を超える三相400V機器には使用できません。
- 選択肢 ニ正解
- 定格電流20Aの配線用遮断器で保護される分岐回路には、定格電流20A以下のコンセントのみ施設可能です。
覚えるポイント
- 20A配線用遮断器回路には定格20A以下、30A遮断器回路には20A以上30A以下のコンセントを施設する。
間違えやすいところ
- コンセントの定格電流が遮断器の定格電流より大きくても安全側に思えるが、過電流保護協調が成立しないため内線規程等で禁止されている。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈第149条(低圧分岐回路等の施設)
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
600Vビニル絶縁電線の許容電流の定義
配線設計・電線 · 許容電流 / IV電線 / 最高許容温度
600Vビニル絶縁電線(IV線)の連続使用時における許容電流に関する記述として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
電線に電流が流れるとジュール熱(I²R)が発生し導体および絶縁体の温度が上昇します。許容電流とは、連続使用において電線の絶縁材料が熱劣化を起こさず、実用上十分な寿命と絶縁性能を維持できる最高許容温度を超えない限界の電流値です。
解き方
- 電線の許容電流の基本定義(熱劣化を防ぐための連続通電電流限界)を確認する。
- 600Vビニル絶縁電線(IV)の連続最高許容温度が60℃であること、溶断電流や電圧降下による制限とは区別されることを確認する。
- 選択肢 イ正解
- 許容電流は絶縁物が著しい劣化をきたさないように定められた連続使用時の限界電流値であり、正しい定義です。
- 選択肢 ロ不正解
- 600Vビニル絶縁電線の連続使用時の最高許容温度は60℃であり、80℃ではありません。
- 選択肢 ハ不正解
- 導体が溶断する電流値は溶断電流と呼ばれ、日常使用時の許容電流とは全く異なります。
- 選択肢 ニ不正解
- 許容電流は電線の熱的限界に基づく規定であり、線路長等に依存する電圧降下の制限とは異なります。
覚えるポイント
- 600Vビニル絶縁電線の最高許容温度は60℃(連続使用時)である。
間違えやすいところ
- 架橋ポリエチレンの最高許容温度(90℃)や耐熱ビニル電線などと最高許容温度を混同しないようにする。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈第146条(低圧配電線路の電線の許容電流)
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp)
金属線ぴ工事の施工場所および接地基準
配線工事・電気工事 · 金属線ぴ工事 / 施工場所の制限 / 接地工事の省略
金属線ぴ工事の記述として、誤っているものはどれか。
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解答
ハ
解説
金属線ぴ工事は、展開した乾燥した場所、または点検できる隠ぺい場所であって乾燥した場所に限り施設できます。湿気のある場所や水気のある場所には施設することができません。また、金属製線ぴにはD種接地工事が必要ですが、乾燥した場所で長さ4m以下の場合に限り省略が認められています。
解き方
- 金属線ぴ工事が適用可能な施工場所の条件(展開または点検できる隠ぺい場所で、かつ乾燥した場所)を確認する。
- 湿気のある場所での金属線ぴ工事の可否、および接地工事の省略条件(長さ4m以下・乾燥場所)と照合して誤りを判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 金属線ぴ内には屋外用ビニル絶縁電線(OW線)を除く絶縁電線を使用するため適切です。
- 選択肢 ロ不正解
- 電気用品安全法の特定電気用品等の適用を受けた金属製線ぴ及び附属品を使用するため適切です。
- 選択肢 ハ正解
- 金属線ぴ工事は湿気のある場所には施工できず、また接地省略の長さ限度(4m)も超えているため誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 線ぴ相互およびボックスとの接続は堅ろうで電気的に完全に接続することが求められます。
覚えるポイント
- 金属線ぴ工事は乾燥した場所限定。D種接地工事の省略は乾燥した場所で4m以下。
間違えやすいところ
- 金属管工事は湿気のある場所でも可能だが、金属線ぴ工事は乾燥した場所に限られる違いを見落としやすい。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈第160条(金属線ぴ工事)
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp)
絶縁電線相互の接続における基準
配線工事・保安基準 · 電線の接続 / 電気抵抗 / 引張強さ
絶縁電線相互の接続に関する記述として、不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
電線を接続する場合、電気設備の技術基準の解釈第12条により以下の要件が定められています。 1. 電線の電気抵抗を増加させないこと。 2. 電線の引張強さを20%以上減少させないこと(80%以上保持)。 3. 接続部分を絶縁電線の絶縁物と同等以上の絶縁効力のあるもので十分に被覆すること。 4. 接続管その他の器具を使用すること。
解き方
- 電線接続における法令要件(電気抵抗の増加禁止、引張強さの減少限度、絶縁被覆)を整理する。
- ハの「電気抵抗が20%増加した」は、「電気抵抗を増加させないこと」に反しているため不適切と判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 電線の接続には、スリーブ(接続管)などの接続器具を使用することが認められています。
- 選択肢 ロ不正解
- 接続部は元の絶縁電線の絶縁と同等以上の絶縁効力を持つ絶縁テープ等で被覆しなければなりません。
- 選択肢 ハ正解
- 法令上、接続部において「電線の電気抵抗を増加させないこと」が定められており、増加は許されません。
- 選択肢 ニ不正解
- 引張強さの減少は「20%以上減少させないこと」とされており、10%の減少であれば基準を満たします。
覚えるポイント
- 電線の接続:電気抵抗は「増加させない」、引張強さは「20%以上減少させない(80%以上保持)」。
間違えやすいところ
- 引張強さの減少許容値(20%以下)と、電気抵抗の要件(増加させない=0%)を混同しやすい。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈第12条(電線の接続)
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp)
地中電線路の施設基準
配線設計・外線工事 · 地中電線路 / 地中電線の種類 / 埋設表示シート
地中電線路の施設において、誤っているものはどれか。
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解答
ロ
解説
地中電線路(直接埋設式、管路式、暗きょ式)には、必ず「ケーブル」を使用しなければなりません(低圧・高圧・特別高圧を問わず)。絶縁電線は湿気や水分、土圧等に対する防護性能が不足するため、配管内に収める場合であっても地中電線路に使用することは禁止されています。
解き方
- 地中電線路に使用できる電線の種類を確認する(電線はケーブルでなければならない)。
- ロでは「絶縁電線を使用し」と記述されており、法令違反であるため誤りと判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 暗きょ式では難燃措置(不燃性・自消性のある難燃性管に収める等)を施して施設するため適切です。
- 選択肢 ロ正解
- 地中電線路にはケーブルを使用しなければならず、絶縁電線を使用することは認められていません。
- 選択肢 ハ不正解
- 15m超の管路式高圧地中電線路では、地表面と管路のほぼ中間に埋設表示シートを設ける必要があります。
- 選択肢 ニ不正解
- 低圧用の金属製電線接続箱(または高圧であっても特定の金属箱)には所定の接地工事(D種接地など)を施します。
覚えるポイント
- 地中電線路には必ず「ケーブル」を使用する(絶縁電線は不可)。
間違えやすいところ
- 金属管や電線管に収めれば絶縁電線でも地中に埋設できると誤解しやすい。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈第120条(地中電線路の施設)
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp)
CVTケーブル屋外終端接続部の構造と名称
高圧受電設備 · CVTケーブル / 端末処理 / 耐塩屋外終端接続部
受電設備の図中①に示す、電柱上のGR付PASの下に施設されたCVTケーブルの終端接続部の名称はどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
架空配電線からの引込柱上など、屋外で風雨や塩じん害にさらされる箇所に施設する高圧ケーブル終端部には、沿面距離を長く確保するために笠(ひだ)が多く設けられた磁器製がい管を用いた「耐塩屋外終端接続部」が使用されます。
解き方
- 受電設備図面の①(引込柱のPAS直下にある引込CVTケーブル頭部)と①拡大図を確認する。
- 拡大図に描かれたヒダ(笠)の多い耐塩がい管の形状から、「耐塩屋外終端接続部」であることを識別する。
- 選択肢 イ正解
- 拡大図の形状は沿面漏洩距離を確保するためのひだ(笠)を持つ耐塩屋外終端接続部です。
- 選択肢 ロ不正解
- ゴムとう管形はゴム製の円筒状がい管を用いるものであり、図の磁器製耐塩がい管とは異なります。
- 選択肢 ハ不正解
- ゴムストレスコーン形終端接続部は主に屋内用や簡易型のモールド処理部であり、図の形状とは異なります。
- 選択肢 ニ不正解
- テープ巻形は絶縁テープを何層も巻き重ねて形成する終端部であり、外観にがい管ひだはありません。
覚えるポイント
- 柱上など屋外に設ける高圧ケーブル端末には、ひだ付きの「耐塩屋外終端接続部」が用いられる。
間違えやすいところ
- 屋内用終端接続部(ストレスコーン形など)と、がい管をもつ屋外用の耐塩終端接続部を混同しないようにする。
出題の前提:高圧受電設備規程・電気設備技術基準の解釈
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
引込柱及び引込ケーブルの施工方法
高圧受電設備・施工方法 · 避雷器接地線 / 防護管 / 高周波インダクタンス
受電設備の図中②に示す引込柱及び引込ケーブルの施工に関する記述として、不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
避雷器(LA)の接地線には雷サージという急峻な高周波大電流が流れます。これを鋼製電線管(磁性体)の中に通すと管の磁気作用によりインダクタンスが著しく増加し、大きなサージ電圧が発生して機器保護ができなくなります。そのため、避雷器の接地線防護には硬質ポリ塩化ビニル管等の非磁性体管を使用するか、鋼管を使用する場合は両端を接地線とボンド接続する必要があります。
解き方
- 引込柱上の避雷器接地工事における施工上の制約(接地線の防護管材質)を確認する。
- 鋼管(薄鋼電線管)にそのまま接地線を通すとインダクタンスが増加するため不適切(非磁性体管を用いる必要がある)と判断する。
- 選択肢 イ不正解
- ケーブル立上り部は地表上2m、地表下0.2m以上を鋼管等で防護し防水処理を行うため適切です。
- 選択肢 ロ不正解
- 構内道路等でJIS C 3653の浅層埋設基準に適合する場合、舗装下面から30cm以上の埋設が認められています。
- 選択肢 ハ不正解
- 防食テープ等により有効な防食措置が施された金属管部分では、接地工事の省略が認められています。
- 選択肢 ニ正解
- 避雷器の接地線を薄鋼電線管(磁性体)に通すと高周波リアクタンスが増加するため不適切です。
覚えるポイント
- 避雷器の接地線防護管には、インダクタンス増加を防ぐため合成樹脂管(非磁性体)を用いる。
間違えやすいところ
- 通常の接地線防護と同様に機械的強度の高い鋼管を使えば良いと考えがちだが、避雷器接地では磁気作用が問題となる。
出題の前提:内線規程・高圧受電設備規程(避雷器接地線の施設)
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧受電盤(キュービクル)開口部の閉鎖理由
高圧受電設備・保守管理 · キュービクル / 小動物侵入防止 / 事故防止
受電設備の図中③に示す屋上キュービクルのケーブル引込口などに、必要以上の開口部を設けない(隙間を塞ぐ)主な理由はどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
キュービクル式高圧受電設備では、充電部が露出して配置されている箇所が多くあります。ケーブル引込口や配管貫通部に隙間があると、小動物(ネズミ、ヘビ、鳥、イタチ等)が侵入し、主回路充電部と接地金属部との間を短絡・地絡させて波及事故に至る事例が非常に多いため、開口部を必要最小限とし、すき間をパテ等で確実に密閉することが規定されています。
解き方
- キュービクルの底面・配線引込口における重大な事故原因(小動物の侵入による短絡・地絡)を想起する。
- 必要以上の開口部を設けない(または隙間を充填材で閉塞する)目的が小動物侵入防止であることを確認する。
- 選択肢 イ不正解
- 屋上キュービクルの底板引込口は通常の浸水対策というよりも、盤内への侵入防止が主目的です。
- 選択肢 ロ正解
- ネズミやヘビ等の鳥獣類が盤内に侵入して起こる短絡・地絡事故を防止することが主目的です。
- 選択肢 ハ不正解
- ケーブルの外傷防止はブッシング保護等によるものであり、開口部の大きさを制限する主目的ではありません。
- 選択肢 ニ不正解
- 開口部の面積を制限するのは構造強度保持が直接の主目的ではありません。
覚えるポイント
- キュービクルの貫通部・開口部閉鎖の主目的は「ネズミ等の小動物の侵入防止」。
間違えやすいところ
- 防水や風通し、底板の強度保持と混同しやすいが、電気設備事故原因のトップである小動物対策が最重要目的である。
出題の前提:高圧受電設備規程・電気設備技術基準の解釈
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
PF・S形受電設備の主遮断装置の構成
配電・受電設備 · PF・S形 / 高圧受電設備 / 高圧交流負荷開閉器 / 限流ヒューズ
自家用電気工作物の受電設備において、PF・S形の主遮断装置(高圧限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器)を構成・適用する装置や機能として、必要でないものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
PF・S形高圧受電設備では、主遮断装置として高圧限流ヒューズ(PF)を組み合わせた高圧交流負荷開閉器(LBS)を用います。ヒューズ溶断時の欠相事故を防ぐストライカ引外し機構や絶縁バリアが必要とされますが、過電流ロック機能(短絡電流時に開閉器をロックする機能)は過電流耐量の小さい気中負荷開閉器(PAS)などに適用されるものであり、PF・Sの主遮断装置には不要です。
解き方
- PF・S形主遮断装置を構成する機器(LBSおよび限流ヒューズ)の基本仕様と安全機構を確認する。
- 過電流ロック機能が過電流トリップ能力を持たない受電点開閉器(PAS等)に設けられる機能であることを判断し、不適なものを特定する。
- 選択肢 イ正解
- 過電流ロック機能は、短絡電流等の大電流時に開閉器が誤開閉して破損するのを防ぐためにPAS等に設けられる機能であり、PF・S形の主遮断装置には不要です。
- 選択肢 ロ不正解
- ヒューズが1相のみ溶断した際の単相運転(欠相)を防止するため、ヒューズのストライカ動作に連動して3相を一括引外しする装置が必要です。
- 選択肢 ハ不正解
- 開閉時や限流ヒューズ動作時の相間・対地絡アークによる短絡事故を防止するため、絶縁バリアが必要です。
- 選択肢 ニ不正解
- 短絡電流の遮断を担う機器として、定格遮断容量を持つ高圧限流ヒューズが必要です。
覚えるポイント
- PF・S形は主遮断装置に限流ヒューズ(PF)と高圧交流負荷開閉器(LBS)を使用する
- ヒューズ溶断時の単相運転防止にストライカ引外し機構が不可欠
間違えやすいところ
- 過電流ロック機能(SOOG)を主遮断装置一般の保護機能と混同してしまう
出題の前提:高圧受電設備規程および電気設備技術基準の解釈
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
変圧器端子部の可とう導体の施工
配線設計・施工法 · 可とう導体 / 変圧器 / ブッシング / 耐震・防振
受電設備内の変圧器端子等に用いられる可とう導体(フレキシブルブスバー)の施工や機能に関する記述として、不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
可とう導体(可とうブスバー)は、薄い銅板を重ねたり編組線を用いたりして柔軟性を持たせた接続導体です。変圧器本体の運転振動の伝達防止、熱伸縮の吸収、地震時等の変位によるブッシング(碍管)破損の防止を目的として用いられます。インピーダンスを急増させて短絡電流を遮断・限流するような保護機能はありません。
解き方
- 可とう導体の本来の物理的機能(柔軟性による応力緩和、振動吸収)を確認する。
- 電気的な保護作用(限流作用など)を持つか各選択肢の記述を検証し、誤っているものを特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 剛性のある銅帯母線から伝わる外力によるブッシングやがいしの破損を防ぐことは、可とう導体の主要な目的であり適切です。
- 選択肢 ロ不正解
- 地震時に可とう導体同士が接触して短絡しないよう、適度な余裕と絶縁セパレータを配置する対策は適切です。
- 選択肢 ハ正解
- 可とう導体自体には短絡時の過電流を抑制する限流作用はないため、この記述は誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 防振装置と併用して騒音や振動を抑えつつ、地震時の転倒や過大変位を防ぐ耐震ストッパを設ける施工は適切です。
覚えるポイント
- 可とう導体は変圧器の振動吸収・熱伸縮・耐震変位の吸収のために使用する
- 可とう導体に限流作用や過電流保護機能はない
間違えやすいところ
- 可とう導体の柔軟性と電気的なインピーダンス特性を混同してしまう
出題の前提:高圧受電設備規程および電気設備技術基準
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
B種接地抵抗値の計算式と遮断時間による特例
電気設備技術基準・解釈 · B種接地工事 / 接地抵抗値 / 遮断時間 / 高低圧混触防止
一般にB種接地抵抗値の計算式は、150 / (変圧器高圧側電路の1線地絡電流[A]) [Ω] となる。ただし、変圧器の高低圧混触により、低圧側電路の対地電圧が150 Vを超えた場合に、1秒以下で自動的に高圧側電路を遮断する装置を設けるときは、計算式の150 Vをいくらとすることができるか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
電気設備技術基準の解釈第17条において、B種接地抵抗値は原則として「150 / 1線地絡電流」以下と定められています。ただし、高圧側電路に地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置を設ける場合、遮断時間が1秒を超え2秒以下のときは300、1秒以下のときは600を分子として計算することが認められています。
解き方
- 遮断時間に応じたB種接地抵抗値の分子基準(原則150、2秒以下で300、1秒以下で600)を整理する。
- 問題文の条件「1秒以下で自動的に高圧側電路を遮断する装置」に合致する数値600を選定する。
- 選択肢 イ不正解
- 300とすることができるのは、自動遮断装置の動作時間が「1秒を超え2秒以下」の場合です。
- 選択肢 ロ不正解
- B種接地工事の計算基準に400という規定値は存在しません。
- 選択肢 ハ不正解
- B種接地工事の計算基準に500という規定値は存在しません。
- 選択肢 ニ正解
- 高圧電路を「1秒以下」で自動遮断する装置を設ける場合、計算式の電圧値は600 Vとすることができます。
覚えるポイント
- B種接地抵抗の分子:原則150、2秒以下遮断で300、1秒以下遮断で600
間違えやすいところ
- 2秒以下遮断の「300」と1秒以下遮断の「600」を取り違えてしまう
出題の前提:電気設備技術基準の解釈 第17条第2項
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
絶縁抵抗計の保護端子(ガード端子)の役割
検査・測定・試験 · 絶縁抵抗計 / ガード端子 / 表面漏れ電流 / 高圧ケーブル
高圧ケーブルの絶縁抵抗を測定する際、絶縁抵抗計の保護端子(ガード端子:G端子)を使用する主たる目的として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
高圧ケーブルの絶縁抵抗測定では、心線と遮へい層(大地)の間の体積絶縁抵抗を測定対象とします。しかし、ケーブル端末の絶縁体表面が湿気や埃等で汚れていると、表面漏れ電流が流れて測定値が見かけ上大きく低下してしまいます。ガード端子(G端子)を端末表面等に接続することで、この表面漏れ電流を電流計の手前でバイパス(短絡)させ、純粋な内部絶縁抵抗のみを正確に測定します。
解き方
- 高圧ケーブル測定時に生じる誤差要因(絶縁体表面の漏れ電流)を把握する。
- ガード端子(G端子)が表面漏れ電流をバイパスして測定誤差を排除する回路構成であることを確認する。
- 選択肢 イ不正解
- ガード端子は表面の漏れ電流を除外して測定するためのものであり、含めて測定する目的ではありません。
- 選択肢 ロ正解
- 絶縁物表面を伝わる漏れ電流を測定用指示計を通さずに帰還させ、表面漏れによる測定誤差を防ぐ目的で使用されます。
- 選択肢 ハ不正解
- 残留電荷の放電は測定前後の放電棒接地などによって行うものであり、ガード端子の役割ではありません。
- 選択肢 ニ不正解
- 指示計の焼損防止は計器内部の保護回路の役目であり、ガード端子の目的ではありません。
覚えるポイント
- ガード端子(G端子)は絶縁体表面の漏れ電流をバイパスして測定誤差を防ぐ
間違えやすいところ
- ガード端子をアース端子(E端子)や放電用端子と混同してしまう
出題の前提:電気学会・高圧電気設備保守基準および測定器取扱要領
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
受電設備と配電用変電所の保護協調曲線
配電・受電設備 · 保護協調 / 過電流継電器 / 動作時間特性 / 遮断器
CB形高圧受電設備と配電用変電所の過電流継電器との保護協調がとれているグラフはどれか。ただし、図中①の曲線は配電用変電所の過電流継電器動作特性、②の曲線は受電設備の過電流継電器動作特性+CBの遮断特性を示す。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
保護協調の原則として、事故が発生した区間に最も近い下位(需要家側)の遮断器が上位(配電用変電所側)の遮断器よりも先に電路を遮断しなければなりません。したがって、想定される過電流および短絡電流の全領域において、受電設備の全遮断時間(継電器時間+CB遮断時間:②)は配電用変電所の継電器動作時間(①)よりも常に短い(時間軸で下側にあり、交差しない)必要があります。
解き方
- 横軸(電流)と縦軸(動作時間)の関係を確認する。
- 下位側の受電設備特性②が上位側の変電所特性①よりも全電流域で下側にあり、交差しないグラフを選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 大電流域で②が①より上側になっており、短絡時に変電所側が先に遮断して波及事故を起こすため不適切です。
- 選択肢 ロ不正解
- 途中で特性曲線が交差しており、特定の電流域で変電所側が先に動作してしまうため協調がとれていません。
- 選択肢 ハ不正解
- 変電所側①が受電設備側②より先に動作する特性になっており、受電設備の事故で配電線全体が停電してしまいます。
- 選択肢 ニ正解
- 過負荷から短絡電流域までの全範囲において、受電設備側②の全遮断時間が変電所側①より短く、波及事故を防ぐ協調が成立しています。
覚えるポイント
- 保護協調曲線では下位側(需要家側)の特性曲線が常に上位側(変電所側)の下側に位置する
間違えやすいところ
- 時間軸の上下関係を誤認し、上位側が下にあると誤認してしまう
出題の前提:高圧受電設備規程および配電線保護協調指針
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
電気工事士法及び電気用品安全法
電気関係法規 · 電気用品安全法 / 電気工事士法 / 特定電気用品 / PSEマーク
電気工事士法及び電気用品安全法に関する記述として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
電気用品安全法において、構造・使用方法等から危険や障害の発生するおそれが多いものが「特定電気用品」(ひし形PSEマーク)と定められています。また、電気工事士法第8条第2項では、電気工事士は同法に基づく表示(PSEマーク等)が付されたものでなければ、一般用電気工作物または自家用電気工作物の工事に使用してはならない義務が規定されています。
解き方
- 特定電気用品の定義(危険度が高いもの、表示はひし形PSE)を確認する。
- 電気工事士法における電気用品使用の制限規定を確認し、正しい記述を特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 危険及び障害の発生するおそれが「特に高い(多い)」ものが特定電気用品であり、少ないものは「特定電気用品以外の電気用品」です。
- 選択肢 ロ不正解
- 特定電気用品に付される表示は「ひし形PSEマーク(<PS>E)」です。丸形の「(PS)E」は特定電気用品以外の電気用品の表示です。
- 選択肢 ハ正解
- 電気工事士法第8条第2項の規定により、法に基づく表示のない電気用品を工事に使用してはならないため正しい記述です。
- 選択肢 ニ不正解
- 定格電圧600Vのゴム絶縁電線(公称断面積100mm²以下)は「特定電気用品」に該当します。
覚えるポイント
- 特定電気用品=ひし形PSE、特定電気用品以外の電気用品=丸形PSE
- 電気工事士は表示のある電気用品でなければ工事に使用できない(電気工事士法第8条)
間違えやすいところ
- 丸形PSEとひし形PSEの対象区分を逆に覚えてしまう
- 太い絶縁電線が特定電気用品から除外されると誤認してしまう
出題の前提:電気工事士法 第8条第2項、電気用品安全法 第2条・第9条・第10条
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
自家用電気工作物の特殊な電気工事に従事できる資格
電気関係法規 · 電気工事士法 / 特種電気工事資格者 / ネオン工事 / 非常用予備発電装置工事
電気工事士法において、自家用電気工作物(最大電力500 kW未満の需要設備)に係る電気工事のうち、「ネオン工事」又は「非常用予備発電装置工事」に従事することのできる者は誰か。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
電気工事士法第5条の2において、自家用電気工作物の電気工事のうち、特殊な技術を要する「ネオン工事」および「非常用予備発電装置工事」については、経済産業大臣から当該工事に係る特種電気工事資格者免状の交付を受けている「特種電気工事資格者」でなければ作業に従事してはならないと定められています。第一種電気工事士であってもこれらの特種工事には従事できません。
解き方
- 自家用電気工作物におけるネオン工事・非常用予備発電装置工事の位置づけ(特種電気工事)を確認する。
- 第一種電気工事士の施工範囲からこれら特種工事が除外されており、特種電気工事資格者のみ従事可能であることを確認する。
- 選択肢 イ正解
- ネオン工事および非常用予備発電装置工事は、電気工事士法により特種電気工事資格者でなければ従事できない工事です。
- 選択肢 ロ不正解
- 認定電気工事従事者は、最大電力500kW未満の自家用電気工作物のうち「低圧部分」の工事に従事できる資格であり、特種電気工事には従事できません。
- 選択肢 ハ不正解
- 第一種電気工事士であっても、特種電気工事資格者免状を所持していなければネオン工事および非常用予備発電装置工事に従事することはできません。
- 選択肢 ニ不正解
- 電気主任技術者は保安監督の資格であり、電気工事の作業そのものに従事することはできません。
覚えるポイント
- 自家用電気工作物のネオン工事・非常用予備発電装置工事は「特種電気工事資格者」が必要
- 第一種電気工事士でも特種電気工事資格者免状がなければ従事できない
間違えやすいところ
- 第一種電気工事士なら自家用電気工作物のすべての工事に従事できると誤認してしまう
出題の前提:電気工事士法 第5条の2(特種電気工事資格者免状)
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
主任電気工事士の選任要件と職務
電気関係法規 · 電気工事業法 / 主任電気工事士 / 選任要件 / 職務の誠実行為
電気工事業の業務の適正化に関する法律において、主任電気工事士に関する記述として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
電気工事業法に基づき、登録電気工事業者は営業所ごとに主任電気工事士を置かなければなりません。主任電気工事士になれる者は、第一種電気工事士、または第二種電気工事士免状交付後「3年以上」の実務経験を有する者です(主任技術者資格では不可)。主任電気工事士は危険防止のため一般用電気工事の作業管理を誠実に行う義務があり、作業に従事する者はその指示に従う義務があります。
解き方
- 主任電気工事士の資格要件(第一種電気工事士、または第二種電気工事士免状取得後3年以上の実務経験)を確認する。
- 主任電気工事士の職務義務(作業の管理の誠実行為)および作業者の指示遵守義務に関する法規定を照合する。
- 選択肢 イ不正解
- 電気主任技術者は主任電気工事士の資格要件には該当せず、第一種・第二種電気工事士の免状要件が必要です。
- 選択肢 ロ不正解
- 第二種電気工事士が主任電気工事士になるには、免状取得後「3年以上」の実務経験が必要です(2年ではありません)。
- 選択肢 ハ正解
- 電気工事業法第20条第1項に規定されている主任電気工事士の誠実義務そのものであり、正しい記述です。
- 選択肢 ニ不正解
- 電気工事業法第20条第2項により、作業に従事する者は保有資格にかかわらず主任電気工事士の職務上の指示に従わなければなりません。
覚えるポイント
- 主任電気工事士の要件:第一種電気工事士、または第二種電気工事士+実務経験3年以上
- 主任電気工事士は作業管理を誠実に行い、作業者はその指示に従う義務がある
間違えやすいところ
- 第二種電気工事士の実務経験年数を「3年」ではなく「2年」や「5年」と誤認してしまう
- 電気主任技術者の資格で主任電気工事士になれると勘違いしてしまう
出題の前提:電気工事業の業務の適正化に関する法律 第19条、第20条
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧ケーブルの端末処理に使用しない工具の識別
配線図 · 端末処理 / 工具 / 高圧ケーブル
図の配線図中①で示す高圧ケーブル(CVTケーブル)の端末処理作業において、一般に使用されない工具はどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
高圧ケーブルの端末処理では、外部半導電層やシースの剥ぎ取り、ストレスコーンや絶縁被覆の形成、圧縮端子の圧着などの工程を行います。太い導体に端子を取り付ける際は油圧式などの高圧・大容量用圧着工具を用い、小径の低圧配線で用いられるJIS C 9711規格のリングスリーブ用圧着工具は使用しません。
解き方
- 端末処理の工程(シース剥ぎ取り、絶縁体整形、端末管の加熱収縮、端子圧着)を確認する。
- 各選択肢の写真の工具の用途を照合し、リングスリーブ用圧着工具(ハ)が高圧端末処理に適合しないと判定する。
- 選択肢 イ不正解
- ケーブルストリッパ(シースカッタ)は、ケーブルの外部シースを正確かつ安全に剥ぎ取るために使用されます。
- 選択肢 ロ不正解
- 電工ナイフは、ケーブルの被覆剥ぎ取りや絶縁体の端部整形などに広く使用されます。
- 選択肢 ハ正解
- リングスリーブ用圧着工具は低圧屋内配線の軟銅線用スリーブ圧着に用いる工具であり、高圧ケーブル端末の端子接続には使用しません。
- 選択肢 ニ不正解
- ガストーチ(または工業用ドライヤ)は、熱収縮チューブや端末処理材料を均一に加熱・収縮させるために使用されます。
覚えるポイント
- 高圧受電設備のケーブル端子接続には大径用の圧着工具を用い、リングスリーブ用は低圧専用である。
間違えやすいところ
- 圧着工具の形状の違いを見落とし、端子用とリングスリーブ用の区別を誤る。
出題の前提:高圧受電設備規程および電気設備技術基準の解釈に基づく施工基準
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧ケーブル端末のストレスコーンの役割
配線図 · 端末処理 / ストレスコーン / 電界緩和
図の配線図中②で示す高圧ケーブル端末処理部のストレスコーン部分の主な役割として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
高圧ケーブルでは、導体と遮へい層の間に平等に近い電界が分布しています。端末処理で遮へい層を切断すると、その境界部分に電気力線が集中し、電位傾度(単位長さ当たりの電位差)が極めて高くなります。この集中を物理的に滑らかに広げて緩和し、沿面放電や絶縁破壊を防ぐためにストレスコーンが設置されます。
解き方
- 高圧ケーブル端末処理において遮へい層を切除した境界部分で生じる現象(電界集中)を特定する。
- ストレスコーンの構造と機能(電位傾度の緩和)を選択肢ロと結びつける。
- 選択肢 イ不正解
- ストレスコーンは電気的な電界緩和を目的としており、ケーブルの機械的強度を補強するものではありません。
- 選択肢 ロ正解
- 遮へい層の切断端部における電界集中(電位傾度)を滑らかに緩和し、絶縁破壊を防ぐのがストレスコーンの主目的です。
- 選択肢 ハ不正解
- 各相の電流不平衡の防止とは一切関係がありません。
- 選択肢 ニ不正解
- 高調波電流の吸収は進相コンデンサ用の直列リアクトルなどの役割であり、ストレスコーンとは関係ありません。
覚えるポイント
- ストレスコーンの目的は「遮へい層端部の電界集中(電位傾度)の緩和」である。
間違えやすいところ
- 機械的な保護や防水を主目的と混同しないようにする。
出題の前提:高圧受電設備規程
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
計器用変圧器(VT)一次側ヒューズの設置目的
配線図 · 計器用変圧器 / 限流ヒューズ / 事故波及防止
図の配線図中③で示す装置(計器用変圧器の一次側に設置される高圧限流ヒューズ付き開閉器)を使用する主な目的はどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
計器用変圧器(VT)は受電電圧を計器用の低電圧(110V)に変成する機器です。VT内部で巻線の絶縁破壊等による短絡事故が発生した場合、受電母線全体が短絡状態となって上位の主遮断器や波及事故に至る恐れがあります。これを防ぐため、一次側に限流ヒューズを設置して事故回路のみを急速に切り離します。
解き方
- ③で示された機器が計器用変圧器(VT)の一次側保護装置(限流ヒューズ)であることを配線図から読み取る。
- VT一次側ヒューズの役割は「VT自体の内部短絡事故を主回路へ波及させないこと」であるという原則を適用する。
- 選択肢 イ不正解
- 雷サージからの保護は避雷器(LA)の役割であり、ヒューズの目的ではありません。
- 選択肢 ロ正解
- 計器用変圧器の内部短絡事故が主回路に波及することを防ぐために、一次側に限流ヒューズを施設します。
- 選択肢 ハ不正解
- VTの負担は計器類のみであり通常過負荷運転は想定されず、ヒューズは過負荷保護ではなく短絡保護を目的としています。
- 選択肢 ニ不正解
- ヒューズが溶断するとむしろその相が欠相状態になるため、欠相防止ではありません。
覚えるポイント
- VT一次側の限流ヒューズは「VT内部短絡事故の主回路への波及防止」が目的である。
間違えやすいところ
- 変圧器自体の過負荷保護や二次側短絡保護と混同しやすい。
出題の前提:電気設備技術基準の解釈および高圧受電設備規程
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
配電盤機器の識別(表示灯)
配線図 · 配電盤構成機器 / 図記号 / 表示灯
図の配線図中④に設置する機器(丸にバツ印で示される機器)の外観写真として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
単線結線図におけるJIS図記号で、円の中に斜め十字「×」を描いたものは「表示灯(信号灯・パイロットランプ)」を表します。配電盤の扉面には、受電状態や回路の通電状態を表示するためにこの表示灯が取り付けられます。
解き方
- 配線図の④が指す図記号を確認する(○の中に×が描かれた記号で、VT二次側回路に接続されている)。
- この図記号が表示灯(パイロットランプ)であることを同定し、写真選択肢から表示灯である「イ」を選択する。
- 選択肢 イ正解
- 円形レンズを持つ表示灯(パイロットランプ)の外観であり、記号④(丸に×)と一致します。
- 選択肢 ロ不正解
- ツマミと接点部を有する切換開閉器(カムスイッチ)であり、図記号VSやASに該当します。
- 選択肢 ハ不正解
- 押しボタン操作部を持つ操作スイッチであり、表示灯単体ではありません。
- 選択肢 ニ不正解
- 大型の頭部を持つ非常停止用押しボタンスイッチです。
覚えるポイント
- 単線結線図における「○の中に×」は表示灯(パイロットランプ)を表す。
間違えやすいところ
- 電圧計切換スイッチ(VS)や電流計切換スイッチ(AS)と取り付け位置を混同しないようにする。
出題の前提:JIS C 0617 電気用図記号
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
避雷器(LA)回路の図記号の識別
配線図 · 避雷器 / 断路器 / 図記号
図の配線図中⑤(高圧受電点付近の点線部)に設置する機器として、一般的に使用されるものの図記号はどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
高圧受電設備において、架空電線路から侵入する雷過電圧から機器を保護するために、受電点に近い電源側に避雷器(LA)を施設します。避雷器の点検や交換時、あるいは避雷器自体の故障時に主回路から切り離して受電を継続できるように、通常は断路器(DS)を直列に設置します。
解き方
- 配線図中の点線枠⑤の位置が、主遮断機器の電源側母線から大地への接続回路であることを確認する。
- この位置に設置される主要機器が避雷器(LA)であり、保守用断路器(DS)が組み合わされた図記号「ハ」を正答と判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 断路器の下に避雷器記号ではなく別のシンボルが描かれており、不適当です。
- 選択肢 ロ不正解
- 遮断器記号が用いられており、避雷器の断路装置として一般的ではありません。
- 選択肢 ハ正解
- 断路器(DS)と避雷器(LA:長方形を貫通する矢印)が直列に配置され、接地極に接続された正しい図記号です。
- 選択肢 ニ不正解
- 断路機構の向きやシンボルの配置が適切ではありません。
覚えるポイント
- 避雷器(LA)は長方形に斜め下向きの矢印で表され、保守用の断路器(DS)を介して高圧母線に接続される。
間違えやすいところ
- 変流器やコンデンサ等の他の機器シンボルと混同しないようにする。
出題の前提:高圧受電設備規程および電気設備技術基準の解釈第37条
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
変流器(CT)二次側の結線図
配線図 · 変流器 / 複線図 / 接地工事 / CT二次回路
図の配線図中⑥で示す部分(母線のR相およびT相に設けられた変流器CTの二次側回路)に施設する機器の複線図として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
三相3線式電路で過電流継電器や電流計を作動させる場合、R相とT相に変流器(CT)を1台ずつ設置します。CT二次回路には安全のためD種接地工事を施す必要がありますが、同極性端子であるl(エル)端子同士を接続して接地母線に繋ぎ、残りのk端子および共通線から継電器や計器へと配線します。異極性(kとl)を短絡・接地すると適切な合成電流が得られず保護機能が正常に働かなくなります。
解き方
- CTの一次側(K-L)に対する二次側(k-l)の極性関係(減極性)を確認する。
- 2台のCT二次側結線において、l端子同士を共通接続して接地を施している選択肢「イ」を特定する。
- 選択肢 イ正解
- R相・T相双方のCT二次側l端子が正しく共通接続されて接地されており、正常なCT結線です。
- 選択肢 ロ不正解
- R相のl端子とT相のk端子が結線されており、二次側の極性が逆になって位相が狂うため誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- CT二次側の端子接続が不適切であり、正しい残留回路・共通回路を形成していません。
- 選択肢 ニ不正解
- k端子とl端子が交差して接地されており、極性が一致しないため不適切です。
覚えるポイント
- CT二次側のコモン接地は通常「l(エル)」端子同士を接続して施す。
間違えやすいところ
- 一次側のK-Lと二次側のk-lの対応関係を取り違えたり、kとlを繋いでしまうミスが多い。
出題の前提:内線規程および高圧受電設備規程
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.15 ↗(www.shiken.or.jp)
直列リアクトル(SR)の役割
配線図 · 進相コンデンサ / 直列リアクトル / 高調波
図の配線図中⑦で示す機器(高圧進相コンデンサに直列接続された直列リアクトル SR)の役割として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
直列リアクトル(SR)は高圧進相コンデンサ(SC)と直列に接続され、主に以下の役割を果たします: 1. 電源投入時の突入電流の抑制 2. 第5高調波などの高調波電流によるコンデンサの過熱・焼損防止および高調波障害の抑制 3. 電圧波形のひずみ改善 これに対して、コンデンサ開放後に残留する電荷を急速に放電させて感電防止や再投入時の過電圧を防ぐのは「放電コイル(DC)」の役割です。
解き方
- ⑦が直列リアクトル(SR)であることを記号から特定する。
- 直列リアクトルの役割(突入電流抑制、高調波抑制、波形ひずみ改善)と放電コイルの役割(残留電荷の放電)を対比し、ニが放電コイルの役割であることを判定する。
- 選択肢 イ不正解
- 投入時の突入電流を抑制することは直列リアクトルの正しい役割です。
- 選択肢 ロ不正解
- 第5高調波に対する誘導性リアクタンスを持たせることで高調波拡大を防止する正しい役割です。
- 選択肢 ハ不正解
- 高調波を抑制することで電圧波形のひずみを改善することは正しい役割です。
- 選択肢 ニ正解
- コンデンサの残留電荷を放電するのは放電コイル(DC)の役割であり、直列リアクトルの役割ではないため誤り(本問の正解)です。
覚えるポイント
- 残留電荷の放電は「放電コイル(DC)」、突入電流・高調波の抑制は「直列リアクトル(SR)」の役割である。
間違えやすいところ
- 直列リアクトル(SR)と放電コイル(DC)の役割を混同しやすい。
出題の前提:高圧受電設備規程
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.15 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧カットアウトで保護できる変圧器の最大容量
配線図 · 高圧カットアウト / 変圧器容量 / 施設基準
図の配線図中⑧で示す部分(一次側を高圧カットアウトPCで保護する単相変圧器)に使用できる変圧器の最大容量[kV・A]はどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
電気設備技術基準の解釈および高圧受電設備規程において、変圧器の一次側開閉器として高圧カットアウト(PC)を使用できる容量上限が定められています。単相変圧器の場合は「300 kV・A以下」、三相変圧器の場合は「50 kV・A以下」です。これを超える容量の変圧器には、高圧交流負荷開閉器(LBS)や高圧交流遮断器(CB)等を使用しなければなりません。
解き方
- 配線図中の変圧器⑧が単相変圧器(一次側保護にPCを使用)であることを確認する。
- 高圧受電設備規程における高圧カットアウト(PC)の適用制限(単相300 kVA以下、三相50 kVA以下)を適用し、最大容量300 kV・A(ハ)を導く。
- 選択肢 イ不正解
- 100 kV・AでもPCは使用可能ですが、施設できる最大容量ではありません。
- 選択肢 ロ不正解
- 200 kV・AでもPCは使用可能ですが、最大容量ではありません。
- 選択肢 ハ正解
- 高圧カットアウト(PC)を適用できる単相変圧器の最大容量は300 kV・Aです。
- 選択肢 ニ不正解
- 500 kV・Aの変圧器にはPCを使用することはできず、LBSや遮断器が必要となります。
覚えるポイント
- 高圧カットアウト(PC)を使用できる変圧器容量限度は「単相300 kV・A」「三相50 kV・A」である。
間違えやすいところ
- 単相変圧器の300 kVAと三相変圧器の50 kVAを取り違えないように注意する。
出題の前提:高圧受電設備規程および電気設備技術基準の解釈
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.15 ↗(www.shiken.or.jp)
低圧CVTケーブルの構造と断面形状
配線図 · CVTケーブル / ケーブルの構造 / 低圧受電設備
図の配線図において、⑨で示す動力変圧器の二次側(低圧側)回路に使用するCVTケーブルの断面構造として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
CVTケーブル(架橋ポリエチレン絶縁ビニルシーストリプレックスケーブル)は単心CVケーブルを3本撚り合わせた構造です。高圧用では電界を均一化し部分放電を防ぐため内部・外部半導電層や遮へい銅テープ層が必要ですが、低圧用(600V以下)ではこれらの遮へい層は不要であり、導体、架橋ポリエチレン絶縁体、ビニルシースのシンプルな積層構造となります。
解き方
- 単線結線図の⑨が接続されている回路を確認し、変圧器二次側の低圧回路(三相200V系)であることを特定する。
- 低圧CVTケーブルには半導電層や銅シールド(遮へい層)が存在しないこと、および3本の単心ケーブルが撚り合わされたトリプレックス構造であることを確認して合致する断面図を選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 内部・外部半導電層および遮へい銅シールドを有する構造は、6600Vなどの高圧CVTケーブルのものであるため誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- 共通のシースで一括被覆された高圧CVケーブル(3心)の構造であり、低圧CVTケーブルではないため誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 導体をビニルで絶縁し一括シースを施した丸形ビニル絶縁ビニルシースケーブル(VVR)の構造であるため誤りです。
- 選択肢 ニ正解
- 低圧用CVTケーブルとして、半導電層や遮へい層を持たず架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースの単心3本を撚り合わせた正しい構造を示しています。
覚えるポイント
- 低圧CVTケーブルは導体+架橋ポリエチレン+ビニルシースの3本撚り合わせ構造で遮へい層はない。
- 高圧CV/CVTケーブルには半導電層と銅遮へい層(銅テープ等)が必須となる。
間違えやすいところ
- 受電設備の配線図全体を高圧と即断し、誤って高圧CVT(イ)を選んでしまうミスに注意する。
出題の前提:電気設備技術基準の解釈及びJIS C 3605(600Vポリエチレンケーブル)
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.15 ↗(www.shiken.or.jp)
スターデルタ始動三相誘導電動機の配線本数
配線図 · 電動機配線 / スターデルタ始動器 / 心線数
図の配線図において、⑩で示す動力制御盤(スターデルタ始動器内蔵)から三相誘導電動機に至る配線で、必要とする電線本数(心線数)はいくつか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
スターデルタ始動器を用いて三相誘導電動機を始動する場合、電動機の各相巻線の始端3本と終端3本の計6端子を制御盤に接続して盤内の電磁接触器等で結線を切り替えます。全電圧始動(じか入れ始動)であれば3本で済みますが、スターデルタ始動器を盤内に設けている電動機配線では必ず6本(アース線を除く主回路電線数)が必要となります。
解き方
- 単線結線図の⑩の上流にある動力制御盤内の図記号(スターデルタ始動器の切替マーク)を確認する。
- スターデルタ始動方式では巻線の端子(U, V, W, X, Y, Z)すべてを制御盤内の切替開閉器に接続する必要があるため、必要な主回路電線数は6本であると判定する。
- 選択肢 イ不正解
- 3本は全電圧始動(じか入れ始動)や始動器が電動機側にある場合の電線本数であり、制御盤からスターデルタ始動を行う本数としては不足するため誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- スターデルタ始動では巻線の両端6本を盤に導く必要があるため、4本では配線できず誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 三相誘導電動機のスターデルタ始動の結線には該当しない本数であるため誤りです。
- 選択肢 ニ正解
- スターデルタ始動器から電動機間には巻線3相の端子両端をつなぐための6本の電線が必要となるため正しいです。
覚えるポイント
- スターデルタ始動の電動機配線は6端子すべて盤につなぐため電線本数は6本。
- 全電圧始動(じか入れ始動)の三相電動機配線は3本。
間違えやすいところ
- 三相3線式だから3本と考えて「イ」を選んでしまうミスが多いので、盤内にある「スターデルタ始動器」の図記号を見落とさないように注意する。
出題の前提:内線規程及び電気設備技術基準の解釈
出典:電気技術者試験センター『平成27年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.15 ↗(www.shiken.or.jp)
平成27年度第一種電気工事士筆記試験
参照した公式資料
電気技術者試験センターが公開した平成27年度第一種電気工事士筆記試験の問題・解答資料です。

