学科(旧称:筆記)の問題と公式解答を種別・年度・期・午前午後で区別しています。CBTの出題例は過去の筆記試験とは別種別です。技能の課題は学科と分けて収録しています。
試験の概要
平行平板コンデンサの電界の強さ
電気理論 · 平行平板コンデンサ / 電界の強さ
図のように、面積 S の平板電極間に厚さ d で誘電率 ε の絶縁物が入っている平行平板コンデンサがあり、直流電圧 V が加わっている。このコンデンサの電極間の電界の強さ E に関する記述として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
平等電界における電界の強さ E は、電極間の電位差(電圧)V を電極間距離 d で割った E = V / d [V/m] で定義されます。静電容量 C や蓄えられる電荷 Q は極板面積 S や誘電率 ε に依存しますが、電極間の電界の強さ E そのものは極板間距離 d と加えた電圧 V のみによって決定され、誘電率 ε や電極面積 S には直接影響されません。
解き方
- 電極間が一様な電界における電界の強さの基本式 E = V / d を確認します。
- 式より電界の強さ E が電圧 V に比例し、電極間距離 d に反比例すること、誘電率 ε や電極面積 S には無関係であることを照らし合わせて正しい選択肢を選定します。
- 選択肢 イ不正解
- 電界の強さ E = V / d に誘電率 ε は含まれておらず、誘電率に比例しません(電荷 Q や静電容量 C は比例します)。
- 選択肢 ロ不正解
- 電界の強さ E = V / d に電極面積 S は含まれておらず、面積に反比例することはありません。
- 選択肢 ハ不正解
- 電界の強さ E = V / d より、電極間距離 d には反比例するため誤りです。
- 選択肢 ニ正解
- 電界の強さ E = V / d より、電界の強さ E は印加された電圧 V に正比例するため正しいです。
覚えるポイント
- 平行平板電極間の電界の強さは E = V / d [V/m] であり、誘電率や極板面積には無関係です。
間違えやすいところ
- 静電容量 C = εS / d や電荷 Q = CV と混同して、電界 E が ε や S に依存すると誤認しやすいです。
出題の前提:平成25年度第一種電気工事士筆記試験問1、電気理論の基本公式 E = V / d に基づく。
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
直流回路における分流と抵抗に流れる電流
電気理論 · 直流回路 / オームの法則 / 分流の法則
図のような直流回路において、電源電圧は 36〔V〕、回路電流は 6〔A〕である。抵抗 R に流れる電流 I_R〔A〕は。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
直並列直流回路では、全電流が通過する直列部分の抵抗による電圧降下を電源電圧から差し引くことで、並列接続部分に加わる端子電圧を求めることができます。並列部分の各枝に流れる電流は、キルヒホッフの第一法則(流入電流の和=流出電流の和)およびオームの法則に従って分配されます。
解き方
- 回路全体の幹線(電源と直列)に挿入されている抵抗は、上側路の 3Ω と下側路の 1Ω であり、合成抵抗は 3 + 1 = 4〔Ω〕です。
- 回路全体に流れる電流が 6〔A〕であるため、直列抵抗部分での電圧降下は 6〔A〕× 4〔Ω〕= 24〔V〕となります。
- 並列回路部分にかかる電圧 V_p は、電源電圧 36〔V〕から直列抵抗の電圧降下を引いた 36 - 24 = 12〔V〕となります。
- 並列枝の一方である 3〔Ω〕の抵抗に流れる電流は 12〔V〕/ 3〔Ω〕= 4〔A〕です。
- キルヒホッフの電流則より、抵抗 R に流れる電流 I_R は、全電流 6〔A〕から 3〔Ω〕を流れる 4〔A〕を減じて 6 - 4 = 2〔A〕と求まります。
- 選択肢 イ不正解
- 計算結果の 2〔A〕と異なるため誤りです。
- 選択肢 ロ正解
- 並列部分の電圧 12〔V〕から 3〔Ω〕に 4〔A〕が分流するため、R に流れる電流は 6 - 4 = 2〔A〕となり正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 計算結果の 2〔A〕と異なるため誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 4〔A〕は並列に接続された 3〔Ω〕の抵抗に流れる電流であり、抵抗 R に流れる電流ではないため誤りです。
覚えるポイント
- 直並列回路では、まず直列部分の電圧降下を求めて並列部分の両端電圧を特定するのが定石です。
間違えやすいところ
- 電源電圧 36V が直接並列部分にかかると誤認して 36/3 = 12A などと計算してしまうミスに注意が必要です。
出題の前提:平成25年度第一種電気工事士筆記試験問2、オームの法則およびキルヒホッフの法則に基づく。
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
コンデンサ直列回路の交流電流
電気理論 · 交流回路 / 直列コンデンサ / 容量性リアクタンス
図のような交流回路において、電源の電圧は V〔V〕、周波数は f〔Hz〕で、2個のコンデンサの静電容量はそれぞれ C〔F〕である。電流 I〔A〕を示す式は。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
同一容量 C をもつコンデンサ2個を直列接続した場合の合成静電容量 C_0 は、和分の積より C_0 = (C × C) / (C + C) = C / 2 となります。交流回路における容量性リアクタンス X_c は X_c = 1 / (2π f C_0) で表され、回路に流れる電流はオームの法則 I = V / X_c = 2π f C_0 V によって求まります。
解き方
- 同じ静電容量 C〔F〕のコンデンサ2個の直列合成容量 C_0 を求めると、C_0 = C / 2〔F〕となります。
- 回路全体の容量性リアクタンス X_c は X_c = 1 / (2π f C_0) = 1 / (2π f (C/2)) = 1 / (π f C)〔Ω〕となります。
- 回路に流れる電流 I はオームの法則より I = V / X_c = V / (1 / (π f C)) = π f C V〔A〕と導かれます。
- 選択肢 イ正解
- 直列合成容量 C/2 に対するリアクタンス 1/(πfC) より、電流 I = πfCV となり正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- 2πfCV はコンデンサが1個のみの場合、または並列接続された場合の電流式であり、直列回路では誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- リアクタンスの逆数を取るべきところで誤って除算の形になっているため誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 分子と分母が逆転した関係になっており、電流の式として不適切です。
覚えるポイント
- コンデンサの直列接続は抵抗の並列接続と同様に容量が小さくなり、同容量2個なら容量は半分 (C/2) になります。
間違えやすいところ
- コンデンサの直列合成容量を抵抗の直列接続と混同して 2C と足し算してしまう間違いが多いです。
出題の前提:平成25年度第一種電気工事士筆記試験問3、交流理論(リアクタンスと合成静電容量)に基づく。
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
RL直列回路で発生する熱量
電気理論 · 交流回路 / RL直列回路 / ジュールの法則
図のような交流回路において、抵抗 R で10分間に発生する熱量〔kJ〕は。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
交流RL直列回路の全インピーダンス Z は Z = √(R² + X²) で計算されます。回路に流れる電流 I は I = V / Z です。交流回路において熱を発生して電力を消費するのは抵抗成分 R のみであり、有効電力は P = I² R で表されます。t 秒間に発生するジュール熱 Q は Q = P × t [J] となります。
解き方
- 回路のインピーダンス Z を計算します。Z = √(8² + 6²) = √(64 + 36) = √100 = 10〔Ω〕です。
- 回路を流れる電流 I を求めます。I = V / Z = 100 / 10 = 10〔A〕です。
- 抵抗 R で消費される有効電力 P を計算します。P = I² R = 10² × 8 = 800〔W〕です。
- 時間 t を秒に換算します。t = 10〔分〕= 10 × 60 = 600〔秒〕です。
- 発生する熱量 Q を求めます。Q = P × t = 800 × 600 = 480,000〔J〕= 480〔kJ〕となります。
- 選択肢 イ不正解
- 計算結果の 480〔kJ〕と合致しないため誤りです。
- 選択肢 ロ正解
- 電流 10A、消費電力 800W より、600秒間の発熱量は 800 × 600 = 480,000J = 480kJ であり正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 時間の 600 秒そのものの数値や皮相電力を用いた計算などによる誤った数値です。
- 選択肢 ニ不正解
- 800 は消費電力 P = 800 W の数値であり、熱量〔kJ〕ではないため誤りです。
覚えるポイント
- 熱量を発生するのは抵抗 R のみであり、誘導リアクタンス X では熱(エネルギー消費)は発生しません。時間の単位は秒 (s) に直して計算します。
間違えやすいところ
- 時間の10分を秒に直さずにそのまま掛けてしまうミスや、インピーダンス全体で熱量を計算してしまう誤りに注意しましょう。
出題の前提:平成25年度第一種電気工事士筆記試験問4、交流回路のインピーダンスおよびジュールの法則に基づく。
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
対称三相交流回路の全皮相電力
配電理論 · 三相交流 / デルタ結線 / 皮相電力
図のような三相交流回路において、電源電圧は V〔V〕、抵抗は 4〔Ω〕、誘導性リアクタンスは 3〔Ω〕である。回路の全皮相電力〔V・A〕を示す式は。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
デルタ(Δ)結線負荷では、各相にかかる相電圧 V_p は線間電圧 V と等しくなります(V_p = V)。各相の負荷インピーダンスを Z とすると、1相あたりの皮相電力は S_1 = V_p I_p = V_p² / Z で表されます。対称三相交流回路の全皮相電力 S は、3相分の皮相電力の単純和である S = 3 S_1 (または S = √3 V I_l)によって求められます。
解き方
- デルタ結線の各相における1相あたりのインピーダンス Z を求めます。Z = √(4² + 3²) = 5〔Ω〕です。
- デルタ結線であるため、各相に加わる相電圧 V_p は電源の線間電圧 V と等しく、V_p = V〔V〕となります。
- 1相あたりの皮相電力 S_1 は、S_1 = V_p² / Z = V² / 5〔V・A〕となります。
- 回路全体の全皮相電力 S は3相分を合計して、S = 3 × S_1 = 3V² / 5〔V・A〕となります。
- 選択肢 イ不正解
- 皮相電力の次元は電圧の二乗をインピーダンスで割った形になるべきですが、電圧が1乗の式になっているため誤りです。
- 選択肢 ロ正解
- 1相インピーダンス 5Ω、デルタ結線の3相合計により 3 × (V²/5) = 3V²/5 となり正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 全有効電力や線電流の誤った二乗計算から導かれた値であり、皮相電力として誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- インピーダンスの比率や乗算を誤った計算結果であり不適切です。
覚えるポイント
- 全皮相電力は 1相分の皮相電力 (V_p²/Z) を3倍することで簡単に求められます。デルタ結線では相電圧=線間電圧です。
間違えやすいところ
- デルタ結線なのに相電圧を V/√3 として計算してしまい、全電力を V²/5 と誤ってしまう間違いが頻出します。
出題の前提:平成25年度第一種電気工事士筆記試験問5、三相交流回路の電力公式に基づく。
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.4 ↗(www.shiken.or.jp)
単相3線式配電線路の電源電圧の近似値
配電理論 · 単相3線式 / 電圧降下 / 力率
図のような単相3線式配電線路において、負荷A、負荷Bともに消費電力 800〔W〕、力率 0.8(遅れ)である。負荷電圧がともに 100〔V〕であるとき、電源電圧 V〔V〕の近似値は。ただし、配電線路の電線1線当たりの抵抗は 0.5〔Ω〕とする。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
単相3線式回路において、上下の負荷が平衡している(電力、電圧、力率が等しい)場合、中性線電流は打ち消し合ってゼロになります。したがって中性線での電圧降下は生じず、線路の電圧降下は外側線1線分のみを考慮すればよくなります。リアクタンスが無視できる電線路の電圧降下近似値は ΔV ≒ I r cosφ で表されます。
解き方
- 負荷Aと負荷Bの条件が同一(800W、力率0.8、100V)であるため、回路は平衡しており、中性線に流れる電流は I_N = 0〔A〕です。
- 外側線に流れる線電流 I を計算します。I = P / (V_load × cosφ) = 800 / (100 × 0.8) = 10〔A〕となります。
- 外側線1線の抵抗 r = 0.5〔Ω〕による電圧降下 ΔV の近似値を計算します。電線路のリアクタンスは 0 なので、ΔV = I × r × cosφ = 10 × 0.5 × 0.8 = 4〔V〕となります。
- 電源電圧 V の近似値を求めます。V = V_load + ΔV = 100 + 4 = 104〔V〕となります。
- 選択肢 イ正解
- 平衡負荷のため中性線電流は0であり、外側線1線の電圧降下 4V を足した 104V が正しいため適切です。
- 選択肢 ロ不正解
- 計算値の 104〔V〕と異なるため誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 中性線にも同等の電流が流れると誤認して電圧降下を2倍(8V)加算した場合の 108V であり誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 力率を考慮せずに単純に I × r = 5V を2線分足した場合などの誤答です。
覚えるポイント
- 単相3線式の平衡負荷では中性線電流が 0 になるため、相電圧の電圧降下は外側線1本分のみを計算します。
間違えやすいところ
- 単相2線式と同様に電線2本分の電圧降下を足してしまうミスや、電圧降下の計算で力率 cosφ の掛け忘れに注意してください。
出題の前提:平成25年度第一種電気工事士筆記試験問6、単相3線式配電線路の平衡負荷計算に基づく。
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.4 ↗(www.shiken.or.jp)
三相3線式配電線路の線路電力損失
配電理論 · 三相3線式 / 線路損失 / 電力損失
図のように、定格電圧 200〔V〕、消費電力 8〔kW〕、力率 0.8(遅れ)の三相負荷に電気を供給する配電線路がある。この配電線路の電力損失〔W〕は。ただし、配電線路の電線1線当たりの抵抗は 0.1〔Ω〕とする。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
三相3線式平衡回路の線電流 I は、三相電力の公式 P = √3 V I cosφ より I = P / (√3 V cosφ) で求まります。配電線路の電力損失は電線3本すべてで生じるため、1線当たりの抵抗を r とすると全線路電力損失は P_loss = 3 I² r で計算されます。
解き方
- 三相負荷の消費電力 P = 8〔kW〕= 8000〔W〕、線間電圧 V = 200〔V〕、力率 cosφ = 0.8 より、線電流 I を求めます。I = P / (√3 V cosφ) = 8000 / (√3 × 200 × 0.8) = 50 / √3〔A〕です。
- 電線1線当たりの抵抗は r = 0.1〔Ω〕です。
- 三相3線式の配電線路全体の電力損失 P_loss は3線分であるため、P_loss = 3 × I² × r = 3 × (50 / √3)² × 0.1 となります。
- 計算を実行すると、3 × (2500 / 3) × 0.1 = 2500 × 0.1 = 250〔W〕となります。
- 選択肢 イ不正解
- 計算結果の 250〔W〕と異なるため誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- 計算結果の 250〔W〕と異なるため誤りです。
- 選択肢 ハ正解
- 線電流 I = 50/√3 A より、3本分の線路損失は 3 × (50/√3)² × 0.1 = 250W となり正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 線電流の計算において力率 0.8 で割り忘れたり、分母の係数を誤った場合の値です。
覚えるポイント
- 三相3線式の線路電力損失は必ず電線3本分(3 × I²r)を計算します。線電流の計算で分母に √3 が入る点も必須です。
間違えやすいところ
- 電線2本分 (2I²r) や1本分 (I²r) だけを計算してしまったり、線電流計算で √3 を忘れてしまうミスが散見されます。
出題の前提:平成25年度第一種電気工事士筆記試験問7、三相交流電力および線路電力損失の計算式に基づく。
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.4 ↗(www.shiken.or.jp)
三相3線式配電線路の線間電圧降下の近似式
配電理論 · 三相3線式 / 電圧降下近似式 / 線路インピーダンス
図のような三相3線式配電線路で、電線1線当たりの抵抗を r〔Ω〕、リアクタンスを x〔Ω〕、線路に流れる電流を I〔A〕とするとき、電圧降下(V_s - V_r)〔V〕の近似値を示す式は。ただし、負荷力率 cosφ > 0.8 で、遅れ力率とする。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
交流配電線路において、遅れ力率角を φ とすると、電線1線(相電圧基準)で生じる電圧降下の近似値は I (r cosφ + x sinφ) で表されます。三相3線式配電線路の送電端線間電圧 V_s と受電端線間電圧 V_r の差である線間電圧降下 ΔV = V_s - V_r は、相電圧降下の √3 倍となるため、ΔV ≒ √3 I (r cosφ + x sinφ) となります。
解き方
- 電線1線当たりの抵抗 r、リアクタンス x、遅れ力率 cosφ に対する1相あたりの電圧降下近似式を確認すると、ΔV_p ≒ I (r cosφ + x sinφ) です。
- 求める値は線間電圧の差(送電端電圧 V_s と受電端電圧 V_r の差)であるため、相電圧降下の √3 倍となります。
- したがって、線間電圧降下の近似式は ΔV = √3 I (r cosφ + x sinφ) となります。
- 選択肢 イ不正解
- 遅れ力率におけるリアクタンスによる電圧降下は加算(+)となるため、マイナス記号のついた本式は誤りです(進み力率でリアクタンス降下が引かれる場合とは異なります)。
- 選択肢 ロ不正解
- 三角関数の組み合わせが r sinφ となっており、抵抗分と同相の成分は r cosφ であるため誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 抵抗 r に sinφ、リアクタンス x に cosφ が掛けられており、成分の対応が逆転しているため誤りです。
- 選択肢 ニ正解
- 三相3線式の線間電圧降下の近似式として √3 I (r cosφ + x sinφ) は完全に正しく適切です。
覚えるポイント
- 三相3線式の線間電圧降下近似式は √3 I (r cosφ + x sinφ)、単相2線式なら 2 I (r cosφ + x sinφ) です。
間違えやすいところ
- 単相の係数 2 と三相の係数 √3 の取り違えや、遅れ力率のときに + 記号ではなく - 記号を選んでしまう誤りに注意しましょう。
出題の前提:平成25年度第一種電気工事士筆記試験問8、送配電線路の電圧降下近似式に基づく。
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
直列リアクトル付き高圧進相コンデンサ回路の線電流の計算
電気理論 · 進相コンデンサ / 直列リアクトル / 三相交流回路
線間電圧 V [V] の対称三相交流電源に、誘導性リアクタンス 9 [Ω] の直列リアクトルと、1相あたり容量性リアクタンス 150 [Ω] の星形(Y)結線された高圧進相コンデンサが接続された回路がある。この回路の線電流 I [A] を表す式として、正しいものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
三相交流回路における星形(Y)結線の相電圧は線間電圧の 1/√3 倍となります。直列リアクトルの誘導性リアクタンスと進相コンデンサの容量性リアクタンスは互いに打ち消し合う逆位相の関係にあるため、直列接続時の1相あたりの合成リアクタンスは差(Xc - XL)で求まります。
解き方
- 1相分の直列合成リアクタンス X を計算します。容量性リアクタンス 150 [Ω] から誘導性リアクタンス 9 [Ω] を引いて、X = 150 - 9 = 141 [Ω] となります。
- 電源線間電圧 V [V] に対する1相分の相電圧 Vp [V] を求めます。星形(Y)結線では Vp = V / √3 [V] です。
- オームの法則により1相に流れる相電流(=線電流 I)を求めます。I = Vp / X = (V / √3) / 141 = V / (141√3) [A] と導出されます。
- 選択肢 イ正解
- 相電圧 V/√3 を直列合成リアクタンス 141 Ω で除算した正しい線電流の式です。
- 選択肢 ロ不正解
- 誘導性リアクタンスと容量性リアクタンスを加算して 159 Ω と誤算しているため不適です。
- 選択肢 ハ不正解
- 相電圧の √3 の除算関係が逆になり、線間電圧に √3 を掛けてしまっているため不適です。
- 選択肢 ニ不正解
- リアクタンスを加算して 159 Ω とした上で、相電圧の関係も誤っているため不適です。
覚えるポイント
- 進相コンデンサと直列リアクトルが直列に接続された場合の合成リアクタンスは引き算(Xc - XL)で計算します。
間違えやすいところ
- 誘導性リアクタンスと容量性リアクタンスを単純に足し算してしまう誤りや、相電圧を求めるときに √3 を掛け算してしまう間違いに注意します。
出題の前提:電気設備の基礎理論(三相交流回路のオームの法則とリアクタンスの直列合成)
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
巻上機用電動機の所要出力の計算
電気機器 · 巻上機 / 電動機容量 / 機械動力計算
巻上荷重 1.96 [kN] の物体を毎分 60 [m] の速さで巻き上げているときの巻上機用電動機の出力 [kW] として、正しいものを1つ選べ。ただし、巻上機の効率は 70 [%] とする。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
物体を一定速度で引き上げるのに必要な動力(仕事率)は「荷重 [kN] × 速度 [m/s]」で表され、単位は [kW] となります。電動機から供給する出力は、巻上機の機械的損失を考慮するため、巻上動力を効率 η で除算して求めます。
解き方
- 巻上速度を [m/s] 単位に換算します。v = 60 [m] / 60 [s] = 1 [m/s] です。
- 巻き上げに直接必要な機械動力 P0 [kW] を計算します。荷重 F = 1.96 [kN] より、P0 = F × v = 1.96 × 1 = 1.96 [kW] です。
- 効率 η = 0.70 を考慮して電動機出力 P [kW] を算出します。P = P0 / η = 1.96 / 0.70 = 2.8 [kW] となります。
- 選択肢 イ不正解
- 計算手順や単位換算に誤りがあり、正解の 2.8 kW と一致しません。
- 選択肢 ロ不正解
- 計算手順や効率の処理に誤りがあり、正解の 2.8 kW と一致しません。
- 選択肢 ハ不正解
- 巻上動力に誤って効率 0.70 を乗算した値(1.96 × 0.7 = 1.372 ≒ 1.4)であり、除算すべきところで不適です。
- 選択肢 ニ正解
- 巻上動力 1.96 kW を効率 0.70 で割った正しい計算結果です。
覚えるポイント
- 電動機の所要出力は、負荷の純粋な仕事率を効率で割る(P = P0 / η)ことで求めます。
間違えやすいところ
- 速度の単位を [m/min] のまま代入してしまったり、効率を割り算ではなく掛け算してしまう間違いが多く見られます。
出題の前提:電気機器・電気応用(揚水機・巻上機の電動機容量計算式)
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
変圧器の損失に関する特徴
電気機器 · 変圧器 / 鉄損 / 銅損 / 最大効率条件
変圧器の損失に関する記述として、誤っているものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
変圧器の損失は、負荷の有無に関わらず電源電圧によって生じる固定損(無負荷損=鉄損)と、負荷電流の二乗に比例して巻線に生じる可変損(負荷損=銅損)に大別されます。また、固定損と可変損が等しくなる負荷率のときに効率が最大となります。
解き方
- 各選択肢の変圧器損失に関する記述を検証します。
- イ:無負荷損は変圧器に定格電圧を印加した際に生じる損失で、その大部分は鉄心で発生する鉄損であるため正しいです。
- ロ:銅損 Pc は電流 I の2乗に比例する(Pc ∝ I^2)ため、電流が2倍になれば銅損は 2^2 = 4倍になります。2倍とする記述は誤りです。
- ハ:鉄損は磁化の反転に伴うヒステリシス損と、鉄心内の誘導起電力による渦電流損で構成されるため正しいです。
- ニ:変圧器の効率が最大となる条件は、無負荷損(鉄損)と負荷損(銅損)が等しくなるときであるため正しいです。
- 選択肢 イ不正解
- 無負荷状態における損失のほとんどは鉄心で生じる鉄損であるため記述は正しいです。
- 選択肢 ロ正解
- 銅損は巻線電流の2乗に比例するため、電流が2倍になれば銅損は4倍になります。2倍とする本記述は誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 鉄損はヒステリシス損と渦電流損に大別されるため記述は正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 変圧器の最大効率条件は鉄損(固定損)と銅損(可変損)が等しい状態であるため記述は正しいです。
覚えるポイント
- 銅損は電流の2乗(I^2)に比例し、鉄損は電圧が一定であれば負荷電流によらずほぼ一定です。
間違えやすいところ
- 銅損が電流に単純比例すると勘違いしやすいので、抵抗損 I^2・R の2乗特性を意識して区別しましょう。
出題の前提:電気機器(変圧器の損失特性および効率特性)
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
絶縁材料の耐熱クラスと許容最高温度
電気機器 · 絶縁材料 / 耐熱クラス / JIS C 4003
電気機器の絶縁材料は、JIS により電気製品の絶縁の耐熱クラスごとに許容最高温度 [℃] が定められている。耐熱クラス B、E、F、H のなかで、許容最高温度の最も低いものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
電気機器の絶縁材料は使用可能な最高温度に応じて耐熱クラスに分類されています。代表的なクラスの最高許容温度は、Y種(90℃)、A種(105℃)、E種(120℃)、B種(130℃)、F種(155℃)、H種(180℃)、C種(180℃超)と定められています。
解き方
- 選択肢にある耐熱クラスの許容最高温度を確認します。B種は 130 [℃]、E種は 120 [℃]、F種は 155 [℃]、H種は 180 [℃] です。
- これらの温度を比較すると、120 [℃](E種)< 130 [℃](B種)< 155 [℃](F種)< 180 [℃](H種)となり、最も低いものはE種と判定されます。
- 選択肢 イ不正解
- 耐熱クラスBの許容最高温度は 130 ℃ であり、E種(120 ℃)より高いため不適です。
- 選択肢 ロ正解
- 耐熱クラスEの許容最高温度は 120 ℃ であり、与えられた選択肢の中で最も低いため正解です。
- 選択肢 ハ不正解
- 耐熱クラスFの許容最高温度は 155 ℃ であり、E種より高いため不適です。
- 選択肢 ニ不正解
- 耐熱クラスHの許容最高温度は 180 ℃ であり、与えられた選択肢の中で最も高いため不適です。
覚えるポイント
- 耐熱クラスと温度の覚え方:A(105℃)、E(120℃)、B(130℃)、F(155℃)、H(180℃)。アルファベット順ではなく温度順の並びを記憶します。
間違えやすいところ
- アルファベット順(B→E→F→H)で温度が高くなると誤解し、B種を一番低いと選んでしまうミスに注意が必要です。
出題の前提:JIS C 4003(電気絶縁材料の耐熱性区分)
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
アルカリ蓄電池の特徴
電気機器 · アルカリ蓄電池 / 鉛蓄電池 / 蓄電池設備
鉛蓄電池と比較したアルカリ蓄電池の特徴として、誤っているものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
アルカリ蓄電池は、正極にオキシ水酸化ニッケル、負極にカドミウムや水素吸蔵合金等を用い、電解液として水酸化カリウム水溶液を使用する二次電池です。公称起電力は約 1.2 V であり、鉛蓄電池(約 2.0 V)に比べて低いですが、機械的強度や充放電耐久性に優れ、保守が容易で密閉化しやすい長所があります。
解き方
- アルカリ蓄電池の基本構造と性質を思い出し、各選択肢を照合します。
- イ:化学反応媒体として水酸化カリウム水溶液の電解液が必須であるため、「電解液が不要」という記述は明確に誤りです。
- ロ:単電池の起電力はアルカリ蓄電池が約 1.2 V、鉛蓄電池が約 2.0 V であるため、アルカリ蓄電池の方が小さいという記述は正しいです。
- ハ:耐衝撃性に優れ、過充放電にも比較的強いため保守管理が容易であるという記述は正しいです。
- ニ:発生ガスを内部で吸収・再結合させる技術により、小形密閉化が容易であるという記述は正しいです。
- 選択肢 イ正解
- アルカリ蓄電池は電解液に水酸化カリウム水溶液を使用するため、「不要である」という記述は誤り(設問の正答)です。
- 選択肢 ロ不正解
- セル電圧は鉛蓄電池の約2.0Vに対してアルカリ蓄電池は約1.2Vと小さいため記述は正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 堅牢で充放電特性に優れ、保守・点検が容易であるため記述は正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- ガス吸収構造による小形化・密閉化(シール形)が容易であるため記述は正しいです。
覚えるポイント
- アルカリ蓄電池の電解液は水酸化カリウム(KOH)水溶液、鉛蓄電池の電解液は希硫酸です。どちらも電解液を必要とします。
間違えやすいところ
- 「密閉型」という言葉から電解液が存在しない(不要である)と勘違いしないように注意しましょう。
出題の前提:蓄電池の構造と特性(JIS C 8705等)
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
配線材料の鑑別(二種金属製線ぴ)
配電理論及び配線設計 · 金属線ぴ工事 / 二種金属製線ぴ / 配線材料鑑別
写真に示す、幅 40 mm・高さ 45 mm の樋型をした金属製材料の名称として、正しいものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
電気設備の技術基準の解釈において、幅が 5 cm 以下の金属製の樋(とい)状造営材収容部は「金属製線ぴ」に分類されます。幅が 5 cm を超えるものは「金属ダクト」として区別されます。写真の部材は幅 40 mm であるため二種金属製線ぴ(レースウェイ)です。
解き方
- 写真の寸法表示を確認します。幅 40 mm、高さ 45 mm です。
- 金属線ぴと金属ダクトの区分基準(幅 5 cm = 50 mm を境とする)を適用します。幅 5 cm 以下のため「金属製線ぴ」です。
- 選択肢から金属製線ぴに該当する「二種金属製線ぴ」を選定します。
- 選択肢 イ正解
- 幅5cm以下の金属製線ぴ(レースウェイ)であり、写真の形状および寸法(幅40mm)と合致します。
- 選択肢 ロ不正解
- 金属ダクトは幅が5cmを超えるものを指すため、幅40mmの本部材には該当せず不適です。
- 選択肢 ハ不正解
- フロアダクトは床下コンクリート内に埋設して使用するダクトであるため不適です。
- 選択肢 ニ不正解
- ライティングダクトは内部に導電レールが組み込まれた照明器具取付用ダクトであるため不適です。
覚えるポイント
- 幅 5 cm(50 mm)以下は「金属製線ぴ(レースウェイ)」、幅 5 cm 超は「金属ダクト」と覚えます。
間違えやすいところ
- 断面が箱形・樋形であることから、寸法の基準(5cm)を見落として「金属ダクト」と混同しないよう注意が必要です。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第159条(金属線ぴ工事)および第162条(金属ダクト工事)
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
単相誘導電動機の構造と各部名称
電気機器 · 単相誘導電動機 / 固定子鉄心 / 電動機の構造
写真に示す単相誘導電動機の分解図において、矢印で指し示されている部分の名称として、正しいものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
誘導電動機は静止している「固定子(ステータ)」と回転する「回転子(ロータ)」から構成されます。固定子は、磁束を通す積層鋼板である固定子鉄心と、磁界を発生させる固定子巻線、全体を覆う外被(フレーム・ブラケット)などから成り立っています。
解き方
- 写真の構造を確認します。電動機外枠の内側に組み込まれた、スロットを有する円筒状の鉄心構造部を矢印が直接指しています。
- コイル(銅線)そのものではないため固定子巻線ではなく、回転する軸側部材でもないため回転子鉄心でもありません。
- したがって、この固定側の磁気回路を構成する部品は「固定子鉄心」であると判別されます。
- 選択肢 イ不正解
- 固定子巻線はスロット内部に収められている絶縁被覆された銅線コイルを指すため不適です。
- 選択肢 ロ正解
- 固定子(ステータ)側で磁束を通すスロット付きの積層鉄心であり、正しい名称です。
- 選択肢 ハ不正解
- ブラケットは電動機の軸受を支持する両端の端蓋(軸受カバー)を指すため不適です。
- 選択肢 ニ不正解
- 回転子鉄心は中央のシャフト(回転軸)とともに回転するコア部分を指すため不適です。
覚えるポイント
- 固定子側にあるスロット付き鉄心が「固定子鉄心」、中央で軸とともに回転する部品が「回転子」です。
間違えやすいところ
- 巻線(コイル)と鉄心(コア)の指し示す位置を取り違えないよう、矢印の先端部を正確に確認しましょう。
出題の前提:電気機器(誘導電動機の基本構造)
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
水力発電所における発電用水の流路順序
発電・送配電・変電 · 水力発電所 / 水路式発電 / 発電設備構成
水力発電所の発電用水の経路の順序として、正しいものを1つ選べ。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
一般的な水路式・ダム水路式水力発電所では、上流の河川や貯水池から「取水口」で水を取り入れ、導水路・サージタンク(調圧水槽)を経て、高い落差を利用して「水圧管路(水圧鉄管)」で水車へ勢いよく導きます。水車で運動エネルギーを発電機へ伝達した後、使用済みの水は「放水路・放水口」を通って河川へと排水されます。
解き方
- 発電用水の流れを上流側から追跡します。最上流は水を取り込む「取水口」です。
- 落差を得て高い圧力で発電所建屋へ水を導くため、取水口の下流側に「水圧管路」が配置されます。
- 水圧管路の出口で水流のエネルギーを受けて回転するのが「水車」です。
- 水車を通過した水が最終的に河川へ戻る出口が「放水口」となります。したがって「取水口 → 水圧管路 → 水車 → 放水口」が正しい順序です。
- 選択肢 イ不正解
- 取水口よりも前に水圧管路が配置されているため順序が誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- 水車の後に水圧管路が来ることはないため順序が誤りです。
- 選択肢 ハ正解
- 取水口から水圧管路を経て水車を回し放水口へ流れる、正しい水流経路の順序です。
- 選択肢 ニ不正解
- 放水口から出た後に水車を回すことはできないため順序が誤りです。
覚えるポイント
- 水力発電の水路フロー:取水口 → 導水路 → ヘッドタンク(調圧水槽) → 水圧管路 → 水車 → 放水路・放水口。
間違えやすいところ
- 水圧管路と水車の位置関係を逆にしてしまうミスに注意しましょう。水車の上流に水圧管路があります。
出題の前提:発電設備(水力発電所の構成・水路系統設備)
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
火力発電所における熱サイクルの種類
発電設備 · 汽力発電 / 再熱サイクル / 熱効率
図は火力発電所の熱サイクルを示した系統概要図である。高圧タービンで膨張した蒸気を再びボイラ(再熱器)に戻して加熱し、低圧タービンへ送る構成となっている。この熱サイクルの種類として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
汽力発電において、高圧タービンで仕事をした蒸気を再びボイラー(再熱器)で過熱し、中・低圧タービンに導入してさらに仕事をさせる方式を再熱サイクルと呼びます。タービン内部での蒸気の乾き度低下を防ぎ、熱効率を向上させます。
解き方
- 系統図内の蒸気の流れを確認すると、ボイラ(過熱器)から高圧タービンへ供給され、そこから再熱器へ戻された後、低圧タービンへ導かれていることを読み取ります。
- タービン抽気を給水加熱器へ導く再生系統(給水加熱器)は図に含まれていないため、純粋な「再熱サイクル」と判断します。
- 選択肢 イ不正解
- 再生サイクルはタービンから蒸気の一部を抽気して給水ポンプ手前等の給水加熱器で給水を加熱するサイクルですが、本図には抽気および給水加熱器が描かれていません。
- 選択肢 ロ正解
- 高圧タービンで仕事をした蒸気を再熱器で再び加熱して低圧タービンに送るサイクルであるため、再熱サイクルに該当します。
- 選択肢 ハ不正解
- 再熱再生サイクルは、再熱器に加えてタービンからの抽気を利用した給水加熱器を備えた熱サイクルですが、本図に給水加熱器は含まれていません。
- 選択肢 ニ不正解
- コンバインドサイクルはガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた複合発電方式のサイクルであり、本図の構成とは異なります。
覚えるポイント
- 蒸気をボイラに戻して再過熱するのが再熱サイクル、抽気で給水を温めるのが再生サイクルです。
間違えやすいところ
- 「復水器」「給水ポンプ」がある一般的な蒸気サイクルをすべて再生サイクルと誤認しないように注意が必要です。
出題の前提:平成25年度第一種電気工事士筆記試験 問17
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
ディーゼル発電装置の特徴と動作工程
発電設備 · ディーゼル発電 / 内燃機関 / 非常用発電装置
ディーゼル発電装置に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
ディーゼル機関は圧縮点火機関であり、吸入した空気を高圧に圧縮して高温とし、そこへ燃料を噴射して自己着火(自然発火)させます。したがって点火プラグは不要で、動作順序は必ず吸気、圧縮、爆発(燃焼)、排気の順になります。
解き方
- 各選択肢のディーゼル機関の原理および用途に関する記述の正誤を照合します。
- ニの工程順序を確認すると「吸気→爆発→圧縮→排気」となっており、圧縮する前に爆発・燃焼が起きる不合理な順序であるため誤りと判断します。
- 選択肢 イ不正解
- ディーゼル機関は空気を高温・高圧に圧縮して燃料を自然着火させる圧縮着火機関であるため、点火プラグが不要であり記述は正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- ピストン運動によるトルク変動(回転むら)を緩和し滑らかな回転を得るために、はずみ車(フライホイール)が用いられるため記述は正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 始動時間が短く信頼性が高いため、ビルや施設の非常用予備発電装置として広く用いられており記述は正しいです。
- 選択肢 ニ正解
- ディーゼル機関の4サイクルの工程順序は「吸気→圧縮→爆発(燃焼)→排気」であり、爆発と圧縮の順序が逆転しているため誤り(正解)です。
覚えるポイント
- ディーゼル機関の工程は「吸気・圧縮・燃焼(爆発)・排気」、点火プラグ不要(自己着火)です。
間違えやすいところ
- ガソリン機関(火花点火)とディーゼル機関(圧縮着火)の点火方式の違いを混同しやすいです。
出題の前提:平成25年度第一種電気工事士筆記試験 問18
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
柱上変圧器の一次側タップの選定
配電設備 · 柱上変圧器 / タップ切換 / 変圧比
柱上変圧器A、B、Cの一次側の電圧が、線路の電圧降下によりそれぞれ6450V、6300V、6150Vである。各柱上変圧器A、B、Cの二次電圧をそれぞれ105Vに均一に調整するための一次側タップの選定組み合わせとして、正しいものはどれか。なお、各変圧器の一次側タップは6450V、6300V、6150V、二次側基準電圧は105Vとする。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
変圧器の二次電圧は「一次印加電圧 × (二次基準電圧 / 一次タップ電圧)」で求まります。したがって、一次印加電圧が変動している場合でも、印加されている電圧と等しい一次タップを選択すれば、二次側には常に定格(基準)の二次電圧が出力されます。
解き方
- 各変圧器に印加される一次電圧を整理します:A点は6450V、B点は6300V、C点は6150V。
- 二次電圧を105Vに保つためには、一次タップ電圧を実際の印加電圧に合わせて「A=6450V、B=6300V、C=6150V」とする必要があります。
- 各選択肢の図を確認し、変圧器Aのタップ接続が6450V、Bが6300V、Cが6150Vとなっている結線図を選択します。
- 選択肢 イ不正解
- 図イでは変圧器A、B、Cのタップ線の引き出し位置が適切なタップ電圧(A:6450V、B:6300V、C:6150V)に対応していません。
- 選択肢 ロ不正解
- 図ロではAが6150V、Cが6450Vのように逆方向のタップが選択されており、二次電圧が大きく狂ってしまいます。
- 選択肢 ハ不正解
- 図ハでは変圧器Cのタップ設定が適切ではありません。
- 選択肢 ニ正解
- 変圧器Aが6450Vタップ、Bが6300Vタップ、Cが6150Vタップにそれぞれ正しく接続されており、すべての二次電圧が105Vとなります。
覚えるポイント
- 受電電圧が下がったらタップ電圧も下げる、受電電圧が上がったらタップ電圧も上げることで二次電圧を一定にします。
間違えやすいところ
- 電圧が下がっている箇所でタップを高く設定すると、二次電圧がさらに下がってしまうため、逆方向に設定しないよう注意が必要です。
出題の前提:平成25年度第一種電気工事士筆記試験 問19
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧進相コンデンサ用開閉装置の選定基準
受電設備 · 高圧進相コンデンサ / 開閉装置 / 高圧カットアウト / 内線規程
定格設備容量が50 kvarを超過する高圧進相コンデンサの開閉装置として、使用できないものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
内線規程等により、高圧進相コンデンサの開閉装置は容量に応じて定められています。高圧カットアウト(PC)は開閉性能の制約から容量50 kvar以下のコンデンサにのみ適用可能であり、50 kvarを超える場合はVCB、LBS、VMC(または高圧交流真空開閉器VOSなど)を用いなければなりません。
解き方
- 問題条件の「定格設備容量が50 kvarを超える」高圧進相コンデンサを確認します。
- 開閉器の適用基準を照合します:PCは50 kvar以下のみ使用可能、50 kvar超~300 kvar以下はLBS・VMC・VCB等、300 kvar超はVCB・VMC等が用いられます。
- したがって、50 kvarを超える場合に「使用できないもの」は高圧カットアウト(PC)となります。
- 選択肢 イ不正解
- 高圧真空遮断器(VCB)は容量制限なく高圧進相コンデンサの開閉装置として使用できます。
- 選択肢 ロ不正解
- 高圧交流負荷開閉器(LBS)は50 kvarを超え300 kvar以下の進相コンデンサ用開閉装置として使用できます。
- 選択肢 ハ正解
- 高圧カットアウト(PC)は定格容量が50 kvar以下の高圧進相コンデンサに限り使用可能であるため、50 kvarを超えるものには使用できません。
- 選択肢 ニ不正解
- 高圧真空電磁接触器(VMC)は頻繁な開閉にも耐え、50 kvarを超えるコンデンサの開閉装置として使用できます。
覚えるポイント
- 高圧進相コンデンサの開閉器:PCは50 kvar以下まで。50 kvar超はLBS、VMC、VCB等を使用。
間違えやすいところ
- 50 kvar「以下」で使用できる機器と、50 kvarを「超える」場合に使用できない機器の境界基準を取り違えないように注意が必要です。
出題の前提:電気設備技術基準の解釈・内線規程
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
受電用遮断器の遮断容量決定要素
受電設備 · 遮断器 / 遮断容量 / 三相短絡電流 / 短絡保護
高圧受電設備の受電用遮断器の遮断容量を決定する場合に、必要なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
遮断器の定格遮断容量(または定格遮断電流)は、受電点(設置点)の直下で三相短絡事故が生じた際に系統側から供給される最大短絡電流を安全に遮断できる能力を満たす必要があります。そのため、電力会社から提示される受電点の短絡容量または三相短絡電流が必要不可欠となります。
解き方
- 「定格電流」と「定格遮断容量(定格遮断電流)」の違いを区別します。定格電流は最大負荷電流等から選定します。
- 「定格遮断容量」は事故時の短絡電流を遮断する能力であるため、設置点(受電点)における三相短絡電流(短絡容量)に基づいて決定します。
- 選択肢 イ不正解
- 最大負荷電流は、通常時の通電容量である遮断器の「定格電流」を決定する際に必要な要素です。
- 選択肢 ロ不正解
- 受電用変圧器の容量は負荷設備の設計や変圧器二次側の短絡容量計算には関係しますが、受電用遮断器自体の遮断容量決定には電源側系統条件(短絡電流)が必要です。
- 選択肢 ハ正解
- 受電用遮断器の遮断容量は、電源系統側から流入する受電点の三相短絡電流を確実に遮断できるように決定します。
- 選択肢 ニ不正解
- 電気事業者との契約電力は受電設備の規模や契約の指標ですが、事故時の遮断容量の直接の計算根拠にはなりません。
覚えるポイント
- 遮断器の定格電流は「最大負荷電流」、定格遮断容量(遮断電流)は「受電点の三相短絡電流」で決める。
間違えやすいところ
- 定格電流(平常時の電流)の選定と、定格遮断容量(短絡事故時の遮断能力)の選定を混同しないようにしましょう。
出題の前提:平成25年度第一種電気工事士筆記試験 問21
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧計器用変流器(CT)の外観と用途
配電設備 · 計器用変流器 / CT / 機器外観
写真に示す品物の用途として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
計器用変成器のうち、計器用変流器(CT)は高圧電路の大電流を測定用計器や保護継電器で扱える小電流(二次側定格5A)に変成する機器です。磁気コアに一次導線を通す貫通形構造などの特徴的な外観を持ちます。
解き方
- 写真の機器の外観(中央に一次導線を通す貫通孔があり、両側に碍子部、二次側端子ボックスを備える構造)から、高圧貫通形計器用変流器(CT)であることを特定します。
- CTの役割である「大電流を小電流に変成する」を用途として選びます。
- 選択肢 イ不正解
- 進相コンデンサ投入時の突入電流を抑制する機器は「直列リアクトル(SR)」です。
- 選択肢 ロ不正解
- 高電圧を低電圧に変成する機器は「計器用変圧器(VTまたはPT)」です。
- 選択肢 ハ不正解
- 零相電流を検出する機器は「零相変流器(ZCT)」です(貫通穴に3相を一括して通すリング形状)。
- 選択肢 ニ正解
- 写真は計器用変流器(CT)であり、主回路の大電流を計器や継電器用に小電流に変成する用途に使用されます。
覚えるポイント
- CTは大電流を小電流に変成、VTは高電圧を低電圧に変成、ZCTは地絡事故の零相電流を検出。
間違えやすいところ
- ZCT(零相変流器)も貫通穴がありますが、ZCTは高圧碍子をもたず三相一括貫通する円形リング状であり、本写真の高圧碍子型CTとは外観が異なります。
出題の前提:平成25年度第一種電気工事士筆記試験 問22
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
限流ヒューズ付き高圧交流負荷開閉器のトリップ機構
配電設備 · 高圧交流負荷開閉器 / LBS / 限流ヒューズ / ストライカピン
写真の矢印で示す部分(限流ヒューズ端部から突き出るストライカピン部・トリップ連動バー付近)の役割はどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
限流ヒューズ付きLBSにおいて、ヒューズ内部の溶断によってストライカと呼ばれるピンが機械的に飛び出します。矢印の連動機構(トリップバー等)はこのピンを受けてトリップ装置を駆動し、主接点を自動開放させることで欠相事故を防ぎます。
解き方
- 写真の機器が高圧交流負荷開閉器(LBS)であり、矢印で示された箇所が限流ヒューズの端部(ストライカ部)および開閉器の連動引外しレバーであることを確認します。
- ストライカ動作の目的である「ヒューズ溶断時に連動して開閉器を開放し欠相を防止する」という役割を特定します。
- 選択肢 イ不正解
- 溶断時に開閉器をロックするのではなく、主接点を開放(トリップ)させるための機構です。
- 選択肢 ロ正解
- ヒューズが溶断した際にストライカが突出してトリップ機構を作動させ、連動して開閉器を三相一括開放する役割を果たします。
- 選択肢 ハ不正解
- ヒューズクリップによる保持や脱落防止機構ではなく、溶断連動トリップ機構です。
- 選択肢 ニ不正解
- ヒューズの位置決め治具ではなく、遮断連動用のトリップバー機構です。
覚えるポイント
- ストライカ付きヒューズは溶断時にピンが飛び出し、LBSを連動トリップさせて三相負荷の欠相運転を防ぎます。
間違えやすいところ
- 単なるヒューズ固定金具や外れ防止爪と勘違いしないように、トリップ機構のリンク部分であることを確認しましょう。
出題の前提:平成25年度第一種電気工事士筆記試験 問23
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
単相200V回路に使用できないコンセントの刃受形状
配線設計 · コンセント / 定格電圧 / 刃受形状 / JIS C 8303
単相200 Vの回路に使用できないコンセントの刃受形状はどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
家庭用や施設用の配線器具(コンセント)は、誤挿入を防止するために定格電圧および定格電流ごとに刃受の形状が規格化されています。100V用は2極が縦平行に配置され、200V用は横向き(またはタンデム形、エル形等)に配置されて区別されています。
解き方
- 各選択肢のコンセント刃受の形状を確認します。
- イ:片方の極がL字型になった250V 20A用接地極付コンセントです。
- ロ:縦に平行な2極と接地極穴を持つ125V 15A(単相100V用)接地極付コンセントです。
- ハ:2極が同一線上で横向き水平に並んだ250V 15A用接地極付コンセントです。
- ニ:片側の刃受がT字型になった250V 15A/20A兼用接地極付コンセントです。
- したがって、単相200V回路に使用できないものは100V用の「ロ」です。
- 選択肢 イ不正解
- 250V 20A接地極付コンセントの刃受形状であり、単相200V回路で使用できます。
- 選択肢 ロ正解
- 125V 15A接地極付(単相100V用)コンセントの刃受形状であるため、単相200Vの回路には使用できません。
- 選択肢 ハ不正解
- 250V 15A接地極付コンセントの刃受形状(横向き配置)であり、単相200V回路で使用できます。
- 選択肢 ニ不正解
- 250V 15A/20A兼用接地極付コンセントの刃受形状であり、単相200V回路で使用できます。
覚えるポイント
- 縦平行2極は100V(125V)用、横平行やT字・L字を含む形状は200V(250V)用です。
間違えやすいところ
- 接地極(アース穴)があることで一見すべて200V用に見えてしまうことがありますが、主極の刃が縦平行か横向きかで100Vと200Vを判別します。
出題の前提:JIS C 8303 配線用差込接続器
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
引込口等の貫通部材料の識別
配線器具・材料・工具 · 引込線 / 防水材料 / 防水鋳鉄管
写真に示す電気工事用材料(ケーブルは除く)の名称として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
建物の外壁や地下室壁、屋上スラブなどを電線やケーブルが貫通する箇所では、雨水や湧水の浸入を防ぐために防水構造を有するスリーブ管が用いられます。防水鋳鉄管は、コンクリート打設時に埋設され、ツバ(鍔)部により浸水を防止しつつケーブルを安全に導入するための材料です。
解き方
- 写真の外観を確認し、中央付近に円形の止水用鍔(フランジ部)があり、両端に開口部を持つ金属製の管構造体であることを把握する。
- 外壁貫通部などの防水貫通用に埋設される防水鋳鉄管の形状と合致することを判定する。
- 選択肢 イ正解
- 写真の材料は外壁貫通部などに設置して漏水を防ぎつつ配線を通す防水鋳鉄管であるため正しい。
- 選択肢 ロ不正解
- シーリングフィッチングは防爆配管工事において爆発性ガスの流通を防止するために管路を密閉する器具であり誤り。
- 選択肢 ハ不正解
- 高圧引込がい管は建物の外壁を貫通して高圧電線を引き込む際に絶縁支持する磁器製の管状がいしであり誤り。
- 選択肢 ニ不正解
- ユニバーサルエルボは金属電線管の曲げ箇所に用いる開口蓋付きの管継手であり写真とは異なる。
覚えるポイント
- 防水鋳鉄管は外壁や床のコンクリート貫通部で雨水等の浸入を防ぐために用いられる。
間違えやすいところ
- 防爆工事で使用されるシーリングフィッチングや、がいし引きで用いる引込がい管と外観を取り違えないように注意する。
出題の前提:電気設備技術基準・内線規程における引込口等の貫通部施工
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
低圧配電盤へのケーブル接続作業に使用する工具
配線工事・工具 · ケーブル工事 / 電気工事用工具 / 圧着作業
低圧配電盤に、CVケーブル又はCVTケーブルを接続する作業において、一般に使用しない工具はどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
低圧配電盤内でのCV・CVTケーブルの端末処理および結線作業では、外装や絶縁体の皮むきを行う工具、太い導体と圧着端子を接続する工具、端子を規定トルクで確実に締め付ける器具が必要です。電線管の曲げ加工工具は配電盤内のケーブル結線作業には不要です。
解き方
- 配電盤内のCV・CVTケーブル接続作業に必要な工程(被覆剥ぎ、圧着接続、端子締め付け)を想起する。
- 電工ナイフ(皮むき)、油圧式圧着工具(大断面積の圧着)、トルクレンチ(締付管理)が該当することを確認する。
- 油圧式パイプベンダは金属電線管の曲げ用工具であるため、ケーブル直接接続では使用しないと判断する。
- 選択肢 イ正解
- 油圧式パイプベンダは厚鋼電線管などの金属管を曲げる工具であり、配電盤内のケーブル接続作業には使用しないためこれが正解となる。
- 選択肢 ロ不正解
- 電工ナイフはCVケーブルの外装シースや絶縁体の剥ぎ取り作業に一般に使用される工具である。
- 選択肢 ハ不正解
- トルクレンチは端子部の接続ボルトを所定の適正締め付けトルクで確実に管理・締結するために使用される。
- 選択肢 ニ不正解
- 太いCVケーブルの心線に圧着端子を取り付ける際、強力な力で圧着可能な油圧式圧着工具が使用される。
覚えるポイント
- パイプベンダは金属電線管を曲げる工具でありケーブルの接続作業には使わない。
間違えやすいところ
- トルクレンチは配電盤のボルト締付トルク管理に必須の重要工具であることを見落とさないようにする。
出題の前提:内線規程および電気工事施工要綱における機器結線施工法
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
湿気の多い場所等の低圧屋内配線工事の種類
電気設備技術基準・解釈 · 低圧屋内配線 / 特殊場所の施設 / 平形保護層工事
展開した場所で、湿気の多い場所又は水気のある場所に施す使用電圧300[V]以下の低圧屋内配線工事として、施設することができない工事の種類はどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
電気設備の技術基準の解釈第156条等の低圧屋内配線の施設場所に関する規定において、使用電圧300V以下の場合、湿気の多い場所や水気のある場所には金属管工事、合成樹脂管工事、ケーブル工事などは施工可能ですが、平形保護層工事(カーペット下配線等)は乾燥した場所に限定されています。
解き方
- 使用電圧300V以下における「湿気の多い場所又は水気のある場所」で使用可能な工事種類を照合する。
- 金属管工事、合成樹脂管工事、ケーブル工事は湿気の多い場所・水気のある場所でも施設可能であることを確認する。
- 平形保護層工事は「乾燥した場所の床面」に施工が限られており、湿気・水気のある場所には施設できないことを特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 金属管工事は防湿措置を施すことで湿気の多い場所や水気のある場所にも施設できる。
- 選択肢 ロ不正解
- ケーブル工事は湿気の多い場所や水気のある場所を含め、ほぼすべての場所に施設できる。
- 選択肢 ハ正解
- 平形保護層工事は乾燥した場所に限定して施設が認められており、湿気の多い場所や水気のある場所には施設できないため正しい。
- 選択肢 ニ不正解
- 合成樹脂管工事(CD管を除く)は湿気の多い場所や水気のある場所にも施設できる。
覚えるポイント
- 平形保護層工事(アンダーカーペット配線)は「乾燥した場所」にのみ施工可能。
間違えやすいところ
- 金属管工事や合成樹脂管工事は水気のある場所でも適切な防湿・防水措置を行えば施工可能である点と混同しない。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第156条(低圧屋内配線の施設場所等の制限)
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
可燃性ガスが存在する場所の低圧屋内配線工事
電気設備技術基準・解釈 · 危険場所 / 防爆構造 / 金属管工事 / キャブタイヤケーブル
可燃性ガスが存在する場所に低圧屋内電気設備を施設する施工方法として、不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
可燃性ガス等の爆発性危険雰囲気が存在する場所(電気設備の技術基準の解釈第176条)では、電気火花やアーク、過熱による爆発・火災を防ぐため、配線工事は原則として厚鋼電線管を用いた金属管工事、または防爆型ケーブル工事に限定されます。合成樹脂管工事は機械的強度や防爆性能の観点から禁止されています。
解き方
- 可燃性ガスが存在する場所における配線工事の種類を確認する(金属管工事またはケーブル工事)。
- 金属管工事では厚鋼電線管を用い、ボックスや機器類には防爆構造品を用いる必要があることを確認する(選択肢イ、ハは適切)。
- 移動電線には3種または4種のクロロプレン等のキャブタイヤケーブルを使用する必要があることを確認する(選択肢ロは適切)。
- 合成樹脂管工事は可燃性ガスが存在する場所では認められないため、選択肢ニが不適切であると判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 可燃性ガスのある場所では厚鋼電線管による金属管工事を行い、附属品に耐圧防爆構造等のものを使用するため適切である。
- 選択肢 ロ不正解
- 移動電線には接続点のない3種以上のクロロプレンキャブタイヤケーブル等を使用するため適切である。
- 選択肢 ハ不正解
- 開閉器や点滅器、コンセントなどの火花を発する器具には耐圧防爆構造のものを使用するため適切である。
- 選択肢 ニ正解
- 可燃性ガスが存在する危険場所において合成樹脂管工事による配線は認められていないため、これが不適切(正解)となる。
覚えるポイント
- 可燃性ガスの危険場所での配線工事は「厚鋼電線管の金属管工事」か「ケーブル工事」のみ。合成樹脂管工事は不可。
間違えやすいところ
- 粉じんの場所(可燃性粉じんで硬質塩化ビニル管厚さ2mm以上が認められる場合等)の基準と混同しやすい。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第176条(可燃性ガス等の存在する場所の施設)
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
低圧ケーブル工事の施設基準
電気設備技術基準・解釈 · ケーブル工事 / 支持点間距離 / 防護装置 / 接地工事
使用電圧が300[V]以下の低圧屋内配線のケーブル工事の記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
ケーブル工事において、電線を造営材の下面または側面に沿って施設する場合の支持点間距離は原則2m以下です。ただし、接触防護措置を施した場所で垂直に取り付ける場合は6m以下まで緩和されます。また、金属製防護装置には300V以下のためD種接地工事が必要です。
解き方
- ケーブル工事の支持点間距離の基準(原則2m以下、接触防護措置のある垂直配管等は6m以下)を確認する。
- 造営材の下面に沿って水平に取り付ける場合の支持点間距離は2m以下であるため、3mとする施工は基準違反であることを特定する。
- 他の選択肢(防護装置の設置、垂直配管5m支持、金属製防護装置のD種接地)が技術基準に適合していることを確認する。
- 選択肢 イ不正解
- 外傷を受けるおそれがある箇所に適当な防護装置を施すことは技術基準に適合しており正しい。
- 選択肢 ロ不正解
- 接触防護措置を施した場所に垂直に取り付ける場合、支持点間距離は6m以下でよいため、5mとする施工は適切である。
- 選択肢 ハ不正解
- 使用電圧300V以下の防護装置の金属製部分にはD種接地工事を施すため適切である。
- 選択肢 ニ正解
- 造営材の下面に沿って水平に取り付ける場合の支持点間距離は原則2m以下でなければならず、3mは誤り(正解)である。
覚えるポイント
- ケーブルの支持点間距離は原則2m以下(垂直かつ接触防護措置がある場合は6m以下)。
間違えやすいところ
- 垂直支持の緩和規定(6m以下)と通常の造営材沿い水平配線(2m以下)の距離制限を混同しないようにする。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第164条(ケーブル工事)
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
地中線用負荷開閉器(UGS)の機能と特徴
自家用電気工作物の検査・高圧受電設備 · UGS / 地絡遮断 / 短絡耐量 / 受電設備
問題図の①で示す供給用配電箱(高圧キャビネット)に取り付ける地中線用地絡継電装置付き高圧交流負荷開閉器(UGS)に関する記述として、不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
UGS(地中線用地絡継電装置付き高圧交流負荷開閉器)は、構内地絡事故時に自動開放して波及事故を防止する機器です。開閉器であるため、負荷電流の開閉や地絡事故電流の自動遮断は可能ですが、大電流である短絡電流の遮断能力はありません。短絡電流に対しては、短絡電流が通過しても壊れない「定格短時間耐電流」を有している必要があります。
解き方
- UGSが「開閉器(スイッチ)」であり「遮断器(ブレーカー)」ではない点を確認する。
- 開閉器は負荷電流や地絡電流は遮断可能だが、短絡電流の遮断はできないという基本性能を照合する。
- 短絡電流を遮断する能力を有していると記載されている選択肢ハが明確な誤り(不適切)であると判断する。
- 選択肢 イ不正解
- UGSは零相変流器(ZCT)等と連動し、地絡事故時に自動遮断する機能を備えているため適切な記述である。
- 選択肢 ロ不正解
- 他需要家や系統の地絡によるもらい事故(不必要動作)を防ぐため、方向性のある地絡方向継電装置(DGR)を使用することが望ましく適切である。
- 選択肢 ハ正解
- UGSは負荷開閉器であり、短絡電流を遮断する能力は有していないため、この記述が不適切(正解)である。
- 選択肢 ニ不正解
- 短絡電流遮断は上位の遮断器等が行うため、UGS自身はその大電流に耐える定格短時間耐電流以上の選定が必要であり適切である。
覚えるポイント
- UGS(開閉器)は負荷電流・地絡電流は遮断できるが、短絡電流の遮断能力はない。
間違えやすいところ
- 遮断器(CB)と開閉器(LBS/UGS)の遮断可能電流(短絡電流を遮断できるかどうか)を混同しないようにする。
出題の前提:高圧受電設備規程および電気設備の技術基準の解釈
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp)
地中電線路の防護材料と埋設深さ
電気設備技術基準・解釈 · 地中電線路 / 埋設深さ / 管路式 / 直接埋設式
問題図の②に示す地中(車道・舗装)にケーブルを施設する場合、使用する材料と埋設深さ(土冠)として、不適切なものはどれか。ただし、材料はJIS規格に適合するものとする。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
地中電線路を車両その他の重量物の圧力を受ける場所に施設する場合、埋設深さは原則1.2m以上(電線共同溝等や特殊な防護措置による緩和規定でも舗装下面から所定以上の土冠が必要)です。堅ろうな管に収める緩和措置を適用する場合であっても、舗装下面から0.2mは浅すぎるため認められません。
解き方
- 車両その他の重量物の圧力を受ける場所における埋設深さ基準(原則1.2m以上)を確認する(選択肢ニは適切)。
- 車両等の圧力を受ける場所の舗装道路下で防護管を使用する場合の埋設深さの緩和基準(舗装厚さを含まない舗装下面からの距離等)を比較する。
- ポリエチレン被覆鋼管で舗装下面から0.2mは技術基準・内線規程等の所定の最小深さ基準を満たしておらず不適切と判断する。
- 選択肢 イ正解
- 舗装下面から0.2mは鋼管を用いても埋設深さが不足しており、安全基準に適合しないため不適切(正解)である。
- 選択肢 ロ不正解
- 硬質塩化ビニル管等で所定の防護・埋設深さ(舗装下面から0.3m以上等)を確保する施工基準として適合する。
- 選択肢 ハ不正解
- 波付硬質合成樹脂管(FEP)を用いて舗装下面から0.5mの土被りを確保する施工は基準を満たしており適合する。
- 選択肢 ニ不正解
- トラフ等を用いた直接埋設式において地表面から1.2m以上の深さとする施工は標準原則通りであり適合する。
覚えるポイント
- 車両その他の重量物の圧力を受ける場所の原則深さは1.2m以上。防護管使用の特例でも0.2mは浅すぎる。
間違えやすいところ
- 重量物の圧力を受ける場所(1.2m以上)とその他の場所(0.6m以上)の基本深さを正確に区別する。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第120条(地中電線路の施設)および内線規程
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp)
B種接地工事の接地抵抗値の計算
電気設備技術基準・解釈 · 接地工事 / B種接地工事 / 接地抵抗値 / 遮断装置
問題図の③に示すキュービクル内の変圧器に施設するB種接地工事の接地抵抗値として許容される最大値[Ω]はどれか。ただし、高圧と低圧の混触により低圧側電路の対地電圧が150[V]を超えた場合、1秒以内に高圧電路を自動的に遮断する装置が設けられており、高圧側電路の1線地絡電流は6[A]とする。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
変圧器のB種接地抵抗値は、混触時に低圧電路の対地電圧上昇を抑えるため、原則として150/I_g [Ω]以下(上限75Ω)と規定されています。ただし、混触時に1秒を超え2秒以内に自動遮断する装置がある場合は300/I_g [Ω]以下、1秒以内に自動遮断する装置がある場合は600/I_g [Ω]以下(上限はいずれもなし、下限基準に準ずる)まで緩和されます。
解き方
- 遮断装置の動作時間(1秒以内)を確認し、分子となる電圧値が600Vであることを特定する。
- 与えられた1線地絡電流 I_g = 6A を用いて計算式 R_B = 600 / 6 を立てる。
- 計算を実行して 600 / 6 = 100 [Ω] を求める。
- 選択肢 イ不正解
- 自動遮断装置がない場合の計算式 150 / 6 = 25 [Ω] の値であり、本問の条件(1秒以内遮断)では緩和されるため誤り。
- 選択肢 ロ不正解
- 2秒以内遮断の場合の計算式 300 / 6 = 50 [Ω] の値であり誤り。
- 選択肢 ハ正解
- 1秒以内自動遮断時の計算式 R_B = 600 / 6 = 100 [Ω] と一致するため正しい。
- 選択肢 ニ不正解
- 計算結果と異なる数値であり誤り。
覚えるポイント
- B種接地抵抗値の分子:通常150、2秒以内遮断300、1秒以内遮断600。
間違えやすいところ
- 自動遮断時間(1秒以内、2秒以内)の条件を見落として通常の150/I_gで計算してしまうミスに注意する。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第17条(接地工事の種類及び施設方法)
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp)
キュービクルの開口部制限理由
配線図・高圧受電設備 · キュービクル式受電設備 / 小動物侵入防止
屋外キュービクル式高圧受電設備において、図中の④に示すようなケーブル引込口などに必要以上の開口部を設けない、または開口部を塞ぐ主な理由として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
キュービクル式高圧受電設備内部には高圧の充電部が近接して配置されています。ネズミ、ヘビ、鳥類などの小動物が侵入すると、相間短絡事故や地絡事故が発生し、波及事故につながるおそれがあるため、貫通部や開口部には隙間を作らない侵入防止処置が規定されています。
解き方
- キュービクルの底板や側面にある配線引込口等の開口部の役割と保安上の危険要因を確認します。
- 充電露出部への異物や小動物の接触による地絡・短絡事故を防ぐ観点から、主たる目的が小動物の侵入防止であることを特定します。
- 選択肢 イ不正解
- 開口部の主たる管理目的は小動物侵入による短絡事故等の防止であり、火災時の放水や洪水を完全に遮断するためのものではありません。
- 選択肢 ロ正解
- ネズミやヘビなどの鳥獣類・小動物が侵入して高圧充電部に接触し、短絡や地絡事故を引き起こすことを防止することが主な目的です。
- 選択肢 ハ不正解
- ケーブルの外傷防止には保護ブッシングや配管を用いますが、開口部自体を最小限に抑え密塞する主目的ではありません。
- 選択肢 ニ不正解
- 底板の機械的強度維持は構造板厚や骨組みによって確保されるものであり、開口部を制限する主たる理由ではありません。
覚えるポイント
- キュービクル開口部の隙間処理はネズミやヘビ等の小動物侵入防止が主目的
間違えやすいところ
- 防水や強度保持を目的とした施工と混同しないように注意する
出題の前提:JIS C 4620(キュービクル式高圧受電設備)等の小動物侵入防止規定に基づく出題
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧・低圧・弱電流電線の接近・交差施設
電気設備技術基準・配線設計 · 屋内配線 / 離隔距離 / ケーブルラック工事
図中の⑤に示す建物の屋内において、高圧ケーブル配線、低圧ケーブル配線、弱電流電線の配線が接近又は交差する場合の施工方法に関する記述として、「電気設備の技術基準の解釈」に照らし不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
電気設備の技術基準の解釈第168条において、高圧屋内配線と低圧配線または弱電流電線等との接近・交差時は原則15cm以上の離隔が必要です(堅ろうな耐火性の隔壁を設ける等の場合はこの限りでない)。一方、低圧配線と弱電流電線等の離隔は接触しないこと(0cm超)と規定されています。
解き方
- 高圧ケーブル同士の敷設条件(同一ラックへの敷設は可能)を確認します。
- 高圧ケーブルと低圧ケーブル、および高圧ケーブルと弱電流電線との基準離隔距離が15cm以上であることを確認します。
- ハの「高圧ケーブルと弱電流電線を10cm離隔」が15cm未満であり、規定を満たさないため不適切と判断します。
- 選択肢 イ不正解
- 高圧ケーブル相互間においては、接触・同一ラック施設が認められているため適切です。
- 選択肢 ロ不正解
- 高圧ケーブルと低圧ケーブルとの離隔距離は15cm以上あれば同一ラック内に施設可能であるため適切です。
- 選択肢 ハ正解
- 高圧配線と弱電流電線との離隔距離は15cm以上必要であり、隔壁等を設けない限り10cmでは不適切です。
- 選択肢 ニ不正解
- 低圧ケーブル配線と弱電流電線は接触しないように施設すればよいため適切です。
覚えるポイント
- 高圧と低圧、高圧と弱電流電線の離隔距離は原則15cm以上
間違えやすいところ
- 低圧と弱電流電線の離隔(接触しないこと)と高圧との離隔(15cm以上)を混同しやすい
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第168条(高圧屋内配線等の施設)
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp)
低圧電路の絶縁抵抗値および漏えい電流
電気設備技術基準 · 絶縁抵抗 / 漏えい電流 / 対地電圧
低圧屋内配線の開閉器又は過電流遮断器で区切ることができる電路ごとの絶縁性能として、「電気設備の技術基準(解釈を含む)」に適合しないものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
電技解釈第14条に基づき、低圧電路の絶縁抵抗値は対地電圧150V以下で0.1MΩ以上、対地電圧150V超300V以下で0.2MΩ以上、300V超で0.4MΩ以上が必要です。また、電技省令第58条等により漏えい電流が1mA以下に保たれていれば絶縁性能を満たしているとみなされます。
解き方
- 対地電圧と必要な絶縁抵抗値の基準(150V以下: 0.1MΩ以上、150V超300V以下: 0.2MΩ以上)を確認します。
- 漏えい電流の基準値が電路ごとに1mA以下であることを確認します。
- イの対地電圧200Vでは0.2MΩ以上が必要であるのに対し、0.18MΩとなっており基準未達であることを判定します。
- 選択肢 イ正解
- 対地電圧が150Vを超える200V回路では0.2MΩ以上必要であるため、0.18MΩは技術基準に適合しません。
- 選択肢 ロ不正解
- 対地電圧150V以下の回路は0.1MΩ以上必要であり、0.15MΩは基準を満たしています。
- 選択肢 ハ不正解
- 漏えい電流が1mA以下であれば適合とみなされるため、0.4mAは基準を満たしています。
- 選択肢 ニ不正解
- 漏えい電流が1mA以下であれば適合とみなされるため、0.8mAは基準を満たしています。
覚えるポイント
- 低圧電路の絶縁抵抗:対地150V以下は0.1MΩ、150V超300V以下は0.2MΩ、漏えい電流は1mA以下
間違えやすいところ
- 三相200V結線(対地電圧200V)と単相3線式200V(対地電圧100V)での対地電圧の違いを見落とさない
出題の前提:電気設備技術基準 第58条、電気設備の技術基準の解釈 第14条
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp)
機械器具の金属製外箱等の接地工事区分
電気設備技術基準・接地工事 · 接地工事の区分 / A種接地工事 / C種接地工事 / D種接地工事
人が触れるおそれがある場所に施設する機械器具の金属製外箱等の接地工事について、誤っているものはどれか。ただし、絶縁台は設けないものとする。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
電技解釈第29条において、機械器具の金属製外箱の接地は次のように定められています。高圧・特別高圧機械器具および計器用変成器の鉄心はA種接地工事、300V以下の低圧機械器具はD種接地工事、300Vを超える低圧機械器具はC種接地工事を施す必要があります。
解き方
- 各機器の使用電圧と接地の区分(高圧: A種、300V超低圧: C種、300V以下低圧: D種)を確認します。
- ハの使用電圧400Vの電動機は300Vを超える低圧であるため、要求される接地工事がC種接地工事であることを確認します。
- ハに「D種接地工事を施した」とあるため、これが誤りであると決定します。
- 選択肢 イ不正解
- 使用電圧300V以下の低圧機器の外箱にはD種接地工事を施すため、200V電動機にD種接地工事を行う記述は適切です。
- 選択肢 ロ不正解
- 使用電圧6kVの高圧機器の外箱にはA種接地工事を施すため適切です。
- 選択肢 ハ正解
- 使用電圧が300Vを超える低圧機器にはC種接地工事が必要であり、D種接地工事では誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 高圧の計器用変成器の鉄心にはA種接地工事を施す必要があるため適切です。
覚えるポイント
- 機械器具の接地区分:高圧はA種、300V超低圧はC種、300V以下低圧はD種
間違えやすいところ
- 400V低圧回路に低圧だからと誤ってD種接地工事を適用してしまうミスが多い
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第29条(機械器具の鉄台及び金属製外箱の接地)
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧電路の絶縁耐力試験方法
電気設備技術基準・検査測定 · 絶縁耐力試験 / 試験電圧の印加時間 / 直流試験電圧
高圧電路の絶縁耐力試験の実施方法に関する記述として、「電気設備の技術基準の解釈」に照らし不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
電技解釈第15条により、高圧電路の絶縁耐力試験は最大使用電圧の1.5倍(直流の場合は交流試験電圧の2倍=3倍)の試験電圧を電路と大地との間に「連続して10分間」印加して耐えることを確認します。途中で停電等により中断した場合は、最初から連続10分間の印加をやり直さなければなりません。
解き方
- 絶縁耐力試験の基本条件(所定の電圧を電路と大地間に「連続して10分間」加えること)を確認します。
- ロの中断・合算に関する記述について、連続性の要件を満たさないため不適切であると判定します。
- ケーブルの直流試験(交流試験電圧の2倍=最大使用電圧の3倍)や変圧器他相の接地、測定前後の絶縁抵抗測定などの他肢が適切であることを確認します。
- 選択肢 イ不正解
- ケーブルの直流絶縁耐力試験では交流試験電圧(最大使用電圧の1.5倍=10.35kV)の2倍である20.7kVを印加するため適切です。
- 選択肢 ロ正解
- 試験電圧は「連続して10分間」印加する必要があり、中断した場合は改めて最初から連続10分間印加しなければならないため不適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- 被試験巻線以外の巻線(二次側巻線)は一括して大地に接地して試験を実施するため適切です。
- 選択肢 ニ不正解
- 高圧電路の絶縁耐力試験の前後には、高圧電路用の1000V絶縁抵抗計を用いて絶縁抵抗測定を行い状態を確認するため適切です。
覚えるポイント
- 絶縁耐力試験は「連続して10分間」印加、中断時は最初からやり直す
間違えやすいところ
- 印加時間の合計が10分になれば中断してもよいと誤認しないこと
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第15条(高圧又は特別高圧の電路の絶縁性能)
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp)
資格不要の電気工作物の軽微な作業
電気工事士法・関連法令 · 電気工事士法 / 軽微な作業 / 自家用電気工作物
電気工事士法における自家用電気工作物(最大電力500〔kW〕未満)において、第一種電気工事士又は認定電気工事従事者の資格がなくても従事できる電気工事の作業はどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
電気工事士法施行令第1条(軽微な作業)では、電圧600V以下で使用する露出型開閉器、ソケット、ローゼット、露出型コンセント等の取替え作業は電気工事士の資格を要しない作業と定められています。一方、ボックスや配電盤の造営材への取り付け、電線管への電線の挿入作業は電気工事士等の資格が必要です。
解き方
- 電気工事士法施工令第1条に定める「軽微な作業」に該当する項目を確認します。
- ボックス取り付け、配電盤取り付け、管への電線挿入は電気工事士等の資格が必要な工事であることを確認します。
- 「露出型コンセントを取り換える作業」が軽微な作業に該当し、資格不要で従事できることを選択します。
- 選択肢 イ不正解
- 金属製のボックスを造営材に取り付ける作業は軽微な作業から除外されており、資格が必要です。
- 選択肢 ロ不正解
- 配電盤を造営材に取り付ける作業は電気工事士等の資格が必要な作業です。
- 選択肢 ハ不正解
- 電線管に電線を収める作業は電線相互の接続や管路配線工事の一部であり、資格が必要です。
- 選択肢 ニ正解
- 露出型コンセントを取り換える作業は電気工事士法施行令に定める軽微な作業であり、資格がなくても従事できます。
覚えるポイント
- 露出型器具(コンセント・点滅器・ソケット等)の取替えは軽微な作業(資格不要)
間違えやすいところ
- ボックスや配電盤の取り付けは資格が必要な電気工事である点に注意する
出題の前提:電気工事士法 第3条、電気工事士法施行令 第1条(軽微な作業)
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
第一種電気工事士の業務範囲と義務
電気工事士法・関連法令 · 第一種電気工事士 / 特種電気工事 / 非常用予備発電装置 / 定期講習
電気工事士法において、第一種電気工事士に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
電気工事士法において、自家用電気工作物(最大電力500kW未満の需要設備)の電気工事は原則として第一種電気工事士の業務範囲ですが、ネオン工事および非常用予備発電装置工事は「特種電気工事」として除外されており、それぞれ特種電気工事資格者証の交付を受けていなければ作業に従事できません。
解き方
- 第一種電気工事士の作業範囲と特種電気工事(ネオン工事・非常用予備発電装置工事)の関係を確認します。
- イの「非常用予備発電装置に係る電気工事に従事することができる」が特種電気工事資格者を要する規定に反していることを見抜きます。
- 免状携帯義務(ロ)、5年ごとの定期講習受講義務(ハ)、免状交付の実務経験要件(ニ)がいずれも正しいことを確認します。
- 選択肢 イ正解
- 非常用予備発電装置工事は特種電気工事に該当し、特種電気工事資格者証が必要となるため、第一種電気工事士であっても従事できず誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- 電気工事の作業に従事する際は、電気工事士免状を携帯しなければならないと法で定められているため適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- 第一種電気工事士は、免状交付日または受講日から5年以内ごとに定期講習を受けなければならないため適切です。
- 選択肢 ニ不正解
- 第一種電気工事士試験に合格しても、所定の実務経験を満たさなければ免状の交付は受けられないため適切です。
覚えるポイント
- ネオン工事と非常用予備発電装置工事は特種電気工事資格者が必要(一電工でも不可)
間違えやすいところ
- 第一種電気工事士なら自家用電気工作物のすべての作業ができると誤解しやすい
出題の前提:電気工事士法 第2条、第3条、第4条、第5条の4
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
一般用電気工事業営業所の備付器具
電気工事業法・関連法令 · 電気工事業法 / 営業所の備付器具 / 一般用電気工作物
電気工事業の業務の適正化に関する法律(電気工事業法)において、一般用電気工作物等の業務のみを行う営業所に備え付けなくてもよい器具はどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
電気工事業の業務の適正化に関する法律施行規則第11条により、営業所ごとに備えるべき器具が規定されています。一般用電気工作物のみを取り扱う営業所では、①絶縁抵抗計、②接地抵抗計、③抵抗および交流電圧を測定できる回路計の3点が必要です。検電器は自家用電気工作物を取り扱う営業所において高圧検電器等が要求されますが、一般用の備付器具には含まれません。
解き方
- 電気工事業法における一般用電気工事業営業所の必須備付器具3点を想起します(絶縁抵抗計、接地抵抗計、回路計)。
- 各選択肢を照合し、イ・ロ・ハがいずれも法定備付器具であることを確認します。
- ニの低圧検電器は法令で備え付けが義務付けられた器具ではないため、備え付けなくてもよい器具と判断します。
- 選択肢 イ不正解
- 絶縁抵抗計は一般用電気工作物の業務を行う営業所に備え付けが義務付けられている器具です。
- 選択肢 ロ不正解
- 接地抵抗計は一般用電気工作物の業務を行う営業所に備え付けが義務付けられている器具です。
- 選択肢 ハ不正解
- 抵抗及び交流電圧を測定できる回路計(テスタ)は備え付けが義務付けられている器具です。
- 選択肢 ニ正解
- 低圧検電器は電気工事業法において営業所に常備すべき器具として規定されていないため、備え付けなくてもよい器具です。
覚えるポイント
- 一般用電気工作物の営業所備付器具は3つ:絶縁抵抗計・接地抵抗計・回路計
間違えやすいところ
- 検電器は現場作業で常用されるが、一般用営業所の法定備付器具には含まれない点に注意する
出題の前提:電気工事業の業務の適正化に関する法律施行規則 第11条
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
三相誘導電動機始動制御回路の熱動継電器
配線図 · シーケンス制御 / 三相誘導電動機 / 熱動継電器(サーマルリレー)
配線図1において、三相誘導電動機主回路の電磁接触器MCの負荷側に直列に設けられた①の部分に設置する機器として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
三相誘導電動機の主回路には、過負荷運転による電動機の焼損を防止するため、ヒーターとバイメタルを利用した熱動継電器(サーマルリレー、THR)が電磁接触器(MC)と組み合わされて配置される。過電流が流れるとバイメタルが熱変形して操作回路側の常閉接点(THR接点)を開き、主電磁接触器を遮断して電動機を保護する。
解き方
- 配線図1の主回路において、①が電磁接触器MCの負荷側電線に直列に挿入されている接続位置とバイメタル記号を確認する。
- 操作回路側にあるTHRの常閉接点と連動して過負荷保護を行う機器であることから、熱動継電器(サーマルリレー)であると判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 電磁接触器(MC)は電磁石の吸引力により主接点を開閉する機器であり、①の電源側に図示されている開閉機構であるため誤りである。
- 選択肢 ロ不正解
- 限時継電器(TLR、タイマー)は設定時間後に接点を開閉する制御器具であり、操作回路側で励磁・計時を行うため誤りである。
- 選択肢 ハ正解
- ①は主回路の過電流を熱により感知して電動機の焼損を防止する熱動継電器(THR、サーマルリレー)であるため正しい。
- 選択肢 ニ不正解
- 始動継電器という独立した標準機器ではなく、本回路ではタイマー(TLR)等を用いてスターからデルタへの切替えを行うため誤りである。
覚えるポイント
- 熱動継電器(THR・サーマルリレー)は主回路にヒーター素子、制御回路にb接点を設けて電動機を過負荷から保護する。
間違えやすいところ
- 主接点を開閉する電磁接触器(MC)と、過電流検出用の熱動継電器(THR)の図記号や役割の違いを混同しないこと。
出題の前提:平成25年度第一種電気工事士筆記試験 配線図1 問41
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
操作回路押しボタンスイッチの図記号
配線図 · シーケンス制御 / 押しボタンスイッチ / 接点記号
配線図1において、②で示す操作部分の押しボタンスイッチA(停止用)およびB(始動用)の図記号の組合せとして、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
電動機の自己保持回路付き始動・停止制御回路において、始動ボタンは押下時に通電を開始させるため常時開路のa接点(メーク接点)を用い、停止ボタンは押下時に自己保持電流を遮断するため常時閉路のb接点(ブレーク接点)を用いる。押しボタンの図記号では、手動操作機構(T字棒)に対し接点片が離れているものがa接点、接触しているものがb接点である。
解き方
- 配線図1の制御電源回路におけるAおよびBの配置を確認し、直列に挿入されたAが停止スイッチ、自己保持接点と並列なBが始動スイッチであることを特定する。
- 停止スイッチAには押下で回路を開くb接点(常時閉)、始動スイッチBには押下で回路を閉じるa接点(常時開)の図記号を対応づける。
- 選択肢 イ不正解
- Aがa接点、Bがb接点となっており、始動用と停止用の接点機能が逆であるため誤りである。
- 選択肢 ロ不正解
- Bがb接点となっているため、始動ボタンを押してコイルを励磁することができず誤りである。
- 選択肢 ハ不正解
- Aがa接点となっているため、停止ボタンを押さない状態では回路が形成されず運転できないため誤りである。
- 選択肢 ニ正解
- Aは常時閉路で押下時に開路するb接点、Bは常時開路で押下時に閉路するa接点であり、正しい組合せである。
覚えるポイント
- 始動ボタンスイッチはa接点(メーク接点・押してON)、停止ボタンスイッチはb接点(ブレーク接点・押してOFF)。
間違えやすいところ
- 接点記号において、可動片が固定電極から離れているか(a接点)接触しているか(b接点)を見誤らないこと。
出題の前提:平成25年度第一種電気工事士筆記試験 配線図1 問42
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
限時継電器接点(オンディレーa接点)の図記号
配線図 · シーケンス制御 / 限時継電器(タイマー) / 限時動作瞬時復帰接点
配線図1において、③で示す限時継電器TLRの接点の種類として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
オンディレー形限時継電器(タイマー)の限時接点は、コイルが励磁されてから設定時間の計時完了後に接点が動作し、コイルが消磁されると遅延なく瞬時に元の状態に復帰する。常時開のメーク接点(a接点)に時限記号が付加されたものは「限時動作瞬時復帰のメーク接点」と呼ばれる。
解き方
- 配線図1の③の接点が限時継電器TLRと連動する常時開(メーク接点)であることを確認する。
- 動作方向に円弧記号(傘形マーク)が付いており、通電後一定時間で動作し消磁で直ちに復帰するオンディレー動作であることから「限時動作瞬時復帰のメーク接点」と特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 残留機能付き接点は手動復帰形等の機械的ラッチ機構を持つ接点を指し、時限継電器の動作とは異なるため誤りである。
- 選択肢 ロ不正解
- 自動復帰するメーク接点は一般的な電磁接触器等の瞬時接点全般を指し、限時特性を表していないため誤りである。
- 選択肢 ハ正解
- TLRコイル励磁から設定時間遅れて閉じ、電源遮断時には瞬時に開路復帰する限時動作瞬時復帰のメーク接点であるため正しい。
- 選択肢 ニ不正解
- 瞬時動作限時復帰(オフディレー)はコイル通電時に瞬時に動作し、消磁後に遅延して復帰する接点であり、本問の動作と異なるため誤りである。
覚えるポイント
- 通電後に遅れて動作し消磁で直ちに復帰するタイマー接点は「限時動作瞬時復帰(オンディレー)」である。
間違えやすいところ
- オンディレー(限時動作瞬時復帰)とオフディレー(瞬時動作限時復帰)の名称と動作タイミングを取り違えないこと。
出題の前提:平成25年度第一種電気工事士筆記試験 配線図1 問43
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
電動機運転表示灯回路の接点構成
配線図 · シーケンス制御 / Y-Δ始動回路 / 表示灯回路
配線図1において、運転表示灯(運転ランプ)を点灯制御する④の部分の結線図として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
三相誘導電動機のY-Δ始動回路では、始動時にスター用接触器MC-1、定常運転時にデルタ用接触器MC-2が切り替わって動作するが、電源側の主接触器MCは電動機が運転中である限り常に閉路(励磁)している。そのため、運転状態を一元的に表示灯へ出力するには主電磁接触器MCの常時開接点(a接点)を用いる。
解き方
- 配線図1の制御回路から、電動機運転中(スター始動時およびデルタ運転時)に常に励磁されている電磁接触器が主接触器MCであることを確認する。
- 運転表示灯を電動機運転時に確実に点灯させるため、主電磁接触器MCの常時開(a接点)1接点のみを直列に挿入する結線図ニを選択する。
- 選択肢 イ不正解
- MC-1とMC-2の並列接続でも点灯条件は満たせるが、回路図④の枠横に「MC」と指定されている主接触器単独の接点構成ではないため誤りである。
- 選択肢 ロ不正解
- MC-1(スター用)とMC-2(デルタ用)はインターロックにより同時に投入されないため、直列にすると運転灯が一切点灯せず誤りである。
- 選択肢 ハ不正解
- b接点の直列回路では電動機の停止中にランプが点灯することになり、運転表示灯として機能しないため誤りである。
- 選択肢 ニ正解
- 始動から運転中まで継続して励磁される主電磁接触器MCの補助a接点を用いる構成であり、回路図の指定と合致するため正しい。
覚えるポイント
- Y-Δ始動回路において、主電磁接触器MCは始動中も運転中も常にONとなるため、運転表示灯はMCのa接点で点灯させる。
間違えやすいところ
- MC-1(スター)とMC-2(デルタ)の補助接点を組み合わせて複雑に考えるのではなく、常時動作する主接触器MCに着目すること。
出題の前提:平成25年度第一種電気工事士筆記試験 配線図1 問44
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
警報音響機器(丸型電子ブザー)の外観鑑別
鑑別・配線図 · 配線器具 / 警報装置 / 電子ブザー
配線図1において、⑤で示す図記号(音響警報装置・ブザー)の機器の外観写真として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
配電盤や制御盤の表面には、押しボタンスイッチや表示灯と同じ規格穴(φ22mmやφ30mmなど)に取り付けられる丸型電子ブザーが警報用として配置される。正面に音孔(発音用スリット)が設けられており、外見はスイッチ類に似ているが音響を発生する器具である。
解き方
- 配線図1の⑤が示す機器の図記号が音響警報機器(ブザー)であることを確認する。
- 提示された4つの写真から各機器を識別し、押しボタンスイッチ(イ・ハ)や電鈴(ニ)を除外して、盤面取付用の丸型電子ブザーであるロを選定する。
- 選択肢 イ不正解
- イはパネル面に取り付ける平形の押しボタンスイッチであり、音響機器ではないため誤りである。
- 選択肢 ロ正解
- ロは制御盤面に設置されて異常時などに警報音を発生させる丸型電子ブザーであり、図記号⑤に合致するため正しい。
- 選択肢 ハ不正解
- ハは非常停止用などに使用されるキノコ形(マッシュルーム形)押しボタンスイッチであり、誤りである。
- 選択肢 ニ不正解
- ニはゴングを打撃して音を出す丸型の電鈴(ベル)であり、ブザーの図記号とは異なるため誤りである。
覚えるポイント
- 盤用丸型電子ブザーは押しボタンスイッチと同等の丸型外形をしているが、正面中央に放音用スリット穴がある。
間違えやすいところ
- 丸型電子ブザー(ロ)の外観を押しボタンスイッチ(イ・ハ)と見間違えたり、電鈴(ニ)と記号を混同しないようにする。
出題の前提:平成25年度第一種電気工事士筆記試験 配線図1 問45
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
需給用複合理論電力量計の外観鑑別
鑑別・配線図 · 高圧受電設備 / 計量器 / 需給用複合理論電力量計
配線図2の高圧受電設備単線結線図において、引込直後のVCT二次側に接続される①の部分に設置する機器の外観写真として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
高圧受電設備において、電力会社との取引電力量を計測するために受電点付近のVCT(計器用変成器)二次側に需給用複合理論電力量計(電子式電力量計)が設置される。有効電力量、無効電力量、最大需要電力(デマンド)などを複合的に計量・液晶表示する機能を有している。
解き方
- 配線図2の受電点直後にあるVCTの二次側に接続された破線枠①が、取引用の電力量計(需給用電力量計)であることを確認する。
- 選択肢の写真から電子式複合理論電力量計であるイを特定する(ロは低圧用誘導形電力量計、ハは指針形指示計器、ニは保護継電器等)。
- 選択肢 イ正解
- イは高圧受電設備で電力取引計量に用いられる電子式の需給用複合理論電力量計であり、正しい。
- 選択肢 ロ不正解
- ロは円盤が回転する旧来の低圧用誘導形電力量計であり、高圧受電設備の取引用計器ではないため誤りである。
- 選択肢 ハ不正解
- ハは受電盤の盤面に取り付けられる指針式の指示電力計(kW計)であり、誤りである。
- 選択肢 ニ不正解
- ニは受電盤に組み込まれる保護継電器または集中監視用デジタルマルチメータであり、電力量計ではないため誤りである。
覚えるポイント
- VCT(電力需給用計器用変成器)の二次側に接続される取引用計器は、需給用複合理論電力量計(電子式WHM)である。
間違えやすいところ
- 配電盤に取り付ける指針式指示計器(電力計など)や、低圧用の丸形回転円盤式電力量計と混同しないこと。
出題の前提:平成25年度第一種電気工事士筆記試験 配線図2 問46
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
VCTと電力量計間の接続電線心線数
配線図 · 高圧受電設備 / VCT(電力需給用計器用変成器) / 電線本数(心線数)
配線図2において、VCT(電力需給用計器用変成器)と需給用電力量計①の間を接続する②の部分の電線本数(心線数)として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
三相3線式回路の計量を行うVCTには、2台の計器用変圧器(VT)がV結線され、2台の変流器(CT)が2相に挿入されている。電力量計への二次配線は、電圧入力線が3本(P1, P2, P3)、電流入力線が4本(1S, 1L, 3S, 3L)の合計7本が標準であり、接地線を共通化して配線する場合は合計6本となる。したがって心線数は6本または7本である。
解き方
- 配線図2の②が、VCT二次側端子と需給用電力量計①を接続する信号ケーブルであることを確認する。
- 三相3線式計量装置の標準結線において、電圧側3線および電流側4線の合計7線(接地共用時は6線)が必要であることを算出し、ハを選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 2本または3本では、三相3線式の電圧と電流の双方を電力量計に送る心線数として不足するため誤りである。
- 選択肢 ロ不正解
- 4本または5本ではVT回路とCT回路の全相信号を接続しきれず、適正な計量ができないため誤りである。
- 選択肢 ハ正解
- 三相3線式VCTと電力量計間の配線心線数は、電圧線3本と電流線4本の計7本(接地共通化時は計6本)であるため正しい。
- 選択肢 ニ不正解
- 三相3線式の計量回路配線として8本以上は過剰であり、一般的な規格に合致しないため誤りである。
覚えるポイント
- 三相3線式高圧受電設備のVCT〜電力量計(WHM)間の接続心線数は「6本又は7本」である。
間違えやすいところ
- VT回路の3本だけ、あるいはCT回路の4本だけを単独でカウントして誤答しないように注意する。
出題の前提:平成25年度第一種電気工事士筆記試験 配線図2 問47
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
VT・CT二次側に接続する指示電気計器の図記号
配線図 · 高圧受電設備 / 指示電気計器 / 計器用変成器
配線図2の高圧受電設備において、VT(計器用変圧器)とCT(変流器)の双方から信号が入力されている③の部分に設置する機器の図記号の組合せとして、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
受電盤に設置される指示電気計器のうち、電圧計(V)や周波数計(Hz)は電圧信号(VT二次側)のみで動作し、電流計(A)は電流信号(CT二次側)のみで動作する。これに対して、電力計(W)、力率計(cosφ)、無効電力計(var)は、電力や電圧・電流の位相差を求めるために電圧と電流の双方の入力を同時に必要とする。
解き方
- 配線図2において③が指す計器の配線を追跡し、上方のVT二次側(電圧)と左方のCT二次側(電流)の両方から結線されていることを確認する。
- 電圧と電流の双方の入力を必要とする指示電気計器の組合せである「W(電力計)」および「cosφ(力率計)」を選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 周波数計(Hz)はVTからの電圧入力のみで動作する計器であり、CTからの電流入力を必要としないため誤りである。
- 選択肢 ロ不正解
- 電圧計(V)はVTからの電圧入力のみで動作する計器であり、CTからの電流入力を必要としないため誤りである。
- 選択肢 ハ正解
- 電力計(W)および力率計(cosφ)はともに電圧と電流の両方を測定して指示する計器であり、図の配線条件と合致するため正しい。
- 選択肢 ニ不正解
- 周波数計(Hz)は電流入力を必要とせず、VTの電圧信号のみで動作するため誤りである。
覚えるポイント
- VT(電圧)とCT(電流)の両方を必要とする計器は、電力計(W)・力率計(cosφ)・電力量計(Wh)・無効電力計(var)である。
間違えやすいところ
- 周波数計(Hz)や電圧計(V)は電圧のみで動作し、電流入力を必要としない点を見落とさないようにする。
出題の前提:平成25年度第一種電気工事士筆記試験 配線図2 問48
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧受電設備における進相コンデンサの外観識別
配線図 · 高圧受電設備 / 進相コンデンサ / 機器外観
高圧受電設備の単線結線図において、④で示す部分に設置する機器の外観として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
受電設備における力率改善用の高圧進相コンデンサは、直列リアクトルの二次側に設置され、三相回路に接続するため上部に3つの高圧ブッシング端子を有する角型または長方形の外装ケース構造をしています。変圧器(トランス)のように高圧・低圧の両ブッシングを持つ機器とは端子構成が異なります。
解き方
- 単線結線図の記号④が直列リアクトル(丸に直線)の下に接続された「進相コンデンサ」であることを確認する。
- 写真の各機器のブッシング数と構造を比較し、3端子の高圧進相コンデンサを示す「ロ」を正答として特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 一次側および二次側の接続端子(ブッシング)を複数備えた三相油入変圧器の外観写真です。
- 選択肢 ロ正解
- 高圧回路の力率改善に用いられる三相高圧進相コンデンサの外観写真であり、記号④の設置機器として適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- 高圧一次端子および低圧二次端子を備えた単相変圧器の外観写真です。
- 選択肢 ニ不正解
- 電力量計などに電圧・電流信号を供給する計器用変圧変流器(VCT)の外観写真です。
覚えるポイント
- 力率改善用の高圧進相コンデンサは、高圧ブッシングが3本並んだ角型の外観が特徴である。
間違えやすいところ
- 端子ブッシングの数を見落とし、変圧器(イ・ハ)やVCT(ニ)と混同しないよう注意する。
出題の前提:電気設備技術基準の解釈及びJIS C 0617受変電設備単線結線図記号基準
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
接地線の地下および地上防護に使用する保護管
接地工事 · 接地工事 / 保護管 / 硬質ビニル電線管
高圧受電設備の単線結線図において、⑤の部分の接地工事に使用する保護管で、接地線に人が触れるおそれがある場合に適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
電気設備の技術基準の解釈第17条において、接地線に人が触れるおそれがある場所では、接地極の地下75cmから地表面を経て地上2mまでの接地線部分は、合成樹脂管(厚さ2mm以上のものに限る)などの絶縁物で覆うことが定められています。金属管を使用すると異常電流時の誘導障害や電食、接触時の感電リスクが生じるため使用できません。また、CD管は自己消火性がなく耐候性・機械的強度も不足するため露出防護用には認められません。
解き方
- 単線結線図の⑤が変圧器二次側のB種接地工事であり、設問文から「接地線に人が触れるおそれがある」条件を確認する。
- 法令上、人が触れるおそれがある部分の防護には厚さ2mm以上の合成樹脂管(硬質ビニル電線管など)が要求され、金属管やCD管は使用できないことから「ニ」を選定する。
- 選択肢 イ不正解
- 金属製電線管であるため、雷サージや漏電時の電位上昇・誘導および感電防止の観点から接地線の防護管としては使用できません。
- 選択肢 ロ不正解
- 厚鋼電線管も金属管であるため、接地線に人が触れるおそれがある箇所の絶縁防護管としては不適です。
- 選択肢 ハ不正解
- CD管は非自己消火性であり、コンクリート埋設専用であるため、屋外や露出場所での接地線保護管には適しません。
- 選択肢 ニ正解
- 硬質ビニル電線管(VE管)は自己消火性を持ち肉厚もある合成樹脂管であり、接地線の防護管として適切です。
覚えるポイント
- 接地線に人が触れるおそれがある場所の防護は「地下75cmから地上2mまで」「厚さ2mm以上の合成樹脂管(硬質ビニル管)」で行う。
間違えやすいところ
- 機械的強度が高いからといって金属管(厚鋼・薄鋼)を選んでしまう誤りに注意する。絶縁性が必要である。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第17条(接地工事の細目)
出典:電気技術者試験センター『平成25年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
平成25年度第一種電気工事士筆記試験
参照した公式資料
電気技術者試験センターが公開した平成25年度第一種電気工事士筆記試験の問題・解答資料です。

