学科(旧称:筆記)の問題と公式解答を種別・年度・期・午前午後で区別しています。CBTの出題例は過去の筆記試験とは別種別です。技能の課題は学科と分けて収録しています。
試験の概要
交流回路におけるコイルの特性
電気理論 · 自己インダクタンス / 誘導性リアクタンス / オームの法則
巻数nのコイルに周波数fの交流電圧Vを加えたとき、コイルに流れる電流Iに関する説明として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
コイルの自己インダクタンスLは巻数nの2乗および透磁率μに比例します。誘導性リアクタンスはX_L=2πfLで表され、交流電圧Vに対して電流はI=V/X_L=V/(2πfL)となります。
解き方
- インダクタンスLが巻数の2乗および鉄心挿入による透磁率の増加に比例することを確認します。
- 電流の式I=V/(2πfL)に基づき、巻数n・周波数f・透磁率μ・電圧Vの変化に対する電流Iの増減関係を判定します。
- 選択肢 イ正解
- 巻数nを増加させるとインダクタンスLが大きくなりリアクタンスが増加するため、電流Iは減少します。
- 選択肢 ロ不正解
- コイルに鉄心を入れると透磁率が高くなってリアクタンスが増加するため、電流Iは減少します。
- 選択肢 ハ不正解
- 周波数fを大きくするとリアクタンスX_L=2πfLが増加するため、電流Iは減少します。
- 選択肢 ニ不正解
- オームの法則より電流Iは印加電圧Vに比例するため、電圧Vを上げると電流Iは増加します。
覚えるポイント
- インダクタンスLは巻数の2乗に比例する
- コイルの電流Iは周波数やインダクタンスに反比例する
間違えやすいところ
- 鉄心を挿入すると磁束が増えて電流も増えると誤認しやすい点に注意する
出題の前提:平成22年度第一種電気工事士筆記試験問1の出題条件による
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
直流直並列回路における抵抗値の計算
電気理論 · 直流回路 / オームの法則 / キルヒホッフの法則
電源電圧104Vの直流回路において、直列抵抗8Ωの両端電圧が64Vであり、並列部の抵抗R2に流れる電流が6Aであるとき、抵抗R1の抵抗値[Ω]はいくらか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
直並列回路では、直列部の各素子には回路の全電流が流れ、全体の電圧降下の和は電源電圧に等しくなります。キルヒホッフの電圧則および電流則を適用して各部の電圧・電流を求めます。
解き方
- 直列接続された8Ωの抵抗に加わる電圧64Vから、回路の全電流I=64/8=8Aを算出します。
- 並列回路部分にかかる電圧をV_p=104-64=40Vとして求めます。
- キルヒホッフの電流則より、R1を流れる電流をI_1=8-6=2Aと計算します。
- オームの法則によりR1=40/2=20Ωを導き出します。
- 選択肢 イ不正解
- 40Vを8Aで除算した5Ωは並列部全体の合成抵抗値であり、R1の値ではありません。
- 選択肢 ロ不正解
- 40VをR2の電流6Aで除算した値(約6.7Ω)はR2の抵抗値であり、R1の値ではありません。
- 選択肢 ハ不正解
- 全電圧104Vを全電流8Aで割った13Ωは回路全体の合成抵抗値です。
- 選択肢 ニ正解
- 並列部分の端子電圧40VをR1に流れる電流2Aで割ると20Ωとなり正しい値です。
覚えるポイント
- 直列部分を流れる電流が回路全体の全電流となる
- 並列部分の電圧は電源電圧から直列部の電圧降下を引いた値となる
間違えやすいところ
- 並列回路全体の合成抵抗と個別の抵抗R1の値を混同して選択してしまうミスが多い
出題の前提:平成22年度第一種電気工事士筆記試験問2の出題条件による
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
交流並列回路の全電流計算
電気理論 · 交流並列回路 / 誘導性リアクタンス / 容量性リアクタンス
電源電圧120Vの交流電源に、抵抗20Ω、誘導性リアクタンス10Ω、容量性リアクタンス30Ωが並列に接続された回路において、回路全体の電流I[A]の値はいくらか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
並列交流回路では各素子に同一の電圧がかかります。各分路の電流を求めた後、有効電流I_Rと無効電流の差(I_L-I_C)のベクトル合成I=√(I_R^2+(I_L-I_C)^2)により全体の回路電流を求めます。
解き方
- 各並列分岐の電流を計算します:I_R=120/20=6A、I_L=120/10=12A、I_C=120/30=4A。
- 誘導性と容量性の無効電流は位相が逆向きであるため差を求め、無効電流分を12-4=8Aとします。
- 全電流I=√(6^2+8^2)=√(36+64)=√100=10Aを算出します。
- 選択肢 イ不正解
- 8Aは無効電流の合成値分(12A-4A)であり、有効電流分を含んだ全電流ではありません。
- 選択肢 ロ正解
- 有効分6Aと無効分8Aをベクトル合成した値として√(6^2+8^2)=10Aとなり正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 12Aは誘導性リアクタンス分岐のみに流れる電流の値です。
- 選択肢 ニ不正解
- 14Aは各分路の電流を単純にスカラ加算・減算した誤った計算値です。
覚えるポイント
- 並列回路では電圧を基準として各分路電流のベクトル和を求める
- コイル電流とコンデンサ電流は位相が180度逆になるため引き算する
間違えやすいところ
- 並列回路のインピーダンスを直列回路のように単純に合成しようとして計算が煩雑になるミス
出題の前提:平成22年度第一種電気工事士筆記試験問3の出題条件による
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
交流直列回路におけるリアクタンスの算出
電気理論 · RL直列回路 / ベクトル図 / インピーダンス
電源電圧100V、回路電流20Aの交流直列回路において、抵抗Rの両端電圧が60Vであった。このとき誘導性リアクタンスXの値[Ω]はいくらか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
交流直列回路において抵抗にかかる電圧V_Rと誘導性リアクタンスにかかる電圧V_Xは位相が90度異なる直交関係にあります。電源電圧Vとの関係は三平方の定理V^2=V_R^2+V_X^2を満たします。
解き方
- 電源電圧100Vと抵抗電圧60Vから、リアクタンス両端の電圧V_X=√(100^2-60^2)=80Vを求めます。
- 直列回路であるため全素子に共通の電流20Aが流れることを利用し、X=V_X/I=80/20=4Ωを計算します。
- 選択肢 イ不正解
- 電源電圧と抵抗電圧の単純な差40Vを電流20Aで割ると2Ωになりますが、交流回路の電圧はベクトル合成であるため誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- 3Ωは抵抗Rの抵抗値(60V/20A=3Ω)であり、リアクタンスXの値ではありません。
- 選択肢 ハ正解
- リアクタンス両端の電圧80Vを電流20Aで除算した4Ωが正しい値です。
- 選択肢 ニ不正解
- 5Ωは回路全体の合成インピーダンスZ(100V/20A=5Ω)です。
覚えるポイント
- 直列回路の電圧はV=√(V_R^2+V_X^2)で計算する
- 3:4:5の直角三角形の比率(60:80:100)を活用すると素早く解ける
間違えやすいところ
- 直流回路のように100V-60V=40Vとして計算してしまう間違い
出題の前提:平成22年度第一種電気工事士筆記試験問4の出題条件による
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
三相交流デルタ結線回路の全無効電力
配電理論 · 三相交流 / Δ結線 / 無効電力
線間電圧200Vの対称三相交流電源に、抵抗R=8Ωと誘導性リアクタンスX=6Ωが直列接続された負荷をデルタ結線したとき、回路の全無効電力[kvar]の値はいくらか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
デルタ結線では線間電圧と相電圧が等しくなります。各相の負荷インピーダンスZから相電流I_pを求め、リアクタンスXでの消費無効電力を3相分合計して全無効電力を求めます。
解き方
- 1相あたりのインピーダンスZ=√(8^2+6^2)=10Ωを計算します。
- デルタ結線における相電圧V_p=200Vより、相電流I_p=200/10=20Aを求めます。
- 1相あたりの無効電力Q_1=I_p^2*X=20^2*6=2400varを計算します。
- 全無効電力Q=3*Q_1=3*2400=7200var=7.2kvarを算出します。
- 選択肢 イ不正解
- 4.2kvarは計算手順の誤りによる数値です。
- 選択肢 ロ正解
- 1相あたり2.4kvarの無効電力を3相分合計した7.2kvarとなり正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 9.6kvarは回路の全有効電力P=3*I_p^2*R=3*(400*8)=9600W=9.6kWの値です。
- 選択肢 ニ不正解
- 12kvarは全皮相電力S=3*V_p*I_p=3*200*20=12000VA=12kVAの値です。
覚えるポイント
- Δ結線では相電圧と線間電圧が等しい
- 全無効電力は3×(相電流の2乗×リアクタンス)で計算できる
間違えやすいところ
- 有効電力(抵抗で消費)と無効電力(リアクタンスで消費)を混同してしまうミス
出題の前提:平成22年度第一種電気工事士筆記試験問5の出題条件による
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.4 ↗(www.shiken.or.jp)
単相2線式配電線路の電圧降下の近似式
配電理論 · 電圧降下 / 単相2線式 / 線路インピーダンス
電線1線当たりの抵抗をr[Ω]、線路リアクタンスをx[Ω]、線路に流れる電流をI[A]、負荷の力率をcosθ(遅れ)とするとき、単相2線式配電線路の送電端電圧Vsと受電端電圧Vrの差である電圧降下(Vs-Vr)の近似値[V]を示す式はどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
交流配電線路の電圧降下近似式は、1線当たりΔV_1≒I(r cosθ + x sinθ)です。単相2線式電路では行きと帰りの2線分のインピーダンスが関与するため係数は2となります。三相3線式の場合は線間電圧降下を考えるため係数が√3となります。
解き方
- 1線当たりのインピーダンスによる電圧降下の近似式がI(r cosθ + x sinθ)であることを確認します。
- 配電方式が単相2線式であるため、電線2本分を考慮して2倍の係数を適用します。
- 選択肢 イ正解
- 単相2線式の線路電圧降下の正しい近似式です。
- 選択肢 ロ不正解
- 係数が√3となるのは三相3線式配電線路における線間電圧降下の近似式です。
- 選択肢 ハ不正解
- 抵抗rとリアクタンスxに乗じる三角関数(cosθとsinθ)が逆になっています。
- 選択肢 ニ不正解
- 三相用の係数√3が使われており、三角関数の組み合わせも逆になっています。
覚えるポイント
- 単相2線式の電圧降下は2I(r cosθ + x sinθ)
- 三相3線式の電圧降下は√3 I(r cosθ + x sinθ)
間違えやすいところ
- 単相2線式(係数2)と三相3線式(係数√3)を取り違える間違い
出題の前提:平成22年度第一種電気工事士筆記試験問6の出題条件による
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.4 ↗(www.shiken.or.jp)
単相2線式から単相3線式への変更に伴う電力損失比
配電理論 · 単相2線式 / 単相3線式 / 線路損失
負荷電圧100V一定で、1kWの抵抗負荷AおよびBがある。図1に示す単相2線式電路を、図2に示す単相3線式電路に変更した場合、電路の電力損失は何倍になるか。ただし電線の抵抗は1線当たり0.2Ωとする。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
電線路の電力損失はP_loss=Σ(I^2*r)で計算されます。単相3線式電路で各相の負荷が平衡している場合、中性線には電流が流れず、外側線2本のみに半分の電流が流れるため、線路損失は大幅に低減します。
解き方
- 単相2線式の線路電流I_1=(1000+1000)/100=20Aを求め、損失P_1=2*20^2*0.2=160Wを計算します。
- 単相3線式の各負荷電流I_2=1000/100=10Aを求め、平衡負荷により中性線電流が0Aとなることを確認します。
- 単相3線式の電路損失P_2=2*10^2*0.2=40Wを計算します。
- 損失比P_2/P_1=40/160=1/4を導きます。
- 選択肢 イ正解
- 単相2線式の損失160Wに対して単相3線式の損失は40Wとなり、1/4倍で正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- 1/3倍は計算過程の誤りによる選択肢です。
- 選択肢 ハ不正解
- 線路電流自体は1/2になりますが、損失は電流の2乗に比例するため1/4となります。
- 選択肢 ニ不正解
- 単相3線式への変更により線路損失は減少するため、1より大きくなることはありません。
覚えるポイント
- 平衡時の単相3線式中性線電流は0A
- 同電圧・同電力供給時の損失比は電流が1/2になるため(1/2)^2=1/4倍となる
間違えやすいところ
- 損失が電流の1乗に比例すると勘違いして1/2倍を選んでしまうミス
出題の前提:平成22年度第一種電気工事士筆記試験問7の出題条件による
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.4 ↗(www.shiken.or.jp)
三相3線式配電線路の電力損失計算
配電理論 · 三相3線式 / 線路損失 / 力率
定格電圧200V、消費電力18kW、力率0.9(遅れ)の三相負荷に電気を供給する三相3線式配電線路において、電線1線当たりの抵抗が0.1Ω、線路リアクタンスが無視できるとき、配電線路の電力損失[kW]はいくらか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
三相3線式線路の電力損失は、各線路の電流Iと1線当たりの抵抗rを用いてP_loss=3*I^2*rで表されます。線間電圧V、三相有効電力P、力率cosθから線路電流I=P/(√3*V*cosθ)を導出します。
解き方
- 三相電力の公式P=√3*V*I*cosθを変形し、I=18000/(√3*200*0.9)=100/√3 Aを求めます。
- 配電線路3本分の損失計算式P_loss=3*I^2*rに数値を代入します。
- P_loss=3*(10000/3)*0.1=1000W=1.0kWを算出します。
- 選択肢 イ不正解
- 計算途中で力率の自乗などを誤って乗算した値です。
- 選択肢 ロ不正解
- 分母の力率0.9の扱いを誤った場合などに導かれる誤答です。
- 選択肢 ハ正解
- 計算式3*(100/√3)^2*0.1=1000W=1.0kWとなり正しい値です。
- 選択肢 ニ不正解
- 線路数を正しく考慮しないか、電流計算を誤ったときの数値です。
覚えるポイント
- 三相負荷の線電流I=P/(√3*V*cosθ)
- 三相3線式の線路損失は3×I^2×r
間違えやすいところ
- 三相の損失計算で3本分の「3倍」を忘れて1線分のみで計算してしまうミス
出題の前提:平成22年度第一種電気工事士筆記試験問8の出題条件による
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
力率改善による配電線路特性の変化
配電理論 · 力率改善 / 電圧降下 / 線路損失
定格電圧200V、定格消費電力20kW、遅れ力率0.8の三相負荷に電力を供給する配電線路がある。低圧進相コンデンサを挿入して受電端力率を1.0に改善した。電源電圧は一定、負荷インピーダンスは一定、線路1線当たりの抵抗rは0.1Ωとし、線路のリアクタンスは無視できるものとする。力率改善後の変化に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
三相配電線路において進相コンデンサにより力率を改善すると、無効電力が相殺されて力率が1.0に近づき、線路を流れる電流Iが減少します。線路の抵抗損失(3I^2r)や電圧降下(√3Ir)はいずれも線路電流Iに比例または2乗比例して減少します。
解き方
- 力率改善前の電流はI1=P/(√3・V・cosθ)であり、力率をcosθ=1.0に改善すると電流はI2=P/(√3・V)となり、改善前に対してcosθ倍(0.8倍、すなわち約20%減少)に減少します。
- 線路リアクタンスが無視できる場合の電圧降下式はv=√3・I・rであり、電流Iが減少すれば電圧降下vも同様に減少(約20%減少)するため、増加とする記述が誤りであると判断します。
- 選択肢 イ不正解
- 無効電流成分がコンデンサによって補償されるため、配電線路を流れる全電流Iは減少します。したがって正しい記述です。
- 選択肢 ロ不正解
- 配電線路の電力損失は3・I^2・rで表され、線路電流Iが減少するため損失も減少します。したがって正しい記述です。
- 選択肢 ハ不正解
- 力率が1.0に改善された状態では、遅れ無効電力と進み無効電力がちょうど打ち消し合うため、無効電力は0となります。したがって正しい記述です。
- 選択肢 ニ正解
- 線路の電圧降下はv=√3・I・rであり、線路電流Iが力率0.8から1.0へ改善されて約20%減少するため、電圧降下も約20%減少します。増加するとしているため誤りです。
覚えるポイント
- 力率改善により線路電流・電力損失・電圧降下はいずれも減少する。
間違えやすいところ
- 進相コンデンサにより端子電圧が上昇することと、線路自体の電圧降下が減少することを混同しないように注意する。
出題の前提:電気設備技術基準・配電線路の計算理論
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
各種光源の点灯所要時間比較
電気応用 · 照明 / 白熱電球 / 放電ランプ
電源を投入してから、点灯(光束が安定して立ち上がるまで)するまでの時間が最も短い光源はどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
白熱電球(ハロゲン電球を含む)は通電直後にフィラメントが高温になり即座に最高光束に達します。一方、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、高圧ナトリウムランプなどの高圧放電灯(HIDランプ)は、管内の発光金属が蒸発して蒸気圧が安定するまでに数分程度の点灯始動時間を要します。
解き方
- 各光源の発光原理(フィラメント発光か高圧放電発光か)を判別する。
- メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、ナトリウムランプはHIDランプであり点灯までに数分を要するのに対し、ハロゲン電球は通電直後に瞬時点灯するため、最も短いものをハロゲン電球と判定する。
- 選択肢 イ正解
- ハロゲン電球は白熱系光源であるため、スイッチを投入するとほぼ瞬時(1秒未満)に全光束に達し、最も短い点灯時間となります。
- 選択肢 ロ不正解
- メタルハライドランプは高圧放電灯の一種であり、安定した点灯に至るまで数分(3〜5分程度)かかります。
- 選択肢 ハ不正解
- 高圧水銀ランプは放電開始後に水銀蒸気圧が上昇して安定光束に達するまで約4〜5分を要します。
- 選択肢 ニ不正解
- 高圧ナトリウムランプは放電開始後にナトリウム蒸気圧が上昇して安定するまで約5分程度を要します。
覚えるポイント
- HIDランプ(水銀灯・メタハラ・ナトリウム灯)は再始動・立ち上がりに数分かかるが、ハロゲン電球・白熱電球・LEDは瞬時点灯する。
間違えやすいところ
- 放電灯の中でも蛍光灯とHIDランプの始動時間の差、および白熱灯との原理差を混同しないようにする。
出題の前提:電気工学概論(照明工学)
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
三相誘導電動機の滑りと一次周波数
電気機器 · 誘導電動機 / 同期速度 / 滑り / インバータ周波数
極数6極のかご形三相誘導電動機があり、一次周波数が調整できるようになっている。この電動機が滑りs=5〔%〕、回転速度N=570〔min⁻¹〕で運転されている場合の一次周波数f〔Hz〕はいくらか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
誘導電動機の回転子の回転速度Nは、同期速度Nsと滑りs(0≦s≦1)を用いてN=Ns・(1-s)と表されます。また、極数をp、電源の一次周波数をf〔Hz〕とすると、同期速度はNs=120f/p〔min⁻¹〕の関係にあります。
解き方
- 与えられた回転速度N=570〔min⁻¹〕と滑りs=0.05から、同期速度Ns=N/(1-s)=570/0.95=600〔min⁻¹〕を計算する。
- 同期速度の定義式Ns=120f/pを変形し、周波数f=(p・Ns)/120=(6×600)/120=30〔Hz〕を導出する。
- 選択肢 イ不正解
- 周波数が20Hzの場合、同期速度は400min⁻¹となり、回転速度570min⁻¹と整合しません。
- 選択肢 ロ正解
- Ns=570/(1-0.05)=600min⁻¹より、周波数f=(6×600)/120=30Hzとなり正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 周波数が40Hzの場合、同期速度は800min⁻¹となり、計算結果と一致しません。
- 選択肢 ニ不正解
- 商用周波数50Hzの場合はNs=1000min⁻¹であり、滑り5%時の回転速度は950min⁻¹となるため誤りです。
覚えるポイント
- 同期速度Ns=120f/p、回転速度N=Ns(1-s)の公式を確実に暗記する。
間違えやすいところ
- Ns=120f/pの係数120と極数pの代入位置を逆に誤算しないように注意する。
出題の前提:電気機器学(誘導機)
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
りん酸形燃料電池の発電原理図
発電・変電 · 燃料電池 / りん酸形燃料電池 / 発電原理
りん酸形燃料電池(PAFC)の発電原理を示す構成図として、正極・負極への供給ガス、排出物および電極の極性の組合せが正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
りん酸形燃料電池(電解液:りん酸水溶液)では、水素イオンH⁺が電解質中を負極から正極へ移動します。負極反応は H2 → 2H⁺ + 2e⁻、正極反応は 1/2 O2 + 2H⁺ + 2e⁻ → H2O です。したがって、負極には燃料であるH2を供給し、正極には酸化剤であるO2を供給して、正極側から生成物であるH2Oが排出されます。
解き方
- 負極(マイナス極)に供給されるのが水素(H2)、正極(プラス極)に供給されるのが酸素(O2)であることを確認する。
- 電解質中を移動したH⁺と外部回路からの電子e⁻、および供給されたO2が反応して水(H2O)が生じる場所が正極側(カソード側)であることを確認し、ロの図を選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 負極に酸素O2、正極に水素H2を供給しており、反応気体の極性が逆であるため誤りです。
- 選択肢 ロ正解
- 負極にH2を供給して未反応ガスを排出し、正極にO2を供給して反応生成物であるH2Oを排出しているため正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 負極側にO2、正極側にH2が接続されており、燃料電池の供給気体として誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 生成水のH2Oが負極側から排出されるように図示されており、正極側で水が生成する反応原理と反するため誤りです。
覚えるポイント
- 燃料電池は負極に燃料(H2)、正極に酸化剤(O2)を供給し、りん酸形では正極側から水(H2O)が排出される。
間違えやすいところ
- 負極と正極に供給する気体の種類、および水の生成・排出が起こる極を混同しやすい。
出題の前提:新エネルギー発電工学(燃料電池発電)
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
インバータ(逆変換装置)の定義
電気機器 · 電力変換装置 / インバータ / 整流回路
インバータ(逆変換装置)の機能に関する記述として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
電力変換装置において、交流から直流への変換を「順変換(コンバータ、整流器)」と呼び、直流から交流への変換を「逆変換(インバータ)」と呼びます。直流電圧相互の変換はDC-DCコンバータ(チョッパ)、交流直接の周波数変換等はサイクロコンバータやマトリックスコンバータと呼ばれます。
解き方
- インバータ(逆変換装置)という語句がどの電力変換(入力電力種別と出力電力種別)に対応するかを照合する。
- 直流から交流への変換であることを特定し、選択肢ハを選ぶ。
- 選択肢 イ不正解
- 交流電力を直流電力に変換する装置は順変換装置(コンバータまたは整流器)です。
- 選択肢 ロ不正解
- 直流電力を異なる電圧・電流の直流に変換する装置はDC-DCコンバータ(チョッパ)です。
- 選択肢 ハ正解
- インバータ(逆変換装置)は、直流電力を交流電力に変換する装置であるため正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 交流電力を異なる交流の電圧・周波数等に変換する装置はサイクロコンバータや交流電力調整器、変圧器等です。
覚えるポイント
- 順変換(コンバータ)=AC→DC、逆変換(インバータ)=DC→AC。
間違えやすいところ
- 日常用語でインバータエアコンなど一連のシステム全体をインバータと呼ぶことがあるが、定義上はDC→ACの逆変換回路部分を指す点に注意する。
出題の前提:電気機器学(パワーエレクトロニクス)
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
写真器具の識別(ハロゲン電球)
配線器具・材料 · 照明器具 / ハロゲン電球 / 写真判別
写真に示す品物の名称として、正しいものはどれか。(写真は透明な小型ガラス管内にタングステンフィラメントを配置し、下部に2本のピン口金を備えた電球)
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
ハロゲン電球は、タングステンフィラメントを不活性ガスとともに微量のハロゲンガス(ヨウ素や臭素など)を封入したコンパクトな石英ガラス管内に納めた構造をしています。ハロゲンサイクルによってフィラメントの蒸発が抑えられ、高寿命・高効率・小型化が図られています。
解き方
- 写真の外観を確認すると、内部にコイル状のフィラメントが張られており、端部に2本の接続ピンを有する小型バルブ構造であることが分かる。
- 放電発光管やLED素子ではなく、フィラメントを有する白熱発光方式のコンパクト管球であることから、ハロゲン電球と特定する。
- 選択肢 イ不正解
- キセノンランプはキセノンガス放電による高輝度放電灯であり、フィラメントは存在しません。
- 選択肢 ロ正解
- 内部にフィラメントを有し、ピン口金を備えた小型石英ガラスバルブの外観から、ハロゲン電球です。
- 選択肢 ハ不正解
- LED(発光ダイオード)は半導体素子であり、フィラメント構造を持ちません。
- 選択肢 ニ不正解
- 高圧ナトリウムランプはセラミック製の発光管を持つ大型放電灯であり、形状が全く異なります。
覚えるポイント
- 内部にタングステンフィラメントが見える小型透明ガラス管球はハロゲン電球。
間違えやすいところ
- 放電灯の発光管とフィラメントを見誤らないようにする。
出題の前提:配線器具・材料の識別
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
配線材料の識別(コンクリートボックス)
配管・配線材料 · ボックス類 / コンクリートボックス / 材料識別
写真に示す電気工事材料の名称として、正しいものはどれか。(写真は底板がなく、コンクリート打ち込み時に型枠に固定するための金具・耳がついた金属製ボックス)
解答・解説を表示
解答
イ
解説
コンクリートボックスは、鉄筋コンクリート造の建物でコンクリートスラブや壁内に電線管を打ち込む際に埋め込んで使用するボックスです。型枠(合板)に直に固定できるよう底面が開口(底抜け)しており、周囲に釘固定用の金具が設けられています。後から塗代カバーや底板を取り付けて仕上げます。
解き方
- 写真のボックスの形状を確認し、底板が存在せず筒抜け構造になっていること、および外側に型枠固定用の爪・金具が付いている特徴を捉える。
- 通常のアウトレットボックス(底面がある)やスイッチボックスと区別し、コンクリートボックスであると判断する。
- 選択肢 イ正解
- 底面が開口した底抜け構造で型枠固定用金具を備えており、コンクリートボックスの特徴と合致します。
- 選択肢 ロ不正解
- 通常のアウトレットボックスは底板があり、底面および側面にノックアウト穴が設けられています。
- 選択肢 ハ不正解
- フロアボックスは床面に埋め込んでコンセント等を収納する器具であり、防水蓋や取付金具を備えた異なる構造です。
- 選択肢 ニ不正解
- スイッチボックスはスイッチやコンセントを1〜複数個取り付けるための長方形の底付きボックスです。
覚えるポイント
- 底抜け構造で型枠への釘打ち固定金具が付いているボックスはコンクリートボックス。
間違えやすいところ
- 普通のアウトレットボックス(底板がある)とコンクリートボックス(底がない)の構造の違いを混同しないようにする。
出題の前提:内線規程・配線材料器具の識別
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
汽力発電所再熱サイクルの系統構成
発電・変電 · 汽力発電 / 再熱サイクル / 系統図構成
図は汽力発電所の再熱サイクルの系統図を表したものである。図中のⒶ、Ⓑ、Ⓒ、Ⓓの機器の組合せとして、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
汽力発電の再熱サイクルは、ボイラで発生した蒸気を過熱器で過熱して高圧タービンで膨張させた後、その排気蒸気を再びボイラ内の再熱器に戻して過熱し、低圧タービンに導いて仕事を行わせるサイクルです。これにより低圧タービン最終段の蒸気湿り気を低減し熱効率を向上させます。低圧タービン排気は復水器で冷却・液化され給水ポンプに戻ります。
解き方
- 給水ポンプから送水される最初の加熱装置Ⓐは「ボイラ」である。
- ボイラから発生した飽和蒸気をさらに加熱して高圧タービンに導くⒷは「過熱器」である。
- 高圧タービンから出た蒸気を再度加熱して低圧タービンへ導くⒸは「再熱器」である。
- 低圧タービンの排気蒸気を冷却して復水にするⒹは「復水器」である。したがってロの組合せが正しい。
- 選択肢 イ不正解
- Ⓐが復水器となっているため誤りです。給水ポンプからの水が最初に供給されるのはボイラです。
- 選択肢 ロ正解
- Ⓐボイラ、Ⓑ過熱器、Ⓒ再熱器、Ⓓ復水器の配置が再熱サイクルの系統図として正しく一致しています。
- 選択肢 ハ不正解
- Ⓐが過熱器、Ⓑが復水器となっており、水と蒸気の循環系統順序が誤っています。
- 選択肢 ニ不正解
- Ⓐが再熱器、Ⓑが復水器となっており、再熱サイクルの系統構成として誤りです。
覚えるポイント
- 汽力発電の再熱サイクル順路:給水ポンプ → ボイラ → 過熱器 → 高圧タービン → 再熱器 → 低圧タービン → 復水器。
間違えやすいところ
- 過熱器(タービン直前)と再熱器(高圧タービン出後)の配置順序を取り違えないように注意する。
出題の前提:発電工学(火力発電・再熱熱サイクル)
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
架空送電線路のアークホーンの役割
送配電設備 · 架空送電線路 / アークホーン / 雷サージ保護
架空送電線路に使用されるアークホーンに関する記述として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
アークホーン(放電角)は、がいし連の両端に対向して設置される角状の金属電極です。雷サージなどの過電圧が侵入した際に、がいし表面での沿面放電を防ぎ、アークホーン相互間で気中放電を起こさせることで、がいしの熱破壊や電線の溶断を防止します。
解き方
- 架空送電線路に設置される各種保護具・金具(アークホーン、アーマロッド、ダンパ、スペーサ)の定義と機能を整理します。
- がいし両端に設けて雷過電圧による放電からがいし・電線を保護する器具がアークホーンであることを確認します。
- 選択肢 イ正解
- がいしの両端に設け、雷の異常電圧によるアークを気中放電させてがいし等を保護する器具であるため正しい記述です。
- 選択肢 ロ不正解
- 電線と同種の金属を巻き付けて電線の振動による素線切れを防止する器具は、アーマロッドの説明です。
- 選択肢 ハ不正解
- 電線におもりを取り付けて微風振動を吸収し電線の損傷を防ぐ器具は、トーショナルダンパ(ダンパ)の説明です。
- 選択肢 ニ不正解
- 多導体相互の間隔を保持し電線相互の衝突や吸引による損傷を防ぐ器具は、スペーサの説明です。
覚えるポイント
- アークホーン=雷サージからがいし・電線を保護する放電電極
間違えやすいところ
- アーマロッド(補強巻線)やダンパ(微風振動吸収錘)の記述と混同しないよう注意が必要です。
出題の前提:電気設備技術基準の解釈第86条(がいし装置等の保護等)に基づく架空送電線の構成部材仕様
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
架空送電線のたるみ(弛度)の計算
送配電設備 · 架空送電線路 / たるみ / 弛度計算
水平径間 100 [m] の架空送電線がある。電線 1 [m] 当たりの重量が 20 [N/m]、電線の水平引張強さ(水平張力)が 20 [kN] のとき、電線のたるみ D [m] はいくらか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
架空電線の水平径間を S [m]、電線 1 [m] 当たりの合成荷重(自重)を W [N/m]、水平張力を T [N] としたとき、電線のたるみ(弛度)D [m] は D = (W * S^2) / (8 * T) で表されます。
解き方
- 与えられた条件を基本単位に換算して整理します。径間 S = 100 [m]、電線重量 W = 20 [N/m]、水平引張強さ T = 20 [kN] = 20000 [N]。
- たるみの公式 D = (W * S^2) / (8 * T) に代入して計算します。D = (20 * 10000) / (8 * 20000) = 200000 / 160000 = 1.25 [m]。
- 選択肢 イ正解
- 公式に基づく計算結果 D = (20 * 100^2) / (8 * 20000) = 1.25 [m] と一致します。
- 選択肢 ロ不正解
- 分母の係数8を4などと誤って計算すると2.5 [m] となり誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 公式の適用や数値計算の誤りにより導出された誤った数値です。
- 選択肢 ニ不正解
- 公式の適用や単位換算の誤りにより導出された誤った数値です。
覚えるポイント
- 弛度の公式:D = (W * S^2) / (8 * T)。張力Tの単位[kN]を[N](10^3倍)に換算すること。
間違えやすいところ
- 水平張力の単位が kN で与えられているため、1000倍して N に直す処理を忘れるミスが多いです。
出題の前提:電気設備技術基準の解釈第67条(架空電線の弛度)に基づく計算
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
同期発電機の並列運転条件
発電設備 · 同期発電機 / 並列運転 / 並入条件
同期発電機を並列運転する条件として、必要でないものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
同期発電機を母線や他の発電機と並列運転(並入)するためには、起電力に関して「起電力の大きさが等しい」「起電力の周波数が等しい」「起電力の位相が一致している」「起電力の波形が等しい」「相回転の方向が等しい」の5条件を満たす必要があります。容量が異なっていてもそれぞれの容量に応じた負荷分担を行えば運転可能です。
解き方
- 同期発電機の並列運転に必要な5条件(電圧、周波数、位相、波形、相回転の整合)を想起します。
- 選択肢の中から5条件に含まれない「発電容量の均一性」を必要でない条件として特定します。
- 選択肢 イ不正解
- 周波数が異なると同期化電流が流れて動揺するため、周波数が等しいことは必要な条件です。
- 選択肢 ロ不正解
- 電圧の大きさが異なると無効横流が循環して過熱の原因となるため、電圧が等しいことは必要な条件です。
- 選択肢 ハ正解
- 並列運転する発電機の発電容量は等しくなくても各々の容量に応じて負荷分担できるため、必要な条件ではありません。
- 選択肢 ニ不正解
- 電圧の位相が異なると大きな有効横流が流れて過大な機械的ショックを受けるため、位相の一致は必要な条件です。
覚えるポイント
- 並列運転の条件:電圧の「大きさ・周波数・位相・波形・相回転」の一致。容量は無関係。
間違えやすいところ
- 発電機の容量が等しくなければならないと誤解しやすいですが、容量差があっても並列運転は可能です。
出題の前提:発電用同期機の特性および並列運転条件(電気工学一般)
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
高調波の発生源とならない機器
配電設計・理論 · 高調波 / 非線形負荷 / 進相コンデンサ
電力系統における高調波の発生源とならない機器はどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
高調波は、電流と電圧が比例関係にない「非線形負荷」やスイッチング素子を高速開閉するパワーエレクトロニクス機器、アーク現象を伴う機器から発生します。交流アーク炉、半導体整流器、インバータは代表的な高調波発生源です。進相コンデンサは線形受動素子であり、高調波電流の流入や共振を引き起こすことはあっても、自身が高調波起電力・電流源となることはありません。
解き方
- 高調波の発生源となる「非線形負荷(半導体スイッチング素子、アーク機器など)」と「線形負荷」を区別します。
- 選択肢の各機器を検討し、受動的な線形素子である進相コンデンサが発生源ではないと判断します。
- 選択肢 イ不正解
- 交流アーク炉はアーク特性が著しい非線形性を持つため、大量の高調波を発生させる主要な機器です。
- 選択肢 ロ不正解
- 半導体整流器はダイオードやサイリスタのスイッチング動作により歪み波電流を生じるため高調波発生源です。
- 選択肢 ハ不正解
- 動力制御用インバータはPWMスイッチング等で歪み波を発生するため主要な高調波発生源です。
- 選択肢 ニ正解
- 進相コンデンサは線形負荷であり自ら高調波を発生させることはないため、高調波の発生源とならない機器として正解です。
覚えるポイント
- 高調波発生源:整流器、インバータ(パワエレ機器)、アーク炉。コンデンサは発生源ではない。
間違えやすいところ
- 進相コンデンサは高調波障害(過熱や唸り)を受けやすく共振により高調波を拡大するため、発生源と混同しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:高圧又は特別高圧で受電する需要家の高調波抑制対策ガイドライン
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
受電用遮断器の遮断容量の選定要因
受電設備設計 · 高圧受電設備 / 遮断器 / 遮断容量 / 三相短絡電流
高圧受電設備の受電用遮断器(VCBなど)の定格遮断容量を決定する場合に必要なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
遮断器の「定格遮断容量(または定格遮断電流)」は、電路で短絡事故などの過酷な事故が発生した瞬間に、電弧(アーク)を消弧して安全に事故電流を遮断できる最大許容能力を指します。したがって、電源(系統側)から受電点に流れ込む最大の事故電流である「受電点の三相短絡電流」を基準にして選定します。契約電力や負荷電流、変圧器容量は「定格電流」の選定に関係しますが「遮断容量」の決定要素ではありません。
解き方
- 遮断器の「定格電流」と「定格遮断容量(遮断電流)」の違いを理解します。
- 遮断容量は短絡事故時の遮断能力であるため、系統側インピーダンスによって決まる受電点の三相短絡電流が必要であることを導きます。
- 選択肢 イ不正解
- 契約電力は受電設備の定格電流や契約関係を決定するものであり、事故時の遮断容量を決定するものではありません。
- 選択肢 ロ不正解
- 受電用変圧器の容量は受電設備の通常負荷容量を決定するもので、系統側の短絡容量を決める要素ではありません。
- 選択肢 ハ正解
- 遮断器の定格遮断容量は、系統側から流入する最大事故電流である受電点の三相短絡電流以上となるように決定します。
- 選択肢 ニ不正解
- 最大負荷電流は遮断器の「定格電流(通常通電容量)」を決定する要素であり、短絡遮断容量の決定要素ではありません。
覚えるポイント
- 遮断容量(短絡遮断性能)の決定=受電点の三相短絡電流(系統の短絡容量)
間違えやすいところ
- 通常の通電電流を決める「最大負荷電流」や「契約電力」と、事故電流を遮断する「遮断容量」を取り違えないようにします。
出題の前提:高圧受電設備規程およびJIS C 4603(高圧交流遮断器)
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
機器の判別と用途(計器用変圧器 VT)
高圧受電設備 · 受変電機器 / 計器用変圧器 / VT
写真に示す品物の用途として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
計器用変圧器(VT / PT)は、高圧(6600V等)電路の電圧を、計器(電圧計、電力計など)や保護継電器の入力に適した標準的な低電圧(定格二次電圧110V)に降圧するための機器です。写真は高圧用のモールド形VT(単相)を示しています。
解き方
- 写真の外観を確認します。上部に高圧側端子ブッシング、本体にモールド樹脂成形された巻線構造をもつ計器用変圧器(VT)であることを識別します。
- 計器用変圧器(VT)の基本用途である「高電圧を低電圧に変圧する」を選択します。
- 選択肢 イ不正解
- コンデンサ回路投入時の突入電流を抑制するのは直列リアクトル(SR)の用途です。
- 選択肢 ロ不正解
- 大電流を小電流に変流するのは変流器(CT)の用途です。
- 選択肢 ハ不正解
- 零相電圧を検出するのは接地形計器用変圧器(EVT / ZVT)の用途です。
- 選択肢 ニ正解
- 写真は計器用変圧器(VT)であり、高圧回路の電圧を計器用等の低電圧(110V)に変圧して測定・制御に用います。
覚えるポイント
- 計器用変圧器(VT):高電圧を低電圧(110V)に変圧する。変流器(CT):大電流を小電流(5A)に変流する。
間違えやすいところ
- 変流器(CT)の外観や機能と混同しないよう、一次側ブッシングの配置や銘板仕様を意識します。
出題の前提:JIS C 1731-1(計器用変成器)に基づくVTの構造と用途
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
機器の判別と用途(断路器 DS)
高圧受電設備 · 受変電機器 / 断路器 / DS
写真に示す品物の用途として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
断路器(DS)は、無通電(無負荷)の状態で電路を開閉する機器です。消弧室を持たないため負荷電流や事故電流の遮断は一切できませんが、開極時に確実な絶縁距離と目視による開路状態(断路状態)を形成できるため、点検・保守作業時の安全確保(回路の区分・隔離)に不可欠な装置です。
解き方
- 写真の外観を確認します。3極連動の断路刃(ブレード)と接触子、操作レバーから構成される高圧断路器(DS)であることを識別します。
- 断路器の特徴である「無負荷状態での開閉」「点検時の電路開路・安全確保」に合致する記述を選択します。
- 選択肢 イ不正解
- 保護継電器と連動して事故遮断を行うのは高圧真空遮断器(VCB)などの遮断器です。
- 選択肢 ロ不正解
- 電力ヒューズと組み合わせて用いるのは高圧交流負荷開閉器(LBS)の説明です。
- 選択肢 ハ正解
- 写真は断路器(DS)であり、負荷電流が流れていない状態で電路を確実に開離し、作業安全を確保する用途に用います。
- 選択肢 ニ不正解
- 300kVA未満の変圧器一次側保護に用いられるのは高圧カットアウト(PC)です。
覚えるポイント
- 断路器(DS):負荷電流の開閉は不可。無電圧・無負荷で電路を開路し、点検作業時の安全を確保する。
間違えやすいところ
- 負荷電流を開閉できる高圧交流負荷開閉器(LBS)や、事故電流を遮断する遮断器(CB)と混同しないようにします。
出題の前提:JIS C 4605(高圧交流断路器)および高圧受電設備規程
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
単相200V回路に使用できないコンセント刃受形状
配線設計・理論 · 配線器具 / コンセント刃受形状 / 定格電圧・極配置
図に示すコンセントの刃受形状のうち、単相 200 [V] の回路に使用できないものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
配線器具(コンセント)は、誤挿入による機器破損や火災・感電事故を防止するため、定格電圧(125V用と250V用)および定格電流(15A、20A等)ごとに異なる刃受配置(JIS C 8303)が標準化されています。125V用(100V回路用)は縦の平行2極であるのに対し、250V用(200V回路用)は水平平行刃(15A)、片側エル形(20A)、または引掛形(250V定格)などが規定されています。
解き方
- 各選択肢に示されたコンセントの刃受形状から定格仕様を判別します。
- 「イ」は引掛形(250V用)、「ロ」は単相200V 20A用、「ハ」は単相200V 15A用、「ニ」は単相100V(125V 15A)用であることを特定します。
- 単相200V回路に接続できない125V仕様の「ニ」を正答として選択します。
- 選択肢 イ不正解
- 250V定格の引掛形接地極付コンセントであり、単相200V回路に使用可能です。
- 選択肢 ロ不正解
- 250V 20A接地極付コンセント(片側がエル形)であり、単相200V回路に使用可能です。
- 選択肢 ハ不正解
- 250V 15A接地極付コンセント(刃受が水平方向に対向)であり、単相200V回路に使用可能です。
- 選択肢 ニ正解
- 125V 15A接地極付コンセント(平行2極+接地極)であり、単相100V回路専用のため単相200V回路には使用できません。
覚えるポイント
- 100V用(125V):縦の平行平刃。200V用(250V):横の平行平刃(15A)または片側エル字(20A)。
間違えやすいところ
- 15A用(水平刃)と20A用(片側エル形)の形状差に気を取られ、通常の100V用平行2極形状(ニ)を見落とさないようにします。
出題の前提:JIS C 8303(配線用差込接続器)に規定される極配置寸法
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
接地極の選定と規格
接地工事 · 接地極 / 電気設備の技術基準の解釈
地中に埋設又は打ち込みをする接地極として使用するものとして、不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
電気設備の技術基準の解釈において、接地極として地中に埋設できる材料には規定があり、銅板(厚さ1.4mm以上・面積900cm2以上)、銅被覆鋼棒(外径10mm以上・長さ0.9m以上)、厚鋼電線管(内径25mm以上・長さ0.9m以上)などが定められていますが、土中で急速に腐食するアルミニウムは使用できません。
解き方
- 地中に埋設する接地極に認められている材料と寸法の規格を確認する。
- アルミニウム板は腐食性が高いため接地極材料として認められておらず、不適切であると判定する。
- 選択肢 イ正解
- アルミニウムは土壌中で腐食しやすいため、技術基準において接地極として使用が認められておらず不適切です。
- 選択肢 ロ不正解
- 銅板は厚さ1.4mm以上、面積900cm2以上が規格となっており、寸法・厚さともに満たしているため適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- 銅被覆鋼棒は外径10mm以上、長さ0.9m以上が規格となっており、外径14mm・長さ1.5mは基準を満たしているため適切です。
- 選択肢 ニ不正解
- 厚鋼電線管は内径25mm以上、長さ0.9m以上が規格となっており、内径36mm・長さ1.5mは基準を満たしているため適切です。
覚えるポイント
- アルミニウムは土中で著しく腐食するため接地極として使用できない。
間違えやすいところ
- 金属板であればアルミニウムでも厚さがあればよいと誤認しやすい。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第19条(接地極等の施設)
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
電線張線用工具の名称
配線器具・工具 · 張線器 / シメラ / 架空線工具
問題用紙の写真に示す工具の名称として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
架空配線工事において、電線やワイヤを把持して手動ラチェットやレバー操作でワイヤを巻き取り、架空線を緊張させて適度な弛み(たるみ)に調整する工具を張線器(ちょうせんき、通称シメラ)と呼びます。
解き方
- 写真の外観から、ワイヤを巻き取る機構と両端のフック・掴線器を備えた引っ張り工具であることを確認する。
- この構造をもつ工具は架空電線を引っ張る「張線器」であると特定する。
- 選択肢 イ不正解
- トルクレンチは所定の締め付けトルクでボルト・ナットを締め付けるための工具であり、写真のものとは異なります。
- 選択肢 ロ不正解
- ワイヤストリッパは電線の絶縁被覆を剥ぎ取るための手工具であり、写真のものとは異なります。
- 選択肢 ハ不正解
- ケーブルジャッキはドラムに巻かれたケーブルを延線する際にドラムを空中に持ち上げて回転させる支持台であり、写真のものとは異なります。
- 選択肢 ニ正解
- 写真は架空電線工事等で電線のたるみを引っ張って張力を調整するための張線器(シメラ)です。
覚えるポイント
- 電線を引っ張ってたるみを調整するワイヤ引き工具は「張線器(シメラ)」である。
間違えやすいところ
- ケーブルドラムを載せるケーブルジャッキやトルク管理を行うトルクレンチと外観を混同しないようにする。
出題の前提:第一種電気工事士 写真鑑別問題基準
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
400V点検できない隠ぺい場所の配線工事
工事施工法 · 低圧屋内配線 / 400V配線 / 隠ぺい場所
点検できない隠ぺい場所において、使用電圧400〔V〕の低圧屋内配線工事を行う場合、不適切な工事方法はどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
低圧屋内配線工事において、金属ダクト工事およびバスダクト工事は「点検できる隠ぺい場所」または「展開した場所」に限って施設可能と規定されています。そのため、電圧にかかわらず「点検できない隠ぺい場所」には金属ダクト工事を施工することはできません。
解き方
- 施工場所の条件(点検できない隠ぺい場所、300V超・400V)を確認する。
- 各配線工事が点検できない隠ぺい場所に施設可能かを技術基準の解釈に照合する。
- 金属ダクト工事は点検できない隠ぺい場所への施工が禁止されているため、不適切と判定する。
- 選択肢 イ不正解
- 合成樹脂管工事は、管の厚さ2mm以上等の所定の条件を満たせば、点検できない隠ぺい場所でも400V配線として施工可能です。
- 選択肢 ロ正解
- 金属ダクト工事は点検できない隠ぺい場所には施設できないため、不適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- 金属管工事は堅牢な防護が可能なため、点検できない隠ぺい場所でも400V配線として施工可能です。
- 選択肢 ニ不正解
- ケーブル工事は点検できない隠ぺい場所でも400V配線として施工可能です。
覚えるポイント
- 金属ダクト工事・バスダクト工事は「点検できない隠ぺい場所」には施工できない。
間違えやすいところ
- 金属管工事と金属ダクト工事を混同し、金属管まで施工不可と勘違いしやすい。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第162条(金属ダクト工事)、第156条(低圧屋内配線の施設場所等の制限)
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
電線の接続条件
配線設計・施工法 · 電線接続 / 電気抵抗 / 引張強さ
絶縁電線相互の接続に関する記述として、不適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
電線相互を接続する場合の技術基準(電気設備の技術基準の解釈 第12条等)では、①電気抵抗を増加させないこと、②引張強さを20%以上減少させないこと(80%以上を維持すること)、③接続部分を同等以上の絶縁効力のあるもので十分に被覆すること、などが規定されています。
解き方
- 電線接続時の3大原則(電気抵抗、引張強さ、絶縁性能)を思い出す。
- 引張強さの減少限度は「20%以上減少させないこと」であるため、30%減少は基準違反であると判定する。
- 選択肢 イ不正解
- 電線の電気抵抗を増加させないように接続することは法令基準に適合しており適切です。
- 選択肢 ロ不正解
- 接続部を絶縁電線の絶縁物と同等以上の絶縁効力をもつもので十分被覆することは基準に適合しており適切です。
- 選択肢 ハ正解
- 電線の引張強さは20%以上減少させてはならないと定められているため、30%減少させた施工は不適切です。
- 選択肢 ニ不正解
- 接続部分に圧着スリーブ等の接続管を使用することは正しく認められた工法であり適切です。
覚えるポイント
- 電線接続部における引張強さの減少は「20%以内」に抑える必要がある。
間違えやすいところ
- 「20%以上減少させてはならない」を「20%以上保持する」と逆に解釈しないこと。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第12条(電線の接続)
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧屋内配線の工事方法
高圧受変電設備・施工法 · 高圧屋内配線 / ケーブル工事 / がいし引き工事
高圧屋内配線で、施工できる工事方法はどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
電気設備の技術基準の解釈 第168条において、高圧屋内配線の施設方法として規定されているのは「がいし引き工事(乾燥した場所の展開した場所に限る)」と「ケーブル工事」のみです。金属管工事、合成樹脂管工事、金属ダクト工事などの管路・ダクト工事は単独の配線工法としては認められていません(管に収める場合もケーブルを使用するケーブル工事となります)。
解き方
- 高圧屋内配線に認められている基本工法を整理する(がいし引き工事またはケーブル工事)。
- 選択肢の中から該当する工法である「ケーブル工事」を選択する。
- 選択肢 イ正解
- 高圧屋内配線は原則としてケーブル工事(または乾燥した露出場所のがいし引き工事)により施工すると規定されているため適切です。
- 選択肢 ロ不正解
- 高圧屋内配線では絶縁電線を用いた金属管工事は認められていません。
- 選択肢 ハ不正解
- 高圧屋内配線では絶縁電線を用いた合成樹脂管工事は認められていません。
- 選択肢 ニ不正解
- 高圧屋内配線では金属ダクト工事は認められていません。
覚えるポイント
- 高圧屋内配線ができるのは「がいし引き工事」と「ケーブル工事」の2つのみである。
間違えやすいところ
- 低圧で万能な金属管工事が高圧でも可能であると誤認しやすい。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第168条(高圧屋内配線等の施設)
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp)
断路器(DS)の役割と特徴
高圧受変電設備 · 断路器 / DS / 区分開閉器
受電設備図中の①に示す断路器(DS)に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
断路器(DS: Disconnecting Switch)は、受電点(受電室・キュービクル入口)以降の回路で保守点検時に電路を確実に切り離して安全を確保する機器です。消弧能力がないため無負荷状態で開閉しなければなりません。電源側に接触子(刃受)、負荷側にブレード(刃)を取り付けて開路時に刃に電圧がかからないようにします。責任分界点に設ける区分開閉器(PAS等)とは区別されます。
解き方
- 単線結線図および平面図における①(DS)の位置と役割を確認する。
- 区分開閉器は引込柱などに設ける開閉器(本図ではG付PAS)であり、キュービクル主回路のDSは無負荷解放用の断路器であることを確認する。
- 「区分開閉器として施設される」という記述が誤りであると判定する。
- 選択肢 イ不正解
- DSはDisconnecting Switchの略で断路器であり、正しい記述です。
- 選択肢 ロ正解
- DSは点検時の回路隔離に用いる断路器であり、区分開閉器(図の柱上に設置されるPASなど)ではないため誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 断路器には消弧能力がないため、負荷電流が流れているときに開路するとアーク事故になるため誤開放防止のインターロック等が必要です。正しい記述です。
- 選択肢 ニ不正解
- 開路した際に刃部が充電部となって感電することを防ぐため、接触子(刃受)を電源側、ブレード(可動刃)を負荷側に接続して施設します。正しい記述です。
覚えるポイント
- DSは消弧能力がなく負荷電流遮断不可。区分開閉器はPASなど。
間違えやすいところ
- 区分開閉器と受電設備内部の断路器を用途として混同しやすい。
出題の前提:自家用電気工作物 高圧受電設備規程・電気設備技術基準解釈
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp)
計器用変圧器(VT)の取り扱い
受変電設備機器 · VT / 計器用変圧器 / 二次側定格電圧 / 定格負担
受電設備図中の②に示す計器用変圧器(VT)に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
計器用変圧器(VT: Voltage Transformer)は、高電圧を測定器や保護継電器が扱える標準的な110Vの低電圧に変成する計測機器です。容量(定格負担)は一般に数十V・A〜数百V・A程度と非常に小さく設計されており、誤差階級(計器としての精度)を保つために定格負担以下で計器類のみを接続します。照明や動力などの一般負荷用電源として使用することは容量面・精度面からできません。
解き方
- VTの用途、定格二次電圧(110V)、保護用の高圧ヒューズ設置などの基本事項を確認する。
- VTの容量(負担)が非常に小さく、照明などの一般電力負荷に電力を供給するものではないことを確認する。
- 「所内の照明電源として使用することができる」という記述が誤りであると特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 高圧受電設備用VTの定格二次電圧は一般に110V(JIS規格)であり、正しい記述です。
- 選択肢 ロ不正解
- VTの一次側(電源側)には事故波及を防ぐため、十分な短絡遮断容量をもつ高圧限流ヒューズを取り付ける必要があり、正しい記述です。
- 選択肢 ハ正解
- VTは計測・保護継電器用の変成器であり容量が小さいため、照明電源等の一般負荷用電源として使用することはできず誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- VTには測定精度を保証する定格負担(VA)が定められており、定格負担以下で使用する必要があるため正しい記述です。
覚えるポイント
- VTは計器・保護継電器動作用であり、一般照明や一般動力の電源には使用できない。
間違えやすいところ
- VT二次電圧が低圧110Vであることから照明用電源に流用できると勘違いしやすい。
出題の前提:JIS C 1731-1 計器用変成器、内線規程
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp)
進相コンデンサと直列リアクトルの仕様と施設
進相コンデンサ設備 · 進相コンデンサ / 直列リアクトル / 放電抵抗 / 第5高調波
受電設備図中の③に示す進相コンデンサ(SC)と直列リアクトル(SR)に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
三相交流回路に多く含まれる第5高調波を抑制し、コンデンサ投入時の突入電流を抑制するため、進相コンデンサには直列リアクトルを直列に接続します。第5高調波において誘導性(ωL > 1/(5ωC))とするには、5ωL > 1/(5ωC) より ωL > (1/25) × (1/ωC) = 0.04 × (1/ωC)、すなわち4%以上のリアクタンスが必要です。周波数変動等の余裕を見込み、JISでは一般に6%(または第3高調波対策用の13%)が標準仕様として定められています。
解き方
- 直列リアクトルの設置目的(高調波抑制・突入電流抑制)を確認する。
- 直列リアクトルの標準容量がコンデンサ容量の6%(理論値4%以上)であることを確認する。
- イの「5%のものが使用される」という記述が誤りであると判断する。
- 選択肢 イ正解
- 直列リアクトルの容量は、第5高調波対策として一般にコンデンサ容量の6%のものが標準として使用されるため、5%とする記述は誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- 直列リアクトルは高調波電流(主に第5高調波)による障害防止および回路開閉時の突入電流抑制のために施設されるため、正しい記述です。
- 選択肢 ハ不正解
- 高圧進相コンデンサには開放後の残留電荷を5秒以内に50V以下に放電させる放電装置(放電抵抗)を内蔵または付設するため、正しい記述です。
- 選択肢 ニ不正解
- 進相コンデンサの保護装置として、短絡電流を遮断・抑制する限流ヒューズを一次側に設置するのは適切であり、正しい記述です。
覚えるポイント
- 直列リアクトルの標準容量は「6%」(第5高調波抑制のため理論値4%以上+余裕)。
間違えやすいところ
- 5%や8%などの適当な数値と混同しないこと(標準は6%、第3高調波用は13%)。
出題の前提:JIS C 4902 高圧及び特別高圧進相コンデンサ用直列リアクトル
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp)
ケーブルラックの施工方法
配線設計・施工方法 · ケーブルラック工事 / 内線規程 / 離隔距離
高圧受電設備及び低圧屋内幹線設備において、図中の④に示すケーブルラックの施工に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
ケーブルラック工事では、ラック自体の支持・固定やD種接地工事、防火区画貫通部の耐火被覆処置が義務付けられています。強電流電線(低圧ケーブル相互)同士であれば隔離用のセパレータは不要ですが、弱電流電線等と混在させる場合には離隔またはセパレータによる離隔保護が求められます。
解き方
- ケーブルラックの施工基準(接地、防火区画貫通部の処理、支持固定)を確認する。
- 低圧の電灯幹線ケーブルと動力幹線ケーブルの並設条件を検討し、セパレータ設置が義務であるか判定する。
- 選択肢 イ不正解
- 低圧電路を敷設する金属製ケーブルラックには、原則としてD種接地工事を施す必要があります。
- 選択肢 ロ不正解
- 受電室等の防火区画の壁をケーブルラックが貫通する場合、法令および内線規程に基づき延焼防止措置(耐火処理)が必要です。
- 選択肢 ハ不正解
- ケーブルラックは荷重に耐えられるよう、フレームパイプや造営材等に堅固に支持・固定する必要があります。
- 選択肢 ニ正解
- 低圧の電灯幹線と動力幹線のケーブル相互間にはセパレータを設ける義務規定はなく、誤りです。
覚えるポイント
- ケーブルラック相互でセパレータが必要なのは、弱電流電線と強電流電線を同一ラックに収容する場合です。
間違えやすいところ
- 動力回路と電灯回路で電圧系統が異なる場合でも、ともに低圧ケーブルであればセパレータは必須ではない点を見落としやすいです。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈、内線規程
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp)
低圧幹線の許容電流と過電流遮断器の省略条件
配線設計・施工方法 · 低圧幹線 / 過電流遮断器の省略 / 分岐回路
図中の⑤に示す低圧幹線に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
低圧幹線から分岐する電路の過電流遮断器の施設位置は、原則として分岐点から3m以内です。ただし、分岐電線の許容電流が電源側幹線の過電流遮断器の定格電流の35%以上の場合は8m以内、55%以上の場合は長さの制限なく過電流遮断器を省略(任意の位置に施設)することができます。
解き方
- 各選択肢の幹線許容電流および保護遮断器の算定基準を法令・内線規程と照合する。
- 分岐の長さが10m(8m超過)のときの過電流遮断器省略に必要な許容電流の割合(55%以上)を確認し、35%の記述が誤りであると判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 幹線を構成する電線の各部分の許容電流は、その部分を通じて供給される負荷の定格電流の合計以上である必要があります。
- 選択肢 ロ不正解
- 電動機等の定格電流合計が50Aを超える場合、幹線の許容電流は電動機定格電流合計の1.1倍以上が必要です。
- 選択肢 ハ不正解
- 電動機等の負荷のみを保護する過電流遮断器の定格電流は、定格電流合計の3倍以下、かつ電線の許容電流の2.5倍以下とします。
- 選択肢 ニ正解
- 分岐点からの長さが8mを超える(10m)ため、過電流遮断器を省略するには35%ではなく55%以上の許容電流が必要です。
覚えるポイント
- 分岐点からの距離と省略基準:3m以下は制限なし、8m以下は35%以上、8m超は55%以上。
間違えやすいところ
- 35%の許容電流で省略できるのは分岐点からの長さが8m以下の場合であることを忘れ、10mでも省略できると誤認しやすいです。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第149条
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp)
絶縁抵抗計のガード端子の役割
検査・試験・測定 · 絶縁抵抗計 / ガード端子 / 高圧ケーブル測定
高圧ケーブルの絶縁抵抗の測定を行うとき、絶縁抵抗計の保護端子(ガード端子)を使用する目的として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
絶縁抵抗測定において、湿気や汚れがある絶縁物の表面には表面漏洩電流が流れます。高圧ケーブルのように体積抵抗が非常に大きい場合、表面漏れ電流の影響で測定値が大幅に小さく計測されてしまいます。表面に巻き付けた導線をガード(G)端子に接続することで、この漏れ電流を電流計の外側に逃がし、内部の体積抵抗のみを測定します。
解き方
- ガード端子の回路的役割(表面漏れ電流を電流計へ流さないようにバイパスする)を把握する。
- 目的として「表面漏れ電流による誤差を防ぐ」を選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 表面の漏れ電流を除外して純粋な内部絶縁抵抗を測定するために用いるため、誤りです。
- 選択肢 ロ正解
- 絶縁物表面の汚れや湿気等による表面漏れ電流をバイパスし、測定誤差を防ぐ目的で使用するため正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 残留電荷の放電は測定前後の接地線による接地放電で行うものであり、ガード端子の目的ではありません。
- 選択肢 ニ不正解
- メータの焼損防止ではなく、測定精度を確保するために表面漏れ電流を除外する目的です。
覚えるポイント
- ガード端子(G端子)の役割は「表面漏れ電流のバイパス(誤差防止)」です。
間違えやすいところ
- 残留電荷を放電するための端子と混同しないように注意が必要です。
出題の前提:高圧受電設備規程、電気計測器の取扱要綱
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp)
過電流継電器の試験器機
検査・試験・測定 · 過電流継電器(OCR) / 保護継電器試験 / 限時特性試験
過電流継電器の最小動作電流の測定と限時特性試験を行う場合、必要でないものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
過電流継電器(OCR)の試験では、設定電流以上で正しく動作するか(最小動作電流試験)および所定の過電流値に対する動作時間特性(限時特性試験)を確認します。試験回路には試験電流を供給・調整する電源および電圧調整器、電流を正確に読み取る電流計、動作時間を計測するサイクルカウンタ(タイマー)が必要となります。
解き方
- 過電流継電器の試験項目(最小動作電流、限時動作時間)を確認する。
- 試験に必要な機器(電流計、サイクルカウンタ、電流調整用の電圧調整器等)を挙げ、不要な測定器(電力計)を特定する。
- 選択肢 イ正解
- 過電流継電器は電流値と時間のみで作動するため、電力を測定する電力計は不要であり、これが正答(必要でないもの)です。
- 選択肢 ロ不正解
- 試験回路に流す電流値を測定するために高精度な電流計が必要となります。
- 選択肢 ハ不正解
- 電流投入から接点が動作するまでの時間(サイクル数または秒数)を計測するために必要です。
- 選択肢 ニ不正解
- 試験用変圧器等の入力電圧を調整して試験電流の大きさを可変制御するために必要です。
覚えるポイント
- OCR試験の3点セット:電流調整器(電圧調整器+変圧器)、電流計、サイクルカウンタ(タイマー)。電力計は方向継電器等の試験で必要。
間違えやすいところ
- 地絡方向継電器(DGR)試験とOCR試験で必要な機器の違いを混同しやすいです。
出題の前提:保護継電器試験標準要領
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp)
低圧屋内電路の絶縁性能の基準
法令 · 電気設備技術基準 / 絶縁抵抗 / 漏えい電流
低圧屋内配線の開閉器又は過電流遮断器で区切ることができる電路ごとの絶縁性能として、「電気設備技術基準(解釈を含む)」に適合するものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
低圧電路の絶縁抵抗値の基準(電技解釈第14条)は以下の通りです: ・対地電圧150V以下:0.1MΩ以上 ・対地電圧150V超300V以下:0.2MΩ以上 ・対地電圧300V超:0.4MΩ以上 また、電気設備技術基準第58条において、漏えい電流による判定を行う場合は「1mA以下」であることが要求されます。
解き方
- 絶縁抵抗の基準値(対地電圧150V以下で0.1MΩ以上、150V超300V以下で0.2MΩ以上)と比較する。
- 漏えい電流の基準値(1mA以下)と比較し、基準を満たしている選択肢を特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 対地電圧200V(150V超300V以下)の場合、基準値は0.2MΩ以上であるため、0.1MΩは不適合です。
- 選択肢 ロ不正解
- 対地電圧100V(150V以下)の場合、基準値は0.1MΩ以上であるため、0.05MΩは不適合です。
- 選択肢 ハ不正解
- 漏えい電流の基準値は1mA以下であるため、2mAは不適合です。
- 選択肢 ニ正解
- 漏えい電流が0.5mAであり、基準値である1mA以下を満たしているため適合します。
覚えるポイント
- 低圧電路の絶縁性能:漏えい電流基準は1mA以下。絶縁抵抗は150V以下が0.1MΩ以上、300V以下が0.2MΩ以上、300V超が0.4MΩ以上。
間違えやすいところ
- 対地電圧と線間電圧を取り違えて絶縁抵抗基準を誤判別しやすいので、設問文が「対地電圧」であることを確認する必要があります。
出題の前提:電気設備に関する技術基準を定める省令 第58条、電気設備の技術基準の解釈 第14条
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
第一種電気工事士の独占作業範囲
法令 · 電気工事士法 / 自家用電気工作物 / 第一種電気工事士の作業範囲
第一種電気工事士免状の交付を受けている者でなければ従事できない作業はどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
電気工事士法において、第一種電気工事士の資格が必要とされる作業は「一般用電気工作物」および「最大電力500kW未満の自家用電気工作物(需要設備)」の電気工事です。500kW以上の需要設備や、発電所・変電所等の電気工作物は電気事業法に基づく電気主任技術者の保安管理のもとで行われるため電気工事士法の対象外となります。また、ケーブルを管路に収める作業や配電盤の取付等の軽微な作業は資格不要です。
解き方
- 電気工作物の種別(自家用電気工作物:最大電力500kW未満の需要設備)に該当するか確認する。
- 作業内容が電気工事士法施工令等で定める軽微な作業でないか確認し、変圧器への接続作業が該当することを判別する。
- 選択肢 イ不正解
- 最大電力500kW以上の需要設備は電気工事士法の適用対象外であり、またケーブルを管路に収める作業は軽微な作業にあたるため誰でも従事可能です。
- 選択肢 ロ不正解
- 発電所の工作物は電気工事士法の対象外であり、また配電盤を造営材に取り付ける作業自体も軽微な作業です。
- 選択肢 ハ正解
- 最大電力500kW未満の自家用電気工作物において、高圧機器に電線を接続する作業は第一種電気工事士でなければ従事できません。
- 選択肢 ニ不正解
- 電気事業用の配電用変電所は電気工事士法の適用対象外です。
覚えるポイント
- 第一種電気工事士の業務対象:最大電力500kW未満の需要設備および一般用電気工作物。管路への引き入れ等の軽微な作業は資格不要。
間違えやすいところ
- 「高圧=第一種電気工事士が必要」と考えがちですが、500kW以上の設備や変電所・発電所は電気工事士法の対象外であることを見落としやすいです。
出題の前提:電気工事士法 第2条、第3条、施行令第1条・第2条
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
第一種電気工事士の義務と制限
法令 · 電気工事士法 / 特種電気工事 / 定期講習 / 免状携帯
電気工事士法において、第一種電気工事士に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
第一種電気工事士は、最大電力500kW未満の自家用電気工作物の工事に従事できますが、「特種電気工事」(ネオン工事および非常用予備発電装置工事)については、別途「特種電気工事資格者証」の交付を受けた者でなければ従事できません。また、免状交付には実務経験が必要であり、交付後は5年ごとの定期講習受講義務および作業時の免状携帯義務が課せられます。
解き方
- 第一種電気工事士の業務範囲の例外(特種電気工事)を確認する。
- 非常用予備発電装置の工事は特種電気工事資格者でなければ従事できないため、ロの記述が誤りであると判定する。
- 選択肢 イ不正解
- 第一種電気工事士試験に合格しても、法に定める所定の実務経験年数を満たさなければ免状は交付されません。
- 選択肢 ロ正解
- 非常用予備発電装置に係る工事は特種電気工事であるため、特種電気工事資格者でなければ従事できず、誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 第一種電気工事士は、免状交付を受けた日(または前回の講習受講日)から5年以内ごとに定期講習を受ける義務があります。
- 選択肢 ニ不正解
- 電気工事士が電気工事の作業に従事するときは、電気工事士免状を携帯していなければなりません。
覚えるポイント
- 特種電気工事(ネオン工事・非常用予備発電装置工事)は第一種電気工事士であっても施工不可(特種電気工事資格者が必要)。
間違えやすいところ
- 第一種電気工事士であれば自家用電気工作物の全ての工事ができると誤解しやすい点に注意が必要です。
出題の前提:電気工事士法 第3条、第4条、第5条の4、第5条の6
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
特定電気用品の判別
法令 · 電気用品安全法 / 特定電気用品 / 配線器具
定格電圧100 [V]以上300 [V]以下の機器又は器具であって、電気用品安全法の適用を受ける特定電気用品はどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
電気用品安全法では、特に危険性や障害の発生するおそれが高いものを「特定電気用品」(別表第一、ひし形PSE)として指定しています。定格電流100A以下の配線用遮断器や漏電遮断器、コード類、変圧器等は特定電気用品です。一方、電動機やコンデンサは「特定電気用品以外の電気用品」(別表第二、丸形PSE)であり、電力量計は計量法の規制対象製品です。
解き方
- 各器具が電気用品安全法の「特定電気用品」か「特定電気用品以外の電気用品」か、他法令(計量法)対象かを確認する。
- 定格電流100A以下の配線用遮断器が特定電気用品に指定されていることから、定格電流60Aの配線用遮断器を選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 電力量計は計量法の対象となる計量器であり、電気用品安全法の特定電気用品ではありません。
- 選択肢 ロ正解
- 定格電流100A以下の配線用遮断器は特定電気用品に指定されているため、60Aの配線用遮断器は特定電気用品です。
- 選択肢 ハ不正解
- 単相電動機は特定電気用品以外の電気用品(別表第二)に該当します。
- 選択肢 ニ不正解
- 進相コンデンサ等のコンデンサ類は特定電気用品以外の電気用品に分類されます。
覚えるポイント
- 特定電気用品(ひし形PSE)の代表例:定格電流100A以下の配線用遮断器・漏電遮断器、差し込みプラグ、コンセント、コード類。
間違えやすいところ
- 電力量計は電気用品安全法ではなく計量法の検定品であること、電動機やコンデンサは「特定電気用品以外の電気用品」であることを整理しておく必要があります。
出題の前提:電気用品安全法施行令 別表第一
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧受電設備の保護継電器の識別
配線図 · 地絡方向継電器 / PAS / 受電設備
高圧受電設備の単線結線図において、引込開閉器近傍の①で示す記号の保護継電器の名称として、正しいものを答えなさい。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
架空引込の高圧自家用受電設備では、構内事故時にのみ確実に電源を遮断し、他所での地絡事故によるもらい事故(不要遮断)を防止するため、零相電流と零相電圧の位相差から構内・構外の地絡を判別できる地絡方向継電器(DGR)が用いられます。
解き方
- 単線結線図の屋外引込開閉器(PAS)付近にある継電器記号①を確認する。
- 記号の入力として零相電流および零相電圧が導入されている構成から、地絡方向継電器(DGR)であると判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 地絡過電圧継電器(OVR/OVGR)は零相電圧の大きさのみを検出し、地絡の方向までは判別しません。
- 選択肢 ロ不正解
- 過電流継電器(OCR)は電路の過電流や短絡電流を検出するものであり、図中の文字表記は「I >」となります。
- 選択肢 ハ不正解
- 比率差動継電器(DFR)は主変圧器内部などの短絡・地絡を差電流比率で検出する継電器であり該当しません。
- 選択肢 ニ正解
- 図記号①はZCTとZPDからの入力を受けて動作する地絡方向継電器(DGR)を示しています。
覚えるポイント
- PASと組み合わせて波及事故を防止する保護継電器は地絡方向継電器(DGR)
間違えやすいところ
- 地絡過電圧継電器(OVGR)や地絡継電器(GR)との記号・用途の違いに注意する
出題の前提:電気設備技術基準の解釈及び自家用電気工作物の保安基準
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
電力需給用計器用変成器(VCT)の外観識別
配線図 · VCT / 電力需給用計器用変成器 / 受電設備機器
高圧受電設備の単線結線図において、電力量計(Wh)とともに②に設置する機器の外観写真として、適切なものを答えなさい。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
電力需給用計器用変成器(VCT)は、電力会社が取引計量を行うために変圧器(VT)と変流器(CT)を1つの容器(油入形またはモールド形)にコンパクトに収めた複合変成器です。
解き方
- 単線結線図中の②の位置が、責任分界点直後の電力量計(Wh)へ接続される変成器(VCT)であることを確認する。
- 選択肢の外観写真から、油入式でVTとCTが一体に組み込まれた電力需給用計器用変成器(ニ)を特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 高圧進相コンデンサの外観であり、電力計量用の変成器ではありません。
- 選択肢 ロ不正解
- 高圧配電盤内に用いられる3相用の計器用変流器(CT)の外観です。
- 選択肢 ハ不正解
- 単相用の計器用変圧器(VT)の外観であり、VCTではありません。
- 選択肢 ニ正解
- 油入箱形の外郭に高圧一次側ブッシングおよび二次端子箱を備えた電力需給用計器用変成器(VCT)の外観です。
覚えるポイント
- 受電点近くの電力量計(Wh)に接続される変成器はVCT(VTとCTのコンビネーション)
間違えやすいところ
- 単体の計器用変流器(CT)や計器用変圧器(VT)の写真と混同しないようにする
出題の前提:電気設備技術基準及び日本電気技術規格委員会規格
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp)
電力需給用計器用変成器(VCT)の結線図
配線図 · VCT / 結線図 / V結線
高圧受電設備の単線結線図において、③の部分(三相3線式の電力需給用計器用変成器 VCT)に設置する機器の内部結線図として、正しいものを答えなさい。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
三相3線式回路の電力を2電力計法で計測するため、電力需給用計器用変成器(VCT)の内部には2台の計器用変圧器(VT)がV結線され、2相分の計器用変流器(CT)が組み込まれています。
解き方
- 受電線路が三相3線式(3φ3W 6600V)であることを確認する。
- 三相3線式のVCT内部結線はVTが2台のV-V結線、CTが2台挿入された方式(ハ)を選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 三相4線式等で用いられるY-Y結線などであり、三相3線式標準の2VT-2CT結線ではありません。
- 選択肢 ロ不正解
- 一次側がデルタ接続された構成となっており、三相3線式VCTの結線図として誤りです。
- 選択肢 ハ正解
- VTが2台のV結線、CTが2台で構成されており、三相3線式VCTの標準結線図として正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 変圧器および変流器の台数と接続方法が不適切であり、三相3線式のVCT結線ではありません。
覚えるポイント
- 三相3線式の電力計量(VCT)は2台のVT(V結線)+2台のCTの組合せ
間違えやすいところ
- 三相4線式用の3VT-3CT構成と混同しないように配線方式を確認する
出題の前提:高圧受電設備規程及び計量法関連規程
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp)
計器用変圧器(VT)用一次側ヒューズの目的
受電設備 · 高圧限流ヒューズ / VT / 保護協調
高圧受電設備の単線結線図において、計器用変圧器(VT)の一次側に設置された高圧ヒューズ④を使用する主目的として、正しいものを答えなさい。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
計器用変圧器(VT)の負荷容量は極めて小さく過負荷の懸念は少ないものの、VT自体の絶縁劣化等により内部短絡が生じると高圧母線の短絡事故に至ります。これを高速遮断して主回路を守るために一次側限流ヒューズを設置します。
解き方
- 結線図中の④がVT一次側に直列に設けられた高圧ヒューズであることを確認する。
- ヒューズの定格電流と保護目的を照合し、VTの短絡事故による主回路への波及防止が主目的であると判断する。
- 選択肢 イ不正解
- ヒューズが切れると欠相状態になるため、欠相防止目的ではありません。
- 選択肢 ロ不正解
- VTの二次側負荷は極めて小さいため、一次側ヒューズで過負荷保護を行うものではありません。
- 選択肢 ハ不正解
- 雷サージからの保護は避雷器(LA)の役割であり、ヒューズの目的ではありません。
- 選択肢 ニ正解
- 計器用変圧器自体の内部短絡事故が発生した際、主回路へ短絡影響が波及するのを防止するために限流ヒューズが設置されます。
覚えるポイント
- VT一次側ヒューズはVT事故時の主回路波及防止が目的
間違えやすいところ
- 過負荷防止や雷サージ対策と混同しない
出題の前提:高圧受電設備規程及び電気設備技術基準の解釈
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp)
避雷器(LA)装置の図記号の判別
配線図 · 避雷器 / LA / 断路器 / 図記号
高圧受電設備の単線結線図において、母線から接地線に向けて接続される⑤の部分に設置する避雷器装置の図記号として、正しいものを答えなさい。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
高圧受電設備では、架空電線路からの雷サージ等の異常電圧を大地へ放流して機器を保護するために避雷器(LA)を設置します。点検時の安全確保のため断路器(DS)を前段に設ける構成が標準的です。
解き方
- 単線結線図の主遮断器電源側母線から分岐して接地されている⑤の機器が避雷器(LA)であることを特定する。
- 断路器と避雷器の記号が正しく組み合わされている図記号(イ)を選択する。
- 選択肢 イ正解
- 断路器(DS)と避雷器(LA、ギャップレスまたは非直線抵抗体と接地の組合せ)を示す正しい図記号です。
- 選択肢 ロ不正解
- 断路器とコンデンサシンボルが描かれており、避雷器の図記号ではありません。
- 選択肢 ハ不正解
- 開閉部および避雷器の記号表現がJIS規格に適合していません。
- 選択肢 ニ不正解
- 下部の記号が抵抗器等を示しており、避雷器の記号ではありません。
覚えるポイント
- 避雷器(LA)の図記号は非直線抵抗素子と接地の組み合わせで描かれる
間違えやすいところ
- 進相コンデンサや放電抵抗の図記号と見誤らないようにする
出題の前提:JIS C 0617(電気用図記号)及び高圧受電設備規程
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp)
計器用変流器(CT)の役割
受電設備 · 変流器 / CT / 計測機器
高圧受電設備の単線結線図において、主遮断器の負荷側⑥で示す機器(計器用変流器:CT)の役割として、正しいものを答えなさい。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
計器用変流器(Current Transformer: CT)は、高圧大電流回路から測定・保護用の低圧標準電流(二次定格5A)へと電流値を変流・絶縁分離するための機器です。
解き方
- 単線結線図中の記号⑥が電路に直列接続された計器用変流器(CT)であることを確認する。
- CTの基本的役割である「高圧電路の電流を変流する」(ハ)を選ぶ。
- 選択肢 イ不正解
- 高電圧を低電圧に変圧するのは計器用変圧器(VT)の役割です。
- 選択肢 ロ不正解
- 侵入した異常過電圧を大地に逃がして抑制するのは避雷器(LA)の役割です。
- 選択肢 ハ正解
- 計器用変流器(CT)は高圧電路の大電流を小電流に変流して計器や保護継電器に供給する役割を持ちます。
- 選択肢 ニ不正解
- 電路の異常を検出して警報を出すのは継電器や警報装置の役割であり、CTそのものの直接の機能ではありません。
覚えるポイント
- CTは電流を変流する機器(二次側定格電流は通常5A)
間違えやすいところ
- VT(電圧を変圧)とCT(電流を変流)の役割の取り違えに注意
出題の前提:電気設備技術基準及びJIS C 1731(計器用変成器)
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp)
受電盤に設置される指示電気計器の組合せ
配線図 · 指示計器 / 電力計 / 力率計 / 計装
高圧受電設備の単線結線図において、計器用変圧器(VT)および計器用変流器(CT)の双方から入力を受けている⑦の部分に設置する機器(計器)の組合せとして、適切なものを答えなさい。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
指示電気計器のうち、電圧計(V)や周波数計(Hz)は電圧入力のみ、電流計(A)は電流入力のみで動作しますが、電力計(W/kW)と力率計(cosφ)は電圧と電流の両方の位相と大きさを同時に検出して測定します。
解き方
- 単線結線図の計器⑦の配線を確認すると、VT二次側母線(電圧線)とCT二次側回路(電流線)の両方が引き込まれていることを読み取る。
- 電圧と電流の双方が必要な計器は電力計(kW)および力率計(cosφ)であるため、銘板単位がkWとcosφとなっている組合せ写真(ハ)を選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 電流計(A)はCTからの電流入力のみで動作し、VTからの電圧入力を必要としません。
- 選択肢 ロ不正解
- 周波数計(Hz)はVTからの電圧入力のみで動作し、CTからの電流入力を必要としません。
- 選択肢 ハ正解
- 電力計(kW)と力率計(cosφ)はともに電圧と電流の両入力を必要とする計器であり、結線と写真の双方に合致します。
- 選択肢 ニ不正解
- 電流計(A)は電流入力のみ、周波数計(Hz)は電圧入力のみで動作するため不適切です。
覚えるポイント
- 電力計(kW)と力率計(cosφ)は電圧(VT)と電流(CT)の両方の入力が必要
間違えやすいところ
- 電流計が単独のCT接続で動くことを見落として選択しないようにする
出題の前提:高圧受電設備規程及び電気計測一般基準
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
進相コンデンサ開閉用機器の略号
配線図 · LBS / 進相コンデンサ / 高圧交流負荷開閉器
高圧受電設備の単線結線図において、進相コンデンサ回路の開閉装置として⑧で示す機器の略号として、正しいものを答えなさい。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
高圧受電設備において進相コンデンサ回路や小容量変圧器回路の開閉および短絡保護用として、負荷開閉器に電力ヒューズ(Power Fuse: PF)を組み合わせたPF付高圧交流負荷開閉器(LBS)が多用されます。
解き方
- 結線図の⑧記号が負荷開閉器の接点記号に電力ヒューズ(PF)記号が直列に付属している構成であることを確認する。
- PF付高圧交流負荷開閉器を表す略号「LBS(PF付)」(ハ)を選択する。
- 選択肢 イ不正解
- VCBは真空遮断器(Vacuum Circuit Breaker)の略号であり、図記号が異なります。
- 選択肢 ロ不正解
- PCはプライマリカットアウトスイッチ(高圧カットアウト)の略号であり該当しません。
- 選択肢 ハ正解
- PF付高圧交流負荷開閉器(Load Break Switch with PF)の図記号であり、正解です。
- 選択肢 ニ不正解
- DSは断路器(Disconnecting Switch)の略号であり、ヒューズなしの開閉記号となります。
覚えるポイント
- 負荷開閉器にヒューズ記号が付いているものはLBS(PF付)
間違えやすいところ
- 断路器(DS)や高圧カットアウト(PC)の図記号と混同しない
出題の前提:JIS C 0617(電気用図記号)及び高圧受電設備規程
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
単線結線図における変圧器の選定と台数
配線図 · 受電設備 / 変圧器 / 結線方式
高圧受電設備の単線結線図において、⑨で示す変圧器部分に設置する機器の外観写真および台数の組合せとして、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
単線結線図において変圧器の記号(重なり合う円)とともに「Δ-Δ」と結線記号が明記されている場合、単相変圧器を3台組み合わせて三相Δ-Δ結線を構成するバンクを表します。油入変圧器の外観では、単相用は高圧側ブッシングが2本(一次側端子2箇所)、三相一体型では高圧側ブッシングが3本配置される特徴があります。
解き方
- 単線結線図の記号⑨を確認し、変圧器の一次・二次結線が「Δ-Δ」であることから単相変圧器3台による三相結線バンクであることを読み取る。
- 選択肢の外観写真から、一次側に高圧ブッシングを2本備える単相油入変圧器を3台使用している「ニ」を特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 三相一体型変圧器(1台)の写真であり、単相変圧器3台によるΔ-Δ結線を表す⑨の仕様と台数に適合しません。
- 選択肢 ロ不正解
- 単相変圧器1台のみの写真であり、Δ-Δ結線を構成するために必要な台数(3台)を満たしていません。
- 選択肢 ハ不正解
- 端子配置や構造が異なる変圧器であり、一般的な屋外・キュービクル用単相油入変圧器3台の構成として不適当です。
- 選択肢 ニ正解
- 高圧ブッシングを2本有する単相変圧器3台で構成されており、Δ-Δ結線を行う機器および台数として正確です。
覚えるポイント
- 単相変圧器の高圧側ブッシングは2本、三相変圧器は3本である点に着目する。
- 「Δ-Δ」の三相回路を変圧器記号で構成する場合、単相変圧器が3台必要となる。
間違えやすいところ
- 三相負荷用の変圧器だからといって、三相変圧器1台(イ)と早合点しないこと。
- ブッシングの本数を確認せず、単相1台(ロ)を選んでしまう誤りに注意する。
出題の前提:電気設備技術基準・解釈およびJIS C 0617(電気用図記号)に基づく単線結線図の図記号表示規則。
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
B種接地工事の接地線太さの最小値
電気設備技術基準・解釈 · 接地工事 / B種接地工事 / 接地線の太さ
高圧受電設備の単線結線図において、⑩の部分(高圧変圧器二次側のB種接地工事)に使用する軟銅線の直径の最小値〔mm〕として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
B種接地工事は、高圧または特別高圧と低圧の混触事故時に、低圧電路の電位上昇を抑制して人体への感電や火災を防止するために変圧器の低圧側に施設されます。事故電流を安全に大地へ流す機械的強度と通電容量を確保するため、接地線には直径2.6mm以上の軟銅線(引張強さ1.04kN以上)を使用することが規定されています。
解き方
- 結線図の⑩が変圧器低圧電路の中性点または端子に施されるB種接地工事の接地線であることを特定する。
- 電気設備技術基準の解釈におけるB種接地工事の接地線の規定(直径2.6mm以上の軟銅線)を適用して最小値を選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 直径1.6mmはD種接地工事やC種接地工事における接地線の最小太さであり、B種接地工事には使用できません。
- 選択肢 ロ正解
- 電気設備技術基準の解釈第17条で定められた、B種接地工事に使用する軟銅線の最小直径2.6mmに合致しています。
- 選択肢 ハ不正解
- 直径3.2mmは特別高圧側など特殊な基準等で現れる数値であり、B種接地工事の最小太さ規定ではありません。
- 選択肢 ニ不正解
- 直径4.0mmはA種接地工事の特定条件等で求められることがありますが、本問のB種接地線の最小値基準ではありません。
覚えるポイント
- A種接地工事:直径2.6mm以上の軟銅線
- B種接地工事:直径2.6mm以上の軟銅線
- C種・D種接地工事:直径1.6mm以上の軟銅線
間違えやすいところ
- C種・D種接地工事の最小太さである直径1.6mm(イ)と混同しないようにする。
- A種・B種の基準値(2.6mm)を正確に記憶しておく必要がある。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第17条(接地工事の種類及び施設方法)
出典:電気技術者試験センター『平成22年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
平成22年度第一種電気工事士筆記試験
参照した公式資料
電気技術者試験センターが公開した平成22年度第一種電気工事士筆記試験の問題・解答資料です。

