学科(旧称:筆記)の問題と公式解答を種別・年度・期・午前午後で区別しています。CBTの出題例は過去の筆記試験とは別種別です。技能の課題は学科と分けて収録しています。
試験の概要
平行平板コンデンサの静電容量
電気理論 · 静電容量 / 平行平板コンデンサ / 誘電率
図のように、電極面積 S〔m²〕の平行平板電極間に、厚さ d〔m〕で誘電率 ε〔F/m〕の絶縁物が満たされている平行平板コンデンサがある。直流電圧 V〔V〕が加わっているとき、このコンデンサの静電容量 C〔F〕に関する記述として、正しいものはどれか。
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解答
ロ
解説
平行平板コンデンサの静電容量 C〔F〕は、電極の面積を S〔m²〕、電極間の離隔距離を d〔m〕、誘電体の誘電率を ε〔F/m〕とすると、C = ε・(S / d) で表されます。したがって静電容量 C は、電極の面積 S および誘電率 ε に比例し、電極の離隔距離 d に反比例します。また、静電容量は電極の幾何学的形状と誘電体の種類で決まるため、加わる電圧 V には依存しません。
解き方
- 平行平板コンデンサの静電容量を表す基本公式 C = εS/d を確認する。
- 各変数(V、S、d、ε)と静電容量 C の比例・反比例関係を照合し、電極の面積 S に比例するという記述が正しいと判断する。
- 選択肢 イ不正解
- 静電容量 C は電極の形状や誘電体で定まる固有値であり、印加電圧 V に比例せず無関係です。
- 選択肢 ロ正解
- 公式 C = εS/d より、静電容量 C は電極の面積 S に比例するため正しい記述です。
- 選択肢 ハ不正解
- 公式 C = εS/d より、静電容量 C は電極の離隔距離 d に比例するのではなく反比例します。
- 選択肢 ニ不正解
- 公式 C = εS/d より、静電容量 C は誘電率 ε に反比例するのではなく比例します。
覚えるポイント
- 平行平板コンデンサの静電容量公式 C = εS/d
間違えやすいところ
- 電荷の公式 Q = CV から C が電圧 V に比例すると混同しないように注意が必要です。
出題の前提:平成21年度第一種電気工事士筆記試験問題 一般問題 問1
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
直並列回路における抵抗の消費電力計算
電気理論 · 直流回路 / 合成抵抗 / オームの法則 / 消費電力
図のような直流回路において、図中に示す抵抗Aの消費電力〔W〕として、正しいものはどれか。ただし、回路中の各抵抗値は図に示すとおりであり、電源電圧は直流 105〔V〕とする。
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解答
ニ
解説
直並列回路の計算では、直列および並列に接続された各部分の合成抵抗を順次求めて全体の等価抵抗を算出します。電源電圧と全合成抵抗からオームの法則(I = V / R)によって全電流を求め、対象とする抵抗を流れる電流または端子間電圧を特定した上で、消費電力の公式 P = I²R を適用して求めます。
解き方
- 回路の並列部分を構成する2つの経路の抵抗を求める。3Ωの抵抗が3個直列になった経路(9Ω)と、3Ωの抵抗1個の経路が並列接続されているため、並列部の合成抵抗は (9 × 3) / (9 + 3) = 27 / 12 = 2.25Ω となる。
- 回路全体の合成抵抗を求める。並列部(2.25Ω)と直列に抵抗A(3Ω)が接続されているため、全体の合成抵抗は 2.25 + 3 = 5.25Ω となる。
- 電源から流れ出る全電流 I を求める。I = 105 / 5.25 = 20A であり、この全電流がそのまま抵抗Aを通過する。
- 抵抗Aの消費電力 P を計算する。P = I² × R_A = 20² × 3 = 400 × 3 = 1200W となる。
- 選択肢 イ不正解
- 計算結果である 1200W と合致しないため誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- 計算結果である 1200W と合致しないため誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 計算結果である 1200W と合致しないため誤りです。
- 選択肢 ニ正解
- 回路全体の合成抵抗 5.25Ω から全電流が 20A と求まり、抵抗Aでの消費電力は 20² × 3 = 1200W となるため正しいです。
覚えるポイント
- 直並列回路の合成抵抗の求め方(和分の積)と電力公式 P = I²R
間違えやすいところ
- ラダー状回路の接続関係を見誤り、直列接続された3個の抵抗(9Ω)と並列抵抗(3Ω)の合成計算を間違えることがあります。
出題の前提:平成21年度第一種電気工事士筆記試験問題 一般問題 問2
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
正弦波交流回路における消費電力の計算
配線理論 · 交流回路 / 消費電力 / 力率 / 波形と位相差
図の正弦波交流回路において、電源電圧 v と負荷電流 i の波形が図のようであった。この負荷の消費電力〔W〕として、正しいものはどれか。
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解答
イ
解説
正弦波交流回路における消費電力(有効電力)P〔W〕は、電圧の実効値 V〔V〕、電流の実効値 I〔A〕、および電圧と電流の位相差 θ を用いて P = V・I・cos θ で表されます。波形図から読み取れる振幅値は最大値(波高値)であるため、実効値を求める際にはそれぞれ √2 で除算する必要があります。
解き方
- 波形図より、電圧の最大値 V_m = 140V、電流の最大値 I_m = 10A、および位相差 θ = 60° を読み取る。
- 実効値を計算する。V = 140 / √2 V、I = 10 / √2 A である。
- 消費電力 P = V・I・cos θ に値を代入する。P = (140 / √2) × (10 / √2) × cos 60° = (1400 / 2) × 0.5 = 700 × 0.5 = 350W を得る。
- 選択肢 イ正解
- 最大値を実効値に換算した上で力率 cos 60° = 0.5 を乗じることで、P = (140/√2)×(10/√2)×0.5 = 350W と正しく計算されています。
- 選択肢 ロ不正解
- 無効電力 Q = VI sin 60° ≒ 700 × 0.866 ≒ 606var を算出した値であり誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 力率を考慮せず皮相電力 S = VI = 700VA を算出した値であり誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 最大値から実効値への換算を行わずに V_m × I_m = 1400 をそのまま計算した値であり誤りです。
覚えるポイント
- 交流の消費電力公式 P = VI cos θ、実効値 = 最大値 / √2
間違えやすいところ
- 波形のピーク値(最大値)を実効値と誤認して √2 で割ることを忘れてしまう誤りが非常に多いです。
出題の前提:平成21年度第一種電気工事士筆記試験問題 一般問題 問3
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.3 ↗(www.shiken.or.jp)
三相交流回路の線電流計算(Δ-Y変換)
配線理論 · 三相交流回路 / Δ-Y変換 / 線電流 / 相電圧
図のような三相交流回路において、電流 I〔A〕として、正しいものはどれか。ただし、電源は線間電圧 200〔V〕の三相3線式交流電源とし、各線路には 3〔Ω〕の抵抗が接続され、負荷として各相 6〔Ω〕の抵抗が Δ(デルタ)結線されている。
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解答
イ
解説
対称三相交流回路において線路抵抗とΔ結線負荷が混在する場合、Δ負荷を等価なY結線負荷に変換して1相分の等価回路で解析します。平衡Δ結線の各相インピーダンス Z_Δ をY結線に変換すると、各相インピーダンスは Z_Y = Z_Δ / 3 となります。Y結線の相電圧 V_p は線間電圧 V_l の 1/√3 倍(V_p = V_l / √3)となり、線電流 I は相電圧を1相の全インピーダンスで除することで算出できます。
解き方
- 各相 6Ω のΔ結線負荷を等価Y結線に変換する。Y結線の各相抵抗は R_Y = 6 / 3 = 2Ω となる。
- 1相あたりの合計抵抗を求める。線路抵抗 3Ω と等価負荷抵抗 2Ω が直列接続されるため、R = 3 + 2 = 5Ω である。
- 電源の線間電圧 200V から1相あたりの相電圧を求める。V_p = 200 / √3 V である。
- 線電流 I を計算する。I = V_p / R = (200 / √3) / 5 = 40 / √3 A と求まる。
- 選択肢 イ正解
- Δ-Y変換で負荷抵抗が 2Ω となり、線路抵抗と合わせた1相の抵抗 5Ω に相電圧 200/√3 V を適用することで、I = 40/√3 A と正しく計算されています。
- 選択肢 ロ不正解
- 計算過程での数値換算が誤っており、不適切な値です。
- 選択肢 ハ不正解
- 相電圧への換算(1/√3)を行わずに線間電圧 200V をそのまま全抵抗 5Ω で割ってしまった誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 相電圧を求める際に √3 で除算すべきところを誤って乗算するなどした不適切な値です。
覚えるポイント
- 平衡Δ負荷をY負荷に変換するとインピーダンスは 1/3(R_Y = R_Δ / 3)になること
間違えやすいところ
- Δ-Y変換時に誤って3倍にしてしまうミスや、1相あたりの回路を計算する際に相電圧(線間電圧 / √3)ではなく線間電圧をそのまま使ってしまうミスに注意が必要です。
出題の前提:平成21年度第一種電気工事士筆記試験問題 一般問題 問4
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.4 ↗(www.shiken.or.jp)
計器の動作原理を示すJIS記号
電気計測 · 指示電気計器 / 計器記号 / 可動鉄片形
指示電気計器の目盛板に表示される測定機構の記号のうち、可動鉄片形計器であることを示すJIS記号として、正しいものはどれか。
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解答
ロ
解説
指示電気計器の目盛板には、JIS C 1102に基づき動作原理(測定機構)を示す記号が表示されます。可動鉄片形は交流の電圧計や電流計に広く使用され、コイルと鉄片を図記号化したものが割り当てられています。
解き方
- 提示された各選択肢の記号から、測定機構の動作原理に対応する図記号を照合する。
- コイルの磁界による鉄片の吸引・反発を利用する可動鉄片形の記号である「ロ」を特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 可動コイル形(整流形などの関連記号)を示す図記号であり、可動鉄片形ではありません。
- 選択肢 ロ正解
- コイルと可動鉄片・固定鉄片を表す可動鉄片形計器の正しいJIS記号です。
- 選択肢 ハ不正解
- 永久磁石と可動コイルを組み合わせた永久磁石可動コイル形計器の記号です。
- 選択肢 ニ不正解
- 対向する電極間の静電気力を利用する静電形計器を示す記号です。
覚えるポイント
- 可動鉄片形の記号はコイルと2枚の鉄片の形をしている
間違えやすいところ
- 永久磁石可動コイル形(U字磁石)と可動鉄片形(コイルと鉄片)の図記号の混同
出題の前提:JIS C 1102(指示電気計器)
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.4 ↗(www.shiken.or.jp)
工場の需要率および負荷率の計算
配電設計・電力計算 · 需要率 / 負荷率 / 最大需要電力 / 消費電力量
負荷設備の合計容量が500〔kW〕の工場がある。ある月の最大需要電力が250〔kW〕で、その月の需要電力量が72000〔kW・h〕であった。その月の需要率a〔%〕と負荷率b〔%〕の組合せとして、正しいものはどれか。ただし、1ヶ月は30日とする。
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解答
ニ
解説
需要率は「最大需要電力 ÷ 負荷設備容量合計 × 100〔%〕」で表され、負荷率は対象期間における「平均需要電力 ÷ 最大需要電力 × 100〔%〕」あるいは「期間中の総消費電力量 ÷ (最大需要電力 × 期間総時間数) × 100〔%〕」で計算されます。
解き方
- 需要率 a を計算する:a = (最大需要電力 250 kW / 設備容量合計 500 kW) × 100 = 50 %。
- 1ヶ月(30日)の総時間数を求める:30日 × 24時間/日 = 720時間。
- 平均需要電力を求める:72000 kW・h / 720 h = 100 kW。
- 負荷率 b を計算する:b = (平均需要電力 100 kW / 最大需要電力 250 kW) × 100 = 40 %。
- 選択肢 イ不正解
- 需要率 a が20 %と誤っており、正しくは50 %です。
- 選択肢 ロ不正解
- 需要率 a と負荷率 b の値がそれぞれ逆に計算されています。
- 選択肢 ハ不正解
- 負荷率 b の計算で時間を誤るなどして20 %としており誤りです。
- 選択肢 ニ正解
- 需要率 a が 50 %、負荷率 b が 40 %であり正しく合致しています。
覚えるポイント
- 負荷率=使用電力量÷(最大需要電力×総時間)×100%
間違えやすいところ
- 1ヶ月の時間数(30×24=720時間)の計算忘れや、負荷率と需要率の定義の取り違え
出題の前提:電気設備の設計・運用管理における需要率・負荷率の基本定義
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.4 ↗(www.shiken.or.jp)
直列リアクトル付高圧進相コンデンサの無効電力
受電設備・力率改善 · 進相コンデンサ / 直列リアクトル / 三相交流 / 無効電力
線間電圧V〔V〕の三相3線式電源に、各相の誘導性リアクタンスがX_L〔Ω〕の直列リアクトルと、各相の容量性リアクタンスがX_C〔Ω〕のY結線された高圧進相コンデンサが接続されている。この回路の進相無効電力〔var〕を示す式として、正しいものはどれか。ただし、X_C > X_Lとする。
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解答
イ
解説
三相交流回路において、Y結線の相電圧は線間電圧の1/√3倍です。各相のリアクトルとコンデンサが直列接続されているため、1相の合成リアクタンスの大きさは X_C - X_L となります。3相合計の無効電力は1相分の3倍となるため、分母の3と係数3が相殺されます。
解き方
- 1相あたりの合成リアクタンスの大きさを求める:X = X_C - X_L〔Ω〕。
- 1相あたりの相電圧 V_p を求める:V_p = V / √3〔V〕。
- 1相あたりの無効電力 Q_1 を求める:Q_1 = V_p^2 / X = (V / √3)^2 / (X_C - X_L) = V^2 / [3(X_C - X_L)]〔var〕。
- 三相全体の無効電力 Q を求める:Q = 3 × Q_1 = V^2 / (X_C - X_L)〔var〕。
- 選択肢 イ正解
- 三相分の無効電力として導出された式 V^2 / (X_C - X_L) と正しく一致しています。
- 選択肢 ロ不正解
- リアクトルとコンデンサのリアクタンスは互いに打ち消し合うため、和ではなく差になります。
- 選択肢 ハ不正解
- 分子が電圧の1乗になっており無効電力の次元と合致せず、リアクタンスの二乗和平方根も誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 分子が電圧の1乗であり、分母のリアクタンス表現も無効電力の計算式として不適切です。
覚えるポイント
- Y結線三相電力の式では(V/√3)^2×3により3が相殺されて分子がV^2となる
間違えやすいところ
- 誘導性と容量性のリアクタンスを足し算してしまうミスや、三相電力の係数3の扱いの誤り
出題の前提:三相交流回路の電力計算理論
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.4 ↗(www.shiken.or.jp)
モータブレーカの遮断特性の選定
配線設計・機器選定 · モータブレーカ / 保護協調 / 電動機始動電流 / 反限時特性
電動機の始動電流と始動時間の関係が図中に破線(-------)で示されているとき、この電動機の保護に使用されるモータブレーカの遮断特性(動作時間-電流特性)として、図中のa、b、c、dのうち最も適切なものはどれか。
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解答
ハ
解説
モータブレーカは、電動機の起動時に発生する大きな始動電流ではトリップせず(動作特性曲線が電動機始動特性より右側/上側にあること)、かつ通常の過負荷運転時には電動機が過熱・焼損する前に速やかに遮断できるよう、始動特性に近接した適切な反限時特性を持つものを選定します。
解き方
- 電動機の始動特性曲線(破線)を確認し、正常な始動時に不要動作しない特性(破線より右側に位置するもの)を判別する。aおよびbは始動電流領域で動作してしまうため除外される。
- 破線より右側にある c と d を比較する。dは動作電流・動作時間が過大であり、電動機の過負荷保護としての感度が鈍すぎる。
- 始動電流を許容しつつ、過負荷に対して速やかに遮断動作できる最も適切な曲線として c を選定する。
- 選択肢 イ不正解
- 特性曲線 a は破線より左側にあり、電動機の始動電流によって起動時にトリップしてしまいます。
- 選択肢 ロ不正解
- 特性曲線 b は始動特性曲線と交差しており、始動完了前に不要遮断を起こしてしまいます。
- 選択肢 ハ正解
- 特性曲線 c は始動特性のすぐ右側に位置し、不要動作を防ぎつつ過負荷保護を確実に行えるため最適です。
- 選択肢 ニ不正解
- 特性曲線 d は遮断特性が過大側に離れすぎており、電動機が過負荷時に保護できず焼損するおそれがあります。
覚えるポイント
- 電動機保護機器の特性曲線は始動特性曲線のすぐ右側に位置するものを選ぶ
間違えやすいところ
- 始動電流で動作しない条件だけに注目して、保護感度が鈍すぎるdを選んでしまうミス
出題の前提:電動機保護用配線遮断器(モータブレーカ)の協調設計基準
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.4 ↗(www.shiken.or.jp)
三相3線式配電線路の電力損失計算
配電理論 · 三相交流 / 力率改善 / 配電線路の電力損失
三相3線式構内配電線路の末端に力率80%(遅れ)の三相負荷があり、線電流は50Aであった。この負荷と並列に電力用コンデンサを接続して線路の力率を100%に改善したとき、この配電線路の電力損失〔kW〕として正しいものはどれか。ただし、電線1線当たりの抵抗は0.4Ω、線路のインダクタンスは無視し、負荷電圧は一定とする。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
三相3線式線路の電力損失はP=3×I^2×Rで求められます。力率を100%に改善すると、無効電流がコンデンサによって相殺され、線路を流れる電流は有効電流成分のみに減少します。
解き方
- 改善前の線電流50Aから、有効電流成分I'=50×cosθ=50×0.8=40Aを算出します。
- 力率100%改善後の線電流は有効電流成分のみとなるため、I=40Aとなります。
- 3線分の線路損失の式P=3×I^2×Rに代入し、P=3×40^2×0.4=1920W=1.92kWを求めます。
- 選択肢 イ不正解
- 計算手順または係数3の乗算を誤った値であり、正しくありません。
- 選択肢 ロ不正解
- 無効電流成分のみで損失計算を行った場合などに近い誤った数値です。
- 選択肢 ハ正解
- 力率改善後の線電流40Aより、3×40^2×0.4=1920W=1.92kWとなり正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 力率改善前の線電流50Aを用いた場合の損失3×50^2×0.4=3000W=3.00kWであり誤りです。
覚えるポイント
- 力率100%改善後の線電流は元の線電流に力率を掛けた有効分電流になります。
間違えやすいところ
- 三相線路の損失計算で電線3線分を表す係数3を掛け忘れて1線分のみ計算するミスに注意が必要です。
出題の前提:電気設備技術基準および内線規程に基づく配電計算
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
絶縁材料の耐熱クラス
電気機器 · 耐熱クラス / 許容最高温度 / 絶縁材料
電気機器の絶縁材料における耐熱クラスについて、許容最高温度〔℃〕の低いものから高いものの順に左から右へ並べたものとして、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
電気機器の絶縁材料は耐熱クラスごとに許容最高温度がJIS等で規定されており、低い順にY種(90℃)、A種(105℃)、E種(120℃)、B種(130℃)、F種(155℃)、H種(180℃)、C種(180℃超)となります。
解き方
- 各耐熱クラスの許容最高温度を確認します(Y種:90℃、E種:120℃、H種:180℃)。
- 温度の低い順(90℃→120℃→180℃)に並んでいる組み合わせを選定します。
- 選択肢 イ正解
- Y(90℃)、E(120℃)、H(180℃)と許容最高温度が低い順に並んでおり正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- 最も低いY種が末尾になっているため誤った順序です。
- 選択肢 ハ不正解
- 許容最高温度の高い順に並んでいるため誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- Y種(90℃)がE種(120℃)の後に配置されており誤りです。
覚えるポイント
- 耐熱クラスの温度順は「ヤエビフハク(Y・A・E・B・F・H・C)」等の語呂合わせで覚えます。
間違えやすいところ
- 温度の高い順と低い順の指定を取り違えて選択してしまうミスに注意が必要です。
出題の前提:JIS C 4003 電気絶縁材料の耐熱性評価及び分類
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
単相半波整流回路の出力電圧波形
配線理論 · 半波整流回路 / 平滑コンデンサ / 整流波形
実効値100V、周波数50Hzの正弦波交流電源にダイオード、平滑コンデンサC、負荷抵抗Rを接続した整流回路において、出力電圧v0の波形として適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
ダイオード1個の単相半波整流回路では、電源周波数50Hzの周期T=1/f=20msごとに正の半波のみが導通します。コンデンサは交流電圧の最大値(実効値×√2≒141V)まで充電され、非導通期間は抵抗Rへ放電して徐々に電位が低下します。
解き方
- 電源電圧の実効値100Vより、ピーク電圧(最大値)Vm=100×√2≒141.4Vを求めます。
- 電源周波数が50Hzであるため、1周期はT=1/50=0.02秒=20msであることを確認します。
- 半波整流であるため、電圧のピークが20ms周期で現れ、最大値が約141Vとなっている波形を選択します。
- 選択肢 イ正解
- ピーク電圧が約141V、ピーク間隔が50Hzの1周期である20msとなっており半波整流波形として正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- 最大値が実効値と同じ100Vになっており、最大値141Vに達していないため誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- リプル周期が10msとなっており、全波整流回路の出力波形であるため誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 全波整流かつ最大値が100Vとなっているため誤りです。
覚えるポイント
- 交流波形のピーク値は実効値の√2倍(約1.414倍)となります。
間違えやすいところ
- 単相半波整流の周期(20ms)と全波整流の周期(10ms)を混同しないように注意が必要です。
出題の前提:電気理論における整流回路の基礎特性
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
電熱器の熱効率計算
配線理論 · 電熱計算 / 熱量と電力量 / 熱効率
消費電力1〔kW〕の電熱器を1時間使用したとき、10リットルの水の温度が43〔℃〕上昇した。この電熱器の熱効率〔%〕として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
電力量1kWhの発生熱量は860kcal(または3600kJ)です。水1L(1kg)を1℃上昇させるのに必要な熱量は1kcal(約4.184kJ)であるため、水の温度上昇に必要な熱量と供給電熱エネルギーの比から熱効率を求めます。
解き方
- 1kWの電熱器を1時間使用したときの供給熱量は、W=860×1×1=860kcalです。
- 水10L(10kg)が43℃上昇するのに得た有効熱量は、Q=10×43=430kcalです。
- 熱効率η=Q/W×100=(430/860)×100=50%を算出します。
- 選択肢 イ不正解
- 計算結果の50%と合致しないため誤りです。
- 選択肢 ロ正解
- 水が得た熱量430kcalと供給熱量860kcalの比より50%となり正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- 計算結果の50%と合致しないため誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 計算結果の50%と合致しないため誤りです。
覚えるポイント
- 1kWh=860kcal=3.6×10^6J(3600kJ)の換算関係を覚えておきます。
間違えやすいところ
- 水の体積(10L=10kg)と上昇温度43℃の掛け算や、電力量と熱量の換算係数を誤るミスがあります。
出題の前提:電熱工学における電力量と熱量の換算基準
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
ラピッドスタート形蛍光灯の特徴
電気機器 · 蛍光灯 / ラピッドスタート形 / 点灯方式
ラピッドスタート形蛍光灯に関する記述として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
ラピッドスタート形蛍光灯(FLR)は、安定器内に電極予熱用の変圧器巻線を備え、点灯管(グロースタータ)を用いずに即座に点灯する方式です。放電灯であるため安定器は必須であり、発光効率はインバータを用いるHf形の方が優れています。
解き方
- 放電灯全般の特性として、電流の安定化のために安定器が不可欠であることを確認します。
- ラピッドスタート形の特徴が「点灯管不要」かつ「即時(約1秒)点灯」であることを確認します。
- Hf形蛍光灯が高周波点灯により最も高効率であることを踏まえ、各選択肢の正誤を判断します。
- 選択肢 イ不正解
- 蛍光灯は放電現象を利用するため、電流制限を行う安定器が必ず必要であり誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- グロースタータを用いるのはスタータ形蛍光灯であり、ラピッドスタート形は不要のため誤りです。
- 選択肢 ハ正解
- スイッチ投入後、点灯管を介さず約1秒で即時点灯する特徴があり正しいです。
- 選択肢 ニ不正解
- 高周波点灯専用形(Hf形)の方がラピッドスタート形よりも高効率であるため誤りです。
覚えるポイント
- ラピッドスタート形はグロースタータ不要で即時点灯する方式です。
間違えやすいところ
- スタータ形(点灯管必要)とラピッドスタート形(点灯管不要)の区別を混同しやすいです。
出題の前提:電気照明工学における蛍光ランプ点灯方式の特性
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.5 ↗(www.shiken.or.jp)
延線工具(ケーブルグリップ)の用途
施工方法 · ケーブル延線工事 / ケーブルグリップ / 施工工具
写真に示す品物の用途として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
写真は網状の金属ワイヤで編まれた「ケーブルグリップ」です。ケーブル外被に被せて引っ張ることで網目が締まり、摩擦力によってケーブルを強く把持して延線・牽引することができます。
解き方
- 写真の編組ワイヤと先端リングの形状から、工具が「ケーブルグリップ」であることを判別します。
- ケーブルグリップが管路等へのケーブル引き入れ(延線)作業で引っ張るために使われる用途を選定します。
- 選択肢 イ不正解
- 防鼠対策用具ではないため誤りです。
- 選択肢 ロ正解
- ケーブルグリップであり、ケーブルを延線する際に先端に取り付けて引っ張る器具のため正しいです。
- 選択肢 ハ不正解
- シールドや遮へい処理を行う部品ではないため誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 切断時の跳ね上がり防止器具ではないため誤りです。
覚えるポイント
- 網目状の器具でケーブル先端を包み込んで牽引する工具がケーブルグリップです。
間違えやすいところ
- 外見の金属メッシュからシールド編組材や防護カバーと誤認しないように注意します。
出題の前提:電気工事施工標準および延線工法
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
防爆用配管材料(シーリングフィッチング)の名称
材料・工具 · 特殊場所の施設 / 金属管工事 / シーリングフィッチング / 防爆工事
写真に示す品物の名称として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
シーリングフィッチングは、引火性ガスや可燃性粉じん等の危険場所における金属管配線において、管路を通じて爆発性ガスが移動・流通したり、管路内部の爆発火炎が外部へ漏洩したりするのを防ぐため、内部にシーリングコンパウンドを充填・密封する継手金具です。
解き方
- 写真の管継手中央部に斜めの充填用注入口(プラグ)がある構造を確認します。
- この構造は防爆工事でシーリングコンパウンドを充填するための「シーリングフィッチング」であると特定します。
- 選択肢 イ正解
- 防爆配管工事でコンパウンドを充填・密閉するシーリングフィッチングであり正しいです。
- 選択肢 ロ不正解
- カップリングは電線管同士を直線接続する単なる筒状金具であるため誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- ユニバーサルは管の屈曲部や交差部に用いる蓋付きの箱状継手であるため誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- ターミナルキャップは管端から電線を引き出すための帽子形部材であり誤りです。
覚えるポイント
- 防爆配線でコンパウンドを注入・密閉するための斜め口付き継手金具がシーリングフィッチングです。
間違えやすいところ
- エントランスキャップやターミナルキャップなどの管端処理材料と外観を混同しないよう注意が必要です。
出題の前提:電気設備技術基準の解釈第176条(特殊場所の施設・防爆構造)
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
水力発電用水車の種類と適用落差
発電設備 · 水力発電 / 水車の種類 / 適用落差
水力発電所の水車の種類を、適用落差の最大値の高いものから低いものの順に左から右へ並べたものとして、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
水力発電用水車は適用落差と流量に応じて使い分けられます。高落差には水の運動エネルギーを利用する衝動水車のペルトン水車、中高落差には反動水車のフランシス水車、低落差・大流量には反動水車のプロペラ水車(カプラン水車等)が適しています。
解き方
- 各水車の適用落差の目安を確認します(ペルトン水車:200〜1000m超、フランシス水車:50〜500m、プロペラ水車:数m〜80m程度)。
- 適用落差の高い順に「ペルトン水車 → フランシス水車 → プロペラ水車」となる組み合わせを選択します。
- 選択肢 イ不正解
- 適用落差の低いものから高いものの順に並んでおり逆順のため誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- 最大落差が最も高いペルトン水車が2番目に置かれているため誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 最高落差に適するペルトン水車が末尾になっているため誤りです。
- 選択肢 ニ正解
- 高落差(ペルトン)、中落差(フランシス)、低落差(プロペラ)と高い順に並んでおり正しいです。
覚えるポイント
- 水車の適用落差は「ペルトン(高)>フランシス(中)>プロペラ(低)」の順です。
間違えやすいところ
- 最も汎用的に用いられるフランシス水車を最高落差用と誤解しないよう注意が必要です。
出題の前提:発電用電気設備標準および水力発電工学
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
架空送電線の雷害対策
送配電設備 · 雷害対策 / アークホーン / 架空送電線
架空送電線における雷害対策として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
架空送電線への落雷時には大きな雷インパルス電圧が発生し、がいし連にフラッシオーバが生じる危険があります。アークホーンをがいしの両端に設置することで、雷サージによるアーク放電をホーン電極間に誘導し、がいしの磁器部が熱破壊されるのを防ぎます。
解き方
- 各選択肢がどのような障害(微風振動、塩害汚損、雷害など)に対する対策技術であるかを分類します。
- がいしの雷害防止(アークによる損傷保護)に直接該当するアークホーンの設置を選択します。
- 選択肢 イ不正解
- ダンパ(トーショナルダンパやストックブリッジダンパ)は、風による電線の微風振動を抑制して素線切れを防ぐための対策です。
- 選択肢 ロ正解
- アークホーンは落雷時のフラッシオーバによるアーク熱からがいしを保護するための適切な雷害対策です。
- 選択肢 ハ不正解
- シリコンコンパウンドの塗布は、塩分やじんあいの付着による絶縁低下を防ぐ汚損対策(塩害対策)です。
- 選択肢 ニ不正解
- がいし洗浄装置の施設は、がいし表面に付着した塩分等の導電性汚損物質を洗い流すための汚損対策(塩害対策)です。
覚えるポイント
- アークホーン・架空地線・埋設地線は送電線の代表的な雷害対策です。
間違えやすいところ
- ダンパ(微風振動対策)やシリコン塗布(塩害対策)を雷害対策と混同しないように注意しましょう。
出題の前提:電気設備技術基準・送配電工学の基本事項に基づく出題です。
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
風力発電の特徴と構造
発電設備 · 再生可能エネルギー / 風力発電 / プロペラ形風車
風力発電に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
風力発電用風車は回転軸の方向によって水平軸風車(プロペラ形など)と垂直軸風車(ダリウス形、サボニウス形など)に大別されます。実用規模の大形風力発電設備で一般的に広く採用されているプロペラ形風車は、回転軸が水平方向を向く「水平軸形」に分類されます。
解き方
- 風力発電の動作原理、環境性、出力変動特性などの基本事項を確認します。
- プロペラ形風車の構造的分類において、回転軸が水平軸形か垂直軸形かを判定します。
- 選択肢 イ不正解
- 風の持つ運動エネルギーによってブレード(翼)を回転させ、発電機で電気エネルギーに変換するため正しい記述です。
- 選択肢 ロ不正解
- 風速や風向などの自然条件に左右されるため、出力が常に変動するという特徴があり正しい記述です。
- 選択肢 ハ正解
- プロペラ形風車の回転軸は風向に正対する水平方向であり、垂直軸形ではなく水平軸形風車であるため誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 発電運用時に化石燃料を燃焼させないため、二酸化炭素などの温室効果ガスを排出せず正しい記述です。
覚えるポイント
- プロペラ形風車は「水平軸風車」、ダリウス形・サボニウス形は「垂直軸風車」です。
間違えやすいところ
- タワー(支柱)が垂直に立っていることと、風車の回転軸(シャフト)が水平であることを混同しやすいです。
出題の前提:新エネルギー発電(風力発電設備)の一般的知識に基づく出題です。
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
送電線の系統構成と接地方式
送配電設備 · 送電方式 / 中性点接地方式 / 直接接地方式
送電線に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
特別高圧・超高圧系統の中性点接地方式は電圧階級に応じて選定されます。187kV以上の超高圧系統(275kVや500kV)では、地絡事故時の健全相電圧上昇を抑えて機器の低減絶縁を図るため直接接地方式が用いられます。中性点非接地方式は主として6.6kV〜33kV程度の低中圧系統に採用されます。
解き方
- 各選択肢の送電線の連系機能、架空線の経済性、導体材料(ACSR)の記述を確認します。
- 275kVの高電圧クラスに適用される中性点接地方式が非接地方式か直接接地方式かを判定します。
- 選択肢 イ正解
- 275kVの送電系統では異常電圧の抑制と機器絶縁の低減を目的として中性点直接接地方式が採用されるため、非接地方式とする記述は誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- 送電線は発電所相互、発電所と変電所、変電所相互および特高需要家を接続・連系する電線路であり正しい記述です。
- 選択肢 ハ不正解
- 地中送電線に比べて建設費が大幅に安価であるため、郊外や幹線系統では架空送電線が広く用いられており正しい記述です。
- 選択肢 ニ不正解
- 引張強度の高い亜鉛めっき鋼より線の周囲に導電率の高いアルミ線を配置した鋼心アルミより線(ACSR)が一般に使用されており正しい記述です。
覚えるポイント
- 187kV以上の超高圧送電線の中性点接地は「直接接地方式」が一般的です。
間違えやすいところ
- 高圧配電線(6.6kV)の非接地方式と超高圧送電線(275kV等)の直接接地方式を取り違えないようにしましょう。
出題の前提:電力系統工学および電気設備技術基準の解釈に基づく出題です。
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
通電中変流器の電流計取り外し手順
受電設備・計測器 · 変流器 / CT二次側短絡 / 感電防止
高圧母線に取り付けられた、通電中の変流器(CT)の二次側回路に接続されている電流計を取り外す場合の手順として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
変流器(CT)に通電中、一次電流によって生じる起電力は二次電流による逆起電力で打ち消し合っています。二次回路を開放すると、一次電流のすべてが励磁電流となって鉄心に過大な磁束を生じさせ、二次端子間に数千ボルト以上の危険な高電圧が誘起されます。これにより作業者の感電や絶縁破壊事故を招くため、二次側回路の計器を取り外す際は事前に二次端子間を確実に短絡する必要があります。
解き方
- 変流器の二次側を開放してはならない電気的理由(高電圧誘起の危険性)を確認します。
- 電流計を取り外す前段階として、二次側端子間をあらかじめ短絡する手順を選定します。
- 選択肢 イ不正解
- 電流計を先に取り外すと、取り外した瞬間に二次側が開放状態となり高電圧が発生して危険です。
- 選択肢 ロ不正解
- 端子の一方を接地しても両端子間の開放状態は解消されないため、危険な誘起電圧を防止できません。
- 選択肢 ハ不正解
- 電流計を先に取り外すと回路開放による高電圧が発生し、また単なる一方の端子の接地では短絡になりません。
- 選択肢 ニ正解
- あらかじめ二次側端子間を短絡しておけば、電流計を取り外しても二次開放状態にならず安全に作業できます。
覚えるポイント
- 通電中の変流器(CT)の二次側は絶対に開放厳禁、作業時は「短絡してから取り外す」が鉄則です。
間違えやすいところ
- 計器用変圧器(VT/PT)の二次側短絡厳禁(過電流焼損)と、変流器(CT)の二次側開放厳禁(高電圧発生)の禁止事項を混同しやすいです。
出題の前提:高圧受電設備の保守点検要領および電気保安指針に基づく出題です。
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.6 ↗(www.shiken.or.jp)
地絡継電装置付高圧交流負荷開閉器(PAS)の機能
受電設備機器 · PAS / 過電流ロック / 地絡遮断
架空引込みの自家用高圧受電設備に地絡継電装置付高圧交流負荷開閉器(G付PAS)を設置する場合の記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
高圧交流負荷開閉器(PAS)は定格負荷電流の開閉および地絡電流の遮断能力を有しますが、短絡電流のような巨大な事故電流を遮断する能力はありません。そのため短絡電流が流れた場合は「過電流ロック(SOG)」によって開閉器の引き外しをロックし、電力会社の配電用変電所の遮断器等に遮断動作を委ねて機器の破損を防ぎます。
解き方
- PASが遮断できる電流(負荷電流、地絡電流)と遮断できない電流(短絡電流)の限界を確認します。
- 短絡電流に対してPAS自身が自動遮断を行うという記述が誤りであることを特定します。
- 選択肢 イ不正解
- 構内の地絡事故時に迅速に電路を切り離すことで、電力会社配電線への波及事故(停電波及)を防ぐ効果があり正しい記述です。
- 選択肢 ロ不正解
- 零相変流器(ZCT)で地絡電流を検出し、地絡継電器(GR/DGR)からのトリップ指令によって自動遮断するため正しい記述です。
- 選択肢 ハ正解
- PASには短絡電流の遮断能力がなく、短絡事故時は開閉器が破損しないよう過電流ロックがかかるため自動遮断は行いません。
- 選択肢 ニ不正解
- 区分開閉器として保安上の責任分界点である第1号柱などの近接箇所に設置されるため正しい記述です。
覚えるポイント
- PASは「地絡電流は遮断できる」が「短絡電流は遮断できない(過電流ロックする)」機器です。
間違えやすいところ
- 遮断器(CB)と負荷開閉器(LBS/PAS)の遮断可能範囲の違いを見落としやすいです。
出題の前提:高圧受電設備規程および自家用電気工作物保安管理規程に基づく出題です。
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧ケーブル端末処理部のストレスコーンの役割
配線工事・ケーブル処理 · ケーブル端末処理 / ストレスコーン / 電位傾度緩和
高圧ケーブル端末処理部の写真において、矢印で示す部分(遮へい層端部)の主な役割として適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
高圧ケーブル(CVケーブル等)の端末処理では、外部半導電層や金属遮へい層(銅テープ)を剥ぎ取った切り口(端部)に電気力線が集中し、電位傾度(電界強度)が非常に急峻になります。これを放置すると絶縁破壊を起こすため、円錐状に厚みを増したストレスリリーフコーン(ストレスコーン)を形成して等電位線の間隔を広げ、電界集中を緩和させます。
解き方
- 写真の高圧ケーブル端末処理部で矢印が指している位置(遮へい層の立ち上がり端部)の部品を特定します。
- この部品がストレスコーン(ストレスリリーフコーン)であり、電界集中(電位傾度)の緩和を目的としていることを導きます。
- 選択肢 イ不正解
- 防水処理は端末全体の防水テープや絶縁キャップ等の役割であり、ストレスコーン特有の機能ではありません。
- 選択肢 ロ不正解
- ケーブル端末の機械的補強を主目的とした部材ではありません。
- 選択肢 ハ不正解
- 各相の電流の不平衡を調整・防止するような機能はありません。
- 選択肢 ニ正解
- 遮へい層が途切れる端部は電界が集中しやすいため、ストレスコーンによって電位傾度を緩和して絶縁破壊を防ぎます。
覚えるポイント
- ケーブル端末のストレスコーンの目的は「電界集中(電位傾度)の緩和」です。
間違えやすいところ
- 端末処理の絶縁テープ巻きや雨覆いスカートの防水機能と混同しないよう区別しましょう。
出題の前提:高圧ケーブル端末処理工法および受電設備規程に基づく出題です。
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧交流負荷開閉器(LBS)のストライカ連動機構
受電設備機器 · LBS / 限流ヒューズ / ストライカ引外し機構
限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器(LBS)の写真において、矢印で示す部分(トリップバー連動機構)の役割として適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
限流ヒューズ付き高圧交流負荷開閉器(LBS)において、いずれか1相のヒューズが溶断すると、ヒューズ内蔵のピン(ストライカ)が勢いよく飛び出します。このストライカが連動トリップ機構(引外しバー)を押し上げ、負荷開閉器の3極すべてを同時に開放動作させます。これにより、単相のみが切れて電動機などの負荷に欠相電圧が印加され続ける事故を防止します。
解き方
- 写真のヒューズ下部に設置された横棒状の可動部(トリップバー/ストライカ連動機構)を確認します。
- ヒューズ溶断時のストライカ突出による「3極一括自動開放(欠相防止)」の機能を特定します。
- 選択肢 イ正解
- ヒューズ溶断時に飛び出すストライカピンの動きを受けて、開閉器を自動連動開放して欠相運転を防止する機構です。
- 選択肢 ロ不正解
- 過大電流時にロックする機構はPAS等の過電流ロック機能であり、LBSのヒューズ連動機構とは異なります。
- 選択肢 ハ不正解
- ヒューズクリップによる保持機能ではなく、ヒューズ溶断に連動して動作する引外し機構です。
- 選択肢 ニ不正解
- ヒューズの位置決めや誤装着防止用のガイド金具ではありません。
覚えるポイント
- ストライカ付限流ヒューズとLBSの連動トリップ機構の目的は「溶断時の全相開放による欠相運転防止」です。
間違えやすいところ
- 単なるヒューズ固定具や脱落防止金具と見誤らないように注意しましょう。
出題の前提:JIS C 4605(高圧交流負荷開閉器)および高圧受電設備規程に基づく出題です。
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
配線用絶縁電線およびケーブルの名称・用途
電線・ケーブル · 電線記号 / IV / DV / VVF / CV
600V以下で使用される電線又はケーブルの記号に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
低圧電線およびケーブルの名称と用途: ・IV:600Vビニル絶縁電線(屋内配線用、管内通線等) ・DV:引込用ビニル絶縁電線(低圧架空引込線用) ・VVF:600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形(固定屋内配線用) ・CV:600V架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(幹線等) 移動用電気機器のコード・給電用には、耐屈曲性に優れたキャブタイヤケーブル(VCT、VCTF等)が使用されます。
解き方
- 各記号(IV, DV, VVF, CV)の正式名称と絶縁体・シースの構成を確認します。
- VVFが固定配線用の平形ケーブルであり、移動用キャブタイヤケーブルではないことを判定します。
- 選択肢 イ不正解
- IVはIndoor Vinylの略で、主に屋内配線に用いられる600Vビニル絶縁電線であり正しい記述です。
- 選択肢 ロ不正解
- DVはDrop service Vinylの略で、架空引込みに用いられる引込用ビニル絶縁電線であり正しい記述です。
- 選択肢 ハ正解
- VVFは固定配線用のビニル絶縁ビニルシースケーブル平形(Flat)であり、移動用キャブタイヤケーブルとする記述は誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- CVはCross-linked polyethylene insulated Vinyl sheathed cableの略であり正しい記述です。
覚えるポイント
- VVFは「平形ケーブル(固定配線用)」、キャブタイヤケーブルは「VCT/VCTF(移動電線用)」です。
間違えやすいところ
- キャブタイヤケーブル(VCT等)と固定配線用ビニルシースケーブル(VVRやVVF)の用途を混同しないようにしましょう。
出題の前提:JIS C 3307(IV)、JIS C 3342(VV)、JIS C 3605(CV)等の規格に基づく出題です。
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
トイレの換気扇等に用いるスイッチの名称
配線器具・材料 · 点滅器 / 遅延スイッチ
トイレの換気扇などのスイッチに用いられ、操作部を「切り操作」した後に、一定時間が経過してから動作を停止するスイッチの名称として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
トイレ等の換気扇回路では、退室時に手動で切操作を行っても、臭気排出のため一定時間ファンを継続運転した後に自動遮断する遅延スイッチが用いられます。
解き方
- 問題文にある「切り操作をした後、一定時間後に動作(停止)する」という動作特性を確認する。
- 該当する名称が「遅延スイッチ」であることを各選択肢の用途と照合して特定する。
- 選択肢 イ正解
- 遅延スイッチは、切操作後も内蔵タイマによって一定時間通電を維持し、その後に自動停止させる機能を持つ器具です。
- 選択肢 ロ不正解
- 熱線式自動スイッチは、人の体温から放出される赤外線を検知して自動で点滅を行うセンサ付きスイッチです。
- 選択肢 ハ不正解
- リモコンセレクタスイッチは、遠隔制御(リモコン配線)システムで複数回路を選択・操作するためのスイッチです。
- 選択肢 ニ不正解
- 3路スイッチは、階段や廊下などの2箇所から同一の照明器具を点滅させるために使用されるスイッチです。
覚えるポイント
- 切操作後に一定時間遅れて停止する器具は遅延スイッチ
間違えやすいところ
- 人の接近を感知して動作する熱線式自動スイッチ(人感センサ)と混同しないように注意する。
出題の前提:電気設備技術基準・内線規程における配線器具の機能分類に基づく。
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.7 ↗(www.shiken.or.jp)
配管施工用工具の名称判別
配管工事・工具 · パイプベンダ / 金属管工事用工具
写真に示す油圧シリンダと曲げシューを備えた配管作業用工具の名称として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
手動のパイプベンダでは曲げ加工が困難な太い金属電線管(厚鋼電線管等)の曲げ加工には、油圧ポンプのシリンダ力でベンダシューを押し込む油圧式パイプベンダが用いられます。
解き方
- 掲載された写真の外観から、油圧シリンダ、パイプ受け、曲げ型(シュー)の構成を確認する。
- 金属管を曲げるための工具である「油圧式パイプベンダ」に一致することを判別する。
- 選択肢 イ不正解
- 延線ローラは、ケーブルを電線管やトラフ等へ引き入れる際に摩擦抵抗を低減するために設置する回転ローラ具です。
- 選択肢 ロ不正解
- ケーブルジャッキは、ケーブルドラムの両端を浮かせてドラムを回転させ、電線を繰り出すために用いる支持台です。
- 選択肢 ハ不正解
- トルクレンチは、ボルトやナットを規定のトルク値で締め付けるための作業工具です。
- 選択肢 ニ正解
- 写真は金属電線管を油圧の加圧力によって曲げるための工具である油圧式パイプベンダです。
覚えるポイント
- 太い金属管を曲げ加工する油圧シリンダ付き工具は油圧式パイプベンダ
間違えやすいところ
- 手動式パイプベンダ(ヒッキー等)と用途は同じだが、油圧機構を持つ大型のものである点を見分ける。
出題の前提:第一種電気工事士筆記試験における鑑別問題(工事用工具の識別)。
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
金属管工事の施工基準
電気工事施工方法 · 金属管工事 / 電気設備技術基準の解釈
金属管工事の施工に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
電線管工事において、管内での電線相互の接続は絶縁不良や短絡事故、引替不能の主原因となるため禁止されており、電線の接続は必ずボックス類の中で行わなければなりません。
解き方
- 各選択肢の施工方法について、電気設備技術基準の解釈第159条(金属管工事)の基準に照らす。
- 「金属管内において電線に接続点を設けた」という記述が、管内接続禁止の規定に明白に違反していることを見抜く。
- 選択肢 イ不正解
- 金属管内に収める電線は屋外用ビニル絶縁電線(OW)を除き、単線では直径3.2 mm(アルミは4.0 mm)以下であれば使用できるため適切です。
- 選択肢 ロ正解
- 金属管内において電線相互を接続することは禁止されており、接続点は接続箱(ボックス)内に設けなければならないため誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 湿気の多い場所や水気のある場所に施設する場合、防湿装置等の有効な措置を施すことが規定されており適切です。
- 選択肢 ニ不正解
- 使用電圧が300 V以下の低圧電路であるため、金属管には原則としてD種接地工事を施すこととされており適切です。
覚えるポイント
- 金属管等の電線管内での電線接続は禁止(接続は必ずボックス内)
間違えやすいところ
- 単線の許容太さ(直径3.2mm以下)と混同してイを誤りと判断しないよう注意する。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第159条(金属管工事)
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
ライティングダクト工事の施工基準
電気工事施工方法 · ライティングダクト工事 / 電気設備技術基準の解釈
ライティングダクト工事の施工に関する記述として、誤っているものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
電気設備技術基準の解釈第165条において、ライティングダクトは開口部を下向きに施設することが原則と定められています。人が容易に触れるおそれがない場所に施設する場合でも「横向き」が許容されるのみで、「上向き」の施工は禁止されています。
解き方
- ライティングダクト工事の施工基準(支持点間隔、終端部閉そく、開口部の向き、接地工事)を想起する。
- 開口部が上向きに施設できる例外規定は存在せず、じんあい堆積等の危険から常に禁止されていることを確認する。
- 選択肢 イ不正解
- ライティングダクトの支持点間間隔は造営材に2 m以下で堅ろうに取り付けることと定められているため、1.5 mは適切です。
- 選択肢 ロ不正解
- ダクトの終端部は、充電部への接触防止等のためエンドキャップ等を用いて閉そくしなければならず適切です。
- 選択肢 ハ正解
- ライティングダクトの開口部は原則として下向き、人が触れるおそれのない場所でも横向きまでしか認められておらず、上向き施工は禁止されているため誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 使用電圧が300 V以下の場合、ダクトにはD種接地工事を施すことが規定されており適切です。
覚えるポイント
- ライティングダクトの開口部は下向きが原則(例外でも横向きまで、上向きは不可)
間違えやすいところ
- 支持点間隔2m以下という基準と金属ダクトの3m以下を混同しないようにする。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第165条(ライティングダクト工事)
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
低圧ケーブル工事の支持点間距離
電気工事施工方法 · ケーブル工事 / 支持点間距離
使用電圧が300 [V]以下の低圧屋内配線におけるケーブル工事の記述として、誤っているものはどれか。
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解答
ロ
解説
電気設備技術基準の解釈第164条において、ケーブルを造営材に沿って取り付ける場合の支持点間距離は原則として2 m以下と定められています。ただし、人が触れるおそれのない場所に垂直に取り付ける場合に限り6 m以下とすることができます。
解き方
- ケーブル工事の支持点間距離の基準(造営材に沿う場合は原則2 m以下)を確認する。
- 造営材下面に沿って水平に取り付ける場合の支持点間隔3 mが、基準(2 m以下)を超過していることを見抜く。
- 選択肢 イ不正解
- 電線が外傷や機械的衝撃を受けるおそれがある場所では、適当な防護装置(金属管やカバー等)を施すことが義務付けられており適切です。
- 選択肢 ロ正解
- 造営材の下面または側面に沿って施設する場合の支持点間距離は2 m以下としなければならないため、3 mとする記述は誤りです。
- 選択肢 ハ不正解
- 300 V以下の低圧配線において、防護装置に使用する金属製部分にはD種接地工事を施す必要があるため適切です。
- 選択肢 ニ不正解
- 人が触れるおそれのない場所に垂直に取り付ける場合は、支持点間距離を6 m以下とすることができるため、5 mの施工は適切です。
覚えるポイント
- 造営材に沿うケーブル工事の支持点間距離は原則2m以下(垂直・触れない場所は6m以下)
間違えやすいところ
- 金属ダクト工事の支持点間距離(3m以下)とケーブル工事(2m以下)の数値を混同しないようにする。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第164条(ケーブル工事)
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.8 ↗(www.shiken.or.jp)
地絡継電装置付高圧交流負荷開閉器(UGS)の選定・特性
高圧受電設備 · UGS / 地絡方向継電器 / もらい事故
キュービクル式高圧受電設備に至る電線路及び引込部において、図中の①に示す地絡継電装置付高圧交流負荷開閉器(UGS)に関する記述として、不適切なものはどれか。
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解答
ニ
解説
ケーブル配線が長い需要家では対地静電容量が大きくなり、他需要家の地絡事故時に流れる充電電流を無方向性地絡継電器(GR)が誤検知して動作する「もらい事故」が発生しやすくなります。このため、事故の方向を正しく識別できる方向性地絡継電装置(DGR付UGS)を設置します。
解き方
- 地絡継電装置の方向性(DGR)と無方向性(GR)の違い、およびもらい事故防止のメカニズムを整理する。
- 他需要家事故による不必要動作を防止するために必要なのは「方向性」であるため、「無方向性のものを取り付けた」という記述が不適切であると判定する。
- 選択肢 イ不正解
- 構内地絡時に配電用変電所の遮断器よりも先にUGSが速やかに遮断し波及事故を防ぐため、保護協調が不可欠であり正しい記述です。
- 選択肢 ロ不正解
- UGSは負荷電流の開閉能力しか持たず短絡電流を遮断できないため、短絡電流通過時に誤開極して破損するのを防ぐ過電流ロック機能(SO形)が必要であり適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- 地絡継電装置が整定された動作電流値の規定許容範囲内で確実に動作することを試験器等で確認することは適切な保守管理です。
- 選択肢 ニ正解
- 他需要家の地絡事故による不必要動作(もらい事故)を防止するために選定すべきなのは方向性地絡継電装置であるため、無方向性を取り付けたとする本記述は不適切です。
覚えるポイント
- もらい事故(他需要家の地絡による不要動作)を防ぐには「方向性(DGR)」を採用する
間違えやすいところ
- 無方向性と方向性の役割を取り違えないように注意する(構外事故と構内事故の区別には方向性が必要)。
出題の前提:高圧受電設備指針および電気設備技術基準
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp)
PF・S形主遮断装置の構成機器
高圧受電設備 · PF・S形受電設備 / LBS / 主遮断装置
受変電設備断面図中の②に示すPF・S形の主遮断装置(限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器)として、必要のないものはどれか。
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解答
ニ
解説
高圧受電設備の主遮断装置にはCB形(遮断器+OCR)とPF・S形(LBS+限流ヒューズ)があります。PF・S形では過電流・短絡保護をPF(限流ヒューズ)が行い、欠相防止のため溶断表示ピン(ストライカ)によってLBSを自動引外しする機構を備えるため、別個の過電流継電器(OCR)は不要です。
解き方
- PF・S形主遮断装置(LBS+PF)の構成機器と短絡遮断の仕組みを想起する。
- 短絡電流の遮断は電力ヒューズ(限流ヒューズ)が行い、過電流継電器(OCR)はCB形受電設備で使用されるものでPF・S形には必要ないことを確認する。
- 選択肢 イ不正解
- PF・S形受電設備において、短絡電流の遮断を行う主保護装置として限流ヒューズ(電力ヒューズ)は必須です。
- 選択肢 ロ不正解
- ヒューズ溶断時に3相のうち1相のみが溶断して欠相運転になるのを防ぐため、ストライカによる3極トリップ(引外し)装置は必須です。
- 選択肢 ハ不正解
- 相間短絡や対地絡を防止し盤内の絶縁信頼性を確保するため、相間及び側面の絶縁バリアはLBSの不可欠な構成部品です。
- 選択肢 ニ正解
- PF・S形受電設備では限流ヒューズ自体が過電流・短絡を遮断するため、過電流継電器(OCR)は必要ありません。
覚えるポイント
- PF・S形は限流ヒューズ(PF)と高圧交流負荷開閉器(LBS)の組合せで、過電流継電器(OCR)は不要
間違えやすいところ
- CB形(遮断器+OCR)とPF・S形(LBS+ヒューズ)の構成を混同しないようにする。
出題の前提:JIS C 4620(キュービクル式高圧受電設備)及び高圧受電設備指針
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧キュービクルのケーブル引入れ口開口制限の理由
高圧受電設備 · キュービクル構造基準 / 小動物侵入防止 / JIS C 4620
受変電設備断面図中の③に示すケーブルの引入れ口等について、必要以上の開口部を設けない、または隙間を埋める主な理由として、適切なものはどれか。
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解答
ロ
解説
JIS C 4620「キュービクル式高圧受電設備」において、外箱の換気口やケーブル導入部などの開口部は、ねずみや蛇などの小動物の侵入による短絡・地絡事故を防止するため、金網を設けるか隙間をパテ等で閉そくすることが定められています。
解き方
- キュービクルのピット・床面開口部(図中③)の施工規定および事故事例を想起する。
- 床下から侵入するネズミやヘビ等の小動物が充電部に触れて起こす地絡・短絡事故を防ぐことが最大の目的であると特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 床下開口部の制限は主として小動物の侵入防止を目的としており、消火放水や洪水の浸水対策が主な目的ではありません。
- 選択肢 ロ正解
- ネズミやヘビ等の小動物がキュービクル内に侵入して充電部に接触し短絡・地絡事故を引き起こすのを防止することが主な理由です。
- 選択肢 ハ不正解
- ケーブルの外傷防止は管端ブッシングやケーブル支持の役割であり、開口部を必要以上に設けない主な理由ではありません。
- 選択肢 ニ不正解
- ちりやほこりの侵入低減効果もありますが、事故防止上の第一の直接的危険要因である小動物(鳥獣類)の侵入遮断が主目的です。
覚えるポイント
- キュービクルのケーブル導入部開口制限・パテ埋めの主目的は「小動物の侵入防止」
間違えやすいところ
- 防水目的や防じん目的と誤認しやすいが、第一種電気工事士試験では小動物(ネズミ・ヘビ)の侵入防止が定番の正答。
出題の前提:JIS C 4620(キュービクル式高圧受電設備)開口部の構造基準
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.9 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧受電設備内機器の接地線の太さおよび種類
配線設計・電気設備基準 · 接地工事 / A種接地工事 / B種接地工事 / 接地線の太さ
図の④に示す高圧キュービクル内に設置された各種機器等の接地工事において、使用する金属線の太さおよび種類の記述として、適切なものはどれか。
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解答
ロ
解説
高圧電気機械器具の金属製外箱等にはA種接地工事を施す必要があります。A種接地工事の接地線は引張強さ1.04kN以上の金属線または直径2.6mm以上の軟銅線(公称断面積5.5mm²以上)を使用することが定められています。また、変圧器の低圧側に施すB種接地線は通常直径4mm以上の軟銅線(引張強さ2.46kN以上)が必要です。
解き方
- 各選択肢の機器に施すべき接地工事の種類(高圧機器外箱=A種、変圧器低圧側=B種)を判別する。
- A種接地工事の接地線基準(引張強さ1.04kN以上の金属線または直径2.6mm以上/断面積5.5mm²以上の軟銅線)に適合している選択肢を特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 高圧変圧器の外箱はA種接地工事が必要であり、軟銅線であれば直径2.6mm以上が必要です。硬アルミ線直径2.0mmでは機械的強度および電気的要件を満たしません。
- 選択肢 ロ正解
- 高圧進相コンデンサ外箱のA種接地工事には直径2.6mm以上の軟銅線(断面積約5.3mm²以上)が必要であり、断面積5.5mm²の軟銅線の使用は適切です。
- 選択肢 ハ不正解
- 変圧器の低圧側に施すB種接地工事の接地線は、原則として引張強さ2.46kN以上の金属線または直径4mm以上の軟銅線等が必要であり、3.5mm²では不適切です。
- 選択肢 ニ不正解
- 高圧交流負荷開閉器(LBS)の金属製部分に施すA種接地工事には直径2.6mm以上の軟銅線等が必要であり、直径1.6mmでは細すぎるため不適切です。
覚えるポイント
- A種接地工事の接地線は直径2.6mm以上(断面積5.5mm²以上)の軟銅線を使用する。
間違えやすいところ
- D種接地の基準(直径1.6mm以上)を高圧機器のA種接地工事と混同しないこと。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈第17条(接地工事の種類及び施設方法)
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp)
変圧器二次側のB種接地工事に関する記述
配線設計・電気設備基準 · B種接地工事 / 接地抵抗値 / 変圧器接地
図の⑤に示す低圧側の中性点または低圧側1端子に施す接地に関する記述について、不適切なものはどれか。ただし、混触により低圧電路の対地電圧が150〔V〕を超えた場合、1秒以内に高圧電路を遮断する装置があり、高圧側の電路の1線地絡電流は5〔A〕とする。
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解答
ハ
解説
変圧器の高低圧混触時の低圧側電位上昇を防ぐため、低圧側の中性点等にはB種接地工事を施します。その接地抵抗値は原則150/I以下ですが、高圧電路が1秒以内に自動遮断される場合は600/I以下(ただし上限は通常なし、または緩和規定による)となります。漏電遮断器接続による500Ω以下の緩和はC種・D種接地のみに認められた特例です。
解き方
- 変圧器の低圧側電路に施す接地工事がB種接地工事であることを確認する。
- 1秒以内の遮断装置がある場合のB種接地抵抗値の計算式 R = 600/I を確認し、I=5Aより R = 600/5 = 120Ω となることを照合する。
- 漏電遮断器設置による接地抵抗500Ωへの緩和規定がB種接地工事に適用可能かどうかを判定する。
- 選択肢 イ不正解
- 高低圧混触による電位上昇防止のために変圧器二次側に施す接地工事はB種接地工事であるため正しい記述です。
- 選択肢 ロ不正解
- B種接地工事は、高低圧混触時に低圧電路の対地電圧が危険な値まで上昇するのを防ぎ、低圧電路および需要家設備を保護するためのものです。
- 選択肢 ハ正解
- 漏電遮断器の設置によって接地抵抗値を500Ωまで緩和できる規定はC種接地工事およびD種接地工事に対するもので、B種接地工事には適用されません。
- 選択肢 ニ不正解
- 1秒以内に高圧電路を自動遮断する装置が設けられているため、接地抵抗値は600/I=600/5=120Ω以下とする必要があり正しい記述です。
覚えるポイント
- 感電遮断機能付き漏電遮断器による500Ω緩和はC種・D種接地工事のみ適用され、B種接地には適用されない。
間違えやすいところ
- 1秒以内遮断の場合の計算係数は600、2秒以内なら300、それ以外は150である点を取り違えないこと。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈第17条(接地工事の種類及び施設方法)
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.10 ↗(www.shiken.or.jp)
高圧電路の絶縁耐力試験方法
検査・試験 · 絶縁耐力試験 / 直流試験電圧 / 試験手順
高圧電路の絶縁耐力試験の実施方法に関する記述として、不適切なものはどれか。
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解答
イ
解説
最大使用電圧7000V以下の高圧電路の絶縁耐力試験では、電路と大地との間に最大使用電圧の1.5倍の交流電圧を連続して10分間印加して耐える必要があります。ただし、ケーブルの電路においては交流試験電圧の2倍の直流電圧(すなわち最大使用電圧の3倍)を印加して行うことができます。
解き方
- 最大使用電圧6.9kVの高圧電路の交流試験電圧を計算する(6.9kV × 1.5 = 10.35kV)。
- 直流電圧で試験を行う場合の倍率を適用する(交流試験電圧の2倍 = 10.35kV × 2 = 20.7kV)。
- 選択肢イの印加電圧(直流10.35kV)が直流試験電圧の要件を満たしていないことを確認する。
- 選択肢 イ正解
- ケーブルの直流絶縁耐力試験では交流試験電圧(最大使用電圧の1.5倍=10.35kV)の2倍である20.7kVを印加しなければならないため誤りです。
- 選択肢 ロ不正解
- 絶縁耐力試験は「連続して10分間」耐える必要があるため、途中で停電等の中断があった場合は復旧後に最初から改めて10分間印加します。
- 選択肢 ハ不正解
- 変圧器の一次側巻線の絶縁耐力試験を行う際は、二次側巻線および鉄心・外箱等を一括して接地して試験電圧を印加します。
- 選択肢 ニ不正解
- 高圧電路の耐電圧試験の前後には、機器の絶縁状態の健全性を確認するために1000V絶縁抵抗計による測定を実施します。
覚えるポイント
- ケーブルの直流絶縁耐力試験電圧は、交流試験電圧(1.5倍)のさらに2倍(最大使用電圧の3倍)となる。
間違えやすいところ
- 交流試験電圧の1.5倍の値をそのまま直流試験電圧として誤認してしまうこと。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈第15条(太陽電池モジュール等の絶縁性能)および第16条(機械器具等の電路の絶縁性能)
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
受電設備竣工時の自主検査項目
検査・試験 · 自主検査 / 竣工検査 / 温度上昇試験
受電電圧6600〔V〕の受電設備が完成した時の自主検査で、一般に行わないものはどれか。
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解答
ハ
解説
受電設備の完成時(竣工時)の自主検査項目には、目視検査(外観検査)、接地抵抗測定、絶縁抵抗測定、絶縁耐力試験、保護継電器の動作試験・連動試験、受受電シーケンス試験などがあります。機器自体の温度上昇試験は現地で定格負荷を通電し続けることが困難なため、製造工場で型式試験として実施され、竣工検査では行われません。
解き方
- 受電設備の竣工検査として現場で実施される項目(外観、接地、絶縁、耐圧、保護連動など)を想起する。
- 選択肢の中から、工場の製造工程や受入試験でのみ行われ、現地施工完了時の検査としては実施が非現実的な項目を特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 高圧機器の各接地工事が規定値以下であることを確認するため、竣工時に必ず接地抵抗測定を行います。
- 選択肢 ロ不正解
- 事故発生時に保護装置が正しく動作することを確認するため、地絡継電器の動作試験は竣工検査の必須項目です。
- 選択肢 ハ正解
- 変圧器の温度上昇試験は工場製作時に実施されるものであり、現地での受電設備竣工検査では一般に行われません。
- 選択肢 ニ不正解
- 新設された高圧電路が所定の絶縁性能を満たしているか確認するため、絶縁耐力試験は必ず実施されます。
覚えるポイント
- 受電設備の現地竣工検査で行うのは「接地抵抗・絶縁抵抗・耐電圧・継電器試験・シーケンス試験」などであり、温度上昇試験は行わない。
間違えやすいところ
- 継電器動作試験と機器自体の工場特性試験(温度上昇試験など)の実施場所と目的を混同しないこと。
出題の前提:自家用電気工作物保安規程および内線規程における竣工検査項目
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
誘導形過電流継電器(OCR)の試験項目
検査・試験 · 過電流継電器 / OCR / 継電器試験
高圧受電設備に使用されている誘導形過電流継電器(OCR)の試験項目として、誤っているものはどれか。
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解答
ニ
解説
誘導形過電流継電器(OCR)は、変流器(CT)の二次側電流を入力とし、過電流が流れた際に円盤が回転して接点を閉じる機器です。したがって、試験項目は最小動作電流試験、限時動作時間特性試験、瞬時要素動作電流試験、遮断器と組み合わせた連動試験など電流に関連する項目となります。動作電圧に関する試験は電圧継電器の項目です。
解き方
- 過電流継電器(OCR)の入力諸元が電流であることを認識する。
- 各選択肢の試験項目が過電流継電器のものか他の継電器(電圧継電器など)のものかを判定する。
- 円盤の始動「電圧」を測定するという記述が電流継電器の特性と矛盾していることを見抜く。
- 選択肢 イ不正解
- OCRの接点信号から実際に遮断器(VCB等)が引き外されるまでの全遮断時間を測定する連動試験は正規の試験項目です。
- 選択肢 ロ不正解
- 短絡などの大電流に対して瞬時にトリップ動作することを確認する瞬時要素動作電流試験は正規の試験項目です。
- 選択肢 ハ不正解
- 整定電流の一定倍率(200%、300%、700%等)の電流を通電し、動作時間を測定する限時動作時間特性試験は正規の試験項目です。
- 選択肢 ニ正解
- 過電流継電器の円盤が動き始める限界値を測定する試験は「最小動作電流試験」であり、電圧を測定する試験ではないため誤りです。
覚えるポイント
- OCRは電流で作動するため、試験項目は最小動作「電流」試験・動作時間試験・瞬時要素試験・連動試験である。
間違えやすいところ
- UVR(不足電圧継電器)の試験項目である電圧測定と、OCRの電流測定を混同しやすい。
出題の前提:JIS C 4602(配電盤用誘導形過電流継電器)および継電器試験標準手順
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
自家用電気工事業者の備え付け器具
法令 · 電気工事業法 / 備付器具 / 営業所の器具
電気工事業の業務の適正化に関する法律において、自家用電気工作物の電気工事を行う電気工事業者の営業所ごとに備えることを義務づけられている器具であって、必要なときに使用し得る措置が講じられていれば備えていると見なされる器具はどれか。
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解答
ロ
解説
電気工事業法施工規則第11条に基づき、自家用電気工事業者の営業所には、①絶縁抵抗計、②接地抵抗計、③抵抗および交流電圧測定器(テスター)、④低圧・高圧検電器、⑤継電器試験装置、⑥絶縁耐力試験装置を備える必要があります。このうち「継電器試験装置」と「絶縁耐力試験装置」は高価・大型であるため、必要なときに使用できる措置が講じられていれば営業所に常時備え置かなくてもよいとされています。
解き方
- 電気工事業の業務の適正化に関する法律施工規則における営業所の備付器具を確認する。
- 一般用電気工作物と自家用電気工作物での備付器具の違いおよび、特例(必要なときに使用し得る措置で可とされる器具)を整理する。
- 特例対象である「絶縁耐力試験装置」または「継電器試験装置」を選択肢から探す。
- 選択肢 イ不正解
- 絶縁抵抗計は営業所に常時直接備えておかなければならない測定器具です。
- 選択肢 ロ正解
- 絶縁耐力試験装置および継電器試験装置は、必要なときに使用し得る措置が講じられていれば営業所に備えられているものとみなされます。
- 選択肢 ハ不正解
- 接地抵抗計は営業所に常時直接備えておかなければならない測定器具です。
- 選択肢 ニ不正解
- 高圧検電器は営業所に常時直接備えておかなければならない器具です。
覚えるポイント
- 営業所の備付器具で「必要なときに使用し得る措置でよい」のは「継電器試験装置」と「絶縁耐力試験装置」の2つ。
間違えやすいところ
- 絶縁抵抗計や接地抵抗計は日常的によく使うため常備必須であり、緩和措置の対象外である。
出題の前提:電気工事業の業務の適正化に関する法律施行規則第11条(器具)
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
電気工事士でなければ従事できない作業(簡易電気工事)
法令 · 電気工事士法 / 自家用電気工作物 / 簡易電気工事 / 軽微な作業
電気工事士法における自家用電気工作物(最大電力500〔kW〕未満の需要設備)であって、電圧600〔V〕以下で使用するものの工事又は作業のうち、第一種電気工事士又は認定電気工事従事者の資格がなくても従事できるものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
自家用電気工作物の最大電力500kW未満の低圧部分(簡易電気工事)の作業は原則として第一種電気工事士または認定電気工事従事者でなければ従事できません。ただし、電気工事士法施行令第1条で定める「軽微な作業」は資格が不要です。電気機器(配線器具を除く)の端子への電線のねじ止め、インターホンやボルト締め等の簡易な作業は軽微な作業に該当します。
解き方
- 低圧自家用電気工作物における簡易電気工事の範囲および電気工事士法施行令第1条の「軽微な作業」の規定を確認する。
- 各選択肢が電気工事士の資格が必要な作業か、軽微な作業として除外されているかを判別する。
- 「電気機器(配線器具を除く)の端子に電線をねじ止め接続する作業」が軽微な作業に合致することを確認する。
- 選択肢 イ不正解
- 露出型点滅器等の取り換えを除く配線器具の造営材への固定は電気工事士等の資格が必要です。
- 選択肢 ロ不正解
- 接地極を地面に埋設する作業は電気工事士(第一種または認定)の資格が必要な作業です。
- 選択肢 ハ正解
- 電気機器(配線器具を除く)の端子に電線をねじ止めする作業は、法令で定める「軽微な作業」に該当し、無資格でも従事できます。
- 選択肢 ニ不正解
- 電線管相互の接続や管とボックスの接続は電気工事士の資格が必要な作業です。
覚えるポイント
- 電気機器(配線器具を除く)の端子への電線のねじ止めは「軽微な作業」で資格不要。
間違えやすいところ
- 配線器具(コンセントやスイッチ)の端子への電線接続は軽微な作業ではなく資格が必要である点との違いに注意する。
出題の前提:電気工事士法施行令第1条(軽微な作業)
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
第一種電気工事士に関する記述
法令 · 第一種電気工事士 / 免状交付 / 定期講習 / 作業範囲
電気工事士法において、第一種電気工事士に関する記述として、誤っているものはどれか。ただし、ここで自家用電気工作物とは、最大電力500〔kW〕未満の需要設備のことである。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
第一種電気工事士は、都道府県知事から免状の交付を受け、一般用電気工作物および最大電力500kW未満の自家用電気工作物の電気工事に従事できます(ネオン工事および非常用予備発電装置工事を除く)。また、免状交付日または受講日から5年以内ごとに定期講習を受講することが義務付けられています。
解き方
- 第一種電気工事士の免状交付権者(都道府県知事)および作業範囲(一般用+500kW未満自家用、特殊電気工事を除く)を確認する。
- 定期講習の受講周期に関する法定期間(5年以内)を確認する。
- 選択肢ハの「7年以内」が誤りであることを特定する。
- 選択肢 イ不正解
- 電気工事士免状(第一種・第二種ともに)は都道府県知事が交付するため正しい記述です。
- 選択肢 ロ不正解
- 自家用電気工作物の非常用予備発電装置工事は「特殊電気工事」であり、特種電気工事資格者証が必要となるため、第一種電気工事士の資格のみでは従事できません。
- 選択肢 ハ正解
- 定期講習の受講期限は免状交付を受けた日から「5年以内」であり、7年以内ではないため誤りです。
- 選択肢 ニ不正解
- 第一種電気工事士は、自家用電気工作物だけでなく一般用電気工作物の工事にも従事することができます。
覚えるポイント
- 第一種電気工事士の定期講習は「5年以内」ごとに受講しなければならない。
間違えやすいところ
- 危険物取扱者などの7年以内(実務に従事していない場合の特例など)と混同しないようにする。電気工事士の定期講習は一律「5年以内」である。
出題の前提:電気工事士法第4条(免状の交付等)および第4条の3(定期講習)
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.11 ↗(www.shiken.or.jp)
配線用遮断器の図記号
配線図 · シーケンス制御 / 図記号 / 配線用遮断器
配線図1の三相誘導電動機(スターデルタ始動)始動制御回路図において、①の部分に設置する機器(配線用遮断器 MCCB)の図記号として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ロ
解説
電動機制御回路の主回路電源側には、電路の短絡保護および過電流保護を目的として配線用遮断器(MCCB)が施設されます。JIS図記号において配線用遮断器は、開閉接点記号に過電流自動引外し機構を示す記号(交差線や黒点など)を付加して表されます。
解き方
- 回路図中の①が挿入されている位置と「MCCB」の表記を確認し、主回路の保護機器である配線用遮断器であることを特定する。
- 選択肢の各図記号から、各極に自動遮断機能の表記が組み込まれた配線用遮断器の図記号(ロ)を選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 手動操作の開閉器を表す図記号であり、過電流自動引外し機能を持つ配線用遮断器(MCCB)ではありません。
- 選択肢 ロ正解
- 各極に自動引外し機構を表す記号が付された三極配線用遮断器(MCCB)の正しい図記号です。
- 選択肢 ハ不正解
- 電磁接触器(電磁開閉器)の接点を表す図記号であり、過電流を自動遮断するMCCBではありません。
- 選択肢 ニ不正解
- 単なる開閉接点(スイッチまたは断路機構)を示す記号であり、MCCBを示す記号としては不適です。
覚えるポイント
- 配線用遮断器(MCCB)の旧JISおよび新JIS図記号の特徴を識別できるようにする。
間違えやすいところ
- 電磁接触器の主接点記号や単なる開閉器の記号と混同しないように注意する。
出題の前提:平成21年度第一種電気工事士筆記試験 配線図問題
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
操作用押しボタンスイッチの外観
配線図 · シーケンス制御 / 制御器具 / 押しボタンスイッチ
配線図1において、②で示す機器(電動機の始動および停止操作用スイッチ)の外観写真として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
電磁接触器を用いた電動機の遠隔操作回路では、始動用(押している間だけ閉じる常開接点:a接点)と停止用(押している間だけ開く常閉接点:b接点)の押しボタンが1組になった押しボタン開閉器が広く使用されます。
解き方
- 制御回路図中の②の記号を確認し、常開接点(始動)と常閉接点(停止)を有する押しボタンスイッチ回路であることを把握する。
- 選択肢の写真の中から、ON(始動)およびOFF(停止)の2つのボタンを備えた露出形の押しボタン開閉器(ハ)を選ぶ。
- 選択肢 イ不正解
- 回転させて回路を切り替えるカムスイッチ(セレクタスイッチ)であり、押しボタンではありません。
- 選択肢 ロ不正解
- クレーンやホイスト等の巻上げ・巻下げに使用するペンダントスイッチであり、通常の電動機始動・停止用には適しません。
- 選択肢 ハ正解
- 始動用のONボタンと停止用のOFFボタンを備えた押しボタン開閉器の外観写真であり、②に該当します。
- 選択肢 ニ不正解
- 単一の押しボタンのみを備えたスイッチであり、始動・停止の双方を操作する②の機器とは異なります。
覚えるポイント
- 押しボタン開閉器はON(緑・黒等)とOFF(赤等)の2ボタン構成が標準的である。
間違えやすいところ
- ペンダントスイッチやセレクトスイッチと用途・外観を混同しないこと。
出題の前提:平成21年度第一種電気工事士筆記試験 配線図問題
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
スターデルタ始動の電気的インターロック回路
配線図 · シーケンス制御 / インターロック / スターデルタ始動
配線図1において、③の部分のインターロック回路の結線図として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
スターデルタ始動回路では、スター結線用電磁接触器(MC-1)とデルタ結線用電磁接触器(MC-2)が同時に投入されると三相電源短絡事故となります。これを防ぐため、一方の接触器が動作している間は他方が絶対に投入できないよう、相手側のb接点(常閉接点)をそれぞれのコイル回路に直列挿入する電気的インターロックを構成します。
解き方
- ③の部分がMC-1(スター用)とMC-2(デルタ用)の同時投入を防止するためのインターロック回路であることを確認する。
- MC-1のコイル直列側に相手であるMC-2の常閉(b)接点が入り、MC-2のコイル直列側にMC-1の常閉(b)接点が入っているクロス接続(相互インターロック)の図記号(イ)を選択する。
- 選択肢 イ正解
- MC-1回路にMC-2のb接点、MC-2回路にMC-1のb接点を直列に接続した正しい相互インターロック結線です。
- 選択肢 ロ不正解
- 自己のコイル回路に自己のb接点が入っているため、励磁された瞬間に遮断されてチャタリングを起こしてしまいます。
- 選択肢 ハ不正解
- 常開(a)接点が用いられているため、相手が動作しないと投入できず、意図した保護動作になりません。
- 選択肢 ニ不正解
- 接点の種別や接続関係が相互インターロックの条件を満たしておらず誤りです。
覚えるポイント
- 同時投入を防ぐ電気的インターロックには「相手のb接点」を互いに直列挿入する。
間違えやすいところ
- 自己のb接点を入れてしまったり、a接点とb接点の記号を読み違えたりすること。
出題の前提:平成21年度第一種電気工事士筆記試験 配線図問題
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
サーマルリレー作動時の表示灯点灯条件
配線図 · シーケンス制御 / サーマルリレー / 表示灯回路
配線図1において、④の表示灯が点灯する条件として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
熱動継電器(サーマルリレー:THR)は電動機の過負荷過電流を検知して作動します。作動時、THRの常閉接点が開いて電磁接触器を消磁させて主回路を遮断(電動機を停止)すると同時に、THRの常開接点が閉じて故障表示灯(④)回路を導通させ、過負荷によるトリップ状態を管理者に報知します。
解き方
- ④の表示灯の上流にある制御接点を確認し、サーマルリレーTHRの常開(a)接点であることを読み取る。
- THRが作動したときにa接点が閉じることから、電動機が過負荷保護動作により停止した際に点灯する(ニ)を導く。
- 選択肢 イ不正解
- 始動中に点灯する表示灯はスター結線接触器やタイマー接点に連動する回路であり、本表示灯回路とは異なります。
- 選択肢 ロ不正解
- 通常の停止表示灯は主接触器MCの常閉接点に接続されますが、④はTHRの接点に接続されているため不適です。
- 選択肢 ハ不正解
- 運転中表示灯は主接触器MCの常開接点に接続されますが、④はTHR接点に接続されているため不適です。
- 選択肢 ニ正解
- 過負荷時にサーマルリレー(THR)がトリップして主回路を遮断すると同時にTHRの常開接点が閉じるため、過負荷停止中に点灯します。
覚えるポイント
- THRのa接点につながる表示灯は「過負荷トリップ警報(重故障)」を示す。
間違えやすいところ
- 主接触器MCの補助b接点につながる通常の停止表示灯と取り違えないように注意する。
出題の前提:平成21年度第一種電気工事士筆記試験 配線図問題
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp)
スター結線用電磁接触器の結線図
配線図 · シーケンス制御 / スターデルタ始動 / 電動機結線
配線図1において、⑤の部分(スター結線用電磁接触器 MC-1 の主回路結線)として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
三相誘導電動機をスター(Y)結線で始動する場合、電動機の各巻線端子(X, Y, Z)を一括して電気的に短絡し、中性点を形成する必要があります。したがってスター用電磁接触器(MC-1)の主接点の片側端子は、X, Y, Zが接続され、もう片側端子同士は共通の渡り線によって3相すべて短絡接続されていなければなりません。
解き方
- ⑤の部分の接触器MC-1が、スターデルタ始動におけるスター結線(中性点形成)用接触器であることを把握する。
- MC-1が閉じたときに巻線の終端端子X, Y, Zの3端子が全て短絡される結線構成となっている図(ニ)を選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 3端子のうち2端子しか短絡されておらず、スター結線の中性点が形成されません。
- 選択肢 ロ不正解
- デルタ結線のような相間接続や不完全な配線となっており、中性点短絡結線ではありません。
- 選択肢 ハ不正解
- 中性点の一括短絡結線が正しく形成されておらず誤りです。
- 選択肢 ニ正解
- 接触器投入時に巻線末端X, Y, Zの3線すべてが共通接続され、正常にスター結線の中性点を形成します。
覚えるポイント
- スター結線用接触器は3極接点の二次側を短絡バー(渡り線)で一括接続する。
間違えやすいところ
- デルタ結線用の相間渡り配線とスター結線用の中性点短絡配線を混同しないこと。
出題の前提:平成21年度第一種電気工事士筆記試験 配線図問題
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.12 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp)
零相変流器(ZCT)の機能
配線図 · 高圧受電設備 / 保護継電器 / 零相変流器
配線図2の高圧受電設備単線結線図において、①で示す機器(PAS内に設けられたZCT)に関する記述として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ハ
解説
零相変流器(ZCT: Zero-phase Current Transformer)は、三相電線路を一括して鉄心内に貫通させ、通常時の三相平衡状態では磁束が相殺されて二次出力が出ない仕組みになっています。電路に地絡事故が発生すると、三相の和が零とならない零相電流が生じ、これを二次巻線で検出して地絡継電器(GR)等の動作信号として用います。
解き方
- 単線結線図の引込点PAS内にある①の機器記号および地絡継電器(I⏚>)への接続を確認し、零相変流器(ZCT)であることを特定する。
- ZCTの機能である「零相電流を検出する」(ハ)を選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 異常電圧(零相電圧など)の検出は、接地型計器用変圧器(EVT/ZVT)の役割です。
- 選択肢 ロ不正解
- 通常の負荷電流の検出は、計器用変流器(CT)の役割です。
- 選択肢 ハ正解
- 零相変流器(ZCT)は地絡事故時に生じる零相電流を検出する機器であり、正しい記述です。
- 選択肢 ニ不正解
- 短絡事故による大電流の検出は、変流器(CT)と過電流継電器(OCR)の組み合わせにより行われます。
覚えるポイント
- PAS内の貫通型変流器はZCTであり、検出対象は「零相電流」である。
間違えやすいところ
- 零相電圧を検出するZPT/EVTや、短絡・負荷電流を検出する一般のCTと混同しないこと。
出題の前提:平成21年度第一種電気工事士筆記試験 配線図問題
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
電力需給用計器用変成器の略号
配線図 · 高圧受電設備 / 計器用変成器 / 機器略号
配線図2において、②で示す機器(取引用電力量計Whに接続されている計器用変成器)の略号として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
高圧受電設備において、電力会社との受給電力量を計量するため、高電圧を変圧する計器用変圧器(VT)と大電流を変流する変流器(CT)を1つの容器にコンパクトに収めた機器を「電力需給用計器用変成器」と呼び、略号としてVCT(Voltage and Current Transformer)またはMOF(Meter Out Fit)が用いられます。
解き方
- 単線結線図の②が変圧器記号と変流器記号が一体となり、取引用電力量計(Wh)に配線されていることを確認する。
- 電力需給用計器用変成器を表す略号「VCT」(イ)を選択する。
- 選択肢 イ正解
- 電力需給用計器用変成器の略号はVCTであり、電力量計Whと接続される機器として合致しています。
- 選択肢 ロ不正解
- LBSは高圧交流負荷開閉器(Load Break Switch)の略号です。
- 選択肢 ハ不正解
- VCBは真空遮断器(Vacuum Circuit Breaker)の略号です。
- 選択肢 ニ不正解
- UVRは不足電圧継電器(Under Voltage Relay)の略号です。
覚えるポイント
- 電力量計(Wh)の直前に設置される変圧・変流一体機器は「VCT(またはMOF)」。
間違えやすいところ
- 主遮断器であるVCBや負荷開閉器LBSなどの開閉機器略号と混同しないこと。
出題の前提:平成21年度第一種電気工事士筆記試験 配線図問題
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
計器用変圧器(VT)一次側の限流ヒューズ施設
配線図 · 高圧受電設備 / 計器用変圧器 / 限流ヒューズ
配線図2において、③の部分(計器用変圧器VTの一次側回路)に施設する機器の外観写真および使用する本数として、適切なものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
高圧受電設備の計器用変圧器(VT)の一次側保護には、短絡電流を迅速に遮断して波及事故を防止するため、高圧限流ヒューズ(PF:筒形ヒューズ)が用いられます。単相VT 2台をV結線して三相電圧を測定する場合、各単相VTの一次側両端子にそれぞれヒューズを設置するため、1台あたり2本、2台合計で4本のヒューズを施設します。
解き方
- ③が計器用変圧器(VT)の一次側に設置される保護機器であることを特定し、機器が高圧限流ヒューズ(PF:筒形)であることを確認する(イ・ロのカットアウト用つり針状リンクを除外)。
- 単相VT 2台の各端子(各2端子)にそれぞれ挿入されるため、必要な使用本数は2本×2台=4本であると判断し、(ニ)を選択する。
- 選択肢 イ不正解
- 写真は高圧カットアウト用ヒューズリンクであり、VT一次側保護に用いる筒形限流ヒューズではありません。
- 選択肢 ロ不正解
- 機器が高圧カットアウト用ヒューズリンクであり不適です。
- 選択肢 ハ不正解
- 筒形高圧限流ヒューズですが、単相VT 2台の全極(両端子)を保護するためには2本では不足します。
- 選択肢 ニ正解
- VT一次側に設ける筒形の高圧限流ヒューズであり、単相VT 2台の両極保護に必要な本数(4本)と合致しています。
覚えるポイント
- VT一次側には筒形高圧限流ヒューズを用い、V結線(VT 2台)では各極計4本使用する。
間違えやすいところ
- 高圧カットアウト(PC)のヒューズリンク写真と筒形限流ヒューズ(PF)の写真を混同しないこと。
出題の前提:平成21年度第一種電気工事士筆記試験 配線図問題
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
計器用変成器二次側の接地工事
配線図 · 計器用変圧器(VT) / 接地工事の種別 / 高圧受電設備
配線図2において、④で示す計器用変圧器(VT)の二次側電路に施す接地工事の種類として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
ニ
解説
計器用変成器(計器用変圧器VTや変流器CT)は高圧側と低圧側を結合しているため、万一の高低圧混触事故時に二次側の計測器や作業者を高電圧から保護する目的で二次側電路に接地を施します。受電電圧が高圧の場合はD種接地工事、特別高圧の場合はA種接地工事が規定されています。
解き方
- 配線図2の電源を確認すると「3φ3W 6600V」の高圧受電設備であることがわかる。
- ④で示されている接地箇所は、電圧計に接続される計器用変圧器(VT)の二次側電路である。
- 「電気設備の技術基準の解釈」第28条の規定に基づき、高圧計器用変成器の二次側電路に施す接地工事はD種接地工事(ニ)となる。
- 選択肢 イ不正解
- A種接地工事は特別高圧の計器用変成器二次側電路や高圧機器の外箱等に施すものであり、高圧の計器用変成器二次側には適用しません。
- 選択肢 ロ不正解
- B種接地工事は高圧または特別高圧から低圧へ降圧する受電用変圧器の低圧側電路に施すものであり、計器用変成器二次側には適用しません。
- 選択肢 ハ不正解
- C種接地工事は300Vを超える低圧用機械器具の金属製外箱などに施すものであり、計器用変成器二次側電路の接地ではありません。
- 選択肢 ニ正解
- 高圧用計器用変成器(VTおよびCT)の二次側電路には、法令によりD種接地工事を施すことが定められています。
覚えるポイント
- 計器用変成器(VT・CT)二次側の接地工事:高圧はD種接地工事、特高はA種接地工事。
間違えやすいところ
- 主変圧器二次側低圧電路のB種接地工事や、機器金属製外箱のA種接地工事と混同しやすいので注意が必要です。
出題の前提:電気設備の技術基準の解釈 第28条(計器用変成器の接地)
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
CVTケーブルの断面構造
配線図 · CVTケーブル / 架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル / ケーブルの構造
配線図2の⑤に示す部分で使用されるCVTケーブルの断面構造図として、正しいものはどれか。
解答・解説を表示
解答
イ
解説
CVTケーブル(トリプレックス形架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル)は、導体に架橋ポリエチレン絶縁およびビニルシースを施した単心ケーブル3本を撚り合わせた構造を持ちます。一括シース形のCVケーブルに比べて熱放散が良く許容電流を大きく取れ、端末処理が容易で配線作業性が高い特長があります。
解き方
- 図中の「CVT」という記号から、3心トリプレックス形架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルであることを特定する。
- 断面構造の選択肢を確認し、単心の導体・架橋ポリエチレン絶縁体・ビニルシースからなるケーブルが3本撚り合わされている図を探す。
- 選択肢イが単心CVケーブルを3本撚り合わせたトリプレックス構造を示しているため、イが正解と判断できる。
- 選択肢 イ正解
- 単心CVケーブル(架橋ポリエチレン絶縁・ビニルシース)を3本撚り合わせたトリプレックス形(CVT)の断面構造を正しく表しています。
- 選択肢 ロ不正解
- ケーブルを4本撚り合わせたカドラプレックス形の構造を示しており、3相回路に用いるCVTケーブルではありません。
- 選択肢 ハ不正解
- 2本の導体にビニル絶縁を施して共通のシースで覆った2心ビニル絶縁ビニルシースケーブル(VVR等)の構造を示しています。
- 選択肢 ニ不正解
- 3本のビニル絶縁心線を1つの丸形ビニルシースで一括被覆した3心ケーブル(VVR等)の構造を示しており、CVTではありません。
覚えるポイント
- CVTケーブルは単心CVを3本撚り合わせた構造(Triplex)。放熱性が良く許容電流が大きい。
間違えやすいところ
- 3本の心線を一括して外装シースで覆った丸形3心ケーブル(CV 3心やVVR 3心)とトリプレックス形(CVT)を混同しないように区別する。
出題の前提:JIS C 3605(600Vポリエチレンケーブル)等の配線材料規格
出典:電気技術者試験センター『平成21年度第一種電気工事士筆記試験』
公式問題 p.13 ↗(www.shiken.or.jp) / 公式問題 p.14 ↗(www.shiken.or.jp)
平成21年度第一種電気工事士筆記試験
参照した公式資料
電気技術者試験センターが公開した平成21年度第一種電気工事士筆記試験の問題・解答資料です。

