1級の年度別過去問と、2・3級の公式サンプル問題を区別しています。問題文・答案用紙は公式PDFで確認できます。日本商工会議所が案内する解答・解説へのリンクは公式サンプル問題ページにあります。
第173回 1級 工業簿記・原価計算の概要
製品別原価標準の設定
工業簿記 · 標準原価計算 / 原価標準の設定 / 直接材料費 / 直接労務費 / 製造間接費
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解答
製品A-1: 9,800円、製品A-2: 10,500円、製品B: 16,000円
解説
標準原価計算の製品1個あたりの原価標準は、直接材料費・直接労務費・製造間接費などの各原価要素について「標準消費量(または標準作業時間)×標準価格(または標準賃率・標準配賦率)」を計算し、それらを足して決めます。
解き方
- 各製品の原価要素ごとに「標準消費量(時間)×標準単価(率)」を乗じて標準原価を計算する。
- 算定した直接材料費、直接労務費、製造間接費を合算して製品1個当たりの原価標準を求める。
答えの内訳
- 製品A-1:9,800円
- 直接材料費は2.6kg×1,000円/kg=2,600円、直接労務費は1.2時間×2,000円/時間=2,400円、製造間接費は1.2時間×4,000円/時間=4,800円となり、合計原価標準は2,600円+2,400円+4,800円=9,800円である。
- 製品A-2:10,500円
- 直接材料費は2.7kg×1,000円/kg=2,700円、直接労務費は1.3時間×2,000円/時間=2,600円、製造間接費は1.3時間×4,000円/時間=5,200円となり、合計原価標準は2,700円+2,600円+5,200円=10,500円である。
- 製品B:16,000円
- 直接材料費は4.0kg×1,000円/kg=4,000円、直接労務費は2.0時間×2,000円/時間=4,000円、製造間接費は2.0時間×4,000円/時間=8,000円となり、合計原価標準は4,000円+4,000円+8,000円=16,000円である。
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覚えるポイント
- 原価標準は「標準消費量×標準単価」を各原価要素ごとに算定して合算する。
間違えやすいところ
- 製造間接費の配賦基準が直接作業時間であることを確認せず計算を誤る。
出題の前提:原価計算基準および出題資料に示された標準諸元に基づく計算
出典:日本商工会議所『第173回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.2 ↗(www.kentei.ne.jp)
製品グループ化による平均原価標準の算定
工業簿記 · 標準原価計算 / 製品グループ化 / 加重平均原価標準 / 製品ミックス
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解答
10,360円
解説
似た複数の製品を1つのグループにまとめ、1種類の製品として原価標準を決める場合は、あらかじめ想定した各製品の構成割合(製品ミックスの比)で、各製品の原価標準を加重平均して設定します。
解き方
- 問1で設定した製品A-1の原価標準(9,800円)および製品A-2の原価標準(10,500円)を確認する。
- 仮定された製品ミックス比率(1:4)を用いて加重平均計算を行い、製品Aの原価標準を算出する。
覚えるポイント
- グループ化による原価標準は、構成製品の原価標準を予定ミックス比で加重平均して求める。
間違えやすいところ
- 単純平均(9,800+10,500)÷2=10,150円としてしまい、製品ミックス比(1:4)の重み付けを忘れる。
出題の前提:問題文の指示および原価標準設定時の製品ミックス比に基づく計算
出典:日本商工会議所『第173回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.2 ↗(www.kentei.ne.jp)
標準原価計算における原価差異分析
工業簿記 · 標準原価計算 / 原価差異分析 / 直接材料費差異 / 直接労務費差異
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解答
材料消費量差異: 60,000円(借方差異) 消費材料価格差異: 93,000円(借方差異) 作業時間差異: 120,000円(借方差異) 賃率差異: 45,000円(借方差異)
解説
標準原価計算の総差異は「標準原価−実際原価」で求めます。標準より実際の方が多くかかれば不利差異(借方差異)、少なくて済めば有利差異(貸方差異)です。
解き方
- 原価標準に基づき、当月生産量に対する直接材料の標準消費量合計および直接労務の標準作業時間合計を算定する。
- 実際発生額と実際消費量・実際作業時間から実際単価および実際平均賃率を計算する。
- 差異分析公式を適用して各差異を算定し、借方差異か貸方差異かを判定する。
答えの内訳
- 材料消費量差異:60,000円(借方差異)
- 製品Aの標準消費量は2,000個×2.62kg=5,240kg、製品Bは1,000個×4.0kg=4,000kgで、合計標準消費量は9,240kgです。材料消費量差異=(9,240kg-9,300kg)×標準単価1,000円=-60,000円(借方差異)となります。
- 消費材料価格差異:93,000円(借方差異)
- 実際単価は9,393,000円÷9,300kg=1,010円/kgです。消費材料価格差異=(標準単価1,000円-実際単価1,010円)×実際消費量9,300kg=-93,000円(借方差異)となります。
- 作業時間差異:120,000円(借方差異)
- 製品Aの標準時間は2,000個×1.22時間=2,440時間、製品Bは1,000個×2.0時間=2,000時間で、合計標準作業時間は4,440時間です。作業時間差異=(4,440時間-4,500時間)×標準賃率2,000円=-120,000円(借方差異)となります。
- 賃率差異:45,000円(借方差異)
- 実際平均賃率は9,045,000円÷4,500時間=2,010円/時間です。賃率差異=(標準賃率2,000円-実際賃率2,010円)×実際作業時間4,500時間=-45,000円(借方差異)となります。
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覚えるポイント
- 標準消費量(時間)から実際消費量(時間)を引いた値に標準価格(賃率)を掛けると数量(時間)差異が求まる。
間違えやすいところ
- 製品Aの標準消費量や標準時間を計算する際、製品A-1とA-2の加重平均値(2.62kg、1.22時間)を用い忘れる誤りに注意する。
出題の前提:問題文および資料の指示(標準単価1,000円/kg、標準賃率2,000円/時間、配賦基準等)に基づく。
出典:日本商工会議所『第173回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.2 ↗(www.kentei.ne.jp) / 公式問題 p.3 ↗(www.kentei.ne.jp)
製品ミックスの変動に伴う原価差異の算定
工業簿記 · 標準原価計算 / 製品ミックス差異 / 原価差異の分析
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解答
材料消費量差異: 10,000円(借方差異) 作業時間差異: 20,000円(借方差異)
解説
複数の製品をグループ化して1つの原価標準を決めている場合、前提にした製品ミックスと実際の生産ミックスが違うと、各製品の標準消費量・時間の差から原価差異(製品ミックス差異)が出ます。
解き方
- 実際ミックス(3:1)に基づいて製品A-1(1,500個)および製品A-2(500個)の実際生産量を把握する。
- 実際ミックスにおける本来の標準消費量および標準作業時間を算出する。
- 原価標準設定時の標準(仮定ミックスに基づく標準)から実際ミックスに基づく標準を差し引き、標準単価・標準賃率を乗じて製品ミックス差異を計算する。
答えの内訳
- 材料消費量差異:10,000円(借方差異)
- 仮定ミックス(4:1)による製品Aの標準消費量は5,240kg、実際ミックス(3:1=A-1:1,500個、A-2:500個)に基づく標準消費量は1,500個×2.6kg+500個×2.7kg=5,250kgです。製品ミックスによる差異=(5,240kg-5,250kg)×1,000円=-10,000円(借方差異)となります。
- 作業時間差異:20,000円(借方差異)
- 仮定ミックス(4:1)による製品Aの標準作業時間は2,440時間、実際ミックス(3:1)に基づく標準作業時間は1,500個×1.2時間+500個×1.3時間=2,450時間です。製品ミックスによる差異=(2,440時間-2,450時間)×2,000円=-20,000円(借方差異)となります。
覚えるポイント
- グループ化された原価標準でのミックス差異は「仮定ミックス標準原価-実際ミックス標準原価」で求められる。
間違えやすいところ
- 差異の差引順序を逆にし、有利差異(貸方差異)と不利差異(借方差異)を取り違えるミスに注意する。
出題の前提:問題文および資料の指示(製品ミックスの仮定4:1と実績3:1)に基づく。
出典:日本商工会議所『第173回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.2 ↗(www.kentei.ne.jp) / 公式問題 p.3 ↗(www.kentei.ne.jp)
制度外原価計算における製品別1個当たり営業利益の算定
工業簿記 · 制度外の原価計算 / 実際製造原価の計算 / 製品別採算性分析
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解答
製品A-1:2,730円、製品B:1,710円
解説
制度外の原価計算では、簿記のしくみにとらわれず、経営の目的に合わせて柔軟に計算します。本問の指示に従い、1個あたりの実際の物量(実際消費量・実際作業時間)に標準価格・標準賃率・標準配賦率を当てはめて各製品の1個あたり原価を求め、販売価格と売上高に比例する販管費を引いて、製品1個あたりの実際営業利益を計算します。
解き方
- 総実際消費量および総実際作業時間を各製品の生産量で除し、製品1個当たりの実際消費量および実際作業時間を算定する。
- 1個当たりの実際物量に標準価格、標準賃率、製造間接費標準配賦率をそれぞれ乗じて製品1個当たり製造原価を計算する。
- 各製品の販売価格から1個当たり製造原価と1個当たり販管費(販売価格×10%)を差し引いて、製品1個当たりの営業利益を算出する。
答えの内訳
- 製品A-1:2,730円
- 1個当たりの材料実際消費量は3,915kg÷1,500個=2.61kgであり、標準価格1,000円を乗じて直接材料費は2,610円。1個当たりの実際作業時間は1,815時間÷1,500個=1.21時間であり、直接労務費は1.21時間×2,000円=2,420円、製造間接費は1.21時間×4,000円=4,840円となる。製品1個当たり製造原価は2,610円+2,420円+4,840円=9,870円。販売価格14,000円から製造原価9,870円と販管費(14,000円×10%=1,400円)を差し引き、営業利益は14,000円-9,870円-1,400円=2,730円となる。
- 製品B:1,710円
- 1個当たりの材料実際消費量は4,050kg÷1,000個=4.05kgであり、直接材料費は4.05kg×1,000円=4,050円。1個当たりの実際作業時間は2,040時間÷1,000個=2.04時間であり、直接労務費は2.04時間×2,000円=4,080円、製造間接費は2.04時間×4,000円=8,160円となる。製品1個当たり製造原価は4,050円+4,080円+8,160円=16,290円。販売価格20,000円から製造原価16,290円と販管費(20,000円×10%=2,000円)を差し引き、営業利益は20,000円-16,290円-2,000円=1,710円となる。
覚えるポイント
- 制度外の原価計算における指示通りの算定条件(実際消費量×標準単価等)を正確に読み取ること。
- 販管費が売上高の一定割合として負担される点を見落とさずに控除すること。
間違えやすいところ
- 生産量(製品A-1は1,500個、製品Bは1,000個)で割るのを忘れ、総額で計算してしまうミス。
- 直接労務費の作業時間に対応する製造間接費の配賦額の加算を忘れてしまうミス。
出題の前提:問題文および資料の指示に基づく。
出典:日本商工会議所『第173回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.3 ↗(www.kentei.ne.jp)
原価計算制度と制度外の原価計算の比較
工業簿記 · 原価計算制度 / 制度外の原価計算 / 標準原価計算 / 製品ミックス差異
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解答
エ
解説
原価計算制度は財務諸表の作成や全般的な原価管理を目的にしますが、多品種生産で平均的な原価標準を使うと、製品ごとの正確な採算が見えにくくなるという限界があります。後から製品ミックス差異を分析しても、個別製品の採算判断や現場での厳密な原価統制が難しくなるという管理上の問題は残ります。
解き方
- 各選択肢の記述について、原価計算制度の目的および制度外原価計算との関係性を検討する。
- 選択肢エにおける「製品ミックス差異を計算して分離できるので、そのことは問題にならない」という記述の妥当性を、問題文の導入部で述べられている採算把握の困難性等の問題意識と照らし合わせて誤りであると判断する。
- 選択肢 ア正解
- アは正しいです。原価計算制度では固定製造間接費の操業度差異をつかめるので、予定操業度と実際操業度のずれに経営管理者の注意を向けられます。
- 選択肢 イ正解
- イは正しいです。制度外原価計算で製品単位あたり原価を比べても、設備全体の操業度が予定どおりでなければ固定費総額の回収不足が生じます。
- 選択肢 ウ正解
- ウは正しいです。製品の品目が非常に多いとき、重要品目に絞って制度外で単位あたり利益を計算し採算を見るのは実務上とても有効です。
- 選択肢 エ不正解
- エは誤りです。製品をグループ化して平均的な原価標準にすると個々の製品の適正な採算が分からなくなるなど弊害があり、差異を分離しても管理上の問題がなくなるわけではありません。
- 選択肢 オ正解
- オは正しいです。標準原価計算制度を採用していても、標準の決め方やグループ化の程度によっては、経営者の意思決定に役立つ情報が得られないことがあります。
覚えるポイント
- 標準原価計算における製品グループ化は簡便化の手法であるが、個別の採算把握を歪めるデメリットがある。
- 原価計算制度と制度外原価計算の相互補完的な役割を理解すること。
間違えやすいところ
- 差異分析でミックス差異を計算できることと、個別製品の採算管理上「問題にならない」こととを混同してしまうミス。
出題の前提:問題文の前提文および原価計算基準に基づく。
出典:日本商工会議所『第173回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.2 ↗(www.kentei.ne.jp) / 公式問題 p.3 ↗(www.kentei.ne.jp)
事業部制における事業部別貢献利益の算定
原価計算 · 事業部制会計 / 社内振替価格 / 貢献利益
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解答
繊維事業部:4,680,000円、衣料品事業部:17,500,000円
解説
事業部制会計で市価基準の内部振替価格を使う場合、売る側の事業部は振替分を売上高に計上します。買う側の事業部は、その振替分を仕入原価(材料費などの変動費)として計算に含めて、事業部別の貢献利益を求めます。
解き方
- 繊維事業部について、外部販売数量と内部振替数量を合算した総販売数量に、単位当たり貢献利益(販売単価-変動費)を乗じて貢献利益を計算する。
- 衣料品事業部について、衣料品Aの単位当たり変動費(繊維a素材費を含む)を計算し、製品別の貢献利益を合算して事業部全体の貢献利益を計算する。
答えの内訳
- 繊維事業部:4,680,000円
- 繊維aの1kg当たり貢献利益は、販売単価800円-変動費合計350円=450円です。総販売数量は外部向け8,000kg+内部向け2,400kg=10,400kgであるため、繊維事業部の貢献利益は 10,400kg × 450円/kg = 4,680,000円 となります。
- 衣料品事業部:17,500,000円
- 衣料品Aの1着当たり変動費は、繊維a960円(800円×1.2kg)+その他素材280円+その他変動製造原価1,870円+変動販売費190円=3,300円です。1着当たり貢献利益は 5,400円-3,300円=2,100円となり、衣料品Aの貢献利益は 2,000着×2,100円=4,200,000円です。衣料品A以外の1着当たり貢献利益は 4,000円-2,100円=1,900円であり、衣料品A以外の貢献利益は 7,000着×1,900円=13,300,000円です。したがって、衣料品事業部の貢献利益合計は 4,200,000円+13,300,000円=17,500,000円 となります。
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覚えるポイント
- 事業部制における貢献利益=売上高-変動費
- 受入事業部側では内部振替価格が素材の仕入単価となる
間違えやすいところ
- 繊維事業部の販売数量から衣料品事業部向けの振替数量を除外してしまうミス
- 衣料品Aの素材費として繊維aの標準消費量(1.2kg)を掛け忘れるミス
出題の前提:問題文および資料の条件に基づく
出典:日本商工会議所『第173回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.4 ↗(www.kentei.ne.jp)
販売価格引き下げ・販売中止の意思決定と内部振替価格の交渉可能範囲
原価計算 · 内部振替価格の決定 / 差額収益分析 / 機会原価
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解答
① 12,700,000(円)、② 13,300,000(円)、③ 3,600,000(円)、④ 550(円)、⑤ 350(円)
解説
事業部間の振替価格が交渉で決まる範囲は、買う側の最大支払可能価格(上限:外部市場価格、または製品が損失を出さない許容原価)と、売る側の最低受入可能価格(下限:追加変動費+機会原価)の間になります。
解き方
- 販売単価引き下げ時および販売中止時における衣料品事業部の貢献利益をそれぞれ計算し、空欄①と②を求める。
- 衣料品A中止時に繊維事業部の販売が外部向け(8,000kg)のみとなることから空欄③を求める。
- 衣料品事業部において衣料品Aの貢献利益がゼロ以上となる繊維aの単価上限を計算して空欄④を求める。
- 繊維事業部が衣料品事業部向け販売で貢献利益を獲得できる繊維aの単価下限(変動費合計)を特定して空欄⑤を求める。
答えの内訳
- ①:12,700,000
- 衣料品Aの販売単価を3,000円に引き下げた場合、1着当たり変動費3,300円であるため、1着当たり貢献利益は 3,000円-3,300円=△300円 となり、衣料品Aの貢献利益は 2,000着×(△300円)=△600,000円 となります。衣料品事業部の貢献利益は、衣料品A以外13,300,000円-600,000円=12,700,000円 に減少します。
- ②:13,300,000
- 衣料品Aの生産・販売を中止した場合、衣料品Aの貢献利益は0円となるため、衣料品事業部の貢献利益は衣料品A以外の貢献利益のみとなり、13,300,000円となります。
- ③:3,600,000
- 衣料品事業部が衣料品Aを中止すると衣料品事業部向けの繊維a販売(2,400kg)が失われます。外部市場需要量8,000kgは短期的に増やせないため、繊維事業部の販売数量は外部向けの8,000kgのみとなります。したがって、繊維事業部の貢献利益は 8,000kg×(800円-350円)=3,600,000円 となります。
- ④:550
- 衣料品事業部にとって衣料品Aを中止しないための条件は、衣料品Aの貢献利益が0円以上となることです。衣料品Aの単価3,000円から繊維a以外の変動費(280円+1,870円+190円=2,340円)を差し引いた660円が、繊維a1.2kgに許容される素材費の上限です。したがって、繊維aの内部振替価格の上限は 660円÷1.2kg=550円/kg となります。
- ⑤:350
- 繊維事業部には外部への転売機会がない(余剰生産能力となる)ため機会原価は0です。したがって、繊維事業部にとって内部販売を継続するための下限価格は、繊維aの単位当たり追加変動費である350円/kgとなります。
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覚えるポイント
- 振替価格の上限=受入事業部にとって採算が取れる上限単価
- 振替価格の下限=供給事業部の増分変動費+機会原価
間違えやすいところ
- 空欄④で繊維a以外の変動費を引いた後の許容額(660円)を、1着当たり消費量1.2kgで割り忘れるミス
- 繊維aの外部需要に上限があるため、余剰能力分の機会原価がゼロになる点を見落とすミス
出題の前提:問題文および会話文の条件に基づく
出典:日本商工会議所『第173回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.4 ↗(www.kentei.ne.jp) / 公式問題 p.5 ↗(www.kentei.ne.jp)
サブスクリプション型ビジネスにおける月間定期収益(MRR)の算定
原価計算 · サブスクリプション / 月間定期収益(MRR) / 収益認識
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解答
4月: 640,000円 12月: 1,920,000円
解説
サブスクリプション型の月間定期収益(MRR:毎月続けて得られる定額料金の合計)は、解約がなければ、毎月の新規獲得額がそのまま積み上がっていきます。
解き方
- 当期1月を開始月とし、毎月の新規契約獲得額が160,000円で解約がないことを確認します。
- 対象月(第N月)までの新規契約の累積額(160,000円 × N)を計算して各月の月間定期収益を求めます。
答えの内訳
- 4月:640,000円
- 毎月160,000円の新規契約が純増し解約がないため、4月時点の契約数は4か月分が累積します。したがって、160,000円 × 4か月 = 640,000円となります。
- 12月:1,920,000円
- 解約を考慮しないため、12月時点では1月から12月までの12か月分の新規契約がすべて累積します。したがって、160,000円 × 12か月 = 1,920,000円となります。
覚えるポイント
- サブスクリプション型では、当期の売上だけでなく将来にわたり反復継続する定期収益(MRR/ARR)の把握が重要になります。
間違えやすいところ
- 各月の新規獲得額(160,000円)そのものを月間定期収益と混同しないよう注意が必要です。
出題の前提:問題文に明記された条件(当期1〜12月、新規契約160,000円/月、解約なし、月単位契約)に基づく。
出典:日本商工会議所『第173回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.5 ↗(www.kentei.ne.jp)
サブスクリプション契約の年間売上高の算定
原価計算 · サブスクリプション / 年間売上高 / 等差数列の和
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解答
問2: 12,480,000円
解説
新規契約が毎月同じペースで増え、解約がないサブスクリプションの初年度の年間売上高は、各月の月間定期収益を1年分足したものになります。これは等差数列の和の公式を使うと手早く計算できます。
解き方
- 各月の定期収益が 160,000円 × t(t=1〜12)となることを把握します。
- 1から12までの整数和を求めます(12 × 13 ÷ 2 = 78)。
- 160,000円に78を乗じて年間の累計売上高(12,480,000円)を算出します。
覚えるポイント
- 12月末時点の年間換算値(期末MRR × 12か月)と、当期初年度の年間実績売上高(各月の累積和)の違いを区別して押さえましょう。
間違えやすいところ
- 12月時点の月間収益1,920,000円に12を掛けて年間売上高としてしまう誤答に注意が必要です。
出題の前提:問題文に明記された条件(当期1〜12月、新規契約160,000円/月、解約なし、月単位契約)に基づく。
出典:日本商工会議所『第173回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.5 ↗(www.kentei.ne.jp)
サブスクリプション型ビジネスにおける年間定期収益(ARR)の算定
原価計算 · サブスクリプション / 月間定期収益(MRR) / 年間定期収益(ARR)
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解答
23,040,000円
解説
サブスクリプション型ビジネスで、月間定期収益(MRR)は毎月続く契約額を表します。これを年ベース(12倍)に直した指標を年間定期収益(ARR)といいます。
解き方
- 当期末(12月)における月間定期収益(MRR)を「毎月の新規契約獲得額160,000円×12か月=1,920,000円」として計算する。
- 来期はこの月間定期収益が12か月間継続するため、「1,920,000円×12か月=23,040,000円」を算定する。
覚えるポイント
- 年間定期収益(ARR)は、各期末時点の月間定期収益(MRR)を12倍して算出する。
間違えやすいところ
- 当期の年間累計売上高(160,000円×(1+…+12)=12,480,000円)と、期末時点の契約水準に基づく来期予測売上高(1,920,000円×12)を混同しないように注意する。
出題の前提:第173回日商簿記検定1級 原価計算 問題2
出典:日本商工会議所『第173回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.5 ↗(www.kentei.ne.jp)
解約率を考慮したサブスクリプションの月間利益計算
原価計算 · サブスクリプション / コホート分析 / 解約率(チャーンレート) / 新規顧客獲得費用(CAC)
問題文・数表・選択肢は公式問題で確認してください。公式の問題文を開く ↗
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解答
△198,980円
解説
サブスクリプション型では、各月に獲得した契約群(コホート)が解約率に応じて少しずつ減っていきます。そのため、その月の売上や貢献利益は、各コホートの当月の残存分を足し合わせて計算します。
解き方
- 1月・2月・3月に新規獲得した各契約の、3月における売上高(144,400円、152,000円、160,000円)を算出して合計456,400円を求める。
- 貢献利益率55%((160,000−72,000)/160,000)を乗じて、3月の貢献利益251,020円を計算する。
- 貢献利益251,020円から新規顧客獲得費用450,000円を差し引き、月間利益△198,980円を求める。
覚えるポイント
- 解約率を考慮する場合、過去に獲得した契約が毎月(1−解約率)の比率で残存していくコホート推移を正確に追跡する。
間違えやすいところ
- 解約の影響を考慮せず、単純に160,000円×3か月=480,000円を売上高として計算してしまうミスが多い。
- 損失が出た場合に指示通りの記号「△」を付け忘れないように注意する。
出題の前提:第173回日商簿記検定1級 原価計算 問題2
出典:日本商工会議所『第173回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.5 ↗(www.kentei.ne.jp)
サブスクリプション型ビジネスにおける月間利益の黒字化時期の算定
原価計算 · サブスクリプション / CVP分析 / 顧客獲得費用(CAC) / 月間利益
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解答
6か月目
解説
サブスクリプション型では、毎月かかる新規顧客獲得費用を、その月までの累積契約から得られる総貢献利益が上回った時点で、月間利益が黒字になります。契約が減っていくことを考えた累積貢献利益は、等比数列の和として計算します。
解き方
- 新規契約1件あたりの月間貢献利益(160,000円 − 72,000円 = 88,000円)と解約後の残存率(1 − 0.05 = 0.95)を確認する。
- 第n月の総貢献利益を等比数列の和の公式を用いて立式し、新規顧客獲得費用450,000円を上回る最小の月数nを順次計算して特定する。
覚えるポイント
- 毎月一定率で解約されるサブスクリプションの総売上・総貢献利益の累積は、初項a、公比(1−解約率)の等比数列の和で表される。
間違えやすいところ
- 解約率を考慮せず単に「88,000円 × nか月 > 450,000円」としてn=6と計算してしまうと偶然数値は一致するものの、各月の既存顧客の逓減(0.95掛け)を無視した誤った解法となるため注意が必要です。
出題の前提:問題文の追加資料に示された変動費、解約率、新規顧客獲得費用の前提条件に基づく。
出典:日本商工会議所『第173回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.5 ↗(www.kentei.ne.jp)
解約率変化に伴う顧客生涯価値(LTV)の算定
原価計算 · ライフタイムバリュー(LTV) / 顧客生涯価値 / 解約率(チャーンレート) / サブスクリプション
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解答
880,000円
解説
顧客生涯価値(LTV)は、顧客が契約している間にもたらす利益の合計です。「1期間あたりの貢献利益×平均継続期間(1÷解約率)」、または貢献利益の無限等比級数の和として求めます。
解き方
- 解約率10%から平均継続期間(1 ÷ 0.10 = 10か月)を算定する。
- 月額売上高160,000円から月額変動費72,000円を差し引いて月間貢献利益88,000円を求める。
- 月間貢献利益88,000円に平均継続期間10か月を乗じて生涯価値880,000円を算出する。
覚えるポイント
- 平均継続期間 = 1 ÷ 解約率 であり、生涯価値(LTV)= 1期間あたり貢献利益 ÷ 解約率 で即座に計算できる。
間違えやすいところ
- 生涯価値の計算において、売上高ベース(160,000円 × 10か月 = 1,600,000円)で算定してしまい、変動費を差し引いた貢献利益ベースであることを失念する誤り。
出題の前提:問題文の追加資料における「契約の平均継続期間は20か月(解約率5%時)であり、毎月の貢献利益にもとづく生涯価値」の定義に基づく。
出典:日本商工会議所『第173回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.5 ↗(www.kentei.ne.jp)
第173回 1級 工業簿記・原価計算
参照した公式資料
日本商工会議所が公開した第173回 1級 工業簿記・原価計算の問題・解答資料です。
- 公式問題 ↗ — www.kentei.ne.jp(PDF・5ページ)

