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日商簿記検定 · 学習ガイド

第168回 1級 工業簿記・原価計算の問題・解答解説

1級の年度別過去問と、2・3級の公式サンプル問題を区別しています。問題文・答案用紙は公式PDFで確認できます。日本商工会議所が案内する解答・解説へのリンクは公式サンプル問題ページにあります。

第168回 1級 工業簿記・原価計算の概要
30:00

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材料の購入・消費・差異・棚卸減耗の仕訳

工業簿記 · 材料費会計 / 材料副費 / 予定価格 / 棚卸減耗損

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解答

①(借)材料 6,486,690 (貸)買掛金 5,640,600 / 材料副費 846,090 ②(借)仕掛品 5,088,000 / 製造間接費 1,201,700 (貸)材料 6,289,700 ③(借)材料副費 431,740 (貸)材料副費差異 431,740 ④(借)消費価格差異 253,455 (貸)材料 253,455 ⑤(借)製造間接費 29,670 (貸)材料 29,670

解説

材料の購入原価には外部副費と内部副費を足すのが原則です。ただし、問題で「引取費用だけを加算する」と指定されている場合は、予定配賦する材料副費を引取費用だけにし、それ以外の材料副費は製造間接費(間接経費)として処理します。消費価格差異は、予定消費額と、先入先出法などによる実際消費額との差額で求めます。

解き方

  1. 各材料の購入代価に予定配賦率(15%)を乗じて購入原価と予定配賦額を算定する。
  2. 払出数量に各材料の予定価格を乗じて予定消費額を算定し、直接材料は仕掛品、間接材料は製造間接費に振り替える。
  3. 材料副費の予定配賦額と引取運賃の実際発生額を比較し、材料副費差異を算定する。
  4. 先入先出法により各材料の実際消費額を求め、予定消費額との差額から消費価格差異を算定する。
  5. 継続記録法を採用している材料の実地棚卸数量と帳簿数量を比較し、正常な棚卸減耗損を製造間接費に計上する。

答えの内訳

① 材料の購入(入庫):(借方)材料 6,486,690 /(貸方)買掛金 5,640,600 材料副費 846,090
当月購入代価の合計額は、原料A(6,500kg×440円+4,000kg×430円=4,580,000円)+補助材料B(750本×780円=585,000円)+補助材料C(8,200個×58円=475,600円)=5,640,600円(買掛金)です。引取費用の予定配賦額は 5,640,600円 × 15% = 846,090円(材料副費)となります。材料受入原価は 5,640,600円 + 846,090円 = 6,486,690円 です。
② 材料の消費(払出):(借方)仕掛品 5,088,000 製造間接費 1,201,700 /(貸方)材料 6,289,700
消費額は予定価格で計上します。原料Aは直接材料であり、払出合計(3,100+3,800+3,700=10,600kg)×予定単価480円=5,088,000円(仕掛品)。補助材料Bは継続記録法により払出数770本×予定単価860円=662,200円。補助材料Cは棚卸計算法により消費量=月初950+当月受入8,200-実地棚卸850=8,300個、消費額=8,300個×予定単価65円=539,500円。間接材料費の合計は 662,200+539,500=1,201,700円(製造間接費)となります。
③ 材料副費差異の把握:(借方)材料副費 431,740 /(貸方)材料副費差異 431,740
購入原価に加算する引取費用の実際発生額は引取運賃414,350円のみです(他の副費は間接経費)。引取費用の予定配賦額は846,090円であるため、材料副費勘定の残高(予定配賦額846,090円-実際発生額414,350円=貸方残431,740円)を材料副費差異へ振り替えます。
④ 消費価格差異の把握:(借方)消費価格差異 253,455 /(貸方)材料 253,455
先入先出法による実際消費額を求めます。原料A:月初(1,400kg×483円=676,200円)+4日分(6,500kg×506円=3,289,000円)+16日分(2,700kg×494.5円=1,335,150円)=5,300,350円。補助材料B:月初(80本×851円=68,080円)+4日分(690本×897円=618,930円)=687,010円。補助材料C:月初(950個×69円=65,550円)+10日分(7,350個×66.7円=490,245円)=555,795円。実際消費額合計は6,543,155円。予定消費額合計6,289,700円との差額(6,543,155-6,289,700=253,455円)は実際消費額が予定を上回る借方差異(不利差異)です。
⑤ 棚卸減耗損の把握:(借方)製造間接費 29,670 /(貸方)材料 29,670
継続記録法を適用する原料Aの帳簿残高は 1,400+10,500-10,600=1,300kg。実地棚卸高は1,240kgなので減耗量は60kg。先入先出法による直近の購入単価は494.5円であるため、棚卸減耗損=60kg×494.5円=29,670円。補助材料Bは帳簿残高60本、実地棚卸高60本で減耗なし。正常な減耗であるため製造間接費へ計上します。

覚えるポイント

  • 加算対象が「引取費用のみ」と指示されている場合、他の材料副費は間接経費となる。
  • 棚卸計算法を採用する材料は、棚卸減耗が自動的に消費量に含まれるため棚卸減耗損は計上しない。

間違えやすいところ

  • 引取費用以外の買入手数料や保管費を材料副費の配賦対象に含めてしまう。
  • 棚卸計算法を採用している補助材料Cについて棚卸減耗損を二重計上してしまう。

出題の前提:原価計算基準および日商簿記検定1級出題区分表に基づく材料費の処理基準

出典:日本商工会議所『第168回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.2 ↗(www.kentei.ne.jp) / 公式問題 p.3 ↗(www.kentei.ne.jp)

第168回 1級 工業簿記・原価計算

参照した公式資料

日本商工会議所が公開した第168回 1級 工業簿記・原価計算の問題・解答資料です。