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日商簿記検定 · 学習ガイド

第165回 1級 商業簿記・会計学の問題・解答解説

1級の年度別過去問と、2・3級の公式サンプル問題を区別しています。問題文・答案用紙は公式PDFで確認できます。日本商工会議所が案内する解答・解説へのリンクは公式サンプル問題ページにあります。

全3設問のうち1設問の解説を掲載しています。指定答案用紙などが確認できない設問は掲載していません。

第165回 1級 商業簿記・会計学の概要
30:00

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税効果会計・貸倒引当金・会計上の見積りに関する開示

会計学 · 税効果会計 / 貸倒引当金(キャッシュ・フロー見積法) / 会計上の見積りの開示に関する会計基準

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解答・解説を表示

解答

ア:減算、イ:資産、ウ:400、エ:懸念、オ:担保、カ:21,525(または21,526)、キ:見積り(見積)、ク:リスク

解説

税効果会計の将来減算一時差異と実効税率が変わったときの処理、金融商品会計基準の貸倒懸念債権の評価方法(財務内容評価法とキャッシュ・フロー見積法)、そして「会計上の見積りの開示に関する会計基準」の基本を横断して問う問題です。

解き方

  1. 問1について、減価償却超過額が将来減算一時差異・繰延税金資産であることを確認し、各期の繰延税金資産残高(前期末20,000×35%=7,000千円、当期末22,000×30%=6,600千円)を求め、その差額400千円を法人税等調整額とする。
  2. 問2について、債権区分(貸倒懸念債権)および財務内容評価法の担保控除を確認した上で、キャッシュ・フロー見積法に基づき将来キャッシュ・フローを約定利率3%で割り引いて現在価値合計を算定し、帳簿価額50,000千円との差額を求める。
  3. 問3について、開示会計基準の基準名「会計上の見積りの開示に関する会計基準」および開示対象となる「重要な影響を及ぼすリスク」の定義規定を当てはめる。

小問ごとの答え

小問 ア:減算
税法上の損金算入限度額を超えた減価償却超過額は、将来の損金算入(将来の課税所得を減額する効果)が見込まれるため、「将来減算一時差異」となります。
小問 イ:資産
将来減算一時差異に係る税金の減額効果は、将来の税金負担を軽減する前払的な性格を有するため、「繰延税金資産」として資産計上されます。
小問 ウ:400
前年度末の繰延税金資産残高は20,000千円×35%=7,000千円、当年度末の残高は22,000千円×30%=6,600千円です。差額400千円(7,000千円-6,600千円)だけ繰延税金資産を取り崩すため、貸方に繰延税金資産400千円、借方に法人税等調整額400千円が計上されます。
小問 エ:懸念
金融商品に関する会計基準において、経営破綻の状態には至っていないが債務の履行に重大な問題が生じているか生じる可能性が高い債務者に対する債権は「貸倒懸念債権」と定義されています。
小問 オ:担保
財務内容評価法では、債権額から「担保の処分見込額」および「保証による回収見込額」を直接控除し、回収不能と認められない部分を除いた残額に対して貸倒見積高を算定します。
小問 カ:21,525
将来キャッシュ・フローの割引現在価値は、2年後分が500千円/(1+0.03)^2=471.297…千円、3年後分が30,600千円/(1+0.03)^3=28,003.334…千円となり、合計現在価値は28,474.63…千円(四捨五入して28,475千円)となります。したがって、貸倒見積高は帳簿価額50,000千円-28,475千円=21,525千円(各キャッシュ・フローを端数処理してから合計した場合は21,526千円)となります。
小問 キ:見積り
企業会計基準第31号の正式名称は「会計上の見積りの開示に関する会計基準」であり、財務諸表利用者の理解に資する情報の開示を目的としています(「見積」も可)。
小問 ク:リスク
会計上の見積りの開示に関する会計基準第4項において、「翌年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目」について開示することが定められています。

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覚えるポイント

  • 税率変更がある場合の当期法人税等調整額は「期末繰延税金資産-期首繰延税金資産」の増減で把握する。
  • キャッシュ・フロー見積法の貸倒見積高=債権帳簿価額-将来キャッシュ・フローの割引現在価値(当初約定利子率で割引)。

間違えやすいところ

  • 法人税等調整額の符号をプラス・マイナス混同して△400としてしまう誤り。
  • キャッシュ・フロー見積法において、割引現在価値そのものを貸倒見積高として解答してしまう誤り(帳簿価額から控除した差額が貸倒見積高)。
  • キャッシュ・フローの割引計算で、割引年数(2年後・3年後)の乗数を間違える誤り。

出題の前提:金融商品に関する会計基準、税効果会計に係る会計基準、会計上の見積りの開示に関する会計基準(企業会計基準第31号)

出典:日本商工会議所『第165回 1級 商業簿記・会計学』
公式問題 p.4 ↗(www.kentei.ne.jp)

第165回 1級 商業簿記・会計学

参照した公式資料

日本商工会議所が公開した第165回 1級 商業簿記・会計学の問題・解答資料です。