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日商簿記検定 · 学習ガイド

第164回 1級 工業簿記・原価計算の問題・解答解説

1級の年度別過去問と、2・3級の公式サンプル問題を区別しています。問題文・答案用紙は公式PDFで確認できます。日本商工会議所が案内する解答・解説へのリンクは公式サンプル問題ページにあります。

第164回 1級 工業簿記・原価計算の概要
30:00

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原価計算の帳簿組織および原価の分類用語

工業簿記 · 原価計算票 / 元帳組織 / 棚卸計算法 / 段取時間と段取費

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解答・解説を表示

解答

1: カ, 2: オ, 3: キ, 4: ナ, 5: サ, 6: ソ

解説

個別原価計算の補助元帳(材料元帳・製造原価元帳・製品元帳)の役割、材料の消費量の把握方法(継続記録法と棚卸計算法)、そして日本の製造実務での段取時間の原価区分を、体系的に押さえる問題です。

解き方

  1. 未完成品・完成品・材料の各原価計算票や記録カードが構成する元帳の名称を特定する。
  2. 材料の消費量把握方法のうち実地棚卸による逆算である「棚卸計算法」の特徴を確認する。
  3. 日本の製造業において直接工が段取作業を行う場合の「段取時間」と「段取費」の分類(直接作業時間・直接労務費)を判断する。
選択肢 ア不正解
アは誤りです。継続記録法は出庫のたびに記録する方法で、元帳の名前や消費把握方法の説明には合いません。
選択肢 イ不正解
イは誤りです。平均法は払出単価の計算方法で、空欄の文脈には当てはまりません。
選択肢 ウ不正解
ウは誤りです。先入先出法も払出単価の計算方法で、空欄の文脈には当てはまりません。
選択肢 エ不正解
エは誤りです。売上品元帳という名称は、完成品の原価計算票をまとめた正式な元帳名ではありません。
選択肢 オ正解
オは正しいです。完成品の原価計算票を整理してまとめた補助元帳は製品元帳です。
選択肢 カ正解
カは正しいです。未完成品の原価計算票を整理してまとめた補助元帳は製造(原価)元帳(仕掛品元帳)です。
選択肢 キ正解
キは正しいです。材料カードを品目別にまとめた補助元帳は材料元帳です。
選択肢 ク不正解
クは誤りです。出庫は物を払い出す行為なので、元帳名や把握方法の名称にはなりません。
選択肢 ケ不正解
ケは誤りです。半製品元帳は加工・保管して販売できる中間製品の元帳で、未完成品の原価計算票そのものではありません。
選択肢 コ不正解
コは誤りです。加工時間は製品の加工に直接必要な時間そのもので、段取時間の分類名ではありません。
選択肢 サ正解
サは正しいです。日本の製造実務では、直接工が行う段取時間は直接作業時間に含めます。
選択肢 シ不正解
シは誤りです。手待時間は作業員の責任ではない遊休時間で、意図して行う段取作業時間とは違います。
選択肢 ス不正解
スは誤りです。欧米では段取時間を間接作業時間としますが、本問の日本の慣行では直接作業時間に含めます。
選択肢 セ不正解
セは誤りです。直接材料費は材料費の分類で、段取費の分類先ではありません。
選択肢 ソ正解
ソは正しいです。段取時間を直接作業時間に含めるので、段取作業の原価(段取費)は直接労務費に入ります。
選択肢 タ不正解
タは誤りです。直接経費は外注加工費や特許権使用料などで、段取費の分類先としては適切ではありません。
選択肢 チ不正解
チは誤りです。欧米では段取費を製造間接費とすることが多いですが、本問の「わが国では」という前提には当てはまりません。
選択肢 ツ不正解
ツは誤りです。活動原価はABC(活動基準原価計算)の概念で、通常の費目分類の文脈には合いません。
選択肢 テ不正解
テは誤りです。コストプールはABCでの原価の集計単位で、空欄の文脈には当てはまりません。
選択肢 ト不正解
トは誤りです。機会原価は意思決定会計の概念で、財務諸表作成用の実際原価の分類には合いません。
選択肢 ナ正解
ナは正しいです。材料の消費量を実地棚卸による棚卸計算法で把握する場合でも、特定製品専用ならその製品に直接賦課できます。

答えの内訳

1:カ
未完成の指図書に対応する原価計算票をファイルしたものは仕掛品勘定の内訳となる「製造(原価)元帳」です。
2:オ
完成した製品に対応する原価計算票をファイルしたものは製品勘定の内訳となる「製品元帳」です。
3:キ
材料の種類ごとの出納記録である材料カード(明細帳)をファイルしたものは「材料元帳」です。
4:ナ
期首棚卸高+当期受入高−期末棚卸高により消費量を逆算する「棚卸計算」法であっても、専ら特定製品専用の材料であれば直接費として製品に賦課可能です。
5:サ
日本の製造現場では直接工が多能工として自ら段取作業を行うことが多く、段取時間は「直接作業時間」に含められます。
6:ソ
段取時間を直接作業時間に含める実務慣行に伴い、直接工の段取作業に対する賃金等の段取費は「直接労務費」に含められます。

覚えるポイント

  • 未完成の原価計算票の綴りは製造(原価)元帳、完成品の綴りは製品元帳である。
  • 日本の製造現場では直接工が段取替えを行うことが多く、段取時間は直接作業時間、段取費は直接労務費に含められることが多い。

間違えやすいところ

  • 欧米のテキストで一般的な「段取時間=間接作業時間」「段取費=製造間接費」と混同しないよう、日本の慣行を問う問題文の文脈に注意する。

出題の前提:原価計算基準および日本の製造業における管理会計・原価計算の実務慣行に基づく。

出典:日本商工会議所『第164回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.2 ↗(www.kentei.ne.jp)

第164回 1級 工業簿記・原価計算

参照した公式資料

日本商工会議所が公開した第164回 1級 工業簿記・原価計算の問題・解答資料です。