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第161回 1級 工業簿記・原価計算の概要
自製部品の原価標準の計算
全部標準原価計算 · 標準原価計算 / 原価標準 / 部品製造部門
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解答
自製部品A:5,300円、自製部品B:14,100円、自製部品C:10,500円
解説
全部標準原価計算では、製品や部品の原価標準を、直接材料費(買入部品費など)・直接労務費・製造間接費(変動費と固定費)を足して求めます。下位の部品が上位の部品に組み込まれる構成では、下位部品の原価標準から順に積み上げて計算します。
解き方
- 部品製造部門における固定製造間接費標準配賦率を算定します(18,000,000円÷6,000時間=3,000円/時)。これにより、変動費率4,000円/時と合わせて製造間接費標準配賦率は7,000円/時となり、標準消費賃率2,000円/時と合算した加工費率は9,000円/時となります。
- 自製部品Bの製造に自製部品Cが必要となるため、まず自製部品Cの原価標準を算定します。買入部品d(2,200円×2個=4,400円)+買入部品e(2,500円×1個=2,500円)+加工費(9,000円/時×0.4時間=3,600円)=10,500円となります。
- 自製部品Aの原価標準を算定します。買入部品a(1,500円×1個=1,500円)+買入部品b(2,000円×1個=2,000円)+加工費(9,000円/時×0.2時間=1,800円)=5,300円となります。
- 自製部品Bの原価標準を算定します。自製部品C(10,500円×1個=10,500円)+買入部品c(1,800円×1個=1,800円)+加工費(9,000円/時×0.2時間=1,800円)=14,100円となります。
答えの内訳
- 自製部品A:5,300円
- 買入部品費は買入部品a(1,500円×1個)+買入部品b(2,000円×1個)=3,500円です。加工費は部品製造部門の合計率(標準消費賃率2,000円/時+間接費率7,000円/時=9,000円/時)×0.2時間=1,800円となります。したがって原価標準は3,500円+1,800円=5,300円です。
- 自製部品B:14,100円
- 自製部品C(10,500円×1個)+買入部品c(1,800円×1個)=部品費12,300円です。加工費は9,000円/時×0.2時間=1,800円(直接労務費400円、製造間接費1,400円)となります。したがって原価標準は12,300円+1,800円=14,100円です。
- 自製部品C:10,500円
- 買入部品費は買入部品d(2,200円×2個)+買入部品e(2,500円×1個)=6,900円です。加工費は9,000円/時×0.4時間=3,600円(直接労務費800円、製造間接費2,800円)となります。したがって原価標準は6,900円+3,600円=10,500円です。
覚えるポイント
- 製造間接費の固定費配賦率は「固定費予算÷正常作業時間」で算定する。
- 階層関係のある部品構成では、下位部品(自製部品C)の原価を先に確定させてから上位部品(自製部品B)を計算する。
間違えやすいところ
- 部品製造部門の固定製造間接費配賦率の計算において、正常作業時間6,000時間で割るべきところを実際作業時間で割ってしまう誤り。
- 自製部品Bの材料に自製部品Cが含まれていることを見落とし、買入部品cのコストのみで計算してしまうミス。
出題の前提:第161回日商簿記検定1級工業簿記出題条件
出典:日本商工会議所『第161回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.2 ↗(www.kentei.ne.jp) / 公式問題 p.3 ↗(www.kentei.ne.jp)
完成品(製品X・Y・Z)の原価標準の計算
全部標準原価計算 · 標準原価計算 / 原価標準 / 製品製造部門
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解答
製品X:35,780円、製品Y:17,320円、製品Z:32,940円
解説
まず製品製造部門の加工費率(直接労務費率+変動製造間接費率+固定製造間接費率)を出し、各製品の所要直接作業時間を掛けて製品部門の加工費を求めます。これに各製品を構成する自製部品の標準原価の合計を足して、各製品の原価標準を出します。
解き方
- 製品製造部門の加工費率を算定します。標準消費賃率は2,100円/時、変動製造間接費標準配賦率は3,000円/時、固定製造間接費標準配賦率は5,000,000円÷2,000時間=2,500円/時となり、合計加工費率は2,100+3,000+2,500=7,600円/時となります。
- 製品Xの原価標準を算定します。部品費(A: 5,300円×1個+B: 14,100円×2個=33,500円)+製品加工費(7,600円/時×0.3時間=2,280円)=35,780円となります。
- 製品Yの原価標準を算定します。部品費(A: 5,300円×1個+C: 10,500円×1個=15,800円)+製品加工費(7,600円/時×0.2時間=1,520円)=17,320円となります。
- 製品Zの原価標準を算定します。部品費(A: 5,300円×1個+B: 14,100円×1個+C: 10,500円×1個=29,900円)+製品加工費(7,600円/時×0.4時間=3,040円)=32,940円となります。
答えの内訳
- 製品X:35,780円
- 部品費は自製部品A(5,300円×1個)+自製部品B(14,100円×2個)=33,500円です。製品製造部門の加工費は加工費率7,600円/時×0.3時間=2,280円(直接労務費630円、製造間接費1,650円)となります。合計した原価標準は33,500円+2,280円=35,780円です。
- 製品Y:17,320円
- 部品費は自製部品A(5,300円×1個)+自製部品C(10,500円×1個)=15,800円です。製品製造部門の加工費は加工費率7,600円/時×0.2時間=1,520円(直接労務費420円、製造間接費1,100円)となります。合計した原価標準は15,800円+1,520円=17,320円です。
- 製品Z:32,940円
- 部品費は自製部品A(5,300円×1個)+自製部品B(14,100円×1個)+自製部品C(10,500円×1個)=29,900円です。製品製造部門の加工費は加工費率7,600円/時×0.4時間=3,040円(直接労務費840円、製造間接費2,200円)となります。合計した原価標準は29,900円+3,040円=32,940円です。
覚えるポイント
- 製品製造部門と部品製造部門で賃率や製造間接費の配賦率が異なるため、部門ごとに正しく加工費率を使い分ける。
- 各製品に必要な自製部品の数量(特に製品Xにおける自製部品Bの2個など)の掛け忘れに注意する。
間違えやすいところ
- 製品製造部門の加工費率を部品製造部門の加工費率(9,000円/時)と混同して計算してしまう誤り。
- 製品Xにおいて自製部品Bの必要量が「2個」であるところを「1個」として計算してしまうミス。
出題の前提:第161回日商簿記検定1級工業簿記出題条件
出典:日本商工会議所『第161回 1級 工業簿記・原価計算』
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部品構成に基づく買入部品の必要量計算
工業簿記 · 製品構成表 / 部品展開 / MRP
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解答
買入部品a: 5,300個, 買入部品b: 5,300個, 買入部品c: 4,800個, 買入部品d: 17,200個, 買入部品e: 8,600個
解説
製品の生産に必要な資材の量は、製品構成表(部品表)に従って、上位の構成品から下位の構成品へ順に必要量を展開して求めます。中間部品が別の部品の構成要素になっている階層構造に注意します。
解き方
- 計画生産量から自製部品A、自製部品Bの必要量を算定する。
- 製品に直接組み込まれる自製部品Cと、自製部品Bに組み込まれる自製部品Cを合算して総必要量を求める。
- 各自製部品の必要量に部品構成表の原単位を乗じて買入部品a〜eの必要量を算出する。
答えの内訳
- 買入部品a:5,300個
- 自製部品Aの必要量は製品X(1個×1,500)+製品Y(1個×2,000)+製品Z(1個×1,800)=5,300個です。自製部品A1個につき買入部品aは1個必要となるため、5,300個×1=5,300個となります。
- 買入部品b:5,300個
- 自製部品Aの必要量は5,300個であり、自製部品A1個につき買入部品bは1個必要となるため、5,300個×1=5,300個となります。
- 買入部品c:4,800個
- 自製部品Bの必要量は製品X(2個×1,500)+製品Z(1個×1,800)=4,800個です。自製部品B1個につき買入部品cは1個必要となるため、4,800個×1=4,800個となります。
- 買入部品d:17,200個
- 自製部品Cの総必要量は、製品直接分(製品Y 2,000個+製品Z 1,800個=3,800個)に自製部品B組込分(4,800個×1=4,800個)を加えた8,600個です。自製部品C1個につき買入部品dは2個必要となるため、8,600個×2=17,200個となります。
- 買入部品e:8,600個
- 自製部品Cの総必要量は8,600個であり、自製部品C1個につき買入部品eは1個必要となるため、8,600個×1=8,600個となります。
覚えるポイント
- 自製部品Cは製品Yと製品Zに直接使われるだけでなく、自製部品Bの構成部品としても消費されるため、両方の所要量を漏れなく合算する必要があります。
間違えやすいところ
- 自製部品Cの所要量において、製品YとZへの直接所要量(3,800個)のみを考慮し、自製部品Bを経由して消費される分(4,800個)の加算を忘れてしまうミスが多く見られます。
出題の前提:問題文の製品構成表および部品構成表の条件に基づく。
出典:日本商工会議所『第161回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.2 ↗(www.kentei.ne.jp) / 公式問題 p.3 ↗(www.kentei.ne.jp)
計画生産量に基づく各製造部門の必要直接作業時間計算
工業簿記 · 部門別標準原価計算 / 直接作業時間 / 部門別所要時間
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解答
部品製造部門: 5,460時間, 製品製造部門: 1,570時間
解説
各製造部門で必要な直接作業時間は、その部門が担当する品目(製品製造部門なら完成製品、部品製造部門なら自製部品)の生産必要量に、品目ごとの単位あたり所要直接作業時間を掛けて合計して求めます。
解き方
- 問3で求めた自製部品A(5,300個)、自製部品B(4,800個)、自製部品C(8,600個)に各部品の所要直接作業時間を乗じて部品製造部門の合計時間を求める。
- 計画生産量(製品X 1,500個、製品Y 2,000個、製品Z 1,800個)に各製品の所要直接作業時間を乗じて製品製造部門の合計時間を求める。
答えの内訳
- 部品製造部門:5,460時間
- 部品製造部門では自製部品を製造します。所要時間は自製部品A(5,300個×0.2時間=1,060時間)+自製部品B(4,800個×0.2時間=960時間)+自製部品C(8,600個×0.4時間=3,440時間)=5,460時間となります。
- 製品製造部門:1,570時間
- 製品製造部門では最終製品を製造します。所要時間は製品X(1,500個×0.3時間=450時間)+製品Y(2,000個×0.2時間=400時間)+製品Z(1,800個×0.4時間=720時間)=1,570時間となります。
覚えるポイント
- 部品製造部門が自製部品の製造を行い、製品製造部門が製品の組立・製造を行うという各部門の作業分担の対応関係を取り違えないように整理します。
間違えやすいところ
- 自製部品Cの数量を問3で正しく求めていないと部品製造部門の時間が連鎖して誤答になる点や、製品の作業時間と部品の作業時間を混同してしまうミスに注意が必要です。
出題の前提:問題文の各製品・各部品の所要直接作業時間および部門定義に基づく。
出典:日本商工会議所『第161回 1級 工業簿記・原価計算』
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部品製造部門における各種原価差異の計算
工業簿記 · 全部標準原価計算 / 部門別差異分析 / 消費量差異 / 作業時間差異 / 能率差異
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解答
買入部品消費量差異:155,000円(不利差異/借方差異)、直接労務費作業時間差異:48,000円(不利差異/借方差異)、製造間接費能率差異:168,000円(不利差異/借方差異)
解説
部品製造部門の差異分析では、後工程(製品製造部門)の能率の良し悪しが混ざらないように、後工程での実際消費量を前工程の生産実績とみなし、標準作業量と標準消費量を計算します。中間部品(自製部品C)の消費差異を分けない指示がある場合は、中間部品の目標生産量を、最終製品部門の消費分と次工程部品の標準必要量の合計として設定し、各原価要素の差異に含めて計算します。
解き方
- 部品製造部門のアウトプット基準量を整理する。製品製造部門での実際消費量に基づき、自製部品Aは5,200個、自製部品Bは4,760個、自製部品Cは直接消費3,700個+自製部品B製造のための標準消費4,760個=8,460個とする。
- 買入部品a〜eの標準消費量を算定し、実際消費量との差に各標準単価を乗じて買入部品消費量差異を計算・合算する。
- 部品製造部門の標準直接作業時間を計算(合計5,376時間)し、実際作業時間5,400時間との差に標準消費賃率2,000円/時を乗じて作業時間差異を求める。
- 製造間接費標準配賦率(変動4,000円+固定3,000円=7,000円/時)に作業時間の差(-24時間)を乗じて能率差異を求める。
小問ごとの答え
- 小問 買入部品消費量差異:155,000円(不利差異)
- 部品製造部門における自製部品の標準生産量は、製品製造部門での実際消費量に基づき、自製部品Aが5,200個、自製部品Bが4,760個、自製部品Cが8,460個(製品製造部門消費3,700個+部品B用標準4,760個)となる。これに基づく買入部品の標準消費量は、a:5,200個、b:5,200個、c:4,760個、d:16,920個(8,460×2)、e:8,460個である。実際消費量との差に標準単価を乗じた消費量差異は、a:(5,200-5,215)×1,500円=-22,500円、b:(5,200-5,210)×2,000円=-20,000円、c:(4,760-4,765)×1,800円=-9,000円、d:(16,920-16,950)×2,200円=-66,000円、e:(8,460-8,475)×2,500円=-37,500円となり、合計で155,000円の不利差異(借方差異)となる。
- 小問 直接労務費作業時間差異:48,000円(不利差異)
- 部品製造部門の標準直接作業時間は、自製部品A:5,200個×0.2時間=1,040時間、自製部品B:4,760個×0.2時間=952時間、自製部品C:8,460個×0.4時間=3,384時間の合計5,376時間である。実際作業時間は5,400時間、標準消費賃率は2,000円/時であるため、作業時間差異は (5,376時間-5,400時間)×2,000円/時=-48,000円(48,000円の不利差異)となる。
- 小問 製造間接費能率差異:168,000円(不利差異)
- 部品製造部門の製造間接費標準配賦率は、変動費4,000円/時+固定費3,000円/時(予算18,000,000円÷正常作業時間6,000時間)=7,000円/時である。能率差異(変動費+固定費)は (標準直接作業時間5,376時間-実際作業時間5,400時間)×7,000円/時=-168,000円(168,000円の不利差異)となる。
覚えるポイント
- 後工程の能率混入を防ぐため前工程の基準量は後工程の実際消費量とすること
- 間接費能率差異が変動費・固定費合算かどうかの指示を確認すること
間違えやすいところ
- 自製部品Cの生産基準量を製品製造部門消費分の3,700個のみにしてしまい、自製部品Bに必要な4,760個を加算し忘れるミス
- 自製部品Cの基準量に部品製造部門での実際消費量4,770個を用いてしまい、指示された差異の包含関係を崩してしまうミス
出題の前提:問題文に提示された2022年5月の生産・消費・作業時間データおよび原価計算基準に基づく標準原価差異分析の処理条件
出典:日本商工会議所『第161回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.2 ↗(www.kentei.ne.jp) / 公式問題 p.3 ↗(www.kentei.ne.jp)
製品製造部門における各種原価差異の計算
工業簿記 · 全部標準原価計算 / 自製部品消費量差異 / 作業時間差異 / 能率差異
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解答
自製部品消費量差異:704,000円(不利差異/借方差異)、直接労務費作業時間差異:8,400円(不利差異/借方差異)、製造間接費能率差異:22,000円(不利差異/借方差異)
解説
製品製造部門の自製部品消費量差異は、完成品の実際生産量に許された自製部品の標準消費量と実際消費量との差に、自製部品の製造原価標準(標準単価)を掛けて求めます。作業時間差異と製造間接費能率差異は、製品の実際生産量に基づく標準作業時間と実際作業時間の差に、それぞれの標準配賦率を掛けて計算します。
解き方
- 自製部品A・B・Cの原価標準(標準単価)を計算する(A:5,300円、B:14,100円、C:10,500円)。
- 製品X・Y・Zの実際生産量から、製品製造部門における自製部品A・B・Cの標準消費量を算定する(A:5,160個、B:4,740個、C:3,680個)。
- 実際消費量(A:5,200個、B:4,760個、C:3,700個)との差異に標準単価を乗じ、合計704,000円の不利差異を求める。
- 製品製造部門の標準作業時間を計算(合計1,536時間)し、実際作業時間1,540時間との差に標準消費賃率2,100円/時を乗じて作業時間差異(-8,400円)を求める。
- 製品製造部門の製造間接費標準配賦率(変動3,000円+固定2,500円=5,500円/時)に作業時間差異(-4時間)を乗じて能率差異(-22,000円)を求める。
小問ごとの答え
- 小問 自製部品消費量差異:704,000円(不利差異)
- 各自製部品の原価標準(標準単価)は、A:5,300円、B:14,100円、C:10,500円である。製品実際生産量(X:1,480個、Y:1,900個、Z:1,780個)に対する自製部品の標準消費量は、A:1,480+1,900+1,780=5,160個、B:1,480×2+1,780=4,740個、C:1,900+1,780=3,680個である。製品製造部門の実際消費量との差に基づく差異は、A:(5,160-5,200)×5,300円=-212,000円、B:(4,740-4,760)×14,100円=-282,000円、C:(3,680-3,700)×10,500円=-210,000円となり、合計で704,000円の不利差異(借方差異)となる。
- 小問 直接労務費作業時間差異:8,400円(不利差異)
- 製品製造部門の標準直接作業時間は、製品X:1,480個×0.3時間=444時間、製品Y:1,900個×0.2時間=380時間、製品Z:1,780個×0.4時間=712時間の合計1,536時間である。実際作業時間は1,540時間、標準消費賃率は2,100円/時であるため、作業時間差異は (1,536時間-1,540時間)×2,100円/時=-8,400円(8,400円の不利差異)となる。
- 小問 製造間接費能率差異:22,000円(不利差異)
- 製品製造部門の製造間接費標準配賦率は、変動費3,000円/時+固定費2,500円/時(予算5,000,000円÷正常作業時間2,000時間)=5,500円/時である。能率差異(変動費+固定費)は (標準直接作業時間1,536時間-実際作業時間1,540時間)×5,500円/時=-22,000円(22,000円の不利差異)となる。
覚えるポイント
- 自製部品消費量差異の評価には各自製部品の原価標準を用いること
- 製品製造部門における自製部品Cの実際消費量は3,700個であること
間違えやすいところ
- 自製部品Cの実際消費量として部品製造部門消費分(4,770個)を含めてしまうミス
- 自製部品の標準単価に買入部品の単価のみを用いて労務費・間接費を含め忘れるミス
出題の前提:問題文に提示された2022年5月の生産・消費・作業時間データおよび原価計算基準に基づく標準原価差異分析の処理条件
出典:日本商工会議所『第161回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.2 ↗(www.kentei.ne.jp) / 公式問題 p.3 ↗(www.kentei.ne.jp)
全部標準原価計算による売上原価予算の編成
原価計算 · 標準原価計算 / 売上原価予算 / 予定操業度差異 / 公式法変動予算
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解答
① 127,500千円(127,500,000円)、② 21,250千円(21,250,000円)、③ 55,250千円(55,250,000円)、④ 6,000千円(不利差異・借方差異、6,000,000円)、⑤ 198,000千円(198,000,000円)
解説
全部標準原価計算の売上原価予算は、まず計画販売量と在庫方針から当月の完成品生産量と各原価要素の当月投入量を出し、標準原価を掛けて当期製品製造原価を求めます。標準売上原価は販売数量に製品1単位あたり標準原価を掛けて求め、固定費の低操業で生じる予定操業度差異(借方差異)を足して、売上原価予算を決めます。
解き方
- 販売計画(80,000単位)と製品在庫増減(+5,000単位)から完成品計画生産量を85,000単位と確定し、仕掛品増減を考慮して直接材料投入量および加工換算量を算出する。
- 完成品生産量85,000単位に各原価要素の標準単価(材料1,500円、労務250円、間接費650円)を乗じて、当月製造費用(製造原価)予算を算定する。
- 計画生産時間(8,500時間)と基準操業度(10,000時間)の差に固定費配賦率4,000円/時を乗じて予定操業度差異(不利差異6,000千円)を算定し、標準売上原価(192,000千円)に加算する。
答えの内訳
- ① 直接材料費予算:127,500千円(127,500,000円)
- 2月の計画完成品数量=販売量80,000単位+月末製品5,000単位-月初製品0単位=85,000単位です。仕掛品は月初・月末ともに500単位(進捗度50%)で同数のため、当月直接材料投入量は85,000単位分となります。したがって、直接材料費予算=85,000単位×標準直接材料費1,500円=127,500,000円(127,500千円)となります。
- ② 直接労務費予算:21,250千円(21,250,000円)
- 当月加工換算量=完成品85,000単位+月末仕掛品250単位-月初仕掛品250単位=85,000単位です。直接労務費予算=85,000単位×標準直接労務費250円=21,250,000円(21,250千円)となります。
- ③ 製造間接費予算配賦額:55,250千円(55,250,000円)
- 当月の計画生産量(85,000単位)に対する標準作業時間=85,000単位×0.1時間=8,500時間です。製造間接費標準配賦率は650円/単位(6,500円/時)なので、配賦額=85,000単位×650円(または8,500時間×6,500円/時)=55,250,000円(55,250千円)となります。
- ④ 予定操業度差異:6,000千円(借方差異、6,000,000円)
- 月間固定製造間接費予算40,000千円に対し、計画生産時間8,500時間への固定費配賦額は8,500時間×4,000円/時=34,000千円です。予定操業度差異=固定費配賦額34,000千円-月間固定費予算40,000千円=△6,000千円(6,000千円の不利差異・借方差異)となります。
- ⑤ 予定操業度差異を課した後の売上原価予算:198,000千円(198,000,000円)
- 当月完成品製造原価=85,000単位×標準原価2,400円=204,000千円。月末製品標準原価=5,000単位×2,400円=12,000千円。標準売上原価=計画販売量80,000単位×2,400円=192,000千円。これに予定操業度差異(借方差異)6,000千円を加算し、192,000千円+6,000千円=198,000千円(198,000,000円)となります。
覚えるポイント
- 完成品計画生産量=販売計画量+月末製品所要量-月初製品有高
- 操業度差異=(計画操業度-基準操業度)×固定費配賦率(配賦不足は借方差異=売上原価加算)
間違えやすいところ
- 販売量(80,000単位)と生産量(85,000単位)を取り違えて製造原価予算を計算してしまうミス
- 予定操業度差異が借方差異(不利差異)である場合に売上原価から減算してしまうミス
出題の前提:第161回日商簿記検定1級 原価計算 出題条件
出典:日本商工会議所『第161回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.4 ↗(www.kentei.ne.jp) / 公式問題 p.5 ↗(www.kentei.ne.jp)
予算損益計算における税引後営業利益の算定
原価計算 · 税引後営業利益 / NOPAT / 貸倒引当金繰入額 / 販売費及び一般管理費予算
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解答
22,241.8千円(22,241,800円)
解説
税引後営業利益(NOPAT)は、事業部の本業の営業利益から、それに対応する法人税等の負担(営業利益×実効税率)を引いて求めます。売掛金がすべて翌月回収なら、月末の売掛金残高は当月の売上高予算額と同じになります。これをもとに差額補充法で貸倒引当金繰入額を計算し、販売費に加えます。
解き方
- 売上高予算(320,000千円)から予定操業度差異反映後の売上原価予算(198,000千円)を差し引き、売上総利益(122,000千円)を求める。
- 当月売上高全額が翌月回収であることから2月末売掛金を320,000千円とし、0.5%の目標額1,600千円と月初残高1,534千円の差額である貸倒引当金繰入額66千円を算定する。
- 販売費、貸倒引当金繰入額、一般管理費、研究開発費を合算して販管費等(90,226千円)を求め、営業利益(31,774千円)を算定する。
- 営業利益に(1-税率30%)を乗じて、税引後営業利益22,241.8千円(22,241,800円)を算出する。
覚えるポイント
- 税引後営業利益=営業利益×(1-実効税率)
- 当月掛売上が翌月全額回収の場合、当月末売掛金残高=当月売上高
間違えやすいところ
- 資料で指定された貸倒引当金繰入額(66千円)を販売費予算に加算し忘れるミス
- 研究開発費を販管費等から除外して営業利益を過大に算定してしまうミス
出題の前提:第161回日商簿記検定1級 原価計算 出題条件
出典:日本商工会議所『第161回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.4 ↗(www.kentei.ne.jp) / 公式問題 p.5 ↗(www.kentei.ne.jp)
2月末の予算現金有高の計算
原価計算 · 総合予算編成 / 資金予算 / 現金収支計算
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解答
38千円(または 38,000円)
解説
資金予算の現金有高は、月初の現金残高に当月の現金収入を足し、現金支出を引いて求めます。減価償却費のような現金が動かない費用は除き、買掛金の決済や当月に払う法人税など、実際に現金が動く項目だけを正しく集計します。
解き方
- 2月の完成品生産量(85,000単位)を求め、主材料の購入量と購入代金、当月の材料現金支払額を算定する。
- 直接労務費、製造間接費(減価償却費控除後)、販管費・研究開発費(減価償却費控除後)の現金支出額を算定する。
- 予定操業度差異や貸倒引当金繰入額を反映した営業利益から当月の法人税等支払額を算定する。
- 1月末現金有高に当月回収額(1月末売掛金)を加算し、現金支出合計を控除して2月末現金有高を算出する。
覚えるポイント
- 全額翌月回収の売掛金は前月末残高が当月回収額となり、当月売上は当月末残高となる。
- 製造間接費や販管費に含まれる減価償却費は非現金支出費用であるため、現金支出の計算から除外する。
間違えやすいところ
- 製造間接費予算の固定費40,000千円や販管費等90,160千円から減価償却費を控除し忘れるミス。
- 当月中に支払う法人税等の計算において、予定操業度差異の売上原価加算や貸倒引当金繰入額の追加を漏らして営業利益を誤るミス。
出題の前提:問題文および資料記載の条件に基づく
出典:日本商工会議所『第161回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.4 ↗(www.kentei.ne.jp) / 公式問題 p.5 ↗(www.kentei.ne.jp)
2月末の予算運転資本の計算
原価計算 · 運転資本 / 標準原価計算による棚卸資産評価 / 総合予算編成
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解答
267,820.5千円(または 267,820,500円)
解説
運転資本(正味運転資本)は、流動資産から買掛金(流動負債)を引いて求めます。標準原価計算を採用している場合は、月末の製品・仕掛品・材料の棚卸資産を、原価標準と標準単価で評価します。
解き方
- 問3で算定した月末現金有高、当月末の売掛金および貸倒引当金を求める。
- 月末所要在庫量に標準原価・単価を乗じて、製品、材料、仕掛品の各残高を算定し、流動資産合計を求める。
- 当月に掛買いした材料代金(購入高の半額)から2月末買掛金残高を求める。
- 流動資産合計から買掛金を控除して、2月末の予算運転資本を算出する。
覚えるポイント
- 仕掛品の加工費評価では、完成品換算量(数量×進捗度)に加工費の標準原価(労務費+製造間接費)を乗じる。
- 貸倒引当金は売掛金の控除項目として流動資産の集計に反映させる。
間違えやすいところ
- 仕掛品の原価計算において、加工費に進捗度50%を掛け忘れるミス。
- 2月末買掛金に残高として前月末残高を流用してしまったり、全額を購入高として計上してしまうミス。
出題の前提:問題文および資料記載の条件に基づく
出典:日本商工会議所『第161回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.4 ↗(www.kentei.ne.jp) / 公式問題 p.5 ↗(www.kentei.ne.jp)
事業部の業績評価(ROICの計算)
原価計算 · 事業部制会計 / ROIC / 予算編成 / 標準原価計算
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解答
6.9%
解説
ROIC(投下資本税引後営業利益率)は、事業に投じた資本(投下資本)に対して、本業でどれだけ税引後営業利益を生んだかを示す指標です。計算式は「税引後営業利益÷事業部投下資本」です。投下資本は一般に「運転資本(流動資産−買掛金などの流動負債)+固定資産」で測ります。
解き方
- 税引後営業利益を求める:計画生産量 85,000単位(販売 80,000+月末 5,000)より、計画生産時間は 8,500時間。基準操業度 10,000時間との差から予定操業度差異は (8,500-10,000)×4,000円 = △6,000千円(売上原価加算)。売上高 320,000千円、売上原価 198,000千円(標準 192,000+差異 6,000)、売上総利益 122,000千円。2月末売掛金 320,000千円に対する貸倒引当金 1,600千円との差額繰入額 66千円を加えた販売費及び一般管理費等の合計は 90,226千円。営業利益は 31,774千円、税引後営業利益は 31,774×(1-0.3) = 22,241.8千円となる。
- 事業部投下資本を求める:2月末の現金残高は 38千円。売掛金 320,000千円、貸倒引当金 △1,600千円、製品 12,000千円、材料 150千円、仕掛品 975千円より流動資産合計は 331,563千円。買掛金は当月仕入 127,485千円の半額で 63,742.5千円。運転資本は 331,563-63,742.5 = 267,820.5千円。固定資産帳簿価額は当月減価償却費 1,559千円を控除して 56,841千円。投下資本は 267,820.5+56,841 = 324,661.5千円となる。
- ROICを算出する:22,241.8千円 ÷ 324,661.5千円 = 6.8507…% となり、小数第2位を四捨五入して 6.9% と求める。
覚えるポイント
- ROIC = 税引後営業利益 ÷ 投下資本(運転資本 + 固定資産)
- 運転資本 = 流動資産 - 買掛金(運転負債)
間違えやすいところ
- 製造間接費の予定操業度差異(6,000千円の不利差異)を売上原価に加算し忘れること。
- 貸倒引当金の差額補充法(1,600千円-1,534千円=66千円)を販管費に含め忘れること。
- 当月の減価償却費(製造間接費1,500千円+販管費59千円=1,559千円)を固定資産の簿価から控除し忘れること。
出題の前提:第161回日商簿記検定1級 原価計算 出題条件
出典:日本商工会議所『第161回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.4 ↗(www.kentei.ne.jp) / 公式問題 p.5 ↗(www.kentei.ne.jp)
製造間接費の配賦(予定配賦)
原価計算 · 個別原価計算 / 製造間接費の予定配賦 / 原価計算基準
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解答
① 予定配賦率、② ○、③ ○
解説
製造間接費を実際配賦すると、月ごとの操業度の変動や、間接費が偶発的・季節的に発生することで製品の単位原価が動きます。また、実際額が集まるまで原価計算を終えられません。そこで、原価計算をすばやく行い(タイムリーな情報提供)、製品原価をならすために、原則として「予定配賦率」で配賦します。
解き方
- 空欄①を検討する:個別原価計算で望ましいとされる配賦率は「予定配賦率」であるため、「実際配賦率」という記述は誤りであり、正しくは「予定配賦率」である。
- 空欄②を検討する:予定配賦を行う理由として「計算の迅速化(タイムリーな情報提供)」は適切であるため、「○」と判定する。
- 空欄③を検討する:短期的な操業度変動等による原価の歪みを防ぎ、正常な「製品原価」を算定・平準化することが目的であるため、「○」と判定する。
答えの内訳
- ①:予定配賦率
- 個別原価計算において、製造間接費は実際配賦率ではなく予定配賦率を用いて各指図書に配賦するのが望ましい(原価計算基準二二)。
- ②:○
- 予定配賦率を用いる理由の一つは、実際発生額の確定を待たずに製品原価を迅速に算定し、タイムリーな情報提供を行うためであり、記述は正しい。
- ③:○
- 予定配賦率を用いるもう一つの理由は、操業度や季節的変動など指図書に直接関係のない短期的な要因を排除して、製品原価(製品単位原価)を平準化するためであり、記述は正しい。
覚えるポイント
- 製造間接費の予定配賦の目的:①原価計算の迅速化(タイムリーな原価情報の提供)、②製品原価の平準化(偶然的・短期的な変動要因の排除)
間違えやすいところ
- ①について単に「予定」とだけ書かず、「予定配賦率」まで正確に記述すること。
- ②や③の記述内容を必要以上に疑って不適切な別表現に置き換えてしまうこと(正しい記述には○を付す)。
出題の前提:原価計算基準 二十二「製造間接費計算」
出典:日本商工会議所『第161回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.5 ↗(www.kentei.ne.jp)
製品ライフサイクルとライフサイクル・コスト
原価計算 · ライフサイクル・コスト / 製品ライフサイクル / 原価管理
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解答
④ ○、⑤ ライフサイクル・コスト、⑥ ○、⑦ ○
解説
ライフサイクル・コスト(LCC)とは、製品の企画・開発・設計・製造・販売という企業側の段階だけでなく、顧客が製品を買った後の使用・維持管理、最後の廃棄・リサイクルまでの生涯を通じて発生する全コストの総額です。
解き方
- 問題文の文脈から、製品の生涯(ライフサイクル)全体で発生するコストに関する用語の正誤を検討します。
- ④は製品の生涯を指す概念として「製品のライフサイクル」で適切(○)と判断します。
- ⑤は生涯全体にかかるコストであるため「品質コスト」ではなく「ライフサイクル・コスト」が正しいと判断します。
- ⑥・⑦は顧客側で発生するコストの内訳として「使用コスト」と「廃棄コスト」が適切(いずれも○)と判断します。
小問ごとの答え
- 小問 ④:○
- 製品の企画・開発から生産、販売、顧客による使用を経て最終的に廃棄されるまでの製品の生涯・全過程を「製品のライフサイクル」と呼ぶため、記述は正しいです。
- 小問 ⑤:ライフサイクル・コスト
- 製品のライフサイクル全体を通じて発生する原価・費用は「ライフサイクル・コスト(LCC)」と呼ばれます。「品質コスト」は不良防止や検査・失敗対策にかかるコストを指すため誤りであり、正しい語句は「ライフサイクル・コスト」です。
- 小問 ⑥:○
- 顧客側(ユーザー側)で発生するライフサイクル・コストには、製品購入後の運用・維持・保全等に伴う「使用コスト」が含まれるため、記述は正しいです。
- 小問 ⑦:○
- 顧客が製品の使用を終了した後に発生する引き取り・解体・処分・リサイクル等の費用は「廃棄コスト」として顧客側コストに含まれるため、記述は正しいです。
覚えるポイント
- ライフサイクル・コストには企業側コスト(上流・中流・下流)と顧客側コスト(使用・廃棄)が含まれる。
間違えやすいところ
- 品質コスト(予防・評価・内部失敗・外部失敗コスト)とライフサイクル・コストの定義を混同しないこと。
出題の前提:第161回日商簿記検定1級原価計算の出題条件に基づく
出典:日本商工会議所『第161回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.5 ↗(www.kentei.ne.jp)
第161回 1級 工業簿記・原価計算
参照した公式資料
日本商工会議所が公開した第161回 1級 工業簿記・原価計算の問題・解答資料です。
- 公式問題 ↗ — www.kentei.ne.jp(PDF・5ページ)

