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第159回 1級 工業簿記・原価計算の概要
修正パーシャル・プランによる工程別総合原価計算(勘定記入)
工業簿記 · 標準原価計算 / 修正パーシャル・プラン / 工程別総合原価計算 / 正常仕損費
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解答
① 9,500,000円、② 140,080,000円、③ 177,500,000円、④ 3,025,000円、⑤ 5,450,000円、⑥ 5,616,000円、⑦ 488,000円
解説
修正パーシャル・プランでは、仕掛品勘定の借方に、直接材料費と直接労務費を標準価格(標準単価・標準賃率×実際数量・実際時間)で、製造間接費を実際発生額で計上します。貸方には完成品・月末仕掛品・異常仕損品を標準原価で計上します。この借方と貸方の差額から、数量差異・時間差異・製造間接費差異をつかみます。
解き方
- 各作業別の直接材料費・直接労務費・製造間接費の標準単価と標準原価を把握し、投入点および進捗度に応じた仕掛品・完成品・仕損品の標準原価を計算する。
- 修正パーシャル・プランの記帳ルールに従って第1工程および第2工程の仕掛品勘定の借方・貸方の各項目を算定し、貸借差額として標準原価差異を導出する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:9,500,000円
- 第1工程月初仕掛品(4,000個)は第1作業完了・第2作業未着手である。直接材料M-1は始点投入のため4,000個×2,000円=8,000,000円。加工費は第1作業(直接労務費150円+製造間接費225円=375円)が完了しているため4,000個×375円=1,500,000円。合計で8,000,000円+1,500,000円=9,500,000円となる。
- 小問 ②:140,080,000円
- 修正パーシャル・プランでは直接材料費の借方に「実際消費量×標準単価」を計上する。当月消費量70,040kg×標準単価2,000円=140,080,000円となる。
- 小問 ③:177,500,000円
- 第1工程の完成品標準原価は、M-1(2,000円)+直接労務費(150円+50円)+製造間接費(225円+75円)=2,500円である。完成品数量71,000個×2,500円=177,500,000円となる。
- 小問 ④:3,025,000円
- 第2工程月初仕掛品(1,000個)は第3作業の途中で進捗度50%である。前工程費は1,000個×2,500円=2,500,000円。直接材料M-2は第4作業始点投入のため未投入(0円)。加工費は第3作業(労務費450円+間接費600円=1,050円)の50%が進捗しているため1,000個×1,050円×50%=525,000円。合計で2,500,000円+525,000円=3,025,000円となる。
- 小問 ⑤:5,450,000円
- 第2工程月末仕掛品(1,000個)は第4作業途中で進捗度50%である。前工程費は1,000個×2,500円=2,500,000円。M-2は第4作業始点投入のため全量投入済みで1,000個×1,500円=1,500,000円。加工費は第3作業完了分(1,000個×1,050円=1,050,000円)と第4作業50%分(1,000個×(400円+400円)×50%=400,000円)の計1,450,000円。終点未達のため正常仕損費は負担せず、合計で2,500,000円+1,500,000円+1,450,000円=5,450,000円となる。
- 小問 ⑥:5,616,000円
- 仕損は終点発生であり、正常仕損量は良品(完成品)68,000個×3%=2,040個である。当月仕損品量3,000個のうち超過分の960個が異常仕損品となる。異常仕損品は終点まで加工されているため正味原価標準(5,850円)で評価し、960個×5,850円=5,616,000円となる。
- 小問 ⑦:488,000円
- 第2工程勘定の借方合計は、月初3,025,000円+前工程費177,500,000円+材料費(72,050kg×1,500円=108,075,000円)+労務費(21,460h×1,500円+14,295h×2,000円=60,780,000円)+間接費71,908,000円=421,288,000円。貸方合計(差異以外)は完成品(68,000個×5,850円×1.03=409,734,000円)+月末5,450,000円+異常仕損5,616,000円=420,800,000円。貸借差額として貸方に計上される標準原価差異は421,288,000円-420,800,000円=488,000円(借方差異)となる。
覚えるポイント
- 修正パーシャル・プランでは直接材料費と直接労務費の借方計上額が「実際消費量(時間)×標準価格(賃率)」となる。
- 工程終点発生の仕損において、正常仕損費は完成品のみに負担させ、異常仕損品は正味原価標準(正常仕損費加算前)で評価する。
間違えやすいところ
- 月末仕掛品が終点の手前にあるにもかかわらず正常仕損費を負担させてしまう誤り。
- 修正パーシャル・プランの仕掛品借方に実際価格(実際単価・実際賃率)で計算した金額を記入してしまう誤り。
出題の前提:原価計算基準および工程別標準総合原価計算の計算原則に基づく。
出典:日本商工会議所『第159回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.2 ↗(www.kentei.ne.jp) / 公式問題 p.3 ↗(www.kentei.ne.jp)
仕掛品勘定の標準原価差異分析(第2工程)
工業簿記 · 標準原価差異分析 / 数量差異 / 時間差異 / 製造間接費差異 / 修正パーシャル・プラン
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解答
① 75,000円(借方差異)、② 0円、③ 5,000円(借方差異)、④ 0円、⑤ 30,500円(借方差異)、⑥ 10,000円(借方差異)、⑦ 367,500円(借方差異)
解説
修正パーシャル・プランで仕掛品勘定に出る標準原価差異は、直接材料費数量差異、直接労務費時間差異、製造間接費差異の3つです。価格差異と賃率差異は仕掛品勘定には計上しないので、この問題ではどちらも0円になります。
解き方
- 修正パーシャル・プランの特性を踏まえ、仕掛品勘定で分析対象となる差異(数量・時間・間接費)と勘定外となる差異(価格・賃率=0円)を峻別する。
- 各作業の完成品換算量に基づいて標準消費量および標準作業時間を求め、数量差異・時間差異を計算する。
- 変動予算の3分法(能率差異は標準配賦率法)により、製造間接費の予算差異・能率差異・操業度差異を算定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:75,000円(借方差異)
- M-2の当月投入標準消費量は、完成品68,000個+正常仕損2,040個+異常仕損960個+月末1,000個-月初0個=72,000kg。実際消費量は72,050kg。数量差異=(72,000kg-72,050kg)×標準単価1,500円=-75,000円(借方差異75,000円)。
- 小問 ②:0円
- 当社は修正パーシャル・プランを採用しており、仕掛品勘定借方には標準単価で計上されるため、材料価格差異は仕掛品勘定には計上されず材料勘定側で処理される。したがって仕掛品勘定から生じる価格差異は0円である。
- 小問 ③:5,000円(借方差異)
- L-3の標準時間は(68,000+2,040+960+1,000-500)個×0.3h=21,450h。L-3時間差異=(21,450h-21,460h)×1,500円=-15,000円。L-4の標準時間は(68,000+2,040+960+500-0)個×0.2h=14,300h。L-4時間差異=(14,300h-14,295h)×2,000円=+10,000円。直接労務費時間差異合計=-15,000円+10,000円=-5,000円(借方差異5,000円)。
- 小問 ④:0円
- 修正パーシャル・プランでは直接労務費が標準賃率で仕掛品勘定に計上されるため、賃率差異は仕掛品勘定には含まれず労務費勘定側で処理される。したがって仕掛品勘定から生じる賃率差異は0円である。
- 小問 ⑤:30,500円(借方差異)
- 固定費予算=基準操業度36,000h×固定費率1,500円=54,000,000円。実際作業時間=21,460h+14,295h=35,755h。予算許容額=54,000,000円+変動費率500円×35,755h=71,877,500円。予算差異=71,877,500円-実際発生額71,908,000円=-30,500円(借方差異30,500円)。
- 小問 ⑥:10,000円(借方差異)
- 標準作業時間合計=21,450h+14,300h=35,750h。標準配賦率法による能率差異=(標準時間35,750h-実際時間35,755h)×標準配賦率2,000円=-10,000円(借方差異10,000円)。
- 小問 ⑦:367,500円(借方差異)
- 操業度差異=(実際時間35,755h-基準操業度36,000h)×固定費率1,500円=-367,500円(借方差異367,500円)。
覚えるポイント
- 修正パーシャル・プランにおける「仕掛品勘定の標準原価差異」の分析では、価格差異・賃率差異は0円となる。
- 製造間接費の能率差異を標準配賦率で計算する場合、標準配賦率×(標準時間-実際時間)となり、変動費能率差異と固定費能率差異の双方が含まれる。
間違えやすいところ
- 設問の指示が「仕掛品勘定の差異分析」であるにもかかわらず、材料勘定や賃金勘定で生じる価格差異・賃率差異を計算して記入してしまう誤り。
- 製造間接費差異の分析において、各作業(第3作業・第4作業)で基準が異なる場合に作業時間を合算せず個別に計算して混乱してしまう誤り。
出題の前提:原価計算基準および標準原価計算における差異分析の手法に基づく。
出典:日本商工会議所『第159回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.2 ↗(www.kentei.ne.jp) / 公式問題 p.3 ↗(www.kentei.ne.jp)
標準原価計算制度における記帳方法および正常仕損費の取扱い
工業簿記 · 標準原価計算 / 修正パーシャル・プラン / 正常仕損費の処理
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解答
②、③
解説
標準原価計算の仕掛品勘定の記帳方法には、パーシャル・プラン、修正パーシャル・プラン、シングル・プランなどがあります。修正パーシャル・プランは、直接材料費と直接労務費の借方に「標準価格×実際消費量」を記入し、価格差異・賃率差異を仕掛品勘定から分けます。また正常仕損費は避けられない原価として製品原価に含めるべきもので、適正な棚卸資産評価と原価管理のために原価標準に織り込むのが望ましいとされています。
解き方
- 修正パーシャル・プランの定義を確認し、直接材料費・直接労務費の実際消費量を標準単価・標準賃率で評価して借方計上する記述が正確であるか判定する。
- シングル・プランとの優劣比較、および正常仕損費を各要素の標準消費量に含める場合の異常仕損費分離の難易度を吟味し、正誤を判断する。
- 選択肢 ①不正解
- ①は誤りです。シングル・プランは仕掛品勘定の借方をすべて標準原価で記入する方法で、修正パーシャル・プランの方が常に優れているとは言えません。
- 選択肢 ②正解
- ②は正しいです。修正パーシャル・プランは、仕掛品勘定の借方の直接材料費・直接労務費に「実際消費量×標準単価・標準賃率」を計上します。
- 選択肢 ③正解
- ③は正しいです。正常仕損は通常の製造過程で避けられないため、達成可能な原価標準の設定と適正な棚卸資産評価のために原価標準に含めるのが望ましいです。
- 選択肢 ④不正解
- ④は誤りです。標準消費量に正常仕損分を含めると、異常仕損が起きたときにその原価が数量差異などに混ざりやすくなるため、望ましい方法とは言えません。
覚えるポイント
- 修正パーシャル・プランは「実際消費量×標準価格」で仕掛品借方に記入し、数量差異等を仕掛品勘定で把握する手法である。
- 正常仕損費は原価性を有するため正味原価標準に加算するか標準消費量に含める。
間違えやすいところ
- シングル・プランと修正パーシャル・プランの長所・短所を取り違えるミス。
- 原価要素別消費量に仕損を含めると異常仕損の把握が容易になると誤認するミス。
出題の前提:原価計算基準および標準原価計算における勘定記入規則に基づく出題。
出典:日本商工会議所『第159回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.2 ↗(www.kentei.ne.jp) / 公式問題 p.3 ↗(www.kentei.ne.jp)
原価計算制度の概念と実際原価計算制度における標準の設定
原価計算 · 原価計算基準 / 原価の諸概念 / 実際原価計算制度 / 標準原価計算制度
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解答
① 実際、② 財務、③ 標準
解説
『原価計算基準』四(一)は、原価計算制度を「実際原価計算制度」と「標準原価計算制度」に分けています。どちらも財務会計の主要帳簿に組み入れて有機的に結びつける制度です。実際原価計算制度でも、原価管理のために帳簿の外で原価の標準を決め、実際原価との差異を分析・報告することが認められています。
解き方
- 抜粋文の「[①]原価計算制度においても必要な原価の[③]を勘定組織のわく外において設定し、これと[①]との差異を分析し…」という文脈に着目する。
- 原価計算基準四(一)の実際原価計算制度の定義および標準の設定に関する原文規定に照合し、①に「実際」、②に「財務」、③に「標準」を当てはめる。
小問ごとの答え
- 小問 ①:実際
- 原価計算基準四(一)において、「実際原価計算制度は、製品の実際原価を計算し、これを財務会計の主要帳簿に組み入れ…実際原価計算制度においても必要な原価の標準を設定し、これと実際との差異を分析し…」と規定されている。
- 小問 ②:財務
- 原価計算制度は財務会計の主要帳簿と有機的に結合する制度であるため、②には「財務」が入る。
- 小問 ③:標準
- 実際原価計算制度においても、原価管理のために勘定組織の枠外で「標準」を設定して実際との差異を分析することが認められており、③には「標準」が入る。
覚えるポイント
- 原価計算制度は製品原価の計算と財務会計の主要帳簿が有機的に結合する制度である。
- 実際原価計算制度でも勘定組織の枠外で「標準」を設定して差異分析を行うことができる。
間違えやすいところ
- 文中の「差異を分析し」から標準原価計算制度の抜粋と早合点し、①に「標準」を入れてしまうミス。
- 「勘定組織のわく外」という条件を見落として標準原価計算制度の規定と混同するミス。
出題の前提:『原価計算基準』四「原価の諸概念」(一)実際原価計算制度と標準原価計算制度。
出典:日本商工会議所『第159回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.4 ↗(www.kentei.ne.jp)
原価計算基準における選択的事項の決定
原価計算 · 原価計算の目的 / 特殊原価調査 / 意思決定会計
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解答
1, 2, 3, 4
解説
原価計算基準の「選択的事項の決定」とは、経営方針の策定や予算編成で複数の案を比べて選ぶ意思決定のことです。短期的な業務の意思決定(自製か外注か、製品の組み合わせ、注文を受けるかなど)や、長期的・構造的な意思決定(設備投資など)のために、差額原価や機会原価などを測る特殊原価調査を随時行います。
解き方
- 問題文の下線部④「経営の基本方針および予算編成における選択的事項の決定」が意味する意思決定の類型(短期的・長期的意思決定)を確認する。
- 提示された各項目(1:最適プロダクト・ミックスの決定、2:自製か購入かの決定、3:特別注文引受の決定、4:設備投資の経済性計算)が選択的事項の決定に該当するかどうかを判断する。
- 1から4までのすべてが意思決定(選択的事項の決定)の代表例であることを確認し、すべてを選択する。
- 選択肢 1正解
- 1は正しいです。製品の組み合わせの決定は、限られた経営資源のもとで利益を最大にする案を選ぶ、短期的な選択的事項の典型例です。
- 選択肢 2正解
- 2は正しいです。部品を自製するか外注するかの決定は、差額原価を比べて有利な案を選ぶ業務的選択的事項の典型例です。
- 選択肢 3正解
- 3は正しいです。注文を受けるかどうかの決定は、遊休能力の利用などを考えて受諾・拒否を選ぶ短期的な選択的事項の典型例です。
- 選択肢 4正解
- 4は正しいです。設備投資をするかどうかの決定は、複数期間のキャッシュ・フローなどを考えて実行の可否を選ぶ長期的・構造的な選択的事項の典型例です。
覚えるポイント
- 原価計算基準の第4の目的「基本方針の策定および予算編成に必要な原価資料の提供」では、選択的事項の決定のために特殊原価調査が随時行われる。
間違えやすいところ
- 設備投資の決定を長期的なものとして除外してしまわないよう注意する(選択的事項の決定には短期的・長期的意思決定の双方が含まれる)。
出題の前提:原価計算基準 一 原価計算の目的 (四) 経営の基本方針および予算の編成
出典:日本商工会議所『第159回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.4 ↗(www.kentei.ne.jp)
製品1kg当たりの標準原価の計算
原価計算 · 全部標準原価計算 / 原価標準 / 配合歩留
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解答
3,900円
解説
全部標準原価計算の製品の原価標準は、標準直接材料費と標準加工費(全部配賦率で計算)を足して求めます。原料の投入量と製品の産出量が歩留まりでずれる場合は、製品1単位(またはバッチ単位)に必要な原料投入量と標準作業時間からバッチ原価を出し、製品1単位あたりに換算します。
解き方
- 加工費の標準配賦率を求める:加工費予算1,600,000円 ÷ 予定作業時間500時間 = 3,200円/時間。
- K製品4kg(1バッチ)を製造するための標準原料費を計算する:S原料(3kg × 1,600円 = 4,800円)+ T原料(2kg × 2,200円 = 4,400円)= 9,200円。
- K製品4kg(1バッチ)を製造するための標準加工費を計算する:標準作業時間2時間 × 3,200円/時間 = 6,400円。
- K製品4kgの標準原価合計を計算する:9,200円 + 6,400円 = 15,600円。
- 1kg当たりの標準原価を計算する:15,600円 ÷ 4kg = 3,900円/kg。
覚えるポイント
- 配合計算では原料投入総量(3kg+2kg=5kg)と完成品量(4kg)が異なるため、歩留減損を反映した完成品単位当たりに換算する必要がある。
間違えやすいところ
- K製品4kg当たりの標準原価(15,600円)のまま解答してしまい、1kg当たりへの除算(÷4)を忘れるミス。
- 原料投入量合計の5kgで割ってしまうミス(製品重量は4kgであるため4kgで割る)。
出題の前提:問題文および資料の指示に基づく標準原価の計算
出典:日本商工会議所『第159回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.4 ↗(www.kentei.ne.jp)
原料配合差異の計算
原価計算 · 標準原価計算 / 原料配合差異 / 原価差異分析
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解答
1,200円(有利差異または貸方差異)
解説
複数の原料を配合して製造する場合、投入数量差異は「原料配合差異」と「原料歩留差異」に分けます。原料配合差異は、実際総投入量を標準の配合割合で按分した配合標準消費量と実際消費量との差に標準価格を掛けて求め、安い原料を多く使ったかどうかなど、配合割合の良し悪しを示します。
解き方
- 実際消費量合計を計算する:S原料650kg+T原料430kg=1,080kg。
- 標準配合比率を求める:S原料3kg、T原料2kgより、S原料は60%(3/5)、T原料は40%(2/5)。
- 配合標準消費量を求める:S原料は1,080kg×60%=648kg、T原料は1,080kg×40%=432kg。
- 配合差異を計算する:S原料 (648-650)×1,600円=-3,200円、T原料 (432-430)×2,200円=+4,400円。合計+1,200円(貸方差異/有利差異)。
覚えるポイント
- 配合差異は「(配合標準消費量-実際消費量)×標準価格」で求める。
間違えやすいところ
- 製品生産量に対する標準消費量(S原料660kg、T原料440kg)を用いて配合差異を計算してしまう(それは歩留差異との混同)。
出題の前提:原価計算基準および標準原価計算における差異分析の手法に基づく。
出典:日本商工会議所『第159回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.4 ↗(www.kentei.ne.jp)
加工費の予算差異の計算
原価計算 · 標準原価計算 / 加工費差異分析 / 予算差異 / 変動予算
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解答
15,900円(不利差異または借方差異)
解説
変動予算の加工費(製造間接費)の予算差異は、実際操業度(実際作業時間)における予算許容額(固定費予算+変動費率×実際作業時間)と実際発生額との差額です。実際発生額が予算許容額を下回れば有利差異、上回れば不利差異になります。
解き方
- 変動費率を算出する:予定作業時間500時間における変動費は1,600,000円-1,050,000円=550,000円。変動費率は550,000円÷500時間=1,100円/時間。
- 実際作業時間445時間における予算許容額を求める:固定費1,050,000円+(1,100円/時間×445時間)=1,539,500円。
- 予算差異を計算する:予算許容額1,539,500円-実際発生額1,555,400円=-15,900円(借方差異/不利差異)。
覚えるポイント
- 変動予算の予算許容額=固定費予算額+変動費率×実際操業度(作業時間)。
間違えやすいところ
- 標準作業時間(440時間など)を変動費率に乗じて予算許容額を求めてしまう(標準時間基準の予算差異と混同しないこと)。
出題の前提:原価計算基準における製造間接費差異の分析(変動予算)に基づく。
出典:日本商工会議所『第159回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.4 ↗(www.kentei.ne.jp)
加工費の操業度差異の計算
原価計算 · 全部標準原価計算 / 加工費差異分析 / 操業度差異
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解答
115,500円(不利差異/借方差異)
解説
操業度差異は、基準操業度(予定作業時間)と実際作業時間の違いによって、固定費が回収不足になったり過剰に回収されたりする分を表します。固定費率に作業時間の差(実際作業時間−基準操業度)を掛けて求めます。
解き方
- 加工費の固定費予算1,050,000円を予定作業時間500時間で除して、固定費配賦率2,100円/時間を求めます。
- 実際作業時間445時間から予定作業時間500時間を差し引き、固定費率2,100円/時間を乗じて操業度差異△115,500円(不利差異)を計算します。
覚えるポイント
- 操業度差異の算式は「固定費率×(実際作業時間-基準操業度)」であり、実際が予定を下回ると固定費の回収不足(不利差異)となります。
間違えやすいところ
- 操業度差異の計算に標準配賦率(3,200円/時間)を誤って乗じてしまわないよう、必ず固定費率(2,100円/時間)を用います。
出題の前提:第159回日商簿記検定1級 原価計算 第2問
出典:日本商工会議所『第159回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.4 ↗(www.kentei.ne.jp)
加工費の歩留差異の計算
原価計算 · 全部標準原価計算 / 加工費差異分析 / 歩留差異
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解答
25,600円(有利差異/貸方差異)
解説
加工費の歩留差異は、原料投入量からできるはずの製品の標準産出量と、実際の製品生産量との差(歩留まりの良し悪し)から生じる作業時間の増減を、標準配賦率で金額にしたものです。
解き方
- 加工費予算1,600,000円を予定作業時間500時間で除して、標準配賦率3,200円/時間を算定します。
- 製品1kgあたりの標準作業時間0.5時間/kgと原料投入1kgあたりの標準作業時間0.4時間/kgを把握し、製品実際生産量に基づく標準時間440時間と原料実際投入量に基づく標準時間432時間を計算します。
- 標準作業時間の差(440時間-432時間=+8時間)に標準配賦率3,200円/時間を乗じて、歩留差異25,600円(有利差異)を算出します。
覚えるポイント
- 加工費の歩留差異=(実際生産量の標準時間-実際投入原料に基づく標準時間)×標準配賦率で計算します。
間違えやすいところ
- 原料投入量(5kg)と製品完成量(4kg)の歩留率(80%)を考慮せず、製品1kgあたりの作業時間と原料1kgあたりの作業時間を混同して掛けてしまう誤りに注意します。
出題の前提:第159回日商簿記検定1級 原価計算 第2問
出典:日本商工会議所『第159回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.4 ↗(www.kentei.ne.jp)
直接原価計算に基づく事業部営業利益の算定
原価計算 · 直接原価計算 / 事業部制 / 固定費の処理
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解答
216,000円
解説
直接原価計算の営業利益は、まず売上高から変動製造原価と変動販売費を引いて貢献利益を出します。次に、その貢献利益から固定製造原価(固定加工費)の予算額と、固定販売費及び一般管理費の全額を期間費用として引いて求めます。
解き方
- 売上高(9,000円×300個=2,700,000円)および製品1個当たり変動費(2,500円+1,500円+250円=4,250円)を求め、貢献利益1,425,000円((9,000円-4,250円)×300個)を計算する。
- 固定加工費の発生額(基準操業度500個×配賦率2,200円=1,100,000円)と固定販売費及び一般管理費109,000円の合計1,209,000円を貢献利益から控除して、営業利益216,000円を求める。
覚えるポイント
- 直接原価計算では、固定製造原価は操業度にかかわらず全額が当期の期間費用として扱われる。
間違えやすいところ
- 固定加工費を実際販売数量(300個)で計算して配賦額(660,000円)を期間費用とする誤り(全部原価計算の考え方との混同)。直接原価計算での固定製造原価発生額は基準操業度に基づく予算額(500個分)となる点に注意が必要である。
出題の前提:第159回日商簿記検定1級 原価計算 第3問 問1
出典:日本商工会議所『第159回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.5 ↗(www.kentei.ne.jp)
全部原価基準による内部振替価格と事業部業績の算定
原価計算 · 内部振替価格 / 全部原価加算方式 / 事業部損益計算 / 売上高営業利益率
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解答
① 5,100、② 544,000、③ 3
解説
内部振替価格を全部原価加算方式で決めるときは、供給部門の全部標準原価にマークアップ率を掛けて単価を決めます。各事業部の営業利益は直接原価計算で計算し、内部取引の分の売上高・変動原価(内部取引では販管費は発生しない)を反映させます。
解き方
- 製品Xの製造原価要素(直接材料費1,800円+変動加工費1,200円+固定加工費2,000円=5,000円)に2%を加算して内部振替価格5,100円を算定する。
- 製品Z 100個の製造に必要な製品Xの数量(100個×2=200個)を求め、S事業部の外部販売分と内部振替分の貢献利益を合算し、固定費(固定加工費予算2,400,000円+固定販管費376,000円)を差し引いてS事業部の営業利益544,000円を計算する。
- D事業部における製品Zの販売価格および追加変動費(材料費として製品X振替価格×2個を含む)から製品Zの貢献利益(-102,000円)を求め、製品Yの現状営業利益216,000円と合算したD事業部営業利益114,000円を、D事業部合計売上高3,800,000円で除して売上高営業利益率3%を算定する。
小問ごとの答え
- 小問 ①:5,100
- 製品Xの全部標準原価は1,800円+1,200円+2,000円=5,000円/個。これに2%をマークアップするため、5,000円×(1+0.02)=5,100円/個となる。
- 小問 ②:544,000
- S事業部の外部販売貢献利益は(6,200-3,000-300)×1,000=2,900,000円。内部振替(製品Z 100個×2=200個)による貢献利益は(5,100-3,000)×200=420,000円。貢献利益合計3,320,000円から固定費合計(2,000×1,200+376,000=2,776,000円)を控除し、営業利益は544,000円となる。
- 小問 ③:3
- 製品Zの変動費は(5,100×2+1,420+400)=12,020円/個、貢献利益は(11,000-12,020)×100=-102,000円。D事業部全体の営業利益は現状216,000円-102,000円=114,000円。売上高合計は2,700,000円+1,100,000円=3,800,000円なので、売上高営業利益率は114,000円÷3,800,000円=3%となる。
覚えるポイント
- 製品Z 1個に対して製品Xが2個必要であるため、内部振替数量はZの生産量の2倍になること、およびS事業部の内部販売では販売費が発生しない点を見落とさない。
間違えやすいところ
- 製品Zの変動費に製品Xの内部振替価格を2個分反映することを忘れ、1個分のみで計算してしまうミス。
- D事業部の売上高営業利益率の計算で、製品Z単独の売上高のみを分母にしてしまう、または売上高合計に製品Yの売上高を含め忘れるミス。
出題の前提:第159回日商簿記検定1級 原価計算 第3問 問2
出典:日本商工会議所『第159回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.5 ↗(www.kentei.ne.jp)
内部振替価格の決定(増分利益の折半)
原価計算 · 事業部制会計 / 内部振替価格 / 差額原価収益分析
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解答
3,795円
解説
内部振替価格を決めるとき、供給事業部に余った生産能力があり、外部への販売機会を失わない場合、会社全体の増分利益は「製品Zの増分収益−全体の増分原価」で求めます。この全社の増分営業利益を両事業部で均等に分けるには、供給側の増分製造原価に折半分の利益を上乗せした金額を、製品1個あたりの内部振替価格にします。
解き方
- 製品Z 1個当たりの全社増分変動費を計算する。製品X 2個分の変動製造原価(3,000円×2=6,000円)とD事業部の追加変動費(1,420円+400円=1,820円)の合計7,820円となる。
- 全社の製品Z 1個当たり増分利益を計算する。販売価格11,000円-全社増分変動費7,820円=3,180円となる。
- 増分利益を両事業部で折半するため、製品Z 1個につき3,180円÷2=1,590円を各事業部に配分する。製品Z 1個には製品Xが2個使用されるため、製品X 1個当たりの配分利益は1,590円÷2=795円となる。
- 製品Xの内部振替価格を決定する。S事業部の変動製造原価3,000円に配分利益795円を加え、3,795円と算定する。
覚えるポイント
- 余剰生産能力がある場合の供給事業部の機会原価はゼロであり、振替の下限価格は増分支出原価(変動製造原価)となる。
間違えやすいところ
- 製品Z 1個に対して製品Xが2個必要である点を見落とし、製品X 1個当たりの利益配分額を3,180円÷2=1,590円として足してしまうミス。
- 内部振替時にはS事業部の販売費及び一般管理費が発生しないという条件を忘れて、製品Xの販売費(300円)を原価に含めてしまうミス。
出題の前提:第159回日商簿記検定1級 原価計算 出題条件
出典:日本商工会議所『第159回 1級 工業簿記・原価計算』
公式問題 p.5 ↗(www.kentei.ne.jp)
第159回 1級 工業簿記・原価計算
参照した公式資料
日本商工会議所が公開した第159回 1級 工業簿記・原価計算の問題・解答資料です。
- 公式問題 ↗ — www.kentei.ne.jp(PDF・5ページ)

