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第158回 1級 商業簿記・会計学の概要
持分法による投資損益の算定
商業簿記 · 連結会計 / 持分法 / のれんの償却
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解答
255百万円
解説
持分法の投資損益は「被投資会社(投資先)の当期純利益×持分比率−のれんの当期償却額」で計算します。持分法では、投資先の儲けのうち自分の持分ぶんだけを取り込みます。取得時に生じたのれんは投資会社側で毎期償却するため、その金額を投資損益から差し引きます。
解き方
- 取得時(20X1年度末)のA社時価純資産額は、資本金3,000百万円+利益剰余金5,000百万円+土地評価差額500百万円=8,500百万円となり、P社持分30%は2,550百万円である。
- 取得原価3,000百万円との差額からのれん450百万円が算定され、翌年度から10年定額償却するため20X2年度ののれん償却額は45百万円となる。
- 20X2年度のA社純利益は利益剰余金の増加額1,000百万円であり、持分額300百万円からのれん償却額45百万円を差し引き、持分法による投資利益255百万円を求める。
覚えるポイント
- 持分法による投資損益は、被投資会社の当期純利益に対する持分相当額からのれん当期償却額を控除して算定する。
間違えやすいところ
- 被投資会社の土地の時価評価差額500百万円を純資産に反映し忘れ、のれんを誤って算定してしまう間違いが多い。
出題の前提:企業会計基準第16号「持分法に関する会計基準」
出典:日本商工会議所『第158回 1級 商業簿記・会計学』
公式問題 p.3 ↗(www.kentei.ne.jp)
子会社株式の一部売却による持分法移行時の連結貸借対照表価額
商業簿記 · 連結会計 / 支配喪失 / 持分法 / 残存株式の評価
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解答
1,170百万円
解説
支配を失って関連会社になったとき、残った株式は「残存持分に相当する連結上の純資産額+残存する未償却のれん」で評価します。支配を失った日からは連結の子会社ではなくなるので、残った投資は連結上の価値に置き直します。個別財務諸表の帳簿価額をそのまま使うのではなく、連結上の純資産の変動とのれんを含めて計算します。
解き方
- 取得時(20X2年度末)ののれん総額は3,000百万円-(2,000+2,500)百万円×60%=300百万円。20X5年度末までに3年分の償却(30百万円×3=90百万円)が行われ、のれん残高は210百万円となる。
- 持分比率が60%から20%に減少(当初持分の1/3が残存)するため、残存持分に対応する未償却のれんは210百万円×(20%/60%)=70百万円となる。
- 20X5年度末のB社純資産合計5,500百万円に対する残存持分20%相当額1,100百万円に、残存未償却のれん70百万円を加算して1,170百万円を算定する。
覚えるポイント
- 子会社から関連会社へ移行した際の残存株式の連結貸借対照表価額は、残存持分純資産額と残存未償却のれんの合計額で算定される。
間違えやすいところ
- 個別財務諸表上の残存簿価1,000百万円をそのまま答えたり、残存のれん70百万円の加算を忘れて1,100百万円としてしまう誤りが生じやすい。
出題の前提:企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」及び「連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針」
出典:日本商工会議所『第158回 1級 商業簿記・会計学』
公式問題 p.3 ↗(www.kentei.ne.jp)
会計理論の用語穴埋め問題(包括利益・未実現損益・偶発債務・セグメント・引当金)
会計学 · 包括利益 / 未実現損益 / 偶発債務 / マネジメント・アプローチ / 引当金
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解答
ア:その他の包括利益、イ:未実現損失、ウ:偶発、エ:マネジメント、オ:負債
解説
会計学の基本用語(包括利益、連結上の未実現損益、偶発債務、マネジメント・アプローチ、引当金の分類)の定義を正確に答える問題です。各会計基準の定義文がそのまま問われるので、用語の意味を一つずつ押さえておく必要があります。
解き方
- 問題文の記述と各会計基準(包括利益会計基準、連結会計基準、セグメント会計基準、企業会計原則注解18等)の定義規定とを照合する。
- 文脈および前後の語句(「~債務」「~・アプローチ」「~性引当金」等)に適合する正確な専門用語を導出する。
答えの内訳
- ア:その他の包括利益
- 包括利益の定義は「特定期間の財務諸表において認識された純資産の変化額のうち、持分所有者との直接的取引によらない部分」であり、ここから当期純利益(または少数株主損益調整前当期純利益)を差し引いた額が「その他の包括利益」と定義されます(包括利益の表示に関する会計基準第5項)。
- イ:未実現損失
- 連結会社相互間の取引によって取得した資産に含まれる未実現損益は原則として全額消去しますが、売手側の帳簿価額のうち回収不能と認められる部分の「未実現損失」については消去を行いません(連結財務諸表に関する会計基準第37項)。
- ウ:偶発
- 将来において一定の条件が満たされた場合に確定債務となる潜在的な債務を「偶発債務」といいます。発生可能性が高く金額を見積もれる場合は引当金を計上し、それ以外で重要なものは注記を行います(企業会計原則注解18)。
- エ:マネジメント
- 企業の最高経営意思決定者が経営管理目的で事業を把握・評価している単位に基づいて報告セグメントを識別・決定する手法を「マネジメント・アプローチ」と呼びます(セグメント情報等の開示に関する会計基準第24項)。
- オ:負債
- 引当金は、貸倒引当金のように資産の控除科目(評価勘定)となる「評価性引当金」と、退職給付引当金や修繕引当金のように貸借対照表の負債の部に計上される「負債性引当金」に大別されます。負債性引当金はさらに法的債務性を持つ債務性引当金と、法的な債務性はない非債務性引当金(修繕引当金など)に分類されます。
覚えるポイント
- 包括利益 = 当期純利益 + その他の包括利益の関係式を確実に把握しておくこと。
- 回収不能と認められる未実現損失は消去しない(売手側の減損に相当するため)。
- 引当金の二大分類は「評価性引当金」と「負債性引当金」である。
間違えやすいところ
- 空欄アで包括利益そのものと混同して「包括利益」と解答してしまう誤り。
- 空欄イで単に「損失」や「未実現利益」としてしまう誤り。
- 空欄オで「債務」性引当金と書いてしまい、後続の「債務性引当金と非債務性引当金から構成される」という文脈と矛盾させてしまうミス。
出題の前提:企業会計原則、企業会計基準第25号「包括利益の表示に関する会計基準」、企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」、企業会計基準第17号「セグメント情報等の開示に関する会計基準」
出典:日本商工会議所『第158回 1級 商業簿記・会計学』
公式問題 p.4 ↗(www.kentei.ne.jp)
会計基準の正誤判定および誤り語句の訂正(第3問)
会計学 · 棚卸資産の簿価切下 / のれんの償却区分 / 税効果会計(一時差異) / 四半期財務諸表の税金費用 / 研究開発費・開発費
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解答
(1) Ⅰ欄: c, Ⅱ欄: 特別損失; (2) Ⅰ欄: b, Ⅱ欄: 販売費及び一般管理費(または、売上原価、販売費及び一般管理費の区分); (3) Ⅰ欄: b, Ⅱ欄: 一時差異; (4) Ⅰ欄: b, Ⅱ欄: 原則と例外が逆(原則として年間見積実効税率により計算しなければならない等); (5) Ⅰ欄: c, Ⅱ欄: 売上原価(または、売上原価又は販売費及び一般管理費)
解説
各会計基準(棚卸資産、企業結合、税効果会計、四半期財務諸表、研究開発費)の表示区分と、処理の原則・例外を正確に押さえる問題です。基準ごとに「原則」と「容認される例外」の違いがあるので、そこを混同しないことが大切です。
解き方
- 提示された各文の下線部(a)~(d)について、関係する会計基準の文言および規定内容と照合する。
- 誤りを含む下線部の記号を特定し、会計基準に合致する正しい語句・文脈に置換して記述する。
小問ごとの答え
- 小問 (1) Ⅰ欄:c
- 文章(1)の下線部(c)が誤りです。
- 小問 (1) Ⅱ欄:特別損失
- 棚卸資産の収益性の低下に基づく簿価切下額が臨時の事象に起因し、かつ多額であるときは「特別損失」に計上します(棚卸資産の評価に関する会計基準第17項)。
- 小問 (2) Ⅰ欄:b
- 文章(2)の下線部(b)が誤りです。
- 小問 (2) Ⅱ欄:販売費及び一般管理費
- のれんの償却額は、原則として「販売費及び一般管理費」の区分に計上します(企業結合に関する会計基準第32項)。営業外費用ではありません。
- 小問 (3) Ⅰ欄:b
- 文章(3)の下線部(b)が誤りです。
- 小問 (3) Ⅱ欄:一時差異
- 当期純利益の算定に含まれず純資産に直接計上されるその他有価証券評価差額金等から生じる差異は、期間差異(PLアプローチ)ではなく資産負債法における「一時差異」です。
- 小問 (4) Ⅰ欄:b
- 文章(4)の下線部(b)が誤りです(原則と例外が逆に記述されています)。
- 小問 (4) Ⅱ欄:年間見積実効税率を乗じて計算しなければならない
- 四半期会計基準において、税金費用の計算は原則として「年間見積実効税率」を乗じて算定し、年度決算と同様の方法による計算は合理的な年間見積実効税率を見積もることが困難な場合の容認規定です(四半期財務諸表に関する会計基準第18項)。
- 小問 (5) Ⅰ欄:c
- 文章(5)の下線部(c)が誤りです。
- 小問 (5) Ⅱ欄:売上原価
- 研究開発費に該当しない開発費を費用処理する場合、その性質に応じて「売上原価又は販売費及び一般管理費」として処理します。営業外費用ではありません(繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い)。
覚えるポイント
- 臨時の事象による多額の簿価切下額は特別損失。
- のれん償却費は販売費及び一般管理費、負ののれん発生益は特別利益。
- 包括利益・純資産直入項目に伴う税効果は「一時差異」として認識される。
- 四半期の税金費用は原則「年間見積実効税率法」、例外「実績(年度と同様の)方法」。
間違えやすいところ
- 四半期の税金費用計算において、通常の年度財務諸表と同じ実績主義が原則であると誤認してしまうこと。
- その他有価証券評価差額を「期間差異」と呼んでしまうこと(期間差異は税引前当期純利益と課税所得のズレであり、直接純資産項目は期間差異には含まれず一時差異に含まれる)。
出題の前提:企業会計基準第9号「棚卸資産の評価に関する会計基準」、企業会計基準第21号「企業結合に関する会計基準」、企業会計基準適用指針第28号「税効果会計に係る会計基準の適用指針」、企業会計基準第12号「四半期財務諸表に関する会計基準」等
出典:日本商工会議所『第158回 1級 商業簿記・会計学』
公式問題 p.5 ↗(www.kentei.ne.jp)
第158回 1級 商業簿記・会計学
参照した公式資料
日本商工会議所が公開した第158回 1級 商業簿記・会計学の問題・解答資料です。
- 公式問題 ↗ — www.kentei.ne.jp(PDF・5ページ)

