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FP技能検定 · 学習ガイド

2026年6月 1級 実技(資産相談業務・6月14日 PartI PartII・PartI)の問題・解答解説

日本FP協会・金融財政事情研究会の公式問題・模範解答を、級・学科/実技・公開年度に分けて収録しています。CBT公開問題は1セットの公表問題で、全受験者への出題を網羅するものではありません。

2026年6月 1級 実技(資産相談業務・6月14日 PartI PartII・PartI)の概要
30:00

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設例に基づく資産承継・相続対策およびFPの職業倫理

相続・事業承継 · 二世帯住宅の持分と名義預金 / 生前贈与と教育資金の援助 / 相続税対策と財産評価の引下げ / 遺産分割の公平性と遺言 / FPの職業倫理

71歳の元会社経営者Aさんは、妻Bさん(70歳)、公務員の長女Dさん(43歳・離婚)およびその子2人と同居している。長男Cさん(45歳・後継社長)には既にX社株式(時価1億円)を相続時精算課税で贈与済みである。自宅の老朽化に伴い二世帯住宅への建替え(Aさん負担で一部を妻名義にする検討や、妻名義の積立預金2,000万円の充当検討)を考えている。また、孫4人への教育資金援助、長男と長女のバランスに配慮した資産承継、多額の現預金(総資産約4.65億円)に伴う相続税対策(賃貸不動産の活用や新NISAなど)を望んでいる。これらの状況を踏まえ、顧客の相談内容・問題点、解決策、具体的な提案および留意点、ならびにFPの職業倫理について答えなさい。

解答・解説を表示

解答

二世帯住宅の出資割合に応じた共有名義設定と名義預金の解消、贈与税非課税制度(都度贈与)や暦年課税を活用した孫への教育資金支援、自社株贈与を踏まえた遺言書作成による公平な遺産分割、賃貸不動産等を通じた相続税軽減策を提案し、士業等の専門家と連携しながら顧客本位の助言を行う。

解説

FPは、お客様の家族関係・財産・税金や法律の課題をまとめてとらえ、名義と実質を一致させ、争族を防ぎ、適法に相続税を軽くする案をバランスよく示す必要があります。名義と本当の持ち主が違うと、贈与税や相続税のトラブルになりやすいからです。また、相続でもめると家族の関係が壊れるため、早めの備えが大切です。

解き方

  1. 家族の構成、持っている財産、これまでの贈与(長男への自社株1億円)、お客様の希望を整理して、課題を洗い出します。
  2. 名義預金や贈与税などの税金のリスクを取り除き、教育資金の援助、遺言の作成、不動産の活用などの対策を考えて提案します。

答えの内訳

設例の顧客の相談内容および問題点として、どのようなことが考えられるか。:①二世帯住宅の建築資金拠出と登記名義の不一致による贈与税課税リスク、②妻名義積立預金(約2,000万円)の名義預金該当性、③教育資金一括贈与非課税措置の廃止に伴う孫4人への教育資金支援方法、④長男への自社株生前贈与(1億円)を踏まえた長女Dさんとの遺産分割の公平性・遺留分への配慮、⑤多額の現預金保有に伴う高額な相続税負担と賃貸不動産・NISA等の有効活用の可否、などが挙げられる。
Aさんが全額拠出して妻名義を含めると贈与税が課税される恐れがあり、妻名義預金は実質的にAさんの財産(名義預金)とみなされる可能性が高いです。また教育資金支援の代替策や、長男・長女間の相続分・遺留分の調整、多額の現預金に係る評価引下げ対策が課題となります。
それらの相談内容および問題点を解決するために、どのような提案・方策が考えられるか。:①建物の持分割合を出資比率と一致させ、名義預金はAさん名義に是正したうえで資金拠出する。②孫への教育資金援助は扶養義務者間の「都度贈与」の非課税規定や暦年課税の基礎控除を活用する。③公正証書遺言を作成し、長男への生前贈与を考慮して長女Dさんに自宅不動産等を相続させるなど遺留分に配慮した分割案を定める。④賃貸不動産の取得(建物・借家権割合による評価減、小規模宅地等の特例等の活用)による相続税評価額の引下げや、新NISAを活用した長期分散運用を検討する。
贈与税課税を避けるための出資比率に応じた持分設定、名義預金の実質所有者への適正化、相続税法第21条の3による都度贈与の非課税活用、生前贈与(特別受益・遺留分算定の基礎財産)を意識した遺言の策定、不動産の評価差額を活用した節税策が有効となります。
それらの方策(解決策)のなかで、何を顧客に提案するか。その理由・留意点は何か。:二世帯住宅の適正な名義設定と公正証書遺言の作成を優先提案する。理由として、家族関係が良好な現段階で生前贈与の不公平感を解消し将来の争族を予防することが不可欠だからである。留意点としては、二世帯住宅で区分所有登記を行うと小規模宅地等の特例(特定居住用)の適用関係が複雑化・不利になる場合があるため共有登記を基本とすること、賃貸不動産購入にあたっては空室・修繕リスクや過度な節税に伴う否認リスク(財産評価基本通達6項等)を慎重に見極める必要がある点である。
円滑な資産承継には家族間の合意形成と法的効力のある公正証書遺言が最も重要です。また二世帯住宅の登記形態(共有か区分登記か)による小規模宅地等の特例への影響、不動産投資に伴う事業・流動性リスクの検証が必須留意事項となります。
FPと職業倫理について、どのようなことが考えられるか。:顧客の利益の最優先、守秘義務の厳守、十分な説明と同意(インフォームド・コンセント)、中立・公正なアドバイス、コンプライアンスの遵守が求められる。特に税務書類の作成や個別税額計算(税理士法)、登記手続の代理(司法書士法)、紛争性のある法律事務(弁護士法)など隣接士業の独占業務に抵触しないよう留意し、各専門家と緊密に連携して業務を遂行することが重要である。
FPは顧客の意思を尊重し守秘義務を徹底するとともに、関連法令(税理士法、弁護士法、司法書士法、金融商品取引法等)を厳格に遵守し、必要に応じて提携士業の協力を得て支援体制を構築する倫理責務を負います。

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覚えるポイント

  • 実質的な管理者が資金を拠出している預金は、名義人に関わらず実質所有者の財産(名義預金)として相続税の課税対象となる。
  • 二世帯住宅は建物の登記形態(単独・共有・区分所有)によって小規模宅地等の特例の適用要件が大きく異なる。

間違えやすいところ

  • 妻への感謝の気持ちから、自分が出したお金なのに建物の持分を妻の名義にし、配偶者控除の要件に当てはまらず多額の贈与税がかかってしまう間違い。
  • 教育資金一括贈与の特例が終わった後も、ふだんの生活費や教育費をその都度渡す贈与は非課税であることを見落とすこと。

出題の前提:2026年度第1回FP1級実技試験(資産相談業務・Part I)の設例および検討のポイントに基づく。

出典:金融財政事情研究会『2026年6月 1級 実技(資産相談業務・6月14日 PartI PartII・PartI)』
公式問題 p.1(公式掲載ページ) ↗(www.kinzai.or.jp)

2026年6月 1級 実技(資産相談業務・6月14日 PartI PartII・PartI)

参照した公式資料

金融財政事情研究会が公開した2026年6月 1級 実技(資産相談業務・6月14日 PartI PartII・PartI)の問題・解答資料です。

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